JP2005056586A - 燃料電池、その製造方法及び電気・電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型・軽量でフレキシブルな燃料電池、その製造方法及びこの燃料電池を用いる小型電気・電子機器を提供する。
【解決手段】電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする燃料電池、その製造方法、並びに本発明の燃料電池を電力供給源として用いることを特徴とする電気・電子機器。
【選択図】 図1
【解決手段】電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする燃料電池、その製造方法、並びに本発明の燃料電池を電力供給源として用いることを特徴とする電気・電子機器。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出装置を用いて形成される発電セル部(MES:電解質膜−電極接合体)と、反応ガスを供給するためのガス流路を有するフレキシブル基板とからなる燃料電池及びその製造方法、並びにこの燃料電池を電力供給源として用いる電気・電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素又は空気等の酸化性ガスと水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)とを原料ガスとする化学エネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池は、これまで、電気自動車用の電池や電力貯蔵用の電池等として開発が進められてきた。このような燃料電池は環境汚染の少ないクリーンエネルギー源となることから、近年において注目を集め、種々の技術的提案がなされている。
【0003】
ところで、上記したような技術分野で利用される燃料電池は、数百V程度の高電圧で、数KW程度の高容量であることが必要である。そこで、この種の燃料電池では、高電圧出力を得るために、数十個の単位電池を直列接続したスタック構造とし、高出力容量を確保するために、燃料電池の構成要素である酸素又は水素のイオン伝導体、及びイオン伝導体を挟んだ正・負両電極を大面積化及び薄板化する工夫が行われている。
【0004】
しかしながら、上記したように高電圧・高容量の電池として従来より提案され開発されている燃料電池は、スタック構造を有し、構成要素が大面積化された大重量で大型の電池であり、小型電池としての燃料電池の利用は、従来はほとんど検討されていなかった。
【0005】
従来、小型燃料電池としては、例えば、特許文献1にはシリコン基板をエッチングして作製されたガス流路、マイクロセンサ及び開閉制御部を備えた超小型燃料電池システムが提案されている。しかしながら、この文献には具体的な構造及び製造方法が明記されていない。
【0006】
また特許文献2には、イオン伝導体板を挟んだ複数の電極対から構成される燃料電池素子を、スルーホール方式をとらず、同一平面上で接続可能な構造とする燃料電池が提案されている。しかしながら、この文献記載の燃料電池は、ガス流路用材料としてSUS304を使用し、ガラス封止材で接着することにより得られるものであり、フレキシブルな燃料電池とはいえないものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−201348号公報
【特許文献2】
特開2002−110215号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、小型・軽量でフレキシブルな燃料電池及びその製造方法、並びにこの燃料電池を用いる小型電気・電子機器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
近年、Micro−Total Analysis System(μ−TAS)や、Lab−on−a−chipと呼ばれる研究領域が注目を集めている。これはMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用したものであり、ガラス基板あるいはプラスチック基板にエッチング法により微細加工を施してマイクロチップ化して、バイオや医療分野への応用が検討されている。
【0010】
本発明者は、このようなマイクロチップ技術をガス流路の形状を有するフレキシブル基板の形成に適用し、また、吐出装置を用いる技術を電解質膜−電極接合体(MES)からなる発電セル部の形成に適用することにより、微細な構造を有する発電セル部と、ガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる、小型・軽量でフレキシブルな燃料電池を効率よく得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
かくして本発明の第1によれば、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする燃料電池が提供される。
【0012】
本発明の燃料電池においては、前記第1の反応層と第2の反応層とが水平方向に対して交互になるように形成されているのが好ましい。
本発明の燃料電池においては、前記第1のガス流路と第2のガス流路とが水平方向に対して交互になるように形成されているのが好ましい。
【0013】
本発明の燃料電池は、前記発電セル部が、第1の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第1のガス拡散層と、前記第1の基板の一方の面側であって、第1のガス拡散層上に形成された第1の集電層と、並びに前記第1の基板の他方の面側であって第1のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように形成された第1の反応層及び第2の反応層とを有する第1の基板と、第2の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第2のガス拡散層と、前記第2の基板の一方の面側であって、第2のガス拡散層上に形成された第2の集電層と、並びに前記第2の基板の他方の面側であって第2のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように形成された第1の反応層及び第2の反応層とを有する第2の基板とが、前記第1の基板の第1の反応層側と前記第2の基板の第2の反応層側とをそれぞれ内側にして、電解質膜を挟んで接合されてなるものが好ましい。
【0014】
本発明の燃料電池においては、前記フレキシブル基板が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるのが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0015】
本発明の燃料電池においては、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるのが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0016】
本発明の第2によれば、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池の製造方法であって、前記燃料電池素子を吐出装置を使用して形成することを特徴とする燃料電池の製造方法が提供される。
【0017】
本発明の燃料電池の製造方法は、第1の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第1のガス拡散層を形成する工程(1)と、前記第1の基板の一方の面側であって、第1のガス拡散層上に第1の集電層を形成する工程(2)と、前記第1の基板の他方の面側であって第1のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように第1の反応層及び第2の反応層を形成する工程(3)と、第2の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に第2のガス拡散層を形成する工程(4)と、前記第2の基板の一方の面側であって、第2のガス拡散層上に第2の集電層を形成する工程(5)と、前記第2の基板の他方の面側であって第2のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように第1の反応層及び第2の反応層を形成する工程(6)と、前記第1の基板と第2の基板とを、電解質膜を挟んで、前記第1の基板の第1の反応層と、第2の基板の第2の反応層とが対峙するように接合することにより発電セル部を形成する工程(7)と、前記第1のガス流路及び第2のガス流路の形状を有するフレキシブル基板2枚を、前記第1のガス流路から第1のガス拡散層へ第1の反応ガスが供給され、前記第2のガス流路から第2のガス拡散層へ第2の反応ガスが供給されるように、前記発電セル部を挟んで接合する工程(8)とを有するのが好ましい。
【0018】
本発明の燃料電池の製造方法においては、前記工程(1)〜工程(6)の少なくとも一つが、吐出装置を使用する工程であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記フレキシブル基板が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0019】
