JP2005051279A - 静止画像の表示方向設定方法 - Google Patents

Abstract

【課題】記憶媒体に格納された静止画像データに係る従来の表示方向設定方法は、主画像を再生表示した後に当該再生画像を適宜回転すること等により表示方向を設定していたので、特に主画像の画像容量が大きい場合においては、回転処理に係る演算量が大きく、表示方向の設定に時間を要するという課題があった。
【解決手段】静止画像の表示方向設定において、メモリカード等の記憶媒体からサムネイル画像データを読み出して複数のサムネイル画像をインデクス表示するステップＳ１と、ユーザ指示情報に応じて表示画面上において選択されたサムネイル画像を回転するステップＳ３と、サムネイル画像の回転に応じて当該サムネイル画像に係る画像ファイル内に記憶されている画像方向情報を書き換えるステップＳ４とを有する。
【選択図】 図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、メモリカード等の記憶媒体に記憶された静止画像データを再生した際に表示される画像の表示方向を設定する表示方向設定方法に係り、特にＪＰＥＧ形式で記録された画像ファイル内からサムネイル画像データを読み出して得られるサムネイル画像を用いて表示方向を設定する表示方向設定方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ等の撮像装置を用いて、風景、人物等の種々のシーンを撮影する場合には、当該シーンの形態や撮影場所の制限等に基づく種々の撮影条件に対応できるように、デジタルスチルカメラの姿勢を変えて撮影を実施する。図５は、同一のシーンに対してデジタルスチルカメラがとり得る種々の姿勢と当該姿勢により撮影される画像との関係を示す図である。図５において、それぞれ（ａ）には通常姿勢、（ｂ）には通常姿勢から時計方向に９０度回転させた姿勢、（ｃ）には通常姿勢から時計方向に１８０度回転させた姿勢、（ｄ）には通常姿勢から時計方向に２７０度回転させた姿勢により撮影することで得られた静止画像の形態が示されている。なお、図中黒丸については、デジタルスチルカメラの上部を示すものとする。また、以降の説明においては、図５の（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）によりそれぞれ示される姿勢によるデジタルスチルカメラを用いて撮影する撮影姿勢をそれぞれ第１の撮影姿勢、第２の撮影姿勢、第３の撮影姿勢、第４の撮影姿勢と称するものとする。
【０００３】
図６は、デジタルスチルカメラがとり得る種々の姿勢に応じて記憶媒体に格納された静止画像データをそのまま再生した際の画像を示す図である。図６において、それぞれ（ａ）は第１の撮影姿勢、（ｂ）は第２の撮影姿勢、（ｃ）は第３の撮影姿勢、（ｄ）は第４の撮影姿勢により撮影することで記憶媒体に格納された静止画像データをそのまま再生することで得られる画像を示すものである。図６の（ｂ）に示されるように、第２の撮影姿勢においてはデジタルスチルカメラを時計方向に９０度回転して撮影することから再生画像は反時計方向に９０度回転し、（ｃ）に示されるように、第３の撮影姿勢においてはデジタルスチルカメラを時計方向に１８０度回転して撮影することから再生画像は反時計方向に１８０度回転し、（ｄ）に示されるように、第４の撮影姿勢においてはデジタルスチルカメラを時計方向に２７０度回転させて撮影することから再生画像は反時計方向に２７０度回転することとなる。
【０００４】
近年、デジタルスチルカメラに係る要素技術の開発により、撮影時のデジタルスチルカメラの姿勢を検出して、静止画像データとともに、撮影時のデジタルスチルカメラの姿勢に基づいて得られた静止画像データの方向（以下、画像方向と称する）を記憶することが可能となっている。図７は、デジタルスチルカメラが採用しているＤＣＦ規格の画像記録フォーマットとして与えられるＥｘｉｆファイルのデータ構造を示す図である。Ｅｘｉｆファイル内のアプリケーションセグメントに含まれる０ｔｈ＿ＩＦＤ内の主画像用画像方向タグおよびサムネイル画像用画像方向タグには、それぞれ当該Ｅｘｉｆファイル内に含まれるＪＰＥＧ方式の主画像およびサムネイル画像に係る画像方向情報が記録される。
【０００５】
上記のようなＥｘｉｆファイルのデータ構造に基づいて任意の記憶媒体に格納された静止画像データを再生する場合には、画像方向情報を読み出して当該画像が撮影された際のデジタルスチルカメラの姿勢を特定し、当該姿勢に応じて、記憶された静止画像データより得られる画像を回転するように適切な演算処理を実施し、上下左右方向について撮影時の撮影対象と同じ向きを有する再生画像を得る。なお、以降の説明においては、撮影時の撮影対象が有していた向きを正立方向と称するものとする。また、デジタルスチルカメラ等の撮像装置についても、通常姿勢において正立方向をとるものとする。
