JP2005058947A - 電気分解方法及び電気分解装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造で有効塩素濃度を一定の範囲内に収める。
【解決手段】DC電源6は電極1a,1bに対して電流を供給し、電解槽1中の塩水が電気分解される。そして電極1a,1bが果たす陽極・陰極としての機能は、一定時間毎に交替する。このような極性反転からの経過時間が長くなるほど、電解槽1中の塩水の濃度を高める。これにより、有効塩素濃度を一定の範囲内に収めることができる。
【選択図】図1
【解決手段】DC電源6は電極1a,1bに対して電流を供給し、電解槽1中の塩水が電気分解される。そして電極1a,1bが果たす陽極・陰極としての機能は、一定時間毎に交替する。このような極性反転からの経過時間が長くなるほど、電解槽1中の塩水の濃度を高める。これにより、有効塩素濃度を一定の範囲内に収めることができる。
【選択図】図1
Description
この発明は電気分解に関する。
電気分解によって強酸性電解水を得る技術が提案されている。この場合、電気分解の対象となるのは食塩などの塩化化合物の水溶液である。そして強酸性電解水の有効塩素濃度は、電気分解の開始から所定の時間が経過しないと安定しないことが知られている。これは例えば電気分解の電極として白金族の材料を用いると、塩素イオンが存在することにより触媒能を阻害する酸化層の形成速度が遅く、徐々に酸化層が形成されるからであると考えられる。
一方、強酸性電解水の殺菌性能はその有効塩素濃度と関連するため、一定であることが望ましい。例えば厚生労働省令第七十五号によって改正された食品衛生法施行規則において食品添加物の「殺菌料」に指定された強酸性電解水では、その有効塩素濃度が(20〜60mg/kg)の範囲内に規定されている。
そこで、例えば特許文献1では、電気分解の開始直後の塩水濃度を低く、その後に所定時間が経過してから塩水の濃度を高め、以て有効塩素濃度の早期安定を図っている。
しかし、開始直後の塩水濃度を低くしても、なお有効塩素濃度が安定するまでには相当の時間が必要であることが特許文献1に示されている。これでは電気分解の開始直後からの経過時間が短時間の場合、有効塩素濃度が安定しない状態で強酸性電解水を使用することになる。
そこで本発明では、簡易な構造で有効塩素濃度をより短時間で一定の範囲内に収める技術を提供する。
本発明にかかる第1の電気分解方法では、陽極及び陰極(1a,1b)を交互に入れ替える極性反転を行って塩化化合物水溶液を電気分解する。そして前記塩化化合物水溶液の濃度を、前記極性反転からの経過時間及び前記塩化化合物水溶液の濃度、並びに前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づいて決定する。
望ましくは、前記経過時間が長くなるほど前記濃度を上げる。
本発明にかかる第2の電気分解方法では、陽極及び陰極(1a,1b)を交互に入れ替える極性反転を行って塩化化合物水溶液を電気分解する。そして前記極性反転からの経過時間に依存して、前記電気分解に用いる電流量を制御する。
望ましくは、前記電流量は、前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記電流量の関係を示すテーブルに基づいて決定される。
望ましくは、前記経過時間が長くなるほど前記電流量を上昇させる。
本発明にかかる第3の電気分解方法では、陽極及び陰極(1a,1b)を交互に入れ替える極性反転を行って、電解槽(1)に格納される塩化化合物水溶液を電気分解する。そして前記極性反転からの経過時間に依存して、前記電解槽から排出される排出流量を制御する。
望ましくは前記排出流量は、前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記排出流量の関係を示すテーブルに基づいて決定される。
望ましくは前記経過時間が長くなるほど前記排出流量を減少させる。
本発明にかかる第1の電気分解装置は、塩化化合物水溶液を格納する電解槽(1)と、前記電解槽に対して供給される水及び所定濃度の塩化化合物水溶液の供給量を制御する流量制御部(4)と、前記電解槽中の前記塩化化合物水溶液を電気分解する陽極及び陰極(1a,1b)と、前記陽極及び前記陰極を交互に入れ替える極性反転を行う電源(6)と、前記極性反転からの経過時間及び前記塩化化合物水溶液の濃度、並びに前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づいて、前記供給量を決定する制御部(10)とを備える。
本発明にかかる第2の電気分解装置は、電気分解の対象たる塩化化合物水溶液を格納する電解槽(1)と、前記電気分解に用いる陽極(1a)及び陰極(1b)と、前記陽極及び前記陰極を交互に入れ替える極性反転を行い、前記極性反転からの経過時間に依存した電流量で電流を与える電源(6)とを備える。
