JP2005049365A - 点字表示装置と点字触覚方法と触覚ディスプレイ装置 - Google Patents

点字表示装置と点字触覚方法と触覚ディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】あたかも点字紙上を指をすべらせて触覚するのと同様の機能を単純な構成により実現し、連続式点字表示装置の小型化、低価格化を図る。
【解決手段】点字を表示する点字ユニット110が第一位置と第二位置とを往復動し、点字ユニット110が第一位置から第二位置に移動する間に視覚障害者が点字を触覚するもので、点字ユニット110は往動時には点字を表示し、復動時には点字表示が無く、第一位置に復帰する都度、アクチュエータにより表示する点字文字の変更を可能とした構成。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、6本または8本のピンにより任意の点字を連続的に表示する点字表示装置に関する。詳しくは、指を動かさずに点字を連続して読める点字表示装置に関する。
また、ピンを多行多列のマトリクス状に配設し文字・図形を表示する触覚ディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の点字表示装置は、電気的・機械的にピンを突出させて点字を表示する点字表示ユニットを所定の個数並べ、1行の文字列として表示し、視覚障害者がその行の上を指を滑らせることによって判読し、その後、次の行を表示するという形式で視覚障害者に情報を伝達するものであった。
【0003】
指を動かさずに、表示された点字が移動しているように表示を変化させるものとして特開平09−081029号公報が提案されている。この場合は、点字表示装置の左右に圧力センサを配置し、点字を読み取るために置かれた指の微妙な圧力の変化を読み取り、圧力センサは右に加わった力が左に加わる力よりも大きい場合に点字表示を右から左に流し、加わる力が逆の場合の場合は左から右に流すように制御を行い、また、圧力センサに加える力により視覚障害者が表示の流れる速度を調整可能とするものである。
指を静止した状態で指の下面にある点字表示を順次変化させる構成として特開平09−114365号公報が提案されている。
【特許文献1】特開平09−081029号公報
【特許文献2】特開平09−114365号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の特許文献1においては、体の一部の動きを検出し左右に移動する点字表示装置は第一位置と第二位置とを交互に周期的に往復動するものでない。また、点字を表示するピンを進退自由に備え、往動時には点字を表示し、復動時には点字表示が無い構成を示唆していない。さらに、微妙な圧力の変化を読み取る圧力センサを必要とし構造と制御が複雑となる上、部品点数が多くなる。
特許文献2においては、触覚指が点字紙上を滑る感触を得られず点字触覚率が低下する恐れがある。即ち、視覚障害者は点字紙上で指をすべらせた際の点字の引っかかり具合と点字の押圧反力との二つの知覚情報によって点字を触覚していると推察される。
【0005】
本発明は、あたかも点字紙上を指をすべらせて触覚するのと同様の機能を単純な構成により実現し、連続式点字表示装置の小型化、低価格化を図ることを目的とする。
また、ピンを多行多列に配列し文字・図形を表示する触覚ディスプレイ装置において前記ピンの駆動を、多行多列に配列したピンの内の一列に対応する数のアクチュエータのみで行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明における第一の点字表示装置は、点字を表示する点字ユニットが第一位置と第二位置とを交互に往復動し、点字ユニットが第一位置から第二位置に移動する間に指で点字を触覚する構成とした。前記点字ユニットは往動時には点字を表示し、復動時には点字表示が無いことを特徴とする。
また、第一位置に復帰する都度、表示する点字文字の変更を可能にするよう点字ピン駆動アクチュエータを制御し、点字を連続表示可能とした。
前記点字ユニットは一文字の表示としてもよいし、複数の文字を表示するものであってもよい。さらに、第一位置から第二位置へ移動する速度と、第二位置から第一位置へ移動する速度とを異ならせてもよい。例えば往動時には1分間あたり100文字〜200文字を表示するゆっくりした速度で、復動時には往動時と同等〜2倍の速度等としてもよい。
【0007】
前記点字ユニットは、触覚面に3行2列の計6ピンの点字ピンを摺動自在に支承する保持部材と、該保持部材に取り付き,前記6ピンを進退させる6個のアクチュエータとからなる(図示せず)。
