JP2005049452A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高速現像システムにおいて、球形化されたトナーを用いても、トナーの帯電安定性に優れ、長期に渡る使用においてもトナー劣化が生じることなく、画像濃度安定性に優れ、飛び散り、画像流れ及びドラム融着の生じないトナーを提供することにある。
【解決手段】現像スリーブの表面に対し、ネガ帯電性の2種のシリカ微粒子、及びポジ帯電性の金属酸化物又は金属酸化物の複合物を少なくとも含有するトナーにおいて、
該第一のシリカ微粒子AはBETが30m/g以上80m/g未満であり、第二のシリカ微粒子BはBETが80m/g以上300m/g以下であり、その添加量比率W/Wが1/30以上1/1.2未満で、さらにその平均粒径比r/rが1.1以上6.0未満であり、該金属酸化物又は金属酸化物の複合物のBETが0.5m/g以上10m/g未満であり、その形状係数SF1が150乃至250であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を用いた装置は、オリジナル原稿を複写する複写機だけでなく、コンピュータの出力としてのプリンター、ファクシミリなどの分野でも広く使われている。
【0003】
最近のプリンター装置は、より高解像度のもの、例えば、600,800,1200dpiの解像度を有する装置となってきている。これにともなって、より高解像・高精細の現像方式が要求されている。
【0004】
電子写真の現像方式においては、種々の現像方法が実用化されてきているが、中でもシンプルな構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスが容易であることから、トナーを用いた一成分現像法が好ましく用いられている。
【0005】
その中でも特に高画質化を実現するために、現像装置としてはトナーに十分な帯電付与を行うことを目的として、弾性体からなる現像ブレードを高い圧力で現像スリーブに当接させ、現像スリーブ上のトナーコート量W[W:現像スリーブ表面1cmあたりのトナーコート質量(mg)]を小さくするのと同時に、現像スリーブ上のトナーに高いQ/M[Q/M:単位質量(g)あたりのトナー電荷量(μQ)]を与えるという、弾性現像ブレード法による薄層現像装置が開発されている。
【0006】
しかしながら、各々の要素を先に説明したような方向性で進化させた結果、トナーの機械的な磨耗、外添剤のトナーヘの埋め込み、外添状態の変化などにより総合的にトナーが変質するトナー劣化が生じ、濃度低下など、良好な画質を得ることができないという問題が起こる。
【0007】
具体的には、薄層現像装置としては、高いQ/M付与を目的として弾性現像ブレードを高い線庄で押しつけて使うため、現像スリーブと現像ブレードの当接部において、圧力や熱等により、トナーに与えられるダメージが大きくなった。また、現像スリーブ上のトナーコート量Wを薄層にするために現像スリーブの表面荒さは小さくする傾向にある。すると現像スリーブの搬送能力が小さくなるため、現像容器内のトナー循環が悪くなる。そこでトナーを現像装置内で強く撹拌し、トナー循環の悪化を防いでいる。
【0008】
近年のトナーは高転写性および高帯電性を得るために、より球形化されたトナーが用いられる傾向にあり、トナー表面は凹凸の少ないものになっている。このようなトナーは外添剤粒子とトナー表面との接触面積が小さいために接触部に高い圧力が集中し、上記のような強い撹拌を行うと、トナー同士またはトナーと撹拌材などとの接触により、トナー粒子表面に外添剤粒子が埋設しやすくなる。また、凹部が少ないことから、衝突時のトナー粒子表面に外添されている外添剤の逃げる場所が少ないため、より埋没しやすい。さらに、凹凸の多いトナーの場合は、凹部の残っていた外添剤が振動などにより、表面付近に析出し、埋め込まれた外添剤を補っていたのに対し、球形化されたトナーにおいては、加速的に劣化が進んでしまう。
【0009】
さらに、解像力やシャープネスを向上させ潜像を忠実に再現させるために、粒径約4〜8μmのより小粒径化されたトナーが開発される傾向にあり、トナー劣化という観点からは小粒径化が進んだことによって、トナー自体の流動性が悪化して現像器内でのトナー循環が悪くなり、また比表面積が上がってより熱などの影響を受けやすくなったことで、さらに劣化が促進される傾向にある。
【0010】
こういったトナー劣化を抑える方法として、BETの異なる2種の無機微粉末を混合するトナーが提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、BETの小さい無機微粉末が多量に添加されているため、流動性が悪く、特にファーストプリント時の画質が悪くなる傾向がある。さらにコア粒子にアルミナを使用しているため、その不均一な形状により、感光体ドラムを傷つけ易く、その結果、画像上に筋が発生するなど、不具合が発生し易い。
【0011】
また、外添剤の樹脂母粒子に対する添加量を規定し、トナー劣化を抑制する提案もされている(例えば特許文献2)。しかし、この提案でも、BETの小さい無機微粉末が多量に添加されているため、流動性が悪くなる傾向がある。またネガ帯電性を有する外添剤を二種添加されているため、トナー粒子の帯電特性がネガ性に偏り、チャージアップによる画像ムラが生じる可能性がある。
【0012】
また別の問題としてトナーが高温・多湿の環境下で使用される場合には、プリント時に発生する紙粉、オゾン等によって形成される低電気抵抗物質により、感光体表面に形成される静電潜像が著しく損なわれるという現象(以下、「画像流れ」と呼ぶ)が生じやすい。この画像流れを防止する手段として、疎水性シリカおよび金属酸化物粒子を外添したトナーが提案されている(例えば特許文献3や特許文献4)。しかしながら、上述したような画像流れの防止効果の高いトナーは、通常の場合、ドラムを削り易いトナーであり、このようなトナーを使用した場合には、ドラム寿命の低下の問題が生じてくる。更に、金属酸化物の形状が不均一であるため、特に高速での現像システムにおいて長期間使用すると、現像装置内での強い撹拌により、金属酸化物同士、あるいは他の外添剤との凝集物を作りやすく、結果としてトナー流動性を悪化させる。
【0013】
【特許文献1】
特許第2876898号
【特許文献2】
特許第3264271号
【特許文献3】
特開平03−10311号公報
【特許文献4】
特開平10−073953号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記問題点を解消したトナーを提供することにある。即ち、高速現像システムにおいて、球形化されたトナーを用いても、トナーの帯電安定性に優れ、長期に渡る使用においてもトナー劣化が生じることなく、画像濃度安定性に優れ、飛び散り、画像流れ及びドラム融着の生じないトナーを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、現像スリーブの表面に対し、ネガ帯電性の2種のシリカ微粒子、及びポジ帯電性の金属酸化物又は金属酸化物の複合物を少なくとも含有するトナーにおいて、
該第一のシリカ微粒子AはBETが30m/g以上80m/g未満であり、第二のシリカ微粒子BはBETが80m/g以上300m/g以下であり、その添加量比率W/Wが1/30以上1/1.2未満で、さらにその平均粒径比r/rが1.1以上6.0未満であり、該金属酸化物又は金属酸化物の複合物のBETが0.5m/g以上10m/g未満であり、その形状係数SF1が150乃至250であることを特徴とするトナーに関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、BETの異なる2種のシリカ微粒子を特定の添加量比率および特定の平均粒径比で混合することで、近年要求される高画質対応の現像器を用いた場合でも、トナー劣化を起こさず、長期間に渡って濃度低下を起こさないトナーを開発するにいたった。さらに、ある一定の表面積および形状係数を有する金属酸化物又は金属酸化物の複合物を含有することで、高速現像器で用いられる現像装置内の強い撹拌による凝集化を抑制でき、さらには、シリカと帯電極性が異なることで帯電特性が安定化し、チャージアップすることなく、いかなる環境下においても良好な画像が得られる。