望ましくは、前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記電流量の関係を示すテーブルに基づいて、前記電流量を決定する制御部(10)を更に備える。
本発明にかかる第3の電気分解装置は、電気分解の対象たる塩化化合物水溶液を格納する電解槽(1)と、前記電気分解に用いる陽極(1a)及び陰極(1b)と、前記陽極及び前記陰極を交互に入れ替える極性反転を行い、前記陽極及び前記陰極に電流を与える電源(6)と、前記極性反転からの経過時間に依存して、前記電解槽から排出される排出流量を制御する排出流量制御部(9)とを備える。
望ましくは前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記排出流量の関係を示すテーブルに基づいて、前記排出流量を決定する制御部(10)を更に備える。
第1乃至第3の電気分解方法や第1乃至第3の電気分解装置によれば、電気分解の際の極性反転からの経過時間に依存せず、簡易に酸性電解水の有効塩素濃度を一定の範囲内に収めることができる。また、極性反転後の経過時間が短くても、酸性電解水の有効塩素濃度を一定の範囲内に収めることができる。
また、電解槽中の塩化化合物水溶液の濃度や、電気分解に用いられる電流量や、電解槽からの排出流量を制御する場合、電解槽に供給される水や塩化化合物水溶液の供給量、電流量、排出流量、極性反転からの経過時間及び酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づくことにより、経過時間を計測しさえすれば、当該テーブルに基づいて濃度(あるいは供給量)、電流量、排出流量を設定するだけで足りる。
極性反転からの経過時間が長いほど、また濃度が低いほど、また電流量が少ないほど、また排出流量が多いほど、有効塩素濃度は減少する。よって極性反転からの経過時間が長いほど、濃度を高め、電流量を上げ、排出流量を減少させることは、酸性電解水の有効塩素濃度を一定の範囲内に収める点で好適である。
図1は本発明にかかる電気分解技術を適用可能な構成を例示するブロック図である。塩化化合物水溶液たる塩水を格納する電解槽1に対して、配管2を介して水を、配管3を介して所定濃度の塩水(例えば飽和食塩水)を、それぞれ所定量で供給する。図1では配管2,3は濃度調整槽5に接続され、ここで濃度調整が行われた塩水が電解槽1に供給される態様が例示されている。しかし、濃度調整槽5を省略し、直接に配管2,3を電解槽1に接続してもよい。
配管2,3を流れる水及び塩水の流量は、流量制御部4によって制御される。よって電解槽1に供給する塩水の濃度は、流量制御部4によって間接的に制御することができる。
電解槽1において格納された塩水は、電極1a,1bによって電気分解される。電極1a,1bにはDC電源6から所定の電流量が供給される。電源6はその供給電圧を反転させることができ、電極1a,1bをそれぞれ陽極及び陰極にして電気分解したり、それぞれ陰極及び陽極にして電気分解することができる。以下、電極1a,1bの陽極・陰極の交替を「極性反転」と称す。
配管7,8はそれぞれ電極1a,1bの近傍から所定の排出流量で排出する。この排出流量は排出流量制御部9によって制御される。電極1a,1bがそれぞれ陽極及び陰極として機能する場合には、配管7,8からはそれぞれ酸性電解水及びアルカリ電解水が排出される。電極1a,1bがそれぞれ陰極及び陽極として機能する場合には、配管7,8からはそれぞれアルカリ電解水及び酸性電解水が排出される。
制御部10は流量制御部4の流量の設定が可能であり、以て配管2,3に流れる水や塩水の供給量の制御が可能である。また制御部10はDC電源6が流す電流量や及び極性反転、排出流量制御部9の排出流量をも設定可能である。かかる機能を果たすために、制御部10は例えばコンピュータを採用できる。
図2は制御部10の構成を例示するブロック図である。バス100にはマイクロプロセッサ(図中MPUと示す)101、ROM102、EEPROM等の不揮発性メモリ103、タイマ104、駆動インターフェース105が接続されている。
ROM102には後述する処理をMPU101に行わせるプログラムが格納されている。EEPROM103には後述するテーブルが格納されている。タイマ104は極性反転する都度、極性反転からの経過時間を計測する。この機能は、通常使用されるクロック信号(図示せず)に基づいて、MPU101に担わせることもできる。その場合、タイマ104は省略可能である。
MPU101はタイマ104で計測された経過時間が所定時間に達する毎に、DC電源6に極性反転を行わせる。つまり極性反転は所定時間毎に行われる。
MPU101は上記経過時間に基づいて、流量制御部4の塩水及び水の流量、DC電源6が流す電流量及び極性反転のタイミング、排出流量制御部9の排出流量についての命令を生成する。駆動インターフェース105は、これらの命令を、流量制御部4、DC電源6、排出流量制御部9が認識できる電圧などの電気量あるいはデータに変換して与える。
