図1に示すAは、本発明に係るトラクタであり、同トラクタAは、機体フレーム1上において、前部に原動機部2を配設すると共に、後部に運転部3を配設し、同運転部3の運転席170の下方にミッション部4を配設しており、機体フレーム1の下方において、前部にフロントアクスルケース5を介して左右一対の前車輪6,6を取り付けると共に、上記ミッション部4にリヤアクスルケース7を介して左右一対の後車輪8,8を取り付けている。9は昇降リンク機構、10はモアである。
機体フレーム1は、図1〜図5に示すように、前後方向に伸延する左右一対の前後伸延片1a,1aと、両前後伸延片1a,1aの前端間に左右方向に伸延させて架設した左右伸延片1bとから形成している。
原動機部2は、図1〜図5に示すように、左右一対の前後伸延片1a,1aの前部間にエンジンマウント11,11,12,12を介してエンジン13を搭載し、同エンジン13の直前方位置にラジエータ支持体14を介してラジエータ15を配置する一方、エンジン13の直上方位置にマフラ16とエアクリーナ17を配置している。18はシュラウド、19は冷却ファン、24はバッテリーである。
ここで、エンジン13の中央上部にはシリンダヘッド部20を設けており、同シリンダヘッド部20を間に挟んで、一側方(本実施の形態では左側方)にマフラ16を配置すると共に、他側方(本実施の形態では右側方)にエアクリーナ17を配置し、同エアクリーナ17の右側後部に吸気管21の基端部21aを接続し、同吸気管21をシリンダヘッド部20の直上方において前方へ向けて伸延させて配置している。
そして、上記した原動機部2は、ボンネット22により前方と左右側方と上方とを被覆している。
このようにして、エアクリーナ17より吸気管21をシリンダヘッド部20の直上方において前方へ向けて伸延させて配置しているため、マフラ16とエアクリーナ17を、それぞれエンジン1 3の中央上部に設けたシリンダヘッド部20から外側方へ離隔させて配置すると共に、可及的にエンジン13に近接させて配置することができる。
すなわち、マフラ16とエアクリーナ17の下端部16a,17aは、図5に示すように、シリンダヘッド部20の上端レベルLよりも下方に配置して、エンジン13に近接させて配置すると共に、マフラ16とエアクリーナ17をシリンダヘッド部20寄りに配置している。
その結果、マフラ16とエアクリーナ17の直上方を被覆するボンネット22の天井部も、これらマフラ16とエアクリーナ17に可及的に近接させた低位置に配置することができて、ボンネット22のコンパクト化と低コスト化を図ることができる。
また、吸気管21は、図3及び図4に示すように、先端部21bをエンジン13の直前方に配置したラジエータ15の左側部より前方へ突出させると共に、下方へ向けて伸延させ、同先端部21bに形成した先端吸気口21cを右側下方へ向けて開口させている。
ここで、図2〜図4に示すように、マフラ16の前壁には排気管23の基端部23aを接続しており、同排気管23の先端部23bは下方へ伸延させると共に、ラジエータ15の左側下方位置まで伸延させて、先端排気口23cをボンネット22の左側外方へ開口させている。
そして、吸気管21の先端吸気口21cは、排気管23の先端排気口23cから離隔する方向である右側下方へ向けて開口させている。
このようにして、吸気管21の先端吸気口21cを排気管23の先端排気口23cから離隔する方向に向けて開口させているため、同先端排気口23cから排出された排気を、先端吸気口21cから吸入するという不具合の発生を防止することができる。
ボンネット22は、図1及び図6〜図9に示すように、機体フレーム1に固定する固定側形成体30と、同固定側形成体30の上面を開閉可能とした開閉側形成体31とに分割して形成すると共に、固定側形成体30を左側半部形成片32と右側半部形成片33とに二分割して形成している。
そして、左・右側半部形成片32,33は、それぞれ左・右側フロントグリル部形成片34,35と左・右側サイドパネル部形成片36,37とを一体成形しており、各左・右側フロントグリル部形成片34,35は、各左・右側サイドパネル部形成片36,37の前端上・下部より前方へ伸延しかつ内側方へ屈曲させて形成した上・下部網体支持枠片34a,34b,35a,35bと、両上・下部網体支持枠片34a,34b,35a,35bとの間に張設した網体38とから構成している。
