JP2005055539A - 写真撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影室内に位置する被撮影者を適切なる拡散光(連続階調のやわらかい)で選択的に照明することにより、観察上、良好なる品質の人物写真を容易に得ることができる写真撮影装置を得ること。
【解決手段】ボックス内に、被撮影者が位置する撮影室と、該撮影室に位置する被撮影者を撮影手段で撮影し、該撮影手段で得た画像を処理し出力する画像処理機器とを収納した機器格納室とを有する写真撮影装置において、
該撮影室の天井には、該被撮影者を照明する為の照明手段が設けられており、該天井に設けた照明手段は、複数の発光部と該複数の発光部からの光束を拡散させる拡散部材と該複数の発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴とする写真撮影装置。
【選択図】 図1
【解決手段】ボックス内に、被撮影者が位置する撮影室と、該撮影室に位置する被撮影者を撮影手段で撮影し、該撮影手段で得た画像を処理し出力する画像処理機器とを収納した機器格納室とを有する写真撮影装置において、
該撮影室の天井には、該被撮影者を照明する為の照明手段が設けられており、該天井に設けた照明手段は、複数の発光部と該複数の発光部からの光束を拡散させる拡散部材と該複数の発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴とする写真撮影装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボックス内の被撮影者を自動撮影するための自立ボックス型の写真撮影装置(証明写真装置)に関し、特に被撮影者の照明条件を適切に設定することにより、観察上良好なる品質の静止画の証明写真が得られるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、身分証明書、会員証、パスポート、運転免許証、学生証用等の証明写真を得る又、プリクラと呼称する簡易な写真を得る自動販売機タイプの写真撮影装置が種々と提案されている(例えば特許文献1〜3)。
【0003】
この種の写真撮影装置は、自立型のボックス(ブース)に被撮影者が占有する空間(撮影室)と、撮影に必要な各種の機器が収納される空間(機器格納室)が仕切板によって形成されている。又、プリクラタイプの場合は、一般的に簡単なビニールシートにより撮影室は仕切られている。
【0004】
ボックス内に配置する撮影に必要な機器としては、例えば被撮影者を照明する照明手段、被撮影者を撮影する為の撮影手段(CCDカメラ、デジタルカメラ)、撮影手段で撮影した画像情報をプリント処理(画像処理)する為のプリント手段、プリント手段でプリントされた証明写真をボックス外部に設けた写真取り出し口に出力する出力手段、そして各種の手段を制御する制御手段(マイコン)等が含まれる。
【0005】
ボックス型とプリクラのような簡易ボックス型に分けると、ボックス型は被撮影者が、ボックスの撮影室内の椅子に座り、入力手段で撮影に関する各種の情報(例えば撮影枚数、写真の大きさ、形状等)を入力する。
【0006】
そして制御手段は、入力手段の入力情報に基づいて被撮影者の主に顔を中心とする正面向き上半身像を撮影し、その結果得られた証明写真を写真取り出し口に出力する。
【特許文献1】
特開2002−281326
【特許文献2】
特開2002−023256
【特許文献3】
特開2001−209116
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のボックス型の写真撮影装置では、被撮影者の正面向き上半身像を撮影しており、このときの被撮影者を照明する照明手段は、光源の種類、数、光束発散状態等の照明条件が予め制御手段で特定されていた。このときの被撮影者を照明する為の照明光の光質やそれらの組み合わせ、そしてライティング方式等の照明条件は良質な証明写真を得る為の条件として、被撮影者に対して十分配慮されていなかった。
【0008】
この為、現在市場に存在するボックス型の自動写真撮影装置の多くで得られる写真は、その写真の人物写真としての品質において写真撮影業者が営業する技術で撮影した写真に比較し、品質が著しく劣っていた。
【0009】
又撮影室内の照明条件は、一定であり被撮影者は自分の好みに合った写真を得ることができなかった。
【0010】
本発明は、撮影室内に位置する被撮影者を被撮影者の好みに合った写真(証明写真、人物写真)が得られるような適切な拡散光(連続階調のやわらかい光)で照明することにより、被撮影者の好みに合った写真を容易に得ることができるボックス型の写真撮影装置の提供を目的とする。又、拡散光の被撮影者への照明バランスを切り替えることにより、異なる照明効果の写真が得られる写真撮影装置の提供を目的とする。
【0011】
この他、本発明は、ポートレートライティング技法を利用することにより、撮影室内に位置する被撮影者を、照度の強弱差が少なく、かつ光強度分布が連続して変化する高拡散度の拡散光、所謂「連続階調の軟らかい光」で照明することにより、明暗のコントラストの低い良好なる品質の証明写真(人物写真)が容易に得られる写真撮影装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の写真撮影装置は、ボックス内に、被撮影者が位置する撮影室と、該撮影室に位置する被撮影者を撮影手段で撮影し、該撮影手段で得た画像を処理し出力する画像処理機器とを収納した機器格納室とを有する写真撮影装置において、
該撮影室の天井には、被撮影者を照明する為の照明手段が設けられており、該天井に設けた照明手段は、複数の発光部と該複数の発光部からの光束を拡散させる拡散部材と該複数の発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において前記複数の発光部は、前記撮影室内の被撮影者の位置を基準としたとき、左右方向又は/及び奥行き方向に非対称に配置していることを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明は、1又は2の発明において前記遮光部分の遮光パターンは、前記撮影室内の被撮影者の位置を基準としたとき、左右方向又は/及び奥行き方向に非対称であることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明は、1、2又は3の発明において前記撮影室内には、前記天井以外に、前記被撮影者を照明する1以上の照明手段が設けられており、こうち少なくとも1つの照明手段は、発光部と該発光部から放射される光束を拡散透過させる拡散部材と、該発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明は、1から4のいずれか1項の発明において前記撮影室内には種々の照明条件で撮影したときに得られる複数の写真データを表示する表示手段と、照明条件を変える為の入力信号を入力する入力手段と、が設けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項の発明において前記入力手段からの入力信号により、前記照明手段の照明条件を変えて、前記撮影室内の照度分布を切り換える制御手段を有していることを特徴としている。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項の発明において前記天井に設けられた照明手段の複数の発光部はストロボであり、該複数のストロボのうち1以上のストロボは、光出射面が前記拡散部材と非対向して配置され、その他の1以上のストロボは光出射面が天井方向に向けられて配置されていることを特徴としている。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項の発明において前記撮影室内の撮影空間の照度分布が非対称となるように設定していることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態1の要部斜視図、