図3は極性反転によって有効塩素濃度がどのように影響を受けるかを例示するグラフである。時間0分及び30分の時に極性反転を行った。極性反転してから後、緩やかに有効塩素濃度は減少し、かつ安定してくるが、極性反転の直後では急激に有効塩素濃度が上昇する。これは極性反転の前まで陰極であった電極は還元雰囲気中にあり、酸化層がさほど形成されていなかったため、これが極性反転によって陽極として機能した当初は、触媒能が高まっているからであると考えられる。
図4は極性反転後1分経過における、塩水の濃度と、これを電気分解して得られる酸性電解水の有効塩素濃度との関係を例示するグラフである。このグラフから解るように、濃度が上昇するにつれ、有効塩素濃度は上昇する。これは濃度の上昇によって電気分解において生じる化学反応が促進されるからであると考えられる。
よって本実施例においては、制御部10が、極性反転からの経過時間に依存して、塩水の濃度を設定する。これにより、極性反転からの経過時間に依存せずに配管7(又は配管8)から得られる酸性電解水の有効水素濃度を一定範囲内に収めることができる。
電解槽1に格納された塩水の濃度の初期値と、電解槽1へと配管3を介して供給される塩水の所定濃度が既知であれば、電解槽1に格納された塩水の濃度を希望する濃度へ設定することは、上記供給量を制御することで容易に可能である。
そして上記希望する濃度は、極性反転してからの経過時間、電気分解の対象となっている塩水の濃度、並びに当該塩水を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づいて決定されることが望ましい。当該経過時間を計測しさえすれば、当該テーブルに基づいた濃度を得るように、水や塩水の供給量を設定するのみで足りるからである。そして極性反転してからの経過時間が短くても、有効塩素濃度を所定の範囲内に収めることができる。
表1は上記テーブルの内容を例示する表である。
有効塩素濃度の単位は(mg/kg)であり、同じ行においては塩水の濃度が等しく、同じ列においては極性反転からの経過時間が等しい。
上述の通り、極性反転からの経過時間が長いほど、また電解槽1に格納された塩水の濃度が低いほど、有効塩素濃度は低いことが示されている。
よって極性反転からの経過時間が長くなるにつれ、制御部10は、配管3からの塩水の供給量を上げて、電解槽1中の塩水の濃度を上げるように流量制御部4を制御する。
有効塩素濃度を50(mg/kg)近傍で維持したい場合を例に採って説明する。タイマ104の計測により、極性反転からの経過時間が1分となったことがMPU101に了知されると、MPU101は表1に示されたテーブルを参照する。そして経過時間が1分あるときに有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な塩水濃度を検索する。この検索により、塩水濃度0.10%が見つかり、この塩水濃度を得るために供給すべき供給量で、配管3からの塩水を流すように流量制御部4を制御する。
その後、タイマ104cの計測により経過時間が3分となったことがMU101に了知されると、MPU101は表1に示されたテーブルを参照する。そして経過時間が3分であるときに有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な塩水濃度を検索する。この検索により、塩水濃度0.15%が見つかり、この塩水濃度を得るために供給すべき供給量で、配管3からの塩水を流すように流量制御部4を制御する。
なお、極性反転からの経過時間が15分に達した後には、テーブルに存在する最も大きな塩水濃度ですら有効塩素濃度が50(mg/kg)に達しないので、希望する塩水濃度としてはやむなく上述の最大の塩水濃度0.20%を採用する。
なお、一定とすべき有効塩素濃度を予め設定しておき、これに相当する経過時間と濃度の関係のみをテーブルとして格納しておいてもよい。例えば上述のように有効塩素濃度を50(mg/kg)とするためには、経過時間と濃度のペアとして、(1分,0.10%),(3分,0.15%),(5分,0.16%),(10分,0.18%),(15分,0.20%),(20分,0.20%)をテーブルとしてEEPROM103に格納すれば足りる。
これとともに、あるいはこれに代えて、有効塩素濃度を40(mg/kg)とするための経過時間と濃度のペアとして、(3分,0.03%),(5分,0.04%),(10分,0.07%),(15分,0.09%),(20分,0.10%),(25分,0.11%),(30分,0.13%)をテーブルとしてEEPROM103に格納してもよい。
