JP2005049857A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2つ以上の方向に指向性をもつ光を出射させ、低消費電力にて2つ以上の方向からの良好な表示画像の観察に適する光源装置を提供する。
【解決手段】 互いに反対側に位置する第1及び第2の光入射端面並びに平均傾斜角0.5〜15°の粗面からなる光出射面33を有する導光体3と、第1及び第2の光入射端面にそれぞれ隣接して配置された第1及び第2の一次光源と、光出射面33に対向して配置される入光面41及びその反対側の出光面42を有する光偏向素子4とを備える。入光面41に形成され導光体の第1及び第2の光入射端面と平行なプリズム列のそれぞれは、第1及び第2のプリズム面411,412を有する。第1のプリズム面411は第1及び第2の領域4111,4112を有する。プリズム列の頂角(α+β)は80〜120°で、第1及び第2の領域4111,4112のなす角度(α−α’)は5〜20°である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液晶表示装置等の表示装置を構成するエッジライト方式の光源装置およびこれに使用される光偏向素子に関するものであり、特に、互いに異なる2つ以上の方向に指向性をもって光を出射させることで、これら2つ以上の方向からの表示画像の観察に特に適するように構成した光源装置に関するものである。
近年、カラー液晶表示装置は、携帯用ノートパソコンやパソコン等のモニターとして、あるいは液晶テレビやビデオ一体型液晶テレビ、携帯電話、携帯情報端末等の表示部として、種々の分野で広く使用されてきている。また、情報処理量の増大化、ニーズの多様化、マルチメディア対応等に伴って、液晶表示装置の大画面化、高精細化が盛んに進められている。
液晶表示装置は、基本的にバックライト部と液晶表示素子部とから構成されている。バックライト部としては、液晶表示装置のコンパクト化の観点から、導光体の側端面に対向するように一次光源を配置したエッジライト方式のものが多用されている。
ところで、近年、液晶表示装置等では、消費電力の低減の観点からエッジライト方式のバックライト部として、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末等においては、一次光源から発せられる光量を有効に利用するために、光の利用効率を高くした輝度の高い光源装置が利用されてきている。
例えば、特開平2−17号公報(特許文献1)や特開平2−84618号公報(特許文献2)には、導光体の光出射面およびその裏面の少なくとも一方の面を多数のレンズ単位を形成したレンズ面や梨地面とするとともに、光出射面上にプリズムシートを載置した光源装置が提案されている。しかし、このような光源装置では、比較的高い輝度が得られるものの、光出射面における輝度の均一性の点では未だ満足できるものではなかった。そこで、光出射面における輝度の均一性の向上を図る目的で、特開平9−133918号公報(特許文献3)等に導光体に形成するレンズ面や梨地面の平均傾斜角を0.5〜7.5°とした光源装置が提案されている。しかし、このような光源装置においては、輝度の均一性が改善され、前記特許文献1および2に記載のように比較的高い輝度が得られるものの、高輝度化という観点からは十分に満足できるものではなかった。
また、導光体から出射された光をプリズムシートを用いて偏向させる際に、光の集光性や指向性を高め、比較的狭い範囲に集中して光を出射させること等を目的として、プリズムシートを構成するプリズム列のプリズム面を凸曲面形状にすることが、特表平9−507584号公報(特許文献4)、特開平9−105804号公報(特許文献5)、特開平11−38209号公報(特許文献6)、特開2000−35763号公報(特許文献7)に提案されている。しかし、これらのプリズムシートは、出射する光を1つの方向(略法線方向)にできるだけ集中して出射させるものであり、互いに異なる2つ以上の方向に指向性をもって光出射させるものではない。
さらに、上記特許文献4〜7と同様の目的で、プリズムシートを構成するプリズム列のプリズム面を複数の平面から構成することが、特開昭63−298902号公報(特許公報8)や特開2002−197908号(特許文献9)に提案されている。しかし、これらのプリズムシートにおいても、出射する光を1つの方向(略法線方向)にできるだけ集中して出射させるものであり、互いに異なる2つ以上の方向に指向性をもって光出射させることはできないものであった。
近年、液晶表示装置として、低消費電力化を推進しつつ少なくとも2つの互いに異なる方向、特に少なくとも互いに異なる3つの方向に指向性をもって光出射させるものが要望されている。このような液晶表示装置としてカーナビゲーションシステムの車載表示装置が例示される。この車載表示装置はカーナビゲーション用の画像表示のみならず、テレビジョン用の画像表示などにも使用される。従って、運転者及び助手席搭乗者が表示画像を見ることに加えて、後部座席搭乗者が表示画像を見ることもあるので、車載バッテリーによる限られた電源供給のもとで、運転者、助手席搭乗者及び後部座席搭乗者の全てに対して所要の明るさでの表示がなされねばならない。この車載表示装置は、一般的には、運転席と助手席との中間にて、表示画面が自動車の進行方向に対し直交するように配置される。このため、運転者及び助手席搭乗者に対しては表示画面法線の方向に対して互いに反対側に25〜35°程度の角度をなす方向の2つの指向性が要求され、後部座席搭乗者に対してはほぼ表示画面法線方向の指向性が要求される。
しかし、特許文献4〜9に記載されている光源装置は、出射光が特定の一方向(例えば、表示画面の略法線方向)にのみ高い指向性を有して出射されるため、それ以外の方向では極端に輝度が低下し、車載表示装置の光源装置として適さないものであった。
このような2つ以上の指向性の要求される表示装置としては、更に、表示画面に対して予め決められた少なくとも2つの位置において少なくとも2人の遊戯者または観察者により遊戯され又は観察されるゲーム機等の表示装置が例示される。
特開平2−17号公報 特開平2−84618号公報 特開平9−133918号公報 特表平9−507584号公報 特開平9−105804号公報 特開平11−38209号公報 特開2000−35763号公報 特開昭63−298902号公報 特開2002−197908号公報
そこで、本発明の目的は、互いに異なる2つ以上の方向に指向性をもって光を出射させることで、低消費電力にて2つ以上の方向からの良好な表示画像の観察に特に適するように構成した光源装置を提供することにある。
