JP2005051837A - 移動体用の電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ定数と冷媒流量を制御して、車両の燃費の向上と、低温での良好な運転性を維持しつつ蓄電手段の劣化を防止できる移動体の電源装置を提供する。
【解決手段】燃料電池システム100と蓄電手段105を有する移動体用の電源装置において、前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段111と、前記蓄電装置を冷却する冷媒を流通させる冷却手段108と、前記燃料電池システムと蓄電手段からの電力の出入を制御するとともに、前記冷却手段を用いて冷媒流量を制御する制御手段106とを設け、前記制御手段は、前記燃料電池システムに要求される出力要求値にフィルタ定数に応じたなまし処理を行うフィルタ手段を備え、前記蓄電手段の温度に応じて、前記蓄電手段への冷媒流量と前記なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御する。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池システム100と蓄電手段105を有する移動体用の電源装置において、前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段111と、前記蓄電装置を冷却する冷媒を流通させる冷却手段108と、前記燃料電池システムと蓄電手段からの電力の出入を制御するとともに、前記冷却手段を用いて冷媒流量を制御する制御手段106とを設け、前記制御手段は、前記燃料電池システムに要求される出力要求値にフィルタ定数に応じたなまし処理を行うフィルタ手段を備え、前記蓄電手段の温度に応じて、前記蓄電手段への冷媒流量と前記なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体用の電源装置、特に燃料電池と2次電池等の蓄電手段を搭載した移動体用の電源装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料改質装置を用いた燃料電池システムにおいては、改質装置の特性から水素リッチガス排出までの応答性に制限があるため、運転者の要求に応じて、すなわち車両等移動体の要求負荷変化に追従して水素リッチガスを燃料電池本体に供給することが難しい。また、高圧タンクから燃料(水素)を燃料電池に供給する燃料電池システムにおいても、空気供給系等の応答性の制約により、負荷変化要求に応えることが難しい。
【0003】
このため、移動体(運転者)の要求負荷と燃料電池システムの供給可能負荷との差異を2次電池等の蓄電手段によって補うことが一般的に行われる。
【0004】
しかしながら、2次電池は、一般的に温度依存性を有しており、図24に示すように、2次電池の温度が低い場合には、充放電可能な電力も少なくなるという特性があるため、2次電池の温度が所定温度範囲以外の場合には、燃料電池システムの発電量を制限し、2次電池への充電を禁止する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−34171号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、2次電池の温度が所定温度範囲以外の場合には、燃料電池システムの発電量を制限し、2次電池への充電を禁止するものであり、運転者が要求する負荷変化に対応する役目を、もっぱら2次電池が担っているため、2次電池の適正温度範囲以外の温度、例えば低温時には2次電池の充放電可能電力が低いため、運転者の要求に応じた負荷変化に電源装置として対応できなくなるという問題点がある。
【0007】
したがって、本発明は、温度によらず常に良好な運転性を維持することのできる移動体の電源装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃料電池システムと蓄電手段を有する移動体用の電源装置において、蓄電手段を冷却する冷却手段と前記燃料電池システムに要求される出力要求値にフィルタ定数に応じたなまし処理を行うフィルタ手段を備え、蓄電手段の温度に応じて、蓄電手段への冷媒流量と前記なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御する。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池システムへの出力要求値をなまし処理することで、燃料電池の発電電力の急変を抑制でき、発電効率を向上でき、燃料電池システムを搭載する移動体の燃費を改善できる。一方、なまし処理することにより燃料電池の出力応答性が低下することになる。
【0010】
そこで、本発明では、蓄電手段の温度に基づいて、例えば、蓄電手段が適性に充放電可能な温度範囲にある時にはなまし処理のフィルタ定数を大きくして出力応答性を確保しつつ燃費を良好に保ち、蓄電手段の温度が適正温度より低い時などはフィルタ定数を小さくすることで、多少燃費を犠牲にしても蓄電手段の放電特性の低下を補い、電源装置としての出力応答性の悪化を抑制し、一方で冷媒流量を制御して蓄電手段の温度の早期の適正化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の燃料電池システムの構成を示す構成図である。
【0012】
燃料電池スタック1は、高分子電解質膜とアノードおよびカソードからなる単セルを積層して構成されるもので、アノードに水素を含有する改質ガスが、カソードに空気が供給されて電気化学反応が生じて発電するものである。
【0013】
カソードにはコンプレッサ2から空気が供給され、アノードには改質器3から改質ガスが供給される。改質器3にはコンプレッサ4からの空気が供給されるとともに、燃料タンク5の燃料が燃料ポンプ6の作用によりプレッシャレギュレータ7を介してインジェクタ8から供給される。
【0014】
燃料電池スタック1で発電に供された空気は外部に排出され、改質ガスは排ガスとして燃焼器9に供給され、コンプレッサ14から供給される空気と燃料ポンプ6から燃料分配バルブ6aを介して供給され、インジェクタ9aにより噴射される燃料とともに燃焼し、その燃焼ガスが蒸発器10に送られる。
【0015】
蒸発器10では、水タンク12から水ポンプ13の作用により供給された水(蒸気原料)が流通しており、この水は燃焼器9から供給された高温の燃焼ガスとの間で熱交換され、蒸発して水蒸気となり前述の改質器3に供給される。また、蒸発器10から排出された燃焼ガスは、コンデンサ11に送られて燃焼ガス中の凝縮水を回収される。この凝縮水は前述の水タンク12に貯留される。
【0016】
したがって、改質器3には燃料と空気と水蒸気とが供給されて、これらを用いて改質器3内に収装された改質触媒で改質反応を生じさせ、燃料を改質することができる。
【0017】
さらに燃料電池システムには、このシステムを統合制御するコントローラ15が設置され、またアクセル開度センサ16と2次バッテリのSOC検出センサ17の出力信号、外気温等の各種温度のデータが入力される。コントローラ15は、これら入力信号に基づいて、コンプレッサ2、4、14、燃料ポンプ6、燃料分配バルブ6a、インジェクタ8、9aを制御する。
【0018】
図2は、燃料電池を電力源とする車両の駆動システムの一例を示すものである。燃料電池システム100はDC/DCコンバータ101、パワーマネージャー102を介してインバータ103に接続しており、このインバータ103はモータ/ジェネレータ104に接続されて駆動/回生を可能としている。また、インバータ103には蓄電手段としての2次電池105が接続され、モータへ電力を供給するとともにジェネレータが発電した電力を充電する。また駆動コントローラ106は前述の構成要素から入力された信号に基づいて駆動システムを統合制御する。なお、前述のコントローラ17は、駆動コントローラ106内に包括させてもよい。
【0019】
さらに、図中107は、2次電池105を冷却するための冷風を導くダクトであり、2次電池105の内部に設けられた冷却通路に連通している。このダクト107の上流部には、2次電池105に冷媒を送る冷却用ファン108が装着されていると共に、ダクト107への空気導入量を制限するダクト断面積制御手段109が装着される。
【0020】
また、ダクト内部の温度を計測する温度センサ110と、2次電池105の温度を計測する為の温度センサー111と、2次電池105への充放電電流を測定する電流センサー112が設置されている。
【0021】
このように構成されて、本発明は、図3に示すように、2次電池の温度が所定範囲の条件では、運転者からの要求値(要求負荷)に対して、なまし処理を行うフィルタのフィルタ定数を大きくして行くと、車両としての燃費が向上し、また図4に示すように、2次電池の冷却系の冷媒流量を制御することによって、フィルタ定数を大きくしても、2次電池の温度上昇は抑制できる点に着目してなされたものである。なお、フィルタ定数の増大による燃費の向上は、フィルタ定数を増加させることによって、図5に示した燃料電池システムの効率の高い領域(図5に示す使用領域)の使用頻度が増加するためである。