本発明の燃料電池の製造方法においては、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるのが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0020】
本発明の第3によれば、本発明の燃料電池を電力供給源として用いることを特徴とする電気・電子機器が提供される。
本発明の電気・電子機器は、本発明の燃料電池をフレキシブル部位に配置したものであるのが好ましい。
また、本発明の電気・電子機器は、電子ペーパー又はウエアラブル機器であるのが好ましい。
【0021】
本発明の燃料電池は、その燃料電池素子部分(発電セル部)が吐出装置を使用する工程を経て得られたものである。吐出装置を使用する場合には、所定の位置に所定量の材料を正確に塗布することができるので、均一で出力の安定した燃料電池素子を得ることができる。
【0022】
本発明の燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で接続されており、それぞれが均一な出力特性を備えることが特に重要である。吐出装置を使用することにより、均一であって出力が高く、かつ出力が安定した燃料電池を得ることができる。
本発明の燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で、直列に接続されてなる。従って、小型でありながら、高い出力を確保することができる。
本発明の燃料電池は、外側がフレキシブル基板で覆われている。また、燃料電池素子部分が、微細溝中に形成されたガス拡散層で覆われているので、基板が変形した場合であっても、燃料電池の発電セル部分が破壊されることが少ないフレキシブルな電池である。
【0023】
本発明の燃料電池の製造方法は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)の技術とインクジェット技術(吐出装置を用いる技術)を融合したものであり、フレキシブル基板に燃料電池素子及びガス流路を形成することで、フレキシブル部位に利用できる小型の燃料電池の製造が可能である。
本発明の電気・電子機器は、小型で、フレキシブルな部位に本発明の燃料電池を電力供給源として備えたものであり、地球環境に適切に配慮した電気・電子機器である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池、燃料電池の製造方法及び電気・電子機器について詳細に説明する。
【0025】
1)燃料電池
本発明の燃料電池は、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする。
【0026】
本発明の燃料電池の一例を図1に示す。図1中、10は基板、30aは第1のガス拡散層、30bは第2のガス拡散層、40aは第1の集電層、40bは第2の集電層、50aは第1の反応層、50bは第2の反応層、60は電解質膜、70はフレキシブル基板、80aは第1のガス流路、80bは第2のガス流路をそれぞれ表す。
【0027】
図1に示す燃料電池は、発電セル部Aと、この発電セル部Aの垂直方向の両面に設けられ、前記発電セル部Aに反応ガスを供給するガス流路80a、80bを形成するフレキシブル基板70とからなる。
【0028】
発電セル部Aは、電解質膜60を間に挟んで対峙して形成された第1の反応層50aと第2の反応層50bとからなる燃料電池素子が、図中、水平方向に複数個形成されて構成されてなる。
【0029】
図1に示す燃料電池においては、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが、水平方向に対して交互に配置された構造に対応して、第1のガス流路80aと第2のガス流路80bとが交互に配置されている。すなわち、第1の反応層50aには、第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路80aが、第2の反応層50bには、第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路80bが、第1のガス拡散層30a及び第2のガス拡散層30bを介して、それぞれ連結された構造となっている。
【0030】
図1に示す燃料電池の要部構造模式図を図2に示す。図2(a)に示すものは、図1においてB−B’方向の断面図であり、図2(b)に示すものは、図1においてC−C’方向の断面図である。図2(a)及び(b)に示すように、図1に示す燃料電池のガス流路は、第1のガス流路80aと第2のガス流路80bとが、水平方向に対して交互に配置された櫛歯形構造を備えている。このような構造とすることにより、スルーホール接続方式をとることなく、簡便に種類の異なる反応ガスの一定量をガス拡散層30a、30bにそれぞれ供給することができる。
【0031】
図1に示す燃料電池の動作を、第1の反応ガスとして水素ガスを使用し、第2の反応ガスとして酸素ガスを使用する場合を例にとって説明する。先ず、水素ガスが第1のガス流路80aから供給され、第1のガス拡散層30aを通過して、第1の反応層50aに送られる。第1の反応層50aでは水素ガスが電子と水素イオン(H+)になる反応が行われ、生成した水素イオンは、電解質膜60中を第2の反応層50bに移動する。また、第1の反応層50aにおける反応で生成した電子は、第1の集電層40aに集められ、電解質膜60を介して対峙して配置されている第2の集電層40bに送られる。一方、酸素ガスが第2のガス流路80bから供給され、第2のガス拡散層30bを通過して、第2の反応層50bに送り込まれる。第2の反応層50bでは、酸素ガスと電解質膜60中を移動してきた水素イオンと、第2の集電層40bから送られてきた電子とにより、水が生成する反応が行われる。
【0032】
図1に示す燃料電池の燃料電池素子は、吐出装置を使用する工程を経て得られたものである。吐出装置を使用する場合には、所定の位置に所定量の材料を正確に塗布することができるので、均一で出力の安定した燃料電池素子を得ることができる。この燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で接続されており、燃料電池素子が均一な出力特性を備えていることが特に重要である。本実施形態の燃料電池は、吐出装置を使用する工程により核燃料電池素子が形成されるものであるので、均一であって出力が高く、かつ出力が安定した燃料電池となっている。
【0033】
図1に示す燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で、直列に接続されてなる。従って、小型でありながら、高い出力を確保することができる。図1に示す燃料電池は、外側がフレキシブル基板70で覆われている。また、前記発電セル部分が、基板10の微細溝に形成されたガス拡散層30a、30bで覆われているので、変形しても燃料電池セル部分が破壊されることが少ない、フレキシビリティに優れる燃料電池である。
【0034】
2)燃料電池の製造方法
本発明の燃料電池の製造方法は、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池の製造方法である。
【0035】
本発明の製造方法は、図3に示す燃料電池の製造装置(燃料電池製造ライン)を使用して実施することができる。
図3に示す燃料電池の製造装置において、各工程においてそれぞれ用いられる吐出装置100a〜100dを接続するベルトコンベアBC1、ベルトコンベアBC1を駆動させる駆動装置103、電解質膜を挟んで第1の基板と第2の基板との接合を行う接合装置105a、燃料電池の組み立てを行なう組立装置105b及び燃料電池製造ライン全体の制御を行う制御装置101により構成されている。
【0036】
吐出装置100a〜100dは、ベルトコンベアBC1に沿って所定の間隔で一列に配置されている。また、制御装置101は、吐出装置100a〜100d、駆動装置103、接合装置105a及び組立装置105bと接続されている。
【0037】
この燃料電池製造ラインにおいては、駆動装置103によりベルトコンベアBC1を駆動させ、燃料電池製造用の基板を各吐出装置100a〜100dに搬送して、各吐出装置100a〜100dにおける処理が行われる。また、接合装置105a及び組立装置105bにおいては、制御装置101からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC1によって搬送されてきた基板を用いて、燃料電池の接合作業及び組み立て作業が行われる。
【0038】
吐出装置100a〜100dとしては、インクジェット方式の吐出装置であれば特に制約されない。例えば、加熱発泡により気泡を発生し、液滴の吐出を行うサーマル方式の吐出装置、ピエゾ素子を利用する圧縮により、液滴の吐出を行なうピエゾ方式の吐出装置等が挙げられる。
【0039】
図3に示す燃料電池製造ラインに用いられる吐出装置100aの概略を図4に示す。吐出装置100aは、吐出物118を収容するタンク114と、タンク114と吐出物搬送管116を介して接続されたインクジェットヘッド106、被吐出物を搭載、搬送するテーブル112、インクジェットヘッド106内に滞留する余剰の吐出物118を吸引して、インクジェットヘッド106内から過剰の吐出物を除去する吸引キャップ122、及び吸引キャップ122で吸引された余剰の吐出物を収容する廃液タンク130から構成されている。
