JP2005060528A - 安定したポリトリメチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

安定したポリトリメチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、異物が少ない優れた品質のPTTポリマーを、重合触媒由来の異物によるトラブル無く安定製造できる方法の提供を目的とする。
【解決手段】有機チタン化合物触媒を用いてポリトリメチレンテレフタレートを製造する方法において、液状のチタンアルコキサイド、チタンアシレート及びチタンキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機チタン化合物触媒を、溶媒で希釈した濃厚溶液とせずに、反応器及び/又は原料トリメチレングリコール貯槽に直接投入して反応を行うポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は異物の少ないポリトリメチレンテレフタレートを安定して製造する方法に関するものである。
近年ポリトリメチレンテレフタレート(以下、「PTT」と略す。)は、繊維化した場合、低弾性率に由来する柔らかい風合、優れた弾性回復性、易染性といったナイロン繊維に類似した性質と、ウォッシュアンドウェアー性、寸法安定性、耐黄変性といったポリエチレンテレフタレート繊維に類似した性質を併せ持つ画期的な繊維となり、その特徴を活かして、カーペットや衣料等への応用できる素材として注目され始めている。
PTTは、化学構造的に類似するポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略す。)やポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と略す。)と同様に、テレフタル酸(以下、「TPA」と略す。)またはテレフタル酸ジメチル(以下、「DMT」と略す。)のようなテレフタル酸の低級アルコールジエステルと、トリメチレングリコール(以下、「TMG」と略す。)とを、有機チタン化合物を触媒として少量用いて、溶融状態にて重合させてポリマーを得ることができる。
通常工業的規模のポリエステルポリマーの重合において、触媒は取扱いを容易にするために原料であるグリコールの数重量%程度の濃厚溶液として反応器に添加している。
しかしながら、有機チタン化合物は、空気中や機器・配管内の水分と接触すると加水分解して酸化チタンなどの有機溶媒やポリマーに不溶な異物となりやすく、このような異物が生じると、触媒溶液やポリマーを送液するラインにあるフィルターの詰まりやポンプの破損を引き起こして重合を続けることができなくなったり、得られるポリマー中に有機チタン化合物に由来する異物が混入して成形加工時のフィルター詰まりや紡糸時の糸切れの原因となったりしてしまうという問題があった。
また、本発明者らの研究によると、TMGを用いる場合は、エチレングリコールや1,4−ブタンジオールなど他のポリエステルに用いるグリコールの場合と異なり、有機チタン化合物はTMGと反応してTMGやPTTポリマーに難溶な白色沈殿化合物を生成しやすいことがわかった。このような白色沈殿化合物が生成すると、上記の異物の場合と同様に触媒溶液やポリマーを送液する配管の壁に付着して配管閉塞を引き起こしたり、フィルターの詰まりやポンプの破損を引き起こしてしまうばかりでなく、得られるポリマー中に有機チタン化合物に由来する異物が残存し成形加工時のフィルター詰まりや紡糸時の糸切れの原因となってしまう問題があった。
このようなチタン化合物由来の異物を抑制する技術としては、アルカリ化合物を含有する水、有機溶媒、又は水及び有機溶媒の混合物でチタン化合物を処理し、得られたチタン化合物を含む処理液を用いる技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、TMGに無水トリメリット酸を溶解した後チタンテトラブトキシドを滴下し、80℃にて反応させた後にアセトンを加えて得た析出物を用いる技術も提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの方法においてはアルカリ化合物や無水トリメリット酸といった反応性のある不純物を用いているため、得られるポリマーの色調が悪化したり、ゲル状物が生成したりしてしまい、逆に、得られるポリマーに悪影響を及ぼしてしまうことがある。
不純物を用いない方法としては、加水分解を防ぐために窒素雰囲気にて80℃に加熱したTMGにTPAを添加して反応させた溶液を用いる技術も提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、該技術は限定された雰囲気下で加温反応をする必要があり、高価な装置、煩雑な操作が必要となってしまう。更に、本発明者らの検討によると、該技術を用いると触媒の活性が大幅に落ちてしまうという欠点を有することも判った。