図2は、本発明の実施形態1の要部平面図、
図3〜図7は、図1の一部分の説明図である。
【0021】
図中、1は証明写真や静物写真、品物(物品)等を得る為の写真撮影装置であり、外形が略箱
状(ボックス形状)より成っている。
【0022】
2は仕切板であり、箱状のボックス内3を被撮影者4が位置する空間(撮影室)5とデジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮影手段8や画像処理機器16等を収納する空間(機器格納室)6に分割している。
【0023】
7は仕切板2に設けた撮影用の窓部であり、ハーフミラー7aが設けられており、該窓部7のハーフミラー7aを介して撮影手段(カメラ)8によって被撮影者4の正面上半身を撮影している。又、ハーフミラー7aを介して各種情報が被撮影者4に観察されるようになっている。
【0024】
11〜13は各々照明手段(照明装置)であり、天井部と仕切板2の下方中央部そして空間5の被撮影者4が位置する後方中央部に設けており、被撮影者4を照明している。照明手段11〜13の詳細な構成については後述する。
【0025】
仕切板2又は照明手段12の一部には種々の照明条件で撮影した複数の写真データがサンプルとして表示手段9aに示されている。
【0026】
9は照明手段12の上側の面に設けた撮影操作用の操作部材(入力手段)であり、被撮影者4が表示手段9aに表示した写真データを参照し、目的に合った又は自分の好みに合った写真が得られるデータを入力する。
【0027】
10は料金納入口である。
【0028】
14は椅子であり、被撮影者4が座り、被撮影者4は背当り(不図示)に当接して窓部7を直視するようにしている。26は遮光部であり撮影室5の側面又は背面の一部に設けて被撮影者4を照明する光束が軟らかな光となるようにしている。
【0029】
撮影手段8は、単一焦点距離レンズ又はズームレンズを有し、それによって被撮影者4を撮像素子(CCD)で撮影し、画像信号(画像情報)に変換し、記録媒体(ハードディスク等)に記録している。
【0030】
撮像素子からの画像情報は、画像処理機器16に入力される。
【0031】
画像処理機器16は、公知の各種の処理手段を有し、撮像素子8aからの画像信号(電気信号)を処理している。
【0032】
15は制御手段を含むパソコンで各種の動作を制御している。
【0033】
制御手段は入力手段9からの入力信号に基づいて、照明手段による撮影室5内の照明条件を切り換えている。
【0034】
16はファンでなり、機器格納室6内の空気を換気している。
【0035】
画像処理としては
例えば、カラー写真のときには、
撮影手段8で得られた画像情報を色の3原色であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)に変換し、この変換された色データに基づいてカラー画像情報を形成している。
【0036】
そしてプリント手段によってカラー画像情報をプリントして写真取り出し口17に出力している。
【0037】
本実施形態では、被撮影者4を照明する為に撮影室5内に3つの照明手段11〜13を用いるが2つ以上いくつあっても良い。
【0038】
照明手段11〜13からの拡散光を撮影室5内の壁面と天井に入射させ、壁面及び天井が新たな面光源となって面光源からの拡散光で被撮影者4を照明するようにしている。
【0039】
照明手段11〜13からの光束で被撮影者4を左右非対称で連続階調の軟らかい光束で照明している。尚、入力手段9からの入力信号に基づいて左右対称となるように照明しても良い。
【0040】
本実施形態における照明光はコンピュータ(不図示)によるシュミレーションや実験等によって被撮影者4が位置する後述する撮影空間内の領域でハイライト(光の強い領域)からシャドー(光の弱い領域)までの階調(トーン)が絞り値で10分の1から2分の1以内となるようにしている。即ち、露光差で最大でも2分の1以下となるようにしている。
【0041】
このような、照明光で撮影された被写体(被撮影者)の画像情報は、画像処理機器16内の写真処理工程(画像処理工程)において、トーンカーブ、濃度、カラーバランスを調整し、シャープネス調整(鮮鋭度調整)を行いプリントし、出力している。
【0042】
次に本実施形態で用いている照明手段11〜13について説明する。
【0043】
便宜上図1〜図3に示すように、撮影室5内の各方向を被撮影者4の位置を中心として、左右方向(X方向)、(W)、奥行き方向(Y方向)、(L)、高さ方向(Z方向)、(H)と呼ぶ。
【0044】
図5(A)、(B)は、図1の天井に設けた照明手段11の説明図である。
【0045】
照明手段11は、図5(B)に示すように左右方向に配置した5本の蛍光灯L1〜L5と奥行き方向で撮影室5の後方に配置した1本の蛍光灯L6とを有している。
【0046】
蛍光灯L1〜L6と被撮影者4との間は拡散板(乳白色グラスファイバーディフューザー)24で仕切っている。
【0047】
又拡散板24の一部には蛍光灯からの光束が被撮影者4に直接入射するのを少なくする為の遮光部材25を一体的に又は独立に設けている。
【0048】
照明手段11を構成する6本の蛍光灯L1〜L6のうち蛍光灯L5は撮影室5の入口近倍に配置され、蛍光灯L1〜L4は略等間隔で蛍光灯L5から離して配置している。
【0049】
尚、本実施形態において蛍光灯の数は2以上いくつあっても良い。蛍光灯L1〜L5の光出射面(拡散面又は非拡散面より成る)に遮光部11aを奥行き方向(L方向)が非対称となるように部分的に設けている。
【0050】
蛍光灯L1〜L5に設けている遮光部11aのパターンと蛍光灯に設ける位置は全て同一となっているが各蛍光灯で異なるようにしても良い。
【0051】
蛍光灯L6にも光出射面に、遮光部11bを左右方向(W方向)が非対称となるように部分的に設けている。
【0052】
図5(A)に示すように拡散板24の一部に遮光部材25を設け、このとき遮光部材25の光遮光部のパターンが左右方向(W)と奥行き方向(L)での少なくとも一方で非対称となるようにしている。
【0053】
遮光部材のパターンはコンピュータによるシュミレーションや実験によって求めている。
【0054】
これによって蛍光灯L1〜L6から出射し、拡散板24を介し、被撮影者4に直接入射する光が少なくなるようにし、被撮影者4に柔らかい光が照射されるようにしている。尚、遮光部11a、11b、遮光部材25は光を完全に遮光する場合に限らず、例えば透過率で0〜50%(好ましくは0〜70%)の範囲内のものが適用可能である。
【0055】
図6は照明手段12の要部斜視図である。
【0056】
照明手段12は1本の蛍光灯12aを有し(尚2以上あっても良い。)、蛍光灯12aからの光束は光出射面に設けた拡散板12bを介して被撮影者4の下方部分を照射している。
【0057】
照明手段12は、撮影室5の前方下方に設けている。照明手段12からの拡散板12bを介した光束は、撮影室5の壁面で拡散反射して被撮影者4の上半身を間接的に照明するようにしている。拡散板12bには、遮光部を設けていないが、必要に応じて拡散板12bからの光束の照射強度が非対称となるように遮光部を設けても良い。
【0058】
尚、入力手段9は照明手段12の一部に設けているが、仕切板2の一部に設けても良い。
【0059】
図7は照明手段13の要部斜視図である。
【0060】
照明手段13は1本の蛍光灯13aを有し(尚2以上あっても良い。)、上方の光出射面13bには拡散板13Cと遮光部13dを設けている。被撮影者4の後方に設ける照明手段13は、被撮影者4に直接光束が照射されないように光出射面13bが上方(天井)に向いている。上方へ出射する光束は、拡散板13Cを介して出射させている。更に撮影空間内における左右方向の照度分布が左右非対称となるように左右方向の光束が出射できる開口部が左右非対称となるように遮光部13dを設けている