【0022】
次に、本発明の特徴である2次電池105の温度と冷媒流量とに基づいてなましフィルタのフィルタ定数を設定する点について図6のフローチャートを用いて説明する。この制御はコントローラ15が実施するものである。
【0023】
まずステップ1(図中S1、以下同様)で、車速Vが図示しない車両側の速度センサーから読み込み、ステップ2で2次電池105の温度Temp_bを読み込み、ステップ3で図7に示すようなテーブルから、検出された2次電池105の温度に対して割り付けられた第1フィルタ定数F_r1が読み込まれる。この第1フィルタ定数F_r1は、図7に示すように、2次電池105の温度が低い場合には、2次電池105が許容できる充放電電力が低い為、フィルタ定数F_r1を小さく抑え、燃料電池システム側の負荷追従性を向上させ、2次電池105の充放電電力を低く抑えることが必要である一方、2次電池105の温度が高い場合にも、充放電に伴う2次電池105の発熱を抑えるように設定される。
【0024】
続くステップ4では、図8に示すテーブルから2次電池105の温度に対して割り付けられた2次電池105の冷媒流量基準値Cf_r0を読み込む。この基準値Cf_r0は、2次電池105の温度が高いほど、2次電池105を冷却する冷媒量を増加させ、冷却を促進するように設定される。
【0025】
ステップ5では、図9に示すテーブルから車速Vに対して割り付けられた車速補正値C_cfVを読み込む。この車速補正値C_cfVは、2次電池105の冷却用の空気導入口が車両前面に装着されていることを前提にしたとき、車両速度Vが速くなると、車両の走行に伴って導入される空気量が増加する為、ファン108を駆動して導入しなければならない流量は減少し、車両速度の増加と共のC_cfVは小さい値(C_cfV<1)となるが、ある車両速度以上V1となると、ファン108自体が通気抵抗となるため、C_cfVの値は増加傾向に転じるように設定される。
【0026】
そして、ステップ6で2次電池105の冷媒流量車速補正値がCf_r1=Cf_r0×C_cfVとして演算され、本ルーチンを終了する。
【0027】
したがって、このような制御により、2次電池105の温度に応じて、2次電池105を冷却する冷却手段(冷却用ファン108等)の冷媒流量を制御する。ここで、燃料電池スタック1から出力される電流値を、移動体の電源装置への要求負荷に対してなまし処理を行うフィルタを有し、2次電池105の温度に応じて、2次電池105への冷媒流量と、なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御するため、2次電池105の温度に基づいて、2次電池105の温度を適正な温度範囲に維持しながら、燃費が良好となるフィルタ定数を選定することができる。したがって、如何なる温度領域でも常に移動体の運転性を確保することができるとともに、適正温度範囲でのフィルタ定数の増大により燃費を向上することができる。
【0028】
図10のフローチャートは、図6のステップ2で読み込む2次電池105の温度の算出法に関するもので、ステップ7で実際に2次電池105に設置された温度センサー111の出力を用いて、2次電池105の温度Temp_bを読み込むものである。温度センサー111は2次電池105の内部または外表面温度を検出する。したがって、実際の2次電池105の温度に基づいて図6に示す制御を実行できるという効果がある。
【0029】
図11は、2次電池105の温度を2次電池105の充放電電力と燃料電池システムの外部温度と2次電池105を冷却する冷媒流量に基づいて推定するためのフローチャートである。
【0030】
まずステップ11では、2次電池105に入出力される電流値Aを電流センサー112から読み込み、ステップ12で温度演算の前回値Temp_b−1を読み込み、続くステップ13で、Temp_bに対して割りつけられた2次電池105の内部抵抗値Rが温度Temp_b−1に応じて読み込まれる。この内部抵抗Rは、例えば図12のような特性に設定される。更にステップ14で発熱量Wが、W=a^2×Rとして演算され、ステップ15で導入される冷媒温度Temp_eがダクト107に設定された温度センサー110から読み込まれる。なお、冷媒として空気を用いる場合には、空気温度は燃料電池システムを取り巻く外部の雰囲気温度と略同じであり、この外部温度としてもよい。
【0031】
次に、ステップ17で、最終的な冷媒流量Cf_final(ファン108によって導入される分)が読み込まれ、更に、前記の車速補正値C_cfVが読み込まれ、Cf_finalをC_cfVを割り算することによって、2次電池105に流れる実際の冷媒(空気)流量相当値を演算し、ステップ18で前ステップまでに演算した値を基に、すなわち、温度の前回値Temp_b−1と、2次電池105の発熱量Wと、冷媒の流量Cf_finalと、及び冷媒温度Temp_eによって今回の2次電池105の温度予測値Temp_bが演算され、本ルーチンを終了する。
【0032】
尚、最終的な冷媒流量Cf_finalについては、後述する(図19参照のこと)。
【0033】
したがって、2次電池105の温度を、蓄電手段の充放電電力と外部環境温度と冷媒流量に基づいて推定するため、2次電池105に温度センサー等を装着することがなくコストを低減しつつ、図6に示す制御を実行することができる。
【0034】
図13は、2次電池105の温度変化量に基づいて2次電池の到達温度を演算し、この到達温度からフィルタ定数と冷媒流量を設定するためのフローチャートである。
【0035】
まずステップ21で、車速Vを図示しない車両側のセンサーから読み込み、ステップ2で2次電池105の温度Temp_bを読み込む。ステップ23で所定時間前の2次電池温度Temp_b−xを読み込み、ステップ24で所定時間内での2次電池105の温度変化量ΔTemp_bを演算する。
【0036】
次に、ステップ25で到達予測温度Temp_preが演算される。この演算は、ステップ24で演算された温度変化量ΔTemp_bに対して所定の係数βを掛けた値を、Temp_bに加算して演算される。これによって、熱慣性の大きな2次電池105について、今までの温度履歴(変化)に基づいて、所定時間後に到達し得る温度を予測する。
【0037】
ステップ26からステップ29は、図6のステップ3からステップ6と同様であるが、Temp_bの代わりに、到達予測温度Temp_preを用いていることのみが相違する。
【0038】
したがって、このような制御とすることで、2次電池105の温度変化ΔTemp_bに基づく到達予測温度Temp_preに基づいて、2次電池105を冷却する冷媒流量を用いてなましフィルタのフィルタ定数を制御するため、熱容量が大きく温度の変化速度が小さい2次電池105に対して、予測される温度に基づいて事前に冷媒流量とフィルタ定数が制御されるため、温度の検出遅れ等によって2次電池105が過昇温されることが防止され、2次電池105の劣化を抑制できる。
【0039】
次に図14のフローチャートを説明する。このフローチャートは、2次電池105の温度によってフィルタ定数を切り換えるようにする制御について説明するものである。
【0040】
まずステップ31で2次電池105の温度Temp_bが読み込み、ステップ32で第1の所定温度Th_tmp1との比較が行われる。ここで、第1所定温度Th_tmp1は、2次電池105の適正温度の下限値である。そして、所定の温度Th_tmp1より、2次電池温度Temp_bが低いと判断された場合には、ステップ33に進む。
【0041】
ステップ33では、2次電池105を冷却するダクト107を閉じる閉信号が出力される。これによって、ダクト107への冷媒としての空気導入量を制限するダクト断面積制御手段109が閉弁され、2次電池105への空気導入が制限ざれる。そしてステップ34で、補正値C_cfFが読み込まれる。この補正値C_cfFは、例えば、図15に示すようなテーブルから、車速Vに対して割り付けられた値として求められる。図15に示す特性は、車速Vの増加によって、ダクト107内を通過する空気量が若干増加するが、これは空気導入を制限したとしても、ダクト断面積制御手段としてバルブの隙間などから漏れるためである。
【0042】
次にステップ35で、冷媒補正流量Cf_r2=Cf_r1×C_cfFとして、ダクト断面積を制限した状態での冷媒流量が演算される。さらにステップ36で、2次電池105の冷却系の駆動損失を表すPout_CfWが0(つまり冷却用ファンが停止状態)とし、ステップ37でなましフィルタの第2フィルタ定数F_r2に第1フィルタ定数F_r1より小さい固定値F_fixCが代入され、ステップ38で低温状態であることを示すフラグFlag_Coldをセットする。
【0043】
一方、ステップ32で2次電池105の温度が第1の所定値Th_tmp1以上と判断された場合には、ステップ39に進む。ステップ39では、ダクト107を開く開信号が出力され、ダクト107への空気導入量を制限するダクト断面積制御手段109を開弁する。次にステップ40で、冷媒流量Cf_r1の値が、冷媒補正流量Cf_r2に入力され、ステップ41に進む。
【0044】