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
互いにほぼ平行の方向に延び互いに反対側に位置する第1の光入射端面及び第2の光入射端面並びに光出射面を有する導光体と、前記第1の光入射端面及び前記第2の光入射端面にそれぞれ隣接して配置された第1の一次光源及び第2の一次光源と、前記光出射面に対向して配置される入光面及びその反対側に位置する出光面を有する光偏向素子とを備えた光源装置であって、
前記導光体の光出射面またはその反対側に位置する裏面の少なくとも一方の面に平均傾斜角が0.5〜15°の指向性光出射機能部が形成されており、
前記光偏向素子の入光面には前記第1の光入射端面及び前記第2の光入射端面とほぼ平行な方向に延びた互いに平行な複数のプリズム列が形成されており、該プリズム列のそれぞれは前記第1の一次光源に近い側の第1のプリズム面と前記第2の一次光源に近い側の第2のプリズム面とを有しており、
前記第1のプリズム面は、前記プリズム列の延在方向に延びる第1領域と、前記プリズム列の延在方向に延びる第2領域とを有しており、
前記プリズム列の頂角は80〜120°であり、前記第2領域は前記第1領域よりプリズム列形成平面法線方向に対する傾斜角度が小さく、前記第1領域と前記第2領域との傾斜角度の差は5〜20°であることを特徴とする光源装置、
が提供される。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
互いにほぼ平行の方向に延び互いに反対側に位置する2つの端面の一方である光入射端面及び光出射面を有する導光体と、前記光入射端面に隣接して配置された一次光源と、前記光出射面に対向して配置される入光面及びその反対側に位置する出光面を有する光偏向素子とを備えた光源装置であって、
前記導光体の光出射面またはその反対側に位置する裏面の少なくとも一方の面に平均傾斜角が0.5〜15°の指向性光出射機能部が形成されており、
前記光偏向素子の入光面には前記光入射端面とほぼ平行な方向に延びた互いに平行な複数のプリズム列が形成されており、該プリズム列のそれぞれは前記一次光源から遠い側の第1のプリズム面と前記一次光源に近い側の第2のプリズム面とを有しており、
前記第1のプリズム面は、前記プリズム列の延在方向に延びる第1領域と、前記プリズム列の延在方向に延びる第2領域とを有しており、
前記プリズム列の頂角は50〜90°であり、前記第2領域は前記第1領域よりプリズム列形成平面法線方向に対する傾斜角度が小さく、前記第1領域と前記第2領域との傾斜角度の差は10〜25°であることを特徴とする光源装置、
が提供される。
本発明によれば、導光体の2つの端面の双方である第1及び第2の光入射端面に隣接してそれぞれ第1及び第2の一次光源を配置し、導光体の光出射面またはその反対側に位置する裏面の少なくとも一方の面に平均傾斜角が0.5〜15°の指向性光出射機能部を形成するとともに、光偏向素子のプリズム列の第1のプリズム面を第1領域と第2領域とから構成し、プリズム列の頂角を80〜120°とし、第1領域と第2領域との傾斜角度の差を5〜20°とし、第2領域の傾斜角度を第1領域より小さくすることで、互いに異なる2つ以上の方向に指向性をもって光を出射させることができ、低消費電力にて2つ以上の方向から良好な表示画像の観察を行うことが可能になる。
また、本発明によれば、導光体の2つの端面の一方である光入射端面に隣接して一次光源を配置し、導光体の光出射面またはその反対側に位置する裏面の少なくとも一方の面に平均傾斜角が0.5〜15°の指向性光出射機能部を形成するとともに、光偏向素子のプリズム列の第1のプリズム面を第1領域と第2領域とから構成し、プリズム列の頂角を50〜90°とし、第1領域と第2領域との傾斜角度の差を10〜25°とし、第2領域の傾斜角度を第1領域より小さくすることで、互いに異なる2つ以上の方向に指向性をもって光を出射させることができ、特に低い消費電力にて2つ以上の方向から良好な表示画像の観察を行うことが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による光源装置の一つの実施形態を示す模式的斜視図である。図1に示されているように、本発明の光源装置は、互いに平行にY方向に延び互いに反対側に位置する2つの側端面を光入射端面31とし、これと略直交する一つの表面(主面)を光出射面33とする導光体3と、この導光体3の2つの光入射端面31にそれぞれ隣接して配置されそれぞれ光源リフレクタ2で覆われた2つの一次光源1と、導光体3の光出射面上に隣接して配置された光偏向素子4と、導光体3の光出射面33と反対側にある裏面34に隣接して配置された光反射素子5と、光偏向素子4上に配置された光拡散素子6とから構成される。なお、本実施形態では、光偏向素子4上に光拡散素子6を配置したが、光拡散素子6は必要に応じて配置することができ、光拡散素子6を配置しない構成とすることもできる。
導光体3は、XY面と平行に配置されており、全体として矩形板状をなしている。導光体3は4つの側端面を有しており、そのうちYZ面と平行な1対の側端面を光入射端面31とする。図1において右側に位置する側端面31が第1の光入射端面であり、図1において左側に位置する側端面31が第2の光入射端面である。各光入射端面31にはそれぞれ一次光源1が配置されており、一次光源1から発せられた光は各光入射端面31に入射し導光体3内へと導入される。図1において右側に位置する一次光源1が第1の一次光源であり、図1において左側に位置する一次光源1が第2の一次光源である。
導光体3の光入射端面31に略直交した2つの主面は、それぞれXY面と略平行に位置しており、いずれか一方の面(図では上面)が光出射面33となる。この光出射面33またはその裏面34のうちの少なくとも一方の面に粗面や、プリズム列、レンチキュラーレンズ列、V字状溝等の多数のレンズ列を光入射端面31と略平行に形成したレンズ面からなる指向性光出射機能部を付与することによって、光入射端面31から入射した光を導光体3中を導光させながら光出射面33から光入射端面31および光出射面33に直交する面(XZ面)内の出射光光度分布において指向性のある光を出射させる。