このように従来の技術では、異物の生成を抑え、且つ、ポリマーの品質を悪化させることのない工業的に使用しやすい有機チタン化合物触媒の溶液を、特別な装置、煩雑な操作なしに得ることはできない。
特開2002−187942号公報 特開2001−278971号公報 国際公開00/64962号パンフレット
本発明は、異物が少ない優れた品質のPTTポリマーを、重合触媒由来の異物によるトラブル無く安定製造できる方法の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、TMGと、TPA又はテレフタル酸の低級アルコールジエステルよりPTTを重合する方法において、液状の有機チタン化合物触媒を溶媒で希釈した濃厚溶液とせずに、原料TMGの貯槽又は反応器に直接投入して反応を行うことにより、触媒由来異物によるトラブル無く、優れた品質のPTTポリマーを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 有機チタン化合物触媒を用いてポリトリメチレンテレフタレートを製造する方法において、液状のチタンアルコキサイド、チタンアシレート及びチタンキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機チタン化合物触媒を、溶媒で希釈した濃厚溶液とせずに、反応器及び/又は原料トリメチレングリコール貯槽に直接投入して反応を行うことを特徴とするポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
[2] 原料や触媒を反応器に連続して投入して反応させて重合した後、重合したポリトリメチレンテレフタレートを連続的に払い出すことを特徴とする上記[1]のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
[3] 反応器がトリメチレングリコールと、テレフタル酸又はテレフタル酸の低級アルコールジエステルとを反応させる反応器であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
[4] 有機チタン化合物触媒を、−20〜30℃とした原料トリメチレングリコール貯槽に攪拌しながら投入し、反応器に投入されるまで該原料トリメチレングリコールを−20〜30℃に保つことを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
[5] 有機チタン化合物触媒を反応器に投入するに際し、反応液に浸せきしたノズルを介して投入することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
本発明により、異物が少ないために成形加工時のフィルター詰まりや紡糸時の糸切れ等のトラブルを少なくできるPTTを製造できる。また、異物が少ないためにPTTをトラブル無く安定して製造することが可能となる。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で重合するPTTとは、50モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰返し単位から構成され、50モル%以下が1種類以上の他の共重合成分から構成されるポリエステルである。PTTの特徴を生かすためには、70モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰返し単位から構成され、30モル%以下が1種類以上の他の共重合成分から構成されることが好ましい。他の共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、3,5−ジカルボン酸ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボン酸ベンゼンスルホン酸トリブチルメチルホスホニウム塩、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、アジピン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のエステル形成性モノマーが挙げられる。
