JP2005054786A - Vct制御システムにおける角度関係調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 VCT制御システムにおいて、クランクシャフトおよびカムシャフト間の角度関係を調整するための新規かつ簡単な方法を提供する。
【解決手段】 クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCT制御システムにおいて、当該システムが、クランクシャフトまたはカムシャフトのいずれかに連結される少なくとも一つの歯ホイールの周囲に配置された均等間隔の歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに備えており、当該システムによる角度関係の調整方法が、ホイールの周囲に物理的に非対称の歯配列を有する歯ホイールを提供する工程と、コントローラによるさらなる処理のために、物理的に非対称の歯配列を対称な歯配列に調整する工程とを備えている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、カム位置測定の分野に関する。より詳細には、本発明は、カム位置測定のために非理想のパルスホイールを使用する埋込み式VCT(variable camshaft timing)制御システムのためのカム位置測定に関する。
「内燃機関のためのシリンダ識別システム」という名称の米国特許出願公開2002/0050272号は、シリンダ識別に要求されるクランク回転角を減少させることによって制御性能を向上させる一方、シリンダ識別のための特定の期間の設定を必要とすることなく、複雑なカム信号パルスパターンを確立することができる内燃機関用シリンダ識別システムについて教示している。
クランク角パルス信号(SGT)およびカムパルス信号(SGC)に基づいて個々のシリンダを識別するためのシリンダ識別手段(10)は、各シリンダの点火制御期間を複数のサブ期間に分割することにより限定される複数のサブ期間にわたって発生する特定パルスの格納信号番号のためにカウントするパルス信号番号格納手段(12)と、複数のサブ期間の間に発生する信号番号の組合せからなる繰返し情報を格納するための繰返し情報格納手段(15)とを有している。個々のシリンダは、繰返し情報に基づいて識別される。
「シリンダ決定機能を有するエンジン制御ユニット」という名称の米国特許出願公開2001/0011203号は、クランク角センサによって生成されるクランク信号が所定のあらゆる角度間隔のパルス列内に前側パルス欠如部と後ろ側パルス欠如部とを有しているということを教示している。
カム角度センサによって生成されるカム信号のレベルは、クランク信号のパルス欠如部分において異なってくる。パルス欠如部分におけるレベルと異なるレベルは、パルス欠如部分の前側において所定の角度期間の間持続する。
マイクロコンピュータは、エンジンのクランク回転の2サイクルにおいておよびパルス欠如部分の前側の異なるレベルの期間において、クランク信号のパルス欠如部分におけるカム信号のレベルに基づき、クランク信号における前側および後ろ側パルス欠如部分をそれぞれ決定する。
「シリンダ決定機能を有するエンジン制御ユニット」という名称の米国特許第 6,498,979号は、カム角センサによって生成されるカム信号が所定のあらゆる角度間隔のパルス列内に前側パルス欠如部と後ろ側パルス欠如部とを有しているということを教示している。カム角度センサによって生成されるカム信号のレベルは、クランク信号のパルス欠如部分において異なってくる。
パルス欠如部分におけるレベルと異なるレベルは、パルス欠如部分の前側において所定の角度期間の間持続する。マイクロコンピュータは、エンジンのクランク回転の2サイクルにおいておよびパルス欠如部分の前側の異なるレベルの期間において、クランク信号のパルス欠如部分におけるカム信号のレベルに基づき、クランク信号における前側および後ろ側パルス欠如部分をそれぞれ決定する。
「VCT/CIDセンサホイールのデコード方法およびシステム」という名称の米国特許第 5,736,633号は、路傍側に固定された充電器を使用する車両用バッテリー充電システムについて教示している。車両上の「トランスロケーター(Translocator)」は、動力伝達を誘発して、エネルギコストを監視する。充電器は、トランスロケーター信号を検出すると、マイクロ波またはレーザーエネルギを車両上の受信機に向ける。
当該米国特許は、計測および支払いの詳細以外は、「トランスロケーター」がどのようにして作動するのか説明していないが(第5欄第35〜65行参照)、記述からは、トランスロケーターが常時信号を送出しており、ベースステーションがトランスロケーター信号を三角形状にしている(当該米国特許の用語では「連結(lock onto)している」)ようである。
「エンジン用クランク角検出器」という名称の米国特許第 4,953,531号は、点火されるシリンダ番号を検出するカムロータプレートおよびその逆側に設けられたカムパルスセンサと、クランク角を検出するためのクランクロータプレートおよびその逆側に設けられたクランクパルスセンサと、点火を制御するために個々のシリンダの点火タイミングを決定するためのコントローラとを含むエンジン用クランク角検出器について教示している。
クランクロータプレートは、始動時に一定の点火タイミングを検出するためのロータプレートと、通常の運転用のロータプレートとによって構成されている。一対のクランクパルスセンサは、それぞれロータプレートの逆側に設けられている。一定の点火タイミングのための入力信号は、始動時にのみマスク解除(mask-released)され、その後、通常の運転中は連続してマスクされる。
「内燃機関のためのカムパルスホイール」という名称の欧州特許DE 197 41 597号は、カムパルスホイール(14)が、可変位相をもってカムシャフトに装着されており、その周囲(15)には、カムシャフト位置を決定するためにセンサ(10)によって検出される多数のマーキング(16,17,18,19)がエンジンシリンダ番号に対応して設けられている。マーキングは、非対称に配置されており、センサ出力信号は、カムシャフト設定装置の調整のためにマイクロプロセッサに供給されている。
理解されるように、シリンダ位置のようなパラメータを決定するのに、クランクパルスのような検出パルスを使用することが知られている。上述したアンドウの出願(2001/0011203)および特許(6,498,979号)は、一連のクランクパルスにおけるパルス欠如部分がコンピュータによるカム信号に関連付けられている非可変カムタイミングシステムについて教示している。
マグナー特許(5,736,633号)は、可変カムタイミング信号からシリンダ識別信号を見分けるためのシステムについて教示している。マグナー特許においては、パルスホイールが、シリンダの識別および可変カムタイミングのために隔てられた歯またはタブを有している。可変カムタイミングのためのタブは、互いに等距離隔てられている。アベ特許(4,953,531号)は、点火パルスを含むクランクおよびカムパルスの関係について教示している。
アベ特許においては、クランクシャフトおよびカムシャフト間の制御または調整された角度関係のような可変カムタイミング関係については何ら説明されていない。その一方、ヨネザワの出願(2002/0050272号)は、とくに、可変バルブタイミング(VVT)システムによって生じる角度差が考慮されている可変バルブタイミングシステムに関連したシリンダ識別システムを要求している。
非対称のパルスホイールを含むパルスホイールまたは歯ホイールが知られている。独国特許(DE 197 41 597号)は、非対称のパルスホイールについて教示している。
しかしながら、コントローラが依然としてパルスホイールを対称であるとみなしている少なくとも一つの位相器を含む現在のVCTシステムを収容するのに、非対称のパルスホイールまたは歯ホイールを使用することは知られていない。
さらに、少なくとも一つの位相器およびその他の装置を有するVCTシステムの非対称のパルスホイールにおける現在のパルスホイールに対して、できるだけ現在のソフトウエアおよびハードウエアを使用するのが望ましい。現在のハードウエアおよびソフトウエアとともに非対称構造を含みかつ既知の寸法を有する歯ホイールを使用するのが望ましい。
言い換えれば、非対称構造を考慮するとともに、コンピュータ、エンジンコントローラまたはその他のコントローラに対して、検出パルスが依然として対称であると判断させることは望ましいことである。このようにして、パルスを対称なものとして処理する現在のソフトウエアを今までどおり用いることができる。
