JP3627051B2 - 触覚ピン保持装置と触覚ピン表示装置 - Google Patents

触覚ピン保持装置と触覚ピン表示装置 Download PDF

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本発明は、6本または8本の触覚ピンにより任意の点字を連続的に表示する連続式触覚ピン表示装置、及び文字、図形等を二次元または三次元表示する触覚ピン表示装置に関する。詳しくは、点字または点図等を表示する触覚ピンの進退駆動手段と保持手段に関する。さらに、前記触覚ピンやその周辺に付着した手脂、汗、細菌、食物かす等の汚染物質を分解すること、触覚ピンの摺動と保持力を安定させること等に関する。
従来の点字表示装置は、電気・機械的に触覚ピンを突出させて点字を表示する点字表示部(点字表示ユニット)を所定の個数並べ、1行の文字列として表示し、視覚障害者がその行の上を指を滑らせることによって判読し、その後、次の行を表示するという形式で視覚障害者に情報を伝達するものであった。
6本の触覚ピンの出没の組合せによって一文字分の点字を表示する点字表示部を複数有する回転型表示ドラムと、表示ドラムの一部を点字表示窓から外部に露出させるカバーと、点字表示指令を入力する表示指令入力部と、点字表示指令に対応して表示ドラムの、非表示位置に位置する点字表示部の6本の触覚ピンを選択的に進退移動させて、入力した文字信号に対応する点字を表示するようにそれらの触覚ピンの出没の組合せを設定する表示設定部と、点字表示指令に対応して表示ドラムを前記カバーに対して回動させて、その触覚ピンの出没の組合せを設定された点字表示部を点字表示窓から外部に露出する表示位置に移動させるとともに、その表示位置に位置する点字表示部を非表示位置に移動させる表示ドラム駆動部と、表示位置に移動した点字表示部の触覚ピンの出没の組合せを維持する表示維持部と、を備えた連続式点字表示装置の構成が特開2000−122526号公報に開示されている。
6本の触覚ピンの出没によって一文字分の点字を表示する点字表示部を複数有する回転型表示ドラムと、永久磁石からなる前記触覚ピンを電磁石で選択的に進退、保持させる第一の構成と、前記触覚ピンの進退を2種類の形状記憶合金バネと加熱手段とにより保持する第二の構成とを備えた連続式点字表示装置として特開2000−206873号公報が提案されている。
段部を備えた触覚ピンを触覚面から突出した状態で係止させる触覚ピン係止手段として、板バネからなる片持ち支持弾性体を用いる構成が特開平09−127859号公報に開示されている。
点字表示ピンを触覚面に進退自由に保持する手段としてゴムシートの摩擦力を用いる構成が特開平09−311622号公報に開示されている。
特開2000−122526号公報 特開2000−206873号公報 特開平09−127859号公報 特開平09−311622号公報
しかし従来の点字表示装置、特許文献1、2等においては、触覚ピンの進退手段と保持手段とが複雑な構成であり、装置の小型・軽量化、低価格化が困難であった。また、特許文献1〜4において、点字表示装置を構成する触覚ピンやドラムに付着した汗、手脂、食物等の汚れをきれいにする手段を備えるものでなかった。
詳しくは、特許文献1の構成において、非表示位置にある触覚ピンの意図しない進退方向のズレを防止するズレ止め部材(図5、図6に示される符号15)と、表示位置にある触覚ピンに指先等によって押し込み方向の大きな力が加わっても触覚ピンが引き込まないように掛止する表示維持部(図2、符号9)すなわち掛止部材(図4、図8、図9、符号22)の掛止部(図8、図9、符号22a)を必要とするもので極めて複雑な構成をなしている。
また、触覚ピンの回動を防止するため触覚ピンの一端側を折り曲げるとともに(図6、符号7b)、回り止めスリット(図5、図6、符号4e)を必要としている。
さらに、点字表示部(6)の一つの縦列の三本の点字ピン(7)の出没を三個のアクチュエータ(図7、符号17)で同時に設定する構成となっている。
さらに、点字表示窓にある点字表示部は露出状態にあり、該露出部にクリップ等の異物が落下し噛み込んだ場合、表示ドラム(4)が停止し、表示ドラム(4)駆動モータに過負荷がかかり過熱、場合によっては発煙、出火する恐れがあった。
特許文献3においては、点字を表示する表示板(符号2)は固定されており、直線状に行単位で点字を表示するものである。即ち、表示板(2)が回転し点字を連続表示するものでない。
直線状に点字を表示する触覚ピン(3)の係止手段は板バネ(8)により行われるが、前記板バネ(8)は触覚ピン(3)を配設した保持部材の凹溝内に配置されていない。即ち、表示板(2)やプレート(4)等に一体的に保持されるものでなく、係止部材支持板(9)に取り付いている。そして、触覚ピン(3)を表示板(2)より引っ込める方向に対して摺動を抑止するが、表示板(2)より突出する方向には係止力が働かない。係止力は一方向のみである。さらに、各触覚ピンに対応して板バネ(8)が設けられており、一つの弾性部材で複数の触覚ピンを保持する構成でない。
特許文献4も文字・図形を連続して表示する触覚表示装置を構成するものでない。表示部は限定された範囲内に触覚ピン(2)を二次元配列し、文字・図形を凹凸表示するものである。前記表示部が回転または直線移動し文字・図形を連続的に構成するものでない。
二次元配列した触覚ピン(2)の係止手段は、ゴム部材からなる下ストッパ板(10)により行われる。しかし、下ストッパ板(10)は触覚ピン(2)を配設した平面板(1)に一体的に添接または積層されていない。また、二つの平面板間に挟持されていない。平面板(1)と離間し別体として配置されている。さらに、触覚ピン(2)に環状凹溝を設け、該環状凹溝に下ストッパ板(10)を係合させるものでない。
本発明は文字・図形を表示する触覚ピン保持装置の触覚ピン進退駆動手段及び触覚ピン保持構造を極めて簡単にし、小型化、軽量化、低価格化を図ることを目的とする。
また、触覚ピン表示装置(点字表示装置等)の実使用態様に機能を適合させることにより、連続式点字表示装置の小型・軽量化、低価格化等により視覚障害者の使用と購入を容易にするとともに、図書館、駅等公共施設への幅広い普及を目的とする。
また、触覚ピンとその周辺に付着した細菌、汗、手脂、食物かす等の汚染物質を分解して触覚面を清浄に保つこと、触覚ピンの摺動と保持力を常に安定させること等を目的とする。
本発明における第1の観点にかかる触覚ピン保持装置は、触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する保持部材と、前記保持部材に設けた凹部に配設されて前記触覚ピンの側部を片側より押圧し前記各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持する弾性部材とからなり、前記弾性部材の数を前記触覚ピンの数より少なくしたことを特徴としたもので、これにより一つの弾性部材で複数の触覚ピンをまとめて保持できる。また、触覚ピンの進退及び保持構造が簡単となり小型・軽量化、コスト低減を図れる。(請求項1)
なお第1の観点にかかる触覚ピン保持装置において、環状に配設した弾性部材により複数の触覚ピンを保持することが好ましい。これにより部品点数の削減とコスト低減を図れる。
さらに第1の観点にかかる触覚ピン保持装置において、触覚面より触覚ピンが所望の高さに突出した状態で弾性部材が前記触覚ピンに設けた環状凹溝に嵌まり込むよう構成するのが好ましい。これにより触覚ピンを指で触れた際の抗圧力が高まり、触覚ピンが容易に触覚面側に凹まない。
さらに第1の観点にかかる触覚ピン保持装置において、保持部材を円盤型またはドラム型またはコンベヤ型のいずれか一つとするのが好ましい。これにより文字・図形を二次元または三次元表示できる。
さらに第1の観点にかかる触覚ピン保持装置において、弾性部材を非金属の輪状部材、非金属で輪が切れた部材、非金属の棒状部材、非金属のチューブ状部材、コイルばねの内から選んだ一つとするのが好ましい。これにより装置の軽量化を図れる。
本発明における第2の観点にかかる触覚ピン保持装置は、触覚面に穴を複数穿設し, 前記各穴内に段部を有する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に備えた保持部材と、前記保持部材に設けた凹部に配設されて前記触覚ピンの側部を片側より押圧する弾性部材と、前記保持部材に配設されて前記各触覚ピンの段部と係合する係合部とを備え、前記各触覚ピンは前記保持部材の触覚面から突出した位置で前記段部が前記係合部と係合し、前記弾性部材の数を前記触覚ピンの数より少なくしたことを特徴としたもので、これにより視覚障害者が過大な力で触ピンしても触覚面側に引っ込まない。また、係合部を備えているので弾性部材による触覚ピン保持力は極めて小さくてよい。例えば0.1N(ニユートン)程度とすることができる。保持力が小さいと触覚ピンを進退させるアクチュエータの駆動力が小さくて済み、アクチュエータの小型化、消費電力の節減に貢献する。勿論、触覚ピンの進退及び保持構造が簡単となり小型・軽量化、コスト低減を図れる。(請求項6)
なお第2の観点にかかる触覚ピン保持装置において、触覚ピンの段部と係合部との係合を解除する係合解除手段を備えることが好ましい。
さらに、第2の観点にかかる触覚ピン保持装置において、環状に配設した弾性部材により複数の触覚ピンを保持することが好ましい。これにより部品点数の削減とコスト低減を図れる。
さらに第2の観点にかかる触覚ピン保持装置において、一つの弾性部材により該一つの弾性部材に当接する複数の触覚ピン全てを保持するのが好ましい。これらより部品点数を削減し低価格を図れる。
さらに、第2の観点にかかる触覚ピン保持装置において、保持部材を円盤型またはドラム型またはコンベヤ型のいずれか一つとするのが好ましい。これにより文字・図形を二次元または三次元表示できる。
さらに第2の観点にかかる触覚ピン保持装置において、弾性部材を非金属の輪状部材、非金属で輪が切れた部材、非金属の棒状部材、非金属のチューブ状部材、コイルばねの内から選んだ一つとするのが好ましい。これにより装置の軽量化を図れる。
本発明における第3の観点にかかる触覚ピン保持装置は、触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する保持部材と、前記各触覚ピンに嵌着した弾性リング部材とからなり、前記弾性リング部材で各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持可能としたことを特徴としたもので、触覚ピンの進退及び保持構造が簡単となり小型・軽量化、コスト低減を図れる。また、弾性リング部材たとえばゴム製Oリングは触覚ピンを任意の進退位置で保持するとともに防塵、防滴機能を発揮する。不用意に飲み物等を保持部材の触覚面にこぼしても下面側に滴下せず、回転駆動部や制御回路部等を保護する。(請求項12)
なお第3の観点にかかる触覚ピン保持装置において、触覚面より触覚ピンが所望の高さに突出した状態で弾性リング部材が前記触覚ピンに設けた環状凹溝に嵌まり込むよう構成するのが好ましい。これにより触覚ピンを指で触れた際の抗圧力が高まり、触覚ピンが容易に触覚面側に凹まない。
本発明における第4の観点にかかる触覚ピン表示装置は、触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する回転部材と、前記回転部材に設けた凹部に配設されて前記触覚ピンの側部を片側より押圧し前記進退方向の任意位置で前記各触覚ピンを保持する弾性部材と、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定する複数のアクチュエータと、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備え、前記弾性部材の数を前記触覚ピンの数より少なくしたことを特徴としたもので、これにより指を行単位で左右に動かすことなく、回転部材に指を載置しておくだけで任意の長さの点字文を連続触覚できる。また、装置の小型、軽量化、低コスト化を実現できる。(請求項14)