【０００６】
図８は、Ｅｘｉｆファイルとして記憶媒体に格納された静止画像データを画像方向に応じて再生した際の画像を示す図である。図８において、それぞれ（ａ）は第１の撮影姿勢、（ｂ）は第２の撮影姿勢、（ｃ）は第３の撮影姿勢、（ｄ）は第４の撮影姿勢により撮影することで記憶媒体に格納された静止画像データを画像方向に応じて回転処理を加え再生することで得られた画像である。以降の説明においては、実際のＥｘｉｆファイルに係る仕様とは異なるけれども、便宜上、第１の撮影姿勢により得られた静止画像データに係る画像方向を１、第２の撮影姿勢により得られた静止画像データに係る画像方向を２、第３の撮影姿勢により得られた静止画像データに係る画像方向を３、第４の撮影姿勢により得られた静止画像データに係る画像方向を４とする。図８の（ａ）に示されるように、画像方向１の静止画像データについては回転させることなくそのまま再生表示し、（ｂ）に示されるように、画像方向２の静止画像データについては時計方向に９０度回転するように演算処理を加えて再生表示し、（ｃ）に示されるように、画像方向３の静止画像データについては時計方向に１８０度回転するように演算処理を加えて再生表示し、（ｄ）に示されるように、画像方向４の静止画像データについては時計方向に２７０度回転するように演算処理を加えて再生表示する。
【０００７】
Ｅｘｉｆファイルのデータ構造に基づいて記憶媒体に格納された画像ファイルから静止画像データを読み出して１つの主画像を再生表示することあるいは１つのサムネイル画像を再生表示することは、上記のような方式により実施される。また、サムネイル画像については、画像再生装置の表示画面上に複数のサムネイル画像を一度に表示するインデクス表示が頻繁に用いられている。図９は、サムネイル画像のインデクス表示の一例を示す図である。なお、画像ファイルについては、サムネイル画像データを含まない場合があり、このような画像ファイルがインデクス表示における表示対象となった場合には、符号Ａで示されるように対応する所定の画像表示部は、サムネイル画像データが読み出し不可であってサムネイル画像の再生表示が不能であることを明示するように、例えばグレー等の単一色で塗り潰される。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、Ｅｘｉｆファイルから静止画像データを読み出して画像の再生表示を実施する際には、画像方向タグを参照して主画像またはサムネイル画像に対して回転処理を加えて再生処理を実施するので、撮影時の撮像装置の姿勢にかかわらず正立方向の画像を再生表示することができる。然るに、ユーザの嗜好または編集上の制限等に応じて正立方向から回転された方向を有する画像の再生表示を望んで、再生表示される際の画像の方向（以降では、表示方向と称する）を正立方向から回転された所望の方向に設定する際には、主画像を一度再生表示した後に当該再生画像を適宜回転すること等により表示方向を設定していたので、特に主画像の画像容量が大きい場合においては、回転処理に係る演算量が大きく、表示方向の設定に時間を要するという課題があった。
【０００９】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡便な方式により短時間で画像の表示方向を設定することができる静止画像の表示方向設定方法を得ることを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る静止画像の表示方向設定方法は、撮影時における撮像装置の姿勢を該撮像装置の正立方向からの回転角に応じて表現する情報として与えられる画像方向情報について、主画像に係る画像方向情報およびサムネイル画像に係る画像方向情報を主画像データおよびサムネイル画像データとともに記憶可能なデータ構造を有する１または複数の画像ファイルが格納された記憶媒体から、１または複数の画像に係るサムネイル画像データを読み出して、１または複数のサムネイル画像を画像再生装置の表示画面上に再生表示する第１のステップと、ユーザ指示情報に応じて、表示画面上において選択されたサムネイル画像を回転する第２のステップと、回転されたサムネイル画像に対応する画像ファイルについて、当該画像ファイルについての主画像の再生またはサムネイル画像の再生が実施された際に上記第２のステップにおいて回転して得られた表示方向と同じ表示方向により再生表示がなされるように、主画像に係る画像方向情報およびサムネイル画像に係る画像方向情報の両方またはいずれか一方を書き換える第３のステップとを有するようにしたものである。
