JP2024001956A - 電解水生成装置及び電解水生成方法 - Google Patents

電解水生成装置及び電解水生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】陽極と陰極とを含む電解部の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて選択的に生成することが可能であって、オゾン発生能力が低下しない電解水生成装置を提供することを目的とする。【解決手段】この目的を達成するため、原料水を電解して電解水を生成する電解水生成装置であって、少なくとも一対の電極と、前記少なくとも一対の電極間に電圧を印加するための少なくとも一対の給電部材とを有しており、前記少なくとも一対の電極間に電圧を印加して前記原料水の電解を行うことにより、当該原料水中にオゾン又は次亜塩素酸を発生させる電解部と、水に塩素イオンを添加して前記原料水とする塩素添加部と、制御部とを備え、前記少なくとも一対の電極のうち陽極にはドーピング成分を含有する酸化錫を用い、前記少なくとも一対の給電部材にはチタンを用いることを特徴とする電解水生成装置を採用した。【選択図】図1

Description

本件発明は、オゾンや次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置及び電解水生成方法に関する。
電解水とは、純水や水道水に必要に応じて化合物を添加したものを原料水として、原料水内に設置した複数の電極(陽極と陰極)の間に直流電圧を印加して電解することによって得られるオゾンや次亜塩素酸などの電解生成物を含有する水溶液である。このような電解水には、殺菌や消毒などの効果があることから、機材の衛生管理や、殺菌が必要な手洗いなどに利用されている。
この電解水を生成する装置は、陽極と陰極とを、少なくとも陽極と陰極との間が原料水で満たされるように配置し、陽極と陰極との間に電圧を印加することができる構造を有している。このような電解水生成装置として、例えば特許文献1は、棒状又は筒状の陽極と、前記陽極に接続される陽極端子と、前記陽極から離隔した位置に前記陽極と対向配置される陰極と、前記陽極と前記陰極とを離隔する隔膜とを備え、陽極が導電性ダイヤモンド電極である膜-電極接合体を用いる電解水生成装置を開示している。
特開2014-233715号公報
特許文献1が開示する従来の電解水生成装置は、オゾンを含有するオゾン水を生成するための電解水生成装置、もしくは次亜塩素酸を含有する次亜塩素酸水を生成するための電解水生成装置というように、生成する電解水に合わせてそれぞれ専用設計されたものであった。しかしながら、このような電解水が用いられるレストランや食堂の調理室などの現場では、オゾン水の有効使用時間の制限による不便さや、次亜塩素酸水による金属腐食の懸念や大量使用による食塩などの残留物の発生など、単一の電解水を使用することによる問題点が指摘されている。また、調理室などのスペース上の問題から、複数の電解水生成装置を設置できない場合もある。
さらに、特許文献1が開示するような従来の電解水生成装置においては、陽極と陰極とを含む電解部の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて選択的に生成する場合において、オゾン水を生成しその後次亜塩素酸水を生成した後に、再びオゾン水を生成する場合のオゾン発生能力が低下する問題があることが本件発明の発明者によって見出された。
本件発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、陽極と陰極とを含む電解部の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて選択的に生成することが可能であって、オゾン発生能力が低下しない電解水生成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、鋭意研究の結果、以下の電解水生成装置及び電解水生成方法に想到した。
本件発明に係る電解水生成装置は、原料水を電解して電解水を生成する電解水生成装置であって、少なくとも一対の電極と、前記少なくとも一対の電極間に電圧を印加するための少なくとも一対の給電部材とを有しており、前記少なくとも一対の電極間に電圧を印加して前記原料水の電解を行うことにより、当該原料水中にオゾン又は次亜塩素酸を発生させる電解部と、水に塩素イオンを添加して前記原料水とする塩素添加部と、制御部とを備え、前記少なくとも一対の電極のうち陽極にはドーピング成分を含有する酸化錫を用い、前記少なくとも一対の給電部材にはチタンを用いることを特徴とする電解水生成装置を採用した。