なお、前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、環状に配設した弾性部材により複数の触覚ピンを保持するのが好ましい。これにより部品点数を削減し低価格を図れる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、複数のアクチュエータを回転部材の円周方向にそれぞれ離間して配置することが好ましい。これにより例えば3行2列の6つの凸点からなる点字文字をわずか三つのアクチュエータで順次、連続して形成でき装置の小型・軽量化,省部品化を実現できる。また、アクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、前記各アクチュエータの動作時間をそれぞれ異ならせことが好ましい。これにより複数のアクチュエータを同時に駆動する場合に較べ、駆動電流のピーク値を下げられる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材に異常負荷が掛ったことを検出する異常負荷検出手段を備えることが好ましい。これにより回転部材駆動モータの過熱、出煙、焼損を防ぎ装置使用時の安全性向上を図れる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材の近傍に指標部を配設することが好ましい。これにより視覚障害者は指を回転部材に載置する位置を容易に認識できる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材を円盤型またはドラム型またはコンベヤ型のいずれか一つとするのが好ましい。これにより文字・図形を連続表示または二次元表示または三次元表示できる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、弾性部材を非金属の輪状部材、非金属で輪が切れた輪状部材、非金属の棒状部材、非金属のチューブ状部材、コイルばねの内から選んだ一つとするのが好ましい。これにより装置の軽量化を図れる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、触覚ピンまたは回転部材の少なくとも一方に光触媒を備えることが好ましい。これにより触覚ピンまたは回転部材に付着した細菌、汗、手脂、食物等の汚染物質を分解し、布帛やティッシュペーパーでの拭き取りを容易にする。また、回転部材と触覚ピンとの摺動抵抗を安定させ、アクチュエータによって触覚ピンを駆動できないという不良現象を防止できる。
さらに前記第4の観点にかかる触覚ピン表示装置において、触覚ピンを金属とし、指と触れる面の表面アラサを点字紙の表面アラサより滑らかにするのが好ましい。これにより長時間の触覚により指が荒れて痛みを感じたり血が滲むことを防止できる。
本発明における第5の観点にかかる触覚ピン表示装置は、触覚面に穴を複数穿設し, 前記各穴内に段部を有する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に備えた回転部材と、前記回転部材に配設されて前記触覚ピンの側部に片側より弾接する弾性部材と、前記回転部材に配設されて前記各触覚ピンの段部と係合する係合部と、前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定するアクチュエータと、前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記リセット手段より前記回転部材の回転上流に位置しかつ前記触覚ピンの段部と前記係合部の係合を解除する係合解除手段と、前記アクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備え、前記各触覚ピンは前記触覚面から突出した位置で前記段部が前記係合部と係合するようにしたことを特徴としたもので、これにより指を動かすことなく、回転部材に指を載置しておくだけで任意の長さの点字文を連続触覚できる。また、装置の小型化、軽量化、低コスト化を実現できる。さらに、視覚障害者が過大な力で触ピンしても触覚面側に引っ込まない。さらに、係合部を備えているので弾性部材による触覚ピン保持力は極めて小さく構成でき、触覚ピンを駆動するアクチュエータの小型化、消費電力の節減に貢献する。(請求項24)
なお前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、弾性部材の数を触覚ピンの数より少なくするのが好ましい。これにより部品点数の削減と低価格を図れる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、弾性部材を前記回転部材の凹部に配置し、前記触覚ピンの数より前記弾性部材数を少なくするのが好ましい。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、環状に配設した弾性部材により複数の触覚ピンを保持するのが好ましい。これにより部品点数を削減し低価格を図れる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、複数のアクチュエータを回転部材の円周方向にそれぞれ離間して配置することが好ましい。これにより例えば3行2列の6つの凸点からなる点字文字をわずか三つのアクチュエータで順次、連続して形成でき装置の小型・軽量化,省部品化を実現できる。また、アクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、各アクチュエータの動作時間をそれぞれ異ならせことが好ましい。これにより複数のアクチュエータを同時に駆動する場合に較べ、駆動電流のピーク値を下げられる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材に異常負荷が掛ったことを検出する異常負荷検出手段を備えることが好ましい。これにより回転部材駆動モータの過熱、出煙、焼損を防ぎ装置使用時の安全性向上を図れる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材の近傍に指標部を配設することが好ましい。これにより視覚障害者は指を回転部材に載置する位置を容易に認識できる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材をコンベヤーとし、前記コンベヤーの触覚面に複数の触覚ピンを多行多列に,かつ進退自由に配設することが好ましい。これにより装置は点字文字と併せ図形をも二次元表示または三次元表示できる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、弾性部材を非金属の輪状部材、非金属で輪が切れた部材、非金属の棒状部材、非金属のチューブ状部材、コイルばねの内から選んだ一つとすることが好ましい。これにより一つの弾性部材で複数の触覚ピンをまとめて保持でき、組み立て工数を低減できる。部品点数の削減と低価格化を図れる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、触覚ピンまたは回転部材の少なくとも一方に光触媒を備えることが好ましい。これにより触覚ピンまたは回転部材に付着した細菌、汗、手脂、食物等の汚染物質を分解し、布帛やティッシュペーパーでの拭き取りを容易にする。また、回転部材と触覚ピンとの摺動抵抗を安定させ、アクチュエータによって触覚ピンを駆動できないという不良現象を防止できる。
さらに前記第5の観点にかかる触覚ピン表示装置において、触覚ピンを金属とし、指と触れる面の表面アラサを点字紙の表面アラサより滑らかにするのが好ましい。これにより長時間の触覚により指が荒れ痛みを感じたり血が滲むことがない。
本発明における第6の観点にかかる触覚ピン表示装置は、触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する回転部材と、前記各触覚ピンに嵌着されて各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持する弾性リング部材と、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定する複数のアクチュエータと、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴としたもので、これにより指を動かすことなく回転部材に指を載置しておくだけで任意の長さの点字文を連続触覚できる。また、装置の小型、軽量化、低コスト化を実現できる。さらに、リング部材たとえばOリングは触覚ピンを任意の進退位置で保持するとともに防塵、防滴機能を発揮する。不用意に飲み物等を保持部材の触覚面にこぼしても下面側に滴下せず、回転駆動部や制御回路部等を保護する。(請求項36)
なお前記第6の観点にかかる触覚ピン表示装置において、リング部材を複数備えてもよい。これにより触覚ピン保持力、防塵、防滴機能を増加させられる。
さらに前記第6の観点にかかる触覚ピン表示装置において、複数のアクチュエータを回転部材の円周方向にそれぞれ離間して配置することが好ましい。これにより例えば3行2列の6つの凸点からなる点字文字をわずか三つのアクチュエータで順次、連続して形成でき装置の小型・軽量化,省部品化を実現できる。また、アクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。
さらに前記第6の観点にかかる触覚ピン表示装置において、前記各アクチュエータの動作時間をそれぞれ異ならせことが好ましい。これにより複数のアクチュエータを同時に駆動する場合に較べ、駆動電流のピーク値を下げられる。
さらに前記第6の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材に異常負荷が掛ったことを検出する異常負荷検出手段を備えることが好ましい。これにより回転部材駆動モータの過熱、出煙、焼損を防ぎ装置使用時の安全性向上を図れる。
本発明における第7の観点にかかる触覚ピン表示装置は、触覚面に複数の穴を環状に穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する回転部材と、前記回転部材に配設され,かつ前記各触覚ピンに設けた環状凹溝に係合して前記各触覚ピンを触覚面から所望の高さに保持する弾性部材と、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定する複数のアクチュエータと、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴としたもので、これにより指を動かすことなく回転部材に指を載置しておくだけで任意の長さの点字文を連続触覚できる。また、触覚ピン保持構造と触覚ピン進退構造が極めてシンプルとなる。さらに、装置の小型、軽量化、低コスト化を実現できる。(請求項41)
なお前記第7の観点にかかる触覚ピン表示装置において、前記触覚ピンの長軸部に設けた環状凹溝に片持ち支持弾性部材の略V字形係止部を弾接させるようにすることが好ましい。これにより触覚ピンの保持力を前進方向と後退方向とで異ならせられる。
さらに前記第7の観点にかかる触覚ピン表示装置において、複数のアクチュエータを回転部材の円周方向に離間して配置するのが好ましい。これにより例えば3行2列の6つの凸点からなる点字文字をわずか三つのアクチュエータで順次、連続して形成でき装置の小型・軽量化,省部品化を実現できる。また、アクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。
さらに前記第7の観点にかかる触覚ピン表示装置において、回転部材に異常負荷が掛ったことを検出する異常負荷検出手段を備えることが好ましい。これにより回転部材駆動モータの過熱、出煙、焼損を防ぎ装置使用時の安全性向上を図れる。
本発明における第8の観点にかかる触覚ピン表示装置は、触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する円板部材と、前記円板部材に積層され前記各触覚ピンに設けた環状凹溝と係合可能にした弾性シート部材と、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定する複数のアクチュエータと、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴としたもので、これにより指を動かすことなく回転部材に指を載置しておくだけで任意の長さの点字文を連続触覚できる。また、触覚ピン保持構造と触覚ピン進退構造が極めてシンプルとなる。さらに、装置の小型、軽量化、低コスト化を実現できる。(請求項45)
なお前記第8の観点にかかる触覚ピン表示装置において、複数のアクチュエータを回転部材の円周方向に離間して配置するのが好ましい。これにより例えば3行2列の6つの凸点からなる点字文字をわずか三つのアクチュエータで順次、連続して形成でき装置の小型・軽量化,省部品化を実現できる。また、アクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。
本発明における第9の観点にかかる触覚ピン表示装置は、進退する点字とその周辺部の少なくとも一方に光触媒を備えたことを特徴としたもので、これにより点字を表示するピンまたは突起、前記点字の周辺部等に付着した細菌、汗、手脂、食物等の汚染物質を分解し、布やティッシュペーパーでの拭き取りを容易にする。(請求項48)
以上述べた様に、本発明における第1〜第3の観点にかかる触覚ピン保持装置は触覚ピン保持構造が極めて簡単となり装置の小型化、軽量化、低価格を実現できる。
加えて、第1の観点にかかる触覚ピン保持装置は、一つの保持部材で複数の触覚ピンを保持できる。第2の観点にかかる触覚ピン保持装置は、一つの保持部材で複数の触覚ピンを保持できる。また、視覚障害者が過大な力で触覚ピンを押圧しても触覚面側に引っ込まない。さらに、係合部を備えているので弾性部材による触覚ピン保持力は極めて小さくてよい。触覚ピン保持力が小さいと触覚ピンを進退させるアクチュエータの駆動力が小さくて済み、アクチュエータの小型化、消費電力の節減に貢献する。第3の観点にかかる触覚ピン保持装置は、弾性リング部材が防塵、防滴機能を発揮する。不用意に飲み物等を保持部材の触覚面にこぼしても下面側に滴下せず、保持部材の下面側に配置した回転駆動部や制御回路部等を保護する。
