JP2005050958A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板11の上層に低誘電率絶縁膜15を積層する工程Aと、低誘電率絶縁膜15の少なくとも上層にシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜26を積層する工程Bと、シリコン含有絶縁膜26の表面をプラズマ処理する工程Cとを備える半導体装置の製造方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、さらに具体的には、化学増幅型フォトレジストを用いたフォトリソグラフィー技術におけるレジストパターンの形成の高精度化に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
サブクォーター(0.25)ミクロン以下のルールで形成される半導体装置に用いられる多層金属化は、次世代超大規模集積化(ULSI)技術の鍵となる技術の一つである。多層連結特徴部の信頼性ある形成は、ULSIの成功に当たって、また、個々の基板やダイ上で、回路の密度及び品質を上げるべく継続している検討のなかで、大変重要である。
【0003】
前記の状況下で層間絶縁膜には、広く用いられていたシリコン酸化膜(以下,SiO2)が、近年は層間容量の低減を目的として、低誘電率材料であるフッ素添加シリコン酸化膜(以下、SiOF膜)が使用されている。
【0004】
このSiOF膜は、例えばプラズマ化学気相成長法(PECVD法)により、材料ガスとしてSiを含むガス(例えば、SiH4)と、酸素を含むガス(例えば、N2O)とフッ素を含むガス(例えば、C2F6)とを、プラズマ放電させた反応室で混合することで形成することができる。
【0005】
上記SiOF膜は水分吸収性が高く、雰囲気中の水分を吸収して膜内に保持する。膜中に保持された水分は膜中で、
Si−F+H2O→Si−OH+HF
という反応などを起こし、その後の熱処理によって膜中からフッ化水素(HF)やフッ素(F)を放出し、以降の製造工程での熱処理中に半導体装置の中を拡散して、トランジスターの寿命を劣化させたり、金属配線(例えば、アルミニウム)を腐食してSiOF膜の誘電率が上昇し層間容量が増加する等の問題があった。
【0006】
そこで、このような問題を改善する為に、これらフッ化水素(HF)及びフッ素(F)の拡散を防止しながら水分吸収を低く抑制するシリコン含有絶縁膜を、SiOF膜の上層もしくは下層の少なくとも一方に設けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。前記水分吸収性の低いシリコン含有絶縁膜は、各半導体装置の動作速度、SiOF膜との層間絶縁膜としての比誘電率、信頼性等の各デバイスの特徴に応じて、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜などが選択される。例えば、半導体装置の信頼性よりも動作速度を優先させる場合には、拡散防止および給水防止効果は低いが誘電率の低いシリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜を選択すればよい。これとは反対に、半導体装置の動作速度よりも信頼性を優先させる場合には、シリコン窒化膜を選択すればよい。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−148562号公報
【0008】
しかしながら、半導体装置の信頼性と動作速度はともに重要であり、どちらも両立してより一層向上させることが必要である。このような観点から、最近では、フッ化水素(HF)及びフッ素(F)の拡散を防止し、かつ水分吸収を低く抑制する、シリコンリッチな(シリコンの構成比率の高い)シリコン含有絶縁膜を形成する技術が提案されている。この半導体装置を図10に示している。図10において、11は半導体基板、12はゲート電極、13は第1の層間絶縁膜、14は第1の金属配線層、15はSiOF膜、16はフッ化水素(HF)やフッ素(F)の拡散を防止しながら水分吸収を低く抑制するシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜、17は化学増幅型フォトレジスト膜、20bは所望の形状に形成されたレジストパターンである。
【0009】
このシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜16は、プラズマ化学気相成長法(PECVD法)によりSiを含むガス(例えばSiH4)と酸素を含むガス(例えば、N2O )及びN2ガスなどの、シリコン含有絶縁膜16中のシリコンの比率を上げるようにガス比率を考慮された混合ガスをプラズマ放電させる反応室内で形成することができる。このシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜16は、例えば、酸素と結合していないシリコン含有量が0.1〜3atom%のものである。なお、シリコン含有絶縁膜16の形成は、乾燥雰囲気もしくは真空雰囲気で結合された第2の反応室で行うこともできる。