しかも、上・下部網体支持枠片34a,34b,35a,35bの端面には、それぞれ前端突き合わせ部39,40,41,42を形成して、これらの前端突き合わせ部39,40,41,42を左右方向から突き合わせて接続するようにしている。
ここで、前端突き合わせ部39,40,41,42には、図9及び図10の平面図に示すように、機体の左右方向と直交する突き合わせ平端面部39a,40a,41a,42aと、各突き合わせ平端面部39a,40a,41a,42aと直交する後端面部39b,40b,41b,42bと、各後端面部39b,40b,41b,42bの外側端から前側外方へ向けてテーパー状の内寄せ面部39c,40c,41c,42cと、各内寄せ面部39c,40c,41c,42cの内側部と各後端面部39b,40b,41b,42bとに沿わせて上下方向に伸延する連結片43,44を形成しており、各連結片43,44の上部と下部にはそれぞれボルト挿通孔43a,43a,44a,44aを形成している。
また、前端突き合わせ部39,40,41,42は、図7〜図10に示すように、機体フレーム1から上方へ立ち上げて形成した連結支持体45に、連結体46を介して前後方向から狭持状態に連結して固定している。
すなわち、連結支持体45は、図2及び図3にも示すように、機体フレーム1の前部に配設した前記ラジエータ支持体14の前端部に立設しており、同連結支持体45は、ラジエータ支持体14に固定ピン47,47を介して固定する板状の固定片48と、同固定片48の前端部より上方へ立ち上げて形成した連結支持本片49とから形成している。50はピン挿通孔である。
しかも、連結支持本片49には、機体の左右方向と平行する平面を有する連結支持面部49aと、同連結支持面部49aの左右側縁部より外側前方へ向けたテーパー面を有する内寄せガイド面部49b,49bとを形成して、両内寄せガイド面部49b,49bに沿わせて前端突き合わせ部39,40,41,42の内寄せ面部39c,40c,41c,42cを内側方へ寄せる方向に案内して、両前端突き合わせ部39,40,41,42の突き合わせ平端面部39a,40a,41a,42a同士を突き合わせるようにしている。
さらには、上記連結支持面部49aの左右側上・下部には、それぞれ前記した各連結片43,44の上・下部に形成したボルト挿通孔43a,43a,44a,44aと前後方向に符合するボルト挿通孔49c,49c,49c,49cを形成している。
連結体46は、図7〜図10に示すように、連結支持本片49の連結支持面部49aと略同一の左右幅を有する上下縦長四角形板状の連結本片51と、同連結本片51の上端縁部より前方へ延出して形成した上部整合案内片52と、同連結本片51の下端縁部より前方へ延出して形成した下部整合案内片53とから、側面視コ字状に形成している。
そして、連結本片51の左右側上・下部には、それぞれ前記した各連結片43,44の上・下部に形成したボルト挿通孔43a,43a,44a,44a、及び、連結支持面部49aの左右側上・下部に形成したボルト挿通孔49c,49c,49c,49cと前後方向に符合するボルト挿通孔51a,51a,51a,51aを形成している。
また、連結本片51の上下幅は、図8に示すように、上・下部網体支持枠片34a,34b,35a,35bの上下間隔と略同一幅に形成して、同連結本片51の上端縁部より前方へ延出して形成した上部整合案内片52の上面により、上側の前端突き合わせ部39,41同士を突き合わせ方向に整合させるべく案内すると共に、連結本片51の下端縁部より前方へ延出して形成した下部整合案内片53の下面により、下側の前端突き合わせ部40,42同士を突き合わせ方向に整合させるべく案内するようにしている。
このようにして、図10(a)に示すように、連結本片51に形成したボルト挿通孔51a,51a,51a,51aと、各連結片43,44に形成したボルト挿通孔43a,43a,44a,44aと、連結支持面部49aに形成したボルト挿通孔49c,49c,49c,49cとを前後方向に符合させて、同状態にて前方から連結ボルト54,54,54,54を挿通すると共に、各連結ボルト54,54,54,54の先端部に締め付けナット55,55,55,55を螺着することにより、図10(b)に示すように、連結支持体45に連結体46を介して、前端突き合わせ部39,40,41,42を前後方向から狭持状態に連結して固定すると共に、突き合わせ平端面部39a,40a,41a,42a同士を接合することができるようにしている。