【００１１】
この発明に係る静止画像の表示方向設定方法は、第１のステップにおいて、サムネイル画像データを読み出せない画像ファイルについては、サムネイル画像の代替画像として、表示方向を特定可能とする表示方向特定情報が付記された画像を画像再生装置の表示画面上に表示するようにしたものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本願発明に係る実施の形態を説明する。なお、以下の説明においては、本願発明の実施の形態に記載された実施例の各要素および各工程と、特許請求の範囲に記載された発明の各要素および各工程との対応関係を明らかにするために、実施例の各要素および各工程にそれぞれ対応する特許請求の範囲に記載された発明の各要素および各工程を本願発明の実施の形態に係る説明文中において適宜かっこ書きにより示すものとする。
【００１３】
実施の形態１．
図１は、この発明の実施の形態１による静止画像の表示方向設定方法を実施する設定画面を示す図である。図１において、１は例えばテレビジョン受像機等として与えられるＪＰＥＧ画像再生機能を有する画像再生装置の表示画面上に描画される画像回転用画面、２，３，４，５はサムネイル画像表示部、６，７，８，９，１０はそれぞれ回転対象となるサムネイル画像の選択等の実施を支援するために表示されるボタン部、１１は回転対象となるサムネイル画像を特定するためにサムネイル画像表示部の周囲に表示される選択枠である。なお、サムネイル画像表示部４については、対象とする画像ファイルにサムネイル画像データが存在しないか、あるいは存在してもデータエラー等に起因して当該サムネイル画像データが使用不能状態にあるような場合における表示画像が示されており、サムネイル画像が読み出し不可であってサムネイル画像の再生表示が不能であることを明示するように、例えばグレー等の単一色で塗りつぶした画像（以下、代替画像と称するものとする）が表示される。但し、この実施の形態１においては、代替画像に係る表示方向を特定できるように、代替画像内に三角形のマーカ（表示方向特定情報）を付記する点で特徴を有している。
【００１４】
次に動作について説明する。ここでは、デジタルスチルカメラ（撮像装置）による撮影を行ってメモリスティック等のメモリカード（記憶媒体）に格納された静止画像データを対象として、ＪＰＥＧ再生機能を有するデジタルテレビ（画像再生装置）を用いて上記静止画像データを再生表示した際に得られる画像の向きを設定する動作を例として、表示方向の設定方法について説明する。
【００１５】
図２は、この発明の実施の形態１による静止画像の表示方向設定方法を示すフローチャートである。デジタルスチルカメラにより撮影された個々の画像は、ＤＣＦ規格の画像記録フォーマットとして与えられるＥｘｉｆファイルのデータ構造に基づいて、それぞれ画像ファイルとしてメモリスティック等のメモリカードに格納される。ユーザは、可搬性を有する着脱可能な外部記憶媒体として与えられるメモリカードをデジタルスチルカメラから取り外すとともに、デジタルテレビに設けられたメモリカード用インタフェース部に当該メモリカードを取り付ける。
【００１６】
次に、リモートコントローラあるいはデジタルテレビ自体に設けられた各種ボタン等の操作により与えられるユーザ指示に基づいて、メモリカードに格納されているサムネイル画像データを読み込んで、画像回転処理を実施するために複数のサムネイル画像がインデクス表示された画像回転用画面を表示する（ステップＳ１（第１のステップ））。メモリスティック等のメモリカードに格納された複数の画像ファイルは、ＦＡＴにより管理されるディレクトリ毎に分別される。これらのディレクトリは、作成された順に、すなわち時系列に管理され、前ディレクトリ用ボタン部９を選択することで表示対象となっているディレクトリよりも１つ前に作成されたディレクトリに記憶される画像ファイルを取り出すことができ、次ディレクトリ用ボタン部１０を選択することで表示対象となっているディレクトリよりも１つ後に作成されたディレクトリに記憶される画像ファイルを取り出すことができる。また、それぞれのディレクトリに記憶される画像ファイルは、ページ単位で管理される。各ページは所定数の画像ファイルから構成され、例えば図１に示される実施の形態では、各ページは４つの画像ファイルから構成されている。これにより、前ページ用ボタン部６を選択することで表示対象となっているページよりも１つ前のページに含まれる画像ファイルを取り出すことができ、次ページ用ボタン部７を選択することで表示対象となっているページよりも１つ後のページに含まれる画像ファイルを取り出すことができる。
