JP2005050893A - リテーナリング及びそれを用いた基板研磨方法 - Google Patents

リテーナリング及びそれを用いた基板研磨方法 Download PDF

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Makoto Aritsuka
眞 在塚
Yasuyuki Kono
恭幸 河野
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Abstract

【課題】研磨の処理数が増加しても、リテーナリングの消耗量を抑制し、リテーナリングの交換頻度を減じるとともに、ひいては研磨対象の基板外周部における研磨量異常の発生を抑制し、また欠けを抑制することのできるリテーナリング、及びそれを用いた基板研磨方法を提供する。
【解決手段】リテーナリング101は、研磨テーブル106上に設けられる研磨パッド107と、研磨する基板103を該研磨パッドに押しつける基板保持部102とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、ロックウェル硬度が60以下で、かつ曲げ弾性率が1GPa以下である樹脂、または、砂摩耗試験による摩耗指数が50以下である樹脂、またはテーバー摩耗試験による摩耗指数が50以下である樹脂が用いられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学的機械的研磨法などに用いられる研磨装置のリテーナリング及びそれを用いた研磨装置による基板研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
研磨技術は、シリコンウェーハ基板やガラス基板などの硬質材料表面を平坦化平滑化するために、広く用いられている。近年は半導体の高集積化や記録媒体の高密度化が進んでおり、とりわけシリコンウェーハ基板や磁気記録媒体用のガラス基板に対する表面の平坦化平滑化には一層高いレベルが要求されている。その代表例として、化学的機械的研磨法(CMP)は、半導体基板上のデバイス作製工程において、作製の過程で形成される表面の凹凸、たとえば層間絶縁膜表面の凹凸を高いレベルで平滑化平坦化する技術として用いられている。
このCMPの一般的構成は、通常、砥粒と化学的作用のための薬剤を含む研磨液が介在する状態で、被研磨物であるシリコンウェーハ基板が固定された基板保持部を、表面に研磨パッドが固定された研磨テーブルに押し付け、基板保持部および研磨テーブルが自転運動して基板を研磨するものである。研磨パッドには不織布とは異なる比較的硬い材料として発泡ポリウレタンなどの材料が用いられるのが一般的である。
【0003】
ここで、研磨装置について簡単に説明する。図1は、従来から用いられている研磨装置の構成を示す図である。この研磨装置は、図1(a)に概略を示すように、研磨対象を保持する基板保持部102と、研磨パッド107が貼り付けられた研磨テーブル106と、研磨液供給口108と、ダイヤモンドペレットを装着したコンディショニング機構109とから構成されている。基板保持部102およびコンディショニング機構109には、回転,揺動,加圧を行う機構が付帯され、また、研磨テーブル106には、回転機構が付帯しているが、それらは図示していない。
【0004】
ここで、基板保持部102に関してより詳細に説明する。図1(b)に断面を示すように、基板保持部102は、基板103の裏面にインサートパッド105と呼ばれる弾力性のある層を有し、また、基板103の外周に研磨中の基板103の横ずれを防止するリテーナリング101が設けられている。リテーナリング101の材質には、金属、石英(特開平8−148453号公報)、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、高純度アルミナ(Al)(特開平8−187657号公報)などのセラミックスや、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(特開平10−217109号公報)、ポリアセタール等の硬質樹脂や、セラミックスと樹脂の複合構造材(特開2000−52241号公報,特開2001−121108号公報)などが用いられている。なお、このリテーナリング101は、荷重調整機構104により荷重が加えられている。この研磨装置を用い、たとえば、LSIの多層配線構造において、層間絶縁膜の表面が平坦化されている。
【0005】
ところで、リテーナリング101は、基板103の横ずれ防止だけではなく、基板103の外周縁部の研磨異常を防止する目的にも用いられる。研磨を行っているときは、基板103は研磨パッド107に押し付けられながら研磨パッド107表面を移動している。また研磨パッド107は基板103からの押し付け圧により厚み方向に変形し、基板103の周縁部はその中央部分より研磨パッド107から受ける反力が集中する。このため、基板103は周縁部の研磨が速く進む傾向があり、基板103全体としての研磨速度が不均一になる。
【0006】
そこで、次に示すようにすることで、このような研磨異常を抑制することができる。すなわち、まず、リテーナリング101と基板103との研磨パッド107に接触する面を同一高さとする。また、リテーナリング101の研磨パッド107に接触する幅を上述した研磨パッド107の変形領域以上とする。このようにした結果、変形領域はリテーナリング101の幅の範囲に留まり、研磨パッド107から基板103が受ける反力は基板103の外周部に集中することがなく、結果的に研磨異常が抑制される。また、リテーナリング101の荷重は、荷重調整機構104を用いることで、基板103への荷重制御と独立して行うようにすることで、リテーナリング101を研磨パッド107に押しつける圧力が独立に一定値に保たれるようになる。