アクチュエータは例えば圧電素子のピエゾ効果を用いてピンを駆動する構成(特開平06−301335号公報)、ピンを駆動する電磁石を有し該電磁石のヨーク先端部に近接して永久磁石を有する回動自在なカム機構が設けられ、このカム機構を電磁石により必要方向に回動させて磁気的に保持する構成(特開平09−305100号公報)、3行2列に並設した6個の電磁ソレノイド,またはリニアモータ,または電動モータ(主軸にリードスクリューを備えたモータ)等から選んだ一つとした。
点字ユニットの往復動は、モータと偏芯円板とリンク板とからなるクランク機構、モータ軸に取り付けた円盤型カムによる駆動、リニアモータ駆動、点字ユニットに取り付けたラックをピニオン付きモータで駆動、往復動するエンドレスベルトの途中に点字ユニットを取り付ける構成等任意の手段を用いてよい。
【0008】
本発明における第二の点字表示装置は、触覚面に点字を表示するピンを進退自由に支承した保持部材と、前記保持部材に配設されて前記ピンの側部を片側方向に押圧、保持する弾性部材と、第一位置において前記保持部材の近傍に位置し,前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面から0.5〜0.8mm程度の高さに突出させる6個のアクチュエータと、第二位置に至る過程において前記保持部材の近傍に位置し,前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記6個のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記保持部材を第一位置と第二位置とに交互に往復動させる保持部材駆動手段とを備えた構成とした。
【0009】
ピンを保持部材の触覚面から突出させるアクチュエータを、例えば3行2列に並設した6個の電磁ソレノイド、リニアモータ、電動モータ、モータと該モータ軸に取り付けた円盤型カム等から選んだ一つとした。
ピンを触覚面側に後退させる手段をなだらかな傾斜面を備えたカムまたは回動可能なローラのいずれか一方とした。前記カムまたはローラ、アクチュエータはそれぞれ保持部材の近傍で筐体またはベース等に固定配置した。保持部材の往復動手段は第一の点字表示装置の場合と同様にした。
【0010】
保持部材の凹溝内に配設されピンを押圧保持する弾性部材をゴム、樹脂からなる柔軟な棒状部材、柔軟なチューブ状部材、柔軟な板状部材等から選んだ一つとした。具体的には、保持部材を構成する二枚のプレートでピンを進退自由に支承し、該二枚のプレート間に配設した断面円形のゴム製棒状弾性部材でピンの側部を片側から押圧し、ピンを任意の進退位置で保持する構成とした。
【0011】
弾性部材によるピンの保持力は0.3N〜1.0N、好適には0.4N〜0.8Nの範囲とした。保持力の定義は、ピンを視覚障害者が触圧した場合に、ピンが触覚面側に引っ込まない状態をいう。視覚障害者がピンに触る手指の触圧は略0.1N程度と小さい。ピンの直径を1.2mm、弾性部材をニトリルブタジエンゴムとした場合、直径を1.4mm〜1.6mm程度、ピン押圧による弾性部材側壁の撓み量(凹み量)を0.2mm〜0.6mm程度とした。弾性部材の断面形状は円形、略円形、矩形、菱形、蛇腹形等から選んだ一つとした。なお、弾性部材はゴム製の他に樹脂部材等としてもよい。弾性部材が表面または部材内にフッ素樹脂等の潤滑部材を備えていてもよい。
弾性部材がゴム製の場合、シリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム、天然ゴム等から選んだ一つとした。チューブ状部材の場合はゴム、ナイロン、ビニール、フッ素、ポリエチレン等の軟質樹脂から選んだ一つとした。
【0012】
点字を表示するピンの直径は1〜2mm程度とし、両端を曲面たとえば略半球状とした。前記ピンはステンレス部材の他に、ニッケル、アルマイト処理したアルミニウム、黄銅、防錆処理やフッ素樹脂コーティングを施し汚れを付きにくくした鉄系金属、抗菌効果を有する銅部材、樹脂部材、光触媒粒子を混入した樹脂部材、光触媒を塗布したステンレス等から選んだ一つとした。
【0013】
上記構成により本発明における点字表示装置はあたかも点字紙上を指をすべらせて触覚するのと同様の機能を一つの点字表示ユニットで実現でき、装置の小型化、低価格化を図れる。また、指を動かさずに点字を連続して読める。
【0014】
本発明における触覚ディスプレイ装置は、触覚面に文字・図形を表示するピンを進退自由に保持する保持部材と、前記保持部材の近傍に位置し,前記ピンに当接し前記ピンを前記触覚面から所定高さに突出させる複数のアクチュエータと、前記保持部材の近傍に位置し,前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段とを備え、前記アクチュエータの数が前記保持部材に配設した一列のピン数に対応する構成とした。また、前記アクチュエータの動作時間を複数回に分けたことを特徴とする。
