JP2005051004A - コイル部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 漏れ磁束が少なく、直流重畳特性を向上させたコイル部品を提供する。
【解決手段】 ワイヤー2を巻回したドラムコア1の側面外周をフェライト粉末を混合した樹脂層3で覆ったコイル部品である。前記樹脂層3におけるフェライト粉末の混合比が2〜20wt%である。また、前記フェライト粉末の平均粒子径が5〜100μmの範囲である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ドラムコア等を使用するトランス、インダクタ等の低背型のコイル部品に関する。
従来の閉磁路構成を有するコイル部品は、図5に示すように、ワイヤー2を巻回したドラムコア1の側面外周にNi−Znフェライト等からなるリングコア11を装着して閉磁路を形成してなり、このリングコア11により、外部に漏れる磁束を低減させていた(例えば、特許文献1)。
近年、製品実装密度が高くなり、他の電子部品、回路基板に漏れ磁束の影響を与えないような閉磁路構成を有するコイル部品が望まれている。その一方で、コイル部品に要求される定格電流値も高くなってきており、直流重畳特性を損なわずに閉磁路構成を有するコイル部品も望まれている。
しかしながら、このような従来のコイル部品では、漏れ磁束、直流重畳特性の点で、上記の要望には十分に対応できてなかった。
したがって、本発明は、上記の課題を解決し、漏れ磁束が少なく、直流重畳特性を向上させたコイル部品を提供することにある。
本発明のコイル部品は、ドラムコアの側面外周をフェライト粉末を混合した接着剤(樹脂層)で覆い、閉磁路を構成したものである。
また、本発明のコイル部品は、フェライト粉末の混合比(配合比)が2wt%〜20wt%のフェライト粉末を混合した接着剤を使用し、直流重畳特性を損なうことなく閉磁路(構成)を形成し、ドラムコアからの漏れ磁束を低減できる。
即ち、本発明は、巻線を巻回したドラムコアの側面外周を、接着剤にフェライト粉末を混合した樹脂層で覆ったことを特徴とするコイル部品である。
また、本発明は、前記接着剤と前記フェライト粉末の混合比は、全重量を100wt%として、前記フェライト粉末の割合が2〜20wt%の範囲であることを特徴とする上記のコイル部品である。
また、本発明は、前記フェライト粉末の平均粒子径が0.5〜50μmであることを特徴とする上記のコイル部品である。
本発明によれば、次の効果を有するコイル部品を提供することができる。
(1)フェライト粉末を混合した接着剤により閉磁路が形成され漏れ磁束を低減できる。(2)接着剤に対するフェライト粉末の混合比を2〜20wt%にすることにより、直流重畳特性を低下させることなく、閉磁路が形成され、漏れ磁束の低減効果が得られる。
(3)フェライト粉末を混合した接着剤でドラムコアを覆うだけなので、設備、製造コストを安価にできる。
(4)ドラムコアの側面外周を樹脂層で覆っているため、落下衝撃の耐性が向上できる。
(1)フェライト粉末を混合した接着剤により閉磁路が形成され漏れ磁束を低減できる。(2)接着剤に対するフェライト粉末の混合比を2〜20wt%にすることにより、直流重畳特性を低下させることなく、閉磁路が形成され、漏れ磁束の低減効果が得られる。
(3)フェライト粉末を混合した接着剤でドラムコアを覆うだけなので、設備、製造コストを安価にできる。
(4)ドラムコアの側面外周を樹脂層で覆っているため、落下衝撃の耐性が向上できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のコイル部品の説明図であり、図1(a)は、斜視図、図1(b)は、断面図である。図1に示すように、本発明のコイル部品は、ドラムコア1と、ワイヤー2と、樹脂層3とで構成される。ドラムコア1は、円柱状のワイヤー巻回部(コア芯部)とその両端に形成された円板状のフランジからなる。ドラムコア1の材質には、Ni−Znフェライト等が使用できる。樹脂層3は、ドラムコア1の一方のフランジからワイヤー巻回部、他方のフランジにわたって、ドラムコア1の側面外周を覆っており、熱硬化性接着剤に2〜20wt%の、Ni−Znフェライト等の粉末を混合して形成したものである。このフェライト粉末は、平均粒子径が0.5〜50μmのものを使用することが好ましい。さらに0.7〜10μmがより好ましい。粒子径が0.5μm未満では、漏れ磁束が大きく、混合した効果がないためであり、50μmをこえると、接着剤として機能しないためである。また、熱硬化性接着剤には、一液性エポキシ接着剤等が使用できる。
実施例のコイル部品を次の手順で製造した。まず、通常の粉末冶金法に従い、Ni−Znフェライトからなるドラムコアを作製した。組成は、Feが48.9mol%、Niが24.6mol%、残部Znとした。また、寸法は、外径φ3.6mm、高さ1.0mm、芯径1.5mm、溝幅0.4mm、鍔厚0.3mmとした。
次に、このドラムコアのワイヤー巻回部に、外径φ0.09mmのワイヤーを、巻数17.5ターン巻線した。
また、上記で得られた焼結体を粉砕して平均粒子径が0.7μmのNi−Znフェライト粉末を得た。このNi−Znフェライト粉末と熱硬化一液性エポキシ接着剤(松下電工(株)製、CV5401C)を均一に混合した。重畳比がフェライト粉末:接着剤で1〜30wt%:99〜70wt%となるように各試料を作製した。
さらに、上記のドラムコアにメタルマスクを被せ、ドラムコアの側面外周を覆うようにフェライト粉末を混合した接着剤をスキージにより塗布して、樹脂層を形成し、本発明のコイル部品を得た。