【0017】
従来の劣化防止という観点から添加される大粒径シリカ微粒子は小粒径シリカ微粒子の平均粒径よりかなり大きい微粒子を添加していた。そのため、トナー劣化には効果はあるものの、大粒径のシリカの影響が支配的になり、流動性が悪く、特に高速現像システムにおいては、ファーストプリント時の画質が悪くなる傾向がある。一方、本発明のトナーは粒子径が比較的近いシリカ微粒子を組み合わせているために、大粒径シリカ微粒子と小粒径シリカ微粒子それぞれが偏ることなく、トナー表面で均一に分散するため、高速現像システムにおいてもトナー劣化をすることなく、高画質な画像を長期間にわたり維持できるのである。このような効果を得るためにも、平均粒径比r/rが1.1以上6.0未満、より好ましくは1.2以上4.0未満、さらに好ましくは1.2以上3.0未満であることが好ましい。この平均粒径比r/rが1.1未満である場合、粒子径にほとんど差がないことから、シリカ同士が凝集しやすくなり、均一な帯電性を得られず、画像ムラが生じやすくなる。一方、6.0以上である場合には粒径差が大きくなり過ぎ、トナー表面においては、大粒径シリカの影響が支配的になり、トナー流動性が悪化し、環境の影響を受け易くなる。
【0018】
大粒径シリカの平均粒径は20nm以上70nm以下、より好ましくは25nm以上60nm以下である。また小粒径シリカの平均粒径は5nm以上20nm未満、より好ましくは10nm以上15nm以下である。このように、それぞれの粒子が規定の粒子径を有する事で、本発明の効果を十分発揮できるのである。
【0019】
さらに、添加量についても、大粒径シリカと小粒径シリカとの添加量比を適切にすることで、トナー表面での両シリカの分散をコントロールでき、均一な帯電性能を維持できるのである。添加量比率W/Wは1/30以上1/1.2未満、より好ましくは1/10以上1/1.2未満、さらに好ましくは1/10以上1/1.7未満であることが好ましい。1/30より小さい場合には、大粒径シリカの添加量が少なくなるために、トナー劣化が生じ易くなり、長期間使用すると、画像濃度の低下が顕著になる。一方、添加量比率W/Wが1/1.2以上の場合には、トナー表面で大粒径シリカが支配的となり、特にファーストプリント時の画質が悪化し易い。
【0020】
表面積の小さい、つまり、より粗いシリカ微粒子Aはトナーの耐ブロッキング性を向上し、及び現像槽内でのトナー粒子同士の凝集抑制、機械的衝撃緩和によるトナーへの外添剤埋め込みの抑制などの効果があり、これらの効果により貯蔵安定性に優れ、連続複写で使用しても画像劣化が起こりにくいなど耐久性能が向上する。このようなシリカ微粒子のBETは30m/g以上80m/g未満、より好ましくは35m/g以上70m/g以下の表面積が良い。比表面積が30m/g未満の場合にはトナー自体の流動性が悪く、十分な帯電特性を得られず、スリーブコートムラやカブリやすくなる。またファーストプリント時の画質が悪くなる。一方、80m/g以上の場合はトナー劣化に対し十分な効果を得られない。
【0021】
また、シリカ微粒子Aの添加量は、トナー全量に対し0.015〜2.5質量%(より好ましくは0.07〜2.0質量%)であることが好ましい。添加量が0.015質量%未満だとトナー劣化の効果が十分に得られず、2.5質量%よりも多くなるとトナー流動性が低下し、ファーストプリント時の画質が悪くなる。
【0022】
表面積の大きい、つまりより細かいシリカ微粒子Bはトナー流動性の改善、及び現像剤搬送性向上などの効果があり、これらの効果によりトナーの補給性が優れ、画像部が均一で良好であるなど高画質コピーを得られる。このようなシリカ微粒子のBETは80m/g以上300m/g以下、より好ましくは90m/g以上200m/g以下の表面積が良い。BET比表面積が80m/g未満の場合にはトナー流動性改善の効果が弱まり、特に高温高湿環境において長期間使用により、トナーが凝集し、良好な画像が得られなくなる。一方300m/gより大きい場合には遊離シリカ量が増え、帯電性の低下につながる。
【0023】
また、シリカ微粒子Bの添加量は、トナー全量に対し0.5〜3.0質量%(より好ましくは0.7〜3.0質量%)であることが好ましい。添加量が0.5質量%未満だとトナーの流動性が低下し、環境の影響を受けやすくなる。3.0質量%よりも多くなると遊離シリカが増え、帯電不良を起こしやすくなる。
【0024】
本発明に用いられるシリカ微粒子は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能である。なかでも、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO,SO 2−等の製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。乾式シリカにおいては製造工程において例えば、塩化アルミニウムまたは、塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能である。本発明において、無機微粉体はそれらも包含する。
【0025】
本発明に用いられる無機微粉体は、疎水性であることが環境安定性から好ましい。
【0026】
疎水化処理は従来公知の疎水化処理剤及び方法が用いられる。疎水化処理剤としてはシリコーンオイルあるいはシリコーンワニス及び/又はシランカップリング剤が用いられることが好ましい。
【0027】
本発明に用いる無機微粉体の処理に用いるシリコーンオイルとしては、下記一般式で表わされるものが例示される。
【0028】
【化1】
Figure 2005049452
[Rは炭素数1乃至3のアルキル基を示し、R’はアルキル基,ハロゲン変性アルキル基,フェニル基または変性フェニルの如きシリコーンオイル変性基を示し、R”は炭素数1乃至3のアルキル基またはアルコキシ基を示し、m及びnは整数を示す。]
【0029】
例えば、ジメチルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。シリコーンオイルとしては上記式のものに限定されるわけではない。
【0030】
上記シリコーンオイルは、温度25℃における粘度が50乃至1000mm/sの物が好ましい。50mm/s未満では熱が加わることにより一部揮発し、帯電特性が劣化しやすい。1000mm/sを超える場合では、処理作業上取扱いが困難となる。シリコーンオイル処理の方法としては、公知技術が使用できる。例えば、ケイ酸微粉体とシリコーンオイルとを混合機を用い、混合する;ケイ酸微粉体中にシリコーンオイルを噴霧器を用い噴霧する;或いは溶剤中にシリコーンオイルを溶解させた後、ケイ酸微粉体を混合する方法が挙げられる。処理方法としてはこれに限定されるものではない。
【0031】
本発明に用いられるケイ酸微粉末処理用のシリコーンワニスは公知の物質が使用できる。
【0032】
例えば、信越シリコーン社製、KR−251、KP−112等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
シリコーンワニス処理の方法としては、オイル処理と同じ公知技術が使用できる。
【0034】
シリカ表面を処理しているオルガノシロキサン単位を有するケイ素化合物の一部は、静電荷像保持体上に転移し、遊離ポリオレフィンの如き粉体のクリーニングをさらに容易にする効果がある。
【0035】
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0036】
さらに、本発明で使用する上述した本発明の特有の高疎水特性を有する疎水性シリカ微粉体を製造するための処理形態としては、シランカップリング剤と、シリコーンオイル又はシリコーンワニスとの両者を組合わせて処理することが好ましい。その中での好ましい処理形態としては、先ず、シランカップリング処理剤で処理した後、シリコーンオイル又はシリコーンワニスで処理することが挙げられる。その中でも特に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後、シリコーンオイルで処理する形態が好ましい。
【0037】