ステップ41では、第1所定温度Th_tmp1より高い第2所定温度Th_tmp2と2次電池温度Temp_bの比較が行われる。ここで、第2所定温度Th_tmp2は2次電池105の適正温度の上限値である。2次電池温度Temp_bが第2所定温度Th_tmp2より高い、すなわち2次電池105の温度が適正温度より高いと判断された場合、ステップ42で第2フィルタ定数F_r2に第1フィルタ定数F_r1より小さい固定値F_fixHが代入され、ステップ43で高温状態であることを示すフラグFlag_Hotをセットする。
【0045】
また、ステップ41で第2所定温度Th_tmp2以下、すなわち第1所定温度Th_tmp1以上で第2所定温度Th_tmp2以下の2次電池温度が適正範囲であると判断された場合には、ステップ44、ステップ45でフラグFlag_Cold、Flag_Hotをリセットし、ステップ46で前述の第1フィルタ定数F_r1が第2フィルタ定数F_r2に代入され、本ルーチンを終了する。
【0046】
したがって、この制御により、2次電池105の温度が、第1所定温度より低い場合には、2次電池105を冷却する冷媒流量を減ずると共に、第2フィルタ定数を第1フィルタ定数より小さくするため、2次電池105が適正温度より低温の状態、すなわち2次電池105の充放電可能電力が低い場合には、フィルタ定数を第1フィルタ定数F_r1より小さくすることにより、燃料電池システムの負荷追従性を向上させ、運転者の要求する負荷変化に対応できることが可能となるばかりで無く、2次電池105への充放電電力を減少させる一方、2次電池105を冷却する冷媒の流量を減じる為、2次電池105の冷却を抑制可能となる。このような制御を行うことにより、適正な範囲内での充放電によって、2次電池105の昇温が可能となり、早期に2次電池105の温度を適正な状態にすることが可能となる。
【0047】
すなわち、2次電池105の充放電可能量が通常の(適正な温度の)状態に早期に復帰させることによって、なましフィルタの適正化による燃費向上効果が得られるばかりでなく、減速時のエネルギー回生量も多く出来る為、燃費向上の効果を大きくすることができる。
【0048】
また、2次電池105の温度が、第2所定温度より高い場合には、なましフィルタの第2フィルタ定数を第1フィルタ定数より小さくするため、2次電池の温度が高温状態においては、2次電池の冷却を促進する効果がある。
【0049】
図16に示すフローチャートは、要求負荷の変化率と燃料電池の発電量とに基づいてフィルタ定数を設定する制御を説明するものである。
【0050】
まずステップ51で、アクセルペダル開度APOがAPOセンサー16から読み込まれ、ステップ52で運転者が求める駆動装置への要求負荷T_kWが演算される。ここでは、例えば図17に示すようなテーブルからAPOに対して割り付けられた要求負荷T_kWを読み込む。
【0051】
次にステップ53で負荷変化率ΔT_kWが、所定時間前のT_kW−1と今回値T_kWとの差として求められる。続く、ステップ54とステップ55では、DC/DCコンバータ101への入力電流と入力電圧を読み込み、ステップ56で燃料電池スタック1の発電電力kWを演算する。
【0052】
ステップ57では、燃料電池スタック1の発電電力kWが第1の所定負荷Th_kW1と比較される。第1の所定負荷Th_kW1より大きい場合に燃料電池スタック1の運転状態は高負荷状態と判定される。Th_kW1より大きい場合にはステップ58に進み、Th_kW1以下の場合にはステップ59に進む。
【0053】
ステップ58で負荷変化率ΔT_kWが負、すなわち、所定の高負荷領域での運転状態からのダウントランジェント(つまり、燃料電池システムの発電電力が減少状態にある)と判断された場合にはステップ63に進み、第3フィルタ定数F_r3に第1フィルタ定数F_r1より小さい固定値F_fixDを代入し、制御を終える。ここで固定値F_fixDは、他の固定値F_fixC、F_fixHより小さい値とする。
【0054】
一方、負荷変化率ΔT_kWがアップトランジェント(つまり、燃料電池システムの発電電力が増加状態にある)または不変の場合にはステップ59に進む。ステップ59で、発電電力kW≧第2の所定負荷Th_kW2、且つ、kW≦Th_kW1かどうかの判断が行われる。燃料電池システムの効率は図 に示すように所定の負荷範囲で効率が高くなり、第1、第2所定負荷は、この燃料電池スタックの高効率運転が可能な負荷範囲から設定されるものである。ここで、条件が成立する場合、すなわち所定の負荷範囲で燃料電池システムが運転されていると判断された場合には、ステップ64で第3フィルタ定数F_r3に第2フィルタ定数F_r2が代入され、制御を終える。
【0055】
一方、ステップ59で不成立の場合、すなわち所定の負荷範囲以外の領域で燃料電池スタック1が運転されていると判断された場合には、ステップ60で第3フィルタ定数の前回値F_r3−1が読み込まれ、ステップ61で第3フィルタ補正値C_F3を読み込み、ステップ62で第3フィルタ定数の前回値F_r3−1に第3フィルタ補正値C_F3が掛け算された値を第3フィルタ定数F_r3として、本ルーチンを終了する。
【0056】
尚、第3フィルタ補正値C_F3の値は、例えば図18に示すように第2所定負荷Th−kW2未満、及び第1所定負荷Th_kW1以上のような設定となっている。このため、発電電力kWに対して、図18に示す特性を割り付けておけば、ステップ59の判断を無くすことができる。
【0057】
したがって、移動体用電源装置への要求負荷の変化速度と運転負荷範囲に応じて、少なくとも前記なましフィルタのフィルタ定数を補正制御する構成の移動体用の電源装置としたため、例えば燃料電池システムが、低負荷運転連続、又は高負荷運転連続状態から運転負荷要求が変化した場合に、早い応答性で、燃料電池システムの効率が高い運転条件に運転負荷を遷移させることが可能となり、移動体用の電源装置としての効率を高めることが可能となる。
【0058】
また、燃料電池システムの第1の所定負荷からの負荷変化がダウントランジェント時には、第3フィルタ定数を所定値まで減ずるため、高負荷運転連続の状態から、早い応答性で燃料電池システムの効率の高い運転状態に復帰させることが可能となる。特に、改質装置を有する燃料電池システムにあっては、アップトランジェント側の応答性は、蒸発器等の応答性によって制約され、実現できる応答性には制限があるが、ダウントランジェント側は、蒸発器の応答性に制約を受けることなく速い応答性を確保することも可能である為、燃料電池システムを含む移動体用電源システム全体の効率を向上させることが可能となる。
【0059】
次に図19のフローチャートについて説明する。このフローチャートは、冷却用ファン108等の冷却系統の駆動損失と2次電池105の充放電損失(発熱)に応じてフィルタ定数を設定するものである。
【0060】
まずステップ71で、2次電池105に入出力される電流値Aを、電流センサー112から読み込み、ステップ72で前回の2次電池105の温度の演算結果Temp_b−1を読み込み、ステップ73で、図12に示すようなテーブルを用いて2次電池温度Temp_bに対して割りつけられた2次電池105の内部抵抗値Rを温度Temp_b−1に応じて読み込む。ステップ74で充放電損失Wが、W=A^2×Rとして演算される。
【0061】
次に、ステップ75でフラグFlag_Coldがセットされているか否か判断し、セットされていた場合、すなわち2次電池105の適正温度より低温条件であったと判断された場合には、ステップ86で最終フィルタ定数F_finalを、前述の固定値(F_r2=F_fixC)が代入された第3フィルタ定数F_r3とする。すなわち、ここでは、後述するステップ77以降の演算を行わず、且つ、冷媒流量を制限した状態で、フィルタ定数を小さな固定として出力する構成となる。
【0062】
一方、ステップ75でフラグFlag_Coldがセットされていない場合ステップ76に進み、ステップ76でフラグFlag_Hotがセットされているか否かの判断が行われ、セットされている場合には、ステップ86に進む。すなわち2次電池105が適正温度より高温となっていると判断された場合には、ステップ86で最終フィルタ定数F_finalを、前述の固定値(F_r2=F_fixH)が代入された第3フィルタ定数F_r3とする。すなわち、ここでは、後述するステップ77以降の演算を行わず、且つ、冷媒流量が2次電池105の温度に応じて高流量に制御された状態で、フィルタ定数を第1フィルタ定数F_r1より小さな固定値F_fixHとして出力する構成となる。
【0063】
ステップ76でフラグFlag_Hotがセットされていない場合ステップ77に進み、ステップ77に進んだ場合には、2次電池冷媒流量Cf_r2が読み込まれ、ステップ78で2次電池冷却系の駆動損失Pout_CfWが、例えば図20に示されるようなテーブルから読み込まれる。
【0064】
尚、実際に冷却手段(ファン108)のモータに要求された電力を検出して良く、この場合には、ステップ79の制御内容となる。
【0065】
