JP2005059628A - 旅客機におけるサービスカート安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、機体の突発的でかつ激しい上下動時の際に、客室乗務員の負担を増やすことなく自動的に作動し、また、機体の構造設計変更を要することなく、サービスカートの上下方向の移動を拘束し、安全を確保するシステムを提供することにある。
【解決手段】本発明のサービスカート安全装置は、カートの一部が客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止するように、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなるようにし、突出したプレートが係合するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のサービスカート安全装置は、カートの一部が客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止するように、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなるようにし、突出したプレートが係合するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旅客機の機体が気流の変動等により大きく変位した際に作動するサービスカート安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
旅客機の機内サービスに使用されるカートは現状では、サービス時にカートの移動方向の動きを止めるためのキャスター回転防止用のブレーキペダルが付いている以外、何の安全装置も施されていない。しかし、航空機は運用時にしばしば乱気流や緊急衝突回避行動によって、突然の上下加速度の変動に遭遇する。加速度は、時に負になることもあり、このために客室乗務員やサービスカートが宙に舞上り、天井に強打して乗務員が死傷する場合や、サービスカートが乗客に激突して大けがや死亡事故を起こす場合もある。現在のカートは、この上下方向の加速度の変化に対応する対策が全く取られていない状況にあり、客室乗務員からの安全対策に対する要望が強い。このような事故に対処する方策について国土交通省や各航空会社と共に本出願人の研究所も安全対策について検討を重ねてきたところであるが、現在のところ、外国も含め具体的な対策が採られた旅客機は未だ実現していない。
【0003】
サービスカートは乗客への飲み物や食事の提供の際や、機内販売で乗務員が客席を回る際に用いられるもので、旅客機にとっては必需品である。客席間の通路を移動させながら、サービスを行うものであるから、機体が急激な上下動をする際にもこれを安定的に床に定着させておく方策としては、カートの車をレールに狭持される構成に採るのがよいのではないかと一般には考えられる。しかし、その軌道は通路であることから人が躓くことがないように床内に埋め込んだレールとしなくてはならず、機体の床自体の張り替えが必要となり、コスト的に航空会社ではなかなか採用が難しい。また、カートの車を支える支柱は床下まで延在させなければならず、床には溝部を設けることが必然となる。床面に溝開口があるということは物が落ちて詰まる確率が高く、メンテナンス上も問題が多いし、ハイヒールが挟まったりの懸念もあってなかなか採用しにくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、機体の突発的でかつ激しい上下動時の際に、客室乗務員の負担を増やすことなく自動的に作動し、また、機体の構造設計変更を要することなく、サービスカートの上下方向の移動を拘束し、安全を確保するシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のサービスカート安全装置は、カートの一部が客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止するように、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなるようにし、突出したプレートが係合するようにした。
センサ構造の具体例としてはカート底部には車輪受け部が設けられてスプリングが固着され、該スプリングの他端部には車軸を介して車輪が取り付けられると共に、前記車輪受け部と前記車軸の相対変位に応動するスイッチ提示する。
また、プレートを突出させる機構の具体例としては、プレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、センサの検出信号が前記電磁機構に作用することにより前記係止部材の係止を外す電磁機構とからなるものを提示する。