導光体3の表面に指向性光出射機構部として形成する粗面やレンズ列は、ISO4287/1−1984による平均傾斜角θaが0.5〜15°の範囲のものとすることが、上記のような指向性を有する光を出射させることができるとともに、光出射面33内での輝度の均斉度を高める点から好ましい。平均傾斜角θaは、さらに好ましくは1〜12°の範囲であり、より好ましくは1.5〜11°の範囲である。この平均傾斜角θaは、導光体3の厚さ(t)と入射光が伝搬する方向の長さ(L)との比(L/t)によって最適範囲が設定されることが好ましい。すなわち、導光体3としてL/tが20〜200程度のものを使用する場合は、平均傾斜角θaを0.5〜10°とすることが好ましく、さらに好ましくは1〜9°の範囲である。また、導光体3としてL/tが20以下程度のものを使用する場合は、平均傾斜角θaを7〜12°とすることが好ましく、さらに好ましくは8〜11°の範囲である。
このように導光体3の光出射面33またはその裏面34に平均傾斜角θaが0.5〜15°の指向性出射機能部を形成することにより、光出射面から出射する光の出射光光度分布(XZ面内)におけるピーク光の角度(ピーク角度)aが光出射面の法線に対し左右に(即ち、互いに反対側に)それぞれ10〜40°の範囲にあり、出射光光度分布(XZ面内)の半値全幅が10〜50°であるような指向性の高い出射特性の光を導光体3から光出射面法線に対して対称な左右2方向に出射させることができ、その出射方向を後述するような構成の光偏向素子4で効率的に2つ以上の所望方向に偏向させ、これらの方向に指向性を有した高い輝度を有する光源装置を提供することができる。
ここで、角度aは、XZ面内における出射光光度分布のピークの方向が光出射面33となす角度である。この角度aは、10〜40°とすることが好ましく、より好ましくは15〜36°であり、さらに好ましくは20〜30°の範囲である。また、出射光光度分布の半値全幅は10〜50°とすることが好ましく、より好ましくは15〜47°であり、さらに好ましくは20〜45°の範囲である。
導光体3に形成される粗面の平均傾斜角θaは、ISO4287/1−1984に従って、触針式表面粗さ計を用いて粗面形状を測定し、測定方向の座標をxとして、得られた傾斜関数f(x)から次の(1)式および(2)式を用いて求めることができる。
Δa=(1/L)∫0 L|(d/dx)f(x)|dx ・・・(1)
θa=tan-1(Δa) ・・・(2)
ここで、Lは測定長さであり、Δaは平均傾斜角θaの正接である。
さらに、導光体3としては、その光出射率が0.5〜5%の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは1〜3%の範囲である。これは、光出射率が0.5%より小さくなると導光体3から出射する光量が少なくなり十分な輝度が得られなくなる傾向にあり、光出射率が5%より大きくなると一次光源1近傍で多量の光が出射して、光出射面33内でのX方向における光の減衰が著しくなり、光出射面33での輝度の均斉度が低下する傾向にあるためである。
本発明において、導光体3からの光出射率は次のように定義される。一方の一次光源1のみを点灯した場合の光出射面33の光入射端面31側の端縁での出射光の光強度(I0 )と光入射端面31側の端縁から距離Lの位置での出射光強度(I)との関係は、導光体3の厚さ(Z方向寸法)をtとすると、次の(3)式のような関係を満足する。
I=I0・[α/100](1−[α/100])L/t ・・・(3)
ここで、定数αが光出射率であり、光出射面33における光入射端面31と直交するX方向での単位長さ(導光体厚さtに相当する長さ)当たりの導光体3から光が出射する割合(%)である。この光出射率αは、縦軸に光出射面33からの出射光の光強度の対数をとり、横軸に(L/t)をとり、これらの関係をプロットすることで、その勾配から求めることができる。
また、指向性光出射機能部が付与されていない他の主面には、導光体3からの出射光の光入射端面31と平行な面(YZ面)での指向性を制御するために、光入射端面31に対して略垂直の方向(X方向)に延びる多数のレンズ列を配列したレンズ面を形成することが好ましい。図1に示した実施形態においては、光出射面33に粗面を形成し、裏面34に光入射端面31に対して略垂直方向(X方向)に延びる多数のレンズ列の配列からなるレンズ面を形成している。本発明においては、図1に示した形態とは逆に、光出射面33にレンズ面を形成し、裏面34を粗面とするものであってもよい。
図1に示したように、導光体3の裏面34あるいは光出射面33に光入射端面31に対して略垂直方向(略X方向)に延びるレンズ列を形成する場合、そのレンズ列としてはプリズム列、レンチキュラーレンズ列、V字状溝等が挙げられるが、YZ断面の形状が略三角形状のプリズム列とすることが好ましい。
本発明において、導光体3に形成される略X方向に延びるレンズ列としてプリズム列を形成する場合には、その頂角を70〜150°の範囲とすることが好ましい。これは、頂角をこの範囲とすることによって導光体3からの出射光を集光させることができ、光源装置としての輝度の向上を図ることができるためである。すなわち、プリズム頂角をこの範囲内とすることによって、出射光光度分布(XZ面内)におけるピーク光を含みXZ面に垂直な面(YZ面)において出射光光度分布の半値全幅が35〜65°である集光された出射光を出射させることができ、光源装置としての輝度を向上させることができる。なお、プリズム列を光出射面33に形成する場合には、頂角は80〜100°の範囲とすることが好ましく、プリズム列を裏面34に形成する場合には、頂角は70〜80°または100〜150°の範囲とすることが好ましい。
なお、本発明では、導光体内部に光拡散性微粒子を混入分散してもよい。また、導光体3としては、図1に示したような形状のものに限定されるものではなく船型状等の種々の断面形状のものが使用できる。例えば、図2に示されるように、XZ断面形状において、裏面34が湾曲し、光入射端面31から中央部へと次第に厚さが小さくなっているものが挙げられる。このようにすることで、光出射面33から出射する光の出射率を大きくすることができる。
図3は、本発明の一実施形態である光偏向素子4のプリズム列の形状の説明図である。光偏向素子4は主表面の一方を入光面41とし他方を出光面42とする。入光面41には多数のプリズム列が略並列に配列されている。これらのプリズム列は、その延在方向が導光体3の光入射端面31と略平行となるように導光体3の光出射面33上に配置されている。各プリズム列は、第1の一次光源に近い側に位置する第1のプリズム面411と第2の一次光源に近い側に位置する第2のプリズム面412の2つのプリズム面を有する。第1のプリズム面411は、Y方向に延び且つそれぞれが単一平面からなり且つ互いに傾斜角度の異なる第1領域4111および第2領域4112から構成されている。第1領域4111はプリズム列の頂部に近い領域であり、第2領域4112は第1領域4111に連なっており第1領域4111よりプリズム列の頂部から遠くに位置する領域である。なお、本発明において、平面などの面の傾斜角度とは、プリズム列の底面に対応するプリズム列形成平面43と直交する方向(以下「プリズム列形成平面法線方向」という)に対する各平面などの面の傾斜角度をいう。
