JP2005055638A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 ブラックマトリクスによる外光の反射による表示のコントラストの低下を軽減した液晶表示装置であって、かつ安価な装置を提供すること。
【解決手段】 一対の基板２、３の間に液晶層４を挟持し、基板２、３を挟んで液晶層４とは反対側に偏光板６、８を設けた液晶表示パネルにおいて、表示面側の基板３の内面には光を反射する金属層が形成され、基板３と偏光板６との間には金属層の反射光が偏光板６から表示面側に射出することを防止する反射光防止手段を配置する。この反射光防止手段としてλ／４位相差板を用いる。そして外光が金属層で反射されても、λ／４位相差板によって反射光が出射することを防止する。
【選択図】 図１

Description

本発明は液晶表示装置に関するものであり、特にブラックマトリクスによる外光の反射によって生じる表示のコントラスト低下を軽減した液晶表示装置に係るものである。

最近の情報通信技術の進展により携帯電話やＰＤＡなどの携帯通信端末が普及し、液晶表示装置の市場は拡大しているが、これらの市場向け装置では低消費電力が要求されるため、反射型液晶表示装置や半透過型液晶表示装置が用いられることが多い。

従来の液晶表示装置は、電極を有する一対の基板間に液晶層を挟持した液晶セルとこれを挟んで両側に配置した２つの偏光板からなり、反射型の場合は液晶セルの観察面側とは反対側の偏光板の外側に反射板を配置した構造をしている。

しかし、この液晶表示装置では、入射した光が反射板で反射して再び装置を出るまでに偏光板を４回も通過するため，表示が暗くなってしまうという問題があった。

このため、図６に示すような、液晶セル５２を挟むように偏光板５１と反射板５３を配置し、偏光板の通過が２回となる液晶表示装置が提案されている。しかし、この装置も電子機器に組み込んで使用する場合に暗いところで使用すると、入射する光の絶対量が不足するので、表示が暗く内容が認識しづらいという欠点があり、画素電極に窓を設けて、必要時にバックライトからの光を通して用いる半透過型と呼ばれる液晶表示装置が実現されている。

ところで、液晶表示装置は画素間や有効表示面周辺にブラックマトリクスを設けるが、これがともすれば外光の反射により光って表示のコントラストを低下させる。とりわけシール部分にブラックマトリクスがあるとよく目立つ。特に、外光を利用する反射型や半透過型液晶表示装置の場合にコントラストの低下が著しい。

そこで従来ブラックマトリクスは、そのガラス基板側が無光沢になるように低反射率の酸化クロムなどの層を形成してその上に遮光層を形成する構成を一般的に用いている。

従来の液晶表示装置を、図５に示す。アクティブマトリクスを構成する薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）３１と画素電極３２は、ＴＦＴ基板３０側のガラス基板３３の上面に形成されている。このＴＦＴ基板３０に対向して対向電極基板４０が設けられる。そしてこの対向電極基板４０には、ガラス基板３４の下面に対向電極となる透明電極膜３５が形成されるとともに、ＴＦＴ基板３０に形成された薄膜トランジスタ３１等の回路素子に対応する部分に遮光層３６が形成される。この遮光層３６の少なくとも外光が入射される側の表面に低反射率の酸化クロム３９の薄膜が形成され、基板を挟んで液晶層３７とは反対側に偏光板３８が設けられたものであった（例えば特許文献１参照）。
特開平０８−９５０１４号公報（第５頁−７頁，第１図）

しかしながら、低反射率の酸化クロム膜の形成は高価である上に、酸化させた上にもう一度クロムを配置する二層構造をなすため、ブラックマトリクスの厚みが厚くなって液晶層の厚みを均一に形成しにくいという問題があった。そこで、ブラックマトリクスによる外光の反射による表示のコントラストの低下を軽減した液晶表示装置であって、かつ安価な装置が望まれている。

本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を行った結果、液晶表示パネルの表示面側の入射光と出射光に位相差を設けることにより、ブラックマトリクスによる外光の反射による表示のコントラストの低下を軽減できることに着目し、液晶表示パネルの対向電極基板に形成するブラックマトリクスには低反射率酸化クロムを使用しなくても、対向電極基板の表示面側に位相差板を設けることによって前記の問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明は、前記の問題点を解決することを課題とし、液晶表示装置において、液晶表示パネルのブラックマトリクスによる外光の反射による表示のコントラストの低下を軽減しかつ安価なものを提供することを目的とする。

本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。

本発明は液晶表示装置において、対向電極基板のブラックマトリクス遮光層は外光を反射してもよいこととしてクロム層やアルミ層などで形成し、代わりに液晶表示パネルの表示面側に位相差板を設けるのである。

すなわち、本発明にかかる液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層を挟持し、基板を挟んで液晶層とは反対側に偏光板を設けた液晶表示パネルにおいて、表示面側の基板の内面には光を反射する金属層が形成され、該基板と偏光板との間にλ／４位相差板を配置したことを特徴とするものである。

