JP2005058679A - 模型航空機キットおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】模型航空機の組み立てに際して、接着剤の使用量や接着剤の乾燥時に特別なスキル(技巧)を必要としないキットを提供する。販売する模型航空機キットに揮発性接着剤を添付することを回避する。
【解決手段】組み立て用部品が描かれた台紙の接着を要することになる部位に、台紙の状態で接着剤を塗布し、その接着剤の上には離型紙を被せておく。接着剤を塗布する部位は台紙の片面になるように各部品の形状を設計することにより、離型紙は台紙と等しい形状のものを一枚のみ用いる構造とすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】組み立て用部品が描かれた台紙の接着を要することになる部位に、台紙の状態で接着剤を塗布し、その接着剤の上には離型紙を被せておく。接着剤を塗布する部位は台紙の片面になるように各部品の形状を設計することにより、離型紙は台紙と等しい形状のものを一枚のみ用いる構造とすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、紙その他偏平な板材から描かれた輪郭に沿って複数の部品を切り出し、これを組み立てることにより模型航空機を製作するためのキット、およびその製造方法に関する。本発明は、組立て作業に高度の技巧を必要とすることなく、しかも良く飛ぶ模型航空機を製作するためのキットに関する。本発明は、組立て部品のうち接着を必要とする部品の接着を要する位置に、あらかじめ接着剤を塗布して販売する新しい形態の組立てキットに関する。
良質の厚紙を使った台紙に主翼、水平尾翼、垂直尾翼、胴体、その他模型航空機の部品の輪郭を印刷し、簡単な説明書を添付して販売する模型航空機キットが広く知られている。この模型航空機キットを購入した利用者は、鋏を使って、台紙に印刷された輪郭に沿ってそれぞれ部品を切り出し、この部品の一部を折り曲げ、あるいはその部品の必要箇所に接着剤を塗布して、これらを相互に接着することにより一つの模型航空機を組み立てることができる。
本願発明者は、この種の模型航空機およびその製作キットを多数設計した。そして、その著作権契約を受けた者によりきわめて多数の模型航空機キットが複製販売されている。この模型航空機キットは、日本国、アメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパ共同体諸国、中南米諸国、その他で静かであるが25年以上の長い期間にわたり販売され、数多くの利用者に好評を得ている。
その模型航空機キットは、多種多様な航空機についての模型を製作するためのキットである。いずれの場合も、手投げまたは簡単なゴム紐によるカタパルト(パチンコ)で空中に飛ばすことができる。この模型航空機キットを利用して、きわめて高度な滑空性能を有する模型航空機を製作することができる。すなわちこの模型航空機キットを利用して製作される模型航空機は、きわめて綿密に設計され、多数回にわたる繰り返し飛行試験および微細な変更が行われた結果が集約されたものである。したがって、この模型航空機キットを利用することにより、経験の浅い者にとっても比較的簡単な組み立て作業によりよく飛ぶ模型航空機を製作することができる。この模型航空機は、上昇気流を利用して、その滞空時間が10分を越える性能を有する模型航空機を製作することができる。各地でこのような模型航空機についてのコンテストや同好会も開催されている。
このような模型航空機キットの一例を説明すると、主翼、胴体、垂直尾翼、水平尾翼、その他の部品輪郭が1〜2枚の厚紙(ケント紙)からなる台紙に印刷され、この台紙とともに、接着剤、カタパルト、組立て説明書、などを一つのパッケージに収容したものである。主翼を構成する厚紙と、尾翼を構成する厚紙とは、その種類や厚さが異なる場合があり、そのようなキットについては紙質の異なる2枚以上の台紙が利用される。またその胴体の基材として、厚紙のほかに、バルサ材やプラスチック材など軽量の板材を使用するものがある。このような形態では、上記厚紙の台紙のほかに胴体用の板材がパッケージ内に添付される。