図5は極性反転後1分経過における、電気分解に用いる電流量と、電気分解して得られる酸性電解水の有効塩素濃度との関係を例示するグラフである。このグラフから解るように、電流量が上昇するにつれ、有効塩素濃度は上昇する。これは電流量の上昇によって電気分解において生じる化学反応が促進されるからであると考えられる。
本実施例においては、制御部10が、極性反転からの経過時間に依存して、電気分解に用いる電流量を設定する。これにより、経過時間が極性反転からの経過時間に依存せずに配管7(又は配管8)から得られる酸性電解水の有効水素濃度を一定範囲内に収めることができる。
電流量は、極性反転からの経過時間及び電流量、並びに当該塩水を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づいて決定されることが望ましい。当該経過時間を計測しさえすれば、当該テーブルに基づいた電流量を設定するのみで足りるからである。そして極性反転してからの経過時間が短くても、有効塩素濃度を所定の範囲内に収めることができる。
表2は上記テーブルの内容を例示する表である。
有効塩素濃度の単位は(mg/kg)であり、同じ行においては電流量が等しく、同じ列においては極性反転からの経過時間が等しい。
上述の通り、極性反転からの経過時間が長いほど、また電流量が少ないほど、有効塩素濃度は低いことが示されている。
よって極性反転からの経過時間が長くなるにつれ、制御部10は、電気分解の電流量を上昇させるようにDC電源6を制御する。
有効塩素濃度を50(mg/kg)近傍で維持したい場合を例に採って説明する。タイマ104の計測により、極性反転からの経過時間が1分となったことがMPU101に了知されると、MPU101は表2に示されたテーブルを参照する。そして経過時間が1分あるときに有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な電流量を検索する。この検索により、電流量25Aが見つかり、この電流量を流すようにDC電源6に対して制御部10が制御する。
その後、タイマ104cの計測により経過時間が3分となったことがMPU101に了知されると、MPU101は表2に示されたテーブルを参照する。そして経過時間が3分であるときに有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な電流量を検索する。この検索により、電流量28Aが見つかり、この電流量を流すようにDC電源6に対して制御部10が制御する。
なお、一定とすべき有効塩素濃度を予め設定しておき、これに相当する経過時間と電流量の関係のみをテーブルとして格納しておいてもよい。例えば上述のように有効塩素濃度を50(mg/kg)とするためには、経過時間と電流量のペアとして、(1分,25A),(3分,28A),(5分,29A),(10分,31A),(15分,33A),(20分,34A),(25分,35A),(30分,37A)をテーブルとしてEEPROM103に格納すれば足りる。
これとともに、あるいはこれに代えて、有効塩素濃度を40(mg/kg)とするための経過時間と電流量のペアとして、(1分,18A),(3分,20A),(5分,21A),(10分,22A),(15分,24A),(20分,25A),(25分,26A),(30分,27A)をテーブルとしてEEPROM103に格納してもよい。ここで、経過時間が1分である場合には、テーブルには有効塩素濃度を40(mg/kg)とするのに必要な電流量が存在しないので、これと最も近い有効塩素濃度41(mg/kg)を得るため、電流量18AをDC電源6に流させる。
図6は極性反転後1分経過における、電気分解して得られる酸性電解水の排出流量と、その有効塩素濃度との関係を例示するグラフである。このグラフから解るように、排出流量が上昇するにつれ、有効塩素濃度は低下する。
本実施例においては、制御部10が、極性反転からの経過時間に依存して、酸性電解水の排出流量を設定する。これにより、経過時間が極性反転からの経過時間に依存せずに配管7(又は配管8)から得られる酸性電解水の有効水素濃度を一定範囲内に収めることができる。
排出流量は、塩水を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と、極性反転からの経過時間と、排出流量の関係を示すテーブルに基づいて決定されることが望ましい。当該経過時間を計測しさえすれば、当該テーブルに基づいた排出流量を設定するのみで足りるからである。そして極性反転してからの経過時間が短くても、有効塩素濃度を所定の範囲内に収めることができる。
表3は上記テーブルの内容を例示する表である。
有効塩素濃度の単位は(mg/kg)であり、同じ行においては排出流量が等しく、同じ列においては極性反転からの経過時間が等しい。
上述の通り、極性反転からの経過時間が長いほど、また排出流量が多いほど、有効塩素濃度は低いことが示されている。
よって極性反転からの経過時間が長くなるにつれ、制御部10は、電解槽1からの排出流量を低下させるように排出流量制御部9を制御する。