この際、締め付けナット55,55,55,55の締め付け操作により、連結体46を連結支持体45に近接させて、左・右側半部形成片32,33の前端突き合わせ部39,40,41,42を前後方向から狭圧すると共に、連結支持本片49の左右側縁部にそれぞれ形成した内寄せガイド面部49b,49bに沿わせて前端突き合わせ部39,40,41,42の内寄せ面部39c,40c,41c,42cを内側方へ寄せる方向に案内して、突き合わせ平端面部39a,40a,41a,42a同士を円滑かつ確実に突き合わせて接合することができて、組み付け精度を向上させることができる。
しかも、連結本片51の上部整合案内片52の上面が、上側の前端突き合わせ部39,41同士を突き合わせ方向に整合させるべく案内すると共に、連結本片51の下部整合案内片53の下面が、下側の前端突き合わせ部40,42同士を突き合わせ方向に整合させるべく案内するため、この点からも突き合わせ平端面部39a,40a,41a,42a同士を円滑かつ確実に突き合わせて接合することができて、組み付け精度を向上させることができる。
さらには、本実施の形態では、固定側形成体30を左側半部形成片32と右側半部形成片33とに二分割して形成しているため、部品点数が少なくなって製造コストの低減化を図ることができると共に、機体フレーム1の前部に上方へ立ち上げて形成した連結支持体45に、連結体46を介して左・右側半部形成片32,33の前端突き合わせ部39,40,41,42を前後方向から狭持状態に連結して固定するようにしているため、組み付け作業の手間を大幅に削減することができる。
ここで、左・右側サイドパネル部形成片36,37の後端部と開閉側形成体31の後端部は、図9、図11及び図12に示すように、ダッシュボード71を支持するダッシュボードステー64に支持させており、同ダッシュボードステー64は、後上方へ向けて伸延する左右一対の側壁形成片67,68と、両側壁形成片67,68の上端縁部間に架設した天井部形成片69とにより正面視門型に形成している。
そして、ダッシュボードステー64は、図11に示すように、機体フレーム1の中途部に立設した燃料タンク支持体70に取り付けており、同ダッシュボードステー64の後端縁部には、後述する運転部3のダッシュボード71とステアリングコラム166を連設している。
燃料タンク支持体70は、図11及び図12に示すように、左右一対の前後伸延片1a,1aの中途部間に架設したステアリングポスト支持台72と、同ステアリングポスト支持台72の前壁上部より前方へ水平に伸延させると共に、上方へ垂直に立ち上げて形成した支持本体73とから形成しており、同支持本体73上に燃料タンク74を載置すると共に、同支持本体73の上端部に隔壁体75の下端部を取り付けて、同隔壁体75により燃料タンク74を直前方においてエンジン13から隔離している。
そして、隔壁体75の左右側縁部には、それぞれ上下方向に伸延するダッシュボードステー連結片76,76を取付ボルト90,90により外側方へ張り出し状に取り付けて、各ダッシュボードステー連結片76,76に連結ブラケット77,77を介して前記ダッシュボードステー64の側壁形成片67,68を、前方から螺着した連結ボルト91,91により連結している。
また、ダッシュボードステー64の天井部形成片69の後端中央部には、側面視L字状のステー側連結ブラケット92を後方へ突出させて設ける一方、前記ステアリングポスト支持台72に立設したステアリングポスト93の上部にポスト側連結ブラケット94を前方へ突出させて設けて、両連結ブラケット92,94を上下方向に重合させると共に、上方から螺着した連結ボルト95,95により連結している。
ここで、ステー側連結ブラケット92には連結ボルト孔96,96を形成する一方、ポスト側連結ブラケット94には前後方向に伸延する連結ボルト長孔97,97を形成して、両連結ボルト長孔97,97を連結ボルト孔96,96に上方から符合させると共に、前後方向に位置調整した後に、連結ボルト95,95により連結することができるようにしている。
このようにして、ダッシュボードステー64は、機体フレーム1に直接取り付けて、同機体フレーム1の構成部材とすることなく、隔壁体75とステアリングポスト93とに後付けするようにしているため、ダッシュボードステー64内の部品の設計自由度が大きくなる。