。
【0061】
本実施形態では、撮影室5内の撮影空間を図2〜図4に示すように高さ方向をH、幅方向をW、奥行き方向をLとしたとき、
高さ方向は0.3H〜0.8H
幅方向(左右方向)は0.2W〜0.8W
奥行き方向は0.4L〜0.9L
の空間としている。そしてこの空間を撮影空間5aとし、その内の照度分布が絞り値で表示するとき、2分の1〜10分の1の絞り値(1絞りが強度で2分の1又は2倍に相当)の範囲内となるように照明手段11〜13と、それらの位置、光束の出射、配光特性、拡散特性等を前述の如く設定している。
【0062】
更に幅方向(W方向)において、左右対称又は左右非対称の照度分布となるように照明手段の数、位置、配光特性、拡散特性等を設定している。
【0063】
撮影室5の壁面は、照明手段からの光束が拡散反射するように白色塗料が施されている。このとき壁面は微小な凹凸部より成る拡散面とし、この拡散面に白色塗料を施しても良い。照明手段11〜13の光出射面に遮光部を設ける代わりに、蛍光灯と光出射面との間又は/及び蛍光灯の管面に設けても良い。入力手段9からの入力信号によって、被撮影者4の照明条件を変化させる場合には蛍光灯と光出射面に設ける遮光部との相対的位置を変化させるように、遮光部を駆動手段で変移可能とする他、照明手段の位置を変えても良い。
【0064】
本実施形態では、照明手段11〜13は、36Wの長尺形状の色温度5000°Kに相当する程度の蛍光灯を用いている。光射出面側に遮蔽物を蛍光灯との相対的位置が不変又は可変となるように装着している。
【0065】
拡散板(ディフューザー)は色温度の影響が少ない材料を用いている。
【0066】
遮蔽物を駆動させる場合には駆動手段を照明手段の一部に設けるのが良い。遮蔽物は光透過部と光不透過部とを任意の間隔で相互に配列して構成しており、蛍光灯に対する位置を変化させることにより蛍光灯から射出される光の強弱を制御して被撮影者に照射し、得られる写真の階調を制御している。
【0067】
尚、本実施形態において遮蔽物の代わりに又は、遮蔽物とともに拡散板を蛍光灯の光出射面側に移動可能に設けても良い。このときの拡散板は、光拡散特性が同一の1種類のものの他に光拡散特性が異なる複数の拡散板を組み合わせ光出射側に配置したものを使用しても良い。
【0068】
照明手段で照明させる光束のホワイトバランスを調整する為に、光源の光出射面側に色温度調整用のフィルターを移動可能又は固定に設けても良い。
【0069】
画像処理機器16内にはマイコンが収納されており、ボックス内の撮影条件、照明条件等に合わせて、照明手段11〜13の配置や照射条件そして画像処理工程を調整している。
【0070】
本実施形態では、被撮影者を左右非対称の照明分布の光束で照明する為に、ボックス内の上方の天井に設ける照明手段11の各蛍光灯は天井に、左右方向(W)、奥行き方向(L)で非対称となるようにしている。
【0071】
又照明手段12、13はボックス内の中央前方下側と中央後方下側に配置している。これらの3つの照明手段11〜13の配置は、撮影者を左右非対称に照明することができる方法であれば、配置条件は任意である、尚照明手段を移動又は回動可能に構成しても良い。3つの照明手段11〜13に用いる蛍光灯は同一又は異なっていても良い。少なくとも1つの照明手段から出射する光束の照明条件が可変となるように構成しても良い。又ボックス内に配置する照明手段を照明手段11のみとしても良い。
【0072】
被撮影者が希望する画質の証明写真が得られるように被撮影者が入力手段9からサンプル写真(種々の照明条件で撮影した複数の写真データ)を参考にして入力しそれに基づいて制御手段が照明手段の照明条件を変えて(例えば、点灯する蛍光灯の選択又は蛍光灯と遮蔽物との相対位置関係を変えて)撮影するようにしている。
【0073】
一般に空間5内の撮影空間内の照明を被撮影者4に対して、照射位置の光強度の強弱差の大きな光、所謂硬い光束で照射すると、得られる人物写真は画質が観察上あまり良くない。
【0074】
そこで本実施形態では前述の如く照明手段の数及び配置そして照明手段から放射される光束の拡散状態を適切に設定することによって左右非対称の連続階調の光束を創出するようにしている。
【0075】
照明手段に用いる光源としては、蛍光灯、白昼擬似灯、タングステン灯、スピードライト(以下「ストロボ」ともいう)等が適用できる。これらのいずれの光源を用いても光源手段からの拡散度を別手段で調整すれば連続階調のやわらかい光、即ちポートレートにおいて「ゴールデンタイム」と言われる朝の日の出又は日の出直後、夕方の日没直前の光を再現することができる。ことのときボックス内の撮影空間内で光源から放射させる光束の拡散状態及び照明手段の配置等をあまり変化させないで良い。
【0076】
本実施形態では、撮影空間5a内で照明手段からの光を、天井の拡散板24や壁面等の拡散面で拡散させこれらの天井や壁面が全体として面光源となるようにし、この拡散反射を撮影空間5a内で多数行い、これらの多数の拡散反射した光で被撮影者を照明するようにしている。本実施形態では、このようなハイエストライトからディープシャドウへ至る階調光を、撮影室5a内で、光源として点光源ではなく、面光源を用いて得ている。
【0077】
尚、一部の蛍光灯の代わりに複数のストロボをボックス内の複数位置に配置し、各ストロボから放射される光束を制御するようにしても良い。光源からの光束を柔らかい光に変換する方法としては光源からの強い光(被写体又は被撮影者に対して光強度の強弱の差が大きい)を拡散板や遮蔽部材等で覆うことにより、該拡散板で光を拡散させ、また直射光ではなく反射光として間接光に変えることにより、拡散度の高い柔らかい光(被写体又は被撮影者に対する光強度の強弱の差が小さい)を創出している。そしてより柔らかい光を創出するにこれを繰り返している。これによって弱く柔らかい光ができたら所謂ゴールデンタイムの光の創出に不要な光を部分的にカットしている。本実施形態では、これにより連続階調の美しいポートレートライトと表現する高い拡散度の光を創出している。
【0078】
本実施形態は、このような照明手段をボックス型の自動写真撮影装置に適用し、良好に観察できる画質を有する人物写真(証明写真)を得ている。
【0079】
本実施形態では、以上のように撮影室内5の狭い限られた空間の中に、ポートレート撮影で所謂「ゴールデンタイム」と呼ばれる日没前の美しい光、自然光の中にある軟らかな光を再現し、その光のバランスを微妙に変化させて、被撮影者がほっそりとみえたり、美白になったり、ふっくらとみえたりする光を、自分で自由に入力手段9からの入力信号で選びながら撮影している。
【0080】
本実施形態では、以上のような構成をとることによって
・ 被撮影者4の顔がきれいに写る。
・ 被撮影者がメガネをかけていてもメガネが光らない。
・ 照明光の人工的なイメージがない。
・ 得られた写真の諧調が美しい。
等の効果を得ている。
【0081】
本実施形態では具体的に被撮影者に対して次の5種類の特徴を有した照明状態で撮影している。
【0082】
【表1】
【0083】
本実施形態では、以上の構成において照明手段11〜13を構成する蛍光灯L1〜L8のうち任意の複数の蛍光灯を表−1に示す如く点灯させて被撮影者4を撮影した。
【0084】
この結果、いずれにおいても良好なる画質の写真が得られた。
【0085】
【表2】
【0086】
尚本実施形態において照明手段11〜13に用いる光源として蛍光灯の代わりにストロボを用いても良い。又一部の照明手段に光源として蛍光灯を用い他の照明手段に光源としてスピードライトを用いても良い。
【0087】