本発明における第4〜第8の観点にかかる触覚ピン表示装置は、触覚ピン保持構造が極めて簡単となり装置の小型化、軽量化、低価格を実現できる。特に、第4、第5の観点にかかる触覚ピン表示装置は一つの保持部材で複数の触覚ピンを保持できる。例えば、触覚ピンを環状に配置し、一つの輪状弾性部材たとえばOリングを環状に配置して当接させることにより前記Oリングに当接するすべての触覚ピンを回転部材の穴に保持できる。
さらに第4〜第8の観点にかかる触覚ピン表示装置は、アクチュエータを回転部材の近傍にそれぞれ離間して配置し、3行2列の6つの凸点からなる点字文字をわずか三つのアクチュエータで連続形成でき装置の小型・軽量化,省部品化を実現できる。また、アクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。
さらに、前記各アクチュエータの動作時間をそれぞれ異ならせることにより複数のアクチュエータを同時に駆動する場合に較べ、駆動電流のピーク値を下げられる。
さらに、回転部材に異常負荷が掛ったことを検出する異常負荷検出手段を備えることにより回転部材駆動モータの停止に伴う過熱、または出煙、焼損を防ぎ装置使用時の安全を図れる。
さらに、回転部材の近傍に指標部を配設することにより視覚障害者は指を回転部材に載置する位置を容易に認識できる。
さらに、回転部材をコンベヤーとすることにより容易に二次元表示または三次元表示を可能にする。
そして、視覚障害者があたかも点字シートや点字本を触覚するごとく装置の態様を適合させられる。行単位での触覚を不要にし、回転する円盤等の回転部材上に指を載置しておくだけで点字文を所望の長さだけ連続して触覚できる。改行動作も不要となり肩凝りを生じない。さらに、触覚ピンを金属とし、指と触れる面の表面アラサを点字紙の表面アラサより滑らかにすることにより、長時間の触覚で指が荒れて痛みを感じたり血が滲むことを防止できる。
さらに、触覚ピンの進退および保持機構を極めて簡単に構成でき装置の低価格化を実現する。その結果、視覚障害者が装置を購入しやすくなる。図書館、駅等公共施設への幅広い普及を図れる。
本発明における第9の観点にかかる触覚ピン表示装置は、進退する点字と該点字の周辺部とに光触媒を配設することにより、付着した汗、食物かす等の汚染物質を分解して触覚面を清浄に保ち、触覚ピンの摺動を常に安定させられる。さらに、触覚ピン摺動部に潤滑部材を備えることにより触覚ピン保持力と触覚ピンの摺動を安定させられる。
本発明における第1〜第3の観点にかかる触覚ピン保持装置は上述の通りである。点字表示装置等を構成する触覚ピン保持部材は二枚の円板を積層した円盤型、または二重のドラム型等とするのが好ましい。前記円盤型は円盤の表面側を触覚面とし、前記ドラムは円筒面を触覚面としている。二次元または三次元の触覚ピン表示装置を構成する場合、前記保持部材はコンベヤー型とするのが好ましい。コンベヤーの主面に触覚ピンを進退可能に、多行多列に配設するのが好ましい。なお、保持部材が円盤型以外に矩形など任意の形状としてよいことは自明である。
触覚面とは視覚障害者等が指の腹で触れる面を指す。視覚障害者は触覚面を指でなぞる過程で触覚ピンの突起を感知し点字または図形として認識する。
点字は一般的に3行2列の6つの凸点からなる。本実施例では前記凸点を直径1.0mm〜2.0mmの細長い触覚ピンで表示し、触覚面より0.5mm〜0.8mmの範囲で突出させる構成とするのが好ましい。触覚ピンの突出量と直径に範囲を持たせているのは大人と子供、指の大きな人と小さな人、点字に慣れている人と慣れていない人等にそれぞれに対応する為である。点字に慣れている人は触覚ピンの突出量と直径が小さくてもよい。点字に不慣れな人は触覚ピンの突出量と直径が大きい方がよい。点字の触覚(触読)速度は速い人で300〜400文字/分、遅い人で50〜100文字/分、平均的には200文字/分程度とされている。
前記触覚ピンは両端を曲面たとえば略半球状とするのが好ましい。材質はステンレス部材の他に、ニッケル、アルマイト処理したアルミニウム、黄銅、防錆処理をした鉄系金属、フッ素樹脂をコーティングし汚れを付きにくくした鉄系金属、抗菌効果を有する銅部材、樹脂部材、光触媒粒子を混入した樹脂部材、光触媒を備えたステンレス等から選んだ一つとするのが好ましい。さらに、指が触れる触覚ピンの頂部は指との摩擦抵抗が小さな滑らかな仕上げ面とするのが好ましい。具体的には点字紙(シート)の表面アラサより滑らかな仕上げ面アラサの1.5S以下(表面の凹凸の高低差が1.5μm以下)とするのが好ましい。仕上げ加工は例えばバレル研磨、電解研磨等を施すのが好ましい。
紙の表面アラサより滑らかな仕上げ面アラサとすることにより長時間、触覚ピンに触れても指の荒れや痛さを感じない。点字シートのように長時間の触覚により指に血が滲むことを防止できる。
前記第1、第2の観点にかかる触覚ピン保持装置において、弾性部材は非金属の輪状部材、輪が切れた輪状非金属部材、非金属の棒状部材、非金属のチューブ状部材等はゴム部材、軟質樹脂、ゴム製Oリング(オーリング)などから選んだ一つで構成するのが好ましい。ゴム部材はシリコンゴム(Si)、フッ素ゴム(FKM)、ニトリルブタヂエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)等から選んだ一つとするのが好ましい。樹脂部材は弾性変形容易なナイロン、ビニール、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエチレン等から選んだ一つとするのが好ましい。
Oリングは市販品を用いるのが安価である。Oリングの太さ(線径)部分の断面形状は円形、略円形、矩形、菱形等から選んだ一つとするのが好ましい。
なお、弾性部材が表面または部材内にフッ素樹脂等の潤滑部材を備えていてもよい。触覚ピンとの摩擦力が長期にわたり安定する。
弾性部材の一つとして記載した圧縮コイルばねの材質はピアノ線等の金属部材、ナイロンやビニール等の軟質樹脂から選んだ一つとするのが好ましい。
前記第1、第2の観点にかかる触覚ピン保持装置は一つの弾性部材で複数の触覚ピンをまとめて保持できる。従って、例えば点字表示装置の六本の触覚ピンを各行毎にまとめて保持することの他に、図形等を表示する二次元または三次元触覚ピン表示装置のように多行多列に触覚ピンを配設、保持する場合等にも有効である。例えば、平板に多行多列に触覚ピンを配設し、該触覚ピンの列間または行間に棒状(または紐状)弾性部材を配設して触覚ピン側部を片側より一方向に押圧するようにしてもよい。これにより、一つの棒状(紐状)弾性部材で少なくとも二列または二行をまとめて保持できる。長尺の紐状弾性部材一本で蛇行を繰り返し多行多列の触覚ピン全てを保持することも可能である。
さらに、前記第3の観点にかかる触覚ピン保持構造を構成する弾性リング部材はゴム製Oリング、軟質樹脂等から選んだ一つとするのが好ましい。
Oリングは触覚ピンを任意の進退位置で保持するとともに防塵、防滴機能を発揮する。不用意に飲み物等を点字表示部の触覚面にこぼしても下面側に滴下せず、回転駆動部や制御回路部等を保護する。なお、リング部材はゴム製の他に樹脂、金属部材等としてもよくその場合、弾性リング部材は必ずしも輪状に繋がっている必要はなく輪が途中で切れていてもよい。さらに、略C型に輪の一部が欠落していてもよい。さらに、リング部材が表面または内部にフッ素樹脂等の潤滑部材を備えていてもよい。
前記第1〜第3の観点にかかる触覚ピン保持装置及び第4〜第8の観点にかかる触覚ピン表示装置において、弾性部材による触覚ピンの保持力は0.3N(ニュートン)〜1.0N、好適には0.4N〜0.8Nの範囲とするのが好ましい。保持力の定義は、触覚ピンを視覚障害者が押圧(触圧)した場合に、触覚ピンが触覚面側に引っ込む時点の力とする。視覚障害者が触覚ピンに触る手指の触圧は略0.1N程度と小さい。
弾性部材が所望の保持力を得るには材質、硬度、線径等を適宜選択するのが好ましい。例えば、片持ち支持板ばねで各触覚ピンを片側より押圧して各触覚ピンを保持する場合、ステンレス板ばねを板厚0.06〜0.07mm、幅2mm、たわみ量0.7〜0.8mm程度とするのが好ましい。
弾性部材を環状に配置し各触覚ピンを片側より押圧して各触覚ピンを保持する場合、触覚ピンの直径を1.2mm、弾性部材をニトリルブタジエンゴム製Oリング、Oリングの線径を1.4mm〜1.6mm程度、触覚ピン押圧によるOリング側壁の撓み量(凹み量)を0.3mm〜0.6mm程度とするのが好ましい。弾性部材の太さ部分(線径)の断面形状は円形、略円形、矩形、菱形等から選んだ一つとするのが好ましい。
各触覚ピンに小径のOリングを装着して各触覚ピンを保持する場合、触覚ピンの直径を1.2mm、ニトリルブタジエンゴム製Oリングの線径を0.6mm、内径を0.8mm〜1.0mmの範囲とするのが好ましい。
弾性シート部材で各触覚ピンを保持する場合、触覚ピンの直径を1.2mm、ニトリルブタジエンゴムシートの板厚を0.6〜2.0mm、穴の内径を0.8mm〜1.0mmの範囲とするのが好ましい。
本発明における第4〜第8の観点にかかる触覚ピン表示装置は上述の通りである。これらの触覚ピン表示装置において、回転部材の近傍に配設した指標部の形状は任意としてよい。例えば幅2mm、高さ0.3mm程度の突起状隔壁を回転部材の周囲に配設し、その途中の一部を切り欠く構成、または回転部材近傍の筐体表面一箇所に三角形状または長方形状等に0.3mm程度凹ませる構成等とすればよい。
さらに、前記第7の観点にかかる触覚ピン表示装置において、前記片持ち支持弾性部材は、たとえば先端部をV字形に折り曲げたステンレス製板バネ、ピアノ線等とした。前記V字形部を触覚ピンの溝部(環状凹溝)に弾接させることにより、前記触覚ピンを触覚面から突出させた位置または触覚面側に後退させた位置に所望の保持力で保持できる。
さらに、前記第8の観点にかかる触覚ピン表示装置において、前記弾性シート部材は、たとえばゴムシートに複数の穴を触覚ピン配置位置に対応させて穿設し、複数の触覚ピンの周囲を同時に弾接挟持する構成とするのが好ましい。穿穴形状は任意で、たとえば触覚ピンの外径より10〜30%だけ直径が小さい円形、略円形、三角形等から選んだ一つとするのが好ましい。
触覚ピンの長軸部に環状の凹溝を第一位置または第二位置に対応させて配設し、該凹溝に前記弾性シートを嵌まり込ませる構成とすれば触覚ピンの保持力を増すことができる。同様に、前記環状配置した弾性部材(第1、第2の観点)及び小径のOリング(第3の観点)を触覚ピンに設けた環状凹溝に嵌まり込ませることにより触覚ピン保持力が増し、触覚ピン押圧時の抗圧力を高められる。環状凹溝に嵌まり込ませる弾性部材の量は一部分でよく、適宜設定すればよい。
さらに、前記第4〜第8の観点にかかる触覚ピン表示装置においても、装置を構成する触覚ピン、弾性部材等は前記第1〜第3の観点にかかる触覚ピン保持装置で述べた触覚ピン、弾接部材と同一の構成、材質等とするのが好ましい。さらに、触覚ピンを回転部材の触覚面から所望の突出高さに設定するアクチュエータを、円板型カムを主軸に取り付けたモータ(パルスモータ等)、電動シリンダ(主軸にリードスクリューを備えたモータ)、リニアモータ、電磁ソレノイド、磁石からなるカムを電磁石で回動させる構成、厚さ方向に分極した板状電気機械変換素子(圧電素子)等から選んだいずれか一つとするのが好ましい。
回転部材の触覚面から触覚ピンを所望の初期状態(突出高さ)にリセットする手段を、なだらかな傾斜面を備えたカムまたは回動可能なローラのいずれか一方とするのが好ましい。
なお、触覚面から所望の高さにリセットする触覚ピンの高さは後述の各実施例で述べる第一位置または第二位置のいずか一方を任意に選択すればよい。
前記カム、ローラ、アクチュエータ等はそれぞれ回転部材の近傍で筐体またはベース等に固定配置するのが好ましい。
さらに、円盤型の回転部材は、二枚の円板で触覚ピンを進退自由に支承し、該二枚のプレートのいずれか一方の環状凹部内に配設した弾性部材、たとえばゴム製Oリングまたは輪の切れた輪状(紐状)ゴム部材等で触覚ピンの側部を片側から押圧し、触覚ピンを任意の進退位置で保持するのが好ましい。弾性部材の太さ部分(線径)の断面形状は円形、略円形、矩形、菱形等から選んだ一つとするのが好ましい。
さらに、前記第1〜第3の観点にかかる触覚ピン保持装置、及び前記第4〜第8の観点にかかる触覚ピン表示装置において、触覚ピンや触覚ピン保持部材の触覚面、または回転部材の触覚面等に光触媒機能を持たせることが好ましい。詳しくは、光触媒たとえば二酸化チタン粒子等を混合した液体を対象部材の表面に塗布する構成とするのが好ましい。
例えば、光触媒をアナターゼ結晶形の二酸化チタン粒子とし、該二酸化チタン粒子を水および/または有機溶媒に懸濁させたもの,あるいはスラリーにしたものを触覚ピンや回転部材等に塗布する構成とするのが好ましい。
前記有機溶媒としてはプロパノール、アルコール、エステル、エーテル、アミン、炭化水素、またはそれらの混合物等とするのが好ましい。チタニアゾル液にシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を加えること、及び溶媒に界面活性剤を加えること等は任意に実施してもよい。
光触媒を混合し対象部材に塗布するもう一つの材料としては、アクリル系樹脂、アルキッドメラミン樹脂、酢酸ビニール系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂、UV樹脂(紫外線硬化樹脂)、天然ゴム、ブチルゴム、塩化ビニール系樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂等から選んだ一つとするのが好ましい。液体の粘度調整は一般的な有機溶媒、例えば、アルコール、シンナー、アセトン、キシレン等を用い所望に調製するのが好ましい。
