JP2005053720A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上においてカーボンナノチューブの生成とパターン形成を1段系で行う。
【解決手段】真空中に配置したSiC基板又は有機溶媒中に配置したSi基板上に集光したレーザー光を照射し、照射部位を、真空中のSiC基板の場合は1600〜1900℃に、有機溶媒中のSi基板の場合は500〜1000℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させる。
【選択図】 図1
【解決手段】真空中に配置したSiC基板又は有機溶媒中に配置したSi基板上に集光したレーザー光を照射し、照射部位を、真空中のSiC基板の場合は1600〜1900℃に、有機溶媒中のSi基板の場合は500〜1000℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカーボンナノチューブの製造方法に関し、詳細には、簡便かつパターン化可能なカーボンナノチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブは、単層もしくは多層のグラファイトを巻いてチューブ状となった構造を有しており、熱伝導性、電気伝導性、機械的強度等の特性が従来の材料にない優れた特性を示すことから、各種の用途、例えば電解電子放出用の電極(プラズマディスプレイ等への応用)、構造材料、ガス吸蔵材料等への応用が研究されている。
【0003】
このような用途でカーボンナノチューブを用いる場合、基板上に直接配向を制御したカーボンナノチューブを成長させ、パターン形成することが望ましい。電子材料として使用する場合、半導体上にカーボンナノチューブを形成することが望ましい。
【0004】
従来、カーボンナノチューブを製造するため、触媒金属を含有させた基板上で、有機炭素材料の基板を熱分解させ、この基板上にカーボンナノチューブを直接生成させる方法、すなわちCVD法が知られている。ところが、このような従来のCVD法では、基板上にカーボンナノチューブを均一方向に配向させて生成させることが困難であった。そこで、基板に対して均一方向にカーボンナノチューブを配向させて成長させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−180252号公報
【特許文献2】
特開2002−293523号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カーボンナノチューブを電子材料に用いようとする場合、基板上にパターンを形成させて生成させることが望ましい。しかしながら、上記の従来の方法では、基板上に配向性の高いカーボンナノチューブを成長させることはできるものの、パターン形成をすることができず、パターンを形成するためには、カーボンナノチューブ生成後にフォトリソグラフィー等の技術を用いてパターン形成する必要があった。
【0007】
本発明はこのカーボンナノチューブの生成とパターン形成を1段階の工程で可能にする方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明によれば、真空中に配置したSiC基板上に集光したレーザー光を照射し、照射部位を1600℃〜1900℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させている。
【0009】
また、上記問題点を解決するために本発明によれば、有機溶媒中に配置した、鉄を数mmの厚さでコートしたSi基板上に集光したレーザー光を照射し、Si基板と有機溶媒の界面における照射部位を500℃〜1000℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のカーボンナノチューブの製造方法の工程を示す模式図である。本発明の第1の態様において、まずチャンバー1内にSiC基板2を配置する。チャンバー1内を真空にした後、SiC基板2上に集光したレーザー光3を照射する。このレーザー光3は、レーザー発生装置4から、集光レンズ5にて集光され、ミラー6によってSiC基板2の所望の部位に誘導されている。
【0011】
こうしてレーザー光3をSiC基板2に照射することにより、照射部位を1600℃〜1900℃に昇温させる。これによってSiC基板2の特定部分のみを炭素化し、カーボンナノチューブを生成させることができる。次いで、ミラー6の角度を変え、レーザー光3を走査することによって照射部を走査させ、特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブ7を成長させることができる。
【0012】
従来のカーボンナノチューブの製造方法では、基板を加熱することによってこの基板上にカーボンナノチューブを生成させているが、この加熱をヒーターを用いて行っているために基板全体を加熱するため、基板上の全面にカーボンナノチューブが生成し、成長してしまう。その結果、所定のパターンにカーボンナノチューブを生成、成長させることが困難であった。これに対して、本発明の方法では、レーザー照射部分にのみカーボンナノチューブを生成させ、成長させることができるため、レーザー照射部を走査をすることにより、その走査に沿ってカーボンナノチューブを成長させることができ、1段階で所定のパターンでカーボンナノチューブを生成、成長させることができる。
【0013】
本発明の方法では、SiC基板を1000℃以上の高温に加熱するため、レーザー光は大出力であることが好ましい。本発明に用いることのできるレーザーの種類とその特性を以下の表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
本発明の上記第1の態様では、基板が3eV程度のバンドギャップを有する半導体のSiCであり、このSiCの吸収端(〜0.4μm)より波長が短いため、短波長のエキシマレーザーを用いることが特に好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、チャンバー1内に配置する基板2として、鉄を数mm(具体的には1〜5mm)の厚さでコートしたSi基板を用いる。そしてチャンバー内に有機溶媒8を入れ、この有機溶媒8中の基板2に、第1の態様と同様にしてレーザー光3を照射する。こうしてレーザー光3をSi基板2に照射することにより、照射部位を500℃〜1000℃に昇温させる。これによってSi基板2の特定部分のみを炭素化し、カーボンナノチューブを生成させることができる。次いで、ミラー6の角度を変え、レーザー光3を走査することによって照射部を走査させ、特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブ7を成長させることができる。