また、突出した状態のプレートを原状復帰形態に戻し維持する機構の具体例としては、係止部材がスプリングの付勢力がかかる構造であって、電磁機構が検出信号を受けていない状態で突出したプレートをカート幅内に押し込むと前記スプリング力によって前記プレートと前記係止部材が係合する構成を提示する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は乱気流の中でも、予兆がない最も危険な晴天乱気流(Clear Air Turbulance: CAT)に対しても有効で、負の重力加速度(−G)に対しても自動的に反応し、客室乗務員の負担を増やしたり機体の構造設計変更を要することなく、上下方向の移動を拘束し、安全を確保することを目的として開発されたもので、本発明のサービスカート安全装置は、負の重力加速度が働いたときは図1のA,Bに示すようにカートの一部が客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止することを基本思想とする。ただしカートの一部が客室シートの金具に係合するためには、図1のCに斜視図で示すようにその部材がカート幅の外側に突出していることが必要となる。しかしサービスカートは客席間の通路を移動させながら使用するものであるから、そのような部材がカート幅の外側に突出していることは移動の際の邪魔となるし、通路ですれ違う人を躓かせてしまう危険性をもっている。そこで、正常時はこの部材がカート幅内に納められていて、カートが浮き上がるような負の重力加速度が働いたときまたはそれに近い状態(0Gや低G)になった時のみその部材が突出するような構成を採ることに想到した。しかし、その作動をサービス中の乗務員に行わせることは負担が大きいだけでなく、咄嗟の状況変化に瞬時に対応することは実際には極めて困難といえる。そのため、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサを備えることとし、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側に係合部材を突出させる機構を備えるものとした。このような構成を採用することで平常時はカート幅内に収納されている部材を非常に即応して突出させる機能をもたせたものである。そしてその部材の構造としては係合相手である客室シートの金具プレートと広く係合するようにプレート構造を採用することとした。広い面接触を得ることにより上方への浮き上がりだけでなく回転運動をも止めることができる。
【0007】
【実施例1】
次に本発明を具体化する実施例を示す。まず、機体の急激な上下動を検出する慣性部材とスプリングの組み合わせからなるセンサであるが、この実施例では慣性部材にあたるものがカート自体であり、スプリングはカートの車軸を支承するスプリングで構成する。図2に示すようにカート1の底部には車輪受け部8が設けられており、その上面にスプリング4の一端が固着され、該スプリング4の他端部には車軸6を固定した車輪5が導電性の基板6aを介して取り付けられる。異常な上下方向加速度がかかっていない平常時、例えば1G乃至0.5G程度の重力加速度がかかっている状態では、図のAに示されるように積載物を含めたカートの自重により、スプリング4を圧縮して基板6aは車輪受け部8の下面から離れた形態となっている。ところが、大きな下向きの加速度が機体に生じたときは積載物を含めたカートの自重が見かけ上軽くなるため、図のBに示されるようにスプリング4の力により基板6aを車輪受け部8の下面に押圧接触させる。この車輪受け部8の下面には図示されているように接点9a,9bが設けられており、Aに示す平常時の状態ではこの接点9a,9bが開成されているが、負の重力加速度が機内に生じたときはBに示されるようにこの接点9a,9bが閉成される。これが車輪受け部8と車軸6の相対変位に応動するスイッチを構成する。スイッチが作動する下向きの加速度の大きさはスプリングの弾性係数に対応するものとなるため、その値は設計によって決められる。
【0008】