本発明ではこのようなPTTをTMG(1,3−プロパンジオールとも言う。)と、テレフタル酸又はテレフタル酸の低級ジアルコールエステルを主な原料として製造する。ここでテレフタル酸の低級ジアルコールエステルとしては、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、メチルエチルテレフタレート、ジブチルテレフタレートなどが挙げられるが、入手と取扱いの容易さよりジメチルテレフタレートが好ましい。本発明ではこれらの主な原料以外に、得られるPTTの繰返し単位が前記した範囲に入る範囲で、前記したような他の共重合成分を用いることができる。
本発明に用いる有機チタン化合物触媒は、液状のチタンアルコキサイド、チタンアシレート及びチタンキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である。具体的には、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタン−n−プロポキシド、チタンテトラ−t−ブトキシド、チタンテトラフェノキシド、チタンテトラシクロヘキシド等のチタンアルコキサイド、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、トリイソプロポキシステアレート等のチタンアシレート、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトネート等のチタンキシレートなどが挙げられる。これらのうち触媒活性の高さ、ポリマーの着色、異物生成の少なさより考えてチタンアルコキサイドが好ましく、工業的に重合する際の入手の容易さよりチタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−t−ブトキシド、チタンテトライソプロポキシドが最も好ましい。
有機チタン化合物触媒の添加量は、得られるポリマーに対して0.01〜1重量%となるように添加することが好ましい。この範囲とすることで高い重合度、白度に優れた、高い品質のポリマーを得ることが容易となる。添加量は0.02〜0.5重量%がより好ましく、0.05〜0.2重量%が特に好ましい。本発明では他の触媒と併用する場合も含むが、ポリマーの品質の観点より、有機チタン化合物触媒のみを用いるのが望ましい。
本発明においては、このような液状の有機チタン化合物触媒を溶媒で希釈した濃厚溶液とせずに、原料TMGの貯槽及び/又は反応器に直接投入して重合を行う必要がある。ここで溶媒で希釈した濃厚溶液とせずとは、溶媒、例えば原料であるTMGで希釈して濃度が1重量%を超える濃厚溶液としないで、液状有機チタン化合物触媒をそのままで、反応器及び/又は原料TMGの貯槽に添加することを意味する。
PETなど他のポリエステルの重合では、取扱いを容易にするために触媒を原料となるグリコール等に溶解させた濃厚溶液として反応器や原料配管に投入して重合を行っている。PTTの重合において同様にして触媒を添加しようとすると様々なトラブルが発生してしまう。これは、前記したように、有機チタン化合物触媒をTMGに入れると白色の不溶物を生成するためである。10℃以下といった低温で有機チタン化合物をTMGに入れて触媒溶液を調製すると白色の不溶物の発生は抑えられるが、該溶液を反応器に投入する配管は温度が高くなるため、長時間運転していると徐々に内壁に触媒由来の不溶物が析出・堆積し、反応液に混入して異物化したり、場合によっては配管閉塞によって原料供給ができないために重合ができなくなったりすることもある。
本発明では、有機チタン化合物触媒を溶媒で希釈した濃厚溶液とせずに、原料トリメチレングリコールの貯槽及び/又は反応器に直接投入することで、このようなトラブルを回避できる。また、他のアルカリ化合物や有機化合物等を添加するのと異なり、得られるポリマーの品質に悪影響を与える恐れもない。
本発明において原料TMG貯槽に触媒を直接投入する場合は、原料TMG貯槽を2つ以上に分け、そのうちの1槽以上に触媒を直接投入し、それぞれの槽より反応器にTMGを投入する場合も含む。しかし、この場合、いずれの貯槽においても触媒濃度を1.0重量%以下、且つ、原料として投入するTMG総量に対する触媒総量の濃度の2倍以下とすることが好ましく、0.5重量%以下、且つ、1.5倍以下とすることがより好ましい。原料TMG貯槽を1つにして、ここに全量の触媒を投入することが最も好ましい。
原料TMG貯槽に触媒を直接投入する場合は、貯槽内のTMGを−20〜30℃とし、部分的に触媒が高濃度にならないように攪拌しながら投入することが望ましい。また触媒を投入した原料TMGは、反応器に投入するまでの間−20〜30℃に保つことが望ましい。このためにはTMG貯槽を−20〜30℃に保つと共に、反応器への移送配管もこの温度範囲となるようにすることが望ましい。過大な冷却設備が必要なく、粘性が高くなったり、固化したりすることを防ぐために温度は−20℃以上であることが望ましい。一方、触媒が析出して配管を閉塞したり、ポリマーに混入して異物化したりするのを抑制するためには30℃以下にすることが望ましい。温度は−10〜20℃であることがより望ましく。0〜10℃であることが更に好ましい。本発明においては、触媒を投入した原料TMGは、反応器に投入するまでの間−20〜30℃に保たれることが望ましいが、触媒が析出して配管を閉塞したり、ポリマーに混入して異物化したりするなどして本発明の効果に悪影響を及ぼさなければ、極短時間、−20〜30℃の温度範囲外にあっても良く、本発明の望ましい範囲内に含まれるものである。