光触媒を含んだ液体の塗布方法は、浸漬法、スプレー法、印刷法(スクリーン印刷、グラビヤ印刷、静電印刷、インクジェット印刷、タンポ印刷等)等から選んだ一つとするのが好ましい。勿論、光触媒を気相コーティング法たとえばスパッタ、蒸着等のPVD(フィジカル・ベーパ・ディポジション)またはCVD(ケミカル・ベーパ・ディポジション)、さらに溶射などの手段により配設するようにしてもよい。
二酸化チタンの粒子径は数nm〜数百nm、液体への混入量は0.5重量%〜5重量%程度の範囲とするのが好ましい。光触媒を含んだ液体の塗布膜厚は0.1μm〜10μm程度の範囲とするのが好ましい。なお、光触媒を混合する前記液体は光触媒を活性化する光を受光するため透光性を有していることが好ましい。ただし、光触媒が水またはアニリン等を含浸している場合は透光性にこだわらない。
上記構成により触覚ピン、保持部材または回転部材等に付着した細菌、汗、手脂、食物等の汚染物質を分解できる。また、触覚ピンの表面が安定し進退動作を円滑に行える。
触覚ピンや該触覚ピンを進退可能に保持する保持部材、または回転部材が樹脂部材からなる場合、樹脂部材内に二酸化チタン粒子等の光触媒を数重量%〜10重量%程度配合し、所望の部品形状に成形する構成とするのが好ましい。成形方法は射出成形、押出し成形、ブロー成形等とするのが好ましい。
樹脂部材は尿素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、PP樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等任意の部材としてよい。
前記光触媒は、二酸化チタン、または二酸化チタンと活性炭との混合物等からなる微粉末粒子、可視光応答型酸化チタン光触媒などとするのが好ましい。
二酸化チタンはアナターゼ型のものが好ましいが、銅、銀、白金、その他の金属でメタライズされたルチル型二酸化チタンとしてもよい。
また、WO,Cds,CdSe,SrTiO,MoSのような半導体で光触媒を形成するようにしてもよい。
光触媒が担体樹脂や塗布対象物を分解する恐れがある場合、光触媒に不活性な(分解されない)物質で光触媒粒子の表面の一部を覆う構成、または光触媒に不活性な物質からなる多孔質膜で光触媒粒子の表面を覆う構成とするのが好ましい。
前記光触媒に不活性な物質としては、シリカ、アルミナ、ジルコニウム、カルシウム、バリウム、スチロンチウム、マグネシウム、亜鉛、ニオブ、セラミックスのアパタイト等から選んだいずれか一つ、またはその組み合わせとするのが好ましい。
上述のごとく、光触媒を触覚ピンや回転部材等に配設することにより、表面に付着した各種汚れを分解、殺菌、消臭できる。即ち、太陽光や蛍光灯または300nm〜400nmの近紫外線を受けた光触媒は活性化して有機物(アセトアルデヒドやアンモニア等)等を分解する。分解した汚染物質は布、ティッシュペーパー等で容易に拭き取れる。水洗によっても除去できる。
さらに、触覚ピンを進退自由に保持する保持部材または回転部材において、触覚ピン摺動部に潤滑剤を配設するのが好ましい。例えば、触覚ピンにフッ素樹脂を焼付け塗装する構成、またはフッ素樹脂、ナイロン等のプラスチック系固体潤滑剤を塗布する構成等とするのが好ましい。勿論、保持部材や回転部材、弾性リング部材等にフッ素系樹脂等を含有させてもよい。これにより触覚ピンと該触覚ピンを摺動可能に支承する保持部材や回転部材、触覚ピンと該触覚ピンを弾接保持する弾性部材との摩擦力を低減し安定させる。その結果、前記弾性部材の触覚ピン保持力が安定する。
以下、本発明の実施例にかかる触覚ピン表示装置(例えば点字表示装置)を図面とともに説明する。なお、図1、図3、図5、図9〜11、図19、図21、図22等において点字を表示する触覚ピンは要所のみ示しており、実際には8文字〜50文字の範囲で任意の文字数を回転部材の触覚面に等角度ごとに環状に配設してなる。図26等のコンベヤー型触覚ピン表示装置においてもコンベヤーの全主面にわたって触覚ピンを所定のピッチで多行多列に配設してなる。さらに、各図において符号TSは触覚面を示す。
図1は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材であって、上円板を外した状態の要部平面図、図2は図1に上円板を取り付けた状態でS1X―S1Yで切断した要部断面図、図9は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部斜視図、図10は図9から筐体を取り外した状態の概念の要部平面図、図11は図10の要部側面図、図12は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材駆動モータ、アクチュエータ等の制御回路ブロック構成図を示す。
触覚ピン表示装置400は、進退自由な6本(3行2列)の触覚ピン601からなる点字を触覚面TSに環状に複数個配設した回転部材410と(図9)、回転部材410の凹溝内に環状に配設されて触覚ピン601の側部を片側より半径方向に押圧、保持する3個のゴム製Oリング370A,370B,370Cと(図1)、回転部材410が回転して前記触覚ピン601に当接し触覚ピン601を触覚面TSから0.7mm程度の高さに突出させる3個のアクチュエータと(図10、パルスモータ、歯車、円盤型カム等からなる。)、更に回転部材10が回転して触覚ピンの突出高さ0.7mmを揃える計3個のローラ440と(図10)、更に回転部材10が回転してローラ440の回転下流に位置し,前記触覚ピン601に当接して触覚ピン601を触覚面側に後退させ初期状態にリセットする計3個のローラ430と(図10)、前記3個のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と(図示せず)、回転部材410を回転駆動する回転駆動手段(図示せず)とを備えた構成としている。
図1、図9、図10等で示した点字は3行2列の計6つの触覚ピン601で一文字を表わす例を示している。前記触覚ピン601はステンレス製で直径を1.2mm、長さを8mm程度、両端を略半球状としている。触覚ピン601が指と触れる頂部は点字紙の表面アラサより滑らかな仕上げ面アラサ1.5S以下とするのが好ましい。例えば、バレル研磨仕上げを施すのが好ましい。
前記触覚ピン601の保持構造を図1、図2に示す。前記触覚ピン601は回転部材410の円盤面に環状に配設されている。環状に配設した点字の各行を構成する触覚ピン601に対応してそれぞれ3個のゴム製Oリング370A,370B,370Cが下円板410Bの三つの環状凹部内にそれぞれ環状に配設されている。環状に配設した点字の第一行目の全ての触覚ピンは、環状に配設したOリング370Aによって側部を片側より矢印方向(半径方向)に押圧され、保持される。同様に、環状に配設した点字の第二行目の全ての触覚ピンはOリング370Bによって、環状に配設した点字の第三行目の全ての触覚ピンはOリング370Cによって側部を片側より押圧、保持される。
前記3個のOリングは二トリルブタジエンゴム製とし線径1.5mm程度とするのが好ましい。触覚ピン押圧によるOリングの撓み量は0.4mm程度とするのが好ましい。
視覚障害者が触覚ピン601に触る指の押圧力は略0.1N程度と小さい。図1、図2に示す構成の触覚ピン保持力を0.4N程度に設定するのが好ましい。これにより視覚障害者が触覚ピン601を触圧しても引っ込まない。
視覚障害者が触覚ピン601に触れる場合でも触れない場合でも同一の触覚ピン保持力に設定することにより触覚ピン保持構造を簡素化できる。
前記触覚ピン601を回転部材410の触覚面より0.7mm程度の高さに突出させるアクチュエータの概念を図10、図11に示す。アクチュエータは点字一文字の内の一列の触覚ピン数に対応して3個配設されている。各アクチュエータは回転部材410の周囲(円周方向)にそれぞれ離間して筐体あるいはベース上(図示せず)に配置されている。また、各アクチュエータは異なるタイミングで駆動される。回転部材410の周囲にそれぞれ離間して配置することによりアクチュエータの外形寸法に自由度を持たせられる。また、前記アクチュエータの動作時間を順次ずらせることによりアクチュエータ駆動電流のピーク値を下げられる。
各アクチュエータは触覚ピン601に当接する円盤型カム421、該円盤型カム421を回転駆動するパルスモータ1、円盤型カム421とパルスモータとを連繋する歯車列G1、G2等とからなる。回転部材410が時計方向に回転すると、点字一文字の内の縦一列(触覚ピン3箇所)に対応する各触覚ピンが選択的に順次、円盤型カム421に当接する。その結果、点字を構成する各列の触覚ピン601はOリング370A,370B,370Cの弾接力に抗して回転部材410の触覚面より0.7mm程度突出した高さに前進移動し保持される。即ち、パルスモータ1Aは点字の第1行目の触覚ピンを、パルスモータ1Bは第3行目の触覚ピンを、パルスモータ1Cは第2行目の触覚ピンを突出させる。なお、触覚ピン601が円盤型カム421により所望量以上に突出しないよう触覚ピン601の先端部にストッパーを設けることは任意に実施してよい(図示せず)。
触覚ピン601を触覚面まで後退させ初期状態にリセットする(触覚面からの触覚ピン突出高さをほぼ零にする)触覚ピン後退手段は、計3個の独立して回動可能なローラ430を用いる構成とするのが好ましい。回転部材410の時計方向への回転過程において、点字一文字の内、各行の触覚ピン周速はそれぞれ異なっている。従って、各行の触覚ピン周速の違いに対応し、各行毎にローラ430を独立して回動可能に配設するのが好ましい。符号440は触覚面から0.7mm程度突出した触覚ピンの高さを揃えるローラで、この場合も各行の触覚ピン周速の違いに対応して計3個のローラ440を独立して回動可能に配設するのが好ましい。
回転部材410の回転駆動はギヤトレーンとパルスモータ等を用い任意に構成すればよい。例えば、支軸470に回動可能に支承される回転部材410のボス部に大歯車を取り付け、該大歯車に小歯車とパルスモータ等を連繋させ、回転部材410の下面側に収納する構成とすればよい(図示せず)。
触覚ピン表示装置400を構成する回転部材駆動モータ、アクチュエータたとえばパルスモータ等を制御する制御回路の一例を図12のブロック構成図に示す。簡単に説明すると、制御回路120はパラレルインプット/アウトプットユニット(PIO)121と中央演算処理装置(CPU)122とアナログ/ディジタル変換器(A/D)123とメモリ124とシリアルインプット/アウトプットインターフェース(SIO)125とからなる。
PIO121はCPU122と結合し、6点式点字キーボード126、点字表示制御スイッチ127、フォトカプラ128から信号を受け、該受けた信号はCPU122によって制御され触覚ピン駆動アクチュエータ129へ送られる。A/Dコンバータ123は表示速度制御スイッチ130から信号を受け、出力信号をCPU122へ送る。SIO125はCPU122とユニバーサルシリアルバス(USB)131とに接続している。CPU122はメモリ124及び外部メモリ134に結合している。CPU122はPIO121、A/Dコンバータ123、SIO125、メモリ124、外部メモリ134等から受けた信号に応じ出力信号をモータコントローラ132に提供する。モータコントローラ132は出力信号をモータ133に送り制御する。
パルスモータを回転駆動するタイミングは、回転部材410と同期して回転するフォトインタラプタ(穿孔した回転板等/図示せず。) により位相検出して行うのが好ましい。フォトインタラプタは、回転部材410に環状に配設した点字の縦列数と同数の孔を穿孔するのが好ましい。回転部材に48文字分の点字を配設した場合、点字は3行2列の触覚ピンからなるのでフォトインタラプタへの穿孔数は96となる。
なお、フォトインタラプタを用いることの他に、回転部材410を駆動するパルスモータを用いアクチュエータの駆動タイミングをとるようにしてもよい。また、位相検出にフォトカプラを2個取り付け、作動開始位置検出と触覚ピン位置の検出を行うようにしてもよい。
触覚ピン表示装置400を構成する回転部材410はPS樹脂からなり、円板状に成形した下円板410Bと上円板410Aとを一体的に組み立ててなる。前記Oリング370A,370B,370Cは下円板410Bに配設した三筋の環状凹溝内に配設されている。触覚ピン601は下円板410Bと上円板410Aとにまたがって摺動可能に支承されている。
触覚ピン表示装置400では回転部材410の触覚面(円盤面)に環状に配置する点字数を48文字とした。一文字当りの触覚ピン数が3行2列の計6本なので、288本の触覚ピンが回転部材に配設される。(図1、図10等では環状に配置した点字の一部分のみ示す。)
触覚(読字)速度を200文字/分とした場合、回転部材410の回転数は約4回転/分となる。回転方向は時計方向とし、回転部材410の触覚面に指を軽く載置しておくと、あたかも点字紙上を左から右方向になぞっていく状態に相当する。このように本実施例装置は任意の長さの点字文を連続して表示できるうえ、点字紙のような改行操作が不要となり、障害者にとって極めて使い勝手の良い装置となる。