【0040】
タンク114は、レジスト溶液等の吐出物118を収容するものであり、タンク114内に収容されている吐出物の液面118aの高さを制御するための液面制御センサ120を備える。液面制御センサ120は、インクジェットヘッド106が備えるノズル形成面110の先端部110aと、タンク114内の液面118aとの高さの差h(以下、水頭値という)を所定の範囲内に保つ制御を行う。例えば、この水頭値が25m±0.5mm内となるように液面118aの高さを制御することで、タンク114内の吐出物118が所定の範囲内の圧力でインクジェットヘッド106に送ることができる。所定の範囲内の圧力で吐出物118を送ることで、インクジェットヘッド106から必要量の吐出物118を安定して吐出することができる。
【0041】
吐出物搬送管116は、吐出物搬送管116の流路内の帯電を防止するための吐出物流路部アース継手116aとヘッド部気泡排気弁116bとを備える。ヘッド部気泡排気弁116bは、後述する吸引キャップ122により、インクジェットヘッド106内の吐出物を吸引する場合に用いられる。
【0042】
インクジェットヘッド106は、ヘッド体108及び吐出物を吐出する多数のノズルが形成されているノズル形成面110を備え、ノズル形成面110のノズルから吐出物、例えば、反応ガスを供するためのガス流路を基板上に形成する際に基板に塗布されるレジスト溶液等が吐出される。
テーブル112は、所定の方向に移動可能に設置されている。テーブル112は、図中矢印で示す方向に移動することにより、ベルトコンベアBC1により搬送される基板を載置して、吐出装置100a内に取り込む。
【0043】
吸引キャップ122は図4に示す矢印方向に移動可能となっており、ノズル形成面110に形成された複数のノズルを囲むようにノズル形成面110に密着し、ノズル形成面110との間に密閉空間を形成してノズルを外気から遮断できる構成となっている。即ち、吸引キャップ122によりインクジェットヘッド106内の吐出物を吸引するときは、このヘッド部気泡排除弁116bを閉状態にして、タンク114側から吐出物が流入しない状態とし、吸引キャップ122で吸引することにより、吸引される吐出物の流速を上昇させ、インクジェットヘッド106内の気泡を速やかに排出することができる。
【0044】
吸引キャップ122の下方には流路が設けられており、この流路には、吸引バルブ124が配置されている。吸引バルブ124は、吸引バルブ124の下方の吸引側と、上方のインクジェットヘッド106側との圧力バランス(大気圧)を取るための時間を短縮する目的で流路を閉状態にする役割を果す。この流路には、吸引異常を検出する吸引圧検出センサ126やチューブポンプ等からなる吸引ポンプ128が配置されている。
また、吸引ポンプ128で吸引、搬送された吐出物118は、廃液タンク130内に一時的に収容される。
【0045】
本実施形態においては、吐出装置100b〜100dは、吐出物118の種類が異なることを除き、吐出装置100aと同様の構成のものである。したがって、以下においては、各吐出装置の同一構成については同一の符号を用いる。
【0046】
次に、図3に示す燃料電池製造ラインを用いて、燃料電池を製造する各工程を説明する。
先ず、図5に示す燃料電池のセル部分を形成するための基板10を2枚用意する。なお、図5において、(a)は基板を上部から見た図であり、(b)は基板の断面図である(図6及び図7も同様である)。
【0047】
用いる基板としては、基板の一方の面から他方の面に貫通する微細な複数の溝が形成されたものであって、燃料電池の発電セル部を形成することができるものであれば特に制限されない。例えば、シリコン基板、セラミック基板、合成樹脂基板等が挙げられる。本発明においては、フレキシブルな合成樹脂基板を用いるのが好ましい。
【0048】
この合成樹脂基板は、次のようにして作製することができる。
先ず、マスタ基板となる基板(シリコン基板等)を用意し、この基板に、半導体装置を製造するためのものとして多用されているフォトエッチングの技術を使用して微細な溝形状を形成する。次に、上記で得た微細溝形状が形成されたマスタ基板を鋳型として、射出成形用金型を作製する。金型の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、金属ニッケルを用いる電解鋳造法が挙げられる。
【0049】
次いで、上記で得た金型を用いて射出成形法によりフレキシブル基板を作製する。この方法によれば、再現性よく微細な溝を有するフレキシブル基板を量産することが可能である。成形用材料としては、従来から射出成形法に用いられている公知の成形用材料を使用することができる。本発明においては、後工程において集電層や反応層を形成するため、400〜500℃程度の高耐熱性材料の使用が好ましい。高耐熱性材料としては、例えば、ポリイミド等の高耐熱性フレキシブルプリント配線板用材料が挙げられる。
【0050】
次に、基板10を図3に示す燃料電池の製造ラインのベルトコンベアBC1上に載せ、吐出装置100aに運搬し、吐出装置100aにより、基板10の溝20内にガス拡散層形成用材料を塗布して、ガス拡散層30を形成する。この状態を図6に示す。
【0051】
用いるガス拡散層形成用材料としては、カーボンブラック等の炭素微粒子が一般的であるが、カーボンナノチューブ、カーボンナノフォーン、フラーレン等も使用できる。本実施形態では、カーボンブラックを水及びグリセリンで粘性のある塗布液としたものを使用する。また、本実施形態では吐出装置100aを用いるため、例えば、集電層側には粒子径の大きい(数十μm)炭素微粒子とし、表面側には粒子径の小さい(数十nm)炭素微粒子とすることで、基板付近は流路幅を大きくして反応ガスの拡散抵抗をできるだけ小さくしつつ、反応層付近(ガス拡散層の表面側)においては、均一で細かい流路となっているガス拡散層を形成することも容易である。その他、ガス拡散層の基板側は炭素粒子を用い、表面側は、ガス拡散能力は低いが触媒担持能力に優れる材料を用いることもできる。
【0052】
次に、ガス拡散層30が形成された基板10をベルトコンベアBC1上に載せ、吐出装置100bに運搬し、吐出装置100bにより集電層形成用材料を塗布し、アニールを施すことにより集電層40を形成する。この状態を図7に示す。
【0053】
用いる集電層形成用材料としては、導電性を有する材料であれば特に制限されない。例えば、白金、銅、金、銀、アルミニウム、タングステン及びこれらの金属の合金等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
次に、集電層40が形成された基板10はベルトコンベアBC1上に載せられ、吐出装置100cに運搬される。吐出装置100c内においては、基板10を上下180°回転させ、集電層40が形成されていない面側であって、ガス拡散層30上に、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが、水平方向に対して交互になるように形成する作業が行われる。
【0055】
用いる反応層形成用材料としては、金属化合物若しくは金属微粒子を含む溶液又は分散液が挙げられる。金属化合物としては、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム及びこれらの2種以上からなる合金からなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の金属の金属塩や金属錯体等が挙げられる。また、金属微粒子としては、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム及びこれらの2種以上からなる合金からなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の金属の微粒子が挙げられる。これらの中でも、白金微粒子又は白金塩が好ましい。
【0056】
吐出装置100c内において、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが、水平方向に対して交互になるように形成する作業は、具体的には次のように行うことができる。すなわち、塩化白金酸及びカーボンブラックを含む塗布液(1)と、塩化ルテニウム及びカーボンブラックを含む塗布液(2)とをそれぞれ調製し、第1の反応層となるところには、塗布液(1)を塗布した後、溶媒が蒸発する前に塗布液(2)を塗布してアニール処理を施すことにより合金化を行う。また、第2の反応層となるところには、塗布液(1)を塗布した後に、230〜240℃で乾燥し、400〜500℃で熱分解を行なう。このようにすることにより、図8に示すように、同一平面上に第1の反応層50aと第2の反応層50bとを水平方向に対して交互に形成された構造を得ることができる。
【0057】
本実施形態では、吐出装置100cを使用し、異なるノズルから塗布液(1)と塗布液(2)をそれぞれ塗布するようにしているが、図示を省略する吐出装置をさらに一台用意し、それぞれの吐出装置を使用して、塗布液(1)と塗布液(2)の塗布を別個に行うこともできる。