更に、ステップ80で充放電損失Wと所定値αの加算値と駆動損失Pout_CfWの比較が為され、冷却系の駆動損失Pout_CfWが充放電損失の所定範囲より大きい場合には、ステップ81でその差Xを駆動損失Pout_CfWから充放電損失Wと所定値αを減じて演算し、この差Xに基づいて、ステップ82でフィルタ補正値C_F4が、例えば、図21に示すテーブルから読み込まれ、ステップ84で最終フィルタ定数F_finalが、F_final=F_r3×C_F4として演算される。
【0066】
したがって、冷却系の駆動損失Pout_CfWが充放電損失Wより大きい場合には、フィルタ定数を小さくしていくこととなり、結果として2次電池105の充放電損失をさらに低下させることとなる。これによって、2次電池105の発熱量も低下し、結果として冷媒流量は図16までのフローチャートによって、温度等に基づいて制御されるため、冷媒流量も低減され、冷媒の駆動損失も低減されることとなり、冷却系の駆動損失が2次電池105の充放電損失を上回らないように制御される。
【0067】
尚、所定値αは、実験等解析結果に基づくものであり、図3に示したように、なましフィルタを増加し、冷却損失も増加させるとともに、冷却系の損失を含んだ燃費を向上するよう設定する。
【0068】
そして、ステップ84で、これまでに計算された冷媒流量Cf_r2が最終的な要求冷媒流量(ファンによる導入分)Cf_finalに代入され、ステップ85で2次電池冷却系駆動信号Out_CfWとして出力される。この場合、駆動電力としてOut_CfWを求めているが、例えばデューティ比のような形でも良い。尚、駆動電力とした場合には、図22に示すテーブルからのルックアップ値でよい。
【0069】
一方、ステップ80で冷却系の駆動損失Pout_CfWが充放電損失の所定範囲以下の場合には、ステップ86に進み、最終フィルタ定数F_finalを第3フィルタ定数F_r3とする。
【0070】
したがって、2次電池冷却系の駆動損失を2次電池105の充放電損失より小さくなるようにフィルタ定数を設定するため、2次電池105の冷却に伴う駆動損失によって、移動体用の電源装置全体としての効率が低下することが防止できる。
【0071】
すなわち、2次電池105の充放電損失は、基本的には内部抵抗と入出力電流によって決まる(発生熱量になる)一方、2次電池105の温度は、2次電池105を冷却する冷媒流量と2次電池105の発熱によって主に決まる。
【0072】
このため、冷媒流量を多くすることによって、2次電池105の温度は劣化が促進される温度以下に抑えることは可能であるが、充放電損失量は、なましフィルタのフィルタ定数の増加と共に増大する為(2次電池105に出し入れされる電力量が増加する為)、冷媒を流す為の駆動損失が2次電池105の充放電損失を所定値以上とすると、フィルタ定数を大きくすることによって得られる燃費の改善代が2次電池105の冷却系駆動損失によって相殺されてしまうことになる。しかしながら本発明により、2次電池105の充放電に伴う損失を冷却系の駆動損失が上回ることを防止でき、移動体用の電源装置全体としての効率が低下することが防止できる。
【0073】
また、2次電池105の温度が、第2の所定検知温度より高い場合には、フィルタ定数を第1フィルタ定数より小さくすると共に、2次電池105を冷却する冷媒系の駆動損失が、2次電池105の充放電損失を超えるため、2次電池105の温度が高温状態においては、2次電池105の冷却を促進させながら、1次電池105の発熱の基となる充放電電力を小さくすることが可能となり、2次電池105を早期に適正な温度まで冷却することが可能となり、2次電池105の劣化を抑制できる効果がある。
【0074】
次に図23のフローチャートは、今回演算されたなましフィルタのフィルタ定数の使われ方について説明するものである。
【0075】
ステップ91で各種センサーの信号を読み込み、ステップ92で、アクセルペダル開度APOを読み込む。更にステップ93で、アクセルペダル開度APOから前述のように要求負荷T_kWが演算される。
【0076】
ステップ94では、要求負荷T_kWに対応した、すなわち要求負荷相当の電力kWを燃料電池に発電させるために必要な水素リッチガスを改質反応によって発生させるために、改質器3に導入する空気量が演算され、ステップ95、ステップ96では同様に、要求負荷に対応した改質器3に供給する燃料量と水蒸気量が演算される。
【0077】
ステップ97からステップ99では、改質器3に必要な水蒸気を発生させるために、燃焼器9に供給する燃料量、空気量、及び液状の水量が演算される。次に、ステップ100で燃料電池スタック1のカソード側に供給すべき空気量が演算される。
【0078】
ステップ101で、前述のフィルタ定数F_finalを読み込み、それぞれの要求負荷に対応した目標値に対して、ステップ102からステップ108で各構成を制御するためのなまし処理を行う。
【0079】
ここで演算は、例えば、カソード側に供給する空気の実際に供給する空気量をAir、ステップ100で演算された要求負荷に対応した空気量をD_Airとした場合、
Air=D_Air(F_final)+Air−1
として演算される、尚、Air−1は、1演算サイクル前のAirの前回値である。そして、これらの演算結果は、ステップ102からステップ108でそれぞれの制御アクチュエータに出力される。
【0080】
尚、燃焼器9からの水蒸気は、改質器3への空気や燃料に対して送れ時間を有するため、この遅れ分は改質器3への空気&燃料、及び燃料電池カソード側への空気量を制御するアクチュエータへの出力に遅れを持たせることで対応する。
【0081】
以上により、運転者が要求する負荷に対して、なましフィルタ処理を行った出力として水素、空気が燃料電池に供給される為、燃料電池の発電電力も同様になましフィルタ処理された状態となる。このため、運転者が要求する負荷と燃料電池が供給できる電力との間には差異が生じることとなるが、この差分が、蓄電手段(2次電池)105から給電、または充電されることによって、運転者の要求する負荷変化に対応可能となる。
【0082】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する燃料電池システムの構成を示す構成図である。
【図2】車両の駆動システムの構成図である。
【図3】フィルタ定数と燃費との関係を示す図である。
【図4】走行パターンによる2次電池温度履歴を説明する図である。
【図5】燃料電池スタック1からの取り出し電流と発電効率の関係を示す図である。
【図6】なましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図7】2次電池温度と第1フィルタ定数の関係を示す図である。
【図8】2次電池温度と冷媒流量との関係示す図である。
【図9】車速と車速補正値との関係を示す図である。
【図10】2次電池温度を読み込むフローチャートである図である。
【図11】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図12】2次電池温度と内部抵抗の関係を示す図である。
【図13】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図14】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図15】車速と補正係数の関係を示す図である。
【図16】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図17】アクセルペダル開度と要求負荷の関係を示す図である。
【図18】所定負荷と補正値との関係を示す図である。
【図19】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図20】冷媒流量と駆動損失の関係を示す図である。
【図21】充放電損失と所定値のと加算値と駆動損失との差と補正値との関係を示すテーブルである。
【図22】冷媒流量と駆動電力との関係を示す図である。
【図23】なましフィルタのフィルタ定数の使われ方について説明するフローチャートである。
【図24】2次電池温度と入出力可能電力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
3 改質器
5 燃料タンク
9 燃焼器
10 蒸発器
11 コンデンサ
12 水タンク
15 コントローラ
100 燃料電池システム
105 2次電池(蓄電手段)
108 冷却用ファン
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体用の電源装置、特に燃料電池と2次電池等の蓄電手段を搭載した移動体用の電源装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料改質装置を用いた燃料電池システムにおいては、改質装置の特性から水素リッチガス排出までの応答性に制限があるため、運転者の要求に応じて、すなわち車両等移動体の要求負荷変化に追従して水素リッチガスを燃料電池本体に供給することが難しい。また、高圧タンクから燃料(水素)を燃料電池に供給する燃料電池システムにおいても、空気供給系等の応答性の制約により、負荷変化要求に応えることが難しい。
【0003】
このため、移動体(運転者)の要求負荷と燃料電池システムの供給可能負荷との差異を2次電池等の蓄電手段によって補うことが一般的に行われる。