しかも、ダッシュボードステー64を取り付ける(組み付ける)ための連結ボルト91,95は、前方ないしは上方から螺着するようにしているため、これら連結ボルト91,95による連結作業を楽に行うことができる。
この際、ポスト側連結ブラケット94には前後方向に伸延する連結ボルト長孔97,97を形成しているため、ダッシュボードステー64の前後位置調整が可能となって、同ダッシュボードステー64の取付自由度を増大させることができる。
さらには、ダッシュボードステー64は、機体フレーム1の構成部材としないため、開閉側形成体31を支持するだけの強度を保持させておけば良く、そのため同ダッシュボードステー64の簡素化を図ることができる。
開閉側形成体31は、図6及び図8に示すように、前壁形成片60と左右側壁形成片61,62と天井部形成片63とから形成しており、前記ダッシュボードステー64の天井部形成片69の内面左右側部より下方へ突出させた左右一対の枢支片69 a,69aに、左右方向に軸線を向けた枢支ピン65を介して開閉支持アーム66,66の基端部を枢支し、各開閉支持アーム66,66の先端部を天井部形成片63の後部に連設して、枢支ピン65を中心に開閉側形成体31を上下方向に開閉自在となしている。
そして、開閉側形成体31の左右側壁形成片61,62は、図8の正面断面図に示すように、下端縁部61a,62aを内側方へ屈曲させて形成する一方、左・右側サイドパネル部形成片36,37の上端縁部には、図7〜図9に示すように、それぞれ内側上方へ向けて傾斜状の接合片36a,37aを上端縁部に沿わせて形成して、開閉側形成体31の閉蓋(閉塞)状態においては、側面視にて、各下端縁部61a,62aが、内側上方へ向けて傾斜状に形成した前記各接合片36a,37aに上方から当接すると共に、各下端縁部61a,62aと各接合片36a,37aとが内外側に重合状態となるようにしている。
このようにして、左・右側サイドパネル部形成片36,37の上端縁部に形成した接合片36a,37aと、閉蓋(閉塞)状態の開閉側形成体31の下端縁部61a,62aとが、側面視にて、内外側に重合状態となるようににしているため、隙間合わせの作業が不要となり、組み付け作業が非常に楽になると共に、組み付け作業能率を向上させることができる。
しかも、ボンネット22の美的外観を向上させることができて、商品価値を高めることができる。
また、左・右側サイドパネル部形成片36,37の後端縁部には、図6及び図9に示すように、内側後方へ向けて傾斜状の接合片36a,37aを後端縁部に沿わせて形成して、側面視にて、接合片36a,37aとダッシュボードステー64の各側壁形成片67,68の下側前端縁部67a,68aとが内外側に重合状態となるようにしている。
このようにして、左・右側サイドパネル部形成片36,37の後端縁部に形成した接合片36a,37aとダッシュボードステー64の下側前端縁部67a,68aとが、側面視にて、内外側に重合状態となるようにしているため、隙間合わせの作業が不要となり、組み付け作業が非常に楽になると共に、組み付け作業能率を向上させることができる。
しかも、ボンネット22の美的外観を向上させることができて、商品価値を高めることができる。
また、ダッシュボードステー64の各側壁形成片67,68の下部には、前方へ向けて連結片78,79を突設して、各連結片78,79を介して左・右側サイドパネル部形成片36,37の後端部を連結・支持している。
そして、図11に示すように、左右一対の前後伸延片1a,1aの中途部より上方へ向けて嵌入突片86,86を突設する一方、図9に示すように、左・右側サイドパネル部形成片36,37の後端下部に嵌入孔87,88を形成して、各嵌入孔87,88中に各嵌入突片86,86を嵌入させて、左・右側サイドパネル部形成片36,37の後端下部を連結・支持している。
前記した隔壁体75の上部には、図6に示すように、枢支片80を前方へ向けて突設して、同枢支片80に棒状の開放支持体81の基端部81aを枢支して連結する一方、開閉側形成体31の内面中途部に、左右側壁形成片61,62と天井部形成片63とに沿わせて補強リブ体82を設け、同補強リブ体82の中央部(天井部形成片63の中央部に連設されている部分)にガイド体83を設けている。
