JP2005059662A - 車両用前照灯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の走行状態に応じて投光範囲を変化させる車両用前照灯装置において、可視光の投光範囲よりも遠方の路面状況について、対象物の温度によらず、常に鮮明な画像を得ることができるものを提供する。
【解決手段】投光器6において、光源から放射された可視光と赤外光を可動式リフレクタ20によって反射し、それぞれロービームおよびハイビームとして自車両前方へ照射する。さらに、自車両の走行状況に応じて、CPU2よりリフレクタ用アクチュエータ11を制御し、可動式リフレクタ20を左右方向へ回転させる。これにより、自車両がカーブを曲がるときにハイビームの投光範囲を左右方向へ変化させ、ロービームの投光範囲よりさらに遠方の走行先に赤外光を照射する。そして、照射された赤外光の反射光を赤外線カメラ4により撮像し、表示装置9に画像表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の走行状態に応じて投光範囲を変化させる車両用前照灯装置に関する。
車両がカーブを曲がるときに投光範囲をカーブの方向に変化させることにより、夜間における遠方の走行先について、路面状況の視認性を向上させることができる車両用前照灯装置が従来から知られている。さらに、このような車両用前照灯装置の作動に応じて赤外線カメラの撮像範囲を調整することにより、投光範囲よりも遠方の走行先の路面状況を撮像して運転者に画像提供する装置も知られている(特許文献1)。
特開2003−2137号公報
特許文献1の装置では、投光範囲よりも遠方の走行先の路面状況を撮像するために、遠赤外線カメラを用いることによって、撮像対象からの熱を検出している。したがって、対象物の温度により撮像される画像の鮮明度に差が生じ、温度が低い対象物に対しては、鮮明な画像が得られない。
本発明による車両用前照灯装置は、可視光成分と赤外光成分とを含んだ光を放射する単一の光源と、光源より放射された光を可視光と赤外光に分離する分離手段と、分離手段により分離された可視光を車両前方の可視光投光範囲へ照射する可視光照射手段と、分離手段により分離された赤外光を車両前方の赤外光投光範囲へ照射する第1の赤外光照射手段と、可視光照射手段および第1の赤外光照射手段を左右方向へ駆動させることにより、可視光および赤外光投光範囲を左右方向へ変化させる第1の投光範囲変化手段と、車両の走行状況に応じて第1の投光範囲変化手段を制御する制御手段とを備える。
本発明によれば、単一の光源より分離した可視光と赤外光を、それぞれ可視光投光範囲と赤外光投光範囲にそれぞれ照射する。また、自車両の走行状況に応じて第1の投光範囲変化手段を制御し、可視光および赤外光投光範囲を左右の任意の角度方向へ変化させる。このようにしたので、赤外光投光範囲に照射される赤外光の反射光を撮像して画像表示することにより、対象物の温度に影響されずに、走行先の路面状況について常に鮮明な画像を得ることができる。
−第1の実施の形態−
本発明による車両用前照灯装置を適用したヘッドランプ制御システム(以下、本システムという)の一実施形態の構成を図1に示す。本システムは車両に備えられるものであり、以下では、本システムが備えられた車両を自車両と称して説明を行う。図1のヘッドランプ制御システムは、操舵角センサ1、CPU2、カメラ用アクチュエータ3、赤外線カメラ4、投光器6、車速センサ8、および表示装置9を有している。これらのうち、操舵角センサ1、CPU2、および車速センサ8は、自車両に備えられた不図示のイグニッションスイッチがオンされることにより作動する。これ以外のものについては、CPU2によって電源のオンオフが制御される。
投光器6は、リフレクタ用アクチュエータ11と可動式リフレクタ20を有し、自車両の前方に可視光と赤外光を照射する。この投光器6は、ロービーム(すれ違いビーム)として可視光を照射し、ハイビーム(走行ビーム)として赤外光を照射する。なお、投光器6の構成は後で詳細に説明する。
操舵角センサ1は自車両の操舵角を検出するセンサであり、この操舵角センサ1によって検出された自車両の操舵角情報は、CPU2に出力される。車速センサ8は自車両の車速を検出するセンサであり、この車速センサ8によって検出された自車両の車速情報もCPU2に出力される。CPU2は、操舵角センサ1と車速センサ8からそれぞれ入力された操舵角情報と車速情報に基づいて、カメラ用アクチュエータ3とリフレクタ用アクチュエータ11に対して駆動量を指示し、その駆動を制御する。
CPU2は、カメラ用アクチュエータ3、赤外線カメラ4、表示装置9、リフレクタ用アクチュエータ11、および可動式リフレクタ20の電源のオンオフを制御する。具体的には、自車両に備えられた不図示のヘッドランプ点灯スイッチがオンされると、リフレクタ用アクチュエータ11および可動式リフレクタ20の電源をオンする。さらに、その状態で自車両の車速が所定の値を越えたときに、残りのカメラ用アクチュエータ3、カメラ4、および表示装置9の電源をオンする。
カメラ用アクチュエータ3は、赤外線カメラ4を左右方向に回転させるための駆動機構を有している。赤外線カメラ4は、赤外線波長帯域に感度を持つカメラであり、自車両前方の路面状況を赤外線によって撮像する。カメラ用アクチュエータ3がCPU2から指示された駆動量に応じて駆動することにより、赤外線カメラ4の首振り角度が決定される。これにより、自車両の操舵角と車速に基づいて、左右の任意の角度方向へと赤外線カメラ4の視軸を変化させ、路面状況の撮像方向を制御することができる。赤外線カメラ4において撮像された路面状況は、CPU2を介して表示装置9へ出力され、表示装置9によって運転者へ画像情報として提供される。なお、赤外線カメラ4には、たとえばCCDカメラやCMOSカメラなどが用いられる。
カメラ用アクチュエータ3、赤外線カメラ4、および表示装置9は、本システムにおいて暗視装置系を構成している。これらの暗視装置系は、前述のように自車両が所定の車速を越えたときにCPU2によって電源がオンされて作動することにより、投光器6の可視光の投光範囲よりも遠方に対して、運転者の夜間視認性を向上させる。