【0058】
第1の反応層50a及び第2の反応層50bが形成された基板10は、ベルトコンベアBC1により吐出装置100dまで搬送され、吐出装置100dにより電解質膜形成用材料を塗布することにより、基板10上に電解質膜60を形成する。電解質膜60が形成された基板10の端面図を図9に示す。
【0059】
用いる電解質膜形成用材料としては、例えば、タングスト燐酸、モリブド燐酸等のセラミックス系固体電解質を所定の粘度(例えば、100cP以下)に調整した材料や、ナフィオン(デュポン社製)等のパーフルオロスルホン酸を、水とメタノールの重量比が1:1の混合溶液中でミセル化して得られる高分子電解質材料等が挙げられる。
【0060】
次いで、電解質膜60が形成された基板10はベルトコンベアBC1に載せられ、接合装置105aに運搬される。
接合装置105aでは、2枚の基板10を電解質膜60を挟んで、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが対峙するように接合させる。接合方法としては、例えばホットプレス法が挙げられる。この場合、第1の反応層と第2の反応層とが、電解質膜60を挟んで正確に向かい合うように精度よく圧着を行う必要がある。接合して得られた接合基板10aの端面図を図10に示す。
【0061】
次に、接合装置105aにより接合された基板(接合基板)10aは、ベルトコンベアBC1に載せられ、組立装置105bに運搬される。そこで、図11に示すように、接合基板10aを挟むようにフレキシブル基板70a、70bを重ね合わせる作業(組立作業)が行われる。
【0062】
フレキシブル基板70a、70bは表面に凹凸部が形成されている。この凹凸部は、接合基板10aと接着されて第1のガス流路及び第2のガス流路が形成されるような形状である。
【0063】
このような形状をもつフレキシブル基板は、燃料電池の発電セル部の製造に用いた基板と同様の方法で作製することができる。
すなわち、先ず、フォトエッチングの技術を使用して、基板上に微細な溝形状を形成してマスタ基板を作製する。用いる基板としては特に制限されない。例えば、シリコン基板を使用することができる。次に、上記で得られたマスタ基板を鋳型として、射出成形用金型を作製する。金型の製造方法は特に制限されず、公知の方法、例えば、金属ニッケルを用いる電解鋳造法を用いることができる。
次いで、上記で得られた金型を用いて射出成形法によりフレキシブル基板を製造することができる。成形用材料としては、従来から射出成形法に用いられている公知の成形用材料を使用することができる。本発明においては、燃料電池が変形しても発電セル部を支持できるような材料(例えば、合成樹脂基板)が好ましい。
【0064】
以上のようにして、図1に示す構造の燃料電池を製造することができる。
上述した実施形態に係る燃料電池の製造方法においては、全ての工程において吐出装置を用いているが、燃料電池を製造する何れかの工程において吐出装置を用いて燃料電池を製造することもできる。例えば、吐出装置を用いて反応層形成用材料を塗布して反応層を形成し、その他の工程においては従来と同様の工程により燃料電池を製造するようにしてもよい。この場合であっても、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を用いることなく集電層を形成できるため、燃料電池の製造コストを低く抑えることができる。
【0065】
上述の実施形態の製造方法においては、燃料電池製造ラインとして、ベルトコンベアBC1のみを有するものを使用して燃料電池を製造しているが、さらにベルトコンベア(BC2)を併設し、吐出装置100a〜100dと同様の吐出装置を配置して、吐出装置100a〜100dで行われる作業と同様の作業により、基板10を使用して、ガス拡散層、集電層、反応層及び電解質膜を順次形成し、接合装置105aに搬送するようにしてもよい。このようにすれば、より迅速かつ効率よく燃料電池を製造することができる。
【0066】
3)電気・電子機器
本発明の電気・電子機器は、本発明の燃料電池を電力供給源として備えることを特徴とする。本発明の電気・電子機器は、本発明の燃料電池をフレキシブル部位に配置したものであるのが好ましい。
本発明の電気・電子機器としては、電子ペーパー;携帯電話機、PHS、モバイル、ノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯テレビ電話機、デジタルカメラ、腕時計等のウエアラブル機器;等が挙げられる。本発明の電気・電子機器は、例えば、ゲーム機能、データ通信機能、録音再生機能、辞書機能等の他の機能を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る燃料電池の構造断面図である。
【図2】実施の形態に係る燃料電池の要部構造模式図である。
【図3】実施の形態に係る燃料電池の製造ラインの一例を示す図である。
【図4】実施の形態に係るインクジェット式吐出装置の概略図である。
【図5】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図6】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図7】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図8】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図9】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図10】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図11】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【符号の説明】
10…基板、10a…接合基板、20…溝、30…ガス拡散層、40…集電層、50a…第1の反応層、50b…第2の反応層、60…電解質膜、70…フレキシブル基板、80a…第1のガス流路、80b…第2のガス流路、100a〜100d…吐出装置、101…制御装置、103…駆動装置、105a…接合装置、105b…組立装置、BC1…ベルトコンベア
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出装置を用いて形成される発電セル部(MES:電解質膜−電極接合体)と、反応ガスを供給するためのガス流路を有するフレキシブル基板とからなる燃料電池及びその製造方法、並びにこの燃料電池を電力供給源として用いる電気・電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素又は空気等の酸化性ガスと水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)とを原料ガスとする化学エネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池は、これまで、電気自動車用の電池や電力貯蔵用の電池等として開発が進められてきた。このような燃料電池は環境汚染の少ないクリーンエネルギー源となることから、近年において注目を集め、種々の技術的提案がなされている。
【0003】
ところで、上記したような技術分野で利用される燃料電池は、数百V程度の高電圧で、数KW程度の高容量であることが必要である。そこで、この種の燃料電池では、高電圧出力を得るために、数十個の単位電池を直列接続したスタック構造とし、高出力容量を確保するために、燃料電池の構成要素である酸素又は水素のイオン伝導体、及びイオン伝導体を挟んだ正・負両電極を大面積化及び薄板化する工夫が行われている。
【0004】
しかしながら、上記したように高電圧・高容量の電池として従来より提案され開発されている燃料電池は、スタック構造を有し、構成要素が大面積化された大重量で大型の電池であり、小型電池としての燃料電池の利用は、従来はほとんど検討されていなかった。
【0005】
従来、小型燃料電池としては、例えば、特許文献1にはシリコン基板をエッチングして作製されたガス流路、マイクロセンサ及び開閉制御部を備えた超小型燃料電池システムが提案されている。しかしながら、この文献には具体的な構造及び製造方法が明記されていない。
【0006】
また特許文献2には、イオン伝導体板を挟んだ複数の電極対から構成される燃料電池素子を、スルーホール方式をとらず、同一平面上で接続可能な構造とする燃料電池が提案されている。しかしながら、この文献記載の燃料電池は、ガス流路用材料としてSUS304を使用し、ガラス封止材で接着することにより得られるものであり、フレキシブルな燃料電池とはいえないものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−201348号公報
【特許文献2】
特開2002−110215号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、小型・軽量でフレキシブルな燃料電池及びその製造方法、並びにこの燃料電池を用いる小型電気・電子機器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