【0015】
上記構成により本発明の触覚ディスプレイ装置は、アクチュエータの数を大幅に削減できるうえピンを進退させる機構が極めて単純となる。そして装置コストの低減と重量の軽減を図れる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態における点字表示装置を図面とともに説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の点字表示装置を構成する点字ユニットの往動過程における概念の平面図、図2は図1における点字ユニットの復動過程の概念の平面図、図5は図1における点字ユニットを往復動させるモータ、ピンを進退させるアクチュエータ等の制御回路のブロック構成図である。
【0017】
点字表示装置100は点字ユニット110と、該点字ユニット110を第一位置と第二位置とに交互に往復動させる手段と、ピンを進退させるアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、点字ユニットを往復動させる手段およびアクチュエータ等を制御する制御回路などを備えた構成とした。
点字ユニット110は、ピン601を摺動自在に支承する保持部材と,ピン601を進退させる6個のアクチュエータ(図示せず)とからなる。図1に示す点字は3行2列の計6ピンからなる。アクチュエータは例えば圧電素子のピエゾ効果を用いる構成とした。
点字ユニット110を第一位置と第二位置とに往復動させる手段はパルスモータ、パルスモータに取り付く偏芯円板、偏芯円板と点字ユニットとを連結するリンク、点字ユニットを摺動可能に支承するガイド等からなる(図示せず)。
ピン601はステンレス製とし直径1.2mm程度、両端を略半球状とした。
【0018】
視覚障害者が点字を触覚する動作について説明する。図1の点字ユニット110は、選択駆動されたアクチュエータにより黒く塗った1行2列目のピンと2行1列目のピンとが触覚面より0.5mm程度の高さに突出させられ、ひら仮名の「お」を表示している。この点字ユニットが第一位置から第二位置に往動(矢印の右から左方向に移動)する過程で点字ユニット110の平坦な触覚面に載置した指により点字の「お」が触覚される。続いて、図2に示すごとく第二位置に達した時点で突出していたピンは触覚面まで後退させられ、6本全てが引っ込んだ点字表示無しの状態になる。点字ユニット110は点字表示無しの状態で第一位置に復動(矢印の左から右方向に移動)する。復動過程ではピンが突出していないので視覚障害者は点字を触覚しない。この点字ユニット往復動作を1分間に100〜300回、平均的には200回程度繰り返すことにより、視覚障害者は指を静止した状態であたかも点字紙を読んでいるごとく連続触覚できる。そして、点字紙を読む場合のような改行操作が不要となる。
【0019】
このように本発明の点字表示装置100は第一位置に復帰する都度、表示する点字文字の変更を可能にするようアクチュエータを制御し、点字を連続表示可能とした。
前記点字ユニットは一文字の表示としてもよいし、複数の文字を表示するものであってもよい。さらに、第一位置から第二位置へ移動する速度と、第二位置から第一位置へ移動する速度とを異ならせた。例えば復動時には往動時の2倍程度の速度とした。
【0020】
前記点字ユニット110を往復動させるパルスモータ、ピンを進退駆動するアクチュエータ等の制御回路の一例を図5のブロック構成図に示す。
アクチュエータを駆動するタイミングは、偏芯円板と同期して回転するフォトインタラプタ(穿孔した回転板等/図示せず。) により位相検出して行う。偏芯円板を駆動するパルスモータを用いアクチュエータの駆動タイミングをとるようにしてもよい。
【0021】
このように本発明装置は点字表示部を一つの点字ユニットのみで構成でき極めて単純な構造となる。そして点字ユニットを交互に往復動させることにより点字を連続表示できる。その結果、装置の小型化、低価格化を実現できる。
【0022】
(実施の形態2)
図3は本発明のもう一つの点字表示装置を構成する保持部材の第一位置における概念の要部断面図、図4は図3の第二位置における概念の要部断面図を示す。
点字表示装置200は、触覚面にピン601を進退自由に支承する保持部材910と、前記保持部材910に配設されて前記ピン601の側部を片側方向に押圧、保持する弾性部材900と、第一位置において前記保持部材910の近傍に位置し,前記ピン601に当接して前記ピン601を前記触覚面から0.5mm程度の高さに突出させる6個のアクチュエータ920と、第二位置に至る過程において前記保持部材の近傍に位置し,前記ピン601に当接して前記ピン601を前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記6個のアクチュエータ920を選択的に駆動する選択駆動手段と、前記保持部材910を第一位置と第二位置とに交互に往復動させる手段とを備えた構成とした。