第1領域4111は傾斜角度αをなし、第2領域4112は傾斜角度α’をなし、第2のプリズム面412は傾斜角度βをなしている。プリズム列の頂角(α+β、プリズム頂角)は、80〜120°が好ましく、80〜110°がより好ましい。プリズム頂角が80°未満の場合にはプリズム列形成平面法線方向から所要の角度だけ異なる方向の光出射指向性を得ることが困難になる傾向にあり、プリズム頂角が120°を越える場合には十分な輝度を得ることが困難になる傾向にある。プリズム頂角のプリズム列形成平面法線方向に対する左右の振り分け角α,βは、40〜60°、好ましくは40〜55°とすることが望ましい。また、第1領域4111と第2領域4112との傾斜角度の差(α−α’)は、5〜20°が好ましく、7〜17°がより好ましく、10〜15°がさらに好ましい。この傾斜角度の差(α−α’)が5°未満または20°を越える場合には、プリズム列形成平面の法線方向から所要の角度だけ異なる方向に指向性を有する光を出射させることが困難になる傾向にある。
図3に示した実施形態においては、第1の一次光源から発せられ第1の光入射端面に入射して導光体3内に導入された光は、光出射面33から図3中で左上向きに斜めに出射し、入光面41の第1のプリズム面411から光偏向素子4内に導入され、第2のプリズム面412により内面全反射され、プリズム列形成平面法線方向に対して左斜めの方向(第2の角度をなす方向)に出射する。この経路の光を符号L2で示す。一方、第2の一次光源から発せられ第2の光入射端面に入射して導光体3内に導入された光は、光出射面33から図3中で右上向きに斜めに出射し、入光面41の第2のプリズム面412から光偏向素子4内に導入される。その一部が第1のプリズム面411の第1領域4111により内面全反射されプリズム列形成平面法線方向に対して右斜めの方向(第1の角度をなす方向)に出射する。この経路の光を符号L11で示す。また、他の一部が第1のプリズム面411の第2領域4112により内面全反射されプリズム列形成平面法線方向に出射する。この経路の光を符号L12で示す。
図4に、出光面42から出射する光のXZ面内での光度分布を示す。主として光L12によりプリズム列形成平面法線方向(角度0°)にピークをもつ指向性の出射光が得られ、主として光L11によりプリズム列形成平面法線方向に対して第1の角度θ1の方向にピークをもつ指向性の出射光が得られ、主として光L2によりプリズム列形成平面法線方向に対して第2の角度θ2の方向にピークをもつ指向性の出射光が得られ、合計3つの方向へ指向性を有する出射光が得られる。角度θ1,θ2は、たとえば20〜40°となるように設定されることが好ましく、特に好ましくは25〜35°の範囲である。
図3に示されているように、プリズム列のピッチ即ちプリズム列の幅(X方向寸法)はPであり、第1のプリズム面の幅はW1であり、第2のプリズム面の幅はW2であり、第1のプリズム面の第1領域4111及び第2領域4112の幅はそれぞれW11,W12である。ピッチPは、たとえば10〜100μmであり、幅W1,W2,W11,W12は、所望の方向への指向性出射光の強度比に応じて、適宜設定される。例えば、幅W11,W12の比率を変化させることで、光L11と光L12とのピーク光強度比を変化させることができる。プリズム列形成平面法線方向への指向性出射に主として寄与する第2領域の幅W12は、ピッチPの10〜40%とするのが好ましく、より好ましくは12〜35%の範囲、さらに好ましくは15〜30%の範囲である。
本発明において、異なる2つの方向の指向性(指向性の分離)の判断基準として、これらの方向の出射光強度のうちの小さい方(M)とそれらの方向の間の方向における出射光強度のうちの最小値(N)とに関して、{(M−N)/(M+N)}≧0.15が成り立つ場合を、これら2つの方向に別々の指向性があるものとする。(M−N)/(M+N)は、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上の範囲である。
本実施形態の光偏向素子4は、第1のプリズム面411に互いに5〜20°だけ傾斜角度の異なる第1領域4111及び第2領域4112を設けることによって、これら2つの領域と第2のプリズム面412とで互いに異なる3つの方向の指向性をもって光を出射させることができる。このため、一次光源の消費電力を低減しつつ、所要の3つの方向に良好な輝度をもって光出射することができる。
図5は、光偏向素子4のプリズム列の形状の更に別の実施形態の説明図である。また、図6は、出光面42から出射する光のXZ面内での光度分布を示す図である。これらの図において、図1〜4におけると同様の機能を有する部材には同一の符号が付されている。
本実施形態では、第1のプリズム面411に加え、第2のプリズム面412も、Y方向に延び且つそれぞれが単一平面からなり且つ互いに傾斜角度の異なる第3領域4121および第4領域4122の2つの平面から構成されている。第3領域4121はプリズム列の頂部に近い領域であり、第4領域4122は第3領域4121に連なっており第3領域4121よりプリズム列の頂部から遠くに位置する領域である。第3領域4121及び第4領域4122の幅はそれぞれW21,W22である。プリズム列形成平面法線方向に対して、第3領域4121は傾斜角度βをなし、第4領域4122は傾斜角度β’をなしている。第3領域4121と第4領域4122との傾斜角度の差(β−β’)は、5〜20°が好ましく、7〜17°がより好ましく、10〜15°がさらに好ましい。
第4領域4122は、第2領域4112とともに、主としてプリズム列形成平面法線方向の指向性光出射に寄与する。このため、角度αと角度βとをほぼ同一とし、角度α’と角度β’とをほぼ同一としている。本実施形態では、プリズム列形成平面法線方向への指向性光出射に主として寄与する第2領域及び第4領域の幅の合計(W12+W22)は、ピッチPの10〜40%とするのが好ましく、より好ましくは12〜35%の範囲、さらに好ましくは15〜30%の範囲である。
本実施形態では、第1の一次光源から発せられ第1の光入射端面に入射して導光体3内に導入された光は、光出射面33から図5中で左上向きに斜めに出射し、入光面41の第1のプリズム面411から光偏向素子4内に導入される。その一部が第2のプリズム面412の第3領域4121により内面全反射されプリズム列形成平面法線方向に対して左斜めの方向(第2の角度をなす方向)に出射する。この経路の光を符号L21で示す。また、他の一部が第2のプリズム面412の第4領域4122により内面全反射されプリズム列形成平面法線方向に出射する。この経路の光を符号L22で示す。