リフレクタ用アクチュエータ11は、可動式リフレクタ20を左右方向に回転させるための駆動機構を有している。このリフレクタ用アクチュエータ11がCPU2から指示された駆動量に応じて駆動することにより、可動式リフレクタ20の首振り角度が決定される。可動式リフレクタ20は、後述する光源から照射される光を自車両前方へ反射するものであり、投光器6が照射する可視光と赤外光の投光範囲は、この可動式リフレクタ20の向きによって決定される。したがって、このようにして可動式リフレクタ20の向きを制御することにより、自車両の操舵角と車速に基づいて、可視光と赤外光の投光範囲を左右の任意の角度方向に変化させることができる。
以上説明したように、自車両の操舵角と車速に基づいて可視光の投光範囲を変化させることにより、たとえば自車両がカーブを曲がるとき、そのカーブ方向へと可視光の投光範囲を変化させることができる。さらにこのとき、自車両の操舵角と車速に基づいて、赤外光の投光範囲と路面状況の撮像方向も変化させることにより、可視光の投光範囲よりも遠い位置の路面状況についても、画像情報を運転者に提供することができる。
投光器6の構造例を図2の断面図に示す。投光器6は、前述のリフレクタ用アクチュエータ11と可動式リフレクタ20の他に、高輝度放電バルブ(以下、HID管球という)10、フィルタ部材14、遮光シェード17、およびレンズ18を有している。フィルタ部材14は、可視光透過フィルタ部材15と赤外光透過フィルタ部材16によって構成されている。また、可動式リフレクタ20は、上部のロービーム用リフレクタ12と、下部のハイビーム用リフレクタ13によって構成されている。
HID管球10は、可視波長帯域と赤外波長帯域の両成分を含んだ光を放射する光源である。なお、ここではHID管球を光源に用いた例を説明しているが、代わりにハロゲンバルブを用いても、本発明の効果を同様にして得ることができる。HID管球10の周囲には、円筒形状のフィルタ部材14が備えられている。
フィルタ部材14の上側の円周部分に配置された可視光透過フィルタ部材15は、HID管球10から放射された光のうち可視波長帯域の成分、すなわち可視光のみを通過させる。たとえば、図の符号101に示す位置を放射する光の焦点位置とすると、ここより放射された可視光は、可視光透過フィルタ部材15を通過する。通過した可視光は、可動式リフレクタ20の上部、すなわちロービーム用リフレクタ12によって反射され、レンズ18を通して照射される。こうして、可視光が図中の実線の矢印L1に代表されるビームを形成し、これがロービームとして自車両前方に照射される。なお、可視光透過フィルタ部材15を可視光と赤外光の両方を通過させるものとし、それによって、可視光と赤外光の両方をロービームとして照射することとしてもよい。
フィルタ部材14の下側の円周部分に配置された赤外光透過フィルタ部材16は、HID管球10から放射された光のうち赤外波長帯域の成分、すなわち赤外光のみを通過させ、それ以外は遮断する。たとえば、焦点位置101より放射された可視光と赤外光のうち、赤外光のみが赤外光透過フィルタ部材16を通過する。通過した赤外光は、可動式リフレクタ20の下部、すなわちハイビーム用リフレクタ13によって反射され、レンズ18を通して照射される。こうして、赤外光が図中の破線の矢印L2に代表されるビームを形成し、これがハイビームとして自車両前方に照射される。ハイビームを照射する投光範囲は、ロービームの投光範囲よりも自車両から遠くに位置している。
遮光シェード17は、HID管球10から放射される光のうち、自車両前方、すなわち図の左側方向へ放射される光の全成分を遮断する。この遮光シェード17により、HID管球10から放射された光が、フィルター部材14を通過し可動式リフレクタ20によって反射されることなく、直接自車両前方へ照射されるのを防ぐことができる。
以上説明したように、投光器6からは可視光をロービームとして照射し、赤外光をハイビームとして照射する。ハイビームとして照射された赤外光は、自車両前方の撮像対象物によって反射され、その反射光が図1の赤外線カメラ4によって撮像される。この撮像画像が表示装置9に表示されることにより、運転者はロービームとして照射される可視光の投光範囲よりも、さらに遠方の路面状況を確認できる。なお、赤外線カメラ4が感度を有する赤外線の波長帯域と、投光器6から照射される赤外光の波長帯域とは、少なくともその一部が一致している。
可動式リフレクタ20の向きを左右に変化させる様子を図3に示す。前述のように、リフレクタ用アクチュエータ11によって、可動式リフレクタ20が左右方向に回転する。このときの回転軸を符号21に示す。この回転軸21を中心に、可動式リフレクタ20、すなわちロービーム用リフレクタ12およびハイビーム用リフレクタ13を回転させる。さらに、HID管球10およびフィルタ部材14を一緒に回転させてもよい。すると、ロービーム用リフレクタ12とハイビーム用リフレクタ13における光の反射方向が変化する。その結果、投光器6から照射するロービームとハイビームの投光範囲を、左右の任意の角度方向に変化させることができる。
なお、本実施形態において、ロービーム用リフレクタ12とハイビーム用リフレクタ13は、可動式リフレクタ20として一体の構造を有している。そのため、リフレクタ用アクチュエータ11によってこの可動式リフレクタ20を左右方向に回転させることで、ハイビームすなわち赤外光と、ロービームすなわち可視光との投光範囲を、常に同期して同一の方向へ変化させることができる。
また、可動式リフレクタ20の首振り角度、すなわちCPU2からリフレクタ用アクチュエータ11に指示する駆動量と、赤外線カメラ4の首振り角度、すなわちCPU2からカメラ用アクチュエータ3に指示する駆動量とを一致するように、CPU2において制御する。これにより、ハイビームによる赤外光の投光範囲の方向と、赤外線カメラ4の撮像方向とを一致させることができる。
上記のようにして、ハイビームとロービームの投光範囲を左右方向に変化させた例を、図4および5を用いて説明する。図4には、本システムを用いていないときの投光範囲を示している。図4において、右カーブを走行中の自車両300からは、網掛けに示す投光範囲30にロービームを照射し、破線枠に示す投光範囲40にハイビームを照射している。このとき、ロービームとハイビームは共通の光軸Aを有している。
自車両300の走行先には、対象物100および200が存在している。対象物100は、ハイビームの投光範囲40の中に位置している。この場合、対象物100にはハイビームによる赤外光が照射され、その反射光が図1の赤外線カメラ4によって撮像されて表示装置9に表示される。そのため、運転者は対象物100を表示装置9の画像によって確認できる。また、対象物200は、ハイビームの投光範囲40よりも遠い位置にある。そのため、対象物200は表示装置9に画像表示されず、運転者はこれを確認できない。