【0023】
実施の形態1では点字ピンを進退させるアクチュエータを保持部材と一体的に配設しているのに対し、実施の形態2ではアクチュエータを保持部材から分離して固定配置した。また、ピンを触覚面側に引っ込めるピン後退手段も同様に保持部材から分離して配置した。
詳しくは、実施の形態2では第一位置において保持部材910の近傍に並設した6個のアクチュエータたとえば電磁ソレノイド920により選択的にピン601を触覚面より突出させている。更に図4に示すように、第二位置のストロークエンドに至る過程で保持部材910の近傍に配置した回動可能なローラ930によりピン601を触覚面側に後退させる構成とした。その他の構成および点字の触覚動作は実施の形態1と同様とした。
なお、前記アクチュエータは圧電素子を用いた構成等、任意の手段を用いてもよいことは自明である。同様に前記ピン後退手段は板カム等としてもよい。
【0024】
次に、保持部材910とピン601の保持構造について説明する。図3において、保持部材910はABS樹脂からなる上プレート910Aと下プレート910Bとを一体的に組み立ててなる。弾性部材900は下プレート910Bの凹溝内に配設されている。
弾性部材900がピン601の側部を片側より一方向に押圧し、進退方向の任意の位置で保持している。詳しくは、保持部材910でピンを進退自由に支承し、点字を構成する第一列ピンと第二列ピンとの列間に弾性部材900たとえば棒状ゴムを前記ピンと交差するごとく配設した。一つの棒状弾性部材900で点字一文字分の6ピンを保持している。棒状ゴムは外径を1.5mm、ピン601の押圧による凹み量を0.3mm程度、ピンの保持力を0.3N〜0.4N程度とした。視覚障害者がピン601に触る指の押圧力は略0.1N程度と小さい。これにより視覚障害者が触ピンしても引っ込まない。視覚障害者が点字表示部に触れる位置でも触れない位置でも同一のピン保持力に設定することによりピン保持構造を簡素化できる。
【0025】
図3、図4に示す弾性部材900は円形断面を示す。棒状ゴムの種類はニトリルブタジエンゴム、硬度は70程度とした。なお、前記弾性部材はゴム製の他に樹脂部材等としてもよい。
【0026】
点字表示装置200においても保持部材910の触覚面に指を軽く載置しておくと、点字を表示した保持部材910が第一位置から第二位置へと左方向に移動することにより、あたかも点字紙上を左から右方向になぞって触覚する状態に相当する。このように本発明装置は一つの点字表示ユニットで連続して文節を表示できるうえ、点字紙のような改行操作が不要となり、障害者にとって極めて使い勝手の良い装置となる。
さらに、ピン駆動のアクチュエータを保持部材から分離、固定配置しているので保持部材910の質量と往復動時の慣性が小さくなり、より高速移動が可能となる。
【0027】
以上のように実施の形態2における点字表示装置も極めて簡単な点字ピン保持構造と点字ピン進退構造を構成でき、より一層の小型化、低価格化を図れる。
【0028】
(実施の形態3)
図6は本発明の触覚ディスプレイ装置の概念の要部平面図、図7は図6の第二位置における要部側面図を示す。
本発明の触覚ディスプレイ装置300は、触覚面に文字・図形を表示するピン1001を進退自由に保持する保持部材1010と、該保持部材1010の近傍に位置し,前記保持部材1010が第二位置から第一位置へ移動する過程で前記ピン1001に当接して前記ピン1001を前記触覚面から0.5mm〜0.8mmの高さに突出させる複数のアクチュエータ1020と、前記保持部材1010の近傍に位置し,第一位置から第二位置へ移動する過程で前記ピン1001に当接して前記ピンを前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記複数のアクチュエータ1020を選択的に駆動する選択駆動手段と、前記保持部材1010を第一位置と第二位置とに交互に往復動させる手段とを備えた構成とした。
【0029】
前記アクチュエータ1020たとえば電磁ソレノイドは、多行多列に配列したピンの内、一列に対応する数だけ並設配置した。即ち、図6では5行5列の計25ピンに対し、一列のピン数5本と同数のアクチュエータ(電磁ソレノイド)を並設した例を示す。
なお、アクチュエータ1020の外形寸法に自由度を持たせたい場合はアクチュエータ1020を二列等の複数列に分散配置し、動作タイミングを異ならせるようにしてもよい。アクチュエータの動作タイミングを異ならせることによりアクチュエータを同時に駆動する場合に較べ、駆動電流のピーク値を下げられる。