また本発明では現像スリーブの表面に対し、ポジ帯電性を有し、BETが0.5m/g以上10m/g未満で、その形状係数SF1が150乃至250である金属酸化物又は金属酸化物の複合物を含有することも特徴である。このように表面構造を適切な範囲内に規定することで、高速での現像システムにおいても、画像流れや凝集によるトナー流動性の悪化を抑制できるのである。また球形化されたトナーにおいては、このような形状にすることで、トナー衝突時のシリカ微粒子の逃げ場所となり、トナー劣化に対しても有効である。
【0038】
前記金属酸化物の添加量は、トナー全量に対し0.05〜5.0質量%(より好ましくは0.7〜2.0質量%)であることが好ましい。金属酸化物の添加量が0.05質量%未満であると静電潜像担持体への研磨力が不十分となる傾向にあり、5.0質量%よりも多いと静電潜像担持体が必要以上にしかも不均一に削れ、さらにトナー流動性を低下させてしまうことがある。
【0039】
さらに、金属酸化物又は金属酸化物複合物は現像スリーブの表面に対し、ポジ帯電性を有するため、ネガ帯電性に偏ったトナーの帯電量分布を均一化させ、ト電性を有する金属酸化物又は金属酸化物の複合物はトナー表面において、電気的な力により、シリカ微粒子と凝集物を作りやすい。特に大粒径シリカと凝集物を作った場合、かなり大きな凝集物になり、トナー流動性の悪化、さらにはスリーブコートムラへと発展し、結果的にスリーブのコート状態が不均一になり画像濃度の一様性や画質を低下させてしまう。
【0040】
これを防止するために、金属酸化物又は金属酸化物の複合物のシリカ微粒子Aに対する添加量も重要である。シリカ微粒子Aに対する添加量比率(シリカ微粒子A添加量/金属酸化物又は金属酸化物複合物Cの添加量)W/Wが、1/20以上1/2未満であることが好ましく、より好ましくは1/10以上1/2未満である。この添加比率を上記の範囲にすることで、ポジ帯電性の強い金属酸化物又は金属酸化物の複合物とネガ帯電性のシリカ微粒子Aとが、凝集することなくより均一に分布し、帯電性が安定し、長期間に渡って安定した画像が供給できるのである。
【0041】
形状係数SF−1は粒子の球形度を表す指標で、この指数を150乃至250、より好ましくは180乃至200にすることで、トナー劣化を起こさずに、ドラム上に強く固着したような不純物を削り取り、高温高湿環境においても画像流れやドラム融着等のない安定した画像を提供できるのである。またBETは0.5m/g以上10m/g未満で、より好ましくは1.0m/g以上8.0m/g未満で、0.5m/gよりも小さいと静電潜像担持体表面や現像スリーブの削れが顕著となり、10.0m/gよりも大きいと静電潜像担持体表面の付着物を除去できなかったり、クリーニング部材をすり抜けて画像欠陥につながる場合がある。
【0042】
金属酸化物としては、例えばマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、マンガン、セリウム、ストロンチウム等の酸化物、及びチタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複合金属酸化物が挙げられる。なかでも静電潜像担持体への研磨性及びトナーの帯電性からチタン酸ストロンチウム、及び酸化セリウムが最も好ましい。
【0043】
さらに帯電性の均一化および金属酸化物によるドラム表面の過度な削れ抑制という観点から現像スリーブに対し、ポジ帯電性の球状樹脂微粒子を含有させることがより好ましい。
【0044】
該球状樹脂微粒子はメラミン系樹脂からなり、メラミンとホルムアルデヒドの縮合により生成されたものを、脂肪族アルコールでエーテル化したもの、あるいはこのメラミン樹脂をパラトルエンスルホンアミド等で変性したものなどが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0045】
BETを5.0〜70m/g、より好ましくは10〜40m/gで、その形状係数SF1が100以上150未満、より好ましくは110以上140未満であることが好ましい。
【0046】
樹脂微粒子の比表面積が5.0m/gよりも小さい場合、遊離したシリカ微粒子を吸着する量が減少し好ましくない。70m/gよりも大きい場合には、金属酸化物による静電潜像担持体の削れを十分に緩和することが困難となる。
【0047】
前記球状樹脂微粒子の添加量は、トナー全量に対し0.005〜0.5質量%(より好ましくは0.02〜0.3質量%)であることが好ましい。樹脂微粒子の添加量が0.005質量%未満だと金属酸化物の研磨力をバランス良く緩和できなくなり、0.5質量%よりも多い場合にはクリーニング不良が生じ帯電ローラ汚れが顕著となることがある。
【0048】
さらに球状樹脂微粒子は金属酸化物又は金属酸化物複合物と同様にポジ帯電性を有するが、それ程強いポジ帯電性を有さない。そのため、帯電性安定化において、金属酸化物又は金属酸化物複合物では均一化できない、より細かな部分のネガ帯電性を均一にする作用を有する。そのために、シリカ微粒子Aに対する添加量比率(シリカ微粒子Aの添加量/球状樹脂微粒子Dの添加量)W/Wが、1/0.08以上1/0.8未満であることが好ましく、より好ましくは1/0.1以上1/0.4未満である。
【0049】
また、均一帯電性およびトナー劣化防止という観点から、金属酸化物又は金属酸化物複合物Cと球状樹脂微粒子Dとの添加量比W/Wが、1/0.004以上1/0.8未満であることが好ましく、より好ましくは1/0.04以上1/0.2未満である。1/0.004未満の場合は、ポジ帯電性が強い金属酸化物又は金属酸化物複合物が支配的になり、強力なポジ帯電性によるかぶりの悪化や画像飛び散りが生じやすくなる。逆に、1/0.8以上の場合には球状樹脂微粒子が支配的になり、トナー劣化が起こり易くなる。
【0050】
トナーの母体に関しては、高転写性および高帯電性という観点から、該トナーの平均円形度が0.950以上であることがより好ましい。この平均円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式(1)により求めた値を円形度と定義した。
円形度a=L0/L (1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【0051】
本発明に用いている平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。よって本発明のように平均円形度が0.950以上である場合、トナー表面の凹凸が少なくなるため、上述したようにトナー劣化には弱い傾向であるが、本発明においてはそれぞれの外添剤の形状や添加量や粒子径などで適度にコントロールしているため、高速現像システムにおいてもトナー劣化することなく、高転写性および高帯電性を維持できるのである。
【0052】
本発明において、シリカ微粒子,金属酸化物又は金属酸化物の複合物及び樹脂微粒子の比表面積は、例えば、湯浅アイオニクス(株)製,全自動ガス吸着量測定装置:オートソーブ1を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により求める。なお、サンプルの前処理としては、50℃で10時間の脱気を行う。
【0053】
また、シリカ微粒子の平均粒径は、シリカ微粒子を樹脂中に包埋したのちに薄片とし透過型電子顕微鏡(TEM)にて視野中の100個の粒子径を測定して求める。具体的な観察方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中へ観察すべき粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片状のサンプルとして観察する。
【0054】
また、形状係数SF1は、日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、外添剤の本発明の平均粒径の範囲内の粒子を30000〜60000倍に拡大した像を10個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、ニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行ない下式より算出する。