【0004】
しかしながら、2次電池は、一般的に温度依存性を有しており、図24に示すように、2次電池の温度が低い場合には、充放電可能な電力も少なくなるという特性があるため、2次電池の温度が所定温度範囲以外の場合には、燃料電池システムの発電量を制限し、2次電池への充電を禁止する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−34171号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、2次電池の温度が所定温度範囲以外の場合には、燃料電池システムの発電量を制限し、2次電池への充電を禁止するものであり、運転者が要求する負荷変化に対応する役目を、もっぱら2次電池が担っているため、2次電池の適正温度範囲以外の温度、例えば低温時には2次電池の充放電可能電力が低いため、運転者の要求に応じた負荷変化に電源装置として対応できなくなるという問題点がある。
【0007】
したがって、本発明は、温度によらず常に良好な運転性を維持することのできる移動体の電源装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃料電池システムと蓄電手段を有する移動体用の電源装置において、蓄電手段を冷却する冷却手段と前記燃料電池システムに要求される出力要求値にフィルタ定数に応じたなまし処理を行うフィルタ手段を備え、蓄電手段の温度に応じて、蓄電手段への冷媒流量と前記なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御する。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池システムへの出力要求値をなまし処理することで、燃料電池の発電電力の急変を抑制でき、発電効率を向上でき、燃料電池システムを搭載する移動体の燃費を改善できる。一方、なまし処理することにより燃料電池の出力応答性が低下することになる。
【0010】
そこで、本発明では、蓄電手段の温度に基づいて、例えば、蓄電手段が適性に充放電可能な温度範囲にある時にはなまし処理のフィルタ定数を大きくして出力応答性を確保しつつ燃費を良好に保ち、蓄電手段の温度が適正温度より低い時などはフィルタ定数を小さくすることで、多少燃費を犠牲にしても蓄電手段の放電特性の低下を補い、電源装置としての出力応答性の悪化を抑制し、一方で冷媒流量を制御して蓄電手段の温度の早期の適正化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の燃料電池システムの構成を示す構成図である。
【0012】
燃料電池スタック1は、高分子電解質膜とアノードおよびカソードからなる単セルを積層して構成されるもので、アノードに水素を含有する改質ガスが、カソードに空気が供給されて電気化学反応が生じて発電するものである。
【0013】
カソードにはコンプレッサ2から空気が供給され、アノードには改質器3から改質ガスが供給される。改質器3にはコンプレッサ4からの空気が供給されるとともに、燃料タンク5の燃料が燃料ポンプ6の作用によりプレッシャレギュレータ7を介してインジェクタ8から供給される。
【0014】
燃料電池スタック1で発電に供された空気は外部に排出され、改質ガスは排ガスとして燃焼器9に供給され、コンプレッサ14から供給される空気と燃料ポンプ6から燃料分配バルブ6aを介して供給され、インジェクタ9aにより噴射される燃料とともに燃焼し、その燃焼ガスが蒸発器10に送られる。
【0015】
蒸発器10では、水タンク12から水ポンプ13の作用により供給された水(蒸気原料)が流通しており、この水は燃焼器9から供給された高温の燃焼ガスとの間で熱交換され、蒸発して水蒸気となり前述の改質器3に供給される。また、蒸発器10から排出された燃焼ガスは、コンデンサ11に送られて燃焼ガス中の凝縮水を回収される。この凝縮水は前述の水タンク12に貯留される。
【0016】
したがって、改質器3には燃料と空気と水蒸気とが供給されて、これらを用いて改質器3内に収装された改質触媒で改質反応を生じさせ、燃料を改質することができる。
【0017】
さらに燃料電池システムには、このシステムを統合制御するコントローラ15が設置され、またアクセル開度センサ16と2次バッテリのSOC検出センサ17の出力信号、外気温等の各種温度のデータが入力される。コントローラ15は、これら入力信号に基づいて、コンプレッサ2、4、14、燃料ポンプ6、燃料分配バルブ6a、インジェクタ8、9aを制御する。
【0018】
図2は、燃料電池を電力源とする車両の駆動システムの一例を示すものである。燃料電池システム100はDC/DCコンバータ101、パワーマネージャー102を介してインバータ103に接続しており、このインバータ103はモータ/ジェネレータ104に接続されて駆動/回生を可能としている。また、インバータ103には蓄電手段としての2次電池105が接続され、モータへ電力を供給するとともにジェネレータが発電した電力を充電する。また駆動コントローラ106は前述の構成要素から入力された信号に基づいて駆動システムを統合制御する。なお、前述のコントローラ17は、駆動コントローラ106内に包括させてもよい。
【0019】
さらに、図中107は、2次電池105を冷却するための冷風を導くダクトであり、2次電池105の内部に設けられた冷却通路に連通している。このダクト107の上流部には、2次電池105に冷媒を送る冷却用ファン108が装着されていると共に、ダクト107への空気導入量を制限するダクト断面積制御手段109が装着される。
【0020】
また、ダクト内部の温度を計測する温度センサ110と、2次電池105の温度を計測する為の温度センサー111と、2次電池105への充放電電流を測定する電流センサー112が設置されている。
【0021】
このように構成されて、本発明は、図3に示すように、2次電池の温度が所定範囲の条件では、運転者からの要求値(要求負荷)に対して、なまし処理を行うフィルタのフィルタ定数を大きくして行くと、車両としての燃費が向上し、また図4に示すように、2次電池の冷却系の冷媒流量を制御することによって、フィルタ定数を大きくしても、2次電池の温度上昇は抑制できる点に着目してなされたものである。なお、フィルタ定数の増大による燃費の向上は、フィルタ定数を増加させることによって、図5に示した燃料電池システムの効率の高い領域(図5に示す使用領域)の使用頻度が増加するためである。
【0022】
次に、本発明の特徴である2次電池105の温度と冷媒流量とに基づいてなましフィルタのフィルタ定数を設定する点について図6のフローチャートを用いて説明する。この制御はコントローラ15が実施するものである。
【0023】
まずステップ1(図中S1、以下同様)で、車速Vが図示しない車両側の速度センサーから読み込み、ステップ2で2次電池105の温度Temp_bを読み込み、ステップ3で図7に示すようなテーブルから、検出された2次電池105の温度に対して割り付けられた第1フィルタ定数F_r1が読み込まれる。この第1フィルタ定数F_r1は、図7に示すように、2次電池105の温度が低い場合には、2次電池105が許容できる充放電電力が低い為、フィルタ定数F_r1を小さく抑え、燃料電池システム側の負荷追従性を向上させ、2次電池105の充放電電力を低く抑えることが必要である一方、2次電池105の温度が高い場合にも、充放電に伴う2次電池105の発熱を抑えるように設定される。
【0024】
続くステップ4では、図8に示すテーブルから2次電池105の温度に対して割り付けられた2次電池105の冷媒流量基準値Cf_r0を読み込む。この基準値Cf_r0は、2次電池105の温度が高いほど、2次電池105を冷却する冷媒量を増加させ、冷却を促進するように設定される。
【0025】
ステップ5では、図9に示すテーブルから車速Vに対して割り付けられた車速補正値C_cfVを読み込む。この車速補正値C_cfVは、2次電池105の冷却用の空気導入口が車両前面に装着されていることを前提にしたとき、車両速度Vが速くなると、車両の走行に伴って導入される空気量が増加する為、ファン108を駆動して導入しなければならない流量は減少し、車両速度の増加と共のC_cfVは小さい値(C_cfV<1)となるが、ある車両速度以上V1となると、ファン108自体が通気抵抗となるため、C_cfVの値は増加傾向に転じるように設定される。
【0026】
そして、ステップ6で2次電池105の冷媒流量車速補正値がCf_r1=Cf_r0×C_cfVとして演算され、本ルーチンを終了する。
【0027】
したがって、このような制御により、2次電池105の温度に応じて、2次電池105を冷却する冷却手段(冷却用ファン108等)の冷媒流量を制御する。ここで、燃料電池スタック1から出力される電流値を、移動体の電源装置への要求負荷に対してなまし処理を行うフィルタを有し、2次電池105の温度に応じて、2次電池105への冷媒流量と、なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御するため、2次電池105の温度に基づいて、2次電池105の温度を適正な温度範囲に維持しながら、燃費が良好となるフィルタ定数を選定することができる。したがって、如何なる温度領域でも常に移動体の運転性を確保することができるとともに、適正温度範囲でのフィルタ定数の増大により燃費を向上することができる。