本実施形態において、照明手段に蛍光灯の代わりにストロボを用いるときには、照明状態を良好に維持する為に照明手段11〜13を次のように設置するのが良い。
【0088】
照明手段11では蛍光灯L1〜L6が設置されている複数の位置のうち、2以上の位置に複数のストロボを、一部(1以上)のストロボをその光出射面が拡散板24に向け、他の一部(1以上)のストロボをその光出射面が拡散板24に対し非対向(斜方向や送方向を含む)となるように向けて配置するのが良い。
【0089】
又1以上のストロボを光出射面が天井方向に向けて配置するのが良い。
【0090】
照明手段12ではストロボをその光出射面が拡散板12bに対し非対向となるように配置するのが良い。
【0091】
照明手段13では、ストロボをその光出射面が拡散板13cに対して非対向となるように配置するのが良い。
【0092】
図8(A),(B)は、本実施形態で用いるストロボ11a3の説明図である。
【0093】
本実施形態におけるストロボ11a3は、光源体11a31と、光源体11a31からの光束を拡散させる1つ以上の拡散板(ディフューザー)11a32、11a33と出射光の光強度を調整するNDフィルター11a34とを有している。
【0094】
NDフィルター11a34は光強度が不足するときは設けなくても良い、又、NDフィルター11a34には部分的に遮光部を設けて光出射条件を変えている。照明手段11〜13に設けるストロボは、拡散板やNDフィルター等の数や拡散特性が互いに異なっていても良く、又全て同一の構成であっても良い。
【0095】
図9は、本発明の実施形態2の撮影室の要部斜視図、図10は図9の一部分の説明図である。
【0096】
実施形態2は実施形態1に比べて、照明手段11の光源部にストロボを用いた点が異なっている。本実施形態では複数の照明手段の照明条件を入力手段からの入力信号に基づいて変えている。撮影室5の天井部分には4つのストロボ31a,31b,31c,31dを設けている。照明手段31は、複数のストロボ(図9では4つのストロボ31a,31b,31c,31dを用いているが2つ以上いくつでも良い。)と拡散板(乳白色グラスファイバーディフューザー)24とを有している。本実施形態では照明手段31を4つのストロボより構成し、4つのストロボをその光出射面が天井方向に対し垂直又は所定の角度(天井と光出射面の法線とのなす角度が90°〜45°)を有して配置している。図10は1つのストロボ31cを例にとり、そのストロボ31cがその光出射面が天井方向に向いて垂直となるように配置している場合を示している。
【0097】
被撮影者4を照明する照明手段21からの光束としては、複数のストロボから出射し天井(拡散面となっているか又は塗料が施されている)で反射した後拡散板24を通過した拡散光である。
【0098】
尚、本実施形態においても、実施形態1と同様に天井に設けた拡散板24の一部を図5(A)に示すような遮光部材25でおおい、拡散板24からの拡散光が直接、被撮影者4に照射されないようにして、被撮影者に柔らかい光が照射されるようにして良好なる画質の写真を得ている。
【0099】
本実施形態において複数のストロボのうち、一部のストロボをその光出射面を天井方向に向け、他のストロボをその光出射面を仕切り板(壁)2方向又は仕切り板2とは反対方向に向けて配置しても良い。
【0100】
本実施形態では入力手段からの入力情報に基づいて複数のストロボの発光状態、例えば発光させるストロボの数又は/及び光射出方向等を制御して被撮影者4の照明条件が可変となるようにしている。
【0101】
又、他の照明手段12、13を含めて全体として2つの照明手段11、12又は3つの照明手段11、12、13とを用いて、照明状態を種々と変えて照明しても良い。
【0102】
このとき照明手段12、13に用いる発光部は、蛍光灯又はストロボのどちらでも良い。
【0103】
以上の各実施形態において撮影室5の側面と背面は拡散面もしくは白色系塗料を施した開閉自在の壁部材又は白色系のカーテン又は白色系のビニールシート等から成っている。
【0104】
床は、照明手段からの拡散光が反射して被撮影者4を効率良く照明する為に白色系塗料が施されているか又は拡散面となっている。
【0105】
本実施形態によれば、以上のように高度なポートレートライティング技法を導入し、撮影光源、撮影レンズ、画像記録体の組み合わせを適切に設定することにより撮影室5内に連続階調の光を創出し、良好なる画質の人物写真を得ている。
特に所謂ゴールデンタイムの光質で撮影した写真と同様な写真を得ている。
【0106】
以上の各実施形態においては撮像手段にビデオカメラを用い静止画の代わりに動画を得るようにしても良い。
【0107】
尚以上の各実施形態において被撮影者4の顔の位置する領域に人物以外の物体を置いても良い、これによれば人物写真と同様な良好なる画質の物の写真が得られる。
【0108】
本実施形態によれば、以上のように各要素を設定することにより、次のような効果が得られる。
・照明光の照射状態及び照明光の色温度の管理(連続階調の光の照射及び色温度の管理と輝線スペクトルの蛍光灯 の照明条件)を良好に行うことができる。
・連続階調の柔らかい光を容易に創出することができ、より柔らかい光で照明条件をコントロールすることができる。
・被撮影者を左右非対称の所謂ゴールデンタイムの光で照明することができる。
【0109】
拡散光のコントロール技術により、撮影室5内の拡散光のバランスを、光源の切り替えにより、簡単に変化させることができる。この方法で、調整した照明条件を被撮影者4が入力手段9より自由に選ぶことができる。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、撮影室5内に位置する被撮影者を被撮影者の好みに合った写真(証明写真、人物写真)が得られる写真撮影装置を作成することができる。
【0111】
この他本発明によれば、ポートレートライティング技法を利用することにより、撮影室内に位置する被撮影者を、照度の強弱差が少なく、かつ光強度分布が連続して変化する拡散光、所謂「連続階調のやわらかい光」で照明することにより、良好なる品質の証明写真(人物写真)が容易に得られる写真撮影装置を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部斜視図
【図2】図1の一部分の説明図
【図3】図1の一部分の説明図
【図4】図1の一部分の説明図
【図5】図1の照明手段の説明図
【図6】図1の照明手段の説明図
【図7】図1の照明手段の説明図
【図8】図1の照明手段としてストロボを用いるときのストロボの説明
【図9】本発明の実施形態2の要部斜視図
【図10】図9の一部分の説明図
【符号の説明】
1 写真撮影装置
2 仕切板
3 ボックス
4 被撮影者
5 撮影室
6 機器格納室
7 窓部
8 撮像手段
9 入力手段
10 料金納入口
11 照明手段
12 照明手段
13 照明手段
14 椅子
15 パソコン
16 ファン
17 受け取り口
31 照明手段
31a〜31d ストロボ
9a 表示手段
L1〜L6 蛍光灯
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボックス内の被撮影者を自動撮影するための自立ボックス型の写真撮影装置(証明写真装置)に関し、特に被撮影者の照明条件を適切に設定することにより、観察上良好なる品質の静止画の証明写真が得られるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、身分証明書、会員証、パスポート、運転免許証、学生証用等の証明写真を得る又、プリクラと呼称する簡易な写真を得る自動販売機タイプの写真撮影装置が種々と提案されている(例えば特許文献1〜3)。
【0003】
この種の写真撮影装置は、自立型のボックス(ブース)に被撮影者が占有する空間(撮影室)と、撮影に必要な各種の機器が収納される空間(機器格納室)が仕切板によって形成されている。又、プリクラタイプの場合は、一般的に簡単なビニールシートにより撮影室は仕切られている。