また、TMG貯槽は水分が入らないようにすることが望ましく、乾燥した窒素などの不活性ガス雰囲気とすることがより望ましい。
一方、反応器に投入する場合は、反応液に浸せきしている配管を通して反応液内部に直接導入することが望ましい。このようにすることにより触媒が反応液中に均一に分散しやすくなるとともに配管出口付近での詰まりを防ぐことができる。
触媒は、トリメチレングリコールと、テレフタル酸又はテレフタル酸の低級アルコールジエステルとを反応させてPTTの中間体であるビス(3−ヒドロキシプロピレンテレフタレート)(以下、「BHPT」と略す。)を得る最初の反応器に上記した方法で投入する。もちろんその後に続く重縮合反応器にも併せて投入する場合もあるが、この際も同様にして重縮合反応器内部に直接導入することが望ましい。
また、いずれの場合も添加する有機チタン化合物触媒は−20〜50℃の雰囲気の貯蔵槽に貯蔵し、適宜、反応器に送液することが望ましい。貯蔵槽の温度は−10〜40℃であることがより好ましい。貯蔵槽内部は窒素などの不活性ガスを微量流し、水分や酸素が混入しないようにすることが好ましい。
本発明の製造方法は、原料や重合方式が異なる種々の重合方式に適用することができる。
PTTを工業的に製造する好ましい方法としては原料の違いより大きく分けて、テレフタル酸の低級アルコールジエステルとTMGとをエステル交換反応させ、PTTの中間体であるBHPTを得た後、該BHPTを重縮合反応させてPTT組成物を製造する方法(以下、「エステル交換法」と略す。)と、TPAとTMGとをエステル化反応させ、BHPTを得た後、第一の方法と同様に、該BHPTを重縮合反応させてPTT組成物を製造する方法(以下、「直接エステル化法」と略す。)がある。
また、製造方式の違いより大きく分けて、原料等を反応器に全て投入し、これらを同時に反応させてPTT組成物を得るバッチ重合法(回分法とも呼ぶ。)と、原料を反応器に連続して投入し、連続してPTT組成物を得る連続重合法がある。これらの中でも本発明は連続重合法において特に有用である。
以下、重合方法について詳述する。
エステル交換法にてBHPTを得るには、テレフタル酸ジメチル等のテレフタル酸の低級アルコールエステルを触媒の存在下150〜240℃の温度でエステル交換させてBHPTを得ることができる。テレフタル酸の低級アルコールジエステルとTMGの仕込み時のモル比は1:1.3〜1:4が好ましい。
直接エステル化法ではTPAとTMGを150〜240℃の温度でエステル化反応させてBHPTを得る。TPAとTMGの仕込み時のモル比は1:1.05〜1:3が好ましい。
バッチ法ではBHPTと原料であるTPA、TMGを同時に仕込み、反応を開始させることができる。連続重合法では直接エステル化反応を行う反応器に一定量のTPAとTMGの混合物を連続して投入しつつ、一定量の反応生成物(BHPT)を連続して払い出すことで反応を行うことができる。いずれの方法においても、前記したように有機チタン化合物触媒量は得られるポリマーに対して0.01〜1重量%となるように添加するのが好ましい。
上記で得られたBHPTは触媒を用いて減圧下あるいは不活性気体雰囲気下に重縮合反応を行う。触媒は、触媒量が得られる組成物重量に対して0.03〜1wt%となるようにすることが好ましい。BHPTを得る過程で触媒を添加する場合は、触媒の合計添加量が上記範囲となるように添加することが好ましい。
重縮合反応温度は、反応速度、ポリマーの着色等の観点より240〜275℃とすることが好ましい。
重縮合反応は、減圧下で行うことが好ましく、バッチ重合法では最終的に200Pa以下とすることが好ましく、連続重合法の場合は反応槽毎にBHPTやオリゴマーの昇華状態により適宜調節する必要があるが、最終反応槽は500Pa以下とすることが好ましく、200Pa以下とすることが更に好ましい。
本発明では、有機チタン化合物触媒以外に、必要に応じて、各種の添加剤、例えば艶消し剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、増白剤などを混合しても良い。この場合、固体の析出物を生じたり、有機チタン化合物触媒と反応して触媒活性を落としたりするものでないことが望まれる。