図5には、本システムの上記に説明した実施形態を用いることにより、右カーブ走行時に投光範囲を右方向に変化させたときの様子を示している。ここでは、自車両に備えられた左右1対のヘッドランプのうち、いずれか一方のヘッドランプの投光範囲のみを変化させているものとする。図5において、右カーブを走行中の自車両300からは、網掛けに示す投光範囲30および31にロービームを照射し、破線枠に示す投光範囲40および41にハイビームを照射している。このとき、変化後の投光範囲31および41にそれぞれ照射されるロービームとハイビームは、共通の光軸Bを有している。
図5のように、右カーブ走行時に一方のヘッドランプの投光範囲を右方向に変化させることによって、対象物100がロービームの投光範囲31の中に位置し、対象物200がハイビームの投光範囲41の中に位置するようになる。この場合、対象物100にはロービームによる可視光が照射されるため、運転者は対象物100を目視で確認できる。また、対象物200にはハイビームによる赤外光が照射され、その反射光が図1の赤外線カメラ4によって撮像されて、表示装置9に表示される。そのため、運転者は対象物200を表示装置9の画像によって確認できる。
なお、変化前の光軸Aと変化後の光軸Bとのなす角度(以下、このような変化前と変化後の光軸のなす角度を、変化後の角度という)をθとすると、この変化後の角度θは、前述の可動式リフレクタ20の首振り角度に相当するものであり、自車両300の操舵角に基づいて算出される。すなわち、自車両300が走行している道路のカーブの曲がり具合によって、変化後の角度θは変化する。カーブの曲がり具合が大きいほど、すなわちカーブの曲率半径が小さいほど、自車両300の操舵角は大きくなり、その結果、変化後の角度θが大きくなる。本実施形態では、この算出された変化後の角度θに従って、ハイビームとロービームの投光範囲をそれぞれ変化させる。
以上説明した第1の実施形態において、本システムが実行する処理のフローチャートを図17に示す。この処理は、図1のCPU2において、自車両のイグニッションスイッチがオンされることにより実行される。なお、図17のフローチャートの各ステップは、この処理の実行条件が満たされている間は、ステップS10〜S80を1回の処理サイクルとして繰り返し実行される。以下では、1回の処理サイクルについて説明する。
ステップS10では、自車両のヘッドランプ点灯スイッチがオンされているか否かを判定する。オンされている場合はステップS20へ進み、オフである場合はこのステップS10に留まる。なお、ここでオンオフを判定する自車両のヘッドランプ点灯スイッチは、運転者が手動で操作するものでも、あるいは明るさを感知して自動で作動するオートライト式のものでもよい。
ステップS20では、前述の暗視装置系、すなわちカメラ用アクチュエータ3、赤外線カメラ4、および表示装置9を除いて、この時点でオンになっていない構成の電源をオンする。具体的には、リフレクタ用アクチュエータ11および可動式リフレクタ20の電源をオンにする。なお、以前の処理サイクルでこのステップS20を実行しており、これらの構成の電源が既にオンになっている場合には、今回の処理サイクルでは何も行わない。
ステップS30では、操舵角センサ1から出力される自車両の操舵角(ωとする)を読み込み、さらに、その操舵角ωに基づいて、図5のようにして投光範囲を変化させるときの変化後の角度(ここではθとする)を算出する。なお、このときの算出方法は周知であるため、説明は省略する。
ステップS40では、車速センサ8から出力される自車両の車速(Vとする)を読み込み、この車速Vが所定の車速Vf以上であるか否かを判定する。この判定で用いられる車速Vfは、暗視装置系を作動させるか否かを判定するためのしきい値であり、ロービームが照射される距離と、運転者が回避動作等を行うために要する時間(以下、回避時間という)に基づいて決定される。すなわち、自車両がロービームの照射距離を進む時間が、回避時間よりも短いような場合には、暗視装置系を作動させるようにする。車速VがVf以上である場合はステップS50へ進み、Vf未満である場合はステップS60へ進む。
ステップS50では、暗視装置系、すなわちカメラ用アクチュエータ3、赤外線カメラ4、および表示装置9をオンする。なお、以前の処理サイクルでこのステップS50を実行しており、これらの構成の電源が既にオンになっている場合には、今回の処理サイクルでは何も行わない。ステップS60では、ステップS30で算出された変化後の角度θに基づいて、リフレクタ用アクチュエータ11への駆動量を指示する。このとき指示する駆動量は、可動式リフレクタ20の首振り角度が、算出された変化後の角度θと等しくなるような値とする。
ステップS70では、暗視装置系がオンされているか否かを判定する。オンされている場合はステップS80へ進み、カメラ用アクチュエータ3への駆動量を指示する。このとき指示する駆動量は、ステップS60においてリフレクタ用アクチュエータ11へ指示したものと同じ角度を駆動させる値とする。すなわち、赤外線カメラ4の首振り角度が、ステップS30で算出された変化後の角度θと等しくなるような駆動量の値とする。ステップS80の実行後、またはステップS70において暗視装置系がオフであると判定した場合は、ステップS10へ戻る。
上記に説明した処理では、読み込んだ操舵角ωに基づいて、投光範囲を変化させるときの変化後の角度θを算出し(ステップS30)、算出された変化後の角度θに基づいて、リフレクタ用アクチュエータ11へ駆動量を指示する(ステップS60)。これにより、可視光によるロービームと、赤外光によるハイビームとの投光範囲を変化させる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)投光器6より、可視光と赤外光をそれぞれロービームおよびハイビームとして自車両前方へ照射する。さらに、自車両の走行状況に応じて、CPU2よりリフレクタ用アクチュエータ11を制御し、可動式リフレクタ20を左右の任意の角度方向へ回転させる。これにより、ロービームとハイビームの投光範囲を左右方向へ変化させることとした。このようにしたので、自車両がカーブを曲がるときにロービームの投光範囲を変化させ、夜間における遠方の走行先について、路面状況の視認性を向上させることができる。