【0004】
ボックス内に配置する撮影に必要な機器としては、例えば被撮影者を照明する照明手段、被撮影者を撮影する為の撮影手段(CCDカメラ、デジタルカメラ)、撮影手段で撮影した画像情報をプリント処理(画像処理)する為のプリント手段、プリント手段でプリントされた証明写真をボックス外部に設けた写真取り出し口に出力する出力手段、そして各種の手段を制御する制御手段(マイコン)等が含まれる。
【0005】
ボックス型とプリクラのような簡易ボックス型に分けると、ボックス型は被撮影者が、ボックスの撮影室内の椅子に座り、入力手段で撮影に関する各種の情報(例えば撮影枚数、写真の大きさ、形状等)を入力する。
【0006】
そして制御手段は、入力手段の入力情報に基づいて被撮影者の主に顔を中心とする正面向き上半身像を撮影し、その結果得られた証明写真を写真取り出し口に出力する。
【特許文献1】
特開2002−281326
【特許文献2】
特開2002−023256
【特許文献3】
特開2001−209116
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のボックス型の写真撮影装置では、被撮影者の正面向き上半身像を撮影しており、このときの被撮影者を照明する照明手段は、光源の種類、数、光束発散状態等の照明条件が予め制御手段で特定されていた。このときの被撮影者を照明する為の照明光の光質やそれらの組み合わせ、そしてライティング方式等の照明条件は良質な証明写真を得る為の条件として、被撮影者に対して十分配慮されていなかった。
【0008】
この為、現在市場に存在するボックス型の自動写真撮影装置の多くで得られる写真は、その写真の人物写真としての品質において写真撮影業者が営業する技術で撮影した写真に比較し、品質が著しく劣っていた。
【0009】
又撮影室内の照明条件は、一定であり被撮影者は自分の好みに合った写真を得ることができなかった。
【0010】
本発明は、撮影室内に位置する被撮影者を被撮影者の好みに合った写真(証明写真、人物写真)が得られるような適切な拡散光(連続階調のやわらかい光)で照明することにより、被撮影者の好みに合った写真を容易に得ることができるボックス型の写真撮影装置の提供を目的とする。又、拡散光の被撮影者への照明バランスを切り替えることにより、異なる照明効果の写真が得られる写真撮影装置の提供を目的とする。
【0011】
この他、本発明は、ポートレートライティング技法を利用することにより、撮影室内に位置する被撮影者を、照度の強弱差が少なく、かつ光強度分布が連続して変化する高拡散度の拡散光、所謂「連続階調の軟らかい光」で照明することにより、明暗のコントラストの低い良好なる品質の証明写真(人物写真)が容易に得られる写真撮影装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の写真撮影装置は、ボックス内に、被撮影者が位置する撮影室と、該撮影室に位置する被撮影者を撮影手段で撮影し、該撮影手段で得た画像を処理し出力する画像処理機器とを収納した機器格納室とを有する写真撮影装置において、
該撮影室の天井には、被撮影者を照明する為の照明手段が設けられており、該天井に設けた照明手段は、複数の発光部と該複数の発光部からの光束を拡散させる拡散部材と該複数の発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において前記複数の発光部は、前記撮影室内の被撮影者の位置を基準としたとき、左右方向又は/及び奥行き方向に非対称に配置していることを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明は、1又は2の発明において前記遮光部分の遮光パターンは、前記撮影室内の被撮影者の位置を基準としたとき、左右方向又は/及び奥行き方向に非対称であることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明は、1、2又は3の発明において前記撮影室内には、前記天井以外に、前記被撮影者を照明する1以上の照明手段が設けられており、こうち少なくとも1つの照明手段は、発光部と該発光部から放射される光束を拡散透過させる拡散部材と、該発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明は、1から4のいずれか1項の発明において前記撮影室内には種々の照明条件で撮影したときに得られる複数の写真データを表示する表示手段と、照明条件を変える為の入力信号を入力する入力手段と、が設けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項の発明において前記入力手段からの入力信号により、前記照明手段の照明条件を変えて、前記撮影室内の照度分布を切り換える制御手段を有していることを特徴としている。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか1項の発明において前記天井に設けられた照明手段の複数の発光部はストロボであり、該複数のストロボのうち1以上のストロボは、光出射面が前記拡散部材と非対向して配置され、その他の1以上のストロボは光出射面が天井方向に向けられて配置されていることを特徴としている。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項の発明において前記撮影室内の撮影空間の照度分布が非対称となるように設定していることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態1の要部斜視図、
図2は、本発明の実施形態1の要部平面図、
図3〜図7は、図1の一部分の説明図である。
【0021】
図中、1は証明写真や静物写真、品物(物品)等を得る為の写真撮影装置であり、外形が略箱
状(ボックス形状)より成っている。
【0022】
2は仕切板であり、箱状のボックス内3を被撮影者4が位置する空間(撮影室)5とデジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮影手段8や画像処理機器16等を収納する空間(機器格納室)6に分割している。
【0023】
7は仕切板2に設けた撮影用の窓部であり、ハーフミラー7aが設けられており、該窓部7のハーフミラー7aを介して撮影手段(カメラ)8によって被撮影者4の正面上半身を撮影している。又、ハーフミラー7aを介して各種情報が被撮影者4に観察されるようになっている。
【0024】
11〜13は各々照明手段(照明装置)であり、天井部と仕切板2の下方中央部そして空間5の被撮影者4が位置する後方中央部に設けており、被撮影者4を照明している。照明手段11〜13の詳細な構成については後述する。
【0025】
仕切板2又は照明手段12の一部には種々の照明条件で撮影した複数の写真データがサンプルとして表示手段9aに示されている。
【0026】
9は照明手段12の上側の面に設けた撮影操作用の操作部材(入力手段)であり、被撮影者4が表示手段9aに表示した写真データを参照し、目的に合った又は自分の好みに合った写真が得られるデータを入力する。
【0027】
10は料金納入口である。
【0028】
14は椅子であり、被撮影者4が座り、被撮影者4は背当り(不図示)に当接して窓部7を直視するようにしている。26は遮光部であり撮影室5の側面又は背面の一部に設けて被撮影者4を照明する光束が軟らかな光となるようにしている。
【0029】
撮影手段8は、単一焦点距離レンズ又はズームレンズを有し、それによって被撮影者4を撮像素子(CCD)で撮影し、画像信号(画像情報)に変換し、記録媒体(ハードディスク等)に記録している。
【0030】
撮像素子からの画像情報は、画像処理機器16に入力される。