前記ドーピング成分はアンチモンとニッケルとの少なくとも1種以上であることが好ましい。
前記次亜塩素酸を発生させる場合、前記原料水は含有する塩素イオンの濃度が10ppm以上の水であるであることが好ましい。
前記制御部は、前記オゾンを発生させるオゾン水生成モードと、前記次亜塩素酸を発生させる次亜塩素酸水生成モードとを有し、前記オゾン水生成モードと前記次亜塩素酸水生成モードとを切り替えて実行する機能を有することが好ましい。
本件発明に係る電解水生成方法は、本件発明に係る電解水生成装置を用いる電解水生成方法であって、前記電解を行うときに陽極と陰極との間に電圧を印加することによって流れる電流は、前記オゾンを発生させる場合1.0A/dm以上3.0A/dm以下であり、前記次亜塩素酸を発生させる場合1.0A/dm以上3.0A/dm以下であることを特徴とする電解水生成方法を採用した。
本件発明に係る電解水生成装置は、陽極と陰極とを含む電解部の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて選択的に生成することが可能であり、かつ、オゾン発生能力が低下しない。
本件発明に係る電解水生成方法は、本件発明に係る電解水生成装置を用いることから、陽極と陰極とを含む電解部の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて選択的に生成することが可能であり、かつ、オゾン発生能力が低下しない。
電解水生成装置の略構成図である。 オゾン濃度評価結果である。
以下、本件発明に係る電解水生成装置及び電解水生成方法を実施するための形態に関して述べる。なお、以下に説明するものは、単に一態様を示したものであり、以下の記載内容に限定解釈されるものではない。
1.電解水生成装置
本件発明に係る電解水生成装置は、原料水を電解して電解水を生成する電解水生成装置であって、少なくとも一対の電極と、少なくとも一対の電極間に電圧を印加するための少なくとも一対の給電部材とを有しており、少なくとも一対の電極間に電圧を印加して原料水の電解を行うことにより、原料水中にオゾン又は次亜塩素酸を発生させる電解部と、水に塩素イオンを添加して原料水とする塩素添加部と、制御部とを備え、少なくとも一対の電極のうち陽極にはドーピング成分を含有する酸化錫を用い、少なくとも一対の給電部材にはチタンを用いている。
図1に、本件発明の電解水生成装置1の略構成図を示す。電解水生成装置1は、電解部10と、塩素添加部11と、制御部12とを有している。電解部10は、陽極30と陰極31との少なくとも一対の電極と、陽極30と陰極31との間に電圧を印加するための給電部材32と給電部材33との少なくとも一対の給電部材とを有しており、陽極30と陰極31は対向して配置されている。陽極30と給電部材32と、及び陰極31と給電部材33とは、それぞれが電流が流れることが可能な状態で接続されている。そして、給電部材32と給電部材33とは、給電線34と給電線35とを介して電源部13に接続されている。また、電解部10には、原料水を電解部水槽15に供給するための原料水流路21と、生成した電解水を電解部水槽15から取り出すための電解水流路23とが接続されている。
水量調整部14には、水の入力として水流路20が接続されており、水量調整部14の出力として原料水流路21が接続されている。また、塩素添加部11には塩素添加流路22が接続されている。そして、塩素添加流路22は、原料水流路21に合流するように接続されている。そして、制御部12は、少なくとも図1における塩素添加部11と、電源部13と、水量調整部14との間を、以降で説明する制御を行うことができる手段で破線で示すように接続している。なお、電解水生成装置1においては、制御部12は、図1に図示されていない各部の制御についても行うことができる。
この電解水生成装置1は、電解部水槽15に供給する原料水のフロー量及び電解部水槽15から取り出す電解水のフロー量を連続的に調整しながら電解水を生成する所謂フローセル型として動作する構成のものである。ただし、電解水生成装置1は、電解水生成装置1の構成を有していれば電解水を得ることができることから、電解部水槽15に原料水を溜めた状態で電解を行い、オゾン又は次亜塩素酸の濃度が規定の値になった後に電解部水槽15から電解水を取り出す溜水型として動作する構成とすることもできる。