プレートを突出させる機構は、本実施例ではプレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、該係止部材の係止を外す電磁機構とからなる。図3のAに示されるようにカート1の底中央部にはカート1の横幅より寸法が短い2枚のプレート7l,7r がガイド部材9によって幅方向に摺動可能な形態で取り付けられている。取りつけ位置をカート1の底中央部とするのはカートの重心からの鉛直線上にくることで浮き上がりを効率よく防ぐためである。係合のために突出する端部とは反対側の端部とカート1の側壁との間には射出用のスプリング10が介在し、それぞれのプレート7l,7rを突出させるように付勢している。図中破線円で囲んだ電磁機構11近傍の拡大断面図B,Cに示されるように、このプレート7l,7r には係止用の段部7aが設けられており、平常時は図のBに示されるように係止部材11aがこの段部7aと係合してプレート7l,7r がカートの幅から突出しないように止めている。しかし、負の重力加速度が機内に生じたときは前述したように接点9aと9bが閉成され、そのスイッチON信号によって電磁機構11に電流が供給されると、図のCに示されるように係止部材11aが電磁力によって引き上げられ、段部7aとの係合が外される。このため、2枚のプレート7l,7r は射出用のスプリング10の力によって瞬時に左右に突出させられる。この動作によって左右に突出した2枚のプレート7l,7rは客室シート2の金具3に係合する状態となってカート1の浮き上がりを防止する。
【0009】
大きな下方加速度を検出して、左右に突出状態とされた2枚のプレート7l,7r (図3のCの状態)は客席乗務員が手作業で突出したプレートの端部を射出用のスプリング10の付勢力に抗してカート内に押圧すれば、電磁機構11への通電の切れた状態となって引き上げ力が作用していない係止部材11aは、復帰バネ11bの押圧力を受けているので段部7aの位置にくるとその段部7aに押し込まれて係合し、図3のBの状態に復帰する。したがって、客席乗務員が押し込む手を離してもプレートの端部は係止状態となって、射出用のスプリング10の付勢力による突出は止められる。このように本実施例では原状復帰動作も極めて容易に実行することができる。
なお、サービスカート1の不使用時には電源スイッチをOFFとしておくようにし、例えば電磁機構11への通電がなされないようにして本発明の安全装置が作動しないようにするのがよい。
【0010】
【発明の効果】
本発明のサービスカート安全装置は、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなるものであるから、機体の急激な上下動を検出したときにはカートの一部が客室シートの金具に係合し、旅客機が遭遇するあらゆる種類の乱気流・緊急操作等に対して機内サービスカートの浮揚を、回転や上下移動をほとんど生ずることなく的確に防止することができる。また、このカートに掴まることによって客室乗務員の死傷事故、カートの落下による乗客の死傷事故も防ぐことができる。その上、カートの浮揚防止のための客室の床構造等の改造および乗務員の余分な作業負担増も必要としない。
【0011】
センサ構造としてカート底部には車輪受け部が設けられてスプリングが固着され、該スプリングの他端部には車軸を介して車輪が取り付けられると共に、前記車輪受け部と前記車軸の相対変位に応動するスイッチを採用した本発明のサービスカート安全装置は、カート自体が慣性部材として機能し極めてシンプルな構成で機体の急激な上下動を検出するセンサとして機能する。
【0012】
また、プレートを突出させる機構として、プレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、センサの検出信号が前記電磁機構に作用することにより前記係止部材の係止を外す電磁機構とからなる本発明のサービスカート安全装置は、シンプルな構造でありながら瞬時にプレートの突出動作を実行することができる。
【0013】
また、突出した状態のプレートを原状復帰形態に戻し維持する機構として、係止部材がスプリングの付勢力がかかる構造であって、電磁機構が検出信号を受けていない状態で突出したプレートをカート幅内に押し込むと前記スプリング力によって前記プレートと前記係止部材が係合する構成を採用した本発明のサービスカート安全装置は、客室乗務員が突出したプレートを押すだけの単純な作業で原状復帰を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旅客機におけるサービスカート安全装置の作動を説明する図である。
【図2】実施例におけるセンサが急激な上下動を検出する作動を説明する図である。
【図3】実施例において、プレートが検出信号をトリガとして突出する動作と、原状復帰の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 サービスカート 8 車輪受け部
2 座席 9a,9b 接点
3 座席の金具 10 射出スプリング
4 スプリング 11 電磁機構
5 車輪 11a 係止部材
6 車軸 11b 復帰バネ
6a 基板 12 係止用段部