【００１７】
画像回転用画面が表示されれば、当該画面に表示された複数のサムネイル画像のなかからユーザにより回転対象として選択されたサムネイル画像を他のサムネイル画像から区別できるように、例えば選択されたサムネイル画像を囲むように配置される選択枠１１の枠部分をハイライト表示する（ステップＳ２）。なお、複数のサムネイル画像のなかから回転対象となるサムネイル画像を選択することについては、ユーザが例えばリモートコントローラ内において矢印等で示される方向指示ボタンを用いて回転対象となっていることを示す選択枠１１を移動させることで所望のサムネイル画像を選択することができる。
【００１８】
次に、選択されたサムネイル画像に対してユーザから回転指示情報（ユーザ指示情報）が与えられれば、当該回転指示情報に応じて選択されたサムネイル画像を回転する（ステップＳ３（第２のステップ））。なお、サムネイル画像に係る回転指示情報の伝達については、ユーザが例えばリモートコントローラ内の所定のボタンを押下することで実現することが可能となる。ユーザが上記所定のボタンを押下する毎に、回転対象のサムネイル画像は９０度ずつ回転するものとする。図３は、ユーザからの回転指示情報に応じたサムネイル画像の回転状態を示す図である。図３において、２１，２２，２３，２４は同一の静止画像データに基づいて得られてそれぞれ回転角が異なる画像である。当初、サムネイル画像表示部に表示されていた画像を画像２１とすると、画像回転用の所定のボタンを１度押下することで画像が９０度回転して画像２２が表示される。画像回転用の所定のボタンを再度押下すると、画像がまた９０度回転して画像２３が表示される。画像回転用の所定のボタンをさらに１度押下すると、画像がさらに９０度回転して画像２４が表示される。
【００１９】
上記のようにユーザから与えられた回転指示情報に応じて選択された画像が回転されると、当該回転指示情報に応じて回転されたことに基づいて設定された表示方向の画像が再生表示時においても表示されるように、当該画像に係る画像ファイル内の画像方向情報を書き換える（ステップＳ４（第３のステップ））。次に、選択されたサムネイル画像に対する回転動作が完了したか否かを判定する（ステップＳ５）。例えば、サムネイル画像が回転対象であることを示す選択枠１１が他のサムネイル画像に移動すれば、その時点において回転対象であったサムネイル画像に対する回転動作は完了したものとみなされる。また、画像回転用の所定のボタンが再度押下されれば、その時点における回転対象であるサムネイル画像に対する回転動作は完了していないものとみなされ、ステップＳ３およびステップＳ４の処理を再度実行する。
【００２０】
ここで、画像方向情報の書き換えについて説明すると、ユーザからの回転指示情報に応じて９０度回転させられた際、当初の画像方向に応じて画像方向情報はそれぞれ１→２、２→３、３→４、４→１と書き換えられる。また、ユーザからの回転指示情報に応じて１８０度回転させられた際、当初の画像方向に応じて画像方向情報はそれぞれ１→２→３、２→３→４、３→４→１、４→１→２と書き換えられる。さらに、ユーザからの回転指示情報に応じて２７０度回転させられた際、当初の画像方向に応じて画像方向情報はそれぞれ１→２→３→４、２→３→４→１、３→４→１→２、４→１→２→３と書き換えられる。例を挙げれば、再生表示を実行する際には、既に述べたように、画像方向１の場合は０度、画像方向２の場合は９０度、画像方向３の場合は１８０度、画像方向４の場合は２７０度回転させる処理を伴うので、例えば当初の画像方向が２のサムネイル画像を１８０度回転させた場合には、図６（ｂ）に示されるように格納されている静止画像データから得られる画像に対して２７０度回転させる処理が必要となり、画像方向は２から４に書き換えられる。なお、画像方向情報の書き換えについては、主画像用画像方向タグおよびサムネイル画像用画像方向タグの両方、主画像用画像方向タグのみ、サムネイル画像用画像方向タグのみのいずれに対してもそれぞれ書き換え動作の実行対象とすることが可能である。
【００２１】
１つのサムネイル画像に対する回転動作が完了すれば、画像回転に係る動作が完了したか否かを判定する（ステップＳ６）。ボタン部８の「戻る」が選択されて画像回転モードから抜けた場合には、画像回転に係る動作は完了したものとみなされる。この場合、画像回転モードを選択した上位階層のモードに復帰して、画面についても画像回転用画面から別の画面に切り替わる。また、ボタン部８の「戻る」が選択されなければ、画像回転に係る動作は完了したものとみなされず、ステップＳ２以降の動作を引き続き実行することが可能である。
【００２２】