SF−1=〔(MXLNG)/AREA〕×(π/4)×100
(式中、MXLNGは粒子の絶対最大長、AREAは粒子の投影面積を示す。)
【0055】
また、シリカ微粒子,金属酸化物又は金属酸化物の複合物及び樹脂微粒子の帯電性は以下の方法で行うことができる。
【0056】
市販のLBPプリンター(LeserJet 4100,HP社製)用カートリッジ内に上記外添剤を入れ、プリンター本体にセットし、画像形成工程前の前回転を利用して、現像スリーブ上に外添剤を塗布する。この外添剤が塗布された現像スリーブ表面を、図1に示すファラデー・ゲージ(Faraday−Cage)で吸引する。ファラデー・ゲージとは、同軸で2重筒のことで内筒と外筒は絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qなる帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電気量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量を例えばKEITHLEY 616 DIGITAL ELECTROMETERで測定し、外添剤の極性を判断した。
【0057】
本発明に用いられる現像スリーブは、基体及び被覆層を少なくとも有し、該基体表面が該被覆層で被覆されており、該被覆層は、(i)個体潤滑剤,導電剤または個体潤滑剤と導電剤の混合物と、(ii)結着樹脂とを含有する被覆剤で形成されている。
【0058】
このように、被覆層が個体潤滑剤,導電剤または個体潤滑剤と導電剤の混合物と結着樹脂とを含有する被覆剤で形成された現像スリーブを用いることにより、長期にわたり安定したトナーの帯電性が得られ、また温度,湿度の環境による影響も少ない安定したトナーへの帯電付与が得られる。
【0059】
従って、該現像スリーブと該外添剤を有する現像剤とを組合わせた上記の構成にすることによって、それぞれを従来の構成に組み合わせるよりも更に、ドット再現性が良くトナーの飛び散りが少ない高画質な画像が得られる。
【0060】
更に上記構成にすることによって、トナー帯電の立ち上がりが速くなり、耐久試験の初期においても高く安定した濃度の画像が得られる。
【0061】
本発明の現像スリーブ上の被覆層に用いる結着樹脂としては、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ポリカーボネート樹脂の如き樹脂が挙げられる。一般的にトナーに対し正極性に摩擦帯電を付与する樹脂が結着樹脂として好ましく使用できる。
【0062】
このうち、熱硬化性樹脂は製造面,耐久面より好ましい。トナーの帯電安定性より、フェノール樹脂が最も好ましく用いられる。フェノール樹脂にはフェノールとホルムアルデヒドから生成され純フェノール樹脂,エステルガムと純フェノール系樹脂を組み合わせた変性フェノール樹脂があり、いずれも使用できる。フェノール樹脂は熱硬化反応により、密な三次元の架橋構造を形成するため、他の熱硬化性樹脂(ポリウレタン,ポリアミド等)に比べ非常に硬い塗膜を形成することができることから好ましく用いられる。
【0063】
本発明に用いられる現像スリーブの基体としては、金属及び合金化合物が好ましく使用することができる。さらに非金属の材料も使用することができる。
【0064】
但し本発明の構成上、現像スリーブを電極として用いているため、非金属物質、例えばプラスチック成型品を用いる場合には通電できる構成にしておく必要がある。例えば現像スリーブ表面に金属を蒸着により吸着させる、導電性を有する樹脂により構成する等である。
【0065】
本発明に用いられる個体潤滑剤はグラファイトが好ましい。グラファイトとしては、天然物,人造品のいずれでも使用可能である。
【0066】
グラファイトの粒径は形状が鱗片状であり、一慨に規定できない。後述するようにサンドミルの如き撹拌手段にて分散する際に形状が変化することにより、グラファイトの粒径の範囲を示すことは困難であるが、本発明においては、グラファイトの長軸方向(ヘキ壊面方向)の幅として100μm以下であることが好ましい。
【0067】
測定方法としては、試料を直接顕微鏡にて観察する方法が最も好ましい方法である。簡易な方法としては、通常の粒度分布計(電気抵抗式,沈降式,遠心式,レーザー散乱式等)により測定を行い、最大値を求める方法がある。
【0068】
グラファイトの黒鉛化度としては、60%以上であることが好ましい。黒鉛化度がヘキ壊のしやすさに影響する特性であり、被膜特性における初期状態と耐久状態との差に影響すると考えられる特性だからである。
【0069】
結晶化度の測定方法としては、種々の方法があるがX線回折による評価が一般的であり、再現性がよい。
【0070】
本発明に用いられる導電剤は、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネス型,チャンネル型のいずれも使用可能である。このうち、被膜特性を考慮して、低抵抗の物質が好ましく、特に、120kg/cmの加圧下における抵抗値が、0.5Ω・cm以下のカーボンブラックが好ましい。
【0071】
カーボンブラックの添加量Wは、結着樹脂100質量部に対し、式
W=[{100/(カーボンブラック吸油量)}×100]×a
を満足することが好ましい。
【0072】
但し、カーボンブラック吸油量は試料100gに対するジブチルフタレートの吸油量[cc/100g](ASTM No.D−2414−79)であり、係数aは0.3〜3を示す。数種類のカーボンブラックを併用することも可能であり、その場合の吸油量は、混合物を実測して求める。
【0073】
係数aが、0.3未満ではカーボンブラックの添加効果が認められず、係数aが3を超えると被膜硬度が低下して好ましくない。カーボンブラックの添加量は、係数aが0.5〜2を満足する添加量がより好ましい。
【0074】
次いで、本発明に係る現像スリーブの製造方法について述べる。
【0075】
被膜剤は結着樹脂可溶な溶剤、例えばフェノール樹脂に対してメタノール,プロピルアルコールの如きアルコール系溶媒に固形分として5〜50質量%になるよう被膜剤の原材料を加え、サンドミル,ボールミル,アトライターの如き撹拌機で顔料分を分散し、被膜剤原液を得る。この被膜剤原液に対し溶媒を添加し製造方法に見合う固形分に調整し塗工液とする。この塗工液を現像スリーブ基体上に塗布し指触乾燥させた後、加熱若しくは露光により被膜層を硬化させ、現像スリーブを生成する。塗布方法としては、スプレー法,デイッピング法,ローラーコート法,バーコート法,静電塗装法が用いられる。
【0076】
次いで、本発明の現像スリーブに用いられる各成分の構成比について説明する。以下は特に好ましい範囲である。
【0077】
本発明における(グラファイト)/(結着樹脂)の質量比は2/1〜1/3の範囲で特に好ましい結果を与える。2/1より大きい場合、被膜強度の低下が認められ、1/3未満では結着樹脂の影響による現像剤の不正コートが発生する可能性が高いことによる。
【0078】
本発明における球状粒子の添加量は結着樹脂の質量を基準にして1〜20質量%の範囲で特に好ましい結果を与える。1質量%未満では球状粒子の添加効果が小さく、20質量%を超える場合では現像特性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0079】
本発明においては、さらに以下の添加物質を被膜に添加してもよい。被膜の抵抗を調整するために導電性物質を添加してもよい。導電性物質としてはアセチレンブラック、オイルブラックの如き導電カーボン;鉄、鉛、錫の如き金属粉;酸化スズ、酸化アンチモンの如き金属酸化物が挙げられる。その添加量は、添加物質/結着樹脂の比が2/1〜1/3の範囲で使用される。
【0080】
トナーの帯電をより安定させるためにトナーに用いられる帯電制御剤を被膜に添加してもよい。例えばニグロシン,4級アンモニウム塩,ホウ酸化合物,リン酸化合物が挙げられる。いずれの場合においても、本発明での0.3〜30μmの粒径の球状粒子を添加することにより、安定した現像スリーブ表面を保持することができる。
【0081】
