JP2005052868A - 継手構造及びへり継手の溶接方法 - Google Patents

継手構造及びへり継手の溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 レーザ溶接時のレーザ光の吸収率が高められると共に溶接品質が確保される継手構造及びへり継手の溶接方法を提供する。
【解決手段】 へり2,3の端面2a,3a間に形成された開先4にレーザ光が照射される。従って、開先4に照射されたレーザ光が発散されずにへり継手1のレーザ光が照射された部分を昇温させるのに再利用されるため、レーザ光の吸収率を向上させることができる。また、開先4を形成する際に生じたバリ5をへり2,3の合わせ面2b,3b間に介在させて、該合わせ面2b,3b間に隙間6を形成した。従って、レーザ溶接時に蒸発したメッキ材の蒸気が合わせ面2b,3b間から抜け易くなり、ブローホールや合わせ面2b,3b間から溶融金属が飛散することによるひけの発生が防止されて溶接の品質が確保される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、継手構造及びへり継手の溶接方法に関し、特に、溶接継手としてのへり継手の継手構造及び該へり継手溶接方法に関する。
一般に、レーザ溶接は、被接合部材に照射されたレーザ光のエネルギーに対する被接合部材に吸収されて被接合部を昇温されるエネルギーの比率、即ち、レーザ光の吸収率が問題になる。特に、CO2レーザ及びYAGレーザは金属表面に対する反射率が高いため、これらレーザを照射してのレーザ溶接は、レーザ光の吸収率が低いためエネルギーの損失が大きい。例えば、鉄に対するYAGレーザの反射率は約65%になり、被接合部材の材料が鉄で、且つ照射されるレーザ光がYAGレーザである場合、溶接条件により異なるが、照射される全エネルギーのうち、被接合部材に吸収されて被接合部を昇温させるのに使用されるエネルギーは、僅か35%である。そこで、レーザ溶接では、反射によるエネルギーの損失を補うため、レーザの出力を増大させたり、溶接速度(送り速度)を低下させることが行われたが、使用電力量が増大して製造コストが嵩むといった問題、生産性が低下するといった問題が新たに生じていた。そこで、レーザ溶接においては、従来から、レーザ光の吸収率を高めるための技術が開発されている。例えば、特許文献1には、被接合部材の被接合部に所定のブリュースター角度を有する略V字状の溝を形成し、該V溝に直線偏光を出力するレーザ発振器により発振されたレーザ光を照射することにより被接合部材の被接合部を溶接して接合するレーザ溶接方法が開示されている。
ところで、相互に接合される2つの被接合部材間のへり(被接合部)が略平行に重ね合わされて形成されたへり継手をレーザ溶接する場合、該重ね合わされたへりの端面間にレーザ光が照射される。これにより、重ね合わされたへりの合わせ面間に溶接ビードが形成され、該重ね合わされたへりが溶接されて接合される。ここで、特に、被接合部材に亜鉛メッキ等の表面処理が施されている場合、重ね合わされたへりの合わせ面間に適正な隙間が形成されていないと、溶接時に蒸発したメッキ材の蒸気によりブローホールや合わせ面間から溶融金属が飛散することによるひけ等の溶接欠陥が生じる虞がある。そこで、特許文献2には、相互に接合されるへり(被接合部)をクランプ手段で加圧することにより弾性変形させて完全に密着させ、次に、各へりの弾性復元を利用して接合されるへり間に溶接するに向けて好適な隙間を形成し、この状態で、重ね合わされたへりにレーザ光を照射して該重ね合わされたへりを溶接しつつ、合わせ面で蒸発したメッキ材の蒸気を上記隙間で逃がすことにより、ブローホール、ひけ等の溶接欠陥が生じるのを防止したレーザ溶接方法が開示されている。しかしながら、このレーザ溶接方法では、上記隙間が、へりの成形精度、へりの重ね合わせ精度、及びクランプ手段のクランプ精度に依存されるため、当該隙間を均一に維持して溶接ビードを良好に維持するのが極めて困難である。
特開平3−138091号公報(第2頁左上欄20行目〜第2頁左下欄1行目、第1図) 特開2002−321076号公報(段落番号0018〜0025、第4図)