さらに近年は、組み立てに際して鋏(はさみ)を使わなくとも、台紙から模型航空機の部品を切り出すことができるように工夫した形態のものが製造販売されている。この形態では、台紙をプレス加工することにより、台紙から部品を切り出すための輪郭に沿ってあらかじめ切り込み線を形成しておく。この形態のものは、台紙をパッケージから取り出して、指先の操作だけで各部品を台紙から切り離すことができる。この形態では、輸送中に部品が台紙から離脱してしまい、どの部品がどこにあったものであるかわからなくなってしまうことがないように、部品の輪郭の全周にそって形成する切り込み線の一部が、台紙と連続するように残されていて、組立てにとりかかるまで各部品が台紙に保持される構造になっている。
さらに、このように台紙にあらかじめプレス加工を施し部品形状の切り込みを形成する形態では、台紙に部品の輪郭を印刷することを取り止めてしまう形態のものもある。つまり、台紙の表面における各部品の輪郭は、印刷された線ではなく、プレス加工された切り込みにより、その部品形状が認識できるようになっている。
従来の模型航空機キットには、上述のように各部品が形成された台紙とともに、この部品を相互に接着するための接着剤が添付されている。この接着剤は多くの形態では、チューブ入りの揮発性溶剤を使った接着剤(例、セメダイン)である。チューブ入り揮発性接着剤は、その利用にさいして、チューブ先端に小さい孔をあけ、チューブを指先で押すことによりこの先端の孔から少量の接着剤を押し出し、これを所望の箇所に塗布することになる。接着箇所に塗布された接着剤は、それが固化するまでに位置ぎめなどの必要な接着作業を完了しなければならない。チューブから絞り出す接着剤の量も接着部分の面積に対応して適量でなければならない。接着剤の量が多すぎると、固化するまでに時間がかかり接着位置がずれてしまうことがある。接着位置がずれると滑空性能に影響が現れ、完成した模型航空機は設計通りの性能がでない。つまり良く飛ばないことになる。接着剤の量が少なすぎると、接着された部位が剥がれやすくなる。飛ばすと空中で部品が脱落するようなことが起きる。
そしてこのような模型航空機キットを利用して模型航空機を組み立てる初心者にとって、接着剤を適正に使用することが、良く飛ぶ模型航空機を製作することができるか否かの一つのポイントになる。
さらに、この模型航空機キットは日本国内だけでなく海外に、あるいは広く国境を越えて販売されているが、揮発性接着剤は、それぞれ国ごとに販売が規制されている物質である。すなわち、揮発性接着剤にはその溶剤に危険性があるものがあることから、商品種別および形態ごとに販売許可を受けることが必要な規制対象となる物質である。これは模型航空機キットに添付されている少量のチューブ入り接着剤についても例外とされない場合がある。つまり揮発性接着剤が添付されている製作キットは、一つの国で製造し一つの共通のパッケージに包装して、そのまま多数の国に自由に出荷することができない場合がある。これに対応するには、販売する国毎に、それぞれ異なる販売許可済の揮発性溶剤を使った接着剤を添付することが必要になる。そのような適当な性質の適当な量の揮発性接着剤が入手できない国については、接着剤をパッケージ内に添付して販売することが不可能になってしまう。
本発明はこのような背景に行われたものであって、組立てキットを購入して模型航空機を組み立て作業をする者が、個別に接着剤を塗布する必要のない模型航空機キットおよびその製造方法を提供することを目的とする。本発明は、接着剤の使用量や使用方法が、出来上がりの模型航空機の飛行性能に影響することのない模型航空機キットおよびその製造方法を提供することを目的とする。本発明は、紙製部品に使用する接着剤の量の調節や、接着剤を乾燥固化させるためのスキルを必要とすることがなく、組立て作業を行うことができる模型航空機キットおよびその製造方法を提供することを目的とする。本発明は、各国について個別に規制対象となることがない、接着剤および接着方法を利用する模型航空機キットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、模型航空機キットを構成する部品のうち、接着を必要とする部品の必要とする箇所について、その必要とする各箇所の台紙の裏面に、キットを製造する段階で接着剤を塗布し、その接着剤を塗布した台紙の裏面に離型紙を貼着しておくことを最大の特徴とする。