7l,7r プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、旅客機の機体が気流の変動等により大きく変位した際に作動するサービスカート安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
旅客機の機内サービスに使用されるカートは現状では、サービス時にカートの移動方向の動きを止めるためのキャスター回転防止用のブレーキペダルが付いている以外、何の安全装置も施されていない。しかし、航空機は運用時にしばしば乱気流や緊急衝突回避行動によって、突然の上下加速度の変動に遭遇する。加速度は、時に負になることもあり、このために客室乗務員やサービスカートが宙に舞上り、天井に強打して乗務員が死傷する場合や、サービスカートが乗客に激突して大けがや死亡事故を起こす場合もある。現在のカートは、この上下方向の加速度の変化に対応する対策が全く取られていない状況にあり、客室乗務員からの安全対策に対する要望が強い。このような事故に対処する方策について国土交通省や各航空会社と共に本出願人の研究所も安全対策について検討を重ねてきたところであるが、現在のところ、外国も含め具体的な対策が採られた旅客機は未だ実現していない。
【0003】
サービスカートは乗客への飲み物や食事の提供の際や、機内販売で乗務員が客席を回る際に用いられるもので、旅客機にとっては必需品である。客席間の通路を移動させながら、サービスを行うものであるから、機体が急激な上下動をする際にもこれを安定的に床に定着させておく方策としては、カートの車をレールに狭持される構成に採るのがよいのではないかと一般には考えられる。しかし、その軌道は通路であることから人が躓くことがないように床内に埋め込んだレールとしなくてはならず、機体の床自体の張り替えが必要となり、コスト的に航空会社ではなかなか採用が難しい。また、カートの車を支える支柱は床下まで延在させなければならず、床には溝部を設けることが必然となる。床面に溝開口があるということは物が落ちて詰まる確率が高く、メンテナンス上も問題が多いし、ハイヒールが挟まったりの懸念もあってなかなか採用しにくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、機体の突発的でかつ激しい上下動時の際に、客室乗務員の負担を増やすことなく自動的に作動し、また、機体の構造設計変更を要することなく、サービスカートの上下方向の移動を拘束し、安全を確保するシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のサービスカート安全装置は、カートの一部が客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止するように、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなるようにし、突出したプレートが係合するようにした。
センサ構造の具体例としてはカート底部には車輪受け部が設けられてスプリングが固着され、該スプリングの他端部には車軸を介して車輪が取り付けられると共に、前記車輪受け部と前記車軸の相対変位に応動するスイッチ提示する。
また、プレートを突出させる機構の具体例としては、プレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、センサの検出信号が前記電磁機構に作用することにより前記係止部材の係止を外す電磁機構とからなるものを提示する。
また、突出した状態のプレートを原状復帰形態に戻し維持する機構の具体例としては、係止部材がスプリングの付勢力がかかる構造であって、電磁機構が検出信号を受けていない状態で突出したプレートをカート幅内に押し込むと前記スプリング力によって前記プレートと前記係止部材が係合する構成を提示する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は乱気流の中でも、予兆がない最も危険な晴天乱気流(Clear Air Turbulance: CAT)に対しても有効で、負の重力加速度(−G)に対しても自動的に反応し、客室乗務員の負担を増やしたり機体の構造設計変更を要することなく、上下方向の移動を拘束し、安全を確保することを目的として開発されたもので、本発明のサービスカート安全装置は、負の重力加速度が働いたときは図1のA,Bに示すようにカートの一部が客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止することを基本思想とする。ただしカートの一部が客室シートの金具に係合するためには、図1のCに斜視図で示すようにその部材がカート幅の外側に突出していることが必要となる。しかしサービスカートは客席間の通路を移動させながら使用するものであるから、そのような部材がカート幅の外側に突出していることは移動の際の邪魔となるし、通路ですれ違う人を躓かせてしまう危険性をもっている。