近年、Micro−Total Analysis System(μ−TAS)や、Lab−on−a−chipと呼ばれる研究領域が注目を集めている。これはMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用したものであり、ガラス基板あるいはプラスチック基板にエッチング法により微細加工を施してマイクロチップ化して、バイオや医療分野への応用が検討されている。
【0010】
本発明者は、このようなマイクロチップ技術をガス流路の形状を有するフレキシブル基板の形成に適用し、また、吐出装置を用いる技術を電解質膜−電極接合体(MES)からなる発電セル部の形成に適用することにより、微細な構造を有する発電セル部と、ガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる、小型・軽量でフレキシブルな燃料電池を効率よく得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
かくして本発明の第1によれば、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする燃料電池が提供される。
【0012】
本発明の燃料電池においては、前記第1の反応層と第2の反応層とが水平方向に対して交互になるように形成されているのが好ましい。
本発明の燃料電池においては、前記第1のガス流路と第2のガス流路とが水平方向に対して交互になるように形成されているのが好ましい。
【0013】
本発明の燃料電池は、前記発電セル部が、第1の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第1のガス拡散層と、前記第1の基板の一方の面側であって、第1のガス拡散層上に形成された第1の集電層と、並びに前記第1の基板の他方の面側であって第1のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように形成された第1の反応層及び第2の反応層とを有する第1の基板と、第2の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第2のガス拡散層と、前記第2の基板の一方の面側であって、第2のガス拡散層上に形成された第2の集電層と、並びに前記第2の基板の他方の面側であって第2のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように形成された第1の反応層及び第2の反応層とを有する第2の基板とが、前記第1の基板の第1の反応層側と前記第2の基板の第2の反応層側とをそれぞれ内側にして、電解質膜を挟んで接合されてなるものが好ましい。
【0014】
本発明の燃料電池においては、前記フレキシブル基板が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるのが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0015】
本発明の燃料電池においては、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるのが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0016】
本発明の第2によれば、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池の製造方法であって、前記燃料電池素子を吐出装置を使用して形成することを特徴とする燃料電池の製造方法が提供される。
【0017】
本発明の燃料電池の製造方法は、第1の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第1のガス拡散層を形成する工程(1)と、前記第1の基板の一方の面側であって、第1のガス拡散層上に第1の集電層を形成する工程(2)と、前記第1の基板の他方の面側であって第1のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように第1の反応層及び第2の反応層を形成する工程(3)と、第2の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に第2のガス拡散層を形成する工程(4)と、前記第2の基板の一方の面側であって、第2のガス拡散層上に第2の集電層を形成する工程(5)と、前記第2の基板の他方の面側であって第2のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように第1の反応層及び第2の反応層を形成する工程(6)と、前記第1の基板と第2の基板とを、電解質膜を挟んで、前記第1の基板の第1の反応層と、第2の基板の第2の反応層とが対峙するように接合することにより発電セル部を形成する工程(7)と、前記第1のガス流路及び第2のガス流路の形状を有するフレキシブル基板2枚を、前記第1のガス流路から第1のガス拡散層へ第1の反応ガスが供給され、前記第2のガス流路から第2のガス拡散層へ第2の反応ガスが供給されるように、前記発電セル部を挟んで接合する工程(8)とを有するのが好ましい。
【0018】
本発明の燃料電池の製造方法においては、前記工程(1)〜工程(6)の少なくとも一つが、吐出装置を使用する工程であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記フレキシブル基板が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0019】
本発明の燃料電池の製造方法においては、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であるのが好ましく、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であるのがより好ましい。
【0020】
本発明の第3によれば、本発明の燃料電池を電力供給源として用いることを特徴とする電気・電子機器が提供される。
本発明の電気・電子機器は、本発明の燃料電池をフレキシブル部位に配置したものであるのが好ましい。
また、本発明の電気・電子機器は、電子ペーパー又はウエアラブル機器であるのが好ましい。
【0021】
本発明の燃料電池は、その燃料電池素子部分(発電セル部)が吐出装置を使用する工程を経て得られたものである。吐出装置を使用する場合には、所定の位置に所定量の材料を正確に塗布することができるので、均一で出力の安定した燃料電池素子を得ることができる。
【0022】
本発明の燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で接続されており、それぞれが均一な出力特性を備えることが特に重要である。吐出装置を使用することにより、均一であって出力が高く、かつ出力が安定した燃料電池を得ることができる。
本発明の燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で、直列に接続されてなる。従って、小型でありながら、高い出力を確保することができる。
本発明の燃料電池は、外側がフレキシブル基板で覆われている。また、燃料電池素子部分が、微細溝中に形成されたガス拡散層で覆われているので、基板が変形した場合であっても、燃料電池の発電セル部分が破壊されることが少ないフレキシブルな電池である。
【0023】
本発明の燃料電池の製造方法は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)の技術とインクジェット技術(吐出装置を用いる技術)を融合したものであり、フレキシブル基板に燃料電池素子及びガス流路を形成することで、フレキシブル部位に利用できる小型の燃料電池の製造が可能である。
本発明の電気・電子機器は、小型で、フレキシブルな部位に本発明の燃料電池を電力供給源として備えたものであり、地球環境に適切に配慮した電気・電子機器である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池、燃料電池の製造方法及び電気・電子機器について詳細に説明する。
【0025】
1)燃料電池
本発明の燃料電池は、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする。
【0026】
本発明の燃料電池の一例を図1に示す。図1中、10は基板、30aは第1のガス拡散層、30bは第2のガス拡散層、40aは第1の集電層、40bは第2の集電層、50aは第1の反応層、50bは第2の反応層、60は電解質膜、70はフレキシブル基板、80aは第1のガス流路、80bは第2のガス流路をそれぞれ表す。
【0027】
図1に示す燃料電池は、発電セル部Aと、この発電セル部Aの垂直方向の両面に設けられ、前記発電セル部Aに反応ガスを供給するガス流路80a、80bを形成するフレキシブル基板70とからなる。
【0028】
発電セル部Aは、電解質膜60を間に挟んで対峙して形成された第1の反応層50aと第2の反応層50bとからなる燃料電池素子が、図中、水平方向に複数個形成されて構成されてなる。
【0029】
