JP2005060252A - コエンザイムq10製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】コエンザイムQ10のバイオアベイラビリティーを長期間高い状態で維持し、かつ高濃度の製剤を得ることは困難であり、コエンザイムQ10の生理活性効果を得るためには、製剤へのコエンザイムQ10の添加量を増やさなければならないという問題が生じていた。また、コエンザイムQ10を油脂に溶解し、これを乳化剤を用いてマイクロエマルションにした製剤もあるが、水性溶媒を使用しているため、硬質タイプのカプセル(ゼラチンや澱粉で構成されたカプセル)に封入した場合、水性溶媒が該カプセルを変形、溶解させるという問題があった。
【解決手段】コエンザイムQ10、リモネン及びポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を含有する製剤を調製することにより、コエンザイムQ10を高濃度の状態維持すること、及び従来は不適であったゼラチンカプセル等への貯蔵が可能になった。
【選択図】なし
【解決手段】コエンザイムQ10、リモネン及びポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を含有する製剤を調製することにより、コエンザイムQ10を高濃度の状態維持すること、及び従来は不適であったゼラチンカプセル等への貯蔵が可能になった。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度コエンザイムQ10含有製剤に関するものであり、詳しくは高濃度で安定なコエンザイムQ10マイクロエマルション予備濃縮物の経口投与を目的とした、ゼラチンなどのカプセルに封入した際もカプセルを変形或いは溶解させることなく貯蔵できるコエンザイムQ10製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の健康志向の増加により、医薬品として使用されていた成分が一般の食品へも使用できるものが増加している。その中の一つであるコエンザイムQ10は、ユビキノン、補酵素Q、CoQ、UQとも呼ばれる油溶性成分であり、化1のような構造を有する。イソプレノイド鎖(n)1〜12が自然界に存在していることが知られているが、ヒトではn=10のコエンザイムQ10(ユビデカレノン)のみが存在する。
【0003】
【化1】
【0004】
コエンザイムQ10は生体内で、ATP(アデノシン三リン酸)産生に欠かせない成分として真核細胞のミトコンドリアに多く存在し、生体エネルギー産生の必須成分と言われている。
【0005】
また、生体内で優れた抗酸化機能を発揮することが知られており、生体内で活性酸素が関与すると考えられている疾患、心筋梗塞、高血圧、狭心症、癌などの、いわゆる生活習慣病と呼ばれる疾病に対して予防効果が期待されている。
【0006】
さらに、アルツハイマー、パーキンソン病、うつ病などの脳疾患、歯肉歯周病、筋ジストロフィー、肥満防止などにも効果があるとされ、心肺機能向上効果、新陳代謝促進による老化防止効果などがあるとされている。
【0007】
コエンザイムQ10の生体内での需要の一部は、生体内合成によってまかなわれているが、それ以外は食物から取り入れている。生体内合成量は加齢により低下することが知られている。また食物から得られる量はごく僅かであるので、結果的に生体内でのコエンザイムQ10の総量は、加齢とともに減少することとなる。従って、生体内合成量を補う目的で、現在ではサプリメントとして摂取することが盛んに行なわれている。
【0008】
コエンザイムQ10は油溶性の物質であり、現在市販されている経口投与型のコエンザイムQ10サプリメントは基本的にコエンザイムQ10の結晶粉末を油脂に分散させたタイプか油脂に溶解させたもの、および結晶粉末をカプセルに封入したものが大半である。このような状態のものは摂取されても、体内への吸収率、とりわけ空腹時の体内有効利用率(バイオアベイラビリティー)が非常に低いことが解っている。
【0009】
これに対し、マイクロエマルション予備濃縮物として投与した場合には、コエンザイムQ10の体内への吸収率が非常に高くなることが示されている(特許文献1)。マイクロエマルション予備濃縮物とは、親油性物質を乳化剤を用いて溶解した状態のものをいい、体内の水や胃液、腸液等の水性媒質に接触すると乳化し、マイクロエマルションを形成する系のことである。すなわち、本発明に係るコエンザイムQ10製剤は、コエンザイムQ10を含む親油性物質を、リモネンとポリソルベートを用いて可溶化させたもので、製剤の状態ではコエンザイムQ10含有親油性物質はマイクロエマルションとはなっていないが、水性媒質を接触させると、サブミクロンオーダーのマイクロエマルションを形成する自己乳化型の製剤である。
【0010】