以上では、サムネイル画像データを有する画像の回転について説明したが、図１の画像表示部４のようにサムネイル画像データを読み出せなくて代替画像が表示されるような画像ファイルについても、主画像の表示方向を設定することが可能である。サムネイル画像のサイズが規定サイズ（縦１２０ドット、横１６０ドット）でないサムネイルサイズエラー等のエラーが発生してサムネイル画像データを読み出せない場合、サムネイル画像データ自体が存在せずサムネイル画像データを読み出せない場合等において、画像表示部４のように代替画像が表示されることになる。この実施の形態１では、代替画像に表示方向特定情報としてのマーカが付記されていることで、代替画像の表示方向を特定することが可能となる。図４は、ユーザからの回転指示情報に応じた代替画像の回転状態を示す図である。図４において、３１，３２，３３，３４はそれぞれ回転角の異なる代替画像である。当初、画像表示部に表示されていた画像を画像３１とすると、画像回転用の所定のボタンを１度押下することで画像が９０度回転して画像３２が表示される。画像回転用の所定のボタンを再度押下すると、画像がまた９０度回転して画像３３が表示される。画像回転用の所定のボタンをさらに１度押下すると、画像がさらに９０度回転して画像３４が表示される。代替画像が表示されるような画像ファイルについても、代替画像の回転に応じて画像方向情報を書き換えるので、主画像に対する表示方向の設定を画像容量の小さな代替画像を用いて実施することが可能となる。
【００２３】
以上のように、この実施の形態１によれば、例えばメモリカード等の記憶媒体から、Ｅｘｉｆファイルのデータ構造に基づいて格納されている複数のサムネイル画像データを読み出して、これら複数のサムネイル画像をテレビジョン受像機の表示画面上にインデクス表示するステップＳ１と、回転指示情報に応じて、選択されたサムネイル画像を９０度ずつ回転させる第３のステップと、当該回転指示情報に応じてサムネイル画像を回転させることで設定された表示方向の画像が再生表示時においても表示されるように選択されたサムネイル画像に係る画像ファイル内の画像方向情報を書き換えるステップＳ４とを有するように構成したので、各画像についてのユーザの嗜好あるいは編集上の制約等に合致した表示方向の設定を画像容量の小さなサムネイル画像を回転することで実行することができるから、主画像を用いての表示方向の設定を実行する場合と比較して短時間で所望の表示方向の設定を完了することができるという効果を奏する。また、回転対象となり得るサムネイル画像を複数個規則的に配列するインデクス表示を行うことで、回転対象のサムネイル画像の検出が容易になり、作業効率を向上することができるという効果を奏する。さらに、サムネイル画像データを読み出せない画像ファイルについては、サムネイル画像の代替画像として、表示方向を特定可能とするマーカが付記された画像を表示するようにしたので、サムネイル画像データを有しない画像についても、サムネイル画像と同等あるいはより小さな画像容量を有する代替画像を回転させることで表示方向を特定し、主画像に係る表示方向の設定を可能とすることができるという効果を奏する。
【００２４】
なお、上記の実施の形態１により説明される静止画像の表示方向設定方法は、本願発明を限定するものではなく、例示することを意図して開示されているものである。本願発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載により定められるものであり、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の設計的変更が可能である。例えば、サムネイル画像データを読み出せない際にサムネイル画像に代えて表示される代替画像については、単一色により塗りつぶされた画像に限定されるものではなく、回転処理に時間を要しないようにサムネイル画像と同等あるいはより小さな画像容量を有する任意の画像を用いることが可能である。また、表示方向を特定するように代替画面に付記される表示方向特定情報についてもマーカに限定されるものではなく、“上”、“下”、“左”、“右”等の文字の他に種々の記号等を用いることが可能である。また、画像方向情報の書き換えについては、上記実施の形態１においては、サムネイル画像が９０度回転する毎に画像方向情報を書き換える方式をとっているが、サムネイル画像の回転角が確定した後に当該回転角に対応するように画像方向情報を書き換える方式をとることもできる。また、画像回転用画面では、インデクス表示されているサムネイル画像の表示方向は９０度ずつ変化するように構成されているが、例えば４５度ずつのように他の任意の角度単位で変化するように構成することもできる。さらに、静止画像の画像記録フォーマットとしてはＥｘｉｆ形式が採用されているが、主画像に係る画像方向情報およびサムネイル画像に係る画像方向情報を主画像データおよびサムネイル画像データとともに記憶可能なデータ構造を有する任意の画像ファイルに対して本願発明を適用することが可能である。