図1に示す燃料電池においては、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが、水平方向に対して交互に配置された構造に対応して、第1のガス流路80aと第2のガス流路80bとが交互に配置されている。すなわち、第1の反応層50aには、第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路80aが、第2の反応層50bには、第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路80bが、第1のガス拡散層30a及び第2のガス拡散層30bを介して、それぞれ連結された構造となっている。
【0030】
図1に示す燃料電池の要部構造模式図を図2に示す。図2(a)に示すものは、図1においてB−B’方向の断面図であり、図2(b)に示すものは、図1においてC−C’方向の断面図である。図2(a)及び(b)に示すように、図1に示す燃料電池のガス流路は、第1のガス流路80aと第2のガス流路80bとが、水平方向に対して交互に配置された櫛歯形構造を備えている。このような構造とすることにより、スルーホール接続方式をとることなく、簡便に種類の異なる反応ガスの一定量をガス拡散層30a、30bにそれぞれ供給することができる。
【0031】
図1に示す燃料電池の動作を、第1の反応ガスとして水素ガスを使用し、第2の反応ガスとして酸素ガスを使用する場合を例にとって説明する。先ず、水素ガスが第1のガス流路80aから供給され、第1のガス拡散層30aを通過して、第1の反応層50aに送られる。第1の反応層50aでは水素ガスが電子と水素イオン(H+)になる反応が行われ、生成した水素イオンは、電解質膜60中を第2の反応層50bに移動する。また、第1の反応層50aにおける反応で生成した電子は、第1の集電層40aに集められ、電解質膜60を介して対峙して配置されている第2の集電層40bに送られる。一方、酸素ガスが第2のガス流路80bから供給され、第2のガス拡散層30bを通過して、第2の反応層50bに送り込まれる。第2の反応層50bでは、酸素ガスと電解質膜60中を移動してきた水素イオンと、第2の集電層40bから送られてきた電子とにより、水が生成する反応が行われる。
【0032】
図1に示す燃料電池の燃料電池素子は、吐出装置を使用する工程を経て得られたものである。吐出装置を使用する場合には、所定の位置に所定量の材料を正確に塗布することができるので、均一で出力の安定した燃料電池素子を得ることができる。この燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で接続されており、燃料電池素子が均一な出力特性を備えていることが特に重要である。本実施形態の燃料電池は、吐出装置を使用する工程により核燃料電池素子が形成されるものであるので、均一であって出力が高く、かつ出力が安定した燃料電池となっている。
【0033】
図1に示す燃料電池は、各燃料電池素子が前記電解質膜の同一の面側で、直列に接続されてなる。従って、小型でありながら、高い出力を確保することができる。図1に示す燃料電池は、外側がフレキシブル基板70で覆われている。また、前記発電セル部分が、基板10の微細溝に形成されたガス拡散層30a、30bで覆われているので、変形しても燃料電池セル部分が破壊されることが少ない、フレキシビリティに優れる燃料電池である。
【0034】
2)燃料電池の製造方法
本発明の燃料電池の製造方法は、電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池の製造方法である。
【0035】
本発明の製造方法は、図3に示す燃料電池の製造装置(燃料電池製造ライン)を使用して実施することができる。
図3に示す燃料電池の製造装置において、各工程においてそれぞれ用いられる吐出装置100a〜100dを接続するベルトコンベアBC1、ベルトコンベアBC1を駆動させる駆動装置103、電解質膜を挟んで第1の基板と第2の基板との接合を行う接合装置105a、燃料電池の組み立てを行なう組立装置105b及び燃料電池製造ライン全体の制御を行う制御装置101により構成されている。
【0036】
吐出装置100a〜100dは、ベルトコンベアBC1に沿って所定の間隔で一列に配置されている。また、制御装置101は、吐出装置100a〜100d、駆動装置103、接合装置105a及び組立装置105bと接続されている。
【0037】
この燃料電池製造ラインにおいては、駆動装置103によりベルトコンベアBC1を駆動させ、燃料電池製造用の基板を各吐出装置100a〜100dに搬送して、各吐出装置100a〜100dにおける処理が行われる。また、接合装置105a及び組立装置105bにおいては、制御装置101からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC1によって搬送されてきた基板を用いて、燃料電池の接合作業及び組み立て作業が行われる。
【0038】
吐出装置100a〜100dとしては、インクジェット方式の吐出装置であれば特に制約されない。例えば、加熱発泡により気泡を発生し、液滴の吐出を行うサーマル方式の吐出装置、ピエゾ素子を利用する圧縮により、液滴の吐出を行なうピエゾ方式の吐出装置等が挙げられる。
【0039】
図3に示す燃料電池製造ラインに用いられる吐出装置100aの概略を図4に示す。吐出装置100aは、吐出物118を収容するタンク114と、タンク114と吐出物搬送管116を介して接続されたインクジェットヘッド106、被吐出物を搭載、搬送するテーブル112、インクジェットヘッド106内に滞留する余剰の吐出物118を吸引して、インクジェットヘッド106内から過剰の吐出物を除去する吸引キャップ122、及び吸引キャップ122で吸引された余剰の吐出物を収容する廃液タンク130から構成されている。
【0040】
タンク114は、レジスト溶液等の吐出物118を収容するものであり、タンク114内に収容されている吐出物の液面118aの高さを制御するための液面制御センサ120を備える。液面制御センサ120は、インクジェットヘッド106が備えるノズル形成面110の先端部110aと、タンク114内の液面118aとの高さの差h(以下、水頭値という)を所定の範囲内に保つ制御を行う。例えば、この水頭値が25m±0.5mm内となるように液面118aの高さを制御することで、タンク114内の吐出物118が所定の範囲内の圧力でインクジェットヘッド106に送ることができる。所定の範囲内の圧力で吐出物118を送ることで、インクジェットヘッド106から必要量の吐出物118を安定して吐出することができる。
【0041】
吐出物搬送管116は、吐出物搬送管116の流路内の帯電を防止するための吐出物流路部アース継手116aとヘッド部気泡排気弁116bとを備える。ヘッド部気泡排気弁116bは、後述する吸引キャップ122により、インクジェットヘッド106内の吐出物を吸引する場合に用いられる。
【0042】
インクジェットヘッド106は、ヘッド体108及び吐出物を吐出する多数のノズルが形成されているノズル形成面110を備え、ノズル形成面110のノズルから吐出物、例えば、反応ガスを供するためのガス流路を基板上に形成する際に基板に塗布されるレジスト溶液等が吐出される。
テーブル112は、所定の方向に移動可能に設置されている。テーブル112は、図中矢印で示す方向に移動することにより、ベルトコンベアBC1により搬送される基板を載置して、吐出装置100a内に取り込む。
【0043】
吸引キャップ122は図4に示す矢印方向に移動可能となっており、ノズル形成面110に形成された複数のノズルを囲むようにノズル形成面110に密着し、ノズル形成面110との間に密閉空間を形成してノズルを外気から遮断できる構成となっている。即ち、吸引キャップ122によりインクジェットヘッド106内の吐出物を吸引するときは、このヘッド部気泡排除弁116bを閉状態にして、タンク114側から吐出物が流入しない状態とし、吸引キャップ122で吸引することにより、吸引される吐出物の流速を上昇させ、インクジェットヘッド106内の気泡を速やかに排出することができる。
【0044】
吸引キャップ122の下方には流路が設けられており、この流路には、吸引バルブ124が配置されている。吸引バルブ124は、吸引バルブ124の下方の吸引側と、上方のインクジェットヘッド106側との圧力バランス(大気圧)を取るための時間を短縮する目的で流路を閉状態にする役割を果す。この流路には、吸引異常を検出する吸引圧検出センサ126やチューブポンプ等からなる吸引ポンプ128が配置されている。
また、吸引ポンプ128で吸引、搬送された吐出物118は、廃液タンク130内に一時的に収容される。
【0045】
本実施形態においては、吐出装置100b〜100dは、吐出物118の種類が異なることを除き、吐出装置100aと同様の構成のものである。したがって、以下においては、各吐出装置の同一構成については同一の符号を用いる。
【0046】
次に、図3に示す燃料電池製造ラインを用いて、燃料電池を製造する各工程を説明する。
先ず、図5に示す燃料電池のセル部分を形成するための基板10を2枚用意する。なお、図5において、(a)は基板を上部から見た図であり、(b)は基板の断面図である(図6及び図7も同様である)。
【0047】