内燃機関の性能が、エンジンの種々のシリンダのインテークバルブを駆動するカムシャフトと、エグゾーストバルブを駆動するカムシャフトという2本のカムシャフトの使用によって改良できるということもまた知られている。
典型的には、このようなカムシャフトの一方は、第1のスプロケットおよびチェーン駆動装置または第1のベルト駆動装置を介してエンジンのクランクシャフトによって駆動され、他方のカムシャフトは、第2のスプロケットおよびチェーン駆動装置または第2のベルト駆動装置を介して、前記一方のカムシャフトによって駆動される。あるいは、双方のカムシャフトが、単一のクランクシャフトにより駆動されるチェーン駆動装置またはベルト駆動装置により運転される。
2本のカムシャフトを備えたエンジンの性能は、エグゾーストバルブに対するインテークバルブの運転の点からまたはクランクシャフトの位置に対する各バルブの運転の点からエンジンタイミングを変更するために、一方のカムシャフト(通常はインテークバルブ駆動用のカムシャフト)の他方のカムシャフトおよびクランクシャフトに対する位置関係を変えることによって、アイドル運転の質、燃費、低減排気ガスおよび上昇トルクの点からさらに改良を加えることが可能である。
引用することによってすべて本明細書の中に含まれる以下の米国特許により開示された情報を考慮することは、本発明の背景を探るのに有用である。
米国特許第 5,002,023号は、本発明の分野におけるVCTシステムについて記述している。このシステムの液圧装置は、適切な作動流体要素を備えるとともに逆方向に作用する一対の液圧シリンダを有している。
作動流体要素は、作動流体を一方のシリンダから他方のシリンダにまたはその逆方向に選択的に移送しており、これにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの周方向位置をアドバンスさせまたはリタードさせている。制御システムは、一方または他方のシリンダからの作動流体の排出がバルブ内のスプールを中央位置つまり零位置から一方向または他の方向に移動させることによって行われる制御バルブを使用している。
スプールの移動は、スプールの一端に作用する制御液圧Pc の増加または減少に応じて、さらにスプリングの一端に作用する液圧と他端に作用する圧縮スプリングによる機械的な押付力との間の関係に応じて、生じる。
米国特許第 5,107,804号は、本発明の分野における他のタイプのVCTシステムについて記述しており、このシステムの液圧装置は、囲繞されたハウジング内にローブを備えたベーンを有している。このベーンは、上述の米国特許第 5,002,023号により開示された逆方向作用のシリンダに取って代わっている。
ベーンは、ハウジング内でローブの一方の側から他方の側にまたはその逆方向に作動流体を移動させることによりハウジングに対してベーンを一方の側から他方の側に振動させる適切な作動流体要素を有しており、ベーンはハウジングに対して振動可能つまり周方向に移動可能に構成されている。
このようなベーンの振動は、クランクシャフトに対するカムシャフトの位置をアドバンスまたはリタードさせるのに効果的なものである。このVCTシステムの制御システムは、米国特許第 5,002,023号に開示されたものと同一であって、スプールバルブに作用する同種の力に反応する同一タイプのスプールバルブを使用している。
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号はいずれも、スプールの一端に作用する液圧による力とスプールの他端に作用する機械的な力とを釣り合わせようとする試みによって発生する、上述したタイプのVCTシステムの問題に取り組んでいる。
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号の双方に開示された改良制御システムは、スプールの両端に作用する液圧による力を利用している。スプールの一端に作用する液圧による力は、最大液圧Ps でエンジンオイルギャラリから直接供給される作動流体に起因している。
スプールの他端に作用する液圧による力は、減圧Pc 下でPWMソレノイドからの作動流体に反応して作用する液圧シリンダまたはその他の倍力装置に起因している。スプールの対向端の各々に作用する力が元々同じ作動流体に基づいた液圧であるため、作動流体の圧力または粘性の変化は自己否定的なものであって、スプールの中央位置または零位置には影響を与えない。
米国特許第 5,289,805号は、改良されたVCT方法を提供している。この方法は、所定のセットポイントを追跡する挙動を生じさせるところのコンピュータの実行に適した液圧PWMスプール位置制御および進んだ制御アルゴリズムを利用している。
米国特許第 5,361,735号においては、カムシャフトが、非振動の回転のために一端に固定されたベーンを有している。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動可能なタイミングベルト駆動のプーリを有している。ベーンは、プーリの対向凹部内にそれぞれ受け入れられた対向配置のローブを有している。カムシャフトは、通常の運転中に発生するトルクパルスに反応して変化する傾向がある。
カムシャフトは、エンジン制御ユニットからの信号に反応して制御バルブのバルブ本体内でのスプールの位置を制御することによって、凹部からのエンジンオイルの流れを選択的に許容しまたは阻止することにより、アドバンスしまたはリタードするようになっている。スプールは、好ましくはステッピングモータ型の電気モータによって回転させられるロータリー・リニア運動移動手段によって一定の方向に付勢されている。
米国特許第 5,497,738号は、VCTシステムの上述の実施態様で利用された最大液圧Ps においてエンジンオイルギャラリから直接供給された作動流体に起因してスプールの一端に作用する液圧による力を除去する制御システムについて開示している。
ベントスプールの他端に作用する力は、好ましくは可変力ソレノイド型の電気機械的アクチュエータによるものであり、この力は、種々のエンジンパラメータを監視するエンジン制御ユニット(ECU)から出力された電気信号に反応してベントスプールに直接作用している。
ECUは、カムシャフト位置およびクランクシャフト位置に対応するセンサ信号を受け取り、この位置情報を利用して相対位相角を計算する。好ましくは、位相角誤差を補償するクローズドループフィードバックシステムが採用されている。可変力ソレノイドの使用が、緩慢な動的応答性の問題を解決する。
このような装置は、スプールバルブの機械的応答性と同程度に速くなるように設計でき、確かに従来の完全液圧差圧制御システムよりもずっと速くなっている。応答性が速くなることにより、増加したクローズドループゲインを使用することができ、これにより、構成要素の許容誤差および運転環境に対してシステムがそれほど敏感でないようにすることが可能である。
米国特許第 5,657,725号は、駆動のためにエンジンオイル圧を利用する制御システムを示している。このシステムは、ベーンが一端に固定されたカムシャフトを有しており、ベーンはカムシャフトとともに回転可能でカムシャフトに対して振動しないようになっている。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトとともに振動するハウジングを有している。
ベーンは、ハウジングの対向凹部内に受け入れられた対向ローブを有している。ベーンおよびハウジングが相対的に振動でき、これにより、カムシャフトの位相がクランクシャフトの位相に対して変化するように、凹部はローブよりも周方向長さが長くなっている。
カムシャフトは、通常の運転中に受けるエンジンオイル圧および(または)カムシャフトトルクパルスに反応して方向を変える。エンジン運転状態を示すエンジン制御ユニットからの信号に反応してスプールバルブ本体内のスプールの位置を制御することによって、カムシャフトは、凹部からリターンラインを通るエンジンオイルの流れを選択的に許容しまたは阻止することにより、アドバンスまたはリタードすることができる。
スプールは、エンジン制御ユニットからの信号に反応してその対向端に作用する液圧による力を制御することによって、選択的に配置される。ベーンは、回転中にカムシャフトが受ける一方向の摩擦トルクに対して反作用の力を作用させるように、最も端の位置に付勢されている。
米国特許第 6,247,434号は、エンジンオイルによって駆動される多数位置可変カムシャフトタイミングシステムを示している。このシステム内には、カムシャフトに同期して回転するようにハブがカムシャフトに固定されている。また、ハウジングがハブを囲繞しており、ハウジングは、ハブおよびカムシャフトとともに回転可能であり、所定の回転角の範囲内でハブおよびカムシャフトに対して振動可能になっている。