陽極30にはドーピング成分を含有する酸化錫を用いている。このドーピング成分は、アンチモンとニッケルとの少なくとも1種以上であることが好ましい。本件発明に係る電解水生成装置は、アンチモンとニッケルとの少なくとも1種以上を酸化錫にドーピングした酸化錫を陽極に用いることによって、陽極30と陰極31とを含む電解部10の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて効率よく選択的に生成することが可能であり、かつ、オゾン水を生成しその後次亜塩素酸水を生成した後に、再びオゾン水を生成する場合のオゾン発生能力が低下しない。なお、オゾン発生能力とは、電解部10における単位時間あたりのオゾンの発生量のことである。
そして、このドーピング成分の含有量は、アンチモンが3.0重量%以上10.0重量%以下であり、ニッケルが0.1重量%以上1.0重量%以下であることが好ましい。ドーピング成分の含有量をこの範囲とすることで、オゾン発生能力が低下しない。
また、陰極31には、ジルコニウム、ニッケル、チタン又は表面に白金の層を有するチタンなどを用いることができるが、チタン又は表面に白金の層を有するチタンを用いることが好ましい。そして、給電部材32と給電部材33との複数の給電部材には、チタンを用いることが好ましい。少なくとも一対の給電部材にチタンを用いることによって、陽極30と陰極31とを含む電解部10の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて生成することが可能であり、かつ、オゾン水を生成しその後次亜塩素酸水を生成した後に、再びオゾン水を生成する場合のオゾン発生能力が低下しない。
〔原料水〕
オゾンを発生させる場合、原料水流路21から電解部水槽15に供給する原料水は、水流路20から流入する水に対して、水量調整部14から単位時間あたりに流出する水を適切な量に調整して原料水流路21に供給された水を用いる。そして、塩素添加部11からの塩素イオンを供給する化合物を含有する水の添加は行わない。なお、水流路20から流入する水は、水道水などの含有する塩素イオンの濃度が5ppm以下の水を用いることが好ましい。水道水には消毒に用いられた塩素が残留しており、この残留塩素イオンによって、陽極と陰極間に電圧を印加すると電流が流れて、原料水を電解することができるからである。そして、水道水は加圧されていることから、水量調整部14に例えばニードル弁などを用いて弁の開度を調整することによって、適切な量に調整することができるからである。なお、水量調整部14から単位時間あたりに流出する水を適切な量に調整することができれば、上記に限定されず使用することができる。
また、次亜塩素酸を発生させる場合、原料水流路21から電解部水槽15に供給する原料水は、水量調整部14から単位時間あたりに流出する水を適切な量に調整して原料水流路21に供給された水に、適切な量の塩素イオンを供給する化合物を含有する水を塩素添加部11から塩素添加流路22を介して添加した水である。この原料水に含有する塩素イオンの濃度は10ppm以上であることが好ましい。塩素イオンの濃度が10ppm未満であると、電解によって次亜塩素酸を十分に発生させることができないからである。なお、塩素イオンを供給する化合物としては、塩酸や塩化ナトリウムを用いることができる。そして、塩素添加部11から塩素添加流路22を介して適切な量の塩素イオンを供給する化合物を含有する水を原料水流路21に添加する手段としては、例えばポンプを用いることができる。なお、塩素添加部11から塩素添加流路22を介して適切な量の塩素イオンを供給する化合物を含有する水を原料水流路21に添加することができれば、上記に限定されず使用することができる。
〔制御部〕
制御部12は、オゾンを発生させるオゾン水生成モードと、次亜塩素酸を発生させる次亜塩素酸水生成モードとを有している。そして、制御部12は、オゾン水生成モードと次亜塩素酸水生成モードとを切り替えて実行する機能を有している。オゾン水生成モードでは、制御部12は、少なくとも、水量調整部14において原料水流路21から電解部水槽15へ供給する水をオゾン水を生成するに適した水量に調整し、塩素添加部11において塩素イオンを供給する化合物の添加を停止し、電源部13において電解で適切な量のオゾンを発生させるに適した電圧に設定し陽極30と陰極31との間に電圧を印加する機能を有している。電解水生成装置1は、オゾン水生成モードを実行することによって、電解部水槽15内の原料水を電解して電解水流路23からオゾン水を得ることができる。