模型航空機ではないが、書簡を郵送するための封筒について、その封を閉じる箇所にあらかじめ接着剤を部分的に塗布し、その接着剤の上に離型紙を貼着して、その接着剤が固化乾燥しないように保持しておく形態が広く知られている。この封筒を利用するには、その離型紙を取り除き先端を折り曲げ、その接着面を紙の上から押圧すればよい。これと同等のことを模型航空機キットの部品について実施しようとするものである。
模型航空機キットの場合は、封筒とは異なり、台紙の上に形成されている複数の模型航空機の部品について、それぞれ接着を必要とする複数の部位について、個別にそれぞれノリシロの形状に合わせて接着剤が塗布される。そして、その塗布した接着剤に離型紙を被せておく。
接着することになる二つの部品は、その一方に接着剤を塗布しておけば十分である。つまり接着の相手側にはかならずしも接着剤を塗布しておく必要がない。したがって、部品が台紙に描かれている状態であって、まだ切り出されていない状態では、その台紙の片面について、必要な箇所に接着剤を塗布するように設計することができる。つまり接着剤を塗布する面が必ず台紙の片面(例えば裏面)になるように、台紙に部品図形を形成することができる。
また接着剤を塗布した複数の箇所に、それぞれ個別に離型紙を貼着してもよいが、これはわずらわしいことである。したがって、その台紙の裏面の必要な複数の箇所にそれぞれ接着剤を限定的に塗布し、そのあと裏面全面に一枚の離型紙を貼着しておくように構成することができる。この台紙から各部品を鋏で切り出すならば、離型紙が貼着されたまま離型紙もともに鋏で切り出し、その後で離型紙を剥がすように構成することもできる。
一枚の台紙に形成された主翼、尾翼、その他の部品は、その輪郭に沿って切り込みを入れておくことができる。この形態では、鋏を使うことなく指先の操作のみで台紙から各部品を取り外すことができる。このような形態では、部品の輪郭に沿って形成される切り込みは、離型紙にとどかないように、台紙の厚みについてのみ切り込みを形成するように加工することが望ましい。これはプレス加工装置のストロークを調節することにより可能である。この場合には、台紙から部品を取り外すことは離型紙から各部品を取り外す形になる。
部品の輪郭に沿って切り込みが形成された形態では、各部品の輪郭を必ずしも台紙の表面に印刷しておく必要がなくなる。すなわち各部品の輪郭に沿って形成された切り込みそのものが各部品の輪郭を表すことになる。
台紙の裏面に、必要な部位に必要な形状で接着剤を塗布するには、シルク印刷(またはスクリーン印刷)の手法を利用することができる。これは上記従来技術の欄で説明した封筒のノリシロ部分に、限られた形状の面積部分に接着剤を塗布するために広く利用されている工法である。この工法は旧くに広く利用されていた謄写版印刷の手法と同等のものである。すなわち印刷紙面に、所望の部分的形状にかぎり接着剤が透過するように形成した一枚のスクリーンを載置し、そのスクリーンの上から接着剤をしみ込ませたロールを押圧するものである。この印刷工法については広く知られている工法であるから、ここではさらに詳しい説明は省略する。
すなわち本発明の第一の形態は模型航空機キットであって、模型航空機の複数の部品の輪郭が形成された台紙を備え、この台紙からその輪郭に沿って複数の部品を切り抜き、その複数の部品の少なくとも一部を相互に接着することにより模型航空機を組み立てることができる模型航空機キットにおいて、前記部品のうち模型航空機を組み立てるに際して接着されることになる部品の接着部位に、台紙の状態であらかじめ接着剤が塗布され、さらにその接着剤が塗布された面を覆う離型紙が貼着されたことを特徴とする。
前記接着剤が塗布された面はすべて前記台紙の片面になるように設定され、前記離型紙はその片面について接着剤が塗布された複数の箇所を共通に一枚の離型紙が覆うように形成することが望ましい。そしてこの離型紙の形状は前記台紙全体の形状にほぼ等しくすることができる。
前記複数の部品の輪郭は、台紙に加工された切り込み線として形成され、輪郭の印刷を省略することができる。また、前記複数の部品の輪郭は、鋏で切り取ることができるように前記台紙の表面に印刷する構成とすることもできる。