ドライブベーンは、ハウジング内において半径方向に配置されており、ハブの外面と協働する。ドリブンベーンは、ハウジング内において半径方向に配置されており、ハブの内面と協働する。ロック装置は、油圧に反応して、ハウジングおよびハブ間の相対運動を防止している。また制御装置が、ハブに対するハウジングの振動を制御している。
米国特許第 6,250,265号は、内燃機関のためのアクチュエータロック機構を備えた可変バルブタイミングシステムを示している。この可変バルブタイミングシステムは、ベーンが固定されたカムシャフトを有しており、ベーンは、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動しないようになっている。
ベーンは、周方向に延びかつ半径方向外方に延びる複数のローブを有している。ベーンは、各ローブに対応する複数の凹部を有する環状ハウジングによって囲繞されており、各ローブは、対応する各凹部に受け入れられている。ハウジングがカムシャフトおよびベーンとともに回転しているときにベーンおよびカムシャフトに対するハウジングの振動を許容するように、各凹部は、ローブの周方向長さよりも長い周方向長さを有している。
ベーンおよびカムシャフトに対するハウジングの振動は、ローブの対向側の各凹部内の加圧エンジンオイルによって励起されている。好ましくは、凹部内の油圧は、運転中のカムシャフトの回転時に、カムシャフトのトルクパルスから一部引き出されている。環状ロックプレートは、カムシャフトおよび環状ハウジングと同芯に配置されている。
また、環状ロックプレートは、ロックプレートが環状ハウジングと係合してベーンに対する周方向の動きを防止する第1の位置と、ベーンに対する環状ハウジングの周方向の動きを許容する第2の位置との間で、カムシャフトの長手方向の中心軸に沿って環状ハウジングに対して移動可能になっている。ロックプレートは、第1の位置に向かってスプリングにより付勢されるとともに、エンジンオイル圧により、第1の位置から離れて第2の位置に向かって押圧される。
ロックプレートは、エンジンオイル圧がスプリングの付勢力に打ち勝つほど十分に高いときに、これは環状ハウジングおよびベーンの相対位置を変化させるように要求される唯一のときであるが、カムシャフトを挿通する流路によって第2の位置にさらされる。ロックプレートの移動は、クローズドループ制御システムまたはオープンループ制御システムを介して、エンジン電子制御ユニットにより制御されている。
米国特許第 6,263,846号は、ベーン型可変カムシャフトタイミングシステムのための制御バルブを示している。この制御バルブは、カムシャフトおよびこれに固定されてカムシャフトとともに回転するハブを有する内燃機関を含んでいる。
また、ハウジングがハブを囲繞しており、ハウジングは、ハブおよびカムシャフトとともに回転可能であり、ハブおよびカムシャフトに対して振動可能になっている。ドライブベーンは、ハウジング内において半径方向内方に配置されており、ハブとともに協働する。
ドリブンベーンは、ハウジングと協働するようにハブ内において半径方向外方に配置されている。また、ドリブンベーンは、アドバンスチャンバおよびリタードチャンバを周方向に交互に限定するように、ドライブベーンと周方向に交互に配置されている。
ハブに対するハウジングの振動を制御するための構成は、電子エンジン制御ユニットと、電子エンジン制御ユニットに反応してアドバンスチャンバに対するエンジンオイル圧を調整するアドバンス制御バルブとを有している。電子エンジン制御ユニットに反応するリタード制御バルブは、リタードチャンバに対してエンジンオイル圧を調整する。
アドバンス通路は、アドバンス制御バルブおよびアドバンスチャンバ間でエンジンオイル圧を伝達する。リタード通路は、リタード制御バルブおよびリタードチャンバ間でエンジンオイル圧を伝達する。
米国特許第 6,311,655号は、ベーン取付けのロックピストン装置を有する多数位置可変カムタイミングシステムを示している。カムシャフトおよび可変カムシャフトタイミングシステムを有する内燃機関において、ロータはカムシャフトに固定されるとともに、カムシャフトに対して回転可能で振動しないように構成されている。
ハウジングは、ロータを囲繞するとともに、ロータおよびカムシャフトの双方に対して回転可能になっており、さらに、最リタード位置および最アドバンス位置間においてロータおよびカムシャフトの双方に対して振動可能になっている。
ロック装置は、ロータまたはハウジングのいずれか一方の内部に設けられるとともに、最リタード位置、最アドバンス位置およびこれらの間の位置において、ロータまたはハウジングのいずれか他方に係脱可能に係合しており、ロータおよびハウジング間の相対運動を防止している。
ロック装置は、ロータをハウジングに固定するために、キーとその逆側に設けられたセレーションとを備えたロックピストンを有している。制御装置は、ハウジングに対するロータの振動を制御する。
米国特許第 6,374,787号は、エンジンオイル圧によって駆動される多数位置可変カムシャフトタイミングシステムを示している。ハブがカムシャフトに同期して回転するようにカムシャフトに固定されている。ハウジングは、ハブを囲繞しており、ハブおよびカムシャフトとともに回転するとともに、所定の回転角の範囲内でハブおよびカムシャフトに対して振動するようになっている。
ドライブベーンは、ハウジング内において半径方向に配置されており、ハブの外面と協働している。ドリブンベーンは、ハブ内において半径方向に配置されており、ハウジングの内面と協働している。油圧に反応するロック装置は、ハウジングおよびハブ間の相対運動を防止している。制御装置は、ハブに対するハウジングの振動を制御している。
米国特許第 6,477,999号は、非振動の回転のために、その一端にベーンが固定されたカムシャフトを示している。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動可能なスプロケットを有している。ベーンは、スプロケットの対向凹部内にそれぞれ受け入れられた対向配置のローブを有している。
凹部は、ベーンおよびスプロケットが互いに振動するのを許容するように、ローブよりも大きな周方向長さを有している。カムシャフトの位相は、通常の運転中に受けるパルスに反応して変化する傾向がある。
カムシャフトの位相は、制御バルブのバルブ本体内におけるスプールの位置を制御して、凹部からの加圧作動流体(好ましくはエンジンオイル)の流れを選択的に阻止しまたは許容することにより、アドバンスまたはリタード方向という一定の方向にのみ変化するように許容されている。
スプロケットは、カムシャフトの回転軸から離れて該回転軸に平行に延びる貫通通路を有している。ピンは、通路内にスライド可能に設けられており、ピンの自由端が通路を越えて突出する位置までスプリングによって弾性的に付勢されている。ベーンは、ポケットを有するプレートを備えており、該ポケットは所定のスプロケットの通路と整列している。
ポケットは作動流体を受け入れており、流体圧が通常の運転レベルにあるとき、ポケット内には、ピンの自由端がポケットに入らないようにするのに十分な圧力がある。その一方、液圧レベルが低いときには、ピンの自由端がポケット内に入り、カムシャフトおよびスプロケットと所定の向きに係合する。
発明者アール・エクダールおよびダニー・R・テイラーによる米国特許出願第10/405,513号は、ミシガン州オーバンヒルズのボーグワーナー・インクに譲渡されているが、内燃機関の可変カムタイミングを補償するための方法を教示している。
この方法は、a)周期的なクランクパルス信号を提供する工程と、b)周期的なカムパルス信号を提供する工程と、c)内燃機関の速度がZ位相値の急激な変化を誘発するところのセグメントを決定する工程と、d)セグメントをサブセグメントに分割する工程と、e)サブセグメント内の複数の点のZ位相値を計算する工程とを備えている。
典型的な従来の制御ループは以下のとおりである。図1には、従来のフィードバックループ10が示されている。フィードバックループ10の制御目的は、スプールバルブを零位置におくことである。言い換えれば、その目的は、スプール14が零位置で静止した状態でVCT機構がセットポイント12で与えられた位相角におかれるように、位相器(図示せず)の二つの流体保持チャンバ間で流体が流れないようにすることである。
このようにして、VCT機構が適正な位相位置におかれ、変化の位相速度がゼロになる。VCT機構の動的状態を利用する制御コンピュータプログラム製品が、上記状態を達成するのに用いられている。
VCTクローズドループ制御機構は、カムシャフトの位相変化θ16を測定して、これを所望のセットポイント12と比較することによって実現されている。VCT機構は、位相器がセットポイント12によって決定される位置を達成するように、調整されている。制御法則18は、セットポイント12を位相変化θ16と比較する。