図9に示す触覚ピン表示装置400は、 触覚ピン601を備えた回転部材410の略半円部分を筐体800から露出させている。露出した回転部材410の近傍に凹部からなる指標部840を配設した。前記指標部840により視覚障害者は指を置く触覚開始位置を容易に認識できる。符号841は指の案内レールを示す。案内レールは高さが0.3mm、幅が2mm程度の円弧状突起とした。この突起により指が回転部材の近くにあることを認識できる。
さらに、触覚ピン表示装置400は、回転部材と筐体開口との間に異物が嵌り込んだり何等かのトラブルにより回転部材駆動モータに設定値以上の負荷が掛った場合、回転部材駆動モータを瞬時に自動停止させる異常負荷検出回路を備えた構成とするのが好ましい(図示せず)。
符号811は回転部材410を時計方向に回転させ点字文字を順次、連続表示させる連続読み取りスイッチ、812は連続読み取りを停止させる回転停止スイッチ、813は一度読んだ箇所を再度戻って読むため,回転部材410を反時計方向に逆回転させる再読用逆回転スイッチ、814〜819は視覚障害者等の操作者が点字を入力するパーキンス式点字入力スイッチで,左(符号814)から点字の凸点ナンバー3、2、1、4、5、6の順に対応している。820は操作者が入力した点字が正しいと確認した際の入力点字確定スイッチ(ENTER)、830は各種文書データ等を内蔵したメモリーカードの装填口を示す。
以上のように、本実施例における触覚ピン表示装置400は極めて簡単な触覚ピン保持構造と触覚ピン進退構造を構成でき、小型化、軽量化、低価格化を図れる。ちなみに、触覚ピン表示装置400の外形寸法は幅210mm、奥行き130mm、最大高さ30mm、重量450g程度を実現できた。
次に、本実施例におけるもう一つの触覚ピン保持構造を説明する。図3は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成するもう一つの回転部材であって、上円板を外した状態の要部平面図、図4は図3に上円板を取り付けた状態でS2X―S2Yで切断した要部断面図を示す。
回転部材910は上円板910Aと下円板910Bとを一体的に組み立ててなる。弾性部材900は下円板910Bの凹溝内に配設されている。
この場合の触覚ピン保持構造も触覚ピン601の側部を弾性部材900で片側より押圧し、前記触覚ピンを進退方向の任意の位置で保持するものである。詳しくは、回転部材910で触覚ピン601を進退自由に支承し、点字を構成する第一列の触覚ピンと第二列の触覚ピンとの列間に弾性部材900たとえば断面形状が円形の棒状ゴムを触覚ピン601の側部に配設した。これにより一つの弾性部材900で6つの触覚ピン601をまとめて保持できる。棒状ゴムはニトリルブタジエンゴム、硬度は70程度、外径を1.5mm、触覚ピン601の押圧による凹み量を0.4mm程度、触覚ピンの保持力(抗圧力)を0.4N程度とするのが好ましい。
続いて、本実施例におけるもう一つの触覚ピン保持構造を説明する。図5は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成するもう一つの回転部材の上円板を外した状態の要部平面図、図6は図5に上円板を取り付けた状態でS3X―S3Yで切断した要部断面図を示す。回転部材920は上円板920Aと下円板920Aとを一体的に組み立ててなる。弾性部材930は下円板920Bの凹溝内に配設されている。
この場合の触覚ピン保持構造も触覚ピン601の側部を弾性部材930で片側より押圧し、触覚ピン601を進退方向の任意の位置で保持するものである。即ち、触覚ピンの列間または行間に一つの棒状弾性部材930を配設し二つの触覚ピンを押圧、保持する構成としている。棒状弾性部材の形状や材質は図3の場合と同様とした。棒状弾性部材930を触覚ピンの軸心と平行に配設する点、および棒状弾性部材930の長さに比例して触覚ピンの保持力を設定できる点が異なる。
続いて、本実施例におけるもう一つの触覚ピン保持構造を説明する。図7、図8は平板部材に触覚ピンを多行多列に配設し、後述の二次元または三次元図形を表示する触覚ピン表示装置(実施例5)等を構成するのに有効な例を示す。図7は上平板を外した状態の要部平面図、図8は図7に上平板を取り付けた状態でS4X―S4Yで切断した要部断面図を示す。
平板部材940は上平板940Aと下平板940Bとを一体的に組み立ててなる。圧縮コイルばね950は下平板940Aの凹溝内に配設されている。
この場合の触覚ピン保持構造も触覚ピン601の側部を圧縮コイルばね950で片側より押圧し、前記触覚ピンを進退方向の任意の位置で保持するものである。詳しくは、平板部材940で触覚ピンを進退自由に支承し、点字を構成する第二列の触覚ピンと隣接する点字の第一列の触覚ピンとの列間に圧縮コイルばねを配設してなる。圧縮コイルばねはたとえば有効径を1.0mm、線径0.2mm、撓み量4mm、有効巻数8とし、触覚ピンの保持力を0.3N程度とするのが好ましい。該構成により一つの圧縮コイルばねで二つの触覚ピンを保持できる。
続いて、本実施例におけるもう一つの触覚ピン保持構造を説明する。図13は本発明の一実施例における触覚ピン保持構造であって,触覚ピンが下円板に係合した状態の要部断面図、図14は図13における触覚ピンの係合解除過程の要部断面図、図15は図13における触覚ピンの係合が下円板から解除された状態の要部断面図を示す。図13〜図15に示す触覚ピン保持構造は、図1、図2に示す触覚ピン保持構造を基本概念としている。
図13において、触覚ピン601Aは上円板410AAに環状に配設されたOリング370Aによって側部を片側から押圧され、段部610が下円板410BBの係合部420に係合して保持されている。これにより視覚障害者が過大な力で触覚ピンを押圧しても触覚面側に引っ込まない。
円板が時計方向に回転すると、図14に示すように触覚ピン601Aの下端620が係合解除カム700に当接し触覚ピン601AがOリングの押圧力に抗して傾き、段部610と係合部420との係合が外れる。そして、ローラ430で押圧されると触覚ピン601Aは図15のように下方向に押し下げられ触覚面まで引っ込む。
係合部420は上円板410AAにあけた穴450と下円板410BBにあけた穴460との半径方向の位置を少し変えるだけで簡単に設定できる。
さらに、Oリング370Aと接する壁面480を上円板410AAの半径中心に向かって(図13に向かって左側方向に)少し後退させることによって触覚ピン601Aが傾いた時の側圧を小さくすることができる。
さらに、Oリングの位置を固定するため下円板410BBから穴460の端部490をOリング370A側に延出させ受け部をOリング370Aと接する高さに突出させてもよい。
上記構成により触覚ピンが触覚面より突出した位置で確実に触覚ピン601Aを保持でき、過大な触圧にも耐えられる。そして、この場合のOリング370Aによる触覚ピン601Aの保持力は0.1N程度と小さくてもよい。その結果、触覚ピン601Aを触覚面から所望の高さ位置に設定するアクチュエータの駆動力が小さくてよい。装置の小型化、消費電力の低減にも寄与する。
図16、図17はOリングを下円板に配設した場合の段付き触覚ピン6200の係止構造を示す。基本的な概念は図13〜図15と同一である。符号3700AはOリング、4900はOリングの受け部、4300はローラ、7000は解除カムを示す。
この場合は上円板4100Aと下円板4100Bとが若干位置ずれを生じても触覚ピン係合部4200の引っ掛かり量は一定となる。
図示していないが、段付き触覚ピン6200の下円板4100Bの下面よりやや下側に位置する部分の径を少し大きくして段部を形成し、段付き触覚ピン6200が触覚面より所望量以上に突出しょうとすると下円板4100Bと当接するよう構成してもよい。
なお、上記実施例1で説明した回転部材と触覚ピン保持構造が、課題を解決するための手段の項で述べた第1、第2の観点にかかる触覚ピン保持装置を例示していることは明白である。
さらに、実施例4で後述するごとく、触覚ピン601と上円板410Aとに光触媒機能を付与する構成としてもよい。
図18Aは本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部断面図、図18Bは図18Aを構成するカムの要部側面図を示す。触覚ピン表示装置300は、点字を表示する間隔で穿設した穴を主平面に放射状に複数備えた(環状に穴を複数備えた)円板型の回転部材310と、前記回転部材310の外周部に取り付く歯車340と、該歯車340と連繋する歯車,モータ等で前記回転部材310を回転駆動する駆動手段と(図示せず)、前記穴内で第一位置と第二位置の間を進退する触覚ピン301と、前記各触覚ピンに嵌着され各触覚ピン301を第一位置または第二位置等の任意位置で保持するOリング370と、前記回転部材310が回転して前記触覚ピン301と当接し前記触覚ピン301を第一位置に移動させるカム330と、前記カム330より回転下流に位置し,かつ前記回転部材310が回転して前記触覚ピン301と当接し前記触覚ピン301を選択的に第二位置に移動させる3個の電磁ソレノイド320と、前記触覚ピン301を第二位置に移動させる動作位置と前記触覚ピン301を第二位置に移動させない非動作位置とに選択的に進退させる選択手段とから成り、前記駆動手段によって前記回転部材310が回転し前記触覚ピン301がカム330に当接して第一位置に移動し、更に回転し前記電磁ソレノイド320が動作すると前記触覚ピン301は第二位置に移動する構成とした。
前記第一位置とは触覚面側に触覚ピン301が後退し上円板310Aの上面(触覚面TS)より触覚ピン301先端部が突出していない状態をいう(リセット状態)。第二位置とは上円板310Aの触覚面より触覚ピン301が0.7mm程度の高さに突出した状態をいう。
回転部材310はABS樹脂を成形してなる上円板310Aと下円板310B間にOリング370を配設し一体的に組み立ててなる。Oリング370はリテナー360の穴内に保持されている。リテナー360は組立てを容易にするもので、別段、用いなくても触覚ピン301の保持力に影響はない。Oリング370を上円板310A、または下円板310Bのどちらか一方に設けた円形凹溝内に配設するようにしてもよい。回転部材310は段付きの支軸311に回動可能に支承されている。外形が略C型の止め輪(市販の金属製弾性リング)260の装着により支軸311Bから回転部材310が抜けるのを防止している。
触覚ピン301は実施例1と同様、ステンレス製部材からなり両端が略半球状で指のふれる頂部を滑らかな面(表面アラサ1.5S以下)にバレル研磨仕上げするのが好ましい。触覚ピン301は上円板310Aと下円板310Bとにまたがって進退自由に支承されている。そして、触覚ピン301に嵌着したOリング370によって任意の進退位置に保持される。Oリング370の触覚ピン保持力は0.4N程度とするのが好ましい。図18において触覚ピン301の直径を1.2mm、長さを8mm程度、ニトリルブタジエンゴム製Oリングの線径を0.6mm、内径を0.8mm程度とするのが好ましい。
なお、リテナー360の穴径はストレート状の他に、上円板310A側をやや大きくしたテーパー状に構成するのが好ましい。これにより触覚ピン301を指で押圧する方向の触覚ピン保持力を、触覚ピン301を逆方向に移動させる時の触覚ピン保持力より大とすることが出来る。また、組立て性も一層向上する。さらに、電磁ソレノイドの小型化を可能とする。
また、触覚ピン301の摺動を円滑、安定にするためフッ素系固体潤滑剤を触覚ピン301等に塗布することは任意に実施してよい。
さらに、図19の触覚ピン1001に示すごとく、触覚面TSからの触覚ピン1001突出高さが0.7mm程度に対応する第二位置に環状凹溝1002を設け、該凹溝にOリング370の一部が嵌り込む構成としてもよい。これにより触覚ピン保持力が増し、指で触覚ピン1001を触覚した際、触覚ピンが触覚面側に引っ込みにくくなる。
前記触覚ピン301を初期状態の第一位置(リセット位置)に移動させる手段として上円板310Aの上面側近傍に板カム330を配置した。板カム330は筐体の一部(図示せず)に固定されている。板カム330はなだらかな傾斜面330Aを備え、回転部材310が時計方向に回転するのに伴い、触覚面TSから選択的に0.7mm程度突出した触覚ピン301の先端部がなだらかな傾斜面330Aに当接する。回転を続けることにより触覚ピン301が触覚面側に徐々に移動しほぼ触覚面TSまで引っ込められる。このように触覚ピン3本からなる各点字の触覚ピン列が順次、板カム330に当接し、選択的に触覚面から0.7mm程度突出した触覚ピン301が触覚面まで移動して引っ込む。即ち、第一位置(リセット位置)に設定される。触覚ピン301はOリング370によって引っ込んだ第一位置状態が維持される。板カム330は回転部材310の回転途中1箇所に配設するだけでよい。なお、板カム330に代え、回動可能なローラ を所定に配設してもよい。
前記触覚ピン301を第二位置に移動させる手段として本実施例では電磁ソレノイドを用いた。図18において、電磁ソレノイド320が点字一文字の内の縦一列(触覚ピン3箇所)に対応するごとく3個並設されている。図18は3個の内、中央の触覚ピンが選択され、移動部材321によって押圧されOリング370の弾接力に抗して触覚面より0.7mm程度の高さまで突出した状態を示す。触覚ピン301は突出した状態で前記Oリング370の弾接力により保持される。前記3個の電磁ソレノイド320は筐体あるいはベース350上に固定されている(図示せず)。 前記3個の電磁ソレノイド320は回転部材310の回転途中1箇所に配設するだけでよい。