さらに、ハイビームの投光範囲も変化させて、さらに遠方の走行先に赤外光を照射することができる。この赤外光の反射光を赤外線カメラ4により撮像し、表示装置9に画像表示することにより、対象物の温度に影響されずに、走行先の路面状況について常に鮮明な画像を得ることができる。
(2)操舵角センサ1により検出された操舵角に基づいて、投光範囲を変化させるときの変化後の角度θを算出し、算出された変化後の角度θに基づいて、リフレクタ用アクチュエータ11の駆動量を制御することとした。このようにしたので、カーブの曲がり具合に応じて、ロービームとハイビームの投光範囲を変化させることができる。
(3)ロービーム用リフレクタ12とハイビーム用リフレクタ13が、可動式リフレクタ20として一体の構造を有していることとした。このようにしたので、リフレクタ用アクチュエータ11によってこの可動式リフレクタ20を左右方向に回転させることで、ロービームとハイビームの投光範囲を、常に同期して同一の方向へ変化させることができる。
(4)ハイビームの投光範囲の方向と赤外線カメラ4の撮像方向とを常に一致させるように、リフレクタ用アクチュエータ11およびカメラ用アクチュエータ3を制御することとした。このようにしたので、ハイビームの投光範囲に照射された赤外光による反射光を、常に赤外線カメラ4において撮像することができる。
−第2の実施の形態−
本システムの第2の実施形態を図6に示す。本実施形態によるシステムは、図1に示す第1の実施形態の投光器6に代えて、投光器60を有している。この投光器60は、ロービームとハイビームの投光範囲を別々に変化させることができ、ロービーム用アクチュエータ110、ハイビーム用アクチュエータ111、ロービーム用リフレクタ120、およびハイビーム用リフレクタ130を有している。なお、投光器60の詳細は後で図7を参照して説明する。また、図6において、投光器60以外の部分については既に図1で説明しているため、以下では説明を省略する。
ロービーム用アクチュエータ110は、ロービーム用リフレクタ120を左右方向に回転させるための駆動機構を有している。また、ハイビーム用アクチュエータ111は、ハイビーム用リフレクタ130を左右方向に回転させるための駆動機構を有している。これらのアクチュエータが、CPU2から指示された駆動量に応じてそれぞれ独立に駆動することにより、ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130の首振り角度がそれぞれ決定される。これによって、ロービームとハイビームの投光範囲をそれぞれ別々に、左右の任意の角度方向へ変化させることができる。
ハイビーム用アクチュエータ111およびハイビーム用リフレクタ130は、カメラ用アクチュエータ3、赤外線カメラ4、および表示装置9とともに、本システムにおいて暗視装置系を構成する。これらの暗視装置系は、第1の実施の形態と同様に、自車両が所定の車速を越えたときに、CPU2によって電源がオンされて作動する。なお、ロービーム用アクチュエータ110およびロービーム用リフレクタ120は、自車両に備えられた不図示のヘッドランプ点灯スイッチがオンされたときに、CPU2によって電源がオンされて作動する。
投光器60の構造例を図7の断面図に示す。投光器60には、図のようにロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130が備えられ、それぞれロービーム用アクチュエータ110とハイビーム用アクチュエータ111が取り付けられている。HID管球10の焦点位置101から放射された光は、図2と同様に、可視光がロービーム用リフレクタ120によって反射され、赤外光がハイビーム用リフレクタ130によって反射される。これにより、可視光が図中の実線の矢印L1に代表されるビームを形成し、これがロービームとして自車両前方に照射される。また、赤外光が図中の破線の矢印L2に代表されるビームを形成し、これがハイビームとして自車両前方に照射される。
ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130のそれぞれの向きを左右に変化させる様子を、図8(a)および(b)に示す。図8(a)は、ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130を正面斜め上方向より見た図である。また、図8(b)は、図8(a)のR−R’に示す部分の断面を上方向から見た図である。
前述のように、ロービーム用アクチュエータ110がロービーム用リフレクタ120を回転させるとき、図8(a)の回転軸22を中心にして回転させる。また、ハイビーム用アクチュエータ111は、回転軸23を中心に、ハイビーム用リフレクタ130を回転させる。なお、回転軸22と23は同一の軸であってもよい。これらの回転を独立して行うことにより、ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130において、光の反射方向がそれぞれ独立して変化する。
たとえば、図8(b)に示す位置に、ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130をそれぞれ回転させる。このとき、ロービームは符号121に示す矢印の方向を中心に照射され、ハイビームは符号131に示す矢印の方向を中心に照射される。このようにして、投光器60から照射するロービームとハイビームの投光範囲を、それぞれ独立に左右方向に変化させることができる。なお、符号140は、ロービーム用リフレクタ120およびハイビーム用リフレクタ130の中立位置、すなわち投光範囲を変化させないときの位置を表している。
なお、本実施形態においても第1の実施の形態と同様に、ハイビーム用リフレクタ130の首振り角度、すなわちCPU2からハイビーム用アクチュエータ111に指示する駆動量と、赤外線カメラ4の首振り角度、すなわちCPU2からカメラ用アクチュエータ3に指示する駆動量とを一致するように、CPU2において制御する。これにより、ハイビームによる赤外光の投光範囲と、赤外線カメラ4の撮像範囲とを、常に一致させることができる。