用いる基板としては、基板の一方の面から他方の面に貫通する微細な複数の溝が形成されたものであって、燃料電池の発電セル部を形成することができるものであれば特に制限されない。例えば、シリコン基板、セラミック基板、合成樹脂基板等が挙げられる。本発明においては、フレキシブルな合成樹脂基板を用いるのが好ましい。
【0048】
この合成樹脂基板は、次のようにして作製することができる。
先ず、マスタ基板となる基板(シリコン基板等)を用意し、この基板に、半導体装置を製造するためのものとして多用されているフォトエッチングの技術を使用して微細な溝形状を形成する。次に、上記で得た微細溝形状が形成されたマスタ基板を鋳型として、射出成形用金型を作製する。金型の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、金属ニッケルを用いる電解鋳造法が挙げられる。
【0049】
次いで、上記で得た金型を用いて射出成形法によりフレキシブル基板を作製する。この方法によれば、再現性よく微細な溝を有するフレキシブル基板を量産することが可能である。成形用材料としては、従来から射出成形法に用いられている公知の成形用材料を使用することができる。本発明においては、後工程において集電層や反応層を形成するため、400〜500℃程度の高耐熱性材料の使用が好ましい。高耐熱性材料としては、例えば、ポリイミド等の高耐熱性フレキシブルプリント配線板用材料が挙げられる。
【0050】
次に、基板10を図3に示す燃料電池の製造ラインのベルトコンベアBC1上に載せ、吐出装置100aに運搬し、吐出装置100aにより、基板10の溝20内にガス拡散層形成用材料を塗布して、ガス拡散層30を形成する。この状態を図6に示す。
【0051】
用いるガス拡散層形成用材料としては、カーボンブラック等の炭素微粒子が一般的であるが、カーボンナノチューブ、カーボンナノフォーン、フラーレン等も使用できる。本実施形態では、カーボンブラックを水及びグリセリンで粘性のある塗布液としたものを使用する。また、本実施形態では吐出装置100aを用いるため、例えば、集電層側には粒子径の大きい(数十μm)炭素微粒子とし、表面側には粒子径の小さい(数十nm)炭素微粒子とすることで、基板付近は流路幅を大きくして反応ガスの拡散抵抗をできるだけ小さくしつつ、反応層付近(ガス拡散層の表面側)においては、均一で細かい流路となっているガス拡散層を形成することも容易である。その他、ガス拡散層の基板側は炭素粒子を用い、表面側は、ガス拡散能力は低いが触媒担持能力に優れる材料を用いることもできる。
【0052】
次に、ガス拡散層30が形成された基板10をベルトコンベアBC1上に載せ、吐出装置100bに運搬し、吐出装置100bにより集電層形成用材料を塗布し、アニールを施すことにより集電層40を形成する。この状態を図7に示す。
【0053】
用いる集電層形成用材料としては、導電性を有する材料であれば特に制限されない。例えば、白金、銅、金、銀、アルミニウム、タングステン及びこれらの金属の合金等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
次に、集電層40が形成された基板10はベルトコンベアBC1上に載せられ、吐出装置100cに運搬される。吐出装置100c内においては、基板10を上下180°回転させ、集電層40が形成されていない面側であって、ガス拡散層30上に、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが、水平方向に対して交互になるように形成する作業が行われる。
【0055】
用いる反応層形成用材料としては、金属化合物若しくは金属微粒子を含む溶液又は分散液が挙げられる。金属化合物としては、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム及びこれらの2種以上からなる合金からなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の金属の金属塩や金属錯体等が挙げられる。また、金属微粒子としては、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム及びこれらの2種以上からなる合金からなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の金属の微粒子が挙げられる。これらの中でも、白金微粒子又は白金塩が好ましい。
【0056】
吐出装置100c内において、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが、水平方向に対して交互になるように形成する作業は、具体的には次のように行うことができる。すなわち、塩化白金酸及びカーボンブラックを含む塗布液(1)と、塩化ルテニウム及びカーボンブラックを含む塗布液(2)とをそれぞれ調製し、第1の反応層となるところには、塗布液(1)を塗布した後、溶媒が蒸発する前に塗布液(2)を塗布してアニール処理を施すことにより合金化を行う。また、第2の反応層となるところには、塗布液(1)を塗布した後に、230〜240℃で乾燥し、400〜500℃で熱分解を行なう。このようにすることにより、図8に示すように、同一平面上に第1の反応層50aと第2の反応層50bとを水平方向に対して交互に形成された構造を得ることができる。
【0057】
本実施形態では、吐出装置100cを使用し、異なるノズルから塗布液(1)と塗布液(2)をそれぞれ塗布するようにしているが、図示を省略する吐出装置をさらに一台用意し、それぞれの吐出装置を使用して、塗布液(1)と塗布液(2)の塗布を別個に行うこともできる。
【0058】
第1の反応層50a及び第2の反応層50bが形成された基板10は、ベルトコンベアBC1により吐出装置100dまで搬送され、吐出装置100dにより電解質膜形成用材料を塗布することにより、基板10上に電解質膜60を形成する。電解質膜60が形成された基板10の端面図を図9に示す。
【0059】
用いる電解質膜形成用材料としては、例えば、タングスト燐酸、モリブド燐酸等のセラミックス系固体電解質を所定の粘度(例えば、100cP以下)に調整した材料や、ナフィオン(デュポン社製)等のパーフルオロスルホン酸を、水とメタノールの重量比が1:1の混合溶液中でミセル化して得られる高分子電解質材料等が挙げられる。
【0060】
次いで、電解質膜60が形成された基板10はベルトコンベアBC1に載せられ、接合装置105aに運搬される。
接合装置105aでは、2枚の基板10を電解質膜60を挟んで、第1の反応層50aと第2の反応層50bとが対峙するように接合させる。接合方法としては、例えばホットプレス法が挙げられる。この場合、第1の反応層と第2の反応層とが、電解質膜60を挟んで正確に向かい合うように精度よく圧着を行う必要がある。接合して得られた接合基板10aの端面図を図10に示す。
【0061】
次に、接合装置105aにより接合された基板(接合基板)10aは、ベルトコンベアBC1に載せられ、組立装置105bに運搬される。そこで、図11に示すように、接合基板10aを挟むようにフレキシブル基板70a、70bを重ね合わせる作業(組立作業)が行われる。
【0062】
フレキシブル基板70a、70bは表面に凹凸部が形成されている。この凹凸部は、接合基板10aと接着されて第1のガス流路及び第2のガス流路が形成されるような形状である。
【0063】
このような形状をもつフレキシブル基板は、燃料電池の発電セル部の製造に用いた基板と同様の方法で作製することができる。
すなわち、先ず、フォトエッチングの技術を使用して、基板上に微細な溝形状を形成してマスタ基板を作製する。用いる基板としては特に制限されない。例えば、シリコン基板を使用することができる。次に、上記で得られたマスタ基板を鋳型として、射出成形用金型を作製する。金型の製造方法は特に制限されず、公知の方法、例えば、金属ニッケルを用いる電解鋳造法を用いることができる。
次いで、上記で得られた金型を用いて射出成形法によりフレキシブル基板を製造することができる。成形用材料としては、従来から射出成形法に用いられている公知の成形用材料を使用することができる。本発明においては、燃料電池が変形しても発電セル部を支持できるような材料(例えば、合成樹脂基板)が好ましい。
【0064】
以上のようにして、図1に示す構造の燃料電池を製造することができる。
上述した実施形態に係る燃料電池の製造方法においては、全ての工程において吐出装置を用いているが、燃料電池を製造する何れかの工程において吐出装置を用いて燃料電池を製造することもできる。例えば、吐出装置を用いて反応層形成用材料を塗布して反応層を形成し、その他の工程においては従来と同様の工程により燃料電池を製造するようにしてもよい。この場合であっても、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を用いることなく集電層を形成できるため、燃料電池の製造コストを低く抑えることができる。
【0065】
上述の実施形態の製造方法においては、燃料電池製造ラインとして、ベルトコンベアBC1のみを有するものを使用して燃料電池を製造しているが、さらにベルトコンベア(BC2)を併設し、吐出装置100a〜100dと同様の吐出装置を配置して、吐出装置100a〜100dで行われる作業と同様の作業により、基板10を使用して、ガス拡散層、集電層、反応層及び電解質膜を順次形成し、接合装置105aに搬送するようにしてもよい。このようにすれば、より迅速かつ効率よく燃料電池を製造することができる。