以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)極限粘度[η]
ポリマーの極限粘度[η]は、オストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/100ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式に従って求めた。
[η]=lim(ηsp/C)
C→0
(2)色調(L値、b*値)
ポリマーの色調はスガ試験機(株)のカラーコンピューターを用いて測定した。
(3)ポリマーのろ過テスト
40mmφの一軸押出し機を用いて260℃で押出したポリマーを、直径30mm、20μmメッシュの焼結フィルターを10kg/時間で通過させ、この通過させるのに必要な圧力の変化を観察することにより、ポリマーのろ過テストを行った。10時間テストを行い、5%以上の昇圧の有無でつまり発生の有無を判断した。
[実施例1]
原料としてDMTとTMGを用いて、図1の装置でバッチ重合法によりPTTポリマーを重合した。エステル交換反応器1にはタービン状の攪拌翼2を有した縦型攪拌反応器を、重縮合反応器4には螺旋型攪拌翼を有した縦型攪拌反応器用いた。
まずTMG貯槽9内にて5℃に冷却したTMG560kgに攪拌機で攪拌しながら触媒貯槽10よりチタンテトラ−n−ブトキシドを0.6kg投入した。TMG貯槽9、触媒貯槽10ともに窒素ガスを流通させ、酸素や水分が入るのを防いだ。次いで触媒の入ったTMGをエステル交換反応器1に全量移送した後、DMT650kgを投入した。その後、常圧下、160〜230℃に徐々に昇温しながら3時間エステル交換反応を行い、BHPTを得た。次に、得られたBHPTを重縮合反応器4に移送し、230〜260℃に徐々に昇温しながら減圧下で重縮合反応を3時間行い、PTTポリマーを得た。減圧度は時間とともに下げていき、最終的には50Paとした。このような重合を1日6バッチ、3ヶ月連続して行った。得られたポリマーは、極限粘度が0.75〜0.77であり、色調はL*が80〜85、b*が4〜10の範囲に入った良好なポリマーであった。得られたポリマーのろ過テストを行ったが昇圧は認められなかった。また、3ヶ月間の間、触媒や触媒の入ったTMGを移送する配管に詰まりは見られなかった。
[比較例1]
エステル交換反応器1にTMGを移送した後、チタンテトラ−n−ブトキシドの2重量%TMG溶液を触媒貯槽10より投入した以外は実施例1と同様にして重合を行った。チタンテトラ−n−ブトキシドの2重量%TMG溶液は白濁しており、2週間運転したところで触媒を反応器に移送する配管が詰まってしまい移送できなくなった。配管が詰まる直前に重合したポリマーは極限粘度が0.75、色調はL*が83、b*が7と良好であったが、ろ過テストを行ったところ昇圧が見られた。
[実施例2]
原料としてDMTとTMGを用いて、図2の装置で連続重合法により1日に約960kgのPTTポリマーを重合した。第一重合反応器11にはタービン状の攪拌翼を有した縦型攪拌反応器を、第二重合反応器15はタービン状の攪拌翼を有した縦型攪拌反応器を、第三重縮合反応器21には1軸のディスク状攪拌翼を有した横型攪拌反応器を用いた。
まずDMTを900kg/hr、TMGを530kg/r及び、及びチタンテトラ−n−ブトキシドを1kg/hr、220℃の熱媒で加熱した第一重合反応器11に連続投入し、常圧にて攪拌翼12で攪拌し、精留塔13を通して副生するメタノールを抜き出しながらエステル交換反応を行った。この時、チタンテトラ−n−ブトキシドは反応液に浸せきしているノズルより第一重合反応器11内に直接投入した。
その後、移送ポンプ14にて250℃の熱媒で加熱した第二重合反応器15に送液し、減圧下1000Paにて攪拌翼16で攪拌し、副生するTMG等を真空ベント配管17より抜き出しながら重縮合反応を行って低重合度のポリマーを得た。次いで、移送ポンプ20にて255℃の熱媒で加熱した第三重合反応器21に送液し、減圧下100Paにて攪拌翼22で攪拌し、副生するTMG等を真空ベント配管23より抜き出しながら重縮合反応を行って重合度を高め、PTTポリマーを得た。重縮合反応の触媒はエステル交換反応の時に添加したものをそのまま用いた。このような重合を3ヶ月連続して行った。得られたポリマーは、極限粘度が0.85〜0.87であり、色調はL*が80〜85、b*が4〜10の範囲に入った良好なポリマーであった。得られたポリマーのろ過テストを行ったが昇圧は認められなかった。また、3ヶ月間の間、触媒を第一重合反応器に投入する配管や反応液を移送する配管に詰まりは見られなかった。
[実施例3]