ここで問題となるのがコエンザイムQ10の油脂への溶解性の問題である。コエンザイムQ10は油溶性の物質である為、殆んどの油脂類と混ざり合い溶解するが、それ自体は常温(25℃前後)では黄色〜黄橙色の粉末状結晶物であり、溶解度は普通の食用油脂(菜種油)などの場合、10%以下となる。先の特許文献1で示される方法にて調製した10%コエンザイムQ10マイクロエマルション予備濃縮物は、加熱溶解を行なう為に、調製直後にはコエンザイムQ10が油脂に溶解しているが、常温に戻るとコエンザイムQ10の結晶が濃縮物中に析出してしまい、本来の目的であるマイクロエマルションを形成できないという問題がある。係る方法においては、乳化剤を添加することによってコエンザイムQ10の溶解度はさらに低下し、コエンザイムQ10の含有量を5%としても調製後1週間でコエンザイムQ10結晶の析出が確認され、製品価値は失われてしまった。
【0011】
このような事実から、乳化剤を用いてコエンザイムQ10含有製剤を調製することは可能であるが、コエンザイムQ10含有量は低くせざるを得ず(例えば1%のものなど)、長期間コエンザイムQ10のバイオアベイラビリティーを維持し続けるためには、高濃度の製剤にしなければならない。
【0012】
コエンザイムQ10の濃度を高める別の方法として、コエンザイムQ10を油脂に溶解し、これを他の水性媒質(水やグリセリン、プロピレングリコールなど)に乳化剤を用いてマイクロエマルション化した製剤もある(特許文献2乃至4)。この方法であれば加熱溶解させたコエンザイムQ10はすぐにマイクロエマルションに乳化される為、コエンザイムQ10含有量10%のものでも、結晶の析出などの問題は生じず、高濃度製剤化が可能である。実際にこのような形態のコエンザイムQ10製剤が既に市販されている。
【0013】
しかし、このような製剤はマイクロエマルション化のために必ず水性媒質を用いなければならず、経口投与の製剤化の際に一般的に用いられるゼラチン、または澱粉で構成された柔軟質または硬質タイプのカプセル型容器に封入した場合、含まれている水性媒質がカプセルを変形・溶解させてしまい、保存中に内容物が流出するという問題が生じる。
【0014】
【特許文献1】Patent Number : EP1249230
【特許文献2】特開昭55−167218号
【特許文献3】特開昭57−4916号
【特許文献4】特開2003−55203号
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、コエンザイムQ10のバイオアベイラビリティーを長期間高い状態で維持し、かつ高濃度の製剤を得ることは困難であり、製剤中のコエンザイムQ10の残存量が減少すると、コエンザイムQ10が持つ生理活性効果を期待することができなくなり、コエンザイムQ10の添加量を増やさなければならないという問題が生じていた。このようなことから、高濃度のコエンザイムQ10を含有する製剤を得ることは、コエンザイムQ10の有効活用において極めて重要なことである。
【0015】
これに対し、従来より利用されていた製剤化に関する技術では、バイオアベイラビリティーの高い高濃度のコエンザイムQ10製剤を、ゼラチンカプセル中で長期間安定に保持するには不十分なものであった。
【0016】
本願発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高濃度のコエンザイムQ10を含有する製剤を調製可能とし、生理活性作用を有するコエンザイムQ10を容易に、効率よく摂取でき、より多くの消費者に受け入れられるコエンザイムQ10製剤の開発につなげることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本願発明者らが鋭意研究を重ねた結果、コエンザイムQ10、リモネン及びポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を含有することにより、コエンザイムQ10を高濃度の状態でゼラチンカプセルに貯蔵が可能になるとの知見を得て、本願発明を完成するに至った。
【0018】
本願発明におけるコエンザイムQ10とは、上述のようにユビキノン、補酵素Q、CoQ、UQ或いはユビキノンのイソプレノイド鎖(n)が10であるユビキノン10(ユビデカレノンともいう)とも呼ばれる脂溶性成分をいう。
【0019】
コエンザイムQ10の添加量は、その溶解度の問題から従来では10%以下、乳化剤を使用したマイクロエマルション予備濃縮物の形態では、製剤100重量%に対し0.1〜3重量%しか含有することはできなかった。しかし、本願発明に係る製剤では、その含有量を5〜15重量%と大幅に増加することが可能となる。コエンザイムQ10の添加量が20重量%以上となると、保存中にコエンザイムQ10が結晶化して好ましくない。コエンザイムQ10の添加量を当該範囲内で適宜調整することは可能であり、目的とする製剤に応じた添加量をとることが可能である。
【0020】
本発明に用いられるリモネンは、天然の柑橘類等から抽出し精製した、あるいは化学的に合成されたd−リモネンを含有するものであれば良く、適宜濃度を調整して使用することができる。さらにd−リモネンを含有する柑橘系精油類、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライムなどの果皮、果肉などよりプレスして得られた成分を遠心分離などの方法により、油分だけを分取したもの、水蒸気蒸留により取り出したオイル部分、果汁を濃縮する際に減圧蒸留にて得られる溜分、または食用油脂にて抽出された成分、溶媒抽出された後、溶媒を除去したものなど、通常の精油類の製造に用いられる方法で得られるものを使用することができる。さらに、係る柑橘系精油類にd−リモネンを適宜添加して使用することもできる。