【0017】
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、プロパノール、ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、2−メトキシエタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、エチルメチルケトン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸及びこれらの混合物等を用いることができる。
【0018】
この第2の態様においては、レーザー光による基板の加熱は以下の2つの態様をとることができる。
(1)可視光レーザーを溶媒側から照射する。
溶媒として、エタノール、アセトン等の可視光を吸収しない溶媒を用いる場合、Siのバンドギャップ(1.1eV、吸収端〜1.1μm)より高いエネルギーを有する可視光レーザーを溶媒側からSi基板に照射すると、レーザー光はSiに吸収され、被照射部位が昇温し、カーボンナノチューブが生成される。このように溶媒側から照射する場合には、YAGレーザー、ルビーレーザー、及びArガスレーザーを用いることが好ましい。
【0019】
(2)赤外光レーザーをSi側から照射する。
Si基板の、カーボンナノチューブを成長させる面、すなわちFeをコートした面を溶媒に接触させ、これと反対面を空気もしくは真空に接した状態にして保持する。空気もしくは真空に接したSi基板面から、Siのバンドギャップより低いエネルギーを有する赤外線レーザーを照射する。このとき、赤外線の波長を溶媒の吸収波長にあわせておく。Siは赤外線の透過係数が高いためSi基板は直接加熱されないが、Siを透過したレーザー光は溶媒に吸収され、Si/溶媒界面が加熱され、Si基板の溶媒側面にカーボンナノチューブが生成する。この方法の場合、溶媒の沸騰・温度分布によるレーザー光の散乱の影響を受けない。この場合のレーザーとしては、CO2レーザーを用いることが好ましい。
【0020】
【実施例】
実施例1
β−SiC単結晶を、可視光透過窓を有する真空チャンバー内に配置し、10−5Paまで排気した。SiC単結晶の(111)面にNd−YAGレーザーの1064nm波長のレーザー光を照射した。ピークパワー35kW、パルス幅300ns、発振周波数5kHzのレーザーパルスを試料表面の約0.5mmに集光させて数十秒照射したところ、照射部が黒変した。これをSEM及びTEM観察したところ、直径約6nmのカーボンナノチューブが照射部分に成長していることが確認された。
【0021】
実施例2
Si(111)単結晶をアセトン・純水で超音波洗浄し、マグネトロンスパッタ装置でFeを約2nmスパッタ後、高純度メタノールを満たしたセル中に固定した。
波長1064nmのNd−YAGレーザー光を倍波に変換し、532nmのレーザー光をSi(111)面に照射した。メタノールの沸騰の影響を避けるため、試料付近のメタノールはポンプによって循環させた。ピークパワー35kW、パルス幅300ns、発振周波数5kHzのレーザーパルスを試料表面の約1mmに集光させて数百秒間照射したところ、照射部が黒変した。これをSEM及びTEM観察したところ、直径10〜20nmのカーボンナノチューブが照射部分に成長していることが確認された。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、基板上に集光したレーザー光を照射することにより、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させることができ、1段階の操作でカーボンナノチューブの生成とパターン形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…チャンバー
2…基板
3…レーザー光
4…レーザー発生装置
5…集光レンズ
6…ミラー
7…カーボンナノチューブ
8…有機溶媒
【発明の属する技術分野】
本発明はカーボンナノチューブの製造方法に関し、詳細には、簡便かつパターン化可能なカーボンナノチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブは、単層もしくは多層のグラファイトを巻いてチューブ状となった構造を有しており、熱伝導性、電気伝導性、機械的強度等の特性が従来の材料にない優れた特性を示すことから、各種の用途、例えば電解電子放出用の電極(プラズマディスプレイ等への応用)、構造材料、ガス吸蔵材料等への応用が研究されている。
【0003】
このような用途でカーボンナノチューブを用いる場合、基板上に直接配向を制御したカーボンナノチューブを成長させ、パターン形成することが望ましい。電子材料として使用する場合、半導体上にカーボンナノチューブを形成することが望ましい。
【0004】
従来、カーボンナノチューブを製造するため、触媒金属を含有させた基板上で、有機炭素材料の基板を熱分解させ、この基板上にカーボンナノチューブを直接生成させる方法、すなわちCVD法が知られている。ところが、このような従来のCVD法では、基板上にカーボンナノチューブを均一方向に配向させて生成させることが困難であった。そこで、基板に対して均一方向にカーボンナノチューブを配向させて成長させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−180252号公報
【特許文献2】
特開2002−293523号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カーボンナノチューブを電子材料に用いようとする場合、基板上にパターンを形成させて生成させることが望ましい。しかしながら、上記の従来の方法では、基板上に配向性の高いカーボンナノチューブを成長させることはできるものの、パターン形成をすることができず、パターンを形成するためには、カーボンナノチューブ生成後にフォトリソグラフィー等の技術を用いてパターン形成する必要があった。