回転部材310の主平面に配置する点字数を48文字とした場合、回転部材310の回転数は約4回転/分、回転方向は時計方向とするのが好ましい。回転部材310の駆動は歯車340に小歯車、モータ等を連繋し実施するのが好ましい。(図示せず。)
なお実施例4で後述するごとく、触覚ピン301と上円板310Aの触覚面TSとに光触媒機能を付与する構成としてもよい。
さらに、触覚ピン301を電磁ソレノイド320で直動させることに代え、カム及びレバー等を介してピン301を移動させるようにしてもよい(図示せず)。
さらに、電磁ソレノイド320を1箇所に3個並設することに代え、実施例1のように回転部材310の周囲3箇所の異なる位置に離間して配置してもよい。3個の電磁ソレノイドの動作時間をそれぞれずらすようにしてもよい。
さらに、電磁ソレノイド320により触覚ピン301が触覚面より所望量以上に突出しないように触覚ピン301の先端部にストッパーを設けること、回転部材の回転途中でローラ等により触覚ピンの突出高さを一定に揃えること等も任意に実施してよい(図示せず)。
さらに、図19に示すようにOリング370を複数個配設してもよい。回転部材1010は上円板1010A、中円板1010C、下円板1010Bの三枚構成からなり、触覚ピン1001を進退自由に支承する。上円板1010AはOリング370を下面側に、下円板1010BはOリング370を上面側にそれぞれ一個備えている。なお、符号1002はOリング370の一部分が嵌まり込む環状凹溝、1020はパルスモータ軸、1021は円盤型カムを示す。パルスモータにより円盤型カムが回転駆動され触覚ピン1001を触覚面より0.7mm程度の高さに突出させる。突出位置でOリング370が前記環状凹溝1002に嵌まり込み、視覚障害者の触覚ピン押圧による抗圧力を増加させる。
なお、前記Oリングはゴム製に限るものでなく、輪の切れた樹脂部材または輪の切れた金属部材等としてよいことは自明である。また、Oリングの太さ部分(線径)の断面形状を任意に設定してよいことも同様である。
以上のように触覚ピン表示装置300も極めて簡単な触覚ピン保持構造と触覚ピン進退構造を構成でき小型化、軽量化、低価格化を図れる。
なお、実施例2で説明した回転部材と触覚ピン保持構造が、課題を解決するための手段の項で述べた第3の観点にかかる触覚ピン保持装置を例示していることは明白である。
この場合の触覚ピン表示装置は、触覚ピンを保持する弾性部材が実施例2の場合の弾性部材と異なるが、その他の構成は実施例2と同一にした。詳しくは、弾性部材としてリング部材に代え弾性シート部材を用いる構成としている。弾性シート部材として例えばゴムシートを用い、該ゴムシートに点字を表示する触覚ピン配置位置に対応させて複数の穴を穿設し、複数の触覚ピンの周囲を同時に弾接保持する構成としている。
前記穿穴形状は触覚ピンの外径より10〜30%だけ直径が小さい円形とし、ゴムシートの厚さは1.2mm程度とするのが好ましい。ゴムは例えばNBR、硬度70程度とするのが好ましい。
図20Aは本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部断面図、図20Bは図20Aを構成するカムの要部側面図を示す。触覚ピン表示装置200は、点字を表示する間隔で穿設した穴を主平面に放射状に複数備えた(環状に穴を複数備えた)円板型の回転部材210と、前記回転部材210の外周部に取り付く歯車240と、該歯車240と連繋する歯車,モータ等で前記回転部材210を回転駆動する駆動手段と(図示せず)、前記穴内で第一位置と第二位置の間を進退する触覚ピン201と、前記各触覚ピン201を第一位置または第二位置等の任意位置で保持する弾性シート部材204と、前記回転部材210が回転して前記触覚ピン201と当接し前記触覚ピン201を第一位置に移動させるカム230と、前記カム230より回転下流に位置し,かつ前記回転部材210が回転して前記触覚ピン201と当接し前記触覚ピン201を第二位置に移動させる3個の電磁ソレノイド220と、前記触覚ピン201を第二位置に移動させる動作位置と前記触覚ピン201を第二位置に移動させない非動作位置とに選択的に進退させる選択手段とから成り、前記駆動手段によって前記回転部材210が回転し前記触覚ピン201がカム230に当接して第一位置に移動し、更に回転し前記電磁ソレノイド220が動作すると前記触覚ピン201は第二位置に移動する構成とした。
上記において、第一位置とは触覚面側に触覚ピン201が後退し上円板210Aの上面より触覚ピン201先端部が突出していない状態(リセット状態)をいう。第二位置とは上円板210Aの触覚面より触覚ピン201が0.7mm程度の高さに突出した状態をいう。
前記回転部材210は、ABS樹脂を成形してなる上円板210Aと、 弾性シート部材204と、 ABS樹脂を成形してなる下円板210Bとを順次積層し一体的に組み立ててなる。前記触覚ピン201は上円板210Aと下円板210Bとにまたがって進退自由に支承されている。
なお、触覚ピン201の進退を円滑にするためフッ素系固体潤滑剤等を触覚ピン摺動部に塗布することは任意に実施してよい。また、触覚面からの触覚ピン201突出高さが約0.7mmの位置(第二位置)において、弾性シート部材204を各ピンの長軸部に設けた環状凹溝に嵌まり込ませ触覚ピンを触覚する際の抗圧力を増す構成としてもよい(図示せず)。
さらに、弾性シート部材204に代え、弾性シートユニット504を用いる構成としてもよい。図21にその構成例を示す。点字一文字分(3行2列)に相当する6個の穴を穿設した弾性シートユニット504を、上円板(図示せず)と下円板510Bとの間に複数枚配設する構成としている。図21の場合、回転部材に配置する点字数を12文字としたので、前記弾性シートユニッツト504を12枚配設した。符号501は触覚ピンを示す。弾性シートユニット504を用いた場合、穿穴ピッチを正確に成形加工できるうえ、温度変化に伴う弾性シートの膨張、収縮による影響を小さく、穿穴ピッチの変化を最小限に押さえられる。
以上のように触覚ピン表示装置200も極めて簡単な触覚ピン保持構造と触覚ピン進退構造にすることが出来、小型化、軽量化、低価格化を実現できる。
図22は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部平面図、図23は図22の要部側面図、図24は図22のA部拡大断面図、図25は図22を切断線SX−SYで切断した要部断面図を示す。
実施例4における触覚ピン表示装置100は、点字を表示する間隔で穿設した穴を円筒面(触覚面TS)に複数箇所備えた回転部材10と、前記回転部材10を歯車とモータ等で回転駆動する駆動手段と(図示せず) 、前記穴内で第一位置と第二位置の間を進退する触覚ピン1と、前記各触覚ピン1を第一位置または第二位置とで保持する弾性係止部材4と、前記回転部材10が回転して前記触覚ピン1と当接し前記触覚ピン1を第一位置に移動させる回動可能なローラ30と、前記ローラ30より回転下流に位置し,かつ前記回転部材10が回転して前記触覚ピン1と当接し前記触覚ピン1を第二位置に移動させる3個のアクチュエータ例えば電磁ソレノイド20と、前記触覚ピン1を第二位置に移動させる動作位置と前記触覚ピン1を第二位置に移動させない非動作位置とに選択的に進退させる選択手段とから成り、前記駆動手段によって前記回転部材10が回転し前記触覚ピン1が前記ローラ30に当接して第一位置に移動し(リセット状態)、更に回転し前記電磁ソレノイド20が動作すると前記触覚ピン1は第二位置に移動することを特徴とする。
前記第一位置とは触覚ピンが回転部材10の触覚面TSより触覚ピンが0.7mm程度の高さに突出した状態(リセット状態)を言う。第二位置とは触覚ピンが回転部材10の触覚面TSまで引っ込んだ状態を言う(触覚面TSからの触覚ピン1突出高さがほぼゼロ)。
図22では回転部材10の触覚面TS(円筒面)に要所のみ触覚ピン1を図示している。実際には8〜48文字分の点字用触覚ピンを円筒面に等角度毎に配設するのが好ましい。
前記触覚ピン1の材質はステンレス製、直径は1.2mm、長さは14mm程度とし、両端を略半球状の滑らかな仕上がり面(表面アラサ1.5S以下)とするのが好ましい。
前記触覚ピン1の保持手段を図24に示す。触覚ピン1の長軸部に第一位置と第二位置とにそれぞれ対応する2箇所にV字形環状凹溝2、3を設け、該V字形環状凹溝に弾性係止部材4を係止する構成とするのが好ましい。弾性係止部材4は例えば、先端部をV字形に折り曲げ,片持ち支持したステンレス製板バネとするのが好ましい。板バネは板厚0.06mm、幅2mm、たわみ量0.7mm程度とするのが好ましい。弾性係止部材4のV字形部5をV字形環状凹溝2、3に弾接させることにより、前記触覚ピン1を前記第一位置または第二位置に所望の保持力約0.3Nで保持できる。また、板バネの形状および取り付けは図24からも解るように触覚ピン1の第1位置に向かう方向、すなわち触覚ピン1を指で押圧する方向の触覚ピン保持力の方が触覚ピン1を逆の方向へ移動させる時の触覚ピン保持力より大になるよう設定するのが好ましい。
前記触覚ピン1を第一位置に前進させる手段の概念を図22に示す。回転部材10の内側であって、回転部材10と所定間隔を保つ位置に回動可能なローラ30を支軸31により配設した。支軸31は筐体あるいはベース上(図示せず。) に固定されている。 回転部材10が反時計方向に回転すると触覚ピン3本からなる各触覚ピン列が順次、ローラ30に当接する。その結果、各触覚ピン1は弾性係止部材4の弾接力に抗して回転部材10の外周面より0.7mm程度の高さに突出した第一位置(リセット状態)に前進移動し、弾性係止部材4がV字形環状凹溝2に嵌り込み保持される。
なお、ローラ30は回転部材10の回転途中1箇所に配設するだけでよい。また、ローラ30に代え、滑らかな傾斜面プロフィールを備えたカム(図示せず。) を所定に固定配置してもよい。
前記触覚ピン1を第二位置(触覚面)に後退させる手段の概念を図25に示す。アクチュエータたとえば電磁ソレノイド20A、20B、20Cが点字一文字の内の縦一列(触覚ピン3箇所)に対応するごとく3個並設されている。図25は3個の内、中央の触覚ピンが選択され、移動部材21Bによって押圧され弾性係止部材4の弾接力に抗して触覚面まで後退した状態を示す。後退した位置で前記弾性係止部材4が再びV字形環状凹溝3に嵌り込み保持されることは言うまでもない。
前記3個の電磁ソレノイド20A、20B、20Cは回転部材10の外側にあって、回転部材10と所定間隔を保つ位置に筐体あるいはベース上に固定されている。(図示せず。)
なお、前記3個の電磁ソレノイド20A、20B、20Cは回転部材10の回転途中1箇所に配設するだけでよい。また、触覚ピン1を電磁ソレノイドで直動させることに代え、カムレバー等を介して触覚ピン1を第二位置に後退させるようにしてもよい(図示せず)。
実施例4においても、各電磁ソレノイド20A、20B、20Cを回転部材10の周囲3箇所の異なる位置に離間して配置し、各電磁ソレノイド20A、20B、20Cの動作時間を順次ずらせる構成としてもよい。また、電磁ソレノイド20A、20B、20Cにより触覚ピン1が所望量以上に押し込まれないよう触覚ピン1の後端部にストッパーを設けること等も任意に実施してよい(図示せず)。
前記回転部材10はPS樹脂からなり、略円筒状に成形した内輪部材10Bと外輪部材10Aとを一体的に組み立ててなる(図示せず)。前記弾性係止部材4は内輪部材10Bの円筒面にネジ6で締結固定されている。触覚ピン1は内輪部材10Bと外輪部材10Aとにまたがって摺動可能に支承されている。触覚ピン1の摺動を円滑、安定にするためフッ素系固体潤滑剤を触覚ピン摺動部たとえば触覚ピン1の表面等に塗布することは任意に実施してよい。
回転部材10の外周面に配置する点字数を48文字、触字(読字)速度を200文字/分とした場合、回転部材10の回転数は約4回転/分程度となる。回転方向は反時計方向とし、回転部材の円筒面TSに指を軽く載置しておくと、あたかも点字紙上を左から右方向になぞっていく状態に相当する。
回転部材10の回転駆動はギヤトレーンとパルスモータ等を用い任意に構成すればよい。例えば、支軸11に回動可能に支承される回転部材10のボス部に大歯車を取り付け、該大歯車に小歯車とパルスモータ等を連繋させ、回転部材10の下面側に収納する構成とすればよい。(図示せず。)
本実施例装置を構成する回転部材駆動モータ、アクチュエータたとえば電磁ソレノイド20A、20B、20C等を制御する制御回路は図12に示すごとく実施例1と同様に実施すればよい。
以上のように本実施例における触覚ピン表示装置も簡単な触覚ピン保持構造と触覚ピン進退構造にすることが出来、小型化、軽量化、低価格化を実現する。
なお、実施例4の触覚ピン表示装置において、ステンレス製の触覚ピン1と回転部材10を構成する外輪部材10Aとに光触媒を配設するのが好ましい。触覚ピン1に光触媒を配設する方法は、光触媒の二酸化チタン粒子を含んだ液体に触覚ピンを浸漬し、乾燥させる構成とするのが好ましい。詳しくは、フッ素系樹脂をアルコールで希釈し粘度調製した液体に、二酸化チタン粒子(粒子径は数nm〜200nm)を5重量%程度混入し分散させる。次に、前記液体に触覚ピンを浸漬し、ついでゆっくりと引き上げ1μm程度の塗布膜を得た。余分な液体の滴を取り除き、ついで摂氏50度程度の乾燥機内で20分間程度乾燥させた。これにより触覚ピンの表面全体に光触媒が配設される。