そこで、正常時はこの部材がカート幅内に納められていて、カートが浮き上がるような負の重力加速度が働いたときまたはそれに近い状態(0Gや低G)になった時のみその部材が突出するような構成を採ることに想到した。しかし、その作動をサービス中の乗務員に行わせることは負担が大きいだけでなく、咄嗟の状況変化に瞬時に対応することは実際には極めて困難といえる。そのため、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサを備えることとし、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側に係合部材を突出させる機構を備えるものとした。このような構成を採用することで平常時はカート幅内に収納されている部材を非常に即応して突出させる機能をもたせたものである。そしてその部材の構造としては係合相手である客室シートの金具プレートと広く係合するようにプレート構造を採用することとした。広い面接触を得ることにより上方への浮き上がりだけでなく回転運動をも止めることができる。
【0007】
【実施例1】
次に本発明を具体化する実施例を示す。まず、機体の急激な上下動を検出する慣性部材とスプリングの組み合わせからなるセンサであるが、この実施例では慣性部材にあたるものがカート自体であり、スプリングはカートの車軸を支承するスプリングで構成する。図2に示すようにカート1の底部には車輪受け部8が設けられており、その上面にスプリング4の一端が固着され、該スプリング4の他端部には車軸6を固定した車輪5が導電性の基板6aを介して取り付けられる。異常な上下方向加速度がかかっていない平常時、例えば1G乃至0.5G程度の重力加速度がかかっている状態では、図のAに示されるように積載物を含めたカートの自重により、スプリング4を圧縮して基板6aは車輪受け部8の下面から離れた形態となっている。ところが、大きな下向きの加速度が機体に生じたときは積載物を含めたカートの自重が見かけ上軽くなるため、図のBに示されるようにスプリング4の力により基板6aを車輪受け部8の下面に押圧接触させる。この車輪受け部8の下面には図示されているように接点9a,9bが設けられており、Aに示す平常時の状態ではこの接点9a,9bが開成されているが、負の重力加速度が機内に生じたときはBに示されるようにこの接点9a,9bが閉成される。これが車輪受け部8と車軸6の相対変位に応動するスイッチを構成する。スイッチが作動する下向きの加速度の大きさはスプリングの弾性係数に対応するものとなるため、その値は設計によって決められる。
【0008】
プレートを突出させる機構は、本実施例ではプレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、該係止部材の係止を外す電磁機構とからなる。図3のAに示されるようにカート1の底中央部にはカート1の横幅より寸法が短い2枚のプレート7l,7r がガイド部材9によって幅方向に摺動可能な形態で取り付けられている。取りつけ位置をカート1の底中央部とするのはカートの重心からの鉛直線上にくることで浮き上がりを効率よく防ぐためである。係合のために突出する端部とは反対側の端部とカート1の側壁との間には射出用のスプリング10が介在し、それぞれのプレート7l,7rを突出させるように付勢している。図中破線円で囲んだ電磁機構11近傍の拡大断面図B,Cに示されるように、このプレート7l,7r には係止用の段部7aが設けられており、平常時は図のBに示されるように係止部材11aがこの段部7aと係合してプレート7l,7r がカートの幅から突出しないように止めている。しかし、負の重力加速度が機内に生じたときは前述したように接点9aと9bが閉成され、そのスイッチON信号によって電磁機構11に電流が供給されると、図のCに示されるように係止部材11aが電磁力によって引き上げられ、段部7aとの係合が外される。このため、2枚のプレート7l,7r は射出用のスプリング10の力によって瞬時に左右に突出させられる。この動作によって左右に突出した2枚のプレート7l,7rは客室シート2の金具3に係合する状態となってカート1の浮き上がりを防止する。
【0009】
大きな下方加速度を検出して、左右に突出状態とされた2枚のプレート7l,7r (図3のCの状態)は客席乗務員が手作業で突出したプレートの端部を射出用のスプリング10の付勢力に抗してカート内に押圧すれば、電磁機構11への通電の切れた状態となって引き上げ力が作用していない係止部材11aは、復帰バネ11bの押圧力を受けているので段部7aの位置にくるとその段部7aに押し込まれて係合し、図3のBの状態に復帰する。したがって、客席乗務員が押し込む手を離してもプレートの端部は係止状態となって、射出用のスプリング10の付勢力による突出は止められる。このように本実施例では原状復帰動作も極めて容易に実行することができる。