そして、同ガイド体83は、補強リブ82に取り付けた基端部83aより天井部形成片63に沿わせて前方へ伸延させて形成して、同ガイド体83に前後方向に伸延するガイド溝84を形成しており、同ガイド体83にガイド溝84を介して開放支持体81の先端部81bを連結すると共に、同先端部81bをガイド溝84に沿わせて摺動自在となしている。
しかも、ガイド溝84の後端部には、後方へ凸状に湾曲する半円弧状の湾曲溝85を連続させて形成し、同湾曲溝85の先端縁部85aに開放支持体81の先端部81bを係止させることにより、開閉側形成体31を上方へ開放させた状態に保持することができるようにしている。
なお、ガイド溝84の所定の個所に、開放支持体81の先端81bを係止可能な係止用凹部(図示せず)を複数形成して、所要の係止用凹部に開放支持体81の先端部81bを係止させることにより、開閉側形成体31の開放角度を作業条件等に応じて数段階に変更可能とすることもできる。
このようにして、機体フレーム1に支持させた隔壁体75と、開閉側形成体31の内面に設けたガイド体83との間に開放支持体81を介設しているため、振動源となる原動機部2のエンジン13から開放支持体81を介してボンネット22の一部を形成する開放支持体81に振動が伝播するのを防止することができる。その結果、開放支持体81が耳障りなビビリ音を発生するのを防止することができる。
しかも、前後方向に伸延するガイド溝84を有するガイド体83は、開閉側形成体31の天井部形成片63の内面に設けているため、同ガイド溝84に沿わせて開放支持体81の先端部81bを摺動させることにより、同開放支持体81を基端部81aを中心に円滑に起倒作動させることができ、この際、ガイド体83と開放支持体81とが原動機部2の構成部材と干渉するのを回避することができると共に、図6に示す原動機部配設空間Sを広く確保することができる。
さらには、ガイド体83は、開閉側形成体31を補強する補強リブ体82に取り付けているため、同ガイド体83を強固に、かつ、別途に取付ブラケット等を設けることなく簡単に取り付けることができて、同ガイド体83と開放支持体81とを介した開閉側形成体31の開放支持を確実に行うことができる。
運転部3は、図1に示すように、機体フレーム1の中途部に張設したステップ部165の前部にステアリングコラム166を立設し、同ステアリングコラム166の上端部にダッシュボード71を設け、これらダッシュボード71とステアリングコラム166の前端縁部を前記したダッシュボードステー64の後端縁部に連設すると共に、ステアリングコラム1 66及びダッシュボード71内を通して前記ステアリングポスト93を立設し、同ステアリングポスト93中に挿通したステアリングハンドル支軸168の上端にステアリングハンドル169を取り付けている。
そして、ステアリングハンドル169の後方位置に運転席170を配置し、同運転席170の左右側方位置に後車輪フェンダ171,171を配置している。
以下に、本実施の形態における他の特徴的構造について、図面を参照しながら説明する。
燃料タンク74は、図11及び図12に示すように、側壁の前部に上下方向に伸延しかつ外側方へ張り出し状の取付片100,100を一体成形しており、各取付片100,100を直前方に対向する隔壁体75の左右側部に取付ブラケット101,101を介して後方から螺着した取付ボルト102,102により取り付けている。
このようにして、燃料タンク74に一体成形した取付片100,100を取付ブラケット101,101を介して隔壁体75に取り付けるようにしているため、部品点数の削減とコストの低減が図れると共に、燃料タンク形状の設計自由度を増大させることができる。
ラジエータ15は、側面説明図としての図13(a)と平面説明図としての図13(b)とに示すように、前記したラジエータ支持体14に載置しており、同ラジエータ支持体14には支持枠体103を立設して、同支持枠体103によりラジエータ15の上部を固定すると共に、開閉側形成体31の開閉機構104を支持している。
そして、支持枠体103は、上下方向に伸延させて形成してラジエータ支持体14の左右側部に立設した上下伸延支持片105,105と、両上下伸延支持片105,105の中途部間に横架した左右伸延支持片106とから形成している。