比較結果は、ソレノイド20に命令信号を出力してスプール14を位置決めするための基準として用いられる。スプール14のこうした位置決めは、位相誤差(セットポイント12および位相変化20の差)がゼロでない場合に発生する。
スプール14は、位相誤差が負(リタード)であれば、第1の方向(たとえば右方)に向かって移動し、位相誤差が正(アドバンス)であれば、第2の方向(たとえば左方)に向かって移動する。
この位相測定によるリタードは大きな値を生じ、アドバンスは小さな値を生じるということが注目される。位相誤差がゼロのとき、VCTの位相はセットポイント12と等しくなって、スプールバルブ内で流体が流れないようにスプール14が零位置におかれる。
VCTシステム内においてカムシャフトおよびクランクシャフトの測定パルスは、それぞれカムシャフトパルスホイール24およびクランクシャフトパルスホイール22によって生成される。図示しないクランクシャフトおよびカムシャフトが回転すると、パルスホイール22,24はこれらとともに回転する。
各パルスホイール22,24は、センサから発生する測定パルスに応じてセンサにより検出され測定される歯を有している。測定パルスは、カムシャフト測定パルスセンサ24aおよびクランクシャフト測定パルスセンサ22aによって検出される。測定されたパルスは、位相測定装置26によって用いられる。
次に、測定位相差が決定される。カムシャフトおよびクランクシャフト間の位相は、全回転時間によって分割されかつ360度が乗じられた、連続するクランクパルスおよびカムパルス間からの時間として定義される。測定位相は、θ16として表される。次に、この位相は、所望のスプール位置に到達するために、制御法則18に供給される。
クローズドループ10の制御法則18は、米国特許第 5,184,578号に記述されており、当該米国特許は引用することによって本明細書中に含まれる。測定された位相26は、最初、比例積分(PI)処理が行われる制御法則18の作用を受ける。
PI処理は、二つのサブ処理の累計である。第1のサブ処理は増幅を含んでおり、第2のサブ処理は積分を含んでいる。測定位相は、さらに位相補償の影響を受ける。ここでは、制御信号がアクチュエータ(この例では可変力ソレノイド)を駆動するように送出される前に、制御信号が制御システム全体の安定性を向上させるように調整されている。
理解されるように、軸の角度情報に基づいて二つのシャフト間の位相関係を制御するためのコントローラを有するVCTシステムにおいて、コントローラが秩序立てて検出情報を処理する必要性が存在している。
米国特許出願公開2002/0050272号明細書 米国特許出願公開2001/0011203号明細書 米国特許第6,498,979号明細書 米国特許第5,736,633号明細書 米国特許第4,953,531号明細書 欧州特許DE 197 41 597号明細書 米国特許第 5,002,023号明細書 米国特許第 5,107,804号明細書 米国特許第 5,172,659号明細書 米国特許第 5,184,578号明細書 米国特許第 5,289,805号明細書 米国特許第 5,361,735号明細書 米国特許第 5,497,738号明細書 米国特許第 5,657,725号明細書 米国特許第 6,247,434号明細書 米国特許第 6,250,265号明細書 米国特許第 6,263,846号明細書 米国特許第 6,311,655号明細書 米国特許第 6,374,787号明細書 米国特許第 6,477,999号明細書 米国特許出願第10/405,513号明細書
本発明は、VCT制御システムにおいて、クランクシャフトおよびカムシャフト間の角度関係を調整するための新規かつ簡単な方法を提供しようとしている。
請求項1の発明によれば、クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCT制御システムにおいて、前記システムが、クランクシャフトまたはカムシャフトのいずれかに連結される少なくとも一つの歯ホイールの周囲に配置された均等間隔の歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに備えている。そして、前記システムによる角度関係の調整方法は、以下の工程を備えている。a)ホイールの周囲に物理的に非対称の歯配列を有する歯ホイールを提供する工程。b)コントローラによるさらなる処理のために、物理的に非対称の歯配列を対称な歯配列に調整する工程。
請求項2の発明によれば、クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCT制御装置において、前記装置が、クランクシャフトまたはカムシャフトの周囲に配置された均等間隔の歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに備えている。そして、前記装置による角度関係の調整方法は、以下の工程を備えている。a)既知の歯配列を有するクランク歯ホイールを提供する工程。b)既知の歯配列を有するカム歯ホイールを提供する工程。c)コントローラに知られた調整値のためにコントローラを使用する工程。
請求項3の発明では、請求項2において、前記c)の工程が、第1の組の調整値を決定するために、カムパルス割込みサブルーチンを実行する工程を備えている。
請求項4の発明では、請求項2において、前記c)の工程が、第2の組の調整値を決定するために、クランクパルス割込みサブルーチンを実行する工程を備えている。
請求項5の発明では、請求項2において、既知の歯配列を有するクランク歯ホイールが、対称な歯配列を有している。
請求項6の発明では、請求項2において、既知の歯配列を有するクランク歯ホイールが、非対称な歯配列を有している。
請求項7の発明では、請求項2において、既知の歯配列を有するカム歯ホイールが、対称な歯配列を有している。
請求項8の発明では、請求項2において、既知の歯配列を有するカム歯ホイールが、非対称な歯配列を有している。
本発明によれば、埋込み式制御システムにおいて、既知の歯配列を有する歯ホイールから引き出された情報を決定して調整するためのコントローラが提供されている。
埋込み式制御システムにおいて、既知の歯配列を有する歯ホイールから引き出された情報を決定して調整するための方法が提供されている。
埋込み式VCT制御システムにおいて、既知の歯配列を有する歯ホイールから引き出された情報を決定して調整するためのコントローラが提供されている。
埋込み式VCT制御システムにおいて、既知の歯配列を有する歯ホイールから引き出された情報を決定して調整するための方法が提供されている。
クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCTシステムにおいて、当該システムが、クランクシャフトまたはカムシャフトのいずれかに連結された少なくとも一つの歯ホイールの周囲に配置された均等間隔の歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに有している。
また、当該方法は、a)ホイールの周囲に物理的に非対称配列の歯を有する歯ホイールを提供する工程と、b)コントローラによってさらに処理するために、物理的に非対称の歯配列を対称の歯配列に調整する工程とを備えている。
クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCTシステムにおいて、当該システムが、クランクシャフトおよびカムシャフトの周囲に均等間隔で配置された歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに有している。
また、当該方法は、a)既知の歯配列を有するクランク歯ホイールを提供する工程と、b)既知の歯配列を有するカム歯ホイールを提供する工程と、c)コントローラに知られた必要な値を調整するためにコントローラを使用する工程とを備えている。
本発明およびその目的をさらに理解するためには、図面、図面の簡単な説明、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明および特許請求の範囲に注意が向けられるべきである。
本発明によれば、ホイール周囲の歯ホイールにおける非対称の歯配列を対称な歯配列に調整することにより、あるいは、既知の歯配列を有するクランク歯ホイールおよびカム歯ホイールを用いることにより、クランク角およびカム角間の角度調整を行うようにしたので、角度調整を簡単に行えるようになる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