【0007】
このリテーナリング101は、300〜500g/cm程度の荷重をかけて研磨パッド107に接触させている。したがって、研磨している際には、リテーナリング101を構成する物質が、研削されて不純物となって研磨パッド107に広がっていく。ここで、このリテーナリング101の材料にステンレス鋼などの金属材料を用いると、金属成分が研磨パッド107に広がることになり、基板103に形成されているデバイスの特性に悪影響を及ぼす場合がある。また、それら金属材料の切削片が発生したとき、その切削片により基板103の研磨面が傷付けられてしまう場合がある。
【0008】
また、このリテーナリング101の材料にSiCなどのセラミックスを用いると、比較的耐摩耗性が高いため金属と比較して切削片により研磨面が傷つく恐れは減少するものの、硬度が非常に高いためリテーナリング101と接触する基板103外周縁部が損傷してしまう場合がある。このため、リテーナリング101には、樹脂を用いるのが好ましい。
【0009】
しかし、研磨対象の基板外周部の研磨量の異常を抑制するために、研磨パッドに接触するように樹脂製リテーナリングを用いると、樹脂は比較的耐摩耗性に劣るため、リテーナリング自体の摩耗の進行がはやく、高頻度のリテーナリング交換を余儀なくされる。更には摩耗の進行と共にリテーナリング自体が変形するため、研磨処理枚数が増加すると研磨パッドを押さえる能力が低下し、被研磨物の研磨異常、とりわけ基板外周縁部の研磨異常抑制性能が保持できなくなる問題もあった。
【0010】
また、基板103の周縁部では研磨の最中に小さな「欠け」が起こる場合がある。欠けが発生すると、欠けた部分を始点として大きな割れが発生するという重大な問題が起こる場合がある。そればかりでなく、欠けた破片が基板103と研磨パッド107の間に入り込み、基板103の表面に重大な傷をつけるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、研磨の処理数が増加しても、リテーナリングの消耗量を抑制し、リテーナリングの交換頻度を減じるとともに、ひいては研磨対象の基板外周部における研磨量異常の発生を抑制し、また「欠け」を抑制することのできるリテーナリング、及びそれを用いた基板研磨方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この基板の「欠け」が起きる現象を様々な角度から検討解析した結果、リテーナリングの材質として特定の物性値を有する樹脂を用いると「欠け」が起こりにくくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明にかかる第1のリテーナリングは、研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、ロックウェル硬度(ASTM D785 Rスケール、以下同様)が60以下、好ましくは60〜30で、かつ曲げ弾性率が1GPa以下、好ましくは1〜0.3GPaである樹脂が用いられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる第2のリテーナリングは、研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、砂摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられていることを特徴とする。前記の樹脂成形体は、さらにロックウェル硬度が60以下、好ましくは60〜30であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下、好ましくは1〜0.3GPaである樹脂からなることが好ましい。
【0015】
また、本発明にかかる第3のリテーナリングは、研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられていることを特徴とする。前記の樹脂成形体は、さらにロックウェル硬度が60以下、好ましくは60〜30であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下、好ましくは1〜0.3GPaである樹脂からなることが好ましい。
【0016】
本発明にかかる第1の基板研磨方法は、研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置であって、前記リテーナリングの少なくとも研磨パッドに接触する面に、ロックウェル硬度が60以下、好ましくは60〜30で、かつ曲げ弾性率が1GPa以下、好ましくは1〜0.3GPaである樹脂が用いられた研磨装置を使用することからなる。
【0017】
本発明にかかる第2の基板研磨方法は、研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置であって、前記リテーナリングの少なくとも研磨パッドに接触する面に、砂摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられた研磨装置を使用することからなる。前記の樹脂は、さらにロックウェル硬度が60以下、好ましくは60〜30であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下、好ましくは1〜0.3GPaである樹脂からなることが好ましい。