このように形成したシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜16上には、化学増幅型フォトレジスト膜17を積層し、フォトリソグラフィーにて、所望形状のレジストパターン20bが解像される。
【0010】
ところで、サブクォーター(0.25)ミクロン以下のルールで形成される半導体装置に用いられるフォトリソグラフィー技術において、KrFエキシマレーザー(波長248nm)や、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等の光源を用い、所望のパターンを解像させるレジスト膜は、感光光源照射後、該照射箇所に酸触媒を発生させ、露光後のベークでその酸触媒を拡散させ、樹脂の結合をポジ型では分離、ネガ型では架橋させる機能を有する化学増幅型フォトレジストを用いる場合がある。
通常、シリコン含有絶縁膜としてシリコンに対して酸素の比率を十分に考慮されて形成された膜上では、前記化学増幅型フォトレジストを使用しても、感光後にフォトレジスト内に発生した酸触媒の拡散が抑制されないので、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0011】
しかしながら、図10に示すように、例えば、ポジ型化学増幅型フォトレジスト17が使用される場合は、上述のように形成したシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜16内で成膜時に構成される微数のN−H基の存在で窒素が持つ非共有電子対により膜がδ―になる、若しくは、該シリコン含有絶縁膜16中からの脱離や最表面に残留したアミン類(例えば、NH3)によるアルカリ成分のために、シリコン含有絶縁膜16直上の化学増幅型フォトレジスト膜17の感光部に発生した酸触媒の露光後に実施されるベークによる拡散が抑制され、樹脂の分離が足りず、現像後のレジストパターン20bの形状が悪化するという問題を生ずることが判明した。
【0012】
本発明の主要な目的の一つは、追加層を堆積することなく、化学増幅型フォトレジストを用いたフォトリソグラフィー技術にて、レジストパターンを精度良く、かつ良好な形状に形成できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、半導体基板の上層に低誘電率絶縁膜を積層する工程Aと、
前記低誘電率絶縁膜の少なくとも上層にシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜を積層する工程Bと、
前記シリコン含有絶縁膜の表面をプラズマ処理する工程Cとを備える半導体装置の製造方法が提供される。
【0014】
ここで、本発明において、半導体装置としては、IC、LSI、ULSI(超大規模集積回路)等の半導体集積回路が挙げられ、特にLSI、ULSIが対象とされる。
また、本発明において、シリコン含有絶縁膜としては、シリコン酸化膜(SiO2膜)、シリコン酸窒化膜(SiON膜)又はシリコン窒化膜(Si3N4膜)とすることができ、得ようとする半導体装置の構造や目的や性能等によって選択される。
また、低誘電率絶縁膜としては、フッ素を含むシリコン酸化膜、例えばシリコン酸化フッ化膜(以下、SiOF膜と称する)が挙げられる。このSiOF膜は、公知技術、例えばプラズマ化学気相成長法(PECVD法)により形成することができる。
【0015】
本発明は、半導体集積回路を構成する層間絶縁膜としての低誘電率絶縁膜の少なくとも上層に、シリコンリッチなシリコン含有絶縁膜を堆積することにより、シリコンリッチでない通常の場合に比して、(1)以降の製造工程における熱処理によって低誘電率絶縁膜中からその構成原子や構成原子の化合物が半導体装置中を拡散する(例えばSiOF膜中からフッ化水素(HF)やフッ素(F)が拡散する)ことがより一層防止され、装置寿命をより延ばすことができる、(2)低誘電率絶縁膜内への雰囲気中の水分の吸収がより一層抑制され、半導体装置内の金属配線の腐食防止効果が向上するという効果を得ることができる。すなわち、上記効果(1)(2)により半導体装置の信頼性をより向上させることができる。したがって、シリコン含有絶縁膜として、例えば誘電率は低い(絶縁性が高い)が、拡散防止性及び吸水性が低いシリコン窒化膜を選択した場合には、拡散防止性及び吸水性が改善され、信頼性と動作速度の両方に優れた半導体装置を得ることが可能となる。
このシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜は、成膜後にはアミン類、もしくはN−H基等をある程度の量を含有した膜となっており、このアミン類、もしくはN−H基等のアルカリ成分は、以降のフォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成するに際して、現像後のレジストパターン形状に悪影響を与えるが、本発明では、成膜したシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜の表面をプラズマ処理することにより、アミン類、もしくはN−H基等を除去する。この結果、プラズマ処理されたシリコン含有絶縁膜の表面に、パターン形成時の光照射部位に酸触媒を発生する化学増幅型レジストを形成し、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成するに際して、(3)露光、現像後の線幅をターゲット線幅と略同等にすることができる。すなわち、追加層を堆積することなく、高精度にレジストパターンを形成することができる。
なお、本発明において、シリコンリッチとは、シリコン構成比率が大きいこと(例えば、酸素と結合していないシリコン含有量が0.1〜3atom%)を意味する。また、本発明におけるシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜は、少なくとも低誘電率絶縁膜の上層(好ましくは表面)に設けられていればよく、低誘電率絶縁膜の下層にも設けるようにしてもよい。また、このシリコン含有絶縁膜は、バリア層、ARC、保護層あるいは誘電層等の様々な層に用いてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、半導体基板としては、主としてシリコン基板が使用されるが、これ以外にもシリコンゲルマニウム基板、ガリウム砒素基板等の化合物半導体基板を使用することができる。
【0017】
本発明において、シリコンリッチなシリコン含有絶縁膜は、公知技術、例えばプラズマ化学気相成長法(PECVD法)によりSiを含むガス(SiH4)と酸素を含むガス(N2O)及びN2等の混合ガスをシリコンの構成比率を上げるように考慮されたガス比率でプラズマ放電させた反応室内で混合することで形成できる。この場合、SiH4とN2OとN2の構成比率は、1.8〜3.5:82.6〜85.3:12.1〜14.4、好ましくは2.5〜2.8:83.4〜84.7:12.7〜13.8である。チャンバ構造により、パラメータの調整が必要であるが、SiH4とN2OとN2の混合ガスを、約10000〜約13000標準立方センチメートル(sccm)、好ましくは約11000〜約12000(sccm)の速度で、チャンバへ流し入れる。チャンバ内圧力は、約1.7〜約2.1トール、好ましくは約1.9トールに維持される。また、単一の13.56MHzRF電力を約900〜約1100ワット(W)、さらに好ましくは約1000Wで、チャンバへ印加する。RF電源は、混合周波数RF電力供給源であってよい。また、基板表面温度は約380℃〜約420℃、好ましくは約400℃に維持する。
【0018】
本発明において、シリコンリッチなシリコン含有絶縁膜の表面をプラズマ処理するに際しては、酸素原子含有ガス下で行なわれることが好ましい。この場合、酸素原子含有ガスは、N2Oガス又はO2ガスを用いることができる。
【0019】
また、低誘電率絶縁膜の少なくとも上層にシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜を積層する工程Bと、シリコン含有絶縁膜の表面をプラズマ処理する工程Cは、その場(in−situ)で行なわれることが、半導体装置の生産性の面で好ましいが、工程Cを工程Bとは別装置又は別チャンバで行うようにしてもよい。また、プラズマ処理する工程Cは、チャンバ構造により、パラメータの調整が必要であるが、N2Oガス又はO2ガスを、約100〜約10000標準立方センチメートル(sccm)、好ましくは約7000〜約9000(sccm)の速度で、チャンバへ流し入れる。チャンバ内圧力は、約1〜約12トール、好ましくは約2トールに維持される。単一の13.56MHzRF電力を約50〜約1000ワット(W)、さらに好ましくは約300Wで、チャンバへ印加する。RF電源は、混合周波数RF電力供給源であってよい。基板表面温度を約0℃〜約500℃、好ましくは約400℃に維持する。このような条件のもとで、基板を、N2Oガスの場合は約2〜約40秒間、O2ガスの場合は約2〜約90秒間プラズマに露射することにより、シリコンリッチなシリコン含有絶縁体の表面をプラズマ処理し、後工程でのレジストパターン形成に悪影響を及ぼすアミン類もしくはN−H基等を効果的に除去することができる。
【0020】
本発明においては、シリコンリッチなシリコン含有絶縁体の表面をプラズマ処理した後、シリコン含有絶縁膜の表面にフォトレジスト膜を公知技術のフォトリソグラフィー法でパターン形成する工程Dを含むものであってもよい。これにより、高精度なパターン形状に形成されたレジストパターンを備える半導体装置を得ることができる。
【0021】
本発明は、別の観点によれば、半導体基板の上層に積層された低誘電率絶縁膜と、この低誘電率絶縁膜の少なくとも上層に積層されたシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜とを備え、
前記シリコン含有絶縁膜は、その表面がプラズマ処理されている半導体装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の半導体装置及びその製造方法を説明する。
【0022】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す断面図である。この図1において、11は半導体基板、12はゲート電極、13は第1の層間絶縁膜、14は第1の金属配線層、15はSiOF膜、26は表面がプラズマ処理されたシリコンリッチなシリコン酸化含有絶縁膜としてのシリコン酸化膜である。また、17は化学増幅型フォトレジスト膜であり、20aは化学増幅型フォトレジスト膜17に形成された所望形状のレジストパターンである。なお、図10で説明した従来の半導体装置と同一の要素には同一の符号を付している。
【0023】
次に、実施の形態1の半導体装置の製造方法について説明する。
半導体基板上11に第1の金属配線層14、SiOF膜15まで公知技術により順次形成後、第1の金属配線層14の段差が以後工程の加工難度をあげないように、化学機械研磨法(CMP法)によって必要な膜厚を確保しつつSiOF膜15の表面を研磨して段差を充分に低減させてから、シリコンリッチなシリコン酸化膜26を形成する。シリコン酸化膜26の形成は、プラズマ化学気相成長法(PECVD法)によりSiを含むガス(SiH4)と酸素を含むガス(N2O)及びN2等の混合ガスをシリコンの構成比率を上げるように考慮されたガス比率でプラズマ放電させた反応室内で混合することで形成できる。この場合、SiH4とN2OとN2の構成比率は、2.7:84.1:13.3である。
【0024】
なお、この実施の形態1においてシリコン酸化膜26は、シリコン酸窒化膜あるいはシリコン窒化膜であっても良く、また、金属配線層14の段差が以後の加工工程で影響が少ない場合、CMP研磨による段差低減を実施せずに、SiOF膜15形成に引き続き、その場(in−situ)で、シリコン酸化膜26を形成しても良い。
また、シリコンリッチなシリコン酸化膜(SiO2)あるいはシリコン酸化窒化膜(SiON)を成膜するときの反応式は
SiH4+N2+N2O → SiO2+NH3
であり、SiH4とN2の流量、及びチャンバ内圧力(チャンバー形状依存)で、それぞれ作り分けるている。前記反応式のSiH4流量は、現条件では300sccm で形成しており、200〜400sccmが妥当な範囲内である。
【0025】
このようにしてフッ化水素(HF)及びフッ素(F)の拡散を防止しかつ水分吸収性の低い絶縁膜として使用されるシリコンの構成比率を上げた、シリコンリッチなシリコン酸化膜26は、図2、3に示すFTIR(フーリエ変換赤外分光)の測定結果から分かるように、波長が3400付近において、成膜後にはアミン類もしくはN−H基等をある程度の量を含有した膜となっていることが確認できた。一方、図2のシリコンの構成比が標準的なシリコン酸化膜では、アミン類もしくはN−H基等の存在が確認できなかった。
【0026】
また、本発明に使用したシリコンリッチなシリコン酸化膜26のTDS (Thermal Desorption Spectroscopy (熱脱離分光法))の結果を図4〜9に示す。これはシリコンリッチなシリコン酸化膜26を100℃〜1000℃に加熱し、シリコン酸化膜26中から発生する化合物の存否の定性分析を行ったデータである。
図4では質量数17のNH3が、図5では質量数16のNH2が、図6では質量数2のH2の存在が確認できた。しかし、図7では質量数18のH2Oが、図8では質量数28のN2が、図9では質量数44のCO2がほとんど確認できず、存在しないことが判った。
【0027】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形、変更が可能であり、これらを本発明の範囲から除外するものではない。特に、フッ化水素(HF)あるいはフッ素(F)の拡散を防止しかつ水分吸収性の低い、シリコンの構成比率を上げたシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜を、SiOF膜の上層と下層に設けてもよく、あるいは上層及び/又は下層に2層以上積層させても良い。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
上述のようにして形成したシリコン酸化膜26の成膜後、N2Oプラズマでシリコン酸化膜26の表面を約5秒間プラズマ処理した。このときの条件としては、チャンバー構造によりパラメータの調整が必要であるが、N2Oガスを、約8000sccmの速度で、チャンバへ流し入れる。チャンバ内圧力は、約2トールに維持される。電力は、単一の13.56MHzRF電力を約300Wでチャンバへ印加する。RF電源は混合周波数RF電力供給源である。基板表面温度は約400℃に維持する。パラメータは、他のチャンバ、基板層、該改善を補助する他のガスに対して調整でき、特に、補助堆積層の必要無しに、該改善するためのプロセスに対して調整できる。