本発明における現像スリーブ表面の粗度は、面積平均値(以下Ra)として0.2〜5.0(好ましくは0.3〜3)μmの範囲であり、かつ耐久による表面粗度の変化率(耐久後/初期)として0.5〜2.0の範囲である。表面粗度が0.2μm未満では担持能力が低下し好ましくなく、5.0μmを超える場合では現像剤コート層が厚くなり飛散,不正現像が目立つようになり好ましくない。
【0082】
現像スリーブ表面については、該被膜表面におけるでこぼこの平均間隔である粗さの平均ピッチ(Sm)と現像剤のトナーの平均粒径(dav)との関係がSm/dav=1/10〜10、好ましくは1/5〜5であり、該被膜表面の粗さ(Ra)が0.3〜3μm、好ましくは0.5〜3μmが良い。
【0083】
長さ方向(Sm値)と高さ方向(Ra値)の二点を表面状態の代表値とした。ここで、Sm/dav値が1/10より小さいと粗し効果が現われず、10より大きいとトナーサイズに対して平滑な面に近くなるため、やはり粗し効果が現われない。
【0084】
本発明において、中心線平均粗さ(Ra)はJIS表面粗さ(BO601)に基づいて、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研究所)を用いて測定される。具体的には、中心線粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さa2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸,縦倍率の方向をY軸,粗さ曲線をy=f(x)で表わした時、次の式によって求められる値を、マイクロメートル(μm)で表わしたものをいう。
【0085】
【数1】
Figure 2005049452
【0086】
本発明において、でこぼこの平均間隔(Sm)は、Sm=L/n(式中、Lは基準長さであり、2.5mmであり、nは山数を示す)で求められる。山数nは、粗さ曲線の中心線に平均な2本のピークカウントレベル(±0.21μm)を設け、この下側のピークカウントレベルと曲線が交叉する2点間において、上側のピークカウントレベルと曲線が交叉する点が1回以上存在するとき1山として、この山数nを基準長さ(2.5mm)間において求める。
【0087】
現像スリーブ表面より現像剤の離型を促進するために、表面エネルギーの低い物質を添加してもよい。例えば、フッ素化合物,窒化ホウ素,グラファイト等が挙げられる。
【0088】
また、グラファイトのヘキ壊面が、平滑になるのを防止するために球状粒子を添加することも好ましい。特に現像スリーブの被膜層が摩耗してきた場合でも、一様の表面粗度を保持するために添加するものである。球状粒子の個数平均粒径が0.3μm未満では表面粗れの効果がなく、個数平均粒径が30μmを超える場合では被膜より突出し、その部分だけ不正現像が起りやすく好ましくない。本発明における球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5(好ましくは1.0〜1.2)が好ましい。特に、真球状の粒子が好ましい。
【0089】
現像ブレードは、板状のシリコン、ウレタンなどのゴム材料や、SUS、リン青銅などの金属弾性体や、或は、ゴム材料に金属材料を裏打ちしたものを用いることができるが、特にウレタン製の現像ブレードが好ましい。また、現像スリーブへの当接圧(線圧)は20〜40g/cmが好ましく、特に好ましくは25〜40g/cmである。当接圧(線圧)が20g/cmより低い場合は、トナーに十分の帯電を与えられず、カブリや飛び散りが悪化する。40g/cmより高い場合にはトナー表面が長期の使用により劣化しやすくなる。
【0090】
本発明のトナーに使用される結着樹脂の種類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。中でも好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0091】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニル;酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0092】
本発明における結着樹脂は、酸価を有していてもよい。結着樹脂の酸価を調整するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物などがあり、このようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合させることにより所望の重合体を作ることができる。この中でも、特に不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体を用いることが酸価値をコントロールする上で好ましい。
【0093】
より具体的には、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸のモノエステル類などが挙げられる。
【0094】
以上のようなカルボキシル基含有モノマーは、結着樹脂を構成している全モノマー100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部添加すればよい。
【0095】
本発明に係る樹脂組成物は、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃、好ましくは50〜70℃である。
【0096】
本発明の結着樹脂の合成方法として本発明に用いることのできる重合法として、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
【0097】
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方法として有利な点がある。しかし、添加した乳化剤のため生成重合体が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都合である。
【0098】
懸濁重合においては、水系溶媒100質量部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは10〜90質量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択される。
【0099】
本発明に用いられる結着樹脂は、以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ましい。
【0100】
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン及び各種ポリマーオキサイド等の1分子内に2つ以上のパーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤、及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤から選択される。
【0101】
これらのうち、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
【0102】
これらの多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足するためには、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得るための分解温度よりも低い半減期10時間を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
【0103】
具体的には、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾおよびジアゾ化合物等が挙げられる。
【0104】
これらの単官能性重合開始剤は、前記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つ為には、重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好ましい。
【0105】