前記台紙の材料として、厚紙あるいは木材(例、バルサ材)以外にも、スチレンペーパー、発泡スチロール板その他を利用することができる。台紙の材料は一つのキットの中の複数の部品について必ずしも統一されていなくともよい。たとえば、胴体の材料を木材とし、主翼を発泡スチロール板とすることができる。
本発明の第二の形態は模型航空機キットの製造方法であって、一枚または複数枚の厚紙による台紙を含み、この台紙から切り抜かれた部品を折り曲げ相互に接着することにより模型航空機を組み立てることができる模型航空機キットを製造する方法において、前記台紙に部品の輪郭を形成する工程と、その部品を前記台紙から外して組み立てるに際して接着を要することになる部位に対応する前記台紙上の位置に限定的に接着剤を塗布する工程と、この塗布された接着剤を離型紙で覆う工程とを含むことを特徴とする。前記台紙の材料として厚紙、木材、などの他に、スチレンペーパー、発泡スチロール板その他を利用できる。
本発明により、組立てキットを購入して模型航空機を組み立て作業をする者が、個別に接着剤を塗布する必要のない模型航空機キットおよびその製造方法を提供することができる。また本発明により接着剤の使用量や使用方法が、出来上がりの模型航空機の飛行性能に影響することのない模型航空機キットおよびその製造方法を提供することができる。本発明により、使用する接着剤の量の調節や、接着剤を乾燥固化させるためのスキルを必要とすることがなく組立て作業を行うことができる。試験の結果から組立てに要する時間がいちじるしく短縮されることがわかった。本発明の構成では、輸出先の国で揮発性接着剤について規制がある場合にも、利用される接着剤は揮発性ではなく規制対象とならない。
図面を参照して本発明実施の形態をさらに詳しく説明する。図1は本発明実施例模型航空機キットの平面図である。この実施例は3枚の台紙(A)(B)(C)が一つのパッケージに収容された形態のものである。販売されるパッケージには、この3枚の台紙のほかに、組み立て説明書、および簡単なカタパルト(パチンコ)が添付される。組み立て説明書およびカタパルトは図示を省く。
台紙(A)には厚紙(この実施例ではケント紙)に模型航空機の複数の部品の輪郭が形成されている。台紙(B)には模型航空機の主翼1の輪郭が形成されている。台紙(B)の紙質は台紙(A)の紙質よりやや硬く厚手のケント紙である。台紙(A)および(B)にそれぞれ実線で描かれている輪郭は切り込み線であり、この実施例では輪郭はとくに台紙の表面に印刷されていない。台紙に形成された切り込み線により輪郭を十分に認識することができる。この台紙(A)および(B)については、各部品を指で押すことにより、各部品はそれぞれこの台紙から離脱する。たとえば台紙(B)を手に持って、主翼1の切り込み線の近傍を指先で押してゆくことにより、主翼1の形状をなした部分がこの台紙(B)から離脱する。台紙(A)についても同様である。台紙(C)には胴体2の形状に加工されたバルサ材(軽量の板状の木材)が、簡単に取り外すことができるように貼着されている。破線で表示した部分はそれぞれ組み立てに際して折り曲げるための折り曲げ線であり、それぞれ台紙の表面に破線が印刷されている。
図2はこの模型航空機キットにより製作した模型航空機の斜視図である。上記ように台紙(A)(B)および(C)に形成されている部品をこの台紙から外し、これをキット・パッケージに添付されている説明書にしたがって組み立てることにより、図2に示す模型航空機を製作することができる。すなわち、胴体2の前方両側にノリシロ用部材4を貼着し、このノリシロ用部材4の破線に沿って折り目を作る。このノリシロ用部材4に主翼1の中心部分を貼着する。さらに垂直尾翼5を胴体2の後方に貼着し、尾翼6を胴体2の上部に貼着する。ゲージ7はキャンバおよび上反角をそれぞれ適正に調節するための標準器具である。スタンド8は完成した模型航空機を机上に置くときに用いることができる。尾翼6′は飛行中に尾翼が破損した場合の予備用部品である。