【0028】
図10のフローチャートは、図6のステップ2で読み込む2次電池105の温度の算出法に関するもので、ステップ7で実際に2次電池105に設置された温度センサー111の出力を用いて、2次電池105の温度Temp_bを読み込むものである。温度センサー111は2次電池105の内部または外表面温度を検出する。したがって、実際の2次電池105の温度に基づいて図6に示す制御を実行できるという効果がある。
【0029】
図11は、2次電池105の温度を2次電池105の充放電電力と燃料電池システムの外部温度と2次電池105を冷却する冷媒流量に基づいて推定するためのフローチャートである。
【0030】
まずステップ11では、2次電池105に入出力される電流値Aを電流センサー112から読み込み、ステップ12で温度演算の前回値Temp_b−1を読み込み、続くステップ13で、Temp_bに対して割りつけられた2次電池105の内部抵抗値Rが温度Temp_b−1に応じて読み込まれる。この内部抵抗Rは、例えば図12のような特性に設定される。更にステップ14で発熱量Wが、W=a^2×Rとして演算され、ステップ15で導入される冷媒温度Temp_eがダクト107に設定された温度センサー110から読み込まれる。なお、冷媒として空気を用いる場合には、空気温度は燃料電池システムを取り巻く外部の雰囲気温度と略同じであり、この外部温度としてもよい。
【0031】
次に、ステップ17で、最終的な冷媒流量Cf_final(ファン108によって導入される分)が読み込まれ、更に、前記の車速補正値C_cfVが読み込まれ、Cf_finalをC_cfVを割り算することによって、2次電池105に流れる実際の冷媒(空気)流量相当値を演算し、ステップ18で前ステップまでに演算した値を基に、すなわち、温度の前回値Temp_b−1と、2次電池105の発熱量Wと、冷媒の流量Cf_finalと、及び冷媒温度Temp_eによって今回の2次電池105の温度予測値Temp_bが演算され、本ルーチンを終了する。
【0032】
尚、最終的な冷媒流量Cf_finalについては、後述する(図19参照のこと)。
【0033】
したがって、2次電池105の温度を、蓄電手段の充放電電力と外部環境温度と冷媒流量に基づいて推定するため、2次電池105に温度センサー等を装着することがなくコストを低減しつつ、図6に示す制御を実行することができる。
【0034】
図13は、2次電池105の温度変化量に基づいて2次電池の到達温度を演算し、この到達温度からフィルタ定数と冷媒流量を設定するためのフローチャートである。
【0035】
まずステップ21で、車速Vを図示しない車両側のセンサーから読み込み、ステップ2で2次電池105の温度Temp_bを読み込む。ステップ23で所定時間前の2次電池温度Temp_b−xを読み込み、ステップ24で所定時間内での2次電池105の温度変化量ΔTemp_bを演算する。
【0036】
次に、ステップ25で到達予測温度Temp_preが演算される。この演算は、ステップ24で演算された温度変化量ΔTemp_bに対して所定の係数βを掛けた値を、Temp_bに加算して演算される。これによって、熱慣性の大きな2次電池105について、今までの温度履歴(変化)に基づいて、所定時間後に到達し得る温度を予測する。
【0037】
ステップ26からステップ29は、図6のステップ3からステップ6と同様であるが、Temp_bの代わりに、到達予測温度Temp_preを用いていることのみが相違する。
【0038】
したがって、このような制御とすることで、2次電池105の温度変化ΔTemp_bに基づく到達予測温度Temp_preに基づいて、2次電池105を冷却する冷媒流量を用いてなましフィルタのフィルタ定数を制御するため、熱容量が大きく温度の変化速度が小さい2次電池105に対して、予測される温度に基づいて事前に冷媒流量とフィルタ定数が制御されるため、温度の検出遅れ等によって2次電池105が過昇温されることが防止され、2次電池105の劣化を抑制できる。
【0039】
次に図14のフローチャートを説明する。このフローチャートは、2次電池105の温度によってフィルタ定数を切り換えるようにする制御について説明するものである。
【0040】
まずステップ31で2次電池105の温度Temp_bが読み込み、ステップ32で第1の所定温度Th_tmp1との比較が行われる。ここで、第1所定温度Th_tmp1は、2次電池105の適正温度の下限値である。そして、所定の温度Th_tmp1より、2次電池温度Temp_bが低いと判断された場合には、ステップ33に進む。
【0041】
ステップ33では、2次電池105を冷却するダクト107を閉じる閉信号が出力される。これによって、ダクト107への冷媒としての空気導入量を制限するダクト断面積制御手段109が閉弁され、2次電池105への空気導入が制限ざれる。そしてステップ34で、補正値C_cfFが読み込まれる。この補正値C_cfFは、例えば、図15に示すようなテーブルから、車速Vに対して割り付けられた値として求められる。図15に示す特性は、車速Vの増加によって、ダクト107内を通過する空気量が若干増加するが、これは空気導入を制限したとしても、ダクト断面積制御手段としてバルブの隙間などから漏れるためである。
【0042】
次にステップ35で、冷媒補正流量Cf_r2=Cf_r1×C_cfFとして、ダクト断面積を制限した状態での冷媒流量が演算される。さらにステップ36で、2次電池105の冷却系の駆動損失を表すPout_CfWが0(つまり冷却用ファンが停止状態)とし、ステップ37でなましフィルタの第2フィルタ定数F_r2に第1フィルタ定数F_r1より小さい固定値F_fixCが代入され、ステップ38で低温状態であることを示すフラグFlag_Coldをセットする。
【0043】
一方、ステップ32で2次電池105の温度が第1の所定値Th_tmp1以上と判断された場合には、ステップ39に進む。ステップ39では、ダクト107を開く開信号が出力され、ダクト107への空気導入量を制限するダクト断面積制御手段109を開弁する。次にステップ40で、冷媒流量Cf_r1の値が、冷媒補正流量Cf_r2に入力され、ステップ41に進む。
【0044】
ステップ41では、第1所定温度Th_tmp1より高い第2所定温度Th_tmp2と2次電池温度Temp_bの比較が行われる。ここで、第2所定温度Th_tmp2は2次電池105の適正温度の上限値である。2次電池温度Temp_bが第2所定温度Th_tmp2より高い、すなわち2次電池105の温度が適正温度より高いと判断された場合、ステップ42で第2フィルタ定数F_r2に第1フィルタ定数F_r1より小さい固定値F_fixHが代入され、ステップ43で高温状態であることを示すフラグFlag_Hotをセットする。
【0045】
また、ステップ41で第2所定温度Th_tmp2以下、すなわち第1所定温度Th_tmp1以上で第2所定温度Th_tmp2以下の2次電池温度が適正範囲であると判断された場合には、ステップ44、ステップ45でフラグFlag_Cold、Flag_Hotをリセットし、ステップ46で前述の第1フィルタ定数F_r1が第2フィルタ定数F_r2に代入され、本ルーチンを終了する。
【0046】
したがって、この制御により、2次電池105の温度が、第1所定温度より低い場合には、2次電池105を冷却する冷媒流量を減ずると共に、第2フィルタ定数を第1フィルタ定数より小さくするため、2次電池105が適正温度より低温の状態、すなわち2次電池105の充放電可能電力が低い場合には、フィルタ定数を第1フィルタ定数F_r1より小さくすることにより、燃料電池システムの負荷追従性を向上させ、運転者の要求する負荷変化に対応できることが可能となるばかりで無く、2次電池105への充放電電力を減少させる一方、2次電池105を冷却する冷媒の流量を減じる為、2次電池105の冷却を抑制可能となる。このような制御を行うことにより、適正な範囲内での充放電によって、2次電池105の昇温が可能となり、早期に2次電池105の温度を適正な状態にすることが可能となる。
【0047】
すなわち、2次電池105の充放電可能量が通常の(適正な温度の)状態に早期に復帰させることによって、なましフィルタの適正化による燃費向上効果が得られるばかりでなく、減速時のエネルギー回生量も多く出来る為、燃費向上の効果を大きくすることができる。
【0048】
また、2次電池105の温度が、第2所定温度より高い場合には、なましフィルタの第2フィルタ定数を第1フィルタ定数より小さくするため、2次電池の温度が高温状態においては、2次電池の冷却を促進する効果がある。
【0049】
図16に示すフローチャートは、要求負荷の変化率と燃料電池の発電量とに基づいてフィルタ定数を設定する制御を説明するものである。
【0050】
まずステップ51で、アクセルペダル開度APOがAPOセンサー16から読み込まれ、ステップ52で運転者が求める駆動装置への要求負荷T_kWが演算される。ここでは、例えば図17に示すようなテーブルからAPOに対して割り付けられた要求負荷T_kWを読み込む。