これらの開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.05〜2質量部で用いるのが好ましい。
【0106】
結着樹脂は架橋性モノマーで架橋されていることも好ましい。
【0107】
架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いらる。具体例としては、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0108】
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.00001〜1質量部、好ましくは0.001〜0.05質量部の範囲で用いることが好ましい。
【0109】
これらの架橋性モノマーのうち好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0110】
その他の合成方法としては、塊状重合方法、溶液重合方法を用いることができる。しかし、塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を速めることで、低分子量の重合体を得ることができるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。その点、溶液重合法は、溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、また、開始剤量や反応温度を調整することで、所望の分子量の重合体を温和な条件で容易に得ることができるので好ましい。特に、開始剤使用量を最小限に抑え、開始剤が残留することによる影響を極力抑えるという点で、加圧条件下での溶液重合法も好ましい。
【0111】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0112】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0113】
【化2】
Figure 2005049452
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
また(B)式で示されるジオール類;
【0114】
【化3】
Figure 2005049452
【0115】
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0116】
また架橋成分として働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
【0117】
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0118】
また、本発明における三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0119】
【化4】
Figure 2005049452
(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)
で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0120】
本発明に用いられるアルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。また三価以上の多価の成分は、全成分中の5〜60mol%であることが好ましい。
【0121】
該ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮重合によって得られる。
【0122】
また、本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。
【0123】
本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0124】
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
【0125】
本発明に用いられる着色剤としては磁性酸化鉄または金属が挙げられ、磁性酸化鉄としては、マグネタイト,マグヘマイト,フェライト等の酸化鉄、金属としては、鉄,コバルト,ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム,コバルト,銅,鉛,マグネシウム,マンガン,セレン,チタン,タングステン,バナジウムのような金属の合金及びその混合物が用いられ、その磁性酸化鉄表面あるいは内部に非鉄元素を含有するものが好ましい。
【0126】
本発明に用いられる磁性酸化鉄は、鉄元素基準で異種元素を0.05〜10質量%含有することが好ましい。とくに好ましくは0.1〜5質量%である。
【0127】
異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、イオウから選択される元素であることが好ましい。特にケイ素元素を含有していることが帯電性としても良好である。また、以下のリチウム,ベリリウム,ボロン,ゲルマニウム,チタン,ジルコニウム,錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,スカンジウム,バナジウム,クロム,マンガン,コバルト,銅,ニッケル,ガリウム,カドミウム,インジウム,銀,パラジウム,金,水銀,白金,タングステン,モリブデン,ニオブ,オスミウム,ストロンチウム,イットリウム,テクネチウム等の金属が挙げられる。
【0128】
また、トナー中に含有される量としては樹脂成分100質量部に対して20〜200質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対して40〜150質量部がさらに良い。
【0129】
また、場合により、本発明の磁性トナーに用いる磁性酸化鉄は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネート、アミノシラン等で処理しても良い。
【0130】
本発明のトナーに使用し得るその他の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。染料としては、アゾ系染料、アントラキノン染料、キサンテン系染料、メチン系染料等が挙げられる。染料は結着樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
【0131】
また、本発明においては、荷電制御剤を添加して使用することが好ましい。負荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯体(例えば、特公昭41−20153号,特公昭42−27596号,特公昭44−6397号,特公昭45−26478号など)、さらにはニトロフミン酸及びその塩或いはC.I.14645などの染顔料(例えば、特開昭50−133838号)、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,Fe,Zr等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、ニトロ基,ハロゲンを導入したスチレンオリゴマー,塩素化パラフィン等を挙げることができる(例えば、特公昭55−42752号,特公昭58−41508号,特公昭58−7384号,特公昭59−7385号など)。特に分散性に優れ、画像濃度の安定性やカブリの低減に効果のある、一般式(I)で表されるアゾ系金属錯体や一般式(II)で表される塩基性有機酸金属錯体が好ましい。
【0132】
【化5】
Figure 2005049452
[式中、Mは配位中心金属を表し、Cr,Co,Ni,Mn,Fe,Ti又はAlを示す。Arは、フェニル基,ナフチル基の如きアリール基であり、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基,ハロゲン基,カルボキシル基,アニリド基及び炭素数1〜18のアルキル基,炭素数1〜18のアルコキシ基がある。X,X’,Y,Y’は−O−,−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。Aは水素,ナトリウムイオン,カリウムイオン,アンモニウムイオン又は脂肪族アンモニウムイオンを示す。]