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、レーザ溶接時のレーザ光の吸収率が高められると共に溶接品質が確保される継手構造を提供することにある。また、第2の目的は、レーザ光の吸収率が高められると共に溶接品質が確保されるへり継手の溶接方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、相互に接合される2つの被接合部材間の略平行に重ね合わされたへりの端面間がレーザ溶接されるへり継手の継手構造であって、各被接合部材の各へりの合わせ面の角部が塑性変形されて該合わせ面に対して斜めに形成され、該重ね合わされたへりの端面間に溶接方向へ延びる開先が形成されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、重ね合わされたへりの合わせ面間に各へりの合わせ面の角部を斜めに塑性変形させた際に形成されたバリが介在されて、該重ね合わされたへりの合わせ面間に隙間が形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、重ね合わされたへりの合わせ面間に形成される隙間が、各へりの合わせ面に対するバリの高さが調節されて管理されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、重ね合わされるへりが谷折部で谷折状に折り曲げられ、重ね合わされた各へりの谷折部の内側が当接されてへりの合わせ面間のバリと谷折部との間に隙間が形成されると共に該重ね合わされたへり間に谷折部を境にして隙間が形成された側と反対側に空間が形成されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、重ね合わされたへりの合わせ面間に開先から谷折部に亘って溶接ビードが形成されることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の継手構造のへり継手をレーザ溶接するためのへり継手の溶接方法であって、相互に接合される2つの被接合部材の各へりを双方のへりが重ね合わされた時に谷折状になるように折り曲げておいて、各へりの合わせ面の角部を該合わせ面に対して斜めに塑性変形させ、各へりの外側を谷折部近傍で押圧させて双方のへりを重ね合わせ、該重ね合わされたへりの端面間に形成された開先にレーザ光を照射させてへりの合わせ面間をレーザ溶接することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、重ね合わされる各へりのレーザ光照射位置よりも溶接方向手前側の合わせ面の角部を該合わせ面に対して斜めに塑性変形させつつ、該角部が塑性変形された双方のへりを順次重ね合わせて、該重ね合わされたへりの合わせ面間をレーザ溶接することを特徴とする。
従って、請求項1に記載の発明では、開先に照射されたレーザ光が発散されずにへり継手のレーザ光が照射された部分を昇温させるのに再利用されるため、レーザ光の吸収率が向上される。
請求項2に記載の発明では、へり継手の重ね合わされたへりの端面間に開先が形成されると共に、該重ね合わされたへりの合わせ面間にバリを介在させたことによる隙間が形成される。
請求項3に記載の発明では、へりの合わせ面間に形成された隙間の間隔がバリの高さで調節される。
請求項4に記載の発明では、溶接時に蒸発したメッキ材の蒸気が、へりの合わせ面間に形成された隙間と、谷折部を境にして隙間が形成された側と反対側に形成された空間とで逃がされる。
請求項5に記載の発明では、各へりの板厚よりも深い溶け込みの溶接ビードが得られ、へり継手の溶接強度が確保される。
請求項6に記載の発明では、相互に接合される2つの被接合部材の各へりを双方のへりが重ね合わされた時に谷折状になるように折り曲げると共に各へりの合わせ面の角部を塑性変形させて該合わせ面に対して斜めに成形させ、各へりの外側を谷折部近傍で押圧して双方のへりを重ね合わせることにより該重ね合わされたへりの端面間に開先を形成させ、該開先にレーザ光を照射させてへりの合わせ面間がレーザ溶接される。
請求項7に記載の発明では、各へりの合わせ面の角部を塑性変形させて該合わせ面に対して斜めに形成する工程と、各へりを重ね合わせて形成されたへり継手をレーザ溶接する工程と、が一連の工程により行われる。
レーザ溶接時のレーザ光の吸収率が高められると共に溶接品質が確保される継手構造を提供することができる。また、レーザ光の吸収率が高められると共に溶接品質が確保されるへり継手の溶接方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。本継手構造は、相互に接合される2つの被接合部材間のへり2,3が略平行に重ね合わされて、双方のへり2,3の端面2a,3a間がレーザ溶接されるへり継手1の継手構造である。図1に示すように、本継手構造は、各へり2,3の端面2a,3aと合わせ面2b,3bとの角部2c,3cが斜めに形成されることにより、重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間に溶接方向へ延びる開先4が形成される。そして、本継手構造は、開先4にレーザ光(本実施の形態ではYAGレーザ)が照射されることにより、開先4に照射されたレーザ光が発散されずにへり継手1のレーザ光が照射された部分を昇温させるのに再利用されてレーザ光の吸収率が向上される構造になっている。また、本継手構造は、上記角部2c,3cが塑性変形により形成され、該角部2c,3cの成形時に生じたバリ5をへり2,3の合わせ面2b,3b間に介在させて、該合わせ面2b,3b間に隙間6が形成されるように構成されている。