【0051】
次にステップ53で負荷変化率ΔT_kWが、所定時間前のT_kW−1と今回値T_kWとの差として求められる。続く、ステップ54とステップ55では、DC/DCコンバータ101への入力電流と入力電圧を読み込み、ステップ56で燃料電池スタック1の発電電力kWを演算する。
【0052】
ステップ57では、燃料電池スタック1の発電電力kWが第1の所定負荷Th_kW1と比較される。第1の所定負荷Th_kW1より大きい場合に燃料電池スタック1の運転状態は高負荷状態と判定される。Th_kW1より大きい場合にはステップ58に進み、Th_kW1以下の場合にはステップ59に進む。
【0053】
ステップ58で負荷変化率ΔT_kWが負、すなわち、所定の高負荷領域での運転状態からのダウントランジェント(つまり、燃料電池システムの発電電力が減少状態にある)と判断された場合にはステップ63に進み、第3フィルタ定数F_r3に第1フィルタ定数F_r1より小さい固定値F_fixDを代入し、制御を終える。ここで固定値F_fixDは、他の固定値F_fixC、F_fixHより小さい値とする。
【0054】
一方、負荷変化率ΔT_kWがアップトランジェント(つまり、燃料電池システムの発電電力が増加状態にある)または不変の場合にはステップ59に進む。ステップ59で、発電電力kW≧第2の所定負荷Th_kW2、且つ、kW≦Th_kW1かどうかの判断が行われる。燃料電池システムの効率は図 に示すように所定の負荷範囲で効率が高くなり、第1、第2所定負荷は、この燃料電池スタックの高効率運転が可能な負荷範囲から設定されるものである。ここで、条件が成立する場合、すなわち所定の負荷範囲で燃料電池システムが運転されていると判断された場合には、ステップ64で第3フィルタ定数F_r3に第2フィルタ定数F_r2が代入され、制御を終える。
【0055】
一方、ステップ59で不成立の場合、すなわち所定の負荷範囲以外の領域で燃料電池スタック1が運転されていると判断された場合には、ステップ60で第3フィルタ定数の前回値F_r3−1が読み込まれ、ステップ61で第3フィルタ補正値C_F3を読み込み、ステップ62で第3フィルタ定数の前回値F_r3−1に第3フィルタ補正値C_F3が掛け算された値を第3フィルタ定数F_r3として、本ルーチンを終了する。
【0056】
尚、第3フィルタ補正値C_F3の値は、例えば図18に示すように第2所定負荷Th−kW2未満、及び第1所定負荷Th_kW1以上のような設定となっている。このため、発電電力kWに対して、図18に示す特性を割り付けておけば、ステップ59の判断を無くすことができる。
【0057】
したがって、移動体用電源装置への要求負荷の変化速度と運転負荷範囲に応じて、少なくとも前記なましフィルタのフィルタ定数を補正制御する構成の移動体用の電源装置としたため、例えば燃料電池システムが、低負荷運転連続、又は高負荷運転連続状態から運転負荷要求が変化した場合に、早い応答性で、燃料電池システムの効率が高い運転条件に運転負荷を遷移させることが可能となり、移動体用の電源装置としての効率を高めることが可能となる。
【0058】
また、燃料電池システムの第1の所定負荷からの負荷変化がダウントランジェント時には、第3フィルタ定数を所定値まで減ずるため、高負荷運転連続の状態から、早い応答性で燃料電池システムの効率の高い運転状態に復帰させることが可能となる。特に、改質装置を有する燃料電池システムにあっては、アップトランジェント側の応答性は、蒸発器等の応答性によって制約され、実現できる応答性には制限があるが、ダウントランジェント側は、蒸発器の応答性に制約を受けることなく速い応答性を確保することも可能である為、燃料電池システムを含む移動体用電源システム全体の効率を向上させることが可能となる。
【0059】
次に図19のフローチャートについて説明する。このフローチャートは、冷却用ファン108等の冷却系統の駆動損失と2次電池105の充放電損失(発熱)に応じてフィルタ定数を設定するものである。
【0060】
まずステップ71で、2次電池105に入出力される電流値Aを、電流センサー112から読み込み、ステップ72で前回の2次電池105の温度の演算結果Temp_b−1を読み込み、ステップ73で、図12に示すようなテーブルを用いて2次電池温度Temp_bに対して割りつけられた2次電池105の内部抵抗値Rを温度Temp_b−1に応じて読み込む。ステップ74で充放電損失Wが、W=A^2×Rとして演算される。
【0061】
次に、ステップ75でフラグFlag_Coldがセットされているか否か判断し、セットされていた場合、すなわち2次電池105の適正温度より低温条件であったと判断された場合には、ステップ86で最終フィルタ定数F_finalを、前述の固定値(F_r2=F_fixC)が代入された第3フィルタ定数F_r3とする。すなわち、ここでは、後述するステップ77以降の演算を行わず、且つ、冷媒流量を制限した状態で、フィルタ定数を小さな固定として出力する構成となる。
【0062】
一方、ステップ75でフラグFlag_Coldがセットされていない場合ステップ76に進み、ステップ76でフラグFlag_Hotがセットされているか否かの判断が行われ、セットされている場合には、ステップ86に進む。すなわち2次電池105が適正温度より高温となっていると判断された場合には、ステップ86で最終フィルタ定数F_finalを、前述の固定値(F_r2=F_fixH)が代入された第3フィルタ定数F_r3とする。すなわち、ここでは、後述するステップ77以降の演算を行わず、且つ、冷媒流量が2次電池105の温度に応じて高流量に制御された状態で、フィルタ定数を第1フィルタ定数F_r1より小さな固定値F_fixHとして出力する構成となる。
【0063】
ステップ76でフラグFlag_Hotがセットされていない場合ステップ77に進み、ステップ77に進んだ場合には、2次電池冷媒流量Cf_r2が読み込まれ、ステップ78で2次電池冷却系の駆動損失Pout_CfWが、例えば図20に示されるようなテーブルから読み込まれる。
【0064】
尚、実際に冷却手段(ファン108)のモータに要求された電力を検出して良く、この場合には、ステップ79の制御内容となる。
【0065】
更に、ステップ80で充放電損失Wと所定値αの加算値と駆動損失Pout_CfWの比較が為され、冷却系の駆動損失Pout_CfWが充放電損失の所定範囲より大きい場合には、ステップ81でその差Xを駆動損失Pout_CfWから充放電損失Wと所定値αを減じて演算し、この差Xに基づいて、ステップ82でフィルタ補正値C_F4が、例えば、図21に示すテーブルから読み込まれ、ステップ84で最終フィルタ定数F_finalが、F_final=F_r3×C_F4として演算される。
【0066】
したがって、冷却系の駆動損失Pout_CfWが充放電損失Wより大きい場合には、フィルタ定数を小さくしていくこととなり、結果として2次電池105の充放電損失をさらに低下させることとなる。これによって、2次電池105の発熱量も低下し、結果として冷媒流量は図16までのフローチャートによって、温度等に基づいて制御されるため、冷媒流量も低減され、冷媒の駆動損失も低減されることとなり、冷却系の駆動損失が2次電池105の充放電損失を上回らないように制御される。
【0067】
尚、所定値αは、実験等解析結果に基づくものであり、図3に示したように、なましフィルタを増加し、冷却損失も増加させるとともに、冷却系の損失を含んだ燃費を向上するよう設定する。
【0068】
そして、ステップ84で、これまでに計算された冷媒流量Cf_r2が最終的な要求冷媒流量(ファンによる導入分)Cf_finalに代入され、ステップ85で2次電池冷却系駆動信号Out_CfWとして出力される。この場合、駆動電力としてOut_CfWを求めているが、例えばデューティ比のような形でも良い。尚、駆動電力とした場合には、図22に示すテーブルからのルックアップ値でよい。
【0069】
一方、ステップ80で冷却系の駆動損失Pout_CfWが充放電損失の所定範囲以下の場合には、ステップ86に進み、最終フィルタ定数F_finalを第3フィルタ定数F_r3とする。
【0070】
したがって、2次電池冷却系の駆動損失を2次電池105の充放電損失より小さくなるようにフィルタ定数を設定するため、2次電池105の冷却に伴う駆動損失によって、移動体用の電源装置全体としての効率が低下することが防止できる。
【0071】
すなわち、2次電池105の充放電損失は、基本的には内部抵抗と入出力電流によって決まる(発生熱量になる)一方、2次電池105の温度は、2次電池105を冷却する冷媒流量と2次電池105の発熱によって主に決まる。
【0072】
このため、冷媒流量を多くすることによって、2次電池105の温度は劣化が促進される温度以下に抑えることは可能であるが、充放電損失量は、なましフィルタのフィルタ定数の増加と共に増大する為(2次電池105に出し入れされる電力量が増加する為)、冷媒を流す為の駆動損失が2次電池105の充放電損失を所定値以上とすると、フィルタ定数を大きくすることによって得られる燃費の改善代が2次電池105の冷却系駆動損失によって相殺されてしまうことになる。しかしながら本発明により、2次電池105の充放電に伴う損失を冷却系の駆動損失が上回ることを防止でき、移動体用の電源装置全体としての効率が低下することが防止できる。