また、次亜塩素酸水生成モードでは、制御部12は、少なくとも、水量調整部14において原料水流路21から電解部水槽15へ供給する水を次亜塩素酸水を生成するに適した水量に調整し、塩素添加部11から塩素添加流路22を介して原料水流路21に流れる水に塩素イオンを供給する化合物を添加し、電源部13において電解で適切な量の次亜塩素酸を発生させるに適した電圧に設定し陽極30と陰極31との間に電圧を特定のタイミングで印加する機能を有している。電解水生成装置1は、次亜塩素酸水生成モードを実行することによって、電解部水槽15内の原料水を電解して電解水流路23から次亜塩素酸水を得ることができる。
制御部12は、洗浄モードを有しても良い。洗浄モードでは、制御部12は、少なくとも、水量調整部14において原料水流路21から電解部水槽15へ供給する水を原料水流路21や電解部水槽15及び電解水流路23を洗浄するに適した水量に調整し、塩素添加部11において塩素イオンを供給する化合物の添加を停止し、電源部13において陽極30と陰極31との間への電圧印加を停止する機能を有している。電解水生成装置1は、オゾン水生成モード又は次亜塩素酸水生成モードのいずれかを実行する前に、洗浄モードを適宜実行することによって、原料水流路21や電解部水槽15及び電解水流路23、そして陽極30や陰極31を洗浄することができる。
制御部12から塩素添加部11と電源部13と水量調整部14とへ接続されている破線には、塩素添加部11と電源部13と水量調整部14とを制御できる手段であれば用いることができる。例えば電気信号で制御する場合には、電気信号を伝達することができるケーブルを用いれば良い。そして、制御部12は、電解水生成装置1の操作者による制御部12への指示や、制御部12に内蔵したプログラミングされたコンピュータなどによって、上述した各モードについて切り替えて実行することができる。
〔電解部〕
電解部10では、電解部水槽15内に少なくとも一対の陽極30と陰極31を備えている。電解部水槽15内の原料水を電解することができる限りにおいて、この陽極30と陰極31とはどのような配置関係であっても良い。例えば、陽極30と陰極31とを対向して配置しても良い。そして、陽極30と陰極31とを複数用意して並列配置しても良いし、陽極30-陰極31-陽極30-陰極31-陽極30といったように櫛形に配置しても良い。また、電解部水槽15内の原料水を電解することができる限りにおいて、電解部10及び陽極30と陰極31との形状は特に限定されない。このような陽極30と給電部材32と、及び陰極31と給電部材33とは、電流が流れることが可能な状態で接続する。このとき、陽極30及び陰極31の電極面全面にバランス良く電流を流すために、給電部材32及び給電部材33は、陽極30及び陰極31の略中心部に接続するのが好ましい。
電解部水槽15を覆う外装部分に用いる部材は、電解部水槽15内で電解による電解水の生成を行うことができるものであれば使用できるが、絶縁性を有する樹脂材料が好ましい。容易に成形することができ、かつ、外装部分に電流が流れないことから電解部水槽15内の原料水の電解を阻害しないからである。そして、この外装部分には、原料水を電解部水槽15に供給するための原料水流路21と、生成した電解水を電解部水槽15から取り出すための電解水流路23とを接続するための開口部、及び給電部材32と給電部材33とを貫通させるための開口部を設けることが好ましい。なお、原料水流路21と電解水流路23とを接続するための開口部の位置は、図1に示した位置に限定されない。
陽極30と陰極31との間隔は、原料水を効率良く電解することができる間隔であれば良く、特に限定されない。ただし、陽極30と陰極31との間隔を狭くしすぎると、電解部10や陽極30及び陰極31の加工精度に対して、間隔を正確に維持して陽極30と陰極31とを配置することが困難であることから好ましくない。一方、陽極30と陰極31との間隔を広くしすぎると、電解を行うことが困難になる場合や、電解に必要な印加電圧として好ましい間隔の範囲の場合よりも高電圧が必要になることから好ましくない。したがって、適切な間隔に設定することが好ましい。
〔電源部〕