【0007】
本発明はこのカーボンナノチューブの生成とパターン形成を1段階の工程で可能にする方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明によれば、真空中に配置したSiC基板上に集光したレーザー光を照射し、照射部位を1600℃〜1900℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させている。
【0009】
また、上記問題点を解決するために本発明によれば、有機溶媒中に配置した、鉄を数mmの厚さでコートしたSi基板上に集光したレーザー光を照射し、Si基板と有機溶媒の界面における照射部位を500℃〜1000℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のカーボンナノチューブの製造方法の工程を示す模式図である。本発明の第1の態様において、まずチャンバー1内にSiC基板2を配置する。チャンバー1内を真空にした後、SiC基板2上に集光したレーザー光3を照射する。このレーザー光3は、レーザー発生装置4から、集光レンズ5にて集光され、ミラー6によってSiC基板2の所望の部位に誘導されている。
【0011】
こうしてレーザー光3をSiC基板2に照射することにより、照射部位を1600℃〜1900℃に昇温させる。これによってSiC基板2の特定部分のみを炭素化し、カーボンナノチューブを生成させることができる。次いで、ミラー6の角度を変え、レーザー光3を走査することによって照射部を走査させ、特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブ7を成長させることができる。
【0012】
従来のカーボンナノチューブの製造方法では、基板を加熱することによってこの基板上にカーボンナノチューブを生成させているが、この加熱をヒーターを用いて行っているために基板全体を加熱するため、基板上の全面にカーボンナノチューブが生成し、成長してしまう。その結果、所定のパターンにカーボンナノチューブを生成、成長させることが困難であった。これに対して、本発明の方法では、レーザー照射部分にのみカーボンナノチューブを生成させ、成長させることができるため、レーザー照射部を走査をすることにより、その走査に沿ってカーボンナノチューブを成長させることができ、1段階で所定のパターンでカーボンナノチューブを生成、成長させることができる。
【0013】
本発明の方法では、SiC基板を1000℃以上の高温に加熱するため、レーザー光は大出力であることが好ましい。本発明に用いることのできるレーザーの種類とその特性を以下の表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
本発明の上記第1の態様では、基板が3eV程度のバンドギャップを有する半導体のSiCであり、このSiCの吸収端(〜0.4μm)より波長が短いため、短波長のエキシマレーザーを用いることが特に好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、チャンバー1内に配置する基板2として、鉄を数mm(具体的には1〜5mm)の厚さでコートしたSi基板を用いる。そしてチャンバー内に有機溶媒8を入れ、この有機溶媒8中の基板2に、第1の態様と同様にしてレーザー光3を照射する。こうしてレーザー光3をSi基板2に照射することにより、照射部位を500℃〜1000℃に昇温させる。これによってSi基板2の特定部分のみを炭素化し、カーボンナノチューブを生成させることができる。次いで、ミラー6の角度を変え、レーザー光3を走査することによって照射部を走査させ、特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブ7を成長させることができる。
【0017】
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、プロパノール、ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、2−メトキシエタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、エチルメチルケトン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸及びこれらの混合物等を用いることができる。
【0018】
この第2の態様においては、レーザー光による基板の加熱は以下の2つの態様をとることができる。
(1)可視光レーザーを溶媒側から照射する。
溶媒として、エタノール、アセトン等の可視光を吸収しない溶媒を用いる場合、Siのバンドギャップ(1.1eV、吸収端〜1.1μm)より高いエネルギーを有する可視光レーザーを溶媒側からSi基板に照射すると、レーザー光はSiに吸収され、被照射部位が昇温し、カーボンナノチューブが生成される。このように溶媒側から照射する場合には、YAGレーザー、ルビーレーザー、及びArガスレーザーを用いることが好ましい。
【0019】
(2)赤外光レーザーをSi側から照射する。
Si基板の、カーボンナノチューブを成長させる面、すなわちFeをコートした面を溶媒に接触させ、これと反対面を空気もしくは真空に接した状態にして保持する。空気もしくは真空に接したSi基板面から、Siのバンドギャップより低いエネルギーを有する赤外線レーザーを照射する。このとき、赤外線の波長を溶媒の吸収波長にあわせておく。Siは赤外線の透過係数が高いためSi基板は直接加熱されないが、Siを透過したレーザー光は溶媒に吸収され、Si/溶媒界面が加熱され、Si基板の溶媒側面にカーボンナノチューブが生成する。この方法の場合、溶媒の沸騰・温度分布によるレーザー光の散乱の影響を受けない。この場合のレーザーとしては、CO2レーザーを用いることが好ましい。
【0020】
【実施例】
実施例1