【0073】
また、2次電池105の温度が、第2の所定検知温度より高い場合には、フィルタ定数を第1フィルタ定数より小さくすると共に、2次電池105を冷却する冷媒系の駆動損失が、2次電池105の充放電損失を超えるため、2次電池105の温度が高温状態においては、2次電池105の冷却を促進させながら、1次電池105の発熱の基となる充放電電力を小さくすることが可能となり、2次電池105を早期に適正な温度まで冷却することが可能となり、2次電池105の劣化を抑制できる効果がある。
【0074】
次に図23のフローチャートは、今回演算されたなましフィルタのフィルタ定数の使われ方について説明するものである。
【0075】
ステップ91で各種センサーの信号を読み込み、ステップ92で、アクセルペダル開度APOを読み込む。更にステップ93で、アクセルペダル開度APOから前述のように要求負荷T_kWが演算される。
【0076】
ステップ94では、要求負荷T_kWに対応した、すなわち要求負荷相当の電力kWを燃料電池に発電させるために必要な水素リッチガスを改質反応によって発生させるために、改質器3に導入する空気量が演算され、ステップ95、ステップ96では同様に、要求負荷に対応した改質器3に供給する燃料量と水蒸気量が演算される。
【0077】
ステップ97からステップ99では、改質器3に必要な水蒸気を発生させるために、燃焼器9に供給する燃料量、空気量、及び液状の水量が演算される。次に、ステップ100で燃料電池スタック1のカソード側に供給すべき空気量が演算される。
【0078】
ステップ101で、前述のフィルタ定数F_finalを読み込み、それぞれの要求負荷に対応した目標値に対して、ステップ102からステップ108で各構成を制御するためのなまし処理を行う。
【0079】
ここで演算は、例えば、カソード側に供給する空気の実際に供給する空気量をAir、ステップ100で演算された要求負荷に対応した空気量をD_Airとした場合、
Air=D_Air(F_final)+Air−1
として演算される、尚、Air−1は、1演算サイクル前のAirの前回値である。そして、これらの演算結果は、ステップ102からステップ108でそれぞれの制御アクチュエータに出力される。
【0080】
尚、燃焼器9からの水蒸気は、改質器3への空気や燃料に対して送れ時間を有するため、この遅れ分は改質器3への空気&燃料、及び燃料電池カソード側への空気量を制御するアクチュエータへの出力に遅れを持たせることで対応する。
【0081】
以上により、運転者が要求する負荷に対して、なましフィルタ処理を行った出力として水素、空気が燃料電池に供給される為、燃料電池の発電電力も同様になましフィルタ処理された状態となる。このため、運転者が要求する負荷と燃料電池が供給できる電力との間には差異が生じることとなるが、この差分が、蓄電手段(2次電池)105から給電、または充電されることによって、運転者の要求する負荷変化に対応可能となる。
【0082】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する燃料電池システムの構成を示す構成図である。
【図2】車両の駆動システムの構成図である。
【図3】フィルタ定数と燃費との関係を示す図である。
【図4】走行パターンによる2次電池温度履歴を説明する図である。
【図5】燃料電池スタック1からの取り出し電流と発電効率の関係を示す図である。
【図6】なましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図7】2次電池温度と第1フィルタ定数の関係を示す図である。
【図8】2次電池温度と冷媒流量との関係示す図である。
【図9】車速と車速補正値との関係を示す図である。
【図10】2次電池温度を読み込むフローチャートである図である。
【図11】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図12】2次電池温度と内部抵抗の関係を示す図である。
【図13】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図14】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図15】車速と補正係数の関係を示す図である。
【図16】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図17】アクセルペダル開度と要求負荷の関係を示す図である。
【図18】所定負荷と補正値との関係を示す図である。
【図19】他のなましフィルタのフィルタ定数を設定するためのフローチャートである。
【図20】冷媒流量と駆動損失の関係を示す図である。
【図21】充放電損失と所定値のと加算値と駆動損失との差と補正値との関係を示すテーブルである。
【図22】冷媒流量と駆動電力との関係を示す図である。
【図23】なましフィルタのフィルタ定数の使われ方について説明するフローチャートである。
【図24】2次電池温度と入出力可能電力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
3 改質器
5 燃料タンク
9 燃焼器
10 蒸発器
11 コンデンサ
12 水タンク
15 コントローラ
100 燃料電池システム
105 2次電池(蓄電手段)
108 冷却用ファン
Claims (12)
- 燃料電池スタックにより発電を行う燃料電池システムと、電力を給電、充電する蓄電手段を有する移動体用の電源装置において、
前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段と、
前記蓄電手段を冷却する冷媒を流通させる冷却手段と、
前記燃料電池システムと蓄電手段からの電力の出入を制御するとともに、前記冷却手段を用いて冷媒流量を制御する制御手段とを設け、
前記制御手段は、
前記燃料電池システムに要求される出力要求値にフィルタ定数に応じたなまし処理を行うフィルタ手段を備え、
前記蓄電手段の温度に応じて、前記蓄電手段への冷媒流量と前記なまし処理フィルタのフィルタ定数を制御することを特徴とする移動体用の電源装置。 - 前記温度検出手段は、前記蓄電手段の内部、または外表面温度を検出する温度センサーであることを特徴とする請求項1に記載の移動体用の電源装置。
- 前記温度検出手段は、前記蓄電手段の充放電電力と外部温度と冷媒流量に基づいて前記蓄電手段の温度を推定することを特徴とする請求項1に記載の移動体用の電源装置。
- 前記制御手段は、前記蓄電手段の温度変化量から到達予測温度を演算し、この到達予測温度に基づいて、前記冷媒流量と前記フィルタ定数を制御することを特徴とする請求項1に記載の移動体用の電源装置。
- 前記蓄電手段の温度が第1の所定温度以上、かつ第2の所定温度以下の場合には、前記フィルタ定数を他の温度範囲でのフィルタ定数より大きくすることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の移動体用の電源装置。
- 前記蓄電手段の温度が第1の所定温度より低い場合には、前記蓄電手段を冷却する冷媒流量を減少するとともに、フィルタ定数を前記蓄電手段の温度が第1の所定温度以上、かつ第2の所定温度以下の場合に設定される前記フィルタ定数より小さくすることを特徴とする請求項5に記載の移動体用の電源装置。
- 前記蓄電手段の温度が前記第2の所定温度より高い場合には、前記蓄電手段を冷却する冷媒流量を増加するとともに、フィルタ定数を前記蓄電手段の温度が第1の所定温度以上、かつ第2の所定温度以下の場合に設定される前記フィルタ定数より小さくすることを特徴とする請求項5または6に記載の移動体用の電源装置。
- 前記第1の所定温度と第2の所定温度は、前記蓄電手段の効率の高い温度領域に設定することを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載の移動体用の電源装置。
- 前記冷却手段の駆動損失が前記蓄電手段の充放電損失より大きいことを特徴とする請求項7に記載の移動体用の電源装置。
- 移動体用電源装置への要求負荷の変化率と負荷範囲に応じて前記フィルタ定数を制御することを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の移動体用の電源装置。
- 前記燃料電池システムの発電電力状態が所定の負荷からのダウントランジェント時には、前記フィルタ定数を所定値に減少することを特徴とする請求項10に記載の移動体用の電源装置。
- 前記冷却手段の駆動損失が、前記蓄電手段の充放電損失より小さくなるように前記フィルタ定数を制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の移動体用の電源装置。
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-
2003
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