【0133】
【化6】
Figure 2005049452
【0134】
そのうち上記式(I)で表されるアゾ系金属錯体がより好ましく、とりわけ、中心金属がFeである下記式(III)あるいは(IV)で表されるアゾ系鉄錯体が最も好ましい。
【0135】
【化7】
Figure 2005049452
[式中、X及びXは水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,ニトロ基又はハロゲン原子を示し、k及びk’は1〜3の整数を示し、YおよびYは水素原子,C〜C18のアルキル,C〜C18のアルケニル,スルホンアミド,メシル,スルホン酸,カルボキシエステル,ヒドロキシ,C〜C18のアルコキシ,アセチルアミノ,ベンゾイル,アミノ基又はハロゲン原子を示し、l及びl’は1〜3の整数を示し、YおよびYは水素原子またはニトロ基を示し、(上記のXとX,kとk’,YとY,lとl’,YとYは同一でも異なっていても良い。)
A”はアンモニウムイオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,水素イオン又はそれらの混合イオンを示し、好ましくはアンモニウムイオン75〜98モル%を有する。]
【0136】
【化8】
Figure 2005049452
[式中R〜R20は水素,ハロゲン,アルキル基を示し、Aはアンモニウムイオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,水素イオン又はそれらの混合イオンを示す。]
【0137】
次に上記式(III)で示されるアゾ系鉄錯体の具体例を示す。
【0138】
【化9】
Figure 2005049452
【0139】
【化10】
Figure 2005049452
【0140】
また、上記式(I),(II),(IV)で示される荷電制御剤の具体例を以下に示す。
【0141】
【化11】
Figure 2005049452
【0142】
【化12】
Figure 2005049452
【0143】
【化13】
Figure 2005049452
【0144】
これらの金属錯化合物は、単独でも或いは2種以上組み合わせて用いることが可能である。これらの帯電制御剤の使用量は、トナーの帯電量の点から結着樹脂100質量部あたり0.1〜5.0質量部が好ましい。
【0145】
一方、トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0146】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
【0147】
本発明のトナーは、結着樹脂、離型剤、帯電制御剤および磁性粉を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して結着樹脂及びワックスを互いに相溶せしめた中に着色剤又は磁性体を分散せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行い、さらに上記記載の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明に係るトナーを製造することが出来る。
【0148】
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボフレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所杜);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0149】
上記のようにして作製される本発明のトナーは、一成分現像剤として使用してもよいが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明の静電荷像現像剤がキャリアとトナーからなる場合、キャリアとしては、樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアを好適に使用することができる。樹脂被覆キャリアは、芯材の表面に樹脂を被覆したものであって、芯材としては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性を有する粉体をあげることができる。被覆する樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂等があげられる。
【0150】
【実施例】
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は質量部である。
【0151】
<樹脂製造例>
(ポリエステル樹脂の製造)
反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物47部、ビスフェノールAのEO2モル付加物20部、ノボラック型フェノール樹脂(核体数約4)の4モルPO付加物2部、テレフタル酸24部、フマル酸2部、無水トリメリット酸5部、ポリエチレンワックス(軟化点101℃、Mn:720、Mw/Mn:1.33)4部およびジブチルチンオキサイド0.5部を入れ、210℃でこれらを縮合重合し、ポリエステル樹脂を得た。酸価は30mgKOH/g、Tgは56℃であった。
【0152】
<現像スリーブの製造例>
グラファイト 100部
(昭和電工社製;UFG−10、黒鉛化度100%、長軸径5μm、厚さ0.5μm以下)
レゾール型フェノール樹脂 100部
PMMA(ポジ帯電性、平均粒径2μm) 4部
上記被膜用材料をブチルアルコール76部に加え、混合した後、直径200μmのボールがメディア粒子として入っているボールミルにて10時間分散した。この後、64meshのフルイを用い、ボールを分離し原液(固形分24質量%)を得た。この原液を原液−aとする。
【0153】
原液−aにブチルアルコール20質量部を加え、塗工液とした(固形分20質量%)。この塗工液をディッピング法により、直径20mmのAl担持体基体(アルミシリンダー)上に10μmの被膜を形成させ、次いで熱風乾燥炉により150℃/30分間加熱し硬化させ現像スリーブを調製した。形成されたアルミ基体上の被膜層の表面粗さ(Ra)は、2.5μmであった。
【0154】
[実施例1]
・ポリエステル樹脂 100部
・磁性酸化鉄粒子 95部
・荷電制御剤(Fe含有アゾ系染料) 2部
上記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、得られた粗粉砕物を、ターボミル(ターボ工業社製)を用いて、機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して質量平均粒径(D4)6.5μm、平均円形度0.958の負帯電性磁性トナー粒子を得た。この得られたトナー粒子100部に対し、表1〜表4に示すシリカ微粒子A−1とシリカ微粒子B−1、金属酸化物C−1および球状樹脂微粒子D−1を表5に示すような割合で外添混合して現像剤1を調製した。
【0155】
[実施例2〜12]
現像剤1のシリカ微粒子Aとシリカ微粒子B、金属酸化物および球状樹脂微粒子をそれぞれ表1〜4に示すものに変え、表5に示すような割合で添加する以外は実施例1と同様にして現像剤2〜12を得た。
【0156】
[実施例13]
現像剤1と同様にして混合、溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、得られた粗粉砕物を、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を用いて、機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して質量平均粒径(D4)6.5μm、平均円形度0.941の負帯電性磁性トナー粒子を得た。この得られたトナー粒子100部に対し、シリカ微粒子Aとシリカ微粒子B、金属酸化物および球状樹脂微粒子をそれぞれ表1〜4に示すものに変え、表5に示すような割合で添加して現像剤13を得た。