有効塩素濃度を50(mg/kg)近傍で維持したい場合を例に採って説明する。タイマ104の計測により、極性反転からの経過時間が1分となったことがMPU101に了知されると、MPU101は表3に示されたテーブルを参照する。そして経過時間が1分あるときに有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な排出流量を検索する。この検索により、排出流量2.8(L/min)が見つかり、この排出流量を流すように排出流量制御部9に対して制御部10が制御する。
その後、タイマ104cの計測により経過時間が3分となったことがMPU101に了知されると、MPU101は表3に示されたテーブルを参照する。そして経過時間が3分であるときに有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な塩排出流量を検索する。この検索により、排出流量2.6(L/min)が見つかり、この排出流量を流すように排出流量制御部9に対して制御部10が制御する。
なお、経過時間が20分、30分である場合には、テーブルには有効塩素濃度を50(mg/kg)とするのに必要な排出流量が存在しないので、これと最も近い有効塩素濃度51(mg/kg)を得るため、それぞれ排出流量2.3,2.2(L/min)を排出流量制御部9に流させる。
なお、一定とすべき有効塩素濃度を予め設定しておき、これに相当する経過時間と排出流量の関係のみをテーブルとして格納しておいてもよい。例えば上述のように有効塩素濃度を50(mg/kg)とするためには、経過時間と排出流量のペアとして、(1分,2.8L/min),(3分,2.6L/min),(5分,2.5L/min),(10分,2.4L/min),(15分,2.3L/min),(20分,2.2L/min),(25分,2.2L/min),(30分,2.1L/min)をテーブルとしてEEPROM103に格納すれば足りる。
これとともに、あるいはこれに代えて、有効塩素濃度を40(mg/kg)とするための経過時間と排出流量のペアとして、(3分,3.2L/min),(5分,3.1L/min),(10分,3.0L/min),(15分,2.9L/min),(20分,2.8L/min),(25分,2.7L/min),(30分,2.6L/min)をテーブルとしてEEPROM103に格納してもよい。ここで、経過時間が5分、30分である場合には、テーブルには有効塩素濃度を40(mg/kg)とするのに必要な電流量が存在しないので、これと最も近い有効塩素濃度41(mg/kg)を得るため、それぞれ排出流量3.1,2.6L/minを採用する。
なお、本発明は、塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水をそのまま使用に供する場合にも適用できる他、塩化化合物水溶液を電気分解して得られたアルカリ電解水を混入した酸性電解水を使用に供する場合にも適用できる。アルカリ電解水を混入した酸性電解水を使用に供すると、pH値は中性に近づき、有効塩素濃度はアルカリ電解水を混入した分、希釈される。本発明において塩化化合物水溶液(例えば塩水)を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度として、このアルカリ電解水を混入した酸性電解水の有効塩素濃度を採用してもよい。アルカリ電解水も酸性電解水も塩化化合物水溶液(例えば塩水)を電気分解して得られており、従ってアルカリ電解水を混入した酸性電解水の有効塩素濃度も、塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水として把握することができる。
上述の実施例では全て塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水であってアルカリ電解水を混入していないものの有効塩素濃度を採用して説明したが、アルカリ電解水を混入した酸性電解水の有効塩素濃度に基づいて発明を適用、例えばテーブルを作成してもよい。
また上記の説明では排出流量を制御する排出流量制御部9は、電解槽1よりも下流側に設けているが、電解槽よりも上流側で、例えば濃度調整槽5からの供給量を制御してもよい。
この発明は強酸性電解水、例えば食品添加物の「殺菌料」に指定される強酸性次亜塩素酸水の生成に利用することができる。
1 電解槽
1a,1b 電極
4 流量制御部
6 DC電源
9 排出流量制御部
10 制御部
1a,1b 電極
4 流量制御部
6 DC電源
9 排出流量制御部
10 制御部
Claims (13)
- 陽極及び陰極(1a,1b)を交互に入れ替える極性反転を行って塩化化合物水溶液を電気分解する方法であって、