β−SiC単結晶を、可視光透過窓を有する真空チャンバー内に配置し、10−5Paまで排気した。SiC単結晶の(111)面にNd−YAGレーザーの1064nm波長のレーザー光を照射した。ピークパワー35kW、パルス幅300ns、発振周波数5kHzのレーザーパルスを試料表面の約0.5mmに集光させて数十秒照射したところ、照射部が黒変した。これをSEM及びTEM観察したところ、直径約6nmのカーボンナノチューブが照射部分に成長していることが確認された。
【0021】
実施例2
Si(111)単結晶をアセトン・純水で超音波洗浄し、マグネトロンスパッタ装置でFeを約2nmスパッタ後、高純度メタノールを満たしたセル中に固定した。
波長1064nmのNd−YAGレーザー光を倍波に変換し、532nmのレーザー光をSi(111)面に照射した。メタノールの沸騰の影響を避けるため、試料付近のメタノールはポンプによって循環させた。ピークパワー35kW、パルス幅300ns、発振周波数5kHzのレーザーパルスを試料表面の約1mmに集光させて数百秒間照射したところ、照射部が黒変した。これをSEM及びTEM観察したところ、直径10〜20nmのカーボンナノチューブが照射部分に成長していることが確認された。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、基板上に集光したレーザー光を照射することにより、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させることができ、1段階の操作でカーボンナノチューブの生成とパターン形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…チャンバー
2…基板
3…レーザー光
4…レーザー発生装置
5…集光レンズ
6…ミラー
7…カーボンナノチューブ
8…有機溶媒
Claims (2)
- 真空中に配置したSiC基板上に集光したレーザー光を照射し、照射部位を1600℃〜1900℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させることを特徴とする、カーボンナノチューブの製造方法。
- 有機溶媒中に配置した、鉄を数mmの厚さでコートしたSi基板上に集光したレーザー光を照射し、Si基板と有機溶媒の界面における照射部位を500℃〜1000℃に昇温させて、その照射部位においてカーボンナノチューブを生成させ、次いで基板上でレーザー光を走査することによって特定のパターンに沿ってカーボンナノチューブを成長させることを特徴とする、カーボンナノチューブの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206764A JP2005053720A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | カーボンナノチューブの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206764A JP2005053720A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | カーボンナノチューブの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005053720A true JP2005053720A (ja) | 2005-03-03 |
Family
ID=34363507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003206764A Pending JP2005053720A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | カーボンナノチューブの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005053720A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006248816A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Institute Of Physical & Chemical Research | 可溶化剤、可溶化方法、カーボンナノチューブ組成物およびこれを用いた製造方法 |
KR101015309B1 (ko) * | 2008-06-27 | 2011-02-15 | 광주과학기술원 | 탄소 나노 튜브의 제조 방법 |
JP2013227193A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Honda Motor Co Ltd | カーボンナノチューブ合成装置 |
JP2015040156A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | 日本電信電話株式会社 | グラフェン形成方法および形成装置 |
-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003206764A patent/JP2005053720A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006248816A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Institute Of Physical & Chemical Research | 可溶化剤、可溶化方法、カーボンナノチューブ組成物およびこれを用いた製造方法 |
KR101015309B1 (ko) * | 2008-06-27 | 2011-02-15 | 광주과학기술원 | 탄소 나노 튜브의 제조 방법 |
JP2013227193A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Honda Motor Co Ltd | カーボンナノチューブ合成装置 |
JP2015040156A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | 日本電信電話株式会社 | グラフェン形成方法および形成装置 |
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