また、比較のため、図5に示す従来のコイル部品を作製した。リングコアは、寸法を外径φ4.7mm、内径φ3.9mm、高さ1.0mm、組成をドラムコアと同じとし、樹脂層を形成しなかった以外は、上記の実施例と同様に作製した。
次に、各試料のコイル部品におけるドラムコアの側面から外部への漏れ磁束を測定した。測定方法を図2に示す。図2に示すように、各試料の中心から±3mmの間をガウスメータ(電子磁気工業(株)製、GM−1225、レンジ:10G)のプローブ20をスライドさせて測定した。Z(紙面に垂直)方向については上面と同じ位置(高さ)に固定して行った。その他の条件は、インダクタンス:10μH、印加電流:0.6Aとした。表1、及び図3にその結果を示した。なお、表1及び図3において、接着剤なし(樹脂層なし)は、ドラムコアと巻線のみの試料である。
表1及び図3より、フェライト粉末と接着剤の混合比において、フェライト粉末の割合が1〜30wt%と高くなるにつれて、漏れ磁束が少なくなり、従来品の値に近づくことがわかる。99:1の場合には、接着剤なしの場合並みに漏れ磁束が大きくなり、フェライト粉末の混合効果がほとんどなかった。
次に、各試料のコイル部品の直流重畳特性を測定した。その結果を図3に示す。図3において、従来品のように、フェライトリングコアを用いて閉磁路を形成すると直流重畳特性が低下する。一方、接着剤とフェライト粉末の重畳比が80〜98:20〜2の場合に、従来品より直流重畳特性が優れていることがわかる。なお、99:1、98:2の場合を示していないが、98:2の場合は、他の実施例と同様に直流重畳特性が優れていた。また、99:1の場合には、接着剤なしの場合並みに直流重畳特性が低下し、上記と同様にフェライト粉末の混合効果がほとんどなかった。
以上の実施例から、接着剤とフェライト粉末の重畳比が80〜98:20〜2の場合に、直流重畳特性を低下させずに、漏れ磁束を低減できることがわかる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されず、各種の変形が可能である。例えば、ドラムコアの材質は、Ni−Znフェライトを使用したが、磁気特性を有していれば、Ni−Znフェライトに限定されない。
また、ドラムコアは、円柱状のコイル巻回部とその両端に円板状のフランジを有するものを使用したが、円柱状のコイル巻回部とその両端に角板状のフランジを有するドラムの形状でもよい。また、本発明の実施の形態では、巻線の本数が1本であるインダクタを例示したが、巻線の本数を増やして容易にトランスとしても実施できる。
また、接着剤は、熱硬化一液性エポキシ接着剤を使用したが、コイル部品として実装される場合の耐熱性を満足すれば熱硬化一液性エポキシ接着剤に限定されない。
また、接着剤に混合する粉末として、Ni−Znフェライト粉末を使用したが、必要な磁気特性を有していればNi−Znフェライトに限定されない。
また、フェライト粉末を混合した接着剤を塗布するのにメタルマスクを使用し、接着剤をスキージにより塗布したが、接着剤をドラムコアの側面外周に塗布できればこの塗布方法に限定されない。
1 ドラムコア
2 ワイヤー
3 樹脂層
11 リングコア
20 (ガウスメータ)プローブ
2 ワイヤー
3 樹脂層
11 リングコア
20 (ガウスメータ)プローブ
Claims (3)
- 巻線を巻回したドラムコアの側面外周を、接着剤にフェライト粉末を混合した樹脂層で覆ったことを特徴とするコイル部品。
- 前記接着剤と前記フェライト粉末の混合比は、全重量を100wt%として、前記フェライト粉末の割合が2〜20wt%の範囲であることを特徴とする請求項1記載のコイル部品。
- 前記フェライト粉末の平均粒子径が0.5〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のコイル部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003280774A JP2005051004A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | コイル部品 |
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ID=34266495
Family Applications (1)
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JP2003280774A Pending JP2005051004A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | コイル部品 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006344683A (ja) * | 2005-06-07 | 2006-12-21 | Neomax Co Ltd | ドラムコア及びインダクタ |
JP2008205245A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Taiyo Yuden Co Ltd | 面実装チョークコイル |
WO2017147757A1 (zh) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | 博立多媒体控股有限公司 | 电磁感应器件及其制作方法 |
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2003
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