これにより、本継手構造は、レーザ溶接時に蒸発したメッキ材の蒸気が合わせ面2b,3b間から抜け易くなり、ブローホールや合わせ面2b,3b間から溶融金属が飛散することによるひけの発生が防止されて溶接の品質が確保される構造になっている。ここで、図2に示すのは、各へり2,3の角部2c,3cを塑性変形させて斜めに形成させる成形機構8と、該成形機構8により各角部2c,3cが斜めに形成された各へり2,3を重ね合わせてへり継手1を形成させる矯正機構9と、が併設された継手矯正装置10の概略構成を示す図である。該図2、図3及び図5に示すように、各へり2,3は、各外側面2d,3dが上記継手矯正装置10の成形機構8の各サポートローラ11,12により支持されつつ各角部2c,3cが各押圧ローラ13,14で押圧されて、塑性変形により各角部2c,3cが斜めに形成される構造になっている。
また、図2に示すように、上記成形機構8により各角部2c,3cが斜めに形成された各へり2,3は、各外側面2d,3dが一対の第1の矯正ローラ15,16で押圧され、さらに、図1及び図2に示すように、一対の第2の矯正ローラ17,18で押圧される構造になっている。これにより、本継手構造は、各へり2,3の各角部2c,3cに形成されたバリ5のうち少なくとも一方のへり2(3)の角部2c(3c)に形成されたバリ5が他方のへり3(2)の合わせ面3b(2b)に当接されて、へり2,3の合わせ面2b,3b間に所定間隔の隙間6が形成される構造になっている。そして、本継手構造は、該隙間6の間隔が、上記バリ5の高さH(図1参照)により調節される構造になっている。なお、図4に示すように、各へり2,3は、各合わせ面2b,3bを対向させた際に相互に谷折状になるように、各谷折部19,20で折り曲げられている。
そして、図1に示すように、本継手構造は、各谷折部19,20の外側部分が継手矯正装置10の矯正機構9の一対の第2の矯正ローラ17,18で押圧されて双方の谷折部19,20の内側部分が当接され、これにより、へり2,3の端面2a,3a間に開先4が形成され、さらに、へり2,3の合わせ面2b,3b間に上記隙間6が形成されると共に谷折部19,20を境にして該隙間6の反対側に空間21が形成される構造になっている。また、本継手構造は、重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間の高さが意図的にずらされており、これにより、へり2,3が重ね合わされた際に、双方のへり2,3の角部2c,3cに形成されたバリ5が干渉されない構造になっている。なお、図2に示すように、上記継手矯正装置10は、各へり2,3の角部2c,3cを塑性変形させて斜めに形成する工程と、各角部2c,3cが斜めに形成されたへり2,3を矯正して重ね合わせてへり継手1を形成し、該へり継手1の重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間に形成された開先4にレーザ光を照射してへり2,3の合わせ面2b,3b間を溶接する工程とが、一連の工程により行われる。
次に、本実施の形態のへり継手1の溶接方法を説明する。なお、図4に示すように、相互に接合される2つの被接合部材の各へり2,3は、双方のへり2,3を対向させた際に相互に谷折状になるように、各被接合部材のプレス成形時に各谷折部19,20で折り曲げられている。まず、各被接合部材が、重ね合わされるへり2,3が相互に対向されるようにして継手矯正装置10にセットされ、所定速度でワーク搬送方向(図2における紙面視下方向)へ搬送される。そして、図2、図3及び図5に示すように、各被接合部材は、搬送される過程で、各へり2,3の各角部2c,3cが成形機構8のサポートローラ11,12と押圧ローラ13,14により塑性変形されて斜めに形成される。ここで、図1に示す各角部2c,3cが斜めに形成された際に形成される各バリ5の高さHは、各押圧ローラ13,14の押圧力及び押圧角度により調節される。
さらに、図2に示すように、各角部2c,3cが斜めに形成されたへり2,3は、谷折部19,20の外側部分が矯正機構9の一対の第1の矯正ローラ15,16により押圧されて一次矯正された後、谷折部19,20の外側部分が一対の第2の矯正ローラ17,18により押圧される。これにより、図1に示すように、へり2,3の谷折部19,20の内側部分が当接され、へり2,3の端面2a,3a間に開先4を有するへり継手1が形成される。そして、該へり継手1は、へり2の角部2cに形成されたバリ5がへり3の合わせ面3bに当接されてへり2,3の合わせ面2b,3b間に所定間隔の隙間6が形成されると共に、へり2,3の谷折部19,20の内側の当接された部分を境にして上記隙間6の反対側に空間21が形成される。この図1に示される状態で、へり継手1の開先4にレーザ光(本実施の形態ではYAGレーザ)が照射される。