【0021】
本発明に係る製剤への添加量はd−リモネンとして10〜80重量%、好ましくは20〜60%がよい。添加量が少ないと、コエンザイムQ10の可溶化が不十分となり、また、添加量が多すぎると香味が強くなり好ましくない。
【0022】
本願発明で使用するポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤としては、一般的にはポリソルベートと呼ばれているもので、アトラス社から「Tween」の名称で市販されている以下のようなものを例示することができる。
【0023】
Tween20 :ソルビタンモノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween40 :ソルビタンモノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween60 :ソルビタンモノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween80 :ソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween65 :ソルビタントリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween85 :ソルビタントリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)
他に市販されているものとしてレオドール、CREMOPHOR、NIKKOL、などが知られており、効果の高いものとしてはそれぞれレオドールTW−O120、CREMOPHOR RH60,EL、NIKKOL HCO−60などが本発明に用いるものとして適している。
【0024】
本発明に係る高濃度コエンザイムQ10含有可溶化製剤の製法は、従来の製剤の製造原料として、リモネンとポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を追加し常法により製造するだけで良いため、既存の製造設備を利用できる点で工業的にも有利である。
【0025】
さらに、これらリモネン、ポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤以外にも、製剤の安定化を目的として本願発明の効果を損なわない限度において必要に応じて、色素、香料、保存料、糊料、pH調整剤、その他ミネラル類等を任意に添加することができる。
【0026】
これらの製造原料を用いて製造された本発明に係るコエンザイムQ10製剤は、その用途に応じてカプセルに充填しカプセル剤とする方法、公知の担体に吸着させて乾燥させてタブレット状に形成、又は噴霧乾燥など公知の方法により粉末化したものが例示できる。好ましくはカプセル剤である。
【0027】
【実施例】
以下、本願発明を実施例を用いて説明するが、本願発明はこれらに何等限定されるものではない。また、特に記載の無い限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。
<処方>
【0028】
<製法>
以下の製法に従い、本発明に係るコエンザイムQ10のマイクロエマルション予備濃縮物である実施例1及び2と、その比較例1〜4を調製した。
【0029】
実施例1では、コエンザイムQ10をd−リモネン含量90%以上の柑橘系精油類であるオレンジオイルに添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるレオドールTW−O120を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0030】
実施例2も、実施例1と同様に、コエンザイムQ10をd−リモネンに添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるTween80を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0031】
比較例1では、コエンザイムQ10をオレイン酸に添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるレオドールTW−O120を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0032】
比較例2でも、コエンザイムQ10を中鎖トリグリセライドに添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるTween80を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0033】
比較例3では、コエンザイムQ10を中鎖トリグリセライドに添加し、オレイン酸を加えた後に60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるTween80を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0034】