【0029】
この実施例1において、N2Oプラズマ処理は、シリコン酸化膜26に引き続き、in−situで処理されることが好ましいが、シリコン酸化膜26成膜後、同装置内の別チャンバー、若しくは、他装置で処理することも可能である。
【0030】
(実施例2)
上述のようにして形成したシリコン酸化膜26の成膜後、O2プラズマでシリコン酸化膜26の表面を約30秒間プラズマ処理した。このときの条件としては、チャンバー構造によりパラメータの調整が必要であるが、O2ガスを約3000sccmの速度で、チャンバへ流し入れる。チャンバ内圧力は、約1.5トールに維持される。電力は、単一の13.56MHzRF電力を約2000Wで、チャンバへ印加する。RF電源は、混合周波数RF電力供給源である。基板表面温度は約250℃に維持する。パラメータは、他のチャンバ、基板層、該改善を補助する他のガスに対して調整でき、特に、補助堆積層の必要無しに、該改善するためのプロセスに対して調整できる。
【0031】
この実施例2においてO2プラズマ処理は、シリコン酸化膜26に引き続き、in−situで処理されることが好ましいが、シリコン酸化膜26の成膜後、同装置内別チャンバー、若しくは、他装置で処理することも可能である。
【0032】
次に、N2Oプラズマ処理の場合は上記実施例1と同様に、O2プラズマ処理の場合は上記実施例2と同様にして、下記の表1のような条件▲1▼〜▲6▼で酸素含有プラズマ処理後のシリコン酸化膜26上に、化学増幅型フォトレジスト17を塗布し、該レジスト膜17を従来のフォトリソグラフィー法を用いて、露光、現像を行ない、レジストパターンを形成し、その線幅を測定し、その結果を表1に示した。なお、条件▲4▼〜▲6▼は、1回目のフォトレジストをO2プラズマにより除去し、2回目に形成したレジストパターンの線幅を測定している。
【0033】
【表1】
【0034】
ターゲット線幅0.280μmに対して、条件▲2▼の場合は線幅が0.281μmであり、これに比してシリコン酸化膜成膜26後にプラズマ処理を実施しない条件▲1▼では線幅が0.219μmであり、約0.06μm形状が悪化している(図10参照)。これは、シリコン酸化膜成膜26の表面または膜中に含まれるアンモニア系の成分やアミン類の成分がレジストの露光部に発生する酸の量を抑制して、レジストが現像液で現像し切れなくなったことが原因であり、それによってホール部(凹部)の幅が細くなっている。条件▲2▼及び▲3▼は、N2Oプラズマ、O2プラズマによるアミン類あるいはN−H基等を除去する効果によって、露光、現像後の線幅がターゲット線幅と略同等と良好である。
また、通常のフォトリソグラフィー法で、所望のレジストパターンを得られなかった場合は、一般的にアッシングと呼ばれるO2プラズマによりレジスト除去し、その後、残さ、異物除去を目的とした洗浄工程を有するリワーク処理が一般的である。条件▲4▼▲5▼▲6▼の結果から分かるように、シリコン酸化膜26の成膜後のプラズマ処理の有無に関わらず、リワーク処理することにより、同一露光量で、略同一のターゲット線幅を解像させる露光が可能である結果が得られた。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体集積回路を構成する層間絶縁膜としての低誘電率絶縁膜の少なくとも上層に、シリコン構成比率が大きいシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜を堆積することにより、シリコンリッチでない通常の場合に比して、(1)以降の製造工程における熱処理によって低誘電率絶縁膜中からその構成原子や構成原子の化合物が半導体装置中を拡散する(例えばSiOF膜中からフッ化水素(HF)やフッ素(F)が拡散する)ことがより一層防止され、装置寿命をより延ばすことができる、(2)低誘電率絶縁膜内への雰囲気中の水分の吸収がより一層抑制され、半導体装置内の金属配線の腐食防止効果が向上するという効果を得ることができる。すなわち、上記効果(1)(2)により半導体装置の信頼性をより向上させることができる。したがって、シリコン含有絶縁膜として、例えば誘電率は低い(絶縁性が高い)が、拡散防止性及び吸水性が低いシリコン窒化膜を選択した場合には、拡散防止性及び吸水性が改善され、信頼性と動作速度の両方に優れた半導体装置を得ることが可能となる。
このシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜は、成膜後にはアミン類、もしくはN−H基等をある程度の量を含有した膜となっており、このアミン類、もしくはN−H基等のアルカリ成分は、以降のフォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成するに際して、現像後のレジストパターン形状に悪影響を与えるが、本発明では、成膜したシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜の表面をプラズマ処理することにより、アミン類、もしくはN−H基等を除去する。この結果、プラズマ処理されたシリコン含有絶縁膜の表面に、パターン形成時の光照射部位に酸触媒を発生する化学増幅型レジストを形成し、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成するに際して、(3)露光、現像後の線幅をターゲット線幅と略同等にすることができる。すなわち、追加層を堆積することなく、高精度にレジストパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜のFTIRを示す図である。