そして、開先4に照射されたレーザ光は、発散されずにへり継手1のレーザ光が照射された部分を昇温させるのに再利用されるため、レーザ光の吸収率が向上し、効率的に母材(被接合部材)が溶融される。溶融された母材は溶融池を形成し、その後冷却されて、図6に示すように、該へり2,3の合わせ面2b,3b間に溶接ビード7が形成され、双方のへり2,3が接合される。ここで、溶接時に蒸発してへり2,3の合わせ面2b,3b間で発生したメッキ材の蒸気は、当該合わせ面2b,3b間に形成された隙間6と谷折部19,20を境にして該隙間6の反対側に形成された空間21との双方から逃がされる。これにより、溶接ビード7にブローホールや合わせ面2b,3b間から溶融金属が飛散することによるひけが発生するのが防止されて溶接品質が確保される。また、上記溶接ビード7の溶接幅W及び溶け込み深さDは、照射するレーザ光の出力、焦点位置及びワーク搬送速度(溶接速度)等の溶接条件により調整される。
また、図2に示すように、本へり継手1の溶接方法では、各へり2,3の各角部2c,3cを塑性変形させて斜めに成形しつつ、各角部2c,3cが斜めに形成されたへり2,3を矯正して重ね合わせてへり継手1を形成し、該へり継手1の重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間がレーザ溶接される。
この実施の形態では以下の効果を奏する。
本へり継手1の溶接方法は、相互に接合される2つの被接合部材の各へり2,3を双方のへり2,3が重ね合わされた時に谷折状になるように折り曲げておいて、各へり2,3の合わせ面2b,3bの角部2c,3cを塑性変形させて該合わせ面2b,3bに対して斜めに形成する。そして、一対の矯正ローラ17,18により各へり2,3を谷折部19,20近傍で押圧し、双方のへり2,3が重ね合わされてへり継手1を形成する。該へり継手1には、重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間に開先4が形成されると共に、各へり2,3の角部2c,3cが塑性変形されて形成されたバリ5が重ね合わされたへり2,3の合わせ面2b,3b間に介在されて該合わせ面2b,3b間に隙間6が形成される。この状態で、該へり継手1の重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間に形成された開先4にレーザ光を照射して該重ね合わされたへり2,3の合わせ面2b,3b間をレーザ溶接する。
従って、開先4に照射されたレーザ光が発散されずにへり継手1のレーザ光が照射された部分を昇温させるのに再利用されるため、レーザ光の吸収率が向上する。これにより、開先4が形成されていないへり継手1のへり2,3の端面2a,3a間にレーザ光が照射される場合と比較して、レーザ出力を低く設定してレーザ溶接を省電力化することが可能になる。言い換えれば、より小さい能力のレーザ発振器を選択して設備コストを削減することができる。さらに、レーザ出力が同一である場合、レーザ光の吸収率が高いことからへり継手1のレーザ光が照射された部分の昇温速度が高いので、溶接速度を高めて生産性を向上させることができる。
また、各へり2,3の角部2c,3cが各押圧ローラ13,14により塑性変形されてへり継手1の重ね合わされたへり2,3の端面2a,3a間に開先4が形成されるので、各へり2,3の角部2c,3cの成形速度をへり継手1の溶接速度に合わせることが可能になる。これにより、各へり2,3の角部2c,3cを成形しつつ該へり2,3を重ね合わせてレーザ溶接することが可能になり、工程が合理化されて生産性を大幅に向上させることができる。さらに、各へり2,3の角部2c,3cが塑性変形により形成されるので、開先4の表面(斜面)の表面粗さが大きくなり、レーザ光の吸収率が向上する。これにより、溶融する母材(被接合部材)の体積が増加して、へり2,3の合わせ面2b,3b間に形成された隙間6を埋めるための溶融池を効率的に生成させることができる。また、レーザ光が開先4に照射されるので、レーザ光照射の位置精度に余裕を持たせることができる。そして、各へり2,3の角部2c,3cを切削して斜めに形成する場合と比較して、加工が容易である。
また、へり2,3の合わせ面2b,3b間に形成された隙間6により、溶け込み深さがへり2,3の板厚よりも深い溶接ビード7が得られて、溶接品質(強度)を確保することができる。従って、従来、レーザ溶接で十分な溶接強度を得るのが困難であった比較的板厚が厚い(板厚1.5〜2.0mm程度)へり2,3間のへり継手1の溶接においても、十分な溶接強度を得ることが可能になる。さらに、溶接時に合わせ面2b,3b間で蒸発したメッキ材の蒸気が該隙間6により逃がされる。これにより、ブローホールや合わせ面2b,3b間から溶融金属が飛散することによるひけの発生が防止され、溶接品質を確保することができる。上記隙間6に加えて、へり2,3間の谷折部19,20を境にして該隙間6の反対側に形成された空間21からも、溶接時に合わせ面2b,3b間で蒸発したメッキ材の蒸気が逃がされる。さらに、バリ5は各へり2,3の角部2c,3cが塑性変形により成形された際の副産物であるので、隙間6を形成するための突起を各へり2,3の合わせ面2b,3bにプレス成形させたり、該合わせ面2b,3b間に粉体等を挿入させる必要がなく、生産効率を向上させることができる。