上記のようにして、ハイビームとロービームの投光範囲をそれぞれ独立して変化させたときの様子を、図9に示す。ここでは、第1の実施の形態と同様に、自車両に備えられた左右1対のヘッドランプのうち、いずれか一方のヘッドランプの投光範囲のみを変化させるものとする。図9において、右カーブを走行中の自車両300からは、網掛けで示す投光範囲30および32にロービームを照射し、破線枠で示す投光範囲40および42にハイビームを照射している。投光範囲30と40には、変化させていない投光範囲を示しており、投光範囲32と42には、右カーブに合わせて右方向に変化させた投光範囲を示している。
図9の場合、対象物100と200が変化後のハイビームの投光範囲42の中に位置するため、ハイビームによって照射された赤外光は、対象物100と200により反射される。その反射光は、図6の赤外線カメラ4によって撮像され、表示装置9に表示される。これにより、運転者は対象物100および200を確認できる。
図9において、変化後のロービームが有する光軸Cと、変化前の光軸Aとのなす角度、すなわちロービームにおける変化後の角度をφとする。また、変化後のハイビームが有する光軸Bと、元の変化前の光軸Aとのなす角度、すなわちハイビームにおける変化後の角度をθとする。この変化後の角度φとθは、ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130の首振り角度にそれぞれ相当する。本実施形態では、この変化後の角度にしたがって、ハイビームとロービームの投光範囲をそれぞれ変化させる。
ハイビームの変化後の角度θは、図9の右カーブ走行時において、最も遠くまで自車両300の走行先を照射することができる角度方向であり、これは自車両300の操舵角に基づいて算出される。また、ロービームの変化後の角度φは、所定の一定角度であり、φ<θである。このロービームの変化後の角度φは、上限値によって制限された値である。
算出された変化後の角度θが所定の上限値φを上回っていた場合は、ロービームの変化後の角度は、その上限値の角度φに制限される。しかし、算出された変化後の角度θが所定の上限値φを上回らなければ、ロービームの変化後の角度は制限されない。このとき、ロービームとハイビームの変化後の角度は、同一の角度θとなる。
以上説明したように、本実施形態では、ハイビームとロービームの投光範囲をそれぞれ独立して変化させることにより、右カーブ時において、ロービームの投光範囲を上限値以上の角度方向には変化させないようにすることができる。これにより、自車両の対向車線側にロービームの光軸が向けられるのを防ぐことができる。その結果、対向車両が存在するときに、その運転者が自車両からのロービームを直接当てられることによって、眩惑を受けるのを防ぐことができる。
なお、左カーブ走行時については、左方向にロービームの投光範囲を変化させても、それが右側の対向車線側にはみ出すことはないため、上記のようにロービームの投光範囲の変化を制限する必要はない。つまり、図10に示すように、変化後のロービームの投光範囲33およびハイビームの投光範囲43は、変化前の光軸Aから左方向に角度δだけ離れた、同一の光軸Dを有する。この変化後の角度δは、自車両300の操舵角に基づいて前述の角度θと同様にして算出されるものであり、これには、前述の上限値φのようなものは設定されない。このようにすることで、左カーブ時にはより遠方の走行先までロービームを照射することができ、運転者はその道路状況を目視で確認できる。
以上説明した第2の実施形態において、本システムが実行する処理のフローチャートを図18に示す。この処理は、第1の実施の形態と同様に、図6のCPU2において自車両のイグニッションスイッチがオンされることにより実行され、その実行条件が満たされている間は、ステップS10〜S81を1回の処理サイクルとして繰り返し実行される。ステップS10〜S50では、図17に示す第1の実施の形態と同一のステップ番号の処理内容を実行する。
ステップS52では、ステップS30で読み込んだ操舵角ωの方向や符号により、自車両が右カーブを走行中であるか否かを判定する。右カーブを走行中である場合はステップS54へ進み、そうでない場合はステップS61へ進む。ステップS54では、ステップS30において算出された角度θが、所定の上限値(ここではφとする)より大きいか否かを判定する。角度θが上限値φより大きい場合はステップS56へ進み、そうでない場合はステップS61へ進む。なお、ステップS54の判定で用いられる上限値φは、前述の図9における所定の一定角度φに相当する角度である。これは、対向車両の運転者に対してロービームを直接当てないような角度方向の範囲で、あらかじめ設定される。
ステップS56では、ロービーム用アクチュエータ110の駆動量を制限し、ロービーム用リフレクタ120の首振り角度が上限値φを上回らないようにする。すなわち、ステップS30において算出された角度θに代えて、あらかじめ設定された上限値φを、ロービームの変化後の角度とする。なお、ハイビームの変化後の角度に対しては、この上限値φは適用されない。ステップS56の実行後、ステップS61へ進む。
ステップS61では、ロービーム用アクチュエータ110の駆動量を指示する。このとき、ステップS56が実行されている場合は、あらかじめ設定された上限値φに基づいて駆動量を指示し、ステップS56が実行されていない場合は、ステップS30で算出された角度θに基づいて駆動量を指示する。この駆動量は、ロービーム用リフレクタ120の首振り角度が、角度φまたはθと等しくなるような値とする。
ステップS70では、第1の実施の形態と同一の処理を実行し、ステップS81へ進むか、またはステップS10へ戻る。ステップS81では、ハイビーム用アクチュエータ111およびカメラ用アクチュエータ3の駆動量を指示する。このときの駆動量は、ステップS30で算出された角度θに基づいて決定される。これにより、ハイビーム用リフレクタ130と赤外線カメラ4の首振り角度が、共に算出された角度θと等しくなる。ステップS81の実行後は、ステップS10へ戻る。
上記の処理では、自車両が右カーブを走行中か否かを判定し(ステップS52)、さらに、算出された投光範囲を変化させるときの角度θが、あらかじめ設定された上限値φより大きいか否かを判定して(ステップS54)、ロービーム用アクチュエータ110へ駆動量を指示する(ステップS61)。これにより、対向車両の運転者に対して可視光によるロービームを直接当てないようにし、対向車両の運転者が眩惑を受けることを防ぐ。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)ロービームアクチュエータ110とハイビーム用アクチュエータ111により、ロービーム用リフレクタ120とハイビーム用リフレクタ130を独立して回転させることとした。このようにしたので、ロービームとハイビームの投光範囲をそれぞれ独立して変化させることができる。