なお、触覚ピン表面に第一層として、光触媒に不活性なSiO下地層を形成した後、重ねて光触媒を含んだ液体たとえばフッ素樹脂を塗布、乾燥して光触媒機能を備える構成としてもよい。さらに、液体に含ませる光触媒粒子を無機物たとえば多孔質シリカで被覆する構成としてもよい。
外輪部材10Aに光触媒を配設する方法は、外輪部材10Aを形成する樹脂部材内に二酸化チタン粒子等の光触媒を混入する構成とするのが好ましい。即ち、PS樹脂のペレット内に、多孔質シリカ等の光触媒に不活性な物質から選んだ一つで被覆した二酸化チタン粒子を混合し、所定形状に射出成形する構成とするのが好ましい。
前記二酸化チタン粒子の外形は数nm〜数百nm程度、混入量を5重量%程度とするのが好ましい。
触覚ピン1および外輪部材10Aが光触媒を備えることにより、殺菌性、防臭性、防汚性、付着した汚染物質の分解性を備え、汗、手脂、食物かす等を分解する。その結果、回転部材の触覚面を清浄に保ち、触覚ピンの摺動を常に安定させられる。
なお、本発明の他の実施例においても触覚ピンと該触覚ピンを進退自由に保持する保持部材とに光触媒を配設してよいことは言うまでもない。
図26は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の一部分が断面の要部側面図、図27は図26の要部平面図、図28は図26を切断線S10X−S10Yで切断した要部断面図、図29は図26を切断線S11X−S11Yで切断した要部断面図を示す。
図26〜図29において符号2001は文字、図形を凹凸で表示するためのステンレス製触覚ピン、2010は前記触覚ピン2001を進退可能に支承する第一保持部材、2011は前記触覚ピン2001を進退可能に支承する第二保持部材、2030は第一および第二の保持部材を複数取り付けたエンドレスベルト、2031は前記エンドレスベルトの幅方向の両端部に所定間隔毎に設けたパーフォレイション(ベルト送り用の穴)、2040は前記エンドレスベルト2030を長円形に張袈し駆動する駆動プーリー、2041は前記エンドレスベルト2030を張袈、反転させる従動プーリー、2042と2043は前記各プーリーを回動可能に支承する支軸、2050は前記触覚ピン2001を弾接挟持するOリング(オーリング)、2020は前記触覚ピン2001を第二方向(矢印D2)に任意の位置に移動させる電動シリンダ、2021は電動シリンダを構成する移動部材(ネジを切ったモータ軸)、2100は触覚ピン表示装置を示す。
触覚ピン表示装置2100は、エンドレスベルト2030を長円状に張架し反時計方向に移動するベルトコンベヤーと、前記エンドレスベルト2030に進退可能に配設した多行多列の触覚ピン2001と、前記エンドレスベルト2030を一方向に走行させる回転駆動手段と(図示せず)、 前記触覚ピン2001を長軸の第二方向(矢印D2)に任意の突出高さに移動させる4個の電動シリンダ2020と、前記触覚ピン2001の第二方向への移動有無と移動量を選択的に決定する手段(図示せず)と、前記触覚ピン2001を長軸の第一方向(矢印D1)に移動させ初期状態にリセットする従動プーリ2041とを備えたことを特徴とする。
触覚ピン2001は、エンドレスベルト2030の全面にわたって点字、墨字(健常者が読む一般的な文字)、図形等を表示可能に3mmピッチで多行多列に配設されている(図27のピッチP1、P2で表示)。図26ではエンドレスベルト2030の全面に配設した触覚ピンの一部分のみをコンベヤーの上側と下側とに示している。また、エンドレスベルト2030の幅方向に配設した一列の触覚ピン数を例えば4本として示している。エンドレスベルトの長さと幅および該エンドレスベルト幅方向に配設する一列の触覚ピン数等は任意に設定すればよい。
図26において、コンベヤーの上側(符号US)で視覚障害者が文字、図形等を触覚(触読)した後、触覚ピン2001は左方向(符号LW)へ移動し従動プーリー2041によって反転する。反転過程で触覚ピン2001は従動プーリー2041の円筒面2044へ当接し第一方向(矢印D1)に移動させられる。即ち、反転しコンベヤーの下側(符号DS)に移動してきた触覚ピンは第一保持部材2010の表面(触覚面)より所定量だけ突出した初期状態にリセットされている。さらにベルト2030が駆動ローラ2040に向かって移動し、所定位置に達すると図28に示すごとく、ベルト2030幅方向の一列の触覚ピン数に対応して並設された4個の電動シリンダ2020が作動する。4個の電動シリンダは各触覚ピン2001をそれぞれ所定量だけ第二方向(矢印D2)に移動させる。図28では右から2番目の電動シリンダ2020の移動量が最も大きく、その他の3箇所は同一程度の移動量を示す。
触覚ピン2001を第二方向に移動させるか否か,および移動量(触覚ピンが第一保持部材2010の表面側に凹む量)は各触覚ピン毎に指令される。本実施例では触覚ピン2001が第一保持部材2010の表面から突出する量を0.5mm〜10mmの範囲とした。突出量は任意に設定でき、上限の値10mmは表示する三次元形状に応じ任意に設定すればよい。
前記4個の電動シリンダ2020は長円状に張架したベルト2030の外側に位置し、筐体あるいはベース上に固定されている(図示せず)。前記4個の電動シリンダ2020はベルト2030走行途中の1箇所に配設するだけでよい。
なお、4個の電動シリンダ2020を異なる列毎に作動するよう分散配置してもよい。動作時間がずれることにより電動シリンダの駆動電流のピーク値を下げることもできる。さらに、触覚ピン2001を電動シリンダ2020で直動させることに代え、パルスモータ軸に直結した円板型カム、または円板型カムとレバー等を介し触覚ピン2001を後退させるようにしてもよい。さらに、電動シリンダにより触覚ピン2001が所望量以上に押し込まれないように触覚ピン2001の後端部にストッパーを設けることも任意に実施してよい。
ベルトコンベヤーはエンドレスベルト2030、駆動プーリ2040、従動プーリ2041、支軸2042を回転駆動する駆動モータ(図示せず。)等からなる公知の構成とするのが好ましい。ベルトコンベヤーは通常、下側のベルトが張り、上側のベルトが弛むように構成される。本実施例では視覚障害者が触覚ピンを触圧することを考慮し、コンベヤーの上側においては第二保持部材2011を支えるガイドレールを配設し、コンベヤーの下側においては第一保持部材2010を支えるガイドレールを配設するのが好ましい(図示せず)。
エンドレスベルト2030はステンレス製で厚さ0.4mm、ベルト幅約170mm、ベルト長さ約405mmとし、ベルト上側での触覚ピン表示エリアを略B6サイズ(190mm×130mm)とした。B6サイズでの触覚ピン配設数は、行と列の配設ピッチP1、P2をそれぞれ3mmとした場合、約2,816本となる。表示エリアサイズに応じベルト幅、長さ、触覚ピン数等を設定してよいことは言うまでもない。
エンドレスベルト2030の幅方向の両端部に設けたパーフォレイション2031は、エンドレスベルト2030の送りをスリップ無しで確実に行いたい場合に実施するのが好ましい。その場合、駆動プーリ2040、従動プーリ2041の円筒面に係止歯を植設したスプロケットを用いるのが好ましい。係止歯は前記パーフォレイション2031に係合しエンドレスベルト2030を確実に送れる(図示せず)。
エンドレスベルト2030はB6サイズの表示区間毎に自動停止するとともに、任意に連続送りしたり,早送り可能に構成している。例えば、視覚障害者が文字、図形の触読を終え、「次画面表示」のスイッチを押すとエンドレスベルト2030は1区間分移動し、コンベヤーの下流位置で準備される次の文字または図形、またはその両方が表示される。
視覚障害者が点字文字を連続して読みたい場合、1分間に100文字〜400文字程度の速度でエンドレスベルト2030を右から左方向に連続移動させることも可能に構成している。
このように実施例5における触覚ピン表示装置は連続して文字または図形またはその両方を順次表示することができ、点字紙のような改行操作が不要となる。障害者にとって極めて使い勝手の良い装置となる。
エンドレスベルト2030の回転駆動はギヤトレーンとパルスモータ等を用い任意に構成すればよい。(図示せず。) 電動シリンダ2020を駆動するタイミングは、エンドレスベルト駆動パルスモータ、または駆動プーリ2040と同期して回転するフォトインタラプタ(穿孔した回転板)等により位相検出して行えばよい。(図示せず。)
触覚ピン2001はステンレス製、直径1.2mm、長さ20mm程度とし、両端を略半球状とするのが好ましい。指と接触する頂部の表面アラサを1.5S以下の滑らかな仕上げにするのが好ましい。
触覚ピン2001の保持構造の一例を図29に示す。触覚ピン2001は第一保持部材2010と第二保持部材2011とで進退可能に支承されている。第一保持部材2010と第二保持部材2011はエンドレスベルト2030を挟持するごとくエンドレスベルト2030に配設されている。Oリング2050は第一保持部材2010と第二保持部材2011との間に位置し、かつ、触覚ピン2001に取り付いている。即ち、Oリング2050で触覚ピン2001の側部を弾接保持する構成とした。これにより触覚ピン2001を長軸方向の任意の位置に保持できる。
Oリング2050による触覚ピン2001の保持力は0.4N程度とするのが好ましい。図29において触覚ピン2001の直径を1.2mmとした場合、ニトリルブタヂエンゴム製Oリングの線径を0.6mm、内径を0.8mm程度とするのが好ましい。Oリングは1本の触覚ピンに対し複数個用いてもよい。Oリングの材質、硬度、線径、内径、個数等を所定に選択することにより触覚ピン保持力を任意に設定できる。
前記第一保持部材2010の形状は、上部が2.8mm角の矩形、下部が外径2.4mmの円筒部の段付き形状としている。第二保持部材2011は円筒外形を有し第一保持部材2010の円筒部に係止爪を用い弾接嵌合させている(図29では係止爪を省略)。勿論、接着、圧入等の手段によっても一体的に連繋できる。
上記構成により本実施例の触覚ピン表示装置2100は、ベルト2030幅方向の一列の触覚ピン数に対応して並設されたわずか4個の電動シリンダ2020により文字、図形の連続表示を可能とし、装置の小型化、低価格化を実現する。また、触覚ピンを3mmピッチの多行多列に配設することにより、点字、墨字、三次元形状等を単独または併せて表示できる。さらに、コンベヤーの上側で視覚障害者が文字等を触覚し、コンベヤーの下流または下側で次の文字、図形を準備(表示)できる。
図30は本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部平面図、図31は図30を切断線S12X−S12Yで切断した要部断面図を示す。
図30、図31において符号2301は文字、図形を凹凸で表示するためのステンレス製触覚ピン、2310は触覚ピン2301を進退可能に支承する第一保持部材、2330は平面部を備え,前記触覚ピン2301を進退可能に支承するチェーンである。チェーン2330は樹脂部材たとえばPS樹脂からなり第二保持部材を兼ねる。符号2331は前記チェーンをスプロケット等で引っ掛けて駆動するための金属製ピンを示す。符号2350は前記触覚ピン2301を弾接保持するゴム製Oリング(オーリング)、2360は前記Oリングを穴内に保持する保持器(リテナー)、2300は触覚ピン表示装置を示す。
この場合の触覚ピン表示装置2300も基本的な概念は実施例5と同一である。エンドレスベルトに代えエンドレスチェーンを用いることを特徴とする。前記各チェーン2330は触覚ピン2301を進退自由に多行多列に配設している。配設ピッチP1、P2、P3をそれぞれ3mmとするのが好ましい。
各チェーン2330を屈曲可能に複数個連結してエンドレスのループ状チェーンコンベヤーを形成する構成、チェーンコンベヤーを駆動スプロケットと従動スプロケットとで長円状に張架する構成、チェーンコンベヤーが一定方向に走行する構成、チェーンコンベヤーの走行途中の1箇所に,チェーン2330の幅方向に一列に複数の電動シリンダを並設する構成、電動シリンダの個数はチェーンの幅方向に配設した一列の触覚ピン数に対応する構成(実施例6の場合も4個を例示している)、該電動シリンダにより各触覚ピン2301を第二方向(D2方向)に任意に移動させ第一保持部材から突出する量(突出高さ)をそれぞれ決定する構成等を実施例5の場合と同様としている。
なお、前記触覚ピン2301を第一方向(D1方向)に移動させ初期状態にリセットする手段は、回動可能なローラを用いる構成とした。該回動可能なローラはチェーンが反転し下側(図26の符号DSで示す側)を移動する途中の1箇所に適宜、配設すればよい(図示せず)。また、各チェーン2330に配設する触覚ピン2301の行と列数も任意に設定すればよい。
図31は、触覚ピン2301をチェーン2330の平面部に進退可能に配設する構成の一例を示している。チェーン2330は触覚ピン2301の第二保持部材を兼ねている。触覚ピン2301は第一保持部材2310とチェーン2330によって進退可能に支承されている。また、触覚ピン2301は保持器2360内に配設したOリング2350によって側部を弾接保持され長軸方向の任意の進退位置に保持されている。Oリングの材質、寸法等は実施例5の場合と同様とするのが好ましい。