【0157】
[比較例1〜7]
現像剤13のシリカ微粒子Aとシリカ微粒子B、金属酸化物および球状樹脂微粒子をそれぞれ表1〜4に示すものに変え、表5に示すような割合で添加する以外は実施例13と同様にして現像剤14〜20を得た。
【0158】
〔評価〕
上記一成分系の現像剤(トナー)を下記の評価項目,方法にて評価を行い、結果を表6に示した。
【0159】
(1)劣化加速試験
市販のLBPプリンター(LeserJet 4100,HP社製)を1.5倍のプリントスピードに改造し、32℃,80%RHの環境でトナー劣化加速試験を行った。現像器にはトナー100gを充填し、表5に示す現像スリーブに対しウレタン製ブレードを38g/cmの線圧で当接させ、べた白の画像を1万枚流した。初期と1万枚目に5mm角のべた黒が9個(3列3段)の画像を取り、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行った。これらの数値が一定であるほど、トナー劣化に強いトナーである。
【0160】
さらにトナー劣化およびトナー流動性を示す指標として、劣化加速耐久前後のトナーの凝集度をパウダテスタP−100(ホソカワミクロン社製)を使用し、測定した。具体的には、振動台の上に、上から目開き250μm、150μm、75μmの順でふるいをセットし、振動振り幅を1mm、振動時間を20秒として、トナー5gを静かにのせて振動させる。振動停止後、それぞれのふるいに残った質量を測定する。
(上段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100 ……………a
(中段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.6……b
(下段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.2……c
a+b+c=凝集度(%)として算出した。
【0161】
耐久前後での凝集度の値が変わらないほど劣化に強いトナーであり、また凝集度が小さいほど流動性の良いトナーである。
【0162】
(2)帯電安定性評価
上記画出し試験機を用いて、15℃,10%のLL環境,32℃,80%のHH環境で4ドットの横ラインを176ドットスペースおきに印字した横ラインパターンを2万枚プリントする試験を行った。
【0163】
画像濃度は5mm角の画像を測定した。これらの評価を、初期、20000枚時に行った。これらの数値が一定であるほど、帯電安定性が良い。また環境差が少ない程、環境安定性が良いトナーと言える。
【0164】
(3)カブリ評価試験
カブリは反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて測定した転写紙の白色度と、15℃,10%のLL環境で2万枚プリント試験後のべた白画像の白色度との比較からカブリの評価を行った。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。
【0165】
(4)初期画質評価
初期画質の評価についても上記画出し試験機を用いて常温常湿環境(20℃,60%)で1200dpiの孤立した1ドットのパターンを画出しし、光学顕微鏡で画像を観察してドット再現性を評価した。
A:潜像からのトナーのはみ出しが全く無く、ドットを完全に再現している
B:潜像からのトナーのはみ出しが少しある
C:潜像からのトナーのはみ出しが多い
D:潜像からのトナーのはみ出しがかなり多い
E:潜像からのトナーのはみ出しが激しい
【0166】
(5)画像飛び散りの評価
画像飛び散りの評価は、上記画出し試験機を用いて、4ドットの横ラインを176ドットスペースおきに印字した横ラインパターンを10秒に1枚の間隔で画だしする間欠プリント試験を行い、10000枚目の画像飛び散りを以下の基準にしたがって評価した。
A:拡大観察によっても画像飛び散りの少ない画像
B:拡大観察により飛び散りが見られるが、目視では見えない
C:飛び散りにより、文字が多少にじむ
D:飛び散りにより、ラインの太さにむらが出る
E:飛び散りにより、細かな文字の一部につぶれが見られる
【0167】
(6)画像流れ評価
画像流れについては、画像面積比率約3%の画像を高温・高湿環境(32.0℃,80%RH)下で10000枚連続プリントアウトした後、10000枚後の画像流れの程度により評価した。本評価においては、経験上、画像流れが発生し易いタルクを填料として用いている紙(32.0℃,80%RHで吸湿量10%にしたもの)を評価用紙とした。尚、紙の吸湿量は、Infrared Engineering製MOISTREX MX 5000を用いて測定した。評価は、下記の基準によって行なった。
A:画像流れが全く発生しない。
B:AとCの中間レベル。
C:画像流れが発生しているが、文字が何か判別できる。
D:CとEの中間レベル。
E:画像流れが発生し、文字が何か判別できない。
【0168】
(7)ドラム融着の評価
画像面積比率約3%画像を、高温・高湿環境(32.0℃,80%RH)下で10000枚連続プリントアウトした後、A4サイズの記録紙全面にベタ黒画像を形成し、ベタ黒画像上に生ずる白点の発生程度を評価した。評価は、下記の基準によって行なった。
A:A4サイズの記録紙上に白点が全く発生しない。
B:AとCの中間レベル。
C:A4サイズの記録紙上に白点が10点程度みられる。
D:CとEの中間レベル。
E:A4サイズの記録紙上に白点が100点以上見られる。
【0169】
【表1】
Figure 2005049452
【0170】
【表2】
Figure 2005049452
【0171】
【表3】
Figure 2005049452
【0172】
【表4】
Figure 2005049452
【0173】
【表5】
Figure 2005049452
【0174】
【表6】
Figure 2005049452
【0175】
【発明の効果】
本発明によれば、高速現像システムにおいてもトナーの帯電安定性に優れ、長期に渡る使用においてもトナー劣化が生じることなく、画像濃度安定性及び初期画像現像性に優れ、画像飛び散りや画像流れ、ドラム融着の生じないトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外添剤粒子の極性を判断する際に使用する吸引型ファラデー・ゲージである。

Claims (5)

  1. 現像スリーブの表面に対し、ネガ帯電性の2種のシリカ微粒子、及びポジ帯電性の金属酸化物又は金属酸化物の複合物を少なくとも含有するトナーにおいて、
    該第一のシリカ微粒子AはBETが30m/g以上80m/g未満で、第二のシリカ微粒子BはBETが80m/g以上300m/g以下であり、その添加量比率W/Wが1/30以上1/1.2未満で、さらにその平均粒径比r/rが1.1以上6.0未満であり、
    該金属酸化物又は金属酸化物の複合物のBETが0.5m/g以上10m/g未満であり、その形状係数SF1が150乃至250であることを特徴とするトナー。
  2. 該第一のシリカ微粒子Aと該第二のシリカ微粒子Bとの添加量比率W/Wが1/10以上1/1.2未満であり、さらにその平均粒径比r/rが1.2以上4.0未満であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該第一のシリカ微粒子Aと該第二のシリカ微粒子Bとの添加量比率W/Wが1/10以上1/1.7未満であり、さらにその平均粒径比r/rが1.2以上3.0未満であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  4. 更にポジ帯電性の球状樹脂微粒子を含有し、該球状樹脂微粒子はBETが5.0〜70m/gであり、その形状係数SF1が100以上150未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナーの平均円形度が0.950以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
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