【0030】
触覚ディスプレイ装置300も基本的には実施の形態2の点字表示装置と略同一の概念であり,略同一の構成とした。即ち、ピン1001を保持部材1010に進退自由に保持する構成、保持部材1010を第一位置と第二位置とに往復動させる構成、ピン1001を触覚面側に後退させる手段等を同一とした。
異なる点は、点字に代え多行多列のマトリクス状に触覚ピンを配設し文字・図形を表示する点、アクチュエータ1020を保持部材の下面側近傍であって,第一位置と第二位置との中間に配置した点、アクチュエータ1020の配設数を前記多行多列に配設したピンの内の一列と同数とした点、アクチュエータを前記多行多列に配設したピンの列数分だけ列と同期して駆動する点、視覚障害者が触覚する位置を第一位置と第二位置との間でなく、第一位置とした点等が異なる。
なお、アクチュエータの駆動タイミングは、保持部材1010に取り付き,列と対応するごとく穿孔したプレートとフォトカプラとで実施すればよい(図示せず)。保持部材を往復動させるパルスモータによってもよい。
【0031】
次に、触覚ディスプレイ装置300の動作について説明する。図6の第一位置において保持部材1010は5行5列の計25個のピン1001を進退自由に保持している。黒丸は突出ピンを示し家の外形を表示している。白丸のピンは触覚面まで引っ込んだ状態を示す。
保持部材1010が第一位置から第二位置に向かって移動(往動)する過程で回転可能なローラ1030により黒丸の突出ピンは順次触覚面まで後退させられる。図7に保持部材1010が第二位置に移動しきった状態を示す。第二位置では全てのピン1001が触覚面まで引っ込んだ表示なしの状態になる。
次に、保持部材1010が第二位置から第一位置に向かって移動(復動)する過程で、並設した5個のアクチュエータ1020がピン1001の列ごとに対応して作動し選択的にピン1001を突き上げる。その結果、第一位置に達した保持部材1010は所望の図形、または文字と図形とが触覚可能に表示されている。
第一位置で視覚障害者が形状を触覚した後、新しい図形を表示するキースイッチを押す、または点字入力キースイッチにより所望の物品名、文字等を入力すると(図示せず)保持部材1010は再度、上記往復動作を繰り返し新規の文字・図形をピンで表示する。
【0032】
このように本発明の触覚ディスプレイ装置300はピンを多行多列に備えた保持部材を往復動させることにより、全てのピンに対応した数のアクチュエータを配置する必要がない。一列に配置したピン数分だけ備えればよい。このことはピンを触覚面から突出させるアクチュエータの数を大幅に削減できコスト低減に大きく寄与する。また、装置の重量軽減にも貢献する。
触覚ディスプレイ装置300の幅寸法を小さく収めたい場合は、保持部材1010の幅寸法にローラ1030を含む範囲を加えた寸法としてもよい。即ち、第二位置では保持部材1010の大半が装置本体からはみ出すよう構成してもよい。
【0033】
なお、保持部材1010に配設するピン数は任意の多行多列に実施してよいことは自明である。また、アクチュエータを一列のピン数に対応して複数個一列に配置し同時に選択駆動することに代え、アクチュエータを複数列たとえば二列に分散配置し異なるタイミングで選択駆動するようにしてもよい。
さらに、ピンを触覚面まで引っ込めるローラに代え、板カム等としてもよい。
さらに、アクチュエータとして電動モータ等を用い、各ピン毎に触覚面から突出させる量を変化させ、図形を立体的な三次元形状で表示するようにしてもよい。
さらに、保持部材1010を往復動させることに代え、保持部材1010を固定しておき,一列のピン数に対応するアクチュエータ1020を往復動させるようにしてもよい。その場合、ピンを触覚面まで引っ込める手段も往復動させ、適宜、ピンと当接するタイミングを図る必要がある。
【0034】
【発明の効果】
本発明の点字表示装置は一つの点字表示ユニットを第一位置と第二位置とに交互に往復動させることにより点字を連続表示できる。視覚障害者は指を動かさずに点字を連続して読める。また、点字紙を触覚するのと同様に、指すべらせに相当する知覚を得られ触覚率と触覚速度の向上に寄与する。
さらに、視覚障害者が点字表示部に触れる位置でも触れない位置でも同一のピン保持力に設定することによりピン保持構造を簡素化できる。その結果、装置の小型化、低価格化を実現し携帯電話、駅の券売機、ATM等への搭載、図書館等公共施設への設置など幅広い普及を図れる。
さらに、本発明の触覚ディスプレイ装置はアクチュエータの数を大幅に削減でき低コスト化と重量の軽減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点字表示装置を構成する点字ユニットの往動過程における概念の平面図