5℃に冷却したTMGに所定量の触媒を添加し、該TMGを10℃にて保管し、移送配管も10℃に保って第一重合反応器へ投入した以外は実施例2と同様にして重合を行った。得られたポリマーは、極限粘度が0.85〜0.87であり、色調はL*が80〜85、b*が4〜10の範囲に入った良好なポリマーであった。得られたポリマーのろ過テストを行ったが昇圧は認められなかった。3ヶ月間の間、触媒を第一重合反応器に投入する配管や反応液を移送する配管に詰まりは見られなかったが、3ヶ月後に移送配管を点検したところ、配管内壁にわずかに触媒由来と思われる堆積物が認められた。
[実施例4]
原料として770kg/hrのTPAと530kg/hrのTMGに相当するTPAとTMGを混合したスラリーを第一重合反応器11に連続投入し、常圧にて攪拌翼12で攪拌し、精留塔13を通して副生する水を抜き出しながらエステル化反応を行ってBHPTを得る以外は実施例2と同様にして重合を行った。得られたポリマーは、極限粘度が0.85〜0.87であり、色調はL*が80〜85、b*が4〜10の範囲に入った良好なポリマーであった。得られたポリマーのろ過テストを行ったが昇圧は認められなかった。また、3ヶ月間の間、触媒を第一重合反応器に投入する配管や反応液を移送する配管に詰まりは見られなかった。
[比較例2]
チタンテトラ−n−ブトキシド触媒を2重量%TMG溶液として第一重合反応槽に投入した以外は実施例2と同様にして重合を行った。チタンテトラ−n−ブトキシドの2重量%TMG溶液は白濁しており、1週間運転したところで触媒を反応器に移送する配管が詰まって移送できなくなった。配管が詰まる直前に重合したポリマーは極限粘度が0.86、色調はL*が80、b*が8と良好であったが、ろ過テストを行ったところ昇圧が見られた。
本発明は、繊維や樹脂成形用のポリマー製造の分野で好適に利用できる。
バッチ重合法の重合装置の概略を示す模式図である。 1軸のディスク状攪拌翼を有した横型攪拌反応器を用いた連続重合法の重合装置の概略を示す模式図である。
符号の説明
1.エステル交換反応器
2.攪拌翼
3.精留塔
4.重縮合反応器
5.攪拌翼
6.真空ベント配管
7.コンデンサー
8.真空ポンプ
9.TMG貯槽
10.触媒貯槽
11.第一重合反応器
12.攪拌翼
13.精留塔
14.移送ポンプ
15.第ニ重合反応器
16.攪拌翼
17.真空ベント配管
18.コンデンサー
19.真空ポンプ
20.移送ポンプ
21.第三重合反応器
22.攪拌翼
23.真空ベント配管
24.コンデンサー
25.真空ポンプ
26.排出ポンプ

Claims (5)

  1. 有機チタン化合物触媒を用いてポリトリメチレンテレフタレートを製造する方法において、液状のチタンアルコキサイド、チタンアシレート及びチタンキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機チタン化合物触媒を、溶媒で希釈した濃厚溶液とせずに、反応器及び/又は原料トリメチレングリコール貯槽に直接投入して反応を行うことを特徴とするポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 原料や触媒を反応器に連続して投入して反応させて重合した後、重合したポリトリメチレンテレフタレートを連続的に払い出すことを特徴とする請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 反応器がトリメチレングリコールと、テレフタル酸又はテレフタル酸の低級アルコールジエステルとを反応させる反応器であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  4. 有機チタン化合物触媒を、−20〜30℃とした原料トリメチレングリコール貯槽に攪拌しながら投入し、反応器に投入されるまで該原料トリメチレングリコールを−20〜30℃に保つことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  5. 有機チタン化合物触媒を反応器に投入するに際し、反応液に浸せきしたノズルを介して投入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
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JP2010534276A (ja) * 2008-09-23 2010-11-04 スモールズ・ラブ ポリ(トリメチレンテレフタレート)の製造方法
JP2021109886A (ja) * 2020-01-07 2021-08-02 東レ株式会社 ポリエステル樹脂の製造方法

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