本実施形態では、図4の場合と比較して、プリズム列形成平面法線方向の出射光強度が高くなっており、それと第2の角度θ2をなす方向の出射光強度が低くなっている。
図7は、光偏向素子4のプリズム列の形状の更に別の実施形態の説明図である。また、図8は、出光面42から出射する光のXZ面内での光度分布を示す図である。これらの図において、図1〜6におけると同様の機能を有する部材には同一の符号が付されている。
本実施形態は、第2領域4112及び第4領域4122が凸曲面から構成されていることが図5及び図6の実施形態と異なる。この凸曲面は、XZ断面の形状が円弧形状(円柱面の一部分の形状)であってもよいし、XZ断面の形状が非円弧形状(たとえば楕円または放物線の一部分の形状)の凸曲面であってもよい。これら第2領域4112及び第4領域4122の凸曲面の形状を適宜設定することで、プリズム列形成平面法線方向の指向性の程度すなわち出射光光度分布を所望のものにすることができる。たとえば、曲率半径を適宜設定することで、図8に示されているようにプリズム列形成平面法線方向の指向性の程度を高めて出射光のピーク値を高めることができるし、逆にこの方向の指向性の程度を低下させて出射光の分布範囲を広げ、視野範囲を広げることも可能である。
本実施形態では、第2領域4112及び第4領域4122を凸曲面から構成したが、第2領域4112及び第4領域4122を凹曲面からなるものとすることも可能である。この場合には、プリズム列形成平面法線方向の指向性の程度が低下して出射光の分布範囲を広げ、視野範囲を広げることができる。その程度は曲率半径の設定により所望のものにすることができる。
本発明においては、第1領域4111、第2領域4112、第3領域4121、第4領域4122の少なくとも1つの領域を凸または凹状の曲面から構成し、他の領域を平面で構成することで、特定方向に出射する出射光の指向性の程度を制御することができる。
なお、本発明において、凸曲面などの曲面の傾斜角度は、1つの凸曲面などの面の全ての位置における傾斜角度を平均したものをいうが、近似的には、図7に示されているように、XZ断面において曲線部の両端を結ぶ線分の傾きをもって代表させることができる。
以上の実施形態においては、プリズム列形成平面法線方向と、この方向に対して左右方向にあるそれぞれ1つの方向との3つの方向に指向性を有する出射光を出射させる場合を例として説明したが、本発明においては、指向性の方向は3つに限定されるものではなく、2つの方向であっても4つ以上の方向であってもよい。
2つの方向に指向性を有する出射光を出射させる場合には、例えば、図3に示した例において、第2のプリズム面412により内面全反射された光の出射方向がプリズム列形成平面法線方向となるように、第2のプリズム面412の傾斜角度βを設定すればよい。また、4つ以上の方向に指向性を有する出射光を出射させる場合には、例えば、図3に示した例において、第1のプリズム面411に第1の領域4111および第2の領域4112とは傾斜角度の異なる他の領域を形成してもよいし、図5に示した例において、第2のプリズム面412に第3の領域4121および第4の領域4122とは傾斜角度の異なる他の領域を形成してもよいし、図5に示した例において、第4の領域4122の傾斜角度を変更して第1〜第3の領域による内面反射光の方向とは異なる方向に内面反射させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、第2の領域4112を第1の領域4111よりプリズム列の頂部から遠い側に位置するようにしたが、逆に傾斜角度αの第1の領域4111を傾斜角度α’の第2の領域4112よりプリズム列の頂部から遠い側に位置するようにしてもよい。同様に、傾斜角度βの第3の領域4121を傾斜角度β’の第4の領域4122よりプリズム列の頂部から遠い側に位置するようにしてもよい。しかし、光偏向素子4の生産性や耐久性等の観点から、上記の実施形態のように傾斜角度の小さい第2の領域4112を第1の領域4111よりプリズム列の頂部から遠い側に位置するようにし、傾斜角度の小さい第4の領域4122を第3の領域4121よりプリズム列の頂部から遠い側に位置するようにすることが好ましい。
さらに、上記の実施形態においては、第1のプリズム面に第1領域および第2領域を形成し、第2のプリズム面に第3領域および第4領域を形成した場合(4つの領域を形成した場合)について説明をしたが、本発明においては、いずれか一方のプリズム面または両方のプリズム面に更に他の領域を形成してもよい。この場合、他の領域は、第1領域と第2領域との間あるいは第3領域と第4領域との間に形成し、その傾斜角度は第1領域または第3領域の傾斜角度より小さく、第2領域または第4領域の傾斜角度より大きくする。
一次光源1はY方向に延在する線状の光源であり、例えば蛍光ランプや冷陰極管を用いることができる。なお、本発明においては、一次光源1としては線状光源に限定されるものではなく、LED光源、ハロゲンランプ、メタハロランプ等のような点光源を使用することもできる。また、光源リフレクタ2は一次光源1の光をロスを少なく導光体3へ導くものである。材質としては、例えば表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックフィルムを用いることができる。図1に示されているように、光源リフレクタ2は、光反射素子5の端縁部外面から一次光源1の外面を経て光偏向素子4の出光面端縁部へと巻きつけられている。他方、光源リフレクタ2は、光偏向素子4を避けて、光反射素子5の端縁部外面から一次光源1の外面を経て導光体3の光出射面端縁部へと巻きつけることも可能である。
このような光源リフレクタ2と同様な反射部材を、導光体3の光入射端面31以外の側端面に付することも可能である。光反射素子5としては、例えば表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックシートを用いることができる。本発明においては、光反射素子5として反射シートに代えて、導光体3の裏面34に金属蒸着等により形成された光反射層等を用いることも可能である。