電源部13は、電解を行うに必要な電力を、給電線34と給電線35と、及び給電部材32と給電部材33とを介して、陽極30と陰極31とに供給する。オゾン水生成モードの場合、電源部13は、制御部12から電解で適切な量のオゾンを発生させるに適した電圧に設定され、電圧を出力する。次亜塩素酸水生成モードの場合、電源部13は、制御部12から電解で適切な量の次亜塩素酸を発生させるに適した電圧に設定され、電圧を出力する。また、洗浄モードのように電圧印加の必要がない場合は、制御部12からの制御で電圧の出力を停止する。
2.電解水生成方法
本件発明に係る電解水生成方法は、上述した本件発明に係る電解水生成装置1を用いる電解水生成方法である。電解水生成装置1を用いることによって、選択的にオゾンもしくは次亜塩素酸を発生させ、オゾン水もしくは次亜塩素酸水を生成することができる。そして、電解水生成装置1は、アンチモンとニッケルとの少なくとも1種以上をドーピングした酸化錫を陽極30に用い、チタンを給電部材32と給電部材33とに用いていることから、本件発明に係る電解水生成方法は、陽極30と陰極31とを含む電解部10の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて効率よく選択的に生成することが可能であり、かつ、オゾン水を生成しその後次亜塩素酸水を生成した後に、再びオゾン水を生成する場合のオゾン発生能力が低下しない。
この電解水生成方法は、電解水生成装置1を用いることから、少なくとも、制御部12が有するオゾンを発生させるオゾン水生成モードと次亜塩素酸を発生させる次亜塩素酸水生成モードとを、切り替えて実行する。以下、各動作モードについて説明する。
〔オゾン水生成モード〕
オゾン水生成モードでは、塩素添加部11において塩素イオンを供給する化合物の添加を停止する。そして、水量調整部14において原料水流路21から電解部水槽15へ供給する塩素イオンの濃度が5ppm以下の原料水のフロー量は、例えば0.29L/分以上0.33L/分以下の範囲に調整することができる。水量をこの範囲にすることによって、電解水中のオゾンの濃度を1.1ppm以上1.6ppm以下とすることができるからである。なお、電解水中のオゾンの濃度を上述の範囲内にすることができる限りにおいて、水のフロー量は上述の範囲に限定されない。
陽極30と陰極31との間に電圧を印加することによって流れる電流は、1.0A/dm以上3.0A/dm以下の範囲とすることが好ましい。電流をこの範囲にすることによって、電解によるオゾンの発生効率が良いからである。このようにすることによって、電解部水槽15内の原料水を電解して電解水流路23からオゾン水を得ることができる。
〔次亜塩素酸水生成モード〕
次亜塩素酸水生成モードでは、水量調整部14において原料水流路21から電解部水槽15へ供給する水のフロー量を、例えば0.09L/分以上0.13L/分以下の範囲に調整することができる。水量をこの範囲にすることによって、電解水中の次亜塩素酸の濃度を80ppm以上100ppm以下とすることができるからである。なお、電解水中の次亜塩素酸の濃度を上述の範囲内にすることができる限りにおいて、水のフロー量は上述の範囲に限定されない。そして、塩素添加部11から塩素添加流路22を介して原料水流路21に流れる水に塩素イオンを供給する化合物を含有する水を添加し、塩素イオンの濃度が10ppm以上の原料水とする。塩素イオンを供給する化合物の添加する量は、原料水の塩素イオンの濃度を上述の範囲にする量であれば特に限定されないが、例えば、塩素イオンを供給する化合物として塩酸や塩化ナトリウムを用いることができ、塩素添加部11から塩素添加流路22を介して原料水流路21に添加すれば良い。
陽極30と陰極31との間に電圧を印加することによって流れる電流は、1.0A/dm以上3.0A/dm以下の範囲とすることが好ましい。電流をこの範囲にすることによって、電解による次亜塩素酸の発生効率が良いからである。このようにすることによって、電解部水槽15内の原料水を電解して電解水流路23から次亜塩素酸水を得ることができる。
次亜塩素酸水生成モードにおける「塩素イオンを供給する化合物を含有する水」の添加を開始するタイミングについては、次亜塩素酸水を生成することができ、かつ、オゾン水を生成する場合のオゾン水生成能力が低下しない限りにおいて特に限定されないが、電解を開始してから30秒以上の時間を経過した後に「塩素イオンを供給する化合物を含有する水」の添加を開始することが好ましい。オゾン水を生成する場合のオゾン発生能力の低下を抑制するからである。