各上下伸延支持片105,105は、左右方向に側面を向けた第1形成片107,107と、各第1形成片107,107の後端縁部より外側方へ延出して前後方向に側面を向けた第2形成片108,108とから平面視L字状に形成して、左右方向に対向する第1形成片107,107間に左右方向に伸延する左右伸延支持片106を横架すると共に、ラジエータ15の左右側上端部に設けた固定片109,109と前後方向に対向する第2形成片108,108とを前後方向に軸線を向けた固定ピン110,110により固定するようにしている。115は防塵網体である。
ここで、固定片109,109と第2形成片108,108の上部とには、それぞれ前後方向に符合するピン挿通孔111,111,112,112を形成し、前後方向に符合するピン挿通孔111,111,112,112に前方から固定ピン110,110を挿通し、各固定ピン110,110の先端部に横断貫通状態に形成した抜け止めピン挿通孔113,113中に抜け止めピン114,114を挿通して、ラジエータ15を固定するようにしている。
このようにして、固定ピン110,110を前方から挿通してラジエータ15を固定するようにしているため、同ラジエータ15の組み付け作業を簡単に行うことができる。
図1に示すように、エンジン13の駆動軸(図示せず)にはフライホイール116を連動連結し、同フライホイール116に出力軸117を後方へ向けて突設する一方、ミッション部4の前部に静油圧式無段変速装置(以下「HST」という)118を連動連設し、同HST118より前方へ向けて入力軸119を突設して、同入力軸119と上記出力軸117とをミッション伝動シャフト120を介して連動連結している。
そして、図14にも示すように、HST118の前壁121より筒状の軸受け部122を前方へ向けて突設し、同軸受け部122にベアリング123を介して入力軸119の中途部を回動自在に支持している。127は、入力軸119の中途部に嵌合したリング状のシール材である。
また、同HST118から前方へ突出する入力軸119の部分にはボス部124を介してHST冷却ファン125を取り付けており、同ボス部124には、後端部を後方へ延出させて嵌入部126を形成し、同嵌入部126を上記軸受け部122中に嵌入させている。
このようにして、ボス部124の嵌入部126の外周面及び後端面と、軸受け部122の内周面及びシール材127の前端面との間に屈曲するラビリンス(迷路)128を形成しているため、モア10により刈り取った芝等がシール材127に巻き込まれるのを防止することができると共に、かかる芝等の巻き込み防止構造を安価に構成することができる。
図1に示すように、ミッション部4の前壁下部より出力軸130を前方へ向けて突出させる一方、フロントアクスルケース5の後壁中央部より入力軸131を後方へ向けて突出させ、同入力軸131と上記出力軸130とをフロントアクスル伝動シャフト132を介して連動連結して、前・後車輪6,6,8,8の四輪駆動が行えるようにしている。
図15〜図17は、上記フロントアクスル伝動シャフト132の他実施形態としての中途部支持構造を示しており、フロントアクスル伝動シャフト132を前半部形成シャフト133と後半部形成シャフト134とから形成する一方、左右一対の前後伸延片1a,1aの中途間に左右方向に伸延する支持壁体135を前後仕切り状に架設し、同支持壁体135に軸支持体136を介して後半部形成シャフト134の前部を支持させるようにしている。
そして、支持壁体135の右側部には、下方と前後方向とに開口する切り欠き溝137を形成し、同切り欠き溝137の左右側方に位置する支持壁体135の部分に前後方向に貫通する左右一対のボルト孔138,138を形成している。
また、軸支持体136は、ベアリングを内蔵したリング状の軸支持本片139と、同軸支持本片139の周面左右側部に外側方へ突出状に形成した左右一対の耳片140,140とから形成しており、各耳片140,140には前後方向に貫通するボルト挿通孔141,141を形成し、また、軸支持本片139中には後半部形成シャフト134の前部を挿通している。
従って、フロントアクスル伝動シャフト132を取り付ける際には、まず、フロントアクスル伝動シャフト132を図15に一点鎖線で示すように配置し、同状態にてフロントアクスル伝動シャフト132を図15に実線で示すように上方に移動させることにより、同フロントアクスル伝動シャフト132の後半部形成シャフト134の前部を支持壁体135に形成した切り欠き溝137に下方から嵌入させる。