本発明においては、他の実施形態として、導光体の1つの端面を光入射端面とし、この光入射端面に隣接して一次光源を配置した光源装置とすることもできる。この場合、導光体の光出射面上に配置される光偏向素子としては、導光体の光出射面に対向して配置される入光面に光入射端面とほぼ平行な方向に延びた互いに平行な複数のプリズム列が形成され、プリズム列のそれぞれは一次光源から遠い側の第1のプリズム面と一次光源に近い側の第2のプリズム面とから形成され、第1のプリズム面にプリズム列の延在方向に延びる第1領域と、前記プリズム列の延在方向に延びる第2領域とを有し、プリズム列の頂角を50〜90°とし、第1領域と前記第2領域との傾斜角度の差を10〜25°とし、第2領域の傾斜角度を第1領域の傾斜角度より小さくする。すなわち、図3に示した実施形態において、プリズム頂角(α+β)を50〜90°の範囲とし、第1のプリズム面411を構成する第1領域4111と第2領域4112との傾斜角度の差(α−α’)を10〜25°の範囲としたものである。
このプリズム頂角(α+β)が50°未満の場合にはプリズム列形成平面法線方向から所要の角度だけ異なる方向の光出射指向性を得ることが困難になる傾向にあり、プリズム頂角が90°を越える場合には十分な輝度を得ることが困難になる傾向にある。プリズム頂角のプリズム列形成平面法線方向に対する左右の振り分け角α,βは、αが5〜50°の範囲、βが40〜60°の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくはαが10〜40°の範囲、βが40〜55°の範囲である。また、第1領域4111と第2領域4112との傾斜角度の差(α−α’)は、10〜25°が好ましく、15〜25°がより好ましく、17〜23°がさらに好ましい。この傾斜角度の差(α−α’)が10°未満または25°を越える場合には、プリズム列形成平面の法線方向から所要の角度だけ異なる方向の光出射指向性を得ることが困難になる傾向にある。
本実施形態においては、一次光源から発せられ光入射端面に入射して導光体3内に導入された光は、光出射面33から図3中で右上向きに斜めに出射し、入光面41の第2のプリズム面412から光偏向素子4内に導入される。その一部が第1のプリズム面411の第1領域4111により内面全反射されプリズム列形成平面法線方向に対して右斜めの方向(第1の角度をなす方向)に出射する。この経路の光は符号L11で示した光となる。また、他の一部が第1のプリズム面411の第2領域4112により内面全反射されプリズム列形成平面法線方向に対して左斜めの方向(第2の角度をなす方向)に出射する。この光は、第2領域4112に入射するまではL12で示す光と同一の経路であって、第2領域4112による内面全反射後はL2で示される光と平行な方向に進行する。これによって、主としてプリズム列形成平面法線方向に対して第1の角度θ1の方向にピークをもつ指向性の出射光と、主としてプリズム列形成平面法線方向に対して第2の角度θ2の方向にピークをもつ指向性の出射光とが得られ、2つの方向へ指向性を有する出射光が得られる。角度θ1,θ2は、たとえば20〜40°となるように設定されることが好ましく、より好ましくは25〜35°の範囲である。
本実施形態の光偏向素子4は、第1のプリズム面411に互いに10〜25°だけ傾斜角度の異なる第1領域4111及び第2領域4112を設けることによって、これら2つの領域により互いに異なる2つの方向の指向性をもって光を出射させることができる。このため、一次光源の消費電力を低減しつつ、所要の2つの方向に良好な輝度をもって光出射することができる。
本実施形態においては、図17に示されるように、第1領域4111と第2領域4112との間に、第1領域4111より傾斜角度が小さく、第2領域4112より傾斜角度の大きい第5領域4113を形成することによって、上記第1の角度θ1を有する方向と第2の角度θ2を有する方向とプリズム列形成平面法線方向あるいはその近傍の第3の方向へピークをもつ指向性の出射光が得られ、これら3つの領域により互いに異なる3つの方向の指向性をもって光を出射させることができる。この場合、プリズム列形成平面法線方向への指向性出射に主として寄与する第5領域4113の幅は、ピッチPの10〜40%とするのが好ましく、より好ましくは12〜35%の範囲、さらに好ましくは15〜30%の範囲である。
本発明の導光体3及び光偏向素子4は、光透過率の高い合成樹脂から構成することができる。このような合成樹脂としては、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂が例示できる。特に、メタクリル樹脂が、光透過率の高さ、耐熱性、力学的特性、成形加工性に優れており、最適である。このようなメタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル単位を主成分とする樹脂であり、メタクリル酸メチル単位が80重量%以上であるものが好ましい。導光体3及び光偏向素子4の粗面の表面構造やプリズム列等の表面構造を形成するに際しては、透明合成樹脂板を所望の表面構造を有する型部材を用いて熱プレスすることで形成してもよいし、スクリーン印刷、押出成形や射出成形等によって成形と同時に形状付与してもよい。また、熱あるいは光硬化性樹脂等を用いて構造面を形成することもできる。更に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等からなる透明フィルムあるいはシート等の透明基材上に、活性エネルギー線硬化型樹脂からなる粗面構造またレンズ列配列構造を表面に形成してもよいし、このようなシートを接着、融着等の方法によって別個の透明基材上に接合一体化させてもよい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、多官能(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル類、アリル化合物、(メタ)アクリル酸の金属塩等を使用することができる。
光拡散素子6は、画像表示の品位低下の原因となるぎらつきや輝度斑等を抑止する等の目的で、必要に応じて使用される。光拡散素子6としては、指向特性、輝度特性、視認性および品位等のバランスを考慮して光偏向素子4からの出射光を適度に拡散させる光拡散特性を有する光拡散素子6を使用することが好ましいが、光拡散素子6の使用により指向性の程度が低下する傾向にあるため、比較的光拡散性の弱いものを使用することが好ましい。