【0066】
3)電気・電子機器
本発明の電気・電子機器は、本発明の燃料電池を電力供給源として備えることを特徴とする。本発明の電気・電子機器は、本発明の燃料電池をフレキシブル部位に配置したものであるのが好ましい。
本発明の電気・電子機器としては、電子ペーパー;携帯電話機、PHS、モバイル、ノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯テレビ電話機、デジタルカメラ、腕時計等のウエアラブル機器;等が挙げられる。本発明の電気・電子機器は、例えば、ゲーム機能、データ通信機能、録音再生機能、辞書機能等の他の機能を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る燃料電池の構造断面図である。
【図2】実施の形態に係る燃料電池の要部構造模式図である。
【図3】実施の形態に係る燃料電池の製造ラインの一例を示す図である。
【図4】実施の形態に係るインクジェット式吐出装置の概略図である。
【図5】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図6】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図7】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図8】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図9】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図10】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図11】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【符号の説明】
10…基板、10a…接合基板、20…溝、30…ガス拡散層、40…集電層、50a…第1の反応層、50b…第2の反応層、60…電解質膜、70…フレキシブル基板、80a…第1のガス流路、80b…第2のガス流路、100a〜100d…吐出装置、101…制御装置、103…駆動装置、105a…接合装置、105b…組立装置、BC1…ベルトコンベア
Claims (18)
- 電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池であって、前記燃料電池素子が吐出装置を使用する工程を含む形成方法により得られたものであることを特徴とする燃料電池。
- 前記第1の反応層と第2の反応層とが、水平方向に対して交互になるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記第1のガス流路と第2のガス流路とが水平方向に対して交互になるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 前記発電セル部が、第1の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第1のガス拡散層と、前記第1の基板の一方の面側であって第1のガス拡散層上に形成された第1の集電層と、及び前記第1の基板の他方の面側であって第1のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する第1の基板と、
第2の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第2のガス拡散層と、前記第2の基板の一方の面側であって第2のガス拡散層上に形成された第2の集電層と、及び前記第2の基板の他方の面側であって第2のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する第2の基板とが、
前記第1の基板の第1の反応層側と前記第2の基板の第2の反応層側とをそれぞれ内側にして、電解質膜を挟んで接合されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。 - 前記フレキシブル基板が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 前記フレキシブル基板が、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の燃料電池。
- 電解質膜及び該電解質膜を挟んで対峙して形成された第1の反応層と第2の反応層とを有する燃料電池素子が、水平方向に複数個形成されてなる発電セル部と、この発電セル部の垂直方向の両面側に設けられ、前記第1の反応層に第1の反応ガスを供給する第1のガス流路、及び前記第2の反応層に第2の反応ガスを供給する第2のガス流路を形成するフレキシブル基板とからなる燃料電池の製造方法であって、
前記燃料電池素子を吐出装置を使用して形成することを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 第1の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に形成された第1のガス拡散層を形成する工程(1)と、
前記第1の基板の一方の面側であって、第1のガス拡散層上に第1の集電層を形成する工程(2)と、
前記第1の基板の他方の面側であって第1のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように第1の反応層及び第2の反応層を形成する工程(3)と、
第2の基板の一方の面側から他方の面側に貫通する溝内に第2のガス拡散層を形成する工程(4)と、
前記第2の基板の一方の面側であって、第2のガス拡散層上に第2の集電層を形成する工程(5)と、
前記第2の基板の他方の面側であって第2のガス拡散層上に、水平方向に対して交互になるように第1の反応層及び第2の反応層を形成する工程(6)と、
前記第1の基板と第2の基板とを、電解質膜を挟んで、前記第1の基板の第1の反応層と、第2の基板の第2の反応層とが対峙するように接合することにより発電セル部を形成する工程(7)と、
第1のガス流路及び第2のガス流路の形状を有するフレキシブル基板2枚を、前記第1のガス流路から第1のガス拡散層へ第1の反応ガスが供給され、前記第2のガス流路から第2のガス拡散層へ第2の反応ガスが供給されるように、前記発電セル部を挟んで接合する工程(8)と
を有する請求項9に記載の燃料電池の製造方法。 - 前記工程(1)〜工程(6)の少なくとも一つが、吐出装置を使用する工程であることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記フレキシブル基板が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたものであることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 前記フレキシブル基板が、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたものであることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板材料をローストモールド法又は射出成形法により成形して得られたフレキシブル基板であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 前記第1及び第2の基板の少なくとも一方が、基板をエッチング法により加工して得られたマスタ基板を用いて成形用金型を作製し、この成形用金型を用いるローストモールド法又は射出成形法により、基板材料を成形して得られたフレキシブル基板であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池を電力供給源として用いることを特徴とする電気・電子機器。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池をフレキシブル部位に配置したことを特徴とする請求項16に記載の電気・電子機器。
- 電子ペーパー又はウエアラブル機器であることを特徴とする請求項16又は17に記載の電気・電子機器。
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Cited By (2)
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WO2007074934A1 (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 燃料電池用拡散層の製造方法および燃料電池用拡散層 |
CN112103525A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-12-18 | 天能电池集团股份有限公司 | 一种柔性燃料电池 |
-
2003
- 2003-08-01 JP JP2003205396A patent/JP2005056586A/ja not_active Withdrawn
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