比較例4では、中鎖トリグリセライドにコエンザイムQ10を添加し、75℃に加熱して溶解した。一方で、グリセリンにショ糖脂肪酸エステルを溶解したものを調製し、攪拌下で溶解したコエンザイムQ10を添加混合した後、ホモジナイザーにより圧力450kg/cm2で乳化した。
【0035】
比較実験1
実施例1〜2及び比較例1〜4を調製直後及び5℃にて1ヶ月保存し、これを水にて10倍に希釈して粒子径をレーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製)により測定した。
【0036】
<結果>
【0037】
何れも調製直後はサブミクロンオーダーのマイクロエマルションを形成しているが、保存後は、比較例1〜3ではコエンザイムQ10の結晶が多量に析出し、上記のような結果となった。
【0038】
比較例4及び実施例1〜2は保存前後で殆んど差を認めず、サブミクロンの粒子を保っていた。
【0039】
また、比較例1〜3は製剤が固まってしまい、ハンドリングが困難な状態であった。
【0040】
比較実験2
実施例1〜2及び比較例1〜4をガラス製の保存容器に入れ、5℃及び25℃の温度にて保存し、経時的な状態の変化の観察を行なった。
【0041】
<結果>
【0042】
表中○印 : コエンザイムQ10結晶の析出なく、異常を認めない。
表中×印 : コエンザイムQ10結晶の析出を認める。
【0043】
上記比較実験2より、実施例では6ヶ月後もコエンザイムQ10の結晶析出は認められなかったが、比較例1〜3では結晶の析出が認められ、ペースト状に固化してしまった。
【0044】
また、比較例4では6ヶ月後も結晶の析出は認められず、透明で充分な流動性を保っていた。
【0045】
比較実験3
実施例1〜2及び比較例1〜4をゼラチンソフトカプセルに入れ、40℃に保存して状態を評価した。
【0046】
<結果>
【0047】
表中○印 : 異常なし。
表中△印 : カプセル僅かに変形
表中×印 : カプセル大きく変形
実施例1〜2及び比較例1〜3では、6ヶ月保存後もカプセルに異常は認められなかったが、比較例4ではカプセルが変形し、最終的には内容物が漏れ出てきた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度コエンザイムQ10含有製剤に関するものであり、詳しくは高濃度で安定なコエンザイムQ10マイクロエマルション予備濃縮物の経口投与を目的とした、ゼラチンなどのカプセルに封入した際もカプセルを変形或いは溶解させることなく貯蔵できるコエンザイムQ10製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の健康志向の増加により、医薬品として使用されていた成分が一般の食品へも使用できるものが増加している。その中の一つであるコエンザイムQ10は、ユビキノン、補酵素Q、CoQ、UQとも呼ばれる油溶性成分であり、化1のような構造を有する。イソプレノイド鎖(n)1〜12が自然界に存在していることが知られているが、ヒトではn=10のコエンザイムQ10(ユビデカレノン)のみが存在する。
【0003】
【化1】
【0004】
コエンザイムQ10は生体内で、ATP(アデノシン三リン酸)産生に欠かせない成分として真核細胞のミトコンドリアに多く存在し、生体エネルギー産生の必須成分と言われている。
【0005】
また、生体内で優れた抗酸化機能を発揮することが知られており、生体内で活性酸素が関与すると考えられている疾患、心筋梗塞、高血圧、狭心症、癌などの、いわゆる生活習慣病と呼ばれる疾病に対して予防効果が期待されている。
【0006】
さらに、アルツハイマー、パーキンソン病、うつ病などの脳疾患、歯肉歯周病、筋ジストロフィー、肥満防止などにも効果があるとされ、心肺機能向上効果、新陳代謝促進による老化防止効果などがあるとされている。
【0007】
コエンザイムQ10の生体内での需要の一部は、生体内合成によってまかなわれているが、それ以外は食物から取り入れている。生体内合成量は加齢により低下することが知られている。また食物から得られる量はごく僅かであるので、結果的に生体内でのコエンザイムQ10の総量は、加齢とともに減少することとなる。従って、生体内合成量を補う目的で、現在ではサプリメントとして摂取することが盛んに行なわれている。
【0008】
コエンザイムQ10は油溶性の物質であり、現在市販されている経口投与型のコエンザイムQ10サプリメントは基本的にコエンザイムQ10の結晶粉末を油脂に分散させたタイプか油脂に溶解させたもの、および結晶粉末をカプセルに封入したものが大半である。このような状態のものは摂取されても、体内への吸収率、とりわけ空腹時の体内有効利用率(バイオアベイラビリティー)が非常に低いことが解っている。
【0009】
これに対し、マイクロエマルション予備濃縮物として投与した場合には、コエンザイムQ10の体内への吸収率が非常に高くなることが示されている(特許文献1)。マイクロエマルション予備濃縮物とは、親油性物質を乳化剤を用いて溶解した状態のものをいい、体内の水や胃液、腸液等の水性媒質に接触すると乳化し、マイクロエマルションを形成する系のことである。すなわち、本発明に係るコエンザイムQ10製剤は、コエンザイムQ10を含む親油性物質を、リモネンとポリソルベートを用いて可溶化させたもので、製剤の状態ではコエンザイムQ10含有親油性物質はマイクロエマルションとはなっていないが、水性媒質を接触させると、サブミクロンオーダーのマイクロエマルションを形成する自己乳化型の製剤である。