光拡散素子6は、光拡散素子6を別体として光偏向素子4の出光面側に載置してもよいし、光偏向素子4の出光面側に光偏向素子4と一体化させてもよいが、別体として光拡散素子6を配置する方が好ましい。別体として光拡散素子6を載置する場合には、光拡散素子6の光偏向素子4に隣接する側の面には、光偏向素子4とのスティッキングを防止するため、凹凸構造を付与することが好ましい。同様に、光拡散素子6の出射面においても、その上に配置される液晶表示素子との間でのスティッキングを考慮する必要があり、光拡散素子6の出射面にも凹凸構造を付与することが好ましい。この凹凸構造は、スティッキング防止の目的のみに付与する場合には、平均傾斜角が0.7°以上となるような構造とすることが好ましく、さらに好ましくは1°以上であり、より好ましくは1.5°以上である。
光拡散特性は、光拡散素子6中に光拡散剤を混入したり、光拡散素子6の少なくとも一方の表面に凹凸構造を付与することによって付与することができる。表面に形成する凹凸構造は、光拡散素子6の一方の表面に形成する場合と両方の表面に形成する場合とでは、その程度が異なる。光拡散素子6の一方の表面に凹凸構造を形成する場合には、その平均傾斜角を0.8〜12°の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは3.5〜7°であり、より好ましくは4〜6.5°である。光拡散素子6の両方の表面に凹凸構造を形成する場合には、一方の表面に形成する凹凸構造の平均傾斜角を0.8〜6°の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは2〜4°であり、より好ましくは2.5〜4°である。この場合、光拡散素子6の全光線透過率の低下を抑止するためには、光拡散素子6の入射面側の平均傾斜角を出射面側の平均傾斜角よりも大きくすることが好ましい。また、光拡散素子6のヘイズ値としては8〜82%の範囲とすることが、視認性改良の観点から好ましく、さらに好ましくは30〜70%の範囲であり、より好ましくは40〜65%の範囲である。
以上のような一次光源1、光源リフレクタ2、導光体3、光偏向素子4、光反射素子5及び光拡散素子6からなる光源装置の発光面(光拡散素子6の表面)上に、液晶表示素子を配置することにより液晶表示装置が構成される。液晶表示装置は、図1における上方から3方向に(即ち、プリズム列形成平面法線方向に、並びにXZ面内にてプリズム列形成平面法線方向とそれぞれ角度θ1及び角度θ2をなす方向に)液晶表示素子を通して観察者により観察される。所望の方向に集中した光照射が得られるので、これら3つの方向の照明に対する一次光源の発光光量の利用効率を高めることができる。
本発明においては、光源装置としての視野角を調整し、品位を向上させる目的で、光偏向素子4や光拡散素子6に光拡散材を含有させることもできる。このような光拡散材としては、光偏向素子4や光拡散素子6を構成する材料と屈折率が異なる透明な微粒子を使用することができ、例えば、シリコーンビーズ、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ−ト、フッ素化メタクリレ−ト等の単独重合体あるいは共重合体等からなるものが挙げられる。光拡散材としては、光偏向素子4による指向特性や光拡散素子6による適度な拡散効果を損なわないように、含有量、粒径、屈折率等を適宜選定する必要がある。例えば、光拡散材の屈折率は、光偏向素子4や光拡散素子6を構成する材料との屈折率差が小さすぎると拡散効果が小さく、大きすぎると過剰な散乱屈折作用が生じるため、屈折率差が0.01〜0.1の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.08、より好ましくは0.03〜0.05の範囲である。また、拡散材の粒径は、大きすぎると散乱が強くなりぎらつきや輝度の低下を引き起こし、小さすぎると着色が発生するため、平均粒径が0.5〜20μmの範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは2〜15μm、より好ましくは2〜10μmの範囲である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例における各特性値の測定は下記のようにして行った。
光度分布の測定
一次光源として冷陰極管を用い、その駆動回路のインバータ(ハリソン社製HIU−742A)にDC12Vを印加して高周波点灯させた。導光体または光源装置の光偏向素子の表面に4mmφのピンホールを有する黒色の紙をピンホールが導光体または光源装置の光偏向素子の表面の中央に位置するように固定し、輝度計の測定円が8〜9mmとなるように距離を調整し、冷陰極管の長手方向軸と平行の方向の周りでピンホールを中心にゴニオ回転軸が回転するように調節し、回転軸を+90°〜−90°まで0.5°間隔で回転させながら、輝度計で出射光の光度分布(XZ面内)を測定した。なお、ピーク角度は、法線方向に対して一方側に傾いている場合を負の値とし、他方側に傾いている場合を正の値とした。
平均傾斜角(θa)の測定
ISO4287/1−1987に従って、触針として010−2528(1μmR、55°円錐、ダイヤモンド)を用いた触針式表面粗さ計(東京精器(株)製サーフコム570A)にて、粗面の表面粗さを駆動速度0.03mm/秒で測定した。この測定により得られたチャートより、その平均線を差し引いて傾斜を補正し、前記式(1)式および(2)式によって計算して求めた。
[実施例1]
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製アクリペットVH5#000)を用い射出成形することによって一方の面が平均傾斜角8°のマットで、他方の面に長さ300mmの辺(長辺)に直交する方向に延びるプリズム頂角100°、ピッチ50μmのプリズム列が並列して連設配列された210mm×300mm、厚さ6mmの14インチの導光体を作製した。導光体の長さ300mmの辺(長辺)に対応する両方の側端面に沿って冷陰極管を光源リフレクタ(麗光社製銀反射フィルム)で覆い配置した。さらに、その他の側端面に光拡散反射フィルム(東レ社製E60)を貼付し、プリズム列配列面(裏面)に反射シートを配置した。以上の構成を枠体に組み込んだ。この導光体は、光入射端面および光出射面の双方に垂直な面内での出射光光度分布(XZ面内)において、ピーク角度が光出射面に対して互いに反対側に27°の2つの方向に、半値全幅がそれぞれ44°である光度分布を有していた。
一方、屈折率1.5064のアクリル系紫外線硬化性樹脂を用いて、図9に示したような断面の形状(角度)及び寸法(単位μm)のプリズム列が略並列に連設されたプリズム列形成面を、厚さ125μmのポリエステルフィルムの一方の表面に形成したプリズムシートを作製した。