なお、サービスカート1の不使用時には電源スイッチをOFFとしておくようにし、例えば電磁機構11への通電がなされないようにして本発明の安全装置が作動しないようにするのがよい。
【0010】
【発明の効果】
本発明のサービスカート安全装置は、慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなるものであるから、機体の急激な上下動を検出したときにはカートの一部が客室シートの金具に係合し、旅客機が遭遇するあらゆる種類の乱気流・緊急操作等に対して機内サービスカートの浮揚を、回転や上下移動をほとんど生ずることなく的確に防止することができる。また、このカートに掴まることによって客室乗務員の死傷事故、カートの落下による乗客の死傷事故も防ぐことができる。その上、カートの浮揚防止のための客室の床構造等の改造および乗務員の余分な作業負担増も必要としない。
【0011】
センサ構造としてカート底部には車輪受け部が設けられてスプリングが固着され、該スプリングの他端部には車軸を介して車輪が取り付けられると共に、前記車輪受け部と前記車軸の相対変位に応動するスイッチを採用した本発明のサービスカート安全装置は、カート自体が慣性部材として機能し極めてシンプルな構成で機体の急激な上下動を検出するセンサとして機能する。
【0012】
また、プレートを突出させる機構として、プレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、センサの検出信号が前記電磁機構に作用することにより前記係止部材の係止を外す電磁機構とからなる本発明のサービスカート安全装置は、シンプルな構造でありながら瞬時にプレートの突出動作を実行することができる。
【0013】
また、突出した状態のプレートを原状復帰形態に戻し維持する機構として、係止部材がスプリングの付勢力がかかる構造であって、電磁機構が検出信号を受けていない状態で突出したプレートをカート幅内に押し込むと前記スプリング力によって前記プレートと前記係止部材が係合する構成を採用した本発明のサービスカート安全装置は、客室乗務員が突出したプレートを押すだけの単純な作業で原状復帰を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旅客機におけるサービスカート安全装置の作動を説明する図である。
【図2】実施例におけるセンサが急激な上下動を検出する作動を説明する図である。
【図3】実施例において、プレートが検出信号をトリガとして突出する動作と、原状復帰の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 サービスカート 8 車輪受け部
2 座席 9a,9b 接点
3 座席の金具 10 射出スプリング
4 スプリング 11 電磁機構
5 車輪 11a 係止部材
6 車軸 11b 復帰バネ
6a 基板 12 係止用段部
7l,7r プレート
Claims (4)
- 慣性部材とスプリングの組み合わせからなる機体の急激な上下動を検出するセンサと、該センサの検出信号をトリガとしてカートの左右両側にプレートを突出させる機構とからなり、前記プレートが突出された状態で客室シートの金具に係合しカートの浮き上がりを防止することを特徴とするサービスカート安全装置。
- カート底部には車輪受け部が設けられてスプリングが固着され、該スプリングの他端部には車軸を介して車輪が取り付けられると共に、前記車輪受け部と前記車軸の相対変位に応動するスイッチからなるセンサ構造であって、カート自体が慣性部材として機能することを特徴とする請求項1に記載のサービスカート安全装置。
- プレートを突出させる機構は、プレートを突出する方向に付勢するスプリングと、該スプリングの付勢力に抗して前記プレートがカート幅内に押し込められた状態に係止する部材と、該係止部材の係止を外す電磁機構とからなるものであって、センサの検出信号が前記電磁機構に作用することにより係合を外しプレートを突出させるトリガとなることを特徴とする請求項1又は2に記載のサービスカート安全装置。
- 係止部材はスプリングの付勢力がかかる構造であって、電磁機構が検出信号を受けていない状態で突出したプレートをカート幅内に押し込むと前記スプリング力によって前記プレートと前記係止部材が係合し原状復帰形態を維持することを特徴とする請求項3に記載のサービスカート安全装置。
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