【0010】
ここで問題となるのがコエンザイムQ10の油脂への溶解性の問題である。コエンザイムQ10は油溶性の物質である為、殆んどの油脂類と混ざり合い溶解するが、それ自体は常温(25℃前後)では黄色〜黄橙色の粉末状結晶物であり、溶解度は普通の食用油脂(菜種油)などの場合、10%以下となる。先の特許文献1で示される方法にて調製した10%コエンザイムQ10マイクロエマルション予備濃縮物は、加熱溶解を行なう為に、調製直後にはコエンザイムQ10が油脂に溶解しているが、常温に戻るとコエンザイムQ10の結晶が濃縮物中に析出してしまい、本来の目的であるマイクロエマルションを形成できないという問題がある。係る方法においては、乳化剤を添加することによってコエンザイムQ10の溶解度はさらに低下し、コエンザイムQ10の含有量を5%としても調製後1週間でコエンザイムQ10結晶の析出が確認され、製品価値は失われてしまった。
【0011】
このような事実から、乳化剤を用いてコエンザイムQ10含有製剤を調製することは可能であるが、コエンザイムQ10含有量は低くせざるを得ず(例えば1%のものなど)、長期間コエンザイムQ10のバイオアベイラビリティーを維持し続けるためには、高濃度の製剤にしなければならない。
【0012】
コエンザイムQ10の濃度を高める別の方法として、コエンザイムQ10を油脂に溶解し、これを他の水性媒質(水やグリセリン、プロピレングリコールなど)に乳化剤を用いてマイクロエマルション化した製剤もある(特許文献2乃至4)。この方法であれば加熱溶解させたコエンザイムQ10はすぐにマイクロエマルションに乳化される為、コエンザイムQ10含有量10%のものでも、結晶の析出などの問題は生じず、高濃度製剤化が可能である。実際にこのような形態のコエンザイムQ10製剤が既に市販されている。
【0013】
しかし、このような製剤はマイクロエマルション化のために必ず水性媒質を用いなければならず、経口投与の製剤化の際に一般的に用いられるゼラチン、または澱粉で構成された柔軟質または硬質タイプのカプセル型容器に封入した場合、含まれている水性媒質がカプセルを変形・溶解させてしまい、保存中に内容物が流出するという問題が生じる。
【0014】
【特許文献1】Patent Number : EP1249230
【特許文献2】特開昭55−167218号
【特許文献3】特開昭57−4916号
【特許文献4】特開2003−55203号
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、コエンザイムQ10のバイオアベイラビリティーを長期間高い状態で維持し、かつ高濃度の製剤を得ることは困難であり、製剤中のコエンザイムQ10の残存量が減少すると、コエンザイムQ10が持つ生理活性効果を期待することができなくなり、コエンザイムQ10の添加量を増やさなければならないという問題が生じていた。このようなことから、高濃度のコエンザイムQ10を含有する製剤を得ることは、コエンザイムQ10の有効活用において極めて重要なことである。
【0015】
これに対し、従来より利用されていた製剤化に関する技術では、バイオアベイラビリティーの高い高濃度のコエンザイムQ10製剤を、ゼラチンカプセル中で長期間安定に保持するには不十分なものであった。
【0016】
本願発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高濃度のコエンザイムQ10を含有する製剤を調製可能とし、生理活性作用を有するコエンザイムQ10を容易に、効率よく摂取でき、より多くの消費者に受け入れられるコエンザイムQ10製剤の開発につなげることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本願発明者らが鋭意研究を重ねた結果、コエンザイムQ10、リモネン及びポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を含有することにより、コエンザイムQ10を高濃度の状態でゼラチンカプセルに貯蔵が可能になるとの知見を得て、本願発明を完成するに至った。
【0018】
本願発明におけるコエンザイムQ10とは、上述のようにユビキノン、補酵素Q、CoQ、UQ或いはユビキノンのイソプレノイド鎖(n)が10であるユビキノン10(ユビデカレノンともいう)とも呼ばれる脂溶性成分をいう。
【0019】
コエンザイムQ10の添加量は、その溶解度の問題から従来では10%以下、乳化剤を使用したマイクロエマルション予備濃縮物の形態では、製剤100重量%に対し0.1〜3重量%しか含有することはできなかった。しかし、本願発明に係る製剤では、その含有量を5〜15重量%と大幅に増加することが可能となる。コエンザイムQ10の添加量が20重量%以上となると、保存中にコエンザイムQ10が結晶化して好ましくない。コエンザイムQ10の添加量を当該範囲内で適宜調整することは可能であり、目的とする製剤に応じた添加量をとることが可能である。