なお、電解水流路23から得られる次亜塩素酸水のpHが、殺菌や消毒を行うために使用するのに低すぎる場合は、電解水流路23から得られる次亜塩素酸水に水を加えて希釈し適切なpHに調整して用いても良い。
〔洗浄モード〕
制御部12は、洗浄モードを有しても良い。洗浄モードは、塩素添加部11において塩素イオンを供給する化合物の添加を停止し、電源部13において陽極30と陰極31との間への電圧印加を停止する。そして、水量調整部14において原料水流路21から電解部水槽15へ供給する水を原料水流路21や電解部水槽15及び電解水流路23を洗浄するに適した水量に調整して流すことによって、原料水流路21や電解部水槽15及び電解水流路23、そして陽極30や陰極31を洗浄することができる。
以上説明した本件発明に係る実施の形態は、本件発明の一態様であり、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、以下実施例を挙げて本件発明をより具体的に説明するが、本件発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1の電解部の構成は、図1に示した電解部10の構成において、陽極30に含有量が7.5重量%のアンチモンと含有量が0.4重量%のニッケルとをドーピングした酸化錫を用い、陰極31にはチタンを用いた。また、給電部材32、給電部材33にはチタンを用いた。
比較例
〔比較例1〕
比較例1の電解部の構成は、図1に示した電解部10の構成において、陽極30にアンチモンとニッケルとがドーピングされていない酸化錫を用い、陰極31にはチタンを用いた。また、給電部材32、給電部材33にはチタンを用いた。
〔比較例2〕
比較例2の電解部の構成は、図1に示した電解部10の構成において、陽極30に含有量が7.5重量%のアンチモンと含有量が0.4重量%のニッケルとをドーピングした酸化錫を用い、陰極31にはチタンを用いた。また、給電部材32、給電部材33にはステンレスを用いた。
〔評価〕
実施例1、比較例1、比較例2の電解部を用いて、オゾン水生成と次亜塩素酸水生成とを切り替えながら順次選択的生成を行い、オゾン水を生成する場合のオゾン発生能力を評価した。オゾン水生成と次亜塩素酸水生成における、水量調整部14からの水のフロー量と、塩素イオンを含有する水の添加量と、陽極30と陰極31との間に流れる電解電流値の条件値を表1に示す。なお、水量調整部14から供給する水は、塩素イオンの濃度の上限が1ppmの日本の水道水を用いた。つまり、オゾン水生成時の原料水の塩素イオンの濃度は1ppm以下である。また、次亜塩素酸水生成時は、塩素添加部11から塩酸水と塩化ナトリウム水との混合水を上述の水道水に添加し、原料水の塩素イオンの濃度を100ppm以上とした。
Figure 2024001956000002
オゾン水生成と次亜塩素酸水生成との切り替えながらの選択的生成は、次のような条件と順序で行った。
(1)オゾン水生成モード:表1のオゾン水生成時の条件で電解しオゾン水生成を3分間行う。
(2)洗浄モード:水道水による電解部の洗浄を行う。
(3)電解電流値がゼロの状態で、表1の次亜塩素酸水生成時の条件で原料水を流すことを10分間行う。
(4)次亜塩素酸水生成モード:表1の次亜塩素酸水生成時の条件で電解し次亜塩素酸水生成を3分間行う。
(5)洗浄モード:水道水による電解部の洗浄を行う。
以降、(1)のステップに戻って繰り返した。なお、(3)のステップは、電解部水槽15内の原料水を次亜塩素酸水を生成するための原料水に入れ替えるためのものである。オゾン水の濃度の測定は、オゾン水生成を開始してから2分後の電解水を回収し、吸光光度計を用いて行った。
評価結果を図2に示す。横軸は、オゾン水の生成から次亜塩素酸水の生成への切り替え回数であり、縦軸はオゾン水生成時のオゾン水のオゾン濃度を示している。なお、図2においては、実施例1の電解部を用いたときの結果は黒丸のマーカー、比較例1の電解部を用いたときの結果は三角のマーカー、比較例2の電解部を用いたときの結果は白丸のマーカーで示しており、それぞれはオゾン濃度の平均値を示している。
図2から、陽極30にアンチモンとニッケルとをドーピングした酸化錫を用い、給電部材32と給電部材33にチタンを用いた実施例1では、試験開始時のオゾン水生成時オゾン濃度が1.55ppmであった。そして、オゾン水の生成から次亜塩素酸水の生成への切り替え回数が3回時のオゾン水生成時オゾン濃度が1.45ppmであった。これは、殺菌や消毒などの効果を発揮するのに十分な値であった。以上のことから、実施例1の構成は、陽極30と陰極31とを含む電解部10の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて効率よく選択的に生成することが可能であり、かつ、オゾン水を生成しその後次亜塩素酸水を生成した後に、再びオゾン水を生成する場合のオゾン発生能力が低下しないことが明らかになった。