(2)操舵角センサ1により検出された操舵角に基づいて、自車両が右カーブを走行中か否かを判定し、さらに、算出された投光範囲を変化させるときの角度θが、あらかじめ設定された上限値φより大きいか否かを判定する。そして、これらの判定がいずれも肯定された場合、ロービームの変化後の角度を上限値φに制限し、その角度φに基づいて、ロービーム用アクチュエータ110へ駆動量を指示することとした。このようにしたので、対向車両の運転者に対して可視光によるロービームを直接当てないようにし、対向車両の運転者が眩惑を受けるのを防ぐことができる。
−第3の実施の形態−
本システムの第3の実施形態を図11に示す。本実施形態によるシステムは、障害物検出センサ5を有している以外には、図6に示す第2の実施の形態と同じである。障害物検出センサ5は、所定の検出範囲を自車両前方に有しており、その範囲内で他車両などの障害物を検出し、さらに、検出した障害物から自車両までの距離と、その障害物の自車両に対する相対速度とを検出する。これにより、検出した障害物が自車両へ向かって走行している対向車両であるか否かを判定する。
障害物検出センサ5には、たとえば、レーザレーダやミリ波レーダなどが用いられる。または、車々間通信を用いて対向車両の位置情報や速度情報などを得て、それに基づいて、対向車両を判断するようにしてもよい。これ以外にも、様々な検出方法のものを障害物検出センサ5として用いることができる。
本実施形態では、右カーブ走行時において、障害物検出センサ5によって検出された対向車両が自車両から所定距離内であるか否かを判定し、その結果に基づいて、ロービームの投光範囲を変化させる角度を変えるようにする。具体的には、自車両から対向車両までの距離の検出値が所定値以下である場合は、ロービームの投光範囲を変化させる角度を、所定の上限値以下に制限する。逆に、距離の検出値が所定値よりも大きい場合や、対向車両が検出されない場合には、そのような制限を行わない。
なお、このときにしきい値として用いる自車両から対向車両までの距離の所定値は、あらかじめ設定をしておく。このとき、ロービームが照射される距離よりも大きい値とすることが好ましい。なお、障害物検出センサ5によって検出された自車両に対する他車両の相対速度に基づいて、この所定値を変化させるようにしてもよい。
本実施形態において右カーブ走行時にハイビームとロービームの投光範囲を変化させたときの様子を、図12および13に示す。自車両から所定距離内に対向車両が検出されない場合は、図12のように、変化後のハイビームとロービームが、それぞれ投光範囲42と34に照射される。変化後のハイビームの投光範囲42は、第2の実施の形態において図9で説明したものと同じであり、このハイビームは光軸Bを有している。また、変化後のロービームも、この光軸Bを共有している。このとき、変化前の光軸Aと変化後の光軸Bとのなす角度θ、すなわちロービームの変化後の角度θは、第2の実施の形態で説明したような上限値による制限を受けていない。
図12の場合、自車両300の運転者は、変化後のロービームの投光範囲34の中にある対象物100を、可視光の反射光により目視で確認できる。また、変化後のハイビームの投光範囲42の中にある対象物200を、赤外光の反射光により、表示装置9の画像で確認できる。
自車両から所定距離内に対向車両が検出されると、図13のように、変化後のロービームが投光範囲32に照射されるようになる。このときの変化後のロービームは、変化前のロービームの光軸Aと角度φをなす光軸Cを有している。この変化後の角度φは、第2の実施の形態において説明したのと同様に、所定の上限値によって制限された一定の角度である。なお、φ<θである。
図13の場合、自車両300の運転者は、変化後のハイビームの投光範囲42の中にある対象物100および200を、表示装置9の画像によって確認できる。このように、本実施形態では、対向車両の有無に応じて、ロービームの投光範囲を変化させる角度を変えるようにする。
以上説明した第3の実施形態において、本システムが実行する処理のフローチャートを図19に示す。この処理は、第2の実施の形態と同様に、図11のCPU2において自車両のイグニッションスイッチがオンされることにより実行され、その実行条件が満たされている間は、ステップS10〜S81を1回の処理サイクルとして繰り返し実行される。ステップS10〜S54では、図18に示す第2の実施の形態と同一のステップ番号の処理内容を実行する。
ステップS55では、障害物検出センサ5より出力される自車両から対向車両までの距離の検出値に基づいて、対向車両が所定距離内に存在するか否かを判定する。所定距離内に存在する場合は、ステップS56へ進む。この場合、第2の実施の形態と同一のステップS56を実行することにより、ロービーム用アクチュエータ110の駆動量を制限し、ロービーム用リフレクタ120の首振り角度が上限値φを上回らないようにする。その後、ステップS61へ進む。
一方、ステップS55において対向車両が所定距離内に存在しないと判定した場合は、ステップS56を実行せずにステップS61へ進む。この場合には、ロービーム用リフレクタ120の首振り角度を、ステップS30において算出された角度θとする。なお、ステップS55を実行した後は、いずれの場合にも第2の実施の形態と同一の処理を実行して、ステップS10へ戻る。
上記の処理では、自車両が右カーブを走行しており、かつ算出された投光範囲を変化させる角度θがあらかじめ設定された上限値φより大きい場合に、対向車両が所定距離内に存在するか否かを判定して(ステップS55)、ロービーム用アクチュエータ110へ駆動量を指示する(ステップS61)。これにより、対向車両が存在する場合には、その対向車両の運転者に対して可視光によるロービームを直接当てないようにし、対向車両の運転者が眩惑を受けることを防ぐ。