【0020】
本発明に用いられるリモネンは、天然の柑橘類等から抽出し精製した、あるいは化学的に合成されたd−リモネンを含有するものであれば良く、適宜濃度を調整して使用することができる。さらにd−リモネンを含有する柑橘系精油類、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライムなどの果皮、果肉などよりプレスして得られた成分を遠心分離などの方法により、油分だけを分取したもの、水蒸気蒸留により取り出したオイル部分、果汁を濃縮する際に減圧蒸留にて得られる溜分、または食用油脂にて抽出された成分、溶媒抽出された後、溶媒を除去したものなど、通常の精油類の製造に用いられる方法で得られるものを使用することができる。さらに、係る柑橘系精油類にd−リモネンを適宜添加して使用することもできる。
【0021】
本発明に係る製剤への添加量はd−リモネンとして10〜80重量%、好ましくは20〜60%がよい。添加量が少ないと、コエンザイムQ10の可溶化が不十分となり、また、添加量が多すぎると香味が強くなり好ましくない。
【0022】
本願発明で使用するポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤としては、一般的にはポリソルベートと呼ばれているもので、アトラス社から「Tween」の名称で市販されている以下のようなものを例示することができる。
【0023】
Tween20 :ソルビタンモノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween40 :ソルビタンモノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween60 :ソルビタンモノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween80 :ソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween65 :ソルビタントリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)
Tween85 :ソルビタントリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)
他に市販されているものとしてレオドール、CREMOPHOR、NIKKOL、などが知られており、効果の高いものとしてはそれぞれレオドールTW−O120、CREMOPHOR RH60,EL、NIKKOL HCO−60などが本発明に用いるものとして適している。
【0024】
本発明に係る高濃度コエンザイムQ10含有可溶化製剤の製法は、従来の製剤の製造原料として、リモネンとポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を追加し常法により製造するだけで良いため、既存の製造設備を利用できる点で工業的にも有利である。
【0025】
さらに、これらリモネン、ポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤以外にも、製剤の安定化を目的として本願発明の効果を損なわない限度において必要に応じて、色素、香料、保存料、糊料、pH調整剤、その他ミネラル類等を任意に添加することができる。
【0026】
これらの製造原料を用いて製造された本発明に係るコエンザイムQ10製剤は、その用途に応じてカプセルに充填しカプセル剤とする方法、公知の担体に吸着させて乾燥させてタブレット状に形成、又は噴霧乾燥など公知の方法により粉末化したものが例示できる。好ましくはカプセル剤である。
【0027】
【実施例】
以下、本願発明を実施例を用いて説明するが、本願発明はこれらに何等限定されるものではない。また、特に記載の無い限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。
<処方>
【0028】
<製法>
以下の製法に従い、本発明に係るコエンザイムQ10のマイクロエマルション予備濃縮物である実施例1及び2と、その比較例1〜4を調製した。
【0029】
実施例1では、コエンザイムQ10をd−リモネン含量90%以上の柑橘系精油類であるオレンジオイルに添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるレオドールTW−O120を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0030】
実施例2も、実施例1と同様に、コエンザイムQ10をd−リモネンに添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるTween80を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0031】
比較例1では、コエンザイムQ10をオレイン酸に添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるレオドールTW−O120を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0032】