【0018】
本発明にかかる第3の基板研磨方法は、研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置であって、前記リテーナリングの少なくとも研磨パッドに接触する面に、テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられた研磨装置を使用することからなる。前記の樹脂は、さらにロックウェル硬度が60以下、好ましくは60〜30であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下、好ましくは1〜0.3GPaである樹脂からなることが好ましい。
【0019】
CMPのような研磨におけるリテーナリングの消耗は、荷重が架かり、かつ研磨液が介在する状態で研磨パッドとの接触する際に起こる複雑な系における現象である。それにもかかわらず、本発明では、リテーナリングを形成する樹脂の性能要件として、砂摩耗試験による磨耗指数およびテーバー摩耗試験による摩耗指数を用い、この指数が特定値以下である樹脂を用いてリテーナリングを形成することで前記した問題を解決することができた。
【0020】
本発明において砂摩耗試験とは、砂と等量の水を混合したスラリー中で、試験片を1750rpmで7.5時間回転させたのちの試験片の砂摩耗量を測定したものであり、砂摩耗指数とはアセタール樹脂の砂摩耗量を100として、それに対する砂摩耗量の割合を表した数値である。
【0021】
また本発明においてテーバー摩耗試験とは、回転する試料の上面に、試料の中心軸に対して偏心させた2つの摩耗輪を圧接させ回転させた際に生じる試料と摩耗輪の接触摩擦による摩耗量を測定するものである。この試験方法はASTM D1044に規定されている。摩耗指数とは、テーバー摩耗試験によるアセタール樹脂の摩耗量を100として、それに対する摩耗量の割合を表した数値である。
【0022】
また、本発明では、リテーナリングの基板と接触する部分の材質に、ロックウェル硬度が60以下であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下である樹脂を用いることにより、特に基板の「欠け」を防ぐことができた。曲げ弾性率が1GPa以下であっても、ロックウェル硬度が60以下でない場合は基板の「欠け」が発生する場合がある。
【0023】
なお、機械的強度のより優れた例えば金属材料からなる保持部材の、少なくとも基板との接触面部分を、本発明で用いる樹脂で覆うことで、リテーナリング全体の強度を上げることも可能である。例えば図2(a)に示す様に機械的強度の優れた材料を中心材として、その周囲全体を本発明で用いる樹脂でライニングする方法、図2(b)あるいは図2(c)に示すように研磨パッドおよび基板と接触する部分に本発明で用いる樹脂を使用する方法が例示できる。また、研磨スラリーの流通を助ける等の目的として、リテーナリングの研磨パッドに接触する表面に溝構造あるいは孔を持たせたものも、本発明の態様として含まれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図を参照して説明する。図3は、本発明の研磨装置の構成を示す構成図である。この研磨装置は、図3(b)に概略を示すように、研磨対象である基板を保持する基板保持部508と、研磨パッド505が貼り付けられた研磨テーブル506と、研磨材供給口507とから構成されている。ダイヤモンド粒子を装着したコンディショニング機構は省略している。研磨パッド505は、通常、表面が硬質発泡ウレタン樹脂製のものが用いられる。なお、基板保持部508には、回転,加圧を行う機構が付帯され、また、研磨テーブル506には、回転機構が付帯しているが、それらは図示していない。
【0025】
ここで、基板保持部508に関してより詳細に説明する。図3(a)に示すように、基板保持部508は、基板502の裏面にインサートパッド504と呼ばれる弾力性のある層を有している。そして、研磨を行うときは、このインサートパッド504を介して、研磨パッド505に基板502の研磨対象面が押しつけられている。この基板502の研磨対象面には、たとえばLSIの多層配線構造の一部が形成され、その最表面には層間絶縁膜が堆積された状態となっている。そして、その層間絶縁膜表面には、下層の配線層などによる凹凸が存在し、これをこの研磨装置による化学的機械的研磨により切削研磨することで、平坦化するようにしている。
【0026】