また、各へり2,3の谷折部19,20が押圧されてへり継手1が形成されるので、へり2,3の合わせ面2b,3b間の面当りが良好になり、該合わせ面2b,3b間に均一な溶接ビードが形成されて溶接品質を確保することができる。さらに、各へり2,3が谷折状に折り曲げられたことで、矯正ローラ17,18で押圧させる位置が谷折部19,20から離れた位置であってもへり2,3の合わせ面2b,3b間の面当りが良好になるので、矯正ローラ17,18の配置又はへり2,3の形状に自由度を持たせることが可能になる。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
レーザ溶接にYAGレーザが使用されたが、CO2レーザ等であってもよい。
一対の矯正ローラ17,18により谷折部19,20の外側部分を押圧させて当該谷折部19,20の内側部分を当接させたが、必要に応じて、該谷折部19,20間に隙間を形成させてもよい。
本実施の形態の説明図で、へり継手のへりの端面間に形成された開先にレーザ光が照射された状態を示す図である。 本実施の形態の説明図で、特に、継手矯正装置における工程(各被接合部材のへりの流れ)を示す図である。 本実施の形態の説明図で、特に、成形機構の概略構造を示す正面図である。 本実施の形態の説明図で、各へりが谷折状に折り曲げられた状態を示す図である。 本実施の形態の説明図で、各へりの角部がローラにより塑性変形されて斜めに成形される状態を示す図である。 本実施の形態の説明図で、へり継手のへりの合わせ面間に形成された溶接ビードを示す図である。
符号の説明
1 へり継手、2,3 へり、2a,3a 端面、2b,3b 合わせ面、2c,3c角部、4 開先、5 バリ、6 隙間、7 溶接ビード、19,20 谷折部、21 空間

Claims (7)

  1. 相互に接合される2つの被接合部材間の略平行に重ね合わされたへりの端面間がレーザ溶接されるへり継手の継手構造であって、各被接合部材の各へりの合わせ面の角部が塑性変形されて該合わせ面に対して斜めに形成され、該重ね合わされた前記へりの端面間に溶接方向へ延びる開先が形成されることを特徴とする継手構造。
  2. 重ね合わされた前記へりの合わせ面間に各へりの合わせ面の角部を斜めに塑性変形させた際に形成されたバリが介在されて、該重ね合わされた前記へりの合わせ面間に隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の継手構造。
  3. 重ね合わされた前記へりの合わせ面間に形成される前記隙間が、各へりの合わせ面に対する前記バリの高さが調節されて管理されることを特徴とする請求項2に記載の継手構造。
  4. 重ね合わされるへりが谷折部で谷折状に折り曲げられ、重ね合わされた各へりの前記谷折部の内側が当接されて前記へりの合わせ面間の前記バリと前記谷折部との間に前記隙間が形成されると共に該重ね合わされた前記へり間に前記谷折部を境にして前記隙間が形成された側と反対側に空間が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の継手構造。
  5. 重ね合わされた前記へりの合わせ面間に前記開先から前記谷折部に亘って溶接ビードが形成されることを特徴とする請求項4に記載の継手構造。
  6. 上記請求項1〜5のいずれかに記載の継手構造のへり継手をレーザ溶接するためのへり継手の溶接方法であって、相互に接合される2つの被接合部材の各へりを双方のへりが重ね合わされた時に谷折状になるように折り曲げておいて、各へりの合わせ面の角部を該合わせ面に対して斜めに塑性変形させ、各へりの外側を谷折部近傍で押圧させて双方のへりを重ね合わせ、該重ね合わされた前記へりの端面間に形成された開先にレーザ光を照射させて前記へりの合わせ面間をレーザ溶接することを特徴とするへり継手の溶接方法。
  7. 重ね合わされる各へりのレーザ光照射位置よりも溶接方向手前側の前記合わせ面の角部を該合わせ面に対して斜めに塑性変形させつつ、該角部が塑性変形された双方のへりを順次重ね合わせて、該重ね合わされた前記へりの合わせ面間をレーザ溶接することを特徴とする請求項6に記載のへり継手の溶接方法。
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