<クランク2回転にわたる位相測定>
主にVCTシステムの制御に用いられる埋込式制御システムにおいては、内燃機関のクランクシャフトおよびカムシャフトの双方にパルスホイールが取り付けられている。
これらのパルスホイールは、エンジンに元々どのような種類の装備が存在していたのか、また、どのようなアップデート速度が要求されるのかに基づいて、さらにカムおよびクランクシャフト間に存在する基本関係に基づいて選択されている。この関係は、クランクの2回転についてカムが1回転するような関係である。
本発明によるVCTシステムの任意の設計においては、クランクシャフトとしては4パルス/1回転のホイールが選択され、カムシャフトとしては8パルス/1回転のホイールが選択される。カムシャフトおよびクランクシャフト間の関係により、パルスホイールからのパルスの周波数は等しくなっている、すなわち、4パルス/クランク1回転である。
このような設計に基づいたカム位置測定および較正は、米国特許第 5,289,805号および米国特許第 5,184,578号に記載されている。なお、これらの米国特許は、引用することによって本明細書中に含まれる。これらの米国特許では、カムシャフトパルスホイールのパルス数がクランクシャフトパルスホイールに対して2倍の関係があることをカム位置測定技術が要求している。
さらに、この技術は、カムシャフト歯が偶数枚数であることを無条件に要求している。これは、2:1の関係があることによるものである。反例を挙げると、任意に5枚のカム歯を取り出す場合に、クランクシャフト上に2.5枚の歯を有していなければならないことになるだろう。ところが、0.5枚の歯を有することは物理的に不可能である。したがって、この場合の設計に基づいて、カムパルスホイールに奇数枚数の歯を有するのは実際的ではない。
上述した問題つまり反例に対する解決は、2回転にわたってクランク歯をカウントすることにある。クランク歯が2回転にわたってカウントされるとき、2:1の関係を有する4/8歯の組合せではなく、1:1の関係を有する8/8歯の組合せに帰着することになる。
したがって、3枚歯のカムホイールにおいては、クランク1回転にわたって1.5枚歯ではなく、クランク3枚歯ホイールが2回転にわたってカウントされる(図1A参照)。図1Aにおいて、カムホイール100は、外周に3枚の歯100a,100b,100cを有している。各歯100a,100b,100cは、カムホイール100の外周に均等に配置されている。
これは、3の倍数にも適用され得る。たとえば、36−1パルス/1回転のクランクホイール(インデックスとして1枚欠けている36枚の均等間隔の歯)が用いられる。通常の運転状態下では、4枚歯のクランク、8枚歯のカム、36−1ホイール上の1枚の歯をカウントし、歯を8枚スキップして、次のものをカウントするなど。したがって、9歯ごとにカウントされ、4パルス/1回転が生じる。
3枚歯の場合もこれでうまくいく。というのは、2クランク回転にわたって、3で丁度割り切れる72パルスを得ることになるからである。したがって、24歯ごとにカウントされる。
このため、コントローラのソフトウエア部分は、最初の回転において、歯5をカウントすることから始まって、次に歯29をカウントする。次の歯を見つけるためには、その数に24を加えればよい。すなわち
29+24=53
となる。
次の歯は、第2のクランク回転であり、したがって、36(全1回転における歯数)を減じることによって
53−36=17
となる。
カウントされる第3歯が第2クランク回転における理論上第17番目の歯であることが分かる。次の歯を計算すると
(17+24)−36=5
となる。
したがって、カウントし始めた個所である歯5に戻る。クランクホイール上のインデックス歯(欠けた歯、余分な歯またはホイール上で指定された任意の歯)をカウントすることによって、どのクランク回転が進行中であるかを監視できる。
もしカウント数が奇数であれば、それはクランク回転1であり、カウント数が偶数であれば、それはクランク回転2である。12歯のクランクホイールおよび3歯のカムホイールを備えた同様の例について図2を参照のこと。
図2には、一組のパルス列が示されている。クランクパルス列は、同図上部に示されている。クランクシャフトの2回転が示されている。黒塗りのパルス、つまりパルス2,10,6は、センサを介してコントローラにより認識された歯である。
それ以外のパルスは、カウントされずに飛ばされた歯を示している。言い換えれば、12歯クランクホイールにおいて、第1回転における歯2、10および第2回転における歯6のみが認識されてカウントされている。
また、カム1回転につき3つのパルスを有するカムパルス列が図2の中央に示されている。3つのカムパルスは、クランクパルス列において認識された3つのパルスと同じ頻度で発生している。
歯の正確な枚数をカウントすること、および誤ったパルス事象の可能性に本来依存しているために、カムホイールにインデック歯を含めることによってこの設計手法に力強さを加えることが可能である。クランク上のインデックスは、それぞれの1クランク回転に同期するのに役立つが、2回転にわたってカウントするため、1回転から他の回転への同期を失うかもしれない。
しかしながら、カムがクランクの1/2の速度で回転するので、カム上における1インデックス/1回転がクランク上における1インデックス/2回転を提供する。したがって、3+1のカム歯ホイールを単に使用することにより、クランク2回転にわたって歯をカウントするこの構成は十分に力強く万能のものである。
<非対称の歯間隔:概念>
均等間隔の歯を備えた歯ホイールを使用することは、回転システム(図3)の速度および位相測定における最も直接的な手法であろう。図3には、均等間隔で配置された4枚の歯200a,200b,200c,200dを有する歯ホイール200が提供されている。
また、場合によっては、歯ホイールが非対称の歯間隔を有している(図4)。図4に示された非対称の歯ホイール300は、外周に4枚の歯を有している。歯300aは、歯300bから60°隔てられるとともに、歯300dから120°隔てられている。歯300bは歯300cから60°隔てられており、歯300cは歯300dから120°隔てられている。
本発明は、カム歯対クランク歯の比が2:1であることを必要とする。もし単一のクランク回転が測定に不十分であれば、上述されたクランク2回転にわたる位相測定が行われる。このような概念は、「自己較正の可変カムタイミング(VCT)システム」という名称の米国特許第 5,289,805号に記述された基本的なVCTカム位置測定法の改良となるということが注目される。
ここで述べられる基本式は
カム位置(位相)=(クランクパルスからのカムタイムラグ(CamTimeLag))/(クランクパルス間の時間)×360°/N …(1)
ここで、Nは、歯ホイールにおける均等間隔の歯の枚数である。式の右側部分における360°/Nは、一定の角度間隔における歯の間の角度を表している。
この間隔は、クランクに対するカム位置(位相)を度数で表すために、式の左側部分を変換するのに用いられている。この式は、位相測定に対して非常にうまく機能し、極めて信頼性が高い(robust)ものである。ここで、信頼性が高い(robust)とは、誤った情報が間違いを起こさせにくい状態として定義されている。
また、この式は、ルーチンを容易に実行でき、コーディングエラーを生じることなくソフトウエアに実行される見込みがあるという点において、扱いやすいものである。複雑なルーチンは、試験するのが難しく、ソフトウエアの働きを証明するのが難しい。
本発明は、この同じ式を用いた非対称歯間隔について教示しており、式が使用するパラメータを調整しているだけである。言い換えれば、現存するコントローラの手法を依然として用いることができる。パルス割込みルーチンの間、測定パラメータの調整が実行される。
ここでは、非対称歯ホイールが、コントローラの目で対称に見えるように変換されている。たとえば、パルスホイールに5枚の歯があれば、要求された歯の間が360/5=72°を示すように、測定数を調整することになる。
コントローラに関する限り、物理的な非対称歯の配置が対称歯の間隔に変換されまたは調整されるように、パルスホイール上における歯の間の既知の間隔から始まって各歯の位置からの度の変化が決定される。我々の5枚歯のホイールを一例として用いる際には、もし最初の歯が50°で配置されていれば、その変化は、+22°になって、72°で配置されるだろう。
もし次の歯が150°で配置されていれば、その変化は−6°になって、144°に戻ることになるだろう。プロセッサは、システム時間を捕獲することによって各歯を認識するので、パルス間の時間から度数の変化までを関係付ける必要がある。