また、基板502の外周に研磨中の基板502の横ずれを防止するリテーナリング501が設けられている。本発明にかかるこの実施の形態では、リテーナリング501は、砂摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂、例えばポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、超高分子量ポリエチレンなどの樹脂、または、テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂、例えばポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、超高分子量ポリエチレンなどの樹脂、または、リテーナリング501はロックウェル硬度が60以下であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下である樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂から構成される。ロックウェル硬度が60以下であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下であって、砂摩耗指数が50以下、またはロックウェル硬度が60以下であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下であって、摩耗指数が50以下である樹脂で構成することも可能である。
【0027】
ここで、リテーナリング501の表面が、研磨パッド102に接触し、かつリテーナリング501の表面と基板502との研磨パッド505に接触する面を同一高さとしている。そして、このリテーナリング501には、約500g/cmの荷重をかけて研磨パッド505に接触させている。
【0028】
この結果、このリテーナリング501は、砂摩耗指数が50を超える樹脂を用いた場合と比較して、耐摩耗性が向上する。また、テーバー摩耗試験による摩耗指数が50を超える樹脂を用いた場合と比較して、耐摩耗性が向上する。このリテーナリング501は樹脂製であるため、研磨パッド505に接触する部分は樹脂と研磨対象の基板502だけであり、金属製リテーナリングを使用した場合に懸念される、金属成分が研磨パッド505に広がり、基板502に形成されているデバイスの特性に悪影響を及ぼしたり、金属材料の切削片が発生したとき、その切削片により研磨面を傷つけることがない。さらに、このリテーナリング501は、ロックウェル硬度が60を超える樹脂、および/または曲げ弾性率が1GPaを超える樹脂を用いた場合と比較して、基板502周縁部の「欠け」を生じることがない。
【0029】
【実施例】
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<研磨及び評価方法>
以下の実施例、比較例では、前記の形態のリテーナリング501(内径が106mm、160mm)を用いた研磨装置により、4インチ径の表面に酸化膜(厚さ1μm)を有するシリコン基板を試料とし、化学的機械的研磨により酸化膜の除去を行った。基板保持部に加える荷重は500g/cmとした。また、研磨液には、シリカ微粒子を12.5重量%含有し、pHが約12に調整された水性研磨液を用いた。「欠け」に関する材質の評価は、研磨処理後の基板502周縁部の欠けの状態を、目視観察することで行った。また、摩耗量の評価は、研磨処理後のリテーナリング501の消耗量(質量変化)の比較をもって行った。
【0030】
[実施例1]
リテーナリング501にロックウェル硬度(Rスケール)40のポリエチレン樹脂(曲げ弾性率0.6GPa)をもちいて研磨及び評価を行った。その結果、基板502周縁部に欠けは認められなかった。
【0031】
[比較例1〜5]
リテーナリング501にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をそれぞれ用いた比較例1〜5の5種類のリテーナリングを用いて研磨及び評価を行った。その欠けの有無の結果を、樹脂のロックウェル硬度と曲げ弾性率とともに、表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2005050893
【0033】
[実施例2]
リテーナリング501に砂摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が約20のポリエチレン製リテーナリングを用いて研磨及び評価を行った。その結果、リテーナリング501の消耗量は8mgであった。
【0034】
[比較例6〜8]
リテーナリング501にポリアセタール(砂摩耗指数が100)製リテーナリングを用いて研磨及び評価を行った(比較例6)。その結果、リテーナリング501の消耗量は50mgであった。また、砂摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が70のフッ素樹脂を使用した場合(比較例7)、リテーナリングの消耗量は40mgであった。さらに、砂摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が160の硬質塩化ビニル樹脂を使用した場合(比較例8)、リテーナリングの消耗量は80mgであった。
【0035】
[実施例3]
リテーナリング501に砂摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50のポリエチレン製リテーナリングを用いて研磨及び評価を行った。その結果、リテーナリング501の消耗量は20mgであった。この消耗量はポリアセタール製あるいはフッ素樹脂製のリテーナリングにおける消耗量とも明確な差が見られた。
【0036】
[実施例4]
リテーナリング501にテーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が約20のポリエチレン製リテーナリングを用いて研磨及び評価を行った。その結果、リテーナリング501の消耗量は8mgであった。
【0037】