【図2】図1における点字ユニットの復動過程の概念の平面図
【図3】本発明のもう一つの点字表示装置を構成する保持部材の第一位置における概念の要部断面図
【図4】図3の第二位置における概念の要部断面図
【図5】図1における点字ユニットの往復駆動モータ、ピンを駆動するアクチュエータ等の制御回路のブロック構成図
【図6】本発明の触覚ディスプレイ装置の概念の要部平面図
【図7】図6の第二位置における要部側面図
【符号の説明】
100、200 点字表示装置
110 点字ユニット
300 触覚ディスプレイ装置
601、1001 ピン
900 弾性部材
910、1010 保持部材
910A、1010A 上プレート
910B、1010B 下プレート
920 電磁ソレノイド
921、1021 移動部材
930、1030 ローラ
1020 アクチュエータ

Claims (15)

  1. 点字表示ユニットが第一位置と第二位置とを往復動することを特徴とする点字表示装置。
  2. 往動時には点字を表示し、復動時には点字表示が無いことを特徴とする請求項1記載の点字表示装置。
  3. 点字表示ユニットが一文字を表示し、第一位置に復帰する都度、表示する点字文字を変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載の点字表示装置。
  4. 点字表示ユニットが複数の文字を表示し、第一位置に復帰する都度、表示する複数の文字を変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載の点字表示装置。
  5. 点字表示ユニットが第一位置から第二位置へ移動する速度と、第二位置から第一位置へ移動する速度とを異ならせたことを特徴とする請求項1記載の点字表示装置。
  6. 触覚面に点字を表示するピンを進退自由に支承する保持部材と、前記保持部材に取り付き前記ピンを進退させる複数のアクチュエータと、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記保持部材を第一位置と第二位置とに往復動させる手段とを備えたことを特徴とする点字表示装置。
  7. 触覚面に点字を表示するピンを進退自由に保持する保持部材と、前記保持部材の近傍に位置し,前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面から所定高さに突出させる複数のアクチュエータと、前記保持部材の近傍に位置し,前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記保持部材を第一位置と第二位置とに往復動させる手段とを備えたことを特徴とする点字表示装置。
  8. 点字表示ユニットが第一位置と第二位置とを交互に往復動する間に前記点字表示ユニットに載置した指で点字を触覚することを特徴とする点字触覚方法。
  9. 触覚面に文字・図形を表示する複数のピンを進退自由に配設してなる触覚ディスプレイユニットが、第一位置と第二位置とを往復動することを特徴とする触覚ディスプレイ装置。
  10. 触覚ディスプレイユニットが二つの位置間を移動する過程でアクチュエータがピンに当接し該ピンを一方向に移動させることを特徴とする請求項9記載の触覚ディスプレイ装置。
  11. アクチュエータの数が触覚ディスプレイユニットに配設した一列のピン数に対応することを特徴とする請求項10記載の触覚ディスプレイ装置。
  12. アクチュエータの動作時間を複数回に分けたことを特徴とする請求項11記載の触覚ディスプレイ装置。
  13. 触覚面に文字・図形を表示するピンを進退自由に保持する保持部材と、前記ピンに当接し前記ピンを前記触覚面から所定高さに突出させる複数のアクチュエータと、前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記保持部材を第一位置と第二位置とに往復動させる手段とを備えたことを特徴とする触覚ディスプレイ装置。
  14. 触覚面に文字・図形を表示するピンを進退自由に保持する保持部材と、前記ピンに当接し前記ピンを前記触覚面から所定高さに突出させる複数のアクチュエータと、前記ピンに当接して前記ピンを前記触覚面側に後退させるピン後退手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段とを備え、前記アクチュエータの数が前記保持部材に配設した一列のピン数に対応することを特徴とする触覚ディスプレイ装置。
  15. アクチュエータの動作時間を複数回に分けたことを特徴とする請求項14記載の触覚ディスプレイ装置。
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