<クランク非対称、カム対称>
式(1)からの計算により、クランクパルス間の時間がクランク期間(CrankPeriod)として言及される。これは、以下のようにして計算される。
クランク期間=TC−クランクタイムスタンプ …(2)
ここで、TCとは、クランクパルスが引き金となるタイマー捕獲(Timer Capture)のことである。クランクタイムスタンプ(CrankTimeStamp)とは、以前のクランクパルスに記録されたタイマー捕獲のことである。
この式の直後に、クランクタイムスタンプをアップデートする必要が生じる。これは、単純に
クランクタイムスタンプ=TC …(3)
である。最後のカムパルスが発生したシステム時間がTCとされる。
式(1)において
クランクパルスからのタイムラグ(カムタイムラグ)=TC−クランクタイムスタンプ …(4)
もう一つの関連付けは、式(1)の右側部分である。これは、N枚の均等間隔の歯において各歯の間の角度間隔となる。
均等歯間隔(Even_tooth_spacing)=360°/(歯数N) …(5)
式(5)は前もって計算することができる。与えられたパルスホイール形態においては変化しない。
式(2)〜(4)は、提供される順に実行される。式(1)は通常使用されるように用いられる。本発明に適合させるために、式(2)は普通に実行される。この式は、非対称のパルスホイールに対して正確な値を与えないので、均等間隔のパルスホイールをまねるように歯間隔を調整するのに、もう一つの式が必要になる。
調整クランク期間(CrankPeriodadj)=(均等歯間隔(Even_tooth_spacing))/(現在の隙間の間隔(deg.spacings of current gap))×(クランク期間(CrankPeriod)) …(6)
調整クランク期間(CrankPeriodadj) は新たに調整された値である。式(3)を用いる代わりに、次式を代用する。
調整クランクタイムスタンプ(CrankTimeStampadj)=(調整クランク期間(CrankPeriodadj))+(クランクタイムスタンプ(CrankTimeStamp)) …(7)
現在のパルスに対して調整クランクタイムスタンプ(CrankTimeStampadj)が正確な値であることを明らかにするのが重要であるが、クランクタイムスタンプ(CrankTimeStamp)は、実際には事前のパルス計算から導かれている。
このようにして、調整クランクタイムスタンプ(CrankTimeStampadj)は、次回にこれらの式を実行するクランクタイムスタンプ(CrankTimeStamp)となる。均等間隔の歯ホイールを表すように読取りを調整するこれらの式はいずれも、ソフトウエアのクランクパルスホイール割込みルーチンにおいて実行される。これは、クランク期間(CrankPeriod)(図5)の測定直後に発生する。
図5には、非対称ホイール400において具現化された調整が示されている。ホイール400上の歯の配列は、図4のものと類似しているとみなされ得る。ホイール400は、非対称配列の4枚の歯を有している。これら4枚の歯は、歯401,402,403および404である。
ホイール400は、時計回りに回転し、その上の非対称配列の歯はセンサ405によって検出される。図から分かるように、歯401は、均等配列の歯の間隔つまり正規の間隔に適合している。したがって、調整は必要とされない。
歯402の場合、歯401および403の双方と90°の角度差をなすように、反時計回りに30°回転させられた想像上の歯402’を考える。歯402’は、内燃機関のエンジン制御ユニット(ECU)のようなコントローラが、想像上の歯402’の位置のために、ホイール400上の歯について依然として均等にまたは対称に配置されていると考えるように教示されるという点において、想像上のものである。
歯403が歯401から180度離れていることにより、歯403は正規の間隔に適合しており、歯401と同様に、調整はされない。さらに、歯404に関しては、歯402と同様にして、その隣の歯と90度離れて配置されるように時計回りに30度移動させられて調整される。
図5に示されたような角度関係があるとして、ホイール400がクランクホイールであるとすると、以下のようになる。
歯1に対して: 調整は必要でない。
Figure 2005054786
歯2に対して:
(クランクタイムスタンプ)2’=(クランク期間)1-2’+(クランクタイムスタンプ)
歯3に対して: 歯1から180度離れて配置されているので、調整は必要とされない。
Figure 2005054786
歯4に対して:
(クランクタイムスタンプ)4’=(クランク期間)3-4’+(クランクタイムスタンプ)3
(クランク期間)1-2 および(クランク期間)3-4の計算は示されていないが、式(2)を通じて示唆されていることに注目してほしい。
カムパルスホイール割込みルーチンのそれぞれにおいていくつかの別の演算を実行する必要もある。カム割込みルーチンにおける標準的な式は、以下のとおりである。
(カムタイムラグ)=TC(現在のシステムのタイマー捕獲)−(クランクタイマースタンプ) …(8)
これは、この構成においても用いられるが、クランクタイマースタンプ (CrankTimerStamp)は新しい調整値である。なお、この式の結果に基づいて、別のチェックが行われている。
If(CamTimeLag<0)
CamTimeLagadj=CamTimeLag+CrankPeriodadj
If(CamTimeLag> CrankPeriodadj)
CamTimeLagadj=CamTimeLag-CrankPeriodadj …(9)
すなわち
(カムタイムラグ)<0 であれば、(調整カムタイムラグ)=(カムタイムラグ)+(調整クランク期間)
(カムタイムラグ)>(調整クランク期間) であれば、(調整カムタイムラグ)=(カムタイムラグ)−(調整クランク期間)
となる。
これらのチェックは、カム歯が測定される時間に先行してまたは遅れて移動するところの調整クランク歯の説明となるだろう。カムタイムラグ(CamTimeLag) は最後のクランクパルスが発生したときまで戻って(カム割込みルーチンにおいて)現在の時間を測定することであるので、もしクランクパルスが後で発生するように調整されるのであれば、条件に基づいて調整されない限り計算結果は正確な位相を表さない。
また、もし式(8)の後で、式(9)のチェックに基づいて調整される必要を満たさないのであれば、非調整の カムタイムラグ(CamTimeLag)測定が用いられる。さもなければ、我々のカム位置(位相)測定式(1)における調整値が用いられるだろう。
図6には、一組の歯502(ここでは4枚のみ図示)が外周に配置されたカムホイール500が設けられている。各歯502は、対称にまたは非対称に配置されている。センサ504は、各歯を検出するとともに、コントローラがカムタイムスタンプを記録するために対応パルスを生成するように配置されている。
理解されるように、コントローラは、第1のパルスに対応する第1の値と、第2のパルスに対応する第2の値とを記録することができる。パルス間のタイミングは、制御目的のためにコントローラによって記録可能である。
同様に、一組の歯508(ここでは4枚のみ図示)が外周に配置されたクランクホイール506が設けられている。各歯508は、対称にまたは非対称に配置されている。センサ510は、各歯を検出するとともに、コントローラがクランクタイムスタンプを記録するために対応パルスを生成するように配置されている。
理解されるように、コントローラは、第1のパルスに対応する第1の値と、第2のパルスに対応する第2の値とを記録することができる。パルス間のタイミングは、制御目的のためにコントローラによって記録可能である。
カムタイムスタンプおよびクランクタイムスタンプは、コントローラ512により制御目的で用いられている。コントローラ512は、内燃機関におけるエンジン制御ユニット(ECU)を含む任意のタイプのコントローラでよい。タイムスタンプは測定値である。例示の場合、パルスがセンサからコントローラのプロセッサに到達すると、割込みルーチンがシステムクロックを見て、時間を記録する。
図7のフローチャート700は、クランクシャフトが非対称歯ホイールを有しかつカムシャフトが対称歯ホイールを有しているところの物理的配置を示している。割込みは、最初、フローの初期に生成される。クランク期間(Crank Period)は、TCおよび測定クランクタイムスタンプ(Crank Time Stamp)の間の差として設定される(ステップ704参照)。
TCは、タイマー捕獲を意味しており、これは、数学的には、タイマースタンプと同じものを提供する。通過する歯によってセンサが励起されると、コントローラ内の割込みハードウエア/ソフトウエアがシステムレジスター(変数)内のシステム時間を捕獲する。