[比較例7〜9]
リテーナリング501にポリアセタール(テーバー摩耗試験による摩耗指数が100)製リテーナリングを用いて研磨及び評価を行った(比較例7)。その結果、リテーナリング501の消耗量は50mgであった。また、テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が70のフッ素樹脂を使用した場合(比較例8)、リテーナリングの消耗量は40mgであった。テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が160の硬質塩化ビニル樹脂を使用した場合(比較例9)、リテーナリングの消耗量は80mgであった。
【0038】
[実施例5]
リテーナリング501にテーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50のポリエチレン製リテーナリングを用いて研磨及び評価を行った。その結果、リテーナリング501の消耗量は20mgであった。この消耗量はポリアセタール製あるいはフッ素樹脂製のリテーナリングにおける消耗量とも明確な差が見られた。
【0039】
【発明の効果】
研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置において、本発明のリテーナリングを用いると、基板周縁部が欠けるという不具合が発生せず、良好な研磨が可能となる。また、摩耗の進行が遅いため、リテーナリングの交換頻度が減少する。さらに、リテーナリングが摩耗することによる研磨パッドを押さえる能力の低下が少なく、被研磨物基板外周縁部の研磨異常が抑制されるだけでなく、削れたリテーナリング材料による研磨パッドの目詰まりが減る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から用いられている研磨装置の構成を示す図である。
【図2】リテーナリングの構造の例を示す断面図(a)、(b)、(c)である。
【図3】本発明の実施形態における研磨装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
101,201,301,401,501 リテーナリング
107,505 研磨パッド
105,504 インサートパッド
103,502 基板
104 荷重調整機構
102,508 基板保持部
106,506 研磨テーブル
108,507 研磨液供給管
109 コンディショニング機構

Claims (8)

  1. 研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、ロックウェル硬度(Rスケール)が60以下で、かつ曲げ弾性率が1GPa以下である樹脂が用いられていることを特徴とするリテーナリング。
  2. 研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、砂摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられていることを特徴とするリテーナリング。
  3. 研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部とを有する研磨装置において、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングであって、少なくとも研磨パッドに接触する面に、テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられていることを特徴とするリテーナリング。
  4. 前記樹脂のロックウェル硬度(Rスケール)が60以下であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のリテーナリング。
  5. 研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置を用いた研磨方法であって、前記リテーナリングの少なくとも研磨パッドに接触する面に、ロックウェル硬度(Rスケール)が60以下で、かつ曲げ弾性率が1GPa以下である樹脂が用いられた研磨装置を使用する基板研磨方法。
  6. 研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置を用いた研磨方法であって、前記リテーナリングの少なくとも研磨パッドに接触する面に、砂摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられた研磨装置を使用する基板研磨方法。
  7. 研磨テーブル上に設けられる研磨パッドと、研磨する基板を該研磨パッドに押しつける基板保持部と、基板周囲に位置するように、前記基板保持部の研磨パッド側の面に設けられたリテーナリングとを有する研磨装置を用いた研磨方法であって、前記リテーナリングの少なくとも研磨パッドに接触する面に、テーバー摩耗試験による摩耗指数(ポリアセタール樹脂を100とする)が50以下である樹脂が用いられた研磨装置を使用する基板研磨方法。
  8. 前記樹脂のロックウェル硬度(Rスケール)が60以下であり、かつ曲げ弾性率が1GPa以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の基板研磨方法。
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