ここで本発明の特徴とする構成は、図1に斜線を付して示す部分について、限定的に、その台紙(A)の裏面にあらかじめ接着剤が塗布されているところにある。そして図3に示すように、この台紙(A)の裏面にさらに離型紙9が貼着されている。離型紙9はその貼着面は滑らかであり、台紙(A)の裏面に部分的に塗布された接着剤と反応することがなく、しかも塗布された接着剤が長期間にわたり固化しないように保護することができる。
各部品から離型紙9を指先により離したときには、各部品の斜線により図示する位置に塗布された接着剤はそれぞれ有効な状態にあり、これを単に胴体2の側面、あるいは主翼1、水平尾翼6などに接近させ貼着し、接着部を指先で軽く押圧することにより接着作業は完了する。
このような構成により、台紙(A)から取り外した各部品を組み立てるときに、そのつど接着剤を塗布する必要がなくなる。したがってそれぞれ使用する接着剤の量が多すぎるあるいは少なすぎるなどの不都合はなくなる。さらに接着剤を塗布して組み立てを行ったあと、接着剤が固化するまで相当な時間を待つことも必要なくなる。
つぎに、この模型航空機キットの台紙(A)についてその製造工程を説明すると、台紙(A)の裏面にスクリーン印刷(シルク印刷)工法により、図1の斜線部分に対応する位置に接着剤を塗布または印刷する。そしてその接着剤を塗布した面(図1の裏面)の全面に離型紙9を貼着する。次いで台紙(A)の表面からプレス加工を行い、図1に実線で示す切り込みを入れる。同時にその台紙(A)の外形状を切り落としにより整形する。
各部品の輪郭を表す切り込みは、台紙(A)の厚み相応のみに形成され、離型紙9には達しないようにその深さが調節される。したがってこの実施例では、台紙(A)の表面に形成された切り込み図形は、裏面に貼着された離型紙9には達していない。すなわち離型紙9は台紙(A)の裏面全体を覆うように貼着され、各部品を台紙から取り外しても離型紙9は一枚の長方形状の紙面として残る。
つぎに接着剤の一例およびその印刷方法の一例を説明する。この実施例に利用した接着剤は、株式会社スリーボンド(住所:東京都八王子市狭間町)が製造販売する「Three Bond 1549B」である。これはアクリルエマルジョンを主成分とする市販品であり、さらに詳しい成分については公表されていない。
つぎにこの接着剤の塗布(印刷)方法についてその一例をさらに詳しく説明する。この実施例塗布方法は「スクリーン印刷」であり、スクリーンとしてステンレス100メッシュ(ドライ膜厚50〜60μm)のものを使用した。圧着方法は5kgローラで5往復、乾燥方法は55℃で15分である。乾燥につづいて塗布面に離型紙を貼着する。
試験の結果はきわめて良好であった。接着強度はバルサ材および紙材に対して、模型航空機の形状を維持するに十分であり、試験飛行に対して接着部分がはがれることはなかった。
上記接着剤および塗布方法はあくまでも一実施例であり材料および方法を限定するものではない。上記のほかの材料および方法によっても本発明を実施することができる。とくに、台紙の厚さおよび紙質に応じて接着剤を適当に選ぶことができる。
試作品について、組立て試験を行ったところ、この種の紙航空機の組立て試験のある者には「短時間で正確に組立てられる」と好評であり、組立て経験のない者も数分間で組立てることができた。試作品について飛行試験を行った結果も良好であった。
上記実施例は、台紙上の各部品の輪郭を切り込みにより形成するものであるが、各部品の輪郭を印刷により形成し、これを鋏により切り出す構造の形態であっても、同様に本発明を実施することができる。キットを購入した者がそれぞれ鋏により各部品を切り出す構造のものでは、台紙の裏面に貼着された離型紙は重ねたまま部品を切り出し、接着するときに離型紙を剥がすようにすることがよい。
上記実施例は、胴体についてはバルサ材を利用する形態のものであるが、胴体についても台紙から切り出す形態であっても同様に本発明を実施することができる。この場合に、台紙から切り出す複数枚の部品を重ね合わせる形態とする構造であるときには、これに本発明を実施して、重ね合わせることになる同一形状の複数枚の部品のそれぞれ片面に、あらかじめ接着剤を塗布しておく構造とすることができる。
上記実施例は、主翼が胴体に対してほぼ直交する一枚翼である標準的な形態を例示したが、三角翼構造の模型航空機、二枚翼の模型航空機、二胴体構造の模型航空機、その他あらゆる形態の模型航空機について本発明を実施することができる。