一方、陽極30にアンチモンとニッケルとがドーピングされていない酸化錫を用い、給電部材32と給電部材33にチタンを用いた比較例1では、オゾン水生成時のオゾン濃度は試験開始時において0.1ppmであり、オゾン水の生成から次亜塩素酸水の生成への切り替え回数が1回から3回までのオゾン濃度が0.1ppm~0.2ppmであった。このオゾン濃度は、殺菌や消毒などの効果を発揮するのには不十分な値であった。以上のことから、比較例1の構成は、次亜塩素酸水の生成への切り替え回数に関係なく、オゾン発生能力が不十分であることが明らかになった。
また、陽極30にアンチモンとニッケルとをドーピングした酸化錫を用い、給電部材32と給電部材33にステンレスを用いた比較例2では、試験開始時のオゾン水生成時オゾン濃度が1.55ppmであった。しかしながら、その後、オゾン水の生成から次亜塩素酸水の生成への切り替えを1回行った後のオゾン水生成時オゾン濃度が1.05ppmと大きく低下することが明らかになった。なお、図2の比較例2の評価結果において、オゾン水の生成から次亜塩素酸水の生成への切り替え回数が2回と3回のオゾン濃度の評価結果は、当該切り替え回数1回目の値よりもオゾン濃度が大幅に低下した(図示していない)。以上のことから、比較例2の構成は、次亜塩素酸水の生成への切り替え回数がゼロ回時はオゾン発生能力があったものの、オゾン水を生成しその後次亜塩素酸水を生成した後に、再びオゾン水を生成する場合のオゾン発生能力が低下することが明らかになった。
本件発明に係る電解水生成装置は、陽極と陰極とを含む電解部の構成を変えずにオゾン水と次亜塩素酸水とを切り替えて選択的に生成することが可能であり、かつ、オゾン発生能力が低下しない。そのため、単一の電解水生成装置で、オゾン水と次亜塩素酸水とを適宜選択して生成することができる。すなわち、レストランや食堂の調理室などの現場で用いるのに好適である。
1 電解水生成装置
10 電解部
11 塩素添加部
12 制御部
13 電源部
14 水量調整部
15 電解部水槽
20 水流路
21 原料水流路
22 塩素添加流路
23 電解水流路
30 陽極
31 陰極
32 給電部材
33 給電部材
34 給電線
35 給電線

Claims (5)

  1. 原料水を電解して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    少なくとも一対の電極と、前記少なくとも一対の電極間に電圧を印加するための少なくとも一対の給電部材とを有しており、前記少なくとも一対の電極間に電圧を印加して前記原料水の電解を行うことにより、当該原料水中にオゾン又は次亜塩素酸を発生させる電解部と、
    水に塩素イオンを添加して前記原料水とする塩素添加部と、
    制御部とを備え、
    前記少なくとも一対の電極のうち陽極にはドーピング成分を含有する酸化錫を用い、
    前記少なくとも一対の給電部材にはチタンを用いることを特徴とする電解水生成装置。
  2. 前記ドーピング成分はアンチモンとニッケルとの少なくとも1種以上である請求項1に記載の電解水生成装置。
  3. 前記次亜塩素酸を発生させる場合、前記原料水は含有する塩素イオンの濃度が10ppm以上の水である請求項1に記載の電解水生成装置。
  4. 前記制御部は、前記オゾンを発生させるオゾン水生成モードと、
    前記次亜塩素酸を発生させる次亜塩素酸水生成モードとを有し、
    前記オゾン水生成モードと前記次亜塩素酸水生成モードとを切り替えて実行する機能を有する請求項1に記載の電解水生成装置。
  5. 請求項1に記載の電解水生成装置を用いる電解水生成方法であって、
    前記電解を行うときに陽極と陰極との間に電圧を印加することによって流れる電流は、前記オゾンを発生させる場合1.0A/dm以上3.0A/dm以下であり、前記次亜塩素酸を発生させる場合1.0A/dm以上3.0A/dm以下であることを特徴とする電解水生成方法。
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