【００２５】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、記憶媒体からサムネイル画像データを読み出して、１または複数のサムネイル画像を画像再生装置の表示画面上に再生表示する第１のステップと、ユーザ指示情報に応じて表示画面上において選択されたサムネイル画像を回転する第２のステップと、画像の再生が実施された際にサムネイル画像を回転して得られた表示方向と同じ表示方向により再生表示がなされるように画像方向情報を書き換える第３のステップとを有するように構成したので、各画像についてのユーザの嗜好あるいは編集上の制約等に合致した表示方向の設定を画像容量の小さなサムネイル画像を回転することで実行することができるから、主画像を用いての表示方向の設定を実行する場合と比較して短時間でユーザの所望する表示方向の設定を完了することができるという効果を奏する。また、第１のステップにおいて、回転対象となり得るサムネイル画像を複数個規則的に配列するインデクス表示を行えば、回転対象のサムネイル画像の検出が容易になり、作業効率を向上することができるという効果を奏する。
【００２６】
この発明によれば、サムネイル画像データを読み出せない画像ファイルについては、サムネイル画像の代替画像として、表示方向を特定可能とする表示方向特定情報が付記された画像を画像再生装置の表示画面上に表示するように構成したので、サムネイル画像データを有しない画像についても、サムネイル画像と同等あるいはより小さな画像容量を有する代替画像によりユーザ指示情報に応じて表示方向を特定し、主画像に係る表示方向の設定を可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施の形態１による静止画像の表示方向設定方法を実行する画像回転用画面を示す図である。
【図２】この発明の実施の形態１による静止画像の表示方向設定方法を示すフローチャートである。
【図３】ユーザ指示情報に応じたサムネイル画像の回転状態を示す図である。
【図４】ユーザ指示情報に応じた代替画像の回転状態を示す図である。
【図５】撮像装置の姿勢と当該姿勢により撮影される画像との関係を示す図である。
【図６】撮像装置の種々の姿勢に応じて記憶媒体に格納された静止画像データをそのまま再生した際の画像を示す図である。
【図７】Ｅｘｉｆファイルのデータ構造を示す図である。
【図８】Ｅｘｉｆファイルとして記憶媒体に格納された静止画像データを画像方向情報に応じて再生した際の画像を示す図である。
【図９】サムネイル画像のインデクス表示を示す図である。
【符号の説明】
１ 画像再生装置表示画面、２〜５ サムネイル画像、６〜１０ ボタン部、１１ 選択枠、２１〜２４ サムネイル画像、３１〜３４ 代替画像

Claims (2)

1. 撮影時における撮像装置の姿勢を該撮像装置の正立方向からの回転角に応じて表現する情報として与えられる画像方向情報について、主画像に係る画像方向情報およびサムネイル画像に係る画像方向情報を主画像データおよびサムネイル画像データとともに記憶可能なデータ構造を有する１または複数の画像ファイルが格納された記憶媒体から、１または複数の画像に係るサムネイル画像データを読み出して、１または複数のサムネイル画像を画像再生装置の表示画面上に再生表示する第１のステップと、
   ユーザ指示情報に応じて、上記表示画面上において選択されたサムネイル画像を回転する第２のステップと、
   回転されたサムネイル画像に対応する画像ファイルについて、当該画像ファイルについての主画像の再生またはサムネイル画像の再生が実施された際に上記第２のステップにおいて回転して得られた表示方向と同じ表示方向により再生表示がなされるように、主画像に係る画像方向情報およびサムネイル画像に係る画像方向情報の両方またはいずれか一方を書き換える第３のステップとを有することを特徴とする静止画像の表示方向設定方法。
2. 第１のステップにおいて、サムネイル画像データを読み出せない画像ファイルについては、サムネイル画像の代替画像として、表示方向を特定可能とする表示方向特定情報が付記された画像を画像再生装置の表示画面上に表示することを特徴とする請求項１記載の静止画像の表示方向設定方法。

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