一対の基板の間に液晶層を挟持し、基板を挟んで液晶層とは反対側に偏光板を設けた液晶表示パネルにおいて、表示面側の基板の内面には光を反射する金属層が形成され、表示面側の基板と偏光板との間には前記金属層の反射光が該偏光板から表示面側に射出することを防止する反射光防止手段を配置したことを特徴とするものである。そしてこの反射光防止手段としてλ／４位相差板を用いることができ、また、λ／２位相差板とλ／４の位相差板を組合せたものを用いても良い。

かかる構成によれば、表示面側から入射して液晶による複屈折効果を受けずに跳ね返ってきた、ブラックマトリクスによる外光反射を遮断できる液晶表示装置で、しかも経済的に安価なものが得られる。また、反射光防止手段としてλ／４位相差板を用いることで上記の効果が得られるが、反射光防止手段としてλ／２位相差板とλ／４の位相差板を組合せたものを用いることで、幅広い波長域の反射光を効果的に遮断できる。

また、本発明にかかる液晶表示装置においては、金属層が各画素の周辺に存在することが好ましく、また液晶表示装置が反射型または半透過型の液晶表示装置であることが好ましい。

本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示パネルの目視側となる対向電極基板の表示面側に反射光防止手段として位相差板を設けて、液晶表示パネルの表示面側の入射光と出射光に位相差を設けることにより偏光板の存在と相俟って反射光を遮断し、ブラックマトリクスによる外光の反射によって生じる表示のコントラストの低下を軽減できる。

また、本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示パネルの目視側となる対向電極基板の表示面側にλ／４の位相差板またはλ／２及びλ／４の位相差板を設けることによって偏光板の存在と相俟って反射光を遮断することができ、対向電極基板に形成するブラックマトリクスには高価な低反射率酸化クロムを使用することなく、クロムを一層やアルミ層を利用することができ、ブラックマトリクスに使用できる材質の選択肢が増えると共に安価な液晶表示装置が提供できる。

さらに、本発明によれば、安価でかつ表示のコントラストの低下を軽減した反射型または半透過型液晶表示装置を提供でき、産業上優れた効果を奏するものである。

以下、本発明にかかる液晶表示装置の実施例について、添付の図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は本発明の技術的思想を具体化するための液晶表示装置を例示するものであって、本発明をこの液晶表示装置に特定することを意図するものではなく、本発明と技術的思想を共通にするものにも等しく適用し得るものである。

図１は、本発明の一実施例を示す半透過型液晶表示装置の断面図。図２は同じく他の実施例を示す反射型液晶表示装置の断面図。図３は本発明の液晶表示装置における位相差板と偏光板の作用の説明図である。

図１において、１は一対の基板２、３間に液晶層４を封入した液晶表示パネルで、液晶層４は目視側の対向電極基板３から下側のＴＦＴ基板２に向かってツイストしている。この対向電極基板３には、図示しないが、ガラス基板の下面に共通の対向電極となる透明電極膜が形成されるとともに、ＴＦＴ基板２に形成された薄膜トランジスタ等の回路素子に対応する部分に遮光層が形成されている。そしてこの遮光膜が各画素の周囲に存在することになる。

ブラックマトリクスとなる遮光層は、低反射率酸化クロム層を設けず、単層の金属クロムのスパッタとフォトリソグラフィー法で形成される。５は反射光防止手段となる一軸延伸フィルムからなるλ／４の位相差板であり、６は上側の偏光板である。７は半透過反射板からなる光反射層である。また８は下側の偏光板であり、９はバックライトである。

このような構成によれば、液晶表示パネル１の目視側となる対向電極基板３の表示面側にλ／４の位相差板５を設けているので、表示面側から入射した外光のうち液晶層を通過する前にブラックマトリクスにより反射された反射光を、λ／４の位相差板５と偏光板６によって遮断でき、これによって、ブラックマトリクスによる外光の反射によって生じる表示のコントラストの低下を軽減できる。また、このようにすると対向電極基板３に形成するブラックマトリクスには低反射率酸化クロムを使用する必要がなくなり、金属クロムを一層形成するだけでよいため、液晶パネルの構造とその製造工程が簡単になり、半透過型液晶表示装置がより安価な物となる。また、ブラックマトリクスには反射率の高いＡｌ等も使用でき、ブラックマトリクスに使用する金属層の選択肢が広がる。

図２は、本発明にかかる液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、反射型の液晶表示装置である。図において、１１は一対の基板１２、１３間に液晶層１４を封入した液晶表示パネルで、液晶層１４は目視側の対向電極基板１３から下側のＴＦＴ基板１２に向かってツイストしている。この対向電極基板１３には、図示しないが、ガラス基板の下面に共通の対向電極となる透明電極膜が形成されるとともに、ＴＦＴ基板１２に形成された薄膜トランジスタ等の回路素子に対応する部分に遮光層が形成される。ブラックマトリクスとなる遮光層は、低反射率酸化クロム層を設けず、単層の金属クロムのスパッタとフォトリソグラフィー法で形成される。１５は一軸延伸フィルムからなるλ／４の位相差板であり、１６は上側の偏光板である。１７は反射板からなる光反射層である。また、１８は下側の偏光板である。