【0031】
画像処理機器16は、公知の各種の処理手段を有し、撮像素子8aからの画像信号(電気信号)を処理している。
【0032】
15は制御手段を含むパソコンで各種の動作を制御している。
【0033】
制御手段は入力手段9からの入力信号に基づいて、照明手段による撮影室5内の照明条件を切り換えている。
【0034】
16はファンでなり、機器格納室6内の空気を換気している。
【0035】
画像処理としては
例えば、カラー写真のときには、
撮影手段8で得られた画像情報を色の3原色であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)に変換し、この変換された色データに基づいてカラー画像情報を形成している。
【0036】
そしてプリント手段によってカラー画像情報をプリントして写真取り出し口17に出力している。
【0037】
本実施形態では、被撮影者4を照明する為に撮影室5内に3つの照明手段11〜13を用いるが2つ以上いくつあっても良い。
【0038】
照明手段11〜13からの拡散光を撮影室5内の壁面と天井に入射させ、壁面及び天井が新たな面光源となって面光源からの拡散光で被撮影者4を照明するようにしている。
【0039】
照明手段11〜13からの光束で被撮影者4を左右非対称で連続階調の軟らかい光束で照明している。尚、入力手段9からの入力信号に基づいて左右対称となるように照明しても良い。
【0040】
本実施形態における照明光はコンピュータ(不図示)によるシュミレーションや実験等によって被撮影者4が位置する後述する撮影空間内の領域でハイライト(光の強い領域)からシャドー(光の弱い領域)までの階調(トーン)が絞り値で10分の1から2分の1以内となるようにしている。即ち、露光差で最大でも2分の1以下となるようにしている。
【0041】
このような、照明光で撮影された被写体(被撮影者)の画像情報は、画像処理機器16内の写真処理工程(画像処理工程)において、トーンカーブ、濃度、カラーバランスを調整し、シャープネス調整(鮮鋭度調整)を行いプリントし、出力している。
【0042】
次に本実施形態で用いている照明手段11〜13について説明する。
【0043】
便宜上図1〜図3に示すように、撮影室5内の各方向を被撮影者4の位置を中心として、左右方向(X方向)、(W)、奥行き方向(Y方向)、(L)、高さ方向(Z方向)、(H)と呼ぶ。
【0044】
図5(A)、(B)は、図1の天井に設けた照明手段11の説明図である。
【0045】
照明手段11は、図5(B)に示すように左右方向に配置した5本の蛍光灯L1〜L5と奥行き方向で撮影室5の後方に配置した1本の蛍光灯L6とを有している。
【0046】
蛍光灯L1〜L6と被撮影者4との間は拡散板(乳白色グラスファイバーディフューザー)24で仕切っている。
【0047】
又拡散板24の一部には蛍光灯からの光束が被撮影者4に直接入射するのを少なくする為の遮光部材25を一体的に又は独立に設けている。
【0048】
照明手段11を構成する6本の蛍光灯L1〜L6のうち蛍光灯L5は撮影室5の入口近倍に配置され、蛍光灯L1〜L4は略等間隔で蛍光灯L5から離して配置している。
【0049】
尚、本実施形態において蛍光灯の数は2以上いくつあっても良い。蛍光灯L1〜L5の光出射面(拡散面又は非拡散面より成る)に遮光部11aを奥行き方向(L方向)が非対称となるように部分的に設けている。
【0050】
蛍光灯L1〜L5に設けている遮光部11aのパターンと蛍光灯に設ける位置は全て同一となっているが各蛍光灯で異なるようにしても良い。
【0051】
蛍光灯L6にも光出射面に、遮光部11bを左右方向(W方向)が非対称となるように部分的に設けている。
【0052】
図5(A)に示すように拡散板24の一部に遮光部材25を設け、このとき遮光部材25の光遮光部のパターンが左右方向(W)と奥行き方向(L)での少なくとも一方で非対称となるようにしている。
【0053】
遮光部材のパターンはコンピュータによるシュミレーションや実験によって求めている。
【0054】
これによって蛍光灯L1〜L6から出射し、拡散板24を介し、被撮影者4に直接入射する光が少なくなるようにし、被撮影者4に柔らかい光が照射されるようにしている。尚、遮光部11a、11b、遮光部材25は光を完全に遮光する場合に限らず、例えば透過率で0〜50%(好ましくは0〜70%)の範囲内のものが適用可能である。
【0055】
図6は照明手段12の要部斜視図である。
【0056】
照明手段12は1本の蛍光灯12aを有し(尚2以上あっても良い。)、蛍光灯12aからの光束は光出射面に設けた拡散板12bを介して被撮影者4の下方部分を照射している。
【0057】
照明手段12は、撮影室5の前方下方に設けている。照明手段12からの拡散板12bを介した光束は、撮影室5の壁面で拡散反射して被撮影者4の上半身を間接的に照明するようにしている。拡散板12bには、遮光部を設けていないが、必要に応じて拡散板12bからの光束の照射強度が非対称となるように遮光部を設けても良い。
【0058】
尚、入力手段9は照明手段12の一部に設けているが、仕切板2の一部に設けても良い。
【0059】
図7は照明手段13の要部斜視図である。
【0060】
照明手段13は1本の蛍光灯13aを有し(尚2以上あっても良い。)、上方の光出射面13bには拡散板13Cと遮光部13dを設けている。被撮影者4の後方に設ける照明手段13は、被撮影者4に直接光束が照射されないように光出射面13bが上方(天井)に向いている。上方へ出射する光束は、拡散板13Cを介して出射させている。更に撮影空間内における左右方向の照度分布が左右非対称となるように左右方向の光束が出射できる開口部が左右非対称となるように遮光部13dを設けている
。
【0061】
本実施形態では、撮影室5内の撮影空間を図2〜図4に示すように高さ方向をH、幅方向をW、奥行き方向をLとしたとき、
高さ方向は0.3H〜0.8H
幅方向(左右方向)は0.2W〜0.8W
奥行き方向は0.4L〜0.9L
の空間としている。そしてこの空間を撮影空間5aとし、その内の照度分布が絞り値で表示するとき、2分の1〜10分の1の絞り値(1絞りが強度で2分の1又は2倍に相当)の範囲内となるように照明手段11〜13と、それらの位置、光束の出射、配光特性、拡散特性等を前述の如く設定している。
【0062】
更に幅方向(W方向)において、左右対称又は左右非対称の照度分布となるように照明手段の数、位置、配光特性、拡散特性等を設定している。
【0063】
撮影室5の壁面は、照明手段からの光束が拡散反射するように白色塗料が施されている。このとき壁面は微小な凹凸部より成る拡散面とし、この拡散面に白色塗料を施しても良い。照明手段11〜13の光出射面に遮光部を設ける代わりに、蛍光灯と光出射面との間又は/及び蛍光灯の管面に設けても良い。入力手段9からの入力信号によって、被撮影者4の照明条件を変化させる場合には蛍光灯と光出射面に設ける遮光部との相対的位置を変化させるように、遮光部を駆動手段で変移可能とする他、照明手段の位置を変えても良い。
【0064】
本実施形態では、照明手段11〜13は、36Wの長尺形状の色温度5000°Kに相当する程度の蛍光灯を用いている。光射出面側に遮蔽物を蛍光灯との相対的位置が不変又は可変となるように装着している。
【0065】
拡散板(ディフューザー)は色温度の影響が少ない材料を用いている。
【0066】
遮蔽物を駆動させる場合には駆動手段を照明手段の一部に設けるのが良い。遮蔽物は光透過部と光不透過部とを任意の間隔で相互に配列して構成しており、蛍光灯に対する位置を変化させることにより蛍光灯から射出される光の強弱を制御して被撮影者に照射し、得られる写真の階調を制御している。
【0067】
尚、本実施形態において遮蔽物の代わりに又は、遮蔽物とともに拡散板を蛍光灯の光出射面側に移動可能に設けても良い。このときの拡散板は、光拡散特性が同一の1種類のものの他に光拡散特性が異なる複数の拡散板を組み合わせ光出射側に配置したものを使用しても良い。