1 主翼
2 胴体
4 ノリシロ用部材
5 垂直尾翼
6 水平尾翼
7 ゲージ
8 スタンド
9 離型紙
2 胴体
4 ノリシロ用部材
5 垂直尾翼
6 水平尾翼
7 ゲージ
8 スタンド
9 離型紙
Claims (8)
- 模型航空機の複数の部品の輪郭が形成された台紙を備え、この台紙からその輪郭に沿って複数の部品を切り抜き、その複数の部品の少なくとも一部を相互に接着することにより模型航空機を組み立てることができる模型航空機キットにおいて、
前記部品のうち模型航空機を組み立てるに際して接着されることになる部品の接着部位に、台紙の状態であらかじめ接着剤が塗布され、さらにその接着剤が塗布された面を覆う離型紙が貼着されたことを特徴とする模型航空機キット。 - 前記接着剤が塗布された面はすべて前記台紙の片面になるように設定され、前記離型紙はその片面について接着剤が塗布された複数の箇所を共通に一枚の離型紙が覆うように形成された請求項1記載の模型航空機キット。
- 前記離型紙の形状は前記台紙全体の形状にほぼ等しい請求項2記載の模型航空機キット。
- 前記複数の部品の輪郭は、台紙に加工された切り込み線として形成された請求項1記載の模型航空機キット。
- 前記複数の部品の輪郭は、鋏で切り取ることができるように前記台紙の表面に印刷された請求項1記載の模型航空機キット。
- 前記台紙の材料として、木材、厚紙、スチレンペーパー、発泡スチロール板のいずれかを含む請求項1記載の模型航空機キット。
- 一枚または複数枚の台紙を含み、この台紙から切り抜かれた部品を折り曲げ相互に接着することにより模型航空機を組み立てることができる模型航空機キットを製造する方法において、
前記台紙に部品の輪郭を形成する工程と、
その部品を前記台紙から外して組み立てるに際して接着を要することになる部位に対応する前記台紙上の位置に限定的に接着剤を塗布する工程と、
この塗布された接着剤を離型紙で覆う工程と
を含むことを特徴とする模型航空機キットの製造方法。 - 前記台紙の材料として、木材、厚紙、スチレンペーパー、発泡スチロール板のいずれかを含む請求項7記載の模型航空機キットの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003304946A JP2005058679A (ja) | 2003-04-24 | 2003-08-28 | 模型航空機キットおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003119402 | 2003-04-24 | ||
JP2003281971 | 2003-07-29 | ||
JP2003304946A JP2005058679A (ja) | 2003-04-24 | 2003-08-28 | 模型航空機キットおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005058679A true JP2005058679A (ja) | 2005-03-10 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015182247A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | カシオ計算機株式会社 | 組立部品印刷システム、組立部品印刷方法及びプログラム |
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2003
- 2003-08-28 JP JP2003304946A patent/JP2005058679A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015182247A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | カシオ計算機株式会社 | 組立部品印刷システム、組立部品印刷方法及びプログラム |
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