比較例2でも、コエンザイムQ10を中鎖トリグリセライドに添加し、60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるTween80を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0033】
比較例3では、コエンザイムQ10を中鎖トリグリセライドに添加し、オレイン酸を加えた後に60℃に加熱してコエンザイムQ10を溶解した。次いで、溶解したコエンザイムQ10に乳化剤であるTween80を攪拌しながら添加し、均一に混合した。
【0034】
比較例4では、中鎖トリグリセライドにコエンザイムQ10を添加し、75℃に加熱して溶解した。一方で、グリセリンにショ糖脂肪酸エステルを溶解したものを調製し、攪拌下で溶解したコエンザイムQ10を添加混合した後、ホモジナイザーにより圧力450kg/cm2で乳化した。
【0035】
比較実験1
実施例1〜2及び比較例1〜4を調製直後及び5℃にて1ヶ月保存し、これを水にて10倍に希釈して粒子径をレーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製)により測定した。
【0036】
<結果>
【0037】
何れも調製直後はサブミクロンオーダーのマイクロエマルションを形成しているが、保存後は、比較例1〜3ではコエンザイムQ10の結晶が多量に析出し、上記のような結果となった。
【0038】
比較例4及び実施例1〜2は保存前後で殆んど差を認めず、サブミクロンの粒子を保っていた。
【0039】
また、比較例1〜3は製剤が固まってしまい、ハンドリングが困難な状態であった。
【0040】
比較実験2
実施例1〜2及び比較例1〜4をガラス製の保存容器に入れ、5℃及び25℃の温度にて保存し、経時的な状態の変化の観察を行なった。
【0041】
<結果>
【0042】
表中○印 : コエンザイムQ10結晶の析出なく、異常を認めない。
表中×印 : コエンザイムQ10結晶の析出を認める。
【0043】
上記比較実験2より、実施例では6ヶ月後もコエンザイムQ10の結晶析出は認められなかったが、比較例1〜3では結晶の析出が認められ、ペースト状に固化してしまった。
【0044】
また、比較例4では6ヶ月後も結晶の析出は認められず、透明で充分な流動性を保っていた。
【0045】
比較実験3
実施例1〜2及び比較例1〜4をゼラチンソフトカプセルに入れ、40℃に保存して状態を評価した。
【0046】
<結果>
【0047】
表中○印 : 異常なし。
表中△印 : カプセル僅かに変形
表中×印 : カプセル大きく変形
実施例1〜2及び比較例1〜3では、6ヶ月保存後もカプセルに異常は認められなかったが、比較例4ではカプセルが変形し、最終的には内容物が漏れ出てきた。
Claims (3)
- コエンザイムQ10、リモネン、及びポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤からなるコエンザイムQ10製剤。
- d−リモネンがコエンザイムQ10製剤中に10〜80重量%含有する請求項1記載のコエンザイムQ10製剤。
- ポリオキシエチレンソルビタンエステルタイプの乳化剤を、30〜90重量%含有する請求項1記載のコエンザイムQ10製剤。
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Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
JP2006265161A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Japan Research & Development Association For New Functional Foods | 抗酸化性組成物 |
JP2007297373A (ja) * | 2006-04-06 | 2007-11-15 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | ユビデカレノン含有内服用組成物 |
JP2008214275A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Taisho Pharmaceutical Co Ltd | ユビデカレノン含有固形製剤用組成物 |
KR100859781B1 (ko) | 2007-03-26 | 2008-09-24 | (주)미토콘 | 유비데카레논-함유 약학 조성물 |
JP2009515990A (ja) * | 2005-11-17 | 2009-04-16 | バイオアバイラビリティ,インク. | 生体適合性潜在的乳化剤 |
-
2003
- 2003-08-19 JP JP2003207925A patent/JP2005060252A/ja not_active Withdrawn
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