続いて、軸支持体136を支持壁体135の前面に当接させると共に、同軸支持体136の耳片140,140に形成したボルト挿通孔141,141を支持壁体135に形成したボルト孔138,138に符合させて、これらの符合した孔141,141,138,138中に、前後方向に軸線を向けた取付ボルト142,142を前方から螺着して取り付ける。
このように、軸支持体136は、取付ボルト142,142を前方から螺着して取り付けるようにしているため、各取付ボルト142,142の締め付け作業が容易となり、軸支持体136の取付作業能率を向上させることができる。
図18は、運転部3の左側下方に配設したブレーキペダル143と、ミッション部4に設けたブレーキ装置(図示せず)との間に介設したブレーキ連動機構144の側面図である。
そして、ブレーキ連動機構144は、ブレーキペダル143を支持するブレーキペダル支軸145を左右一対の前後伸延片1a,1aの中途部間に横架し、同ブレーキペダル支軸145の左側部に連動アーム146を同軸的に取り付け、同連動アーム146と、その後方位置において左側の前後伸延片1aに中間アーム支軸147を介して取り付けた中間アーム148との間に連結ロッド149を介設し、同中間アーム148と、その後方位置において左側の前後伸延片1aに後部アーム支軸150を介して取り付けた後部アーム15 1との間に、過荷重を制限するための緩衝体152を介設している。
また、緩衝体152は、図19にも示すように、前部連結片153と、同前部連結片153に前端部を連結すると共に後方へ向けて伸延させて形成した筒状片154と、同筒状片154の後端部に取り付けたリング状の摺動ロッド支持片155と、同摺動ロッド支持片155を介して筒状片154中に前半部を挿通した摺動ロッド156と、同摺動ロッド156の前端部に設けた係止片157と摺動ロッド支持片155との間において摺動ロッド156の前半部外周面に巻回した押圧スプリング1 58とを具備している。
しかも、前部連結片153には、中央部に中間アーム148の先端部に形成した連結用突片159を嵌入するための切り欠き溝160を形成し、同切り欠き溝160中に連結用突片159を嵌入させると共に、前部連結片153に左右方向に横断する横断連結ピン161を貫通させて、同横断連結ピン161の中途部に連結用突片159を枢支・連結している。
さらに、摺動ロッド156は、後部アーム151に連結ピン162を介して後端部を連結している。163は中立復元用引張スプリング、164はスプリング連結アームである。
このようにして、オペレータがブレーキペダル143を強く踏み込み操作して、過剰な回動力がブレーキペダル支軸145→連動アーム146→連結ロッド149→中間アーム148→緩衝体152に伝達された場合にも、同緩衝体152に設けた押圧スプリング158が過剰な回動力を弾性吸収して、緩和された回動力が緩衝体152に設けた摺動ロッド156から後部アーム151に伝達されるようにしている。
この際、緩衝体152は、前部連結片153に切り欠き溝160を形成して、同切り欠き溝160中に中間アーム148の先端部に形成した連結用突片159を嵌入すると共に、横断連結ピン161を介して枢支・連結しているため、緩衝体152と中間アーム148とを部品点数を少なくして確実に連結することができる。
図20及び図21は、右側の前後伸延片1aの外側面中途部に設けたステップ部ステー175の補強構造を示している。
そして、ステップ部ステー175は、前後伸延片1aの外側面中途部に基端部176を取り付けると共に、先端部177を外側方へ向けて伸延させている。
また、ステップ部ステー175の直前方位置において、右側の前後伸延片1aの外側面中途部にペダル支軸ステー178を設けると共に、同ペダル支軸ステー178の後部に上記ステップ部ステー175と略平行する連結片179を形成して、同連結片179とステップ部ステー175の中途部との間に、前後伸延片1aと略平行させて前後方向に伸延する横架連結体180を介設している。181,182は連結片、183,184は連結ボルト、185は前進アクセルペダル、186は前進アクセルペダル支軸、187は後進アクセルペダル、188は後進アクセルペダル支軸、189は前後進アクセル連動機構である。
このようにして、横架連結体180とペダル支軸ステー178と前後伸延片1aとステップ部ステー175とにより、平面視にて枠状の枠状体190を形成して、同枠状体190によりステップ部ステー175の強度を向上させている。