【0068】
照明手段で照明させる光束のホワイトバランスを調整する為に、光源の光出射面側に色温度調整用のフィルターを移動可能又は固定に設けても良い。
【0069】
画像処理機器16内にはマイコンが収納されており、ボックス内の撮影条件、照明条件等に合わせて、照明手段11〜13の配置や照射条件そして画像処理工程を調整している。
【0070】
本実施形態では、被撮影者を左右非対称の照明分布の光束で照明する為に、ボックス内の上方の天井に設ける照明手段11の各蛍光灯は天井に、左右方向(W)、奥行き方向(L)で非対称となるようにしている。
【0071】
又照明手段12、13はボックス内の中央前方下側と中央後方下側に配置している。これらの3つの照明手段11〜13の配置は、撮影者を左右非対称に照明することができる方法であれば、配置条件は任意である、尚照明手段を移動又は回動可能に構成しても良い。3つの照明手段11〜13に用いる蛍光灯は同一又は異なっていても良い。少なくとも1つの照明手段から出射する光束の照明条件が可変となるように構成しても良い。又ボックス内に配置する照明手段を照明手段11のみとしても良い。
【0072】
被撮影者が希望する画質の証明写真が得られるように被撮影者が入力手段9からサンプル写真(種々の照明条件で撮影した複数の写真データ)を参考にして入力しそれに基づいて制御手段が照明手段の照明条件を変えて(例えば、点灯する蛍光灯の選択又は蛍光灯と遮蔽物との相対位置関係を変えて)撮影するようにしている。
【0073】
一般に空間5内の撮影空間内の照明を被撮影者4に対して、照射位置の光強度の強弱差の大きな光、所謂硬い光束で照射すると、得られる人物写真は画質が観察上あまり良くない。
【0074】
そこで本実施形態では前述の如く照明手段の数及び配置そして照明手段から放射される光束の拡散状態を適切に設定することによって左右非対称の連続階調の光束を創出するようにしている。
【0075】
照明手段に用いる光源としては、蛍光灯、白昼擬似灯、タングステン灯、スピードライト(以下「ストロボ」ともいう)等が適用できる。これらのいずれの光源を用いても光源手段からの拡散度を別手段で調整すれば連続階調のやわらかい光、即ちポートレートにおいて「ゴールデンタイム」と言われる朝の日の出又は日の出直後、夕方の日没直前の光を再現することができる。ことのときボックス内の撮影空間内で光源から放射させる光束の拡散状態及び照明手段の配置等をあまり変化させないで良い。
【0076】
本実施形態では、撮影空間5a内で照明手段からの光を、天井の拡散板24や壁面等の拡散面で拡散させこれらの天井や壁面が全体として面光源となるようにし、この拡散反射を撮影空間5a内で多数行い、これらの多数の拡散反射した光で被撮影者を照明するようにしている。本実施形態では、このようなハイエストライトからディープシャドウへ至る階調光を、撮影室5a内で、光源として点光源ではなく、面光源を用いて得ている。
【0077】
尚、一部の蛍光灯の代わりに複数のストロボをボックス内の複数位置に配置し、各ストロボから放射される光束を制御するようにしても良い。光源からの光束を柔らかい光に変換する方法としては光源からの強い光(被写体又は被撮影者に対して光強度の強弱の差が大きい)を拡散板や遮蔽部材等で覆うことにより、該拡散板で光を拡散させ、また直射光ではなく反射光として間接光に変えることにより、拡散度の高い柔らかい光(被写体又は被撮影者に対する光強度の強弱の差が小さい)を創出している。そしてより柔らかい光を創出するにこれを繰り返している。これによって弱く柔らかい光ができたら所謂ゴールデンタイムの光の創出に不要な光を部分的にカットしている。本実施形態では、これにより連続階調の美しいポートレートライトと表現する高い拡散度の光を創出している。
【0078】
本実施形態は、このような照明手段をボックス型の自動写真撮影装置に適用し、良好に観察できる画質を有する人物写真(証明写真)を得ている。
【0079】
本実施形態では、以上のように撮影室内5の狭い限られた空間の中に、ポートレート撮影で所謂「ゴールデンタイム」と呼ばれる日没前の美しい光、自然光の中にある軟らかな光を再現し、その光のバランスを微妙に変化させて、被撮影者がほっそりとみえたり、美白になったり、ふっくらとみえたりする光を、自分で自由に入力手段9からの入力信号で選びながら撮影している。
【0080】
本実施形態では、以上のような構成をとることによって
・ 被撮影者4の顔がきれいに写る。
・ 被撮影者がメガネをかけていてもメガネが光らない。
・ 照明光の人工的なイメージがない。
・ 得られた写真の諧調が美しい。
等の効果を得ている。
【0081】
本実施形態では具体的に被撮影者に対して次の5種類の特徴を有した照明状態で撮影している。
【0082】
【表1】
【0083】
本実施形態では、以上の構成において照明手段11〜13を構成する蛍光灯L1〜L8のうち任意の複数の蛍光灯を表−1に示す如く点灯させて被撮影者4を撮影した。
【0084】
この結果、いずれにおいても良好なる画質の写真が得られた。
【0085】
【表2】
【0086】
尚本実施形態において照明手段11〜13に用いる光源として蛍光灯の代わりにストロボを用いても良い。又一部の照明手段に光源として蛍光灯を用い他の照明手段に光源としてスピードライトを用いても良い。
【0087】
本実施形態において、照明手段に蛍光灯の代わりにストロボを用いるときには、照明状態を良好に維持する為に照明手段11〜13を次のように設置するのが良い。
【0088】
照明手段11では蛍光灯L1〜L6が設置されている複数の位置のうち、2以上の位置に複数のストロボを、一部(1以上)のストロボをその光出射面が拡散板24に向け、他の一部(1以上)のストロボをその光出射面が拡散板24に対し非対向(斜方向や送方向を含む)となるように向けて配置するのが良い。
【0089】
又1以上のストロボを光出射面が天井方向に向けて配置するのが良い。
【0090】
照明手段12ではストロボをその光出射面が拡散板12bに対し非対向となるように配置するのが良い。
【0091】
照明手段13では、ストロボをその光出射面が拡散板13cに対して非対向となるように配置するのが良い。
【0092】
図8(A),(B)は、本実施形態で用いるストロボ11a3の説明図である。
【0093】
本実施形態におけるストロボ11a3は、光源体11a31と、光源体11a31からの光束を拡散させる1つ以上の拡散板(ディフューザー)11a32、11a33と出射光の光強度を調整するNDフィルター11a34とを有している。
【0094】
NDフィルター11a34は光強度が不足するときは設けなくても良い、又、NDフィルター11a34には部分的に遮光部を設けて光出射条件を変えている。照明手段11〜13に設けるストロボは、拡散板やNDフィルター等の数や拡散特性が互いに異なっていても良く、又全て同一の構成であっても良い。
【0095】
図9は、本発明の実施形態2の撮影室の要部斜視図、図10は図9の一部分の説明図である。
【0096】
実施形態2は実施形態1に比べて、照明手段11の光源部にストロボを用いた点が異なっている。本実施形態では複数の照明手段の照明条件を入力手段からの入力信号に基づいて変えている。撮影室5の天井部分には4つのストロボ31a,31b,31c,31dを設けている。照明手段31は、複数のストロボ(図9では4つのストロボ31a,31b,31c,31dを用いているが2つ以上いくつでも良い。)と拡散板(乳白色グラスファイバーディフューザー)24とを有している。本実施形態では照明手段31を4つのストロボより構成し、4つのストロボをその光出射面が天井方向に対し垂直又は所定の角度(天井と光出射面の法線とのなす角度が90°〜45°)を有して配置している。図10は1つのストロボ31cを例にとり、そのストロボ31cがその光出射面が天井方向に向いて垂直となるように配置している場合を示している。