以上説明した第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態における判定条件に加えて、さらに障害物検出センサ5の検出結果により、自車両から所定距離内に対向車両が存在するか否かを判定することとした。そして、これらの判定がいずれも肯定された場合に、ロービームの変化後の角度を上限値φに制限することとした。このようにしたので、第2の実施の形態における作用効果に加えて、対向車両が所定距離内に存在するときのみ、その対向車両の方向へ可視光によるロービームを照射しないようにすることができる。
−第4の実施の形態−
本システムの第4の実施形態を図14に示す。本実施形態によるシステムは、図11に示す第3の実施の形態に加えて、投光器61を有している。投光器61は、投光器60と同一のハイビーム用アクチュエータ111およびハイビーム用リフレクタ130を有しており、投光器60と同様に、CPU2によって制御される。本実施形態では、この投光器61を合わせて用いることにより、ハイビームによって照射する赤外光の照射エネルギーを増大させる。これにより、自車両前方から反射される赤外反射光のエネルギーを増大させ、赤外線カメラ4において撮像される画像の輝度を向上させる。
投光器61の構造例を図15の断面図に示す。前述の図7の投光器60に比べて、この投光器61には、ロービーム用アクチュエータ110が備えられていない。そのため、投光器61において、ロービーム用リフレクタ120は可動ではなく、固定されている。すなわち、投光器61から照射されるロービームの投光範囲を、投光器60のように左右方向に変化させることはできない。この点以外については、投光器61は投光器60と同一の構造を有している。
なお、投光器60と61においてハイビームの投光範囲を変化させるとき、両者の変化後の角度を同一とする。すなわち、同一の投光範囲に対して、両者のハイビームによる赤外光を照射するようにする。このようにすることで、その投光範囲において、赤外光の照射エネルギーを増大させることができる。
投光器60と61を車両に設置したときの例を図16に示す。たとえば、図のように車両の右側(向かって左側)のヘッドランプを投光器60とし、左側(向かって右側)のヘッドランプを投光器61とする。このように、車両の右側のヘッドランプを投光器60とすると、右カーブ走行時において、投光器60から照射する可視光のロービームの投光範囲を、効率的に変化させることができる。なお、投光器60と61の設置場所を図16と逆にしてもよい。投光器60と61の設置位置は、図16の設置例に限定されるものではなく、様々な位置に設置することができる。
なお、上記の説明では、第3の実施形態に加えて投光器61を有する例について説明したが、第1または第2の実施形態に加えて、投光器61を有するようにしてもよい。本実施形態は、ハイビームによる赤外光の投光範囲に、投光器61によってさらに赤外光を照射し、赤外光の照射エネルギーを増大させるものである。そのため、第1〜第3の実施形態のいずれに対しても、本実施形態のものを同様に適用することができる。
以上説明した第4の実施の形態によれば、投光器61により、ハイビームの投光範囲にさらに赤外光を照射するようにした。このようにしたので、第1〜第3の実施の形態における作用効果に加えて、赤外光の反射光のエネルギーを増大させて、撮像される画像の輝度を向上させることができる。
なお、以上の各実施の形態では、車両が左側通行であるときを例にして説明したが、右側通行である場合についても、同様に本発明を適用することができる。その場合、第2および第3の実施の形態で説明したのとは逆に、左カーブのときに、ロービームの変化後の角度を上限値に制限するようにする。
以上の各実施の形態では、光源をHID管球10、分離手段をフィルタ部材14、可視光照射手段をロービーム用リフレクタ12または120、第1の赤外光照射手段をハイビーム用リフレクタ13または130、制御手段をCPU2によって、それぞれ実現している。また、操舵角検出手段を操舵角センサ8、対向車両検出手段を障害物検出センサ5、撮像手段を赤外線カメラ4、表示手段を表示装置9、撮像方向変化手段をカメラ用アクチュエータ3によってそれぞれ実現し、第2の赤外光照射手段および第2の投光範囲変化手段を、投光器61によって実現している。さらに、第1の投光範囲変化手段を、リフレクタ用アクチュエータ11、ロービーム用アクチュエータ110、またはハイビーム用アクチュエータ111のいずれかによって実現している。しかし、これらはあくまで一例であり、本発明の特徴が損なわれない限り、各構成要素は上記実施の形態に限定されない。
第1の実施の形態の構成を示す図である。 第1の実施の形態における投光器の構造例を示す断面図である。 可動式リフレクタ20の向きを左右に変化させる様子を示す図である。 投光範囲を変化させていないときの様子を示す図である。 第1の実施の形態において、右カーブ走行時に投光範囲を右方向に変化させたときの様子を示す図である。 第2の実施の形態の構成を示す図である。 第2の実施の形態における投光器の構造例を示す断面図である。 ロービーム用リフレクタとハイビーム用リフレクタのそれぞれの向きを左右に変化させる様子を示す図であり、(a)は正面方向より見た図、(b)は断面を上方向から見た図をそれぞれ示す。 第2の実施の形態において、右カーブ走行時に投光範囲を右方向に変化させたときの様子を示す図である。 第2の実施の形態において、左カーブ走行時に投光範囲を左方向に変化させたときの様子を示す図である。 第3の実施の形態の構成を示す図である。 第3の実施の形態において、対向車がいない場合に、右カーブ走行時に投光範囲を右方向に変化させたときの様子を示す図である。 第3の実施の形態において、対向車がいる場合に、右カーブ走行時に投光範囲を右方向に変化させたときの様子を示す図である。 第4の実施の形態の構成を示す図である。 第4の実施の形態における投光器の構造例を示す断面図である。 第4の実施の形態における投光器を車両に設置したときの例を示す図である。 第1の実施の形態における処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態における処理の流れを示すフローチャートである。 第3の実施の形態における処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1:操舵角センサ
2:CPU
3:カメラ用アクチュエータ
4:赤外線カメラ
5:障害物検出センサ
6、60、61:投光器
8:車速センサ
9:表示装置