この処理は、タイマー捕獲(Timer Capture)と称される。たとえば、上述したハードウエアが割込みルーチンを実行し、次に、タイマー捕獲値がタイマースタンプ変数にコピーされる。計算のためにタイマー捕獲を用いるかわりに、本発明は、ソフトウエア設計において力強い別個の変数を用いている。
ここでは、(受け取ったばかりの)TC−(前回からの)タイムスタンプが、TCをタイムスタンプに手動でコピーする直前に実行される。調整されたクランク期間が、現在の隙間(度)における均等歯間隔と等しくなるように設定される。均等歯間隔は、360度をセンサホイール上の総歯数で割ったもので定義される。
現在の隙間は、実際の物理的関係における、すなわちコントローラによって調整されていない歯の間の間隔(度)で定義される。この商には、クランク期間値が乗じられる(ステップ706参照)。クランクタイムスタンプは、調整クランクタイム期間およびクランクタイムスタンプの和として設定される(ステップ708参照)。
理解されるように、クランクホイールの非対称性のためにおよび歯の非対称配置が知られているという事実のために、調整は、歯が物理的に離れているときに行われていたように歯信号を隔てさせることによって同じレベルの正確さでシステムクロックを用いることにより、コントローラに非対称配列を認識させるように行うことができる。
次に、ステップ710において、最初の判断処理が実行される。すなわち、ここでは、カムタイムラグが0よりも小さいかどうかが判断される。もし0よりも小さければ、ステップ712に移行して、調整カムタイムラグ値が既知のカムタイムラグと調整クランク期間の和として設定される。このサブルーチンの実行後、フローはステップ714に移行して、位相測定を実行する。
カムタイムラグは、最新のカムタイムスタンプから最新のクランクタイムスタンプまでの時間差として定義される。この時間差は変化するので、これは、クランクおよびカム間の位相の変化を表している。クランクからカムまで、またはカムからクランクまでのいずれか(この場合、我々は後者のカムからクランクまでの方を任意に用いる)を測定できるので、唯一の違いは番号の表示だけである。
一方、カムタイムラグが0より小さくなければ、ステップ716に移行して、第2の判断処理が実行される。この第2の判断処理は、カムタイムラグが調整クランク期間よりも大きいかどうかを判断する。
もしカムタイムラグが調整クランク期間よりも大きければ、ステップ718に移行して、調整カムタイムラグがカムタイムラグと調整クランク期間の差として設定される。これに対して、カムタイムラグが調整クランク期間より大きくなければ、ステップ714に移行して、位相測定を実行する。
<クランク対称、カム非対称>
この場合には、クランクパルスホイールの割込みルーチンは変化しない。クランク期間およびクランクタイムスタンプの計算は、通常どおり実行される。
CrankPeriod(クランク期間)= TC - CrankTimeStamp(クランクタイムスタンプ)// Current system time(現在のシステム時間)- last time(最後の時間) …(10)
CrankTimeStamp = TC // Update system time(システム時間の更新)
… (11)
式(10,11)は、式(2,3)と同一である。カムパルスホイール割込みルーチンの場合には、先の式(8)の置き換えがあるとともに、上記式(9)に示されたチェックを導入している。
Figure 2005054786
…(12)
ここで、* CamTL および * CrankTS は、それぞれ Cam Time Lag(カムタイムラグ) および Crank Time Stamp (クランクタイムスタンプ)の省略記号である。
導入される計算チェックは、上述の場合と類似している。
If (CamTimeLag < 0)
CamTimeLagadj = CamTimeLag + CrankPeriodadj
If (CamTimeLag > CrankPeriodadj)
CamTimeLagadj = CamTimeLag - CrankPeriodadj … (13)
すなわち
(カムタイムラグ)<0 であれば、(調整カムタイムラグ)=(カムタイムラグ)+(調整クランク期間)
(カムタイムラグ)>(調整クランク期間) であれば、(調整カムタイムラグ)=(カムタイムラグ)−(調整クランク期間)
となる。
図8のフローチャート800は、クランクシャフトが対称歯ホイールを有しかつカムシャフトが非対称歯ホイールを有しているところの物理的配置を示している。割込みは、最初、フローの初期に生成される。クランク期間(Crank Period)は、TCおよび測定クランクタイムスタンプ(Crank Time Stamp)の間の差として設定される(ステップ804参照)。
クランクタイムスタンプは、TCとして設定される(ステップ806参照)。カムタイムラグは、TCおよびクランクタイムスタンプ間の差、ならびにやがて示される歯間隔の相対的な調整として設定されている。言い換えれば、カムタイムラグは、TC−(クランクタイムスタンプ)−{現在の間隔(つまり歯ホイール上の実際の物理的配置)/コントローラが認識して処理するための所望の均等歯間隔}×(クランク期間)から求まる。
次に、ステップ810において、最初の判断処理が実行される。すなわち、カムタイムラグが0よりも小さいかどうかが判断される。もし0よりも小さければ、ステップ812に移行して、調整カムタイムラグ値が既知のカムタイムラグと調整クランク期間の和として設定される。
このサブルーチンの実行後、フローはステップ814に移行して、位相測定を実行する。一方、カムタイムラグが0より小さくなければ、ステップ816に移行して、第2の判断処理が実行される。この第2の判断処理は、カムタイムラグが調整クランク期間よりも大きいかどうかを判断する。
もしカムタイムラグが調整クランク期間よりも大きければ、ステップ818に移行して、調整カムタイムラグがカムタイムラグと調整クランク期間の差として設定される。これに対して、カムタイムラグが調整クランク期間より大きくなければ、ステップ814に移行して、位相測定を実行する。
<クランク非対称、カム非対称>
クランクシャフトおよびカムシャフトの双方が非対称歯間隔を有している場合には、クランクおよびカムの双方が均等間隔の歯と見えるようにするために、上述した双方の組の「調整」式が用いられるだろう。言い換えれば、クランク割込みおよびカム割込みの双方が実行される(図9および図10参照)。
図9には、クランクパルス割込みを示すフローチャート900が示されている。コントローラは、クランクパルス割込み902を開始し、これにより、クランクパルス割込みサブルーチンがスタートする。ステップ904において、クランク期間が、TCおよびクランクタイムスタンプ間の差として設定される。
次に、ステップ906において、クランクパルスホイールの現在の間隔が対称かどうかについての判断がなされる。コントローラは歯ホイールの実際の物理的形状を反映するようにセットまたはリセットできるので、典型的には歯ホイールの形状が知られているということが注目される。もし現在の間隔が対称であれば、ステップ908に移行して、クランクタイムスタンプがTCと等しくなるように設定される。
次に、ステップ910に移行して、割込みサブルーチンが終了する。その一方、現在の間隔が対称でなければ、ステップ912に移行して、コントローラのためにクランク期間を調整する。調整クランク期間は、歯ホイール上の非対称歯配列を反映しているところの、均等歯間隔をこれと関連する隣の歯との間の現在の間隔(度)で割った商にクランク期間を乗じたものに等しくなるように設定される。
同様に、クランクタイムスタンプも調整される必要がある。ステップ914において、調整クランクタイムスタンプは、調整クランク期間およびクランクタイムスタンプの和として設定される。クランクパルスホイールの非対称性はこのようにして反映され、ルーチンは終了する(ステップ910参照)。
図10には、カムパルス割込みを示すフローチャート1000が示されている。コントローラは、カムパルス割込み1002を開始し、これにより、カムパルス割込みサブルーチンがスタートする。ステップ1004において、カムホイールの現在の間隔が対称かどうかについての第1の判断がなされる。
もしカムホイールが対称であれば、ステップ1006に移行して、カムタイムスタンプを、TCおよびクランクタイムスタンプ間の差として設定する。その一方、カムホイールが対称でなければ、ステップ1008に移行して、カムタイムラグを、TC−(クランクタイムスタンプ)−{(不均等の現在の間隔)/(均等歯間隔)−1}×(クランク期間)として設定する。