【0097】
被撮影者4を照明する照明手段21からの光束としては、複数のストロボから出射し天井(拡散面となっているか又は塗料が施されている)で反射した後拡散板24を通過した拡散光である。
【0098】
尚、本実施形態においても、実施形態1と同様に天井に設けた拡散板24の一部を図5(A)に示すような遮光部材25でおおい、拡散板24からの拡散光が直接、被撮影者4に照射されないようにして、被撮影者に柔らかい光が照射されるようにして良好なる画質の写真を得ている。
【0099】
本実施形態において複数のストロボのうち、一部のストロボをその光出射面を天井方向に向け、他のストロボをその光出射面を仕切り板(壁)2方向又は仕切り板2とは反対方向に向けて配置しても良い。
【0100】
本実施形態では入力手段からの入力情報に基づいて複数のストロボの発光状態、例えば発光させるストロボの数又は/及び光射出方向等を制御して被撮影者4の照明条件が可変となるようにしている。
【0101】
又、他の照明手段12、13を含めて全体として2つの照明手段11、12又は3つの照明手段11、12、13とを用いて、照明状態を種々と変えて照明しても良い。
【0102】
このとき照明手段12、13に用いる発光部は、蛍光灯又はストロボのどちらでも良い。
【0103】
以上の各実施形態において撮影室5の側面と背面は拡散面もしくは白色系塗料を施した開閉自在の壁部材又は白色系のカーテン又は白色系のビニールシート等から成っている。
【0104】
床は、照明手段からの拡散光が反射して被撮影者4を効率良く照明する為に白色系塗料が施されているか又は拡散面となっている。
【0105】
本実施形態によれば、以上のように高度なポートレートライティング技法を導入し、撮影光源、撮影レンズ、画像記録体の組み合わせを適切に設定することにより撮影室5内に連続階調の光を創出し、良好なる画質の人物写真を得ている。
特に所謂ゴールデンタイムの光質で撮影した写真と同様な写真を得ている。
【0106】
以上の各実施形態においては撮像手段にビデオカメラを用い静止画の代わりに動画を得るようにしても良い。
【0107】
尚以上の各実施形態において被撮影者4の顔の位置する領域に人物以外の物体を置いても良い、これによれば人物写真と同様な良好なる画質の物の写真が得られる。
【0108】
本実施形態によれば、以上のように各要素を設定することにより、次のような効果が得られる。
・照明光の照射状態及び照明光の色温度の管理(連続階調の光の照射及び色温度の管理と輝線スペクトルの蛍光灯 の照明条件)を良好に行うことができる。
・連続階調の柔らかい光を容易に創出することができ、より柔らかい光で照明条件をコントロールすることができる。
・被撮影者を左右非対称の所謂ゴールデンタイムの光で照明することができる。
【0109】
拡散光のコントロール技術により、撮影室5内の拡散光のバランスを、光源の切り替えにより、簡単に変化させることができる。この方法で、調整した照明条件を被撮影者4が入力手段9より自由に選ぶことができる。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、撮影室5内に位置する被撮影者を被撮影者の好みに合った写真(証明写真、人物写真)が得られる写真撮影装置を作成することができる。
【0111】
この他本発明によれば、ポートレートライティング技法を利用することにより、撮影室内に位置する被撮影者を、照度の強弱差が少なく、かつ光強度分布が連続して変化する拡散光、所謂「連続階調のやわらかい光」で照明することにより、良好なる品質の証明写真(人物写真)が容易に得られる写真撮影装置を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部斜視図
【図2】図1の一部分の説明図
【図3】図1の一部分の説明図
【図4】図1の一部分の説明図
【図5】図1の照明手段の説明図
【図6】図1の照明手段の説明図
【図7】図1の照明手段の説明図
【図8】図1の照明手段としてストロボを用いるときのストロボの説明
【図9】本発明の実施形態2の要部斜視図
【図10】図9の一部分の説明図
【符号の説明】
1 写真撮影装置
2 仕切板
3 ボックス
4 被撮影者
5 撮影室
6 機器格納室
7 窓部
8 撮像手段
9 入力手段
10 料金納入口
11 照明手段
12 照明手段
13 照明手段
14 椅子
15 パソコン
16 ファン
17 受け取り口
31 照明手段
31a〜31d ストロボ
9a 表示手段
L1〜L6 蛍光灯
Claims (8)
- ボックス内に、被撮影者が位置する撮影室と、該撮影室に位置する被撮影者を撮影手段で撮影し、該撮影手段で得た画像を処理し出力する画像処理機器とを収納した機器格納室とを有する写真撮影装置において、
該撮影室の天井には、被撮影者を照明する為の照明手段が設けられており、該天井に設けた照明手段は、複数の発光部と該複数の発光部からの光束を拡散させる拡散部材と該複数の発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴とする写真撮影装置。 - 前記複数の発光部は、前記撮影室内の被撮影者の位置を基準としたとき、左右方向又は/及び奥行き方向に非対称に配置していることを特徴とする請求項1の写真撮影装置。
- 前記遮光部分の遮光パターンは、前記撮影室内の被撮影者の位置を基準としたとき、左右方向又は/及び奥行き方向に非対称であることを特徴とする請求項1又は2の写真撮影装置。
- 前記撮影室内には、前記天井以外に、前記被撮影者を照明する1以上の照明手段が設けられており、こうち少なくとも1つの照明手段は、発光部と該発光部から放射される光束を拡散透過させる拡散部材と、該発光部からの光束の一部を遮光する遮光部材とを有していることを特徴とする請求項1、2又は3の写真撮影装置。
- 前記撮影室内には種々の照明条件で撮影したときに得られる複数の写真データを表示する表示手段と、照明条件を変える為の入力信号を入力する入力手段と、が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の写真撮影装置。
- 前記入力手段からの入力信号により、前記照明手段の照明条件を変えて、前記撮影室内の照度分布を切り換える制御手段を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の写真撮影装置。
- 前記天井に設けられた照明手段の複数の発光部はストロボであり、該複数のストロボのうち1以上のストロボは、光出射面が前記拡散部材と非対向して配置され、その他の1以上のストロボは光出射面が天井方向に向けられて配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項の写真撮影装置。
- 前記撮影室内の撮影空間の照度分布が非対称となるように設定していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項の写真撮影装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007212726A (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-23 | Furyu Kk | 写真撮影編集方法およびその装置 |
JP2019124711A (ja) * | 2018-01-11 | 2019-07-25 | フリュー株式会社 | 写真シール作成装置 |
-
2003
- 2003-08-07 JP JP2003206501A patent/JP2005055539A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090210 |