11:リフレクタ用アクチュエータ
20:可動式リフレクタ
110:ロービーム用アクチュエータ
111:ハイビーム用アクチュエータ
120:ロービーム用リフレクタ
130:ハイビーム用リフレクタ

Claims (10)

  1. 可視光成分と赤外光成分とを含んだ光を放射する単一の光源と、
    前記光源より放射された光を可視光と赤外光に分離する分離手段と、
    前記分離手段により分離された可視光を車両前方の可視光投光範囲へ照射する可視光照射手段と、
    前記分離手段により分離された赤外光を前記車両前方の赤外光投光範囲へ照射する第1の赤外光照射手段と、
    前記可視光照射手段および第1の赤外光照射手段に対して、前記可視光および赤外光投光範囲を左右の任意の角度方向へ変化させる第1の投光範囲変化手段と、
    前記車両の走行状況に応じて前記第1の投光範囲変化手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用前照灯装置。
  2. 請求項1の車両用前照灯装置において、
    前記車両の操舵角を検出する操舵角検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて、前記可視光および赤外光投光範囲の変化後の角度方向を算出し、前記算出された角度方向に応じて前記第1の投光範囲変化手段を制御することを特徴とする車両用前照灯装置。
  3. 請求項2の車両用前照灯装置において、
    前記可視光照射手段と第1の赤外光照射手段は、一体の構造を有しており、
    前記第1の投光範囲変化手段は、前記一体の構造を有する可視光照射手段と第1の赤外光照射手段により、前記可視光および赤外光投光範囲を同一の方向へ変化させることを特徴とする車両用前照灯装置。
  4. 請求項2の車両用前照灯装置において、
    前記第1の投光範囲変化手段は、前記可視光投光範囲と赤外光投光範囲を、それぞれ独立して変化させることを特徴とする車両用前照灯装置。
  5. 請求項4の車両用前照灯装置において、
    前記制御手段は、前記可視光および赤外光投光範囲の変化後の一の角度方向を算出するとともに、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて、前記車両が右カーブ(左側通行の場合)または左カーブ(右側通行の場合)を走行中であるか否かを判定し、
    前記車両が右または左カーブを走行中であると判定し、かつ、前記算出された角度方向が所定の上限値を上回る場合、
    前記制御手段は、前記可視光投光範囲の変化後の角度方向を前記上限値に制限し、
    前記第1の投光範囲変化手段は、前記可視光投光範囲を前記上限値の角度方向へ変化させるとともに、前記赤外光投光範囲を前記算出された角度方向へ変化させ、
    前記車両が右または左カーブを走行中でないと判定した場合、または前記算出された角度方向が前記所定の上限値以下である場合、
    前記第1の投光範囲変化手段は、前記可視光および赤外光投光範囲を前記算出された一の角度方向による同一の方向へ変化させることを特徴とする車両用前照灯装置。
  6. 請求項4の車両用前照灯装置において、
    前記車両から対向車両までの距離を検出する対向車両検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記可視光および赤外光投光範囲の変化後の一の角度方向を算出するとともに、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて、前記車両が右カーブ(左側通行の場合)または左カーブ(右側通行の場合)を走行中であるか否かを判定し、さらに、前記対向車両検出手段により検出された対向車両までの距離が所定距離内であるか否かを判定し、
    前記車両が右または左カーブを走行中であると判定し、かつ、前記算出された角度方向が所定の上限値を上回っており、さらに、前記対向車両までの距離が所定距離内であると判定した場合、
    前記制御手段は、前記可視光投光範囲の変化後の角度方向を前記上限値に制限し、
    前記第1の投光範囲変化手段は、前記可視光投光範囲を前記上限値の角度方向へ変化させるとともに、前記赤外光投光範囲を前記算出された角度方向へ変化させることを特徴とする車両用前照灯装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかの車両用前照灯装置において、
    前記光源とは異なる光源より放射された光に基づいて赤外光を照射する第2の赤外光照射手段と、
    前記第2の赤外光照射手段が照射する赤外光の投光範囲を、左右の任意の角度方向へ変化させる第2の投光範囲変化手段とを備え、
    前記制御手段は、前記第2の赤外光照射手段により照射される赤外光の投光範囲の方向と、前記赤外光投光範囲の方向とを一致させるように、前記第2の投光範囲変化手段を制御することを特徴とする車両用前照灯装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかの車両用前照灯装置において、
    前記赤外光投光範囲へ照射された赤外光の反射光に基づいて、前記車両前方の路面状況を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された路面状況を画像表示する表示手段と、
    前記撮像手段の撮像方向を左右の任意の角度方向へ変化させる撮像方向変化手段とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記赤外光投光範囲の方向と前記撮像方向とを一致させるように、前記投光範囲変化手段および撮像方向変化手段を制御することを特徴とする車両用前照灯装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかの車両用前照灯装置において、
    前記光源は、高輝度放電バルブであることを特徴とする車両用前照灯装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかの車両用前照灯装置において、
    前記光源は、ハロゲンバルブであることを特徴とする車両用前照灯装置。
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