得られたプリズムシートを、上記導光体の光出射面(マット面)上にプリズム列形成面が導光体側となり、導光体の光入射端面にプリズム稜線が平行となるように載置し、光源装置を得た。この光源装置の光入射端面および光出射面の双方に垂直な面内での出射光光度分布(XZ面内)を求めたところ、図10の通り3方向の指向性をもつものであった。
[実施例2]
プリズムシートのプリズム列として図11に示したような断面の形状(角度)及び寸法(単位μm)のものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、光源装置を得た。この光源装置の光入射端面および光出射面の双方に垂直な面内での出射光光度分布(XZ面内)を求めたところ、図12の通り3方向の指向性をもつものであった。
[実施例3]
プリズムシートのプリズム列として図13に示したような断面の形状(角度)及び寸法(単位μm)のものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、光源装置を得た。この光源装置の光入射端面および光出射面の双方に垂直な面内での出射光光度分布(XZ面内)を求めたところ、図14の通り3方向の指向性をもつものであった。
[実施例4]
プリズムシートのプリズム列として図15に示したような断面の形状(角度)及び寸法(単位μm)のものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、光源装置を得た。この光源装置の光入射端面および光出射面の双方に垂直な面内での出射光光度分布(XZ面内)を求めたところ、図16の通り3方向の指向性をもつものであった。
[実施例5]
プリズムシートのプリズム列として図17に示したような断面の形状(角度)及び寸法(単位μm)のものを使用し、導光体の長さ300mmの辺(長辺)に対応する一方の側端面に沿って冷陰極管を配置したこと以外は実施例1と同様にして、光源装置を得た。この光源装置の光入射端面および光出射面の双方に垂直な面内での出射光光度分布(XZ面内)を求めたところ、図18の通り3方向の指向性をもつものであった。
本発明による光源装置の一つの実施形態を示す模式的斜視図である。 導光体の変形例を示す模式図である。 光偏向素子のプリズム列の形状の説明図である。 出光面から出射する光のXZ面内での光度分布を示す図である。 光偏向素子のプリズム列の形状の説明図である。 出光面から出射する光のXZ面内での光度分布を示す図である。 光偏向素子のプリズム列の形状の説明図である。 出光面から出射する光のXZ面内での光度分布を示す図である。 実施例で用いたプリズム列の断面の形状及び寸法を示す図である。 実施例で得られた光源装置の出射光光度分布図である。 実施例で用いたプリズム列の断面の形状及び寸法を示す図である。 実施例で得られた光源装置の出射光光度分布図である。 実施例で用いたプリズム列の断面の形状及び寸法を示す図である。 実施例で得られた光源装置の出射光光度分布図である。 実施例で用いたプリズム列の断面の形状及び寸法を示す図である。 実施例で得られた光源装置の出射光光度分布図である。 実施例で用いたプリズム列の断面の形状及び寸法を示す図である。 実施例で得られた光源装置の出射光光度分布図である。
符号の説明
1 一次光源
2 光源リフレクタ
3 導光体
31 光入射端面
33 光出射面
34 裏面
4 光偏向素子
41 入光面
411 第1のプリズム面
4111 第1領域
4112 第2領域
4113 第5領域
412 第2のプリズム面
4121 第3領域
4122 第4領域
42 出光面
43 プリズム列形成平面
5 光反射素子
6 光拡散素子

Claims (3)

  1. 互いにほぼ平行の方向に延び互いに反対側に位置する第1の光入射端面及び第2の光入射端面並びに光出射面を有する導光体と、前記第1の光入射端面及び前記第2の光入射端面にそれぞれ隣接して配置された第1の一次光源及び第2の一次光源と、前記光出射面に対向して配置される入光面及びその反対側に位置する出光面を有する光偏向素子とを備えた光源装置であって、
    前記導光体の光出射面またはその反対側に位置する裏面の少なくとも一方の面に平均傾斜角が0.5〜15°の指向性光出射機能部が形成されており、
    前記光偏向素子の入光面には前記第1の光入射端面及び前記第2の光入射端面とほぼ平行な方向に延びた互いに平行な複数のプリズム列が形成されており、該プリズム列のそれぞれは前記第1の一次光源に近い側の第1のプリズム面と前記第2の一次光源に近い側の第2のプリズム面とを有しており、
    前記第1のプリズム面は、前記プリズム列の延在方向に延びる第1領域と、前記プリズム列の延在方向に延びる第2領域とを有しており、
    前記プリズム列の頂角は80〜120°であり、前記第2領域は前記第1領域よりプリズム列形成平面法線方向に対する傾斜角度が小さく、前記第1領域と前記第2領域との傾斜角度の差は5〜20°であることを特徴とする光源装置。
  2. 前記第2のプリズム面は、前記プリズム列の延在方向に延びる第3領域と、前記プリズム列の延在方向に延びる第4領域とを有しており、前記第4領域は前記第3領域よりプリズム列形成平面法線方向に対する傾斜角度が小さく、前記第3領域と前記第4領域との傾斜角度の差は5〜20°であることを特徴とする、請求項1に記載の光源装置。
  3. 互いにほぼ平行の方向に延び互いに反対側に位置する2つの端面の一方である光入射端面及び光出射面を有する導光体と、前記光入射端面に隣接して配置された一次光源と、前記光出射面に対向して配置される入光面及びその反対側に位置する出光面を有する光偏向素子とを備えた光源装置であって、
    前記導光体の光出射面またはその反対側に位置する裏面の少なくとも一方の面に平均傾斜角が0.5〜15°の指向性光出射機能部が形成されており、
    前記光偏向素子の入光面には前記光入射端面とほぼ平行な方向に延びた互いに平行な複数のプリズム列が形成されており、該プリズム列のそれぞれは前記一次光源から遠い側の第1のプリズム面と前記一次光源に近い側の第2のプリズム面とを有しており、
    前記第1のプリズム面は、前記プリズム列の延在方向に延びる第1領域と、前記プリズム列の延在方向に延びる第2領域とを有しており、
    前記プリズム列の頂角は50〜90°であり、前記第2領域は前記第1領域よりプリズム列形成平面法線方向に対する傾斜角度が小さく、前記第1領域と前記第2領域との傾斜角度の差は10〜25°であることを特徴とする光源装置。
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