次に、ステップ1010に移行して、カムタイムラグ値が0より小さいかどうかについて第2の判断がなされる。もしカムタイムラグ値が0よりも小さければ、カムタイムラグは調整される必要がある。
この場合には、ステップ1012に移行して、調整カムタイムラグが、(現在知られている)カムタイムラグと(現在知られている)調整クランク期間との和として設定される。もしカムタイムラグ値が0よりも小さくなければ、ステップ1014に移行して、カムタイムラグが調整クランク期間よりも大きいかどうかについて第3の判断がなされる。
もしカムタイムラグが調整クランク期間よりも大きければ、ステップ1016に移行し、調整カムタイムラグが、既知のカムタイムラグに調整クランク期間を加えたものとして設定される。もしカムタイムラグが調整クランク期間よりも大きくなければ、ステップ1018に移行し、クランクタイムスタンプ値を現在のTC値に設定する。
本発明においては、コントローラに入るパルスの周波数が同じになるように、カムシャフトに2倍の数の歯があることが要求される。このような規則に従わない歯数に対して本発明を実行あらしめるためには、他の2つの概念である、歯飛びと、上述したようなクランク2回転にわたる位相測定とを導入しなければならない。
どの歯がカウントされているかを常に監視していることは非常に重要なことである。どの歯がカウントされているのか、また、在る歯から次の歯までどのくらいの大きさの間隔があるのかを常時知っておく必要がある。本発明においては、歯間隔にほんのわずかな変化しかないのであれば、容易に認識できかつ歯カウントに再同期させるのに用いられる独特のインデック歯を含めることは有利であろう。
本発明の一実施例は、たとえば、図6に示されたようなコンピュータシステムとともに使用されるプログラム製品として実行されている。プログラム製品のプログラムは、図7ないし図10に関連して記述された方法を含む実施例の機能を限定しており、種々の信号保持媒体に含まれ得る。
具体的な信号保持媒体は、以下のものを含むが、これらには限定されない。(i)PROM,EPROMなどのようなプログラム可能な装置に永久に格納された情報。(ii)書込不可の記憶媒体に永久に格納された情報(例:CD−ROMドライブによって読み取り可能なCD−ROMディスクのようなコンピュータ内のリードオンリーメモリ装置)。(iii) 書き込み可能な記憶媒体に格納された変更可能な情報(例:ハードディスクまたはディスケットドライブ内のフレキシブルディスク)。(iv)ワイヤレス通信を含むコンピュータネットワークまたは電話回線ネットワーク、あるいは自動車の車載コントローラのような通信手段によってコンピュータに伝達される情報。
いくつかの実施例は、とくに、インターネットおよびその他のネットワークからダウンロードされた情報を含んでいる。上記信号保持媒体は、本発明の機能を導く、コンピュータにより読み取り可能な指令を含んでいるとき、本発明の実施例を表している。
一般に、本発明の実施例を実施するように実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部として、あるいは特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、モジュール、オブジェクトまたは一連の指令として実施されようがされまいが、ここでは、「プログラム」と呼称される。
コンピュータプログラムは、典型的には、機械が読み取り可能なフォーマットに、したがって実行可能な命令に変換される多数の命令から構成されている。またプログラムは、プログラムに局所的に存在するか、あるいは、メモリまたは記憶装置に見出される変数およびデータ構造から構成されている。なお、ここで記述される種々のプログラムは、本発明の特定の実施例において実施されるアプリケーションに基づいて確認される。
その一方、任意の特定のプログラム用語が単に便宜上用いられており、したがって、本発明が、このような用語によって認定されまたは示唆される任意の特定のアプリケーションのみへの使用に限定されるべきではないということが理解されるべきである。
本発明が関連する分野の当業者は、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としてのみみなされるべきものであり、限定的なものではない。
したがって、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてきたものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の範囲内においてではあるが、当該技術分野の当業者にとって明らかであろう。
従来の制御ループを示している。 3枚歯のカムホイールを示している。 一組のパルス列を示している。 均等間隔の歯を有するパルスホイールを示している。 非対称間隔の歯を有するパルスホイールを示している。 非対称ホイールの調整の仕方を示している。 一組のタイムスタンプを記録するための概略図である。 本発明を示す第1のフローチャートであって、ここでは、クランク歯が非対称であってカム歯が対称である例を示している。 本発明を示す第2のフローチャートであって、ここでは、クランク歯が対称であってカム歯が非対称である例を示している。 本発明を示す第3のフローチャートであって、ここでは、クランク歯ホイールに適切な包括的手法が示されている。 本発明を示す第4のフローチャートであって、ここでは、カム歯ホイールに適切な包括的手法が示されている。
符号の説明
100: カムホイール
200: 歯ホイール
300: 歯ホイール
400: 非対称ホイール
405: センサ
500: カムホイール
504: センサ
506: クランクホイール
510: センサ
512: コントローラ

Claims (8)

  1. クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCT制御システムにおいて、前記システムが、クランクシャフトまたはカムシャフトのいずれかに連結される少なくとも一つの歯ホイールの周囲に配置された均等間隔の歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに備えており、前記システムによる角度関係の調整方法が、
    a)ホイールの周囲に物理的に非対称の歯配列を有する歯ホイールを提供する工程と、
    b)コントローラによるさらなる処理のために、物理的に非対称の歯配列を対称な歯配列に調整する工程と、
    を備えた方法。
  2. クランクシャフトのクランク角およびカムシャフトのカム角の間の角度関係を調整するための位相器を備えたVCT制御装置において、前記装置が、クランクシャフトまたはカムシャフトの周囲に配置された均等間隔の歯に基づいて角度関係を決定するように設けられたコントローラをさらに備えており、前記装置による角度関係の調整方法が、
    a)既知の歯配列を有するクランク歯ホイールを提供する工程と、
    b)既知の歯配列を有するカム歯ホイールを提供する工程と、
    c)コントローラに知られた調整値のためにコントローラを使用する工程と、
    を備えた方法。
  3. 請求項2において、
    前記c)の工程が、第1の組の調整値を決定するために、カムパルス割込みサブルーチンを実行する工程を備えている、
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求項2において、
    前記c)の工程が、第2の組の調整値を決定するために、クランクパルス割込みサブルーチンを実行する工程を備えている、
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項2において、
    既知の歯配列を有するクランク歯ホイールが、対称な歯配列を有している、
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項2において、
    既知の歯配列を有するクランク歯ホイールが、非対称な歯配列を有している、
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求項2において、
    既知の歯配列を有するカム歯ホイールが、対称な歯配列を有している、
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求項2において、
    既知の歯配列を有するカム歯ホイールが、非対称な歯配列を有している、
    ことを特徴とする方法。
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