このような構成によれば、本実施例においても、液晶表示パネル１１の目視側となる対向電極基板１３の表示面側にλ／４の位相差板１５を設け、液晶表示パネルの入射光と反射光に位相差を持たせ、液晶による複屈折効果を受けずに跳ね返ってきたブラックマトリクスの外光反射をλ／４の位相差板１５と偏光板１６によって遮断でき、ブラックマトリクスによる外光の反射によって生じる表示のコントラストの低下を軽減できる。

また、このようにすると対向電極基板１３に形成するブラックマトリクスには低反射率酸化クロムを使用する必要がなくなり、金属クロムを一層形成するだけでよいため、液晶パネルの構造とその製造工程が簡単になり、反射型液晶表示装置がより安価な物となる。

図３に本発明の作用説明図を示した。図は液晶表示装置の部分拡大図であり、偏光板２６とλ／４の位相差板２５が、ブラックマトリクス２９の形成された液晶パネル２１の対向電極基板２３のガラスに貼り付けられている。入射光は偏光板２６とλ／４の位相差板２５とガラスを通過しブラックマトリクス２９の金属クロム層に反射して、反射光がガラス、λ／４の位相差板２５、偏光板２６を通過して目視側に達する。

この間、入射光の偏光状態は図の左側に示したように、偏光板２６により直線偏光され、続いてλ／４の位相差板２５により右円偏光される。反射光は図の右側に示したように右円偏光であったものがλ／４の位相差板２５により直線偏光され、偏光板２６の透過軸と直交するため反射光は遮断される。

以上は、液晶表示パネルの目視側となる対向電極基板の表示面側にλ／４の位相差板を設けた例を説明したが、さらに別の態様として、前記対向電極基板の表示面側に反射光防止手段としてλ／２とλ／４の位相差板を設けてもよい。この構成によれば、λ／２及びλ／４の位相差板と偏光板とによって前述の実施例同様、液晶による複屈折効果を受けずに跳ね返ってきたブラックマトリクスの外光反射を遮断できる。また、λ／２位相差板を用いることによって、幅広い波長域の反射光を偏光板で遮断可能な直線偏光にすることができ、金属層による反射光が偏光板から漏れることを防止できる。

図４に従来例と本実施例との比較を示す。図４（ａ）の如く従来例である偏光板、ガラス及び通常の金属クロムのブラックマトリクスを用いた場合の入射光の反射率を１００％とした場合、同じく従来例である図４（ｂ）の偏光板、ガラス及び低反射率の酸化クロムを用いたブラックマトリクスの場合の反射率は２８％であり、本実施例の図４（ｃ）では偏光板とλ／２及びλ／４の位相差板とガラス、通常の金属クロムからなるブラックマトリクスによる反射率は２５％であった。

このように、λ／４の位相差板を使用することにより、ブラックマトリクスが通常の金属クロムからなる場合でも、外光の反射を遮断して十分なコントラストが得られることが分かる。

本発明の一実施例を示す半透過型液晶表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の他の実施例にかかる反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。 液晶表示装置の部分拡大図による本発明の作用説明図である。 従来例と本発明実施例の反射率を比較した説明図であり、（ａ）は従来例１、（ｂ）は従来例２、（ｃ）は本発明の実施例の反射率を示す図である。 従来の液晶表示装置の構成を示す断面図である。 従来の他の液晶表示装置の構成を示す断面図である。

符号の説明

１、１１ 液晶表示パネル
２、１２ ＴＦＴ基板
３、１３ 対向電極基板
４、１４ 液晶層
５、１５ λ／４の位相差板
６、１６ 上側の偏光板
７ 半透過反射板からなる光反射層
８、１８ 下側の偏光板
９ バックライト
１７ 反射板

Claims (5)

1. 一対の基板の間に液晶層を挟持し、基板を挟んで液晶層とは反対側に偏光板を設けた液晶表示パネルにおいて、表示面側の基板の内面には光を反射する金属層が形成され、表示面側の基板と偏光板との間には前記金属層の反射光が該偏光板から表示面側に射出することを防止する反射光防止手段を配置したことを特徴とする液晶表示装置。
2. 前記反射光防止手段として、表示面側の基板と偏光板との間にλ／４位相差板を配置したことを特徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
3. 前記反射光防止手段として、表示面側の基板と偏光板との間にλ／２位相差板とλ／４位相差板を配置したことを特徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
4. 前記金属層が各画素の周辺に存在することを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれかに記載の液晶表示装置。
5. 前記液晶表示装置は反射型または半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれかに記載の液晶表示装置。

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