前記塩化化合物水溶液の濃度を、前記極性反転からの経過時間及び前記塩化化合物水溶液の濃度、並びに前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づいて決定する、電気分解方法。 - 前記経過時間が長くなるほど前記濃度を上げる、請求項1記載の電気分解方法。
- 陽極及び陰極(1a,1b)を交互に入れ替える極性反転を行って塩化化合物水溶液を電気分解する方法であって、
前記極性反転からの経過時間に依存して、前記電気分解に用いる電流量を制御する、電気分解方法。 - 前記電流量は、前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記電流量の関係を示すテーブルに基づいて決定される、請求項3記載の電気分解方法。
- 前記経過時間が長くなるほど前記電流量を上昇させる、請求項3又は請求項4に記載の電気分解方法。
- 陽極及び陰極(1a,1b)を交互に入れ替える極性反転を行って、電解槽(1)に格納される塩化化合物水溶液を電気分解する方法であって、
前記極性反転からの経過時間に依存して、前記電解槽から排出される排出流量を制御する、電気分解方法。 - 前記排出流量は、前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記排出流量の関係を示すテーブルに基づいて決定される、請求項6記載の電気分解方法。
- 前記経過時間が長くなるほど前記排出流量を減少させる、請求項6又は請求項7に記載の電気分解方法。
- 塩化化合物水溶液を格納する電解槽(1)と、
前記電解槽に対して供給される水及び所定濃度の塩化化合物水溶液の供給量を制御する流量制御部(4)と、
前記電解槽中の前記塩化化合物水溶液を電気分解する陽極及び陰極(1a,1b)と、
前記陽極及び前記陰極を交互に入れ替える極性反転を行う電源(6)と、
前記極性反転からの経過時間及び前記塩化化合物水溶液の濃度、並びに前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度の相互関係を示すテーブルに基づいて、前記供給量を決定する制御部(10)と
を備える電気分解装置。 - 電気分解の対象たる塩化化合物水溶液を格納する電解槽(1)と、
前記電気分解に用いる陽極(1a)及び陰極(1b)と、
前記陽極及び前記陰極を交互に入れ替える極性反転を行い、前記極性反転からの経過時間に依存した電流量で電流を与える電源(6)と
を備える電気分解装置。 - 前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記電流量の関係を示すテーブルに基づいて、前記電流量を決定する制御部(10)を更に備える、請求項10記載の電気分解装置。
- 電気分解の対象たる塩化化合物水溶液を格納する電解槽(1)と、
前記電気分解に用いる陽極(1a)及び陰極(1b)と、
前記陽極及び前記陰極を交互に入れ替える極性反転を行い、前記陽極及び前記陰極に電流を与える電源(6)と、
前記極性反転からの経過時間に依存して、前記電解槽から排出される排出流量を制御する排出流量制御部(9)と
を備える電気分解装置。 - 前記塩化化合物水溶液を電気分解して得られた酸性電解水中の有効塩素濃度と前記経過時間と前記排出流量の関係を示すテーブルに基づいて、前記排出流量を決定する制御部(10)
を更に備える、請求項12記載の電気分解装置。
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JP2003294575A JP2005058947A (ja) | 2003-08-18 | 2003-08-18 | 電気分解方法及び電気分解装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011522123A (ja) * | 2008-05-28 | 2011-07-28 | ミオックス コーポレーション | 電極を含む電解槽の洗浄方法及び電解生成物の生成装置 |
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2003
- 2003-08-18 JP JP2003294575A patent/JP2005058947A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10400349B2 (en) | 2006-11-28 | 2019-09-03 | De Nora Holdings Us, Inc. | Electrolytic on-site generator |
US11421337B2 (en) | 2006-11-28 | 2022-08-23 | De Nora Holdings Us, Inc. | Electrolytic on-site generator |
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