【図3】図2の一部の拡大図である。
【図4】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜の質量数17(NH3)の脱離パイログラムを示すTDS結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜の質量数16(NH2)の脱離パイログラムを示すTDS結果を示す図である。
【図6】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜の質量数2(H2)の脱離パイログラムを示すTDS結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜の質量数18(H2O)の脱離パイログラムを示すTDS結果を示す図である。
【図8】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜の質量数28(N2)の脱離パイログラムを示すTDS結果を示す図である。
【図9】本発明の実施例のシリコンリッチなシリコン酸化膜の質量数44(CO2)の脱離パイログラムを示すTDS結果を示す図である。
【図10】従来の半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
11 半導体基板
15 低誘電率絶縁膜
26 シリコン含有絶縁膜
Claims (13)
- 半導体基板の上層に低誘電率絶縁膜を積層する工程Aと、
前記低誘電率絶縁膜の少なくとも上層にシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜を積層する工程Bと、
前記シリコン含有絶縁膜の表面をプラズマ処理する工程Cとを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - シリコン含有絶縁膜が、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜又はシリコン窒化膜からなる請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 低誘電率絶縁膜が、フッ素を含むシリコン酸化膜である請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- シリコン含有絶縁膜の表面にフォトレジスト膜をフォトリソグラフィー法でパターン形成する工程Dを含む請求項1〜3の何れか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- フォトレジスト膜が、パターン形成時の光照射部位に、酸触媒を発生する化学増幅型レジストである請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
- プラズマ処理が、酸素原子含有ガス下で行なわれる請求項1〜5の何れか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 酸素原子含有ガスが、N2Oガス又はO2ガスである請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Bと工程Cが、その場で行なわれる請求項1〜7の何れか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Cが、工程Bとは別装置又は別チャンバで行われる請求項1〜7の何れか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体基板の上層に積層された低誘電率絶縁膜と、この低誘電率絶縁膜の少なくとも上層に積層されたシリコンリッチなシリコン含有絶縁膜とを備え、
前記シリコン含有絶縁膜は、その表面がプラズマ処理されていることを特徴とする半導体装置。 - シリコン含有絶縁膜が、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜又はシリコン窒化膜からなる請求項10に記載の半導体装置。
- 低誘電率絶縁膜が、フッ素を含むシリコン酸化膜である請求項10又は11に記載の半導体装置。
- シリコン含有絶縁膜の表面に、レジストパターンを有するフォトレジスト膜がさらに積層されてなる請求項10〜12の何れか1つに記載の半導体装置。
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