なお、保持器2360はOリングの組み込みを容易にするもので、別段、用いなくてもよい。第一保持部材2310またはチェーン2330に円形凹部を形成しOリング2350を収納するようにしてもよい。
さらに実施例5と同様、複数個の電動シリンダを分散配置し、触覚ピンを列毎に異なるタイミングで駆動するようにしてもよい。
次に、もう一つの形態のチェーンコンベヤーと触覚ピンの取り付け構造を示す。図32は実施例6におけるもう一つの触覚ピン表示装置の要部断面図を示す。平板状の第二保持部材2370は、所定の間隔で二列に並設したアタッチメント付きチェーン2390の各アタッチメント2380にそれぞれネジ締結されている。触覚ピン2301Aを進退可能に支承する第二保持部材2370上に、Oリング2350Aを収納した保持器2360Aと、触覚ピン2301Aを進退可能に支承する第一保持部材2310Aとを順次積層し、それぞれ一体的にネジ締結する構成としている。該構成により触覚ピン2301Aを進退可能に支承し、長軸方向の任意の位置で保持する。当然のことながら、この場合のアタチメント付きチェーン2390も複数個連結されエンドレスのチェーンコンベヤーを形成する。また、チェーンコンベヤーは長円状に張架される。なおこの場合も、第二保持部材2370に配設する触覚ピン2301Aの行数、列数等は任意に設定すればよい。さらに実施例5と同様、複数個の電動シリンダを分散配置し、触覚ピンを列毎に異なるタイミングで駆動するようにしてもよい。
上記構成により実施例6における触覚ピン表示装置も実施例5の場合と同様に、文字、図形の連続表示を可能とし、装置の小型化、低価格化を実現する。また、触覚ピン2301Aを3mmピッチの多行多列に配設し点字、墨字、図形等を単独または併せて二次元表示または三次元表示できる。さらに、コンベヤーの上側で視覚障害者が文字・図形を触覚し、コンベヤーの下流または下側で次の文字、図形を表示(準備)できる。
上記実施例1〜実施例4で説明した触覚ピンの保持構造は回転円盤または回転ドラムを用いた点字表示装置に限るものでない。回転部材としてエンドレスコンベヤを用いた実施例5、6の触覚ピン表示装置等に用いてよいことは自明である。該エンドレスコンベヤの形態は、ベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ、アタッチメント付きチェーンコンベヤ、個々に分離したパレットを順次搬送するパレットコンベヤ等任意の形態で実施してよいことも自明である。
触覚ピン保持構造の一例として、例えば回転するドラムの円筒面を触覚面とし,該円筒面に触覚ピンを等角度毎の環状に,かつ進退自由に支承する場合、ドラム円筒面に環状凹溝を形成し、該凹溝内に一つのゴム製Oリングまたは一つの輪の切れた紐状弾性部材のいずれか一方を巻回することにより、円筒面に配設した複数の触覚ピン側部を片側より押圧、保持することができる(図示せず)。即ち、一つの弾性部材で該一つの弾性部材に当接する全ての触覚ピンをまとめて保持できる。
さらに上記各実施例において、触覚ピンの長軸部に環状凹溝を少なくとも一箇所配設することも任意に実施してよい。そして、触覚ピンが触覚面より所定の高さに突出した状態で前記環状凹溝に弾性部材(リング状部材、棒状部材、チューブ状部材、ゴムシート、板ばね等の内から選んだいずれか一つ)を嵌まり込ませ、点字または図形の触覚に際し触覚ピン保持力(抗圧力)を増すようにしてもよい。
さらに、触覚面からの触覚ピン突出高さを初期状態に一定に揃えるリセット操作において、上記各実施例で述べた第一位置または第二位置のいずれの側にリセット位置を設定してよいことも自明である。
さらに、光触媒を触覚ピンや触覚ピン保持部材、回転部材等に配設することの他に、任意の点字表示部材に配設してよいことも自明である。例えば、空気圧と膨張樹脂によってドット状に膨らませる点字セル部材、加熱によりドット状に隆起する発泡樹脂製点字表示部材等に光触媒を配設してもよい。また、点字シート、点字本、点字ラベル、点字ブロック、点字付きキーボード等の各種点字表示部材を構成する場合、点字の表面または点字部材内部の少なくとも一方に光触媒を配設することにより、付着した細菌、汗、手脂、食物かす等を分解できる。
本発明の実施例における触覚ピン表示装置は、たとえば点字表示装置としてパソコンと連携しインターネットのホームページ閲覧、電子メール等を可能にする。更なる小型・軽量化を図り、携帯電話やPDA等と連携しモバイルインターネットの点字表示端末として利用できる。勿論、券売機、現金自動取引装置(ATM)、自販機、電子本の読書機、ファクシミリ、点字学習機、電子投票装置、ナビゲーション装置等、各種電子機器の点字表示端末としても利用できることは言うまでもない。
本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材の上円板を外した状態の要部平面図 図1に上円板を取り付けた状態でS1X―S1Yで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材の上円板を外した状態の要部平面図 図3に上円板を取り付けた状態でS2X―S2Yで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材の上円板を外した状態の要部平面図 図5に上円板を取り付けた状態でS3X―S3Yで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン示装置を構成する平板部材の上平板を外した状態の要部平面図 図7に上平板を取り付けた状態でS4X―S4Yで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部斜視図 図9から筐体を取り外した状態の概念の要部平面図 図10の要部側面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材駆動モータ、アクチュエータ等の制御回路のブロック構成図 本発明の一実施例における触覚ピン保持構造であって、触覚ピンが下円板に係合した状態の要部断面図 図13における触覚ピンの係合解除過程の要部断面図 図13における触覚ピンの係合が下円板から解除された状態の要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン保持構造であって触覚ピンが下円板に係合した状態の要部断面図 図16における触覚ピンの係合が下円板から解除された状態の要部断面図 (A) 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部断面図(B) 図18(A)を構成するカムの要部側面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する回転部材、触覚ピン保持構造、触覚ピン駆動手段の要部断面図 (A) 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部断面図(B) 図20(A)を構成するカムの要部側面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成する弾性シートユニットと下円板の要部平面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部平面図 図22の要部側面図 図22のA部拡大断面図 図22を切断線SX−SYで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の一部分が断面の要部側面図 図26の要部平面図 図26を切断線S10X−S10Yで切断した要部断面図 図26を切断線S11X−S11Yで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置の概念の要部平面図 図8を切断線S12X−S12Yで切断した要部断面図 本発明の一実施例における触覚ピン表示装置を構成するアタッチメント付きチェーンコンベヤの要部断面図
符号の説明
1、201、301、501、601、1001、2001、2301、601A、2301A、6200 触覚ピン
2、3、1002 凹溝
4 弾性係止部材
5 V字形部
6 ネジ
10、210、310、410、910、920、940、1010、4100 回転部材
10A 外輪部材
10B 内輪部材
11、31、211、311、470 支軸
20A、20B、20C、220、320 電磁ソレノイド
21A、21B、21C、221、321 移動部材
30、430、440、4300 ローラ
100、200、300、400、2100、2300 触覚ピン表示装置
310A、410A、410AA、910A、920A、940A、1010A、4100A 上円板
310B、410B、410BB、510B、910B、920B、940B、1010B、4100B 下円板
204 弾性シート部材
230、330 カム
240、340、G1、G2 歯車
260 止め輪
250、350 ベース
360、2360、2360A リテナー(保持器)
370、370A、370B、370C、2050、2350、2350A、3700A Oリング(オーリング)
410C 中円板
420、4200 係合部
421 円盤型カム
450、460、4600 穴
480 壁面
490 端部
4900 受け部
504 弾性シートユニット
610、6100 段部
620、6200 下端部
700、7000 解除カム
800 筐体
830 装填口
840 指標部
841 案内レール
900、930 弾性部材
940 平板部材
940A 上平板
940B 下平板
950 圧縮コイルばね
2010、2310、2310A 第一保持部材
2011、2370 第二保持部材
2020 電動シリンダ
2021 移動部材
2030 ベルト
2031 パーフォレイション
2040 駆動プーリー
2041 従動プーリー
2042、2043 支軸
2330 チェーン
2331 ピン
2380 アタッチメント
2390 アタッチメント付きチェーン
D1 第一方向
D2 第二方向
P1、P2、P3 ピッチ
TS 触覚面
US 上側
DS 下側

Claims (15)

  1. 触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する保持部材と、前記保持部材に直線状の凹溝を配設し,該凹溝内に配置した非金属の紐状弾性部材により前記複数の触覚ピンの側部を片側より一方向に押圧し前記各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持するようにしたことを特徴とする触覚ピン保持装置
  2. 触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する保持部材と、前記保持部材に直線状の凹溝を放射状に複数配設し,該各凹溝内に配置した非金属の紐状弾性部材により前記複数の触覚ピンの側部を片側より一方向に押圧し前記各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持するようにしたことを特徴とする触覚ピン保持装置
  3. 触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する保持部材と、前記保持部材に直線状の凹溝を平行に複数配設し,該各凹溝内に配置した非金属の紐状弾性部材により前記複数の触覚ピンの側部を片側より一方向に押圧し前記各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持するようにしたことを特徴とする触覚ピン保持装置
  4. 非金属の紐状弾性部材に代え非金属のチューブ状弾性部材としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触覚ピン保持装置
  5. 触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する保持部材と、前記保持部材に環状の凹溝を同心円状に複数配設し,該各凹溝内に環状に配置した非金属の紐状弾性部材により前記複数の触覚ピンの側部を片側より一方向に押圧し前記各触覚ピンを前記進退方向の任意位置で保持するようにしたことを特徴とする触覚ピン保持装置
  6. 非金属の紐状弾性部材を輪状部材、輪が切れた輪状部材、棒状部材、チューブ状部材の内から選んだ一つとしたことを特徴とする請求項5記載の触覚ピン保持装置
  7. 触覚面に穴を複数穿設し, 前記各穴内に段部を有する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に備えた保持部材と、前記保持部材に環状の凹溝を同心円状に複数配設し,該各凹溝内に環状に配置した非金属の紐状弾性部材と、前記保持部材に配設されて,前記各触覚ピンの段部と係合する係合部とを備え、前記各触覚ピンは前記保持部材の触覚面から突出した位置で前記段部が前記係合部と係合するようにしたことを特徴とする触覚ピン保持装置
  8. ピンの段部と係合部との係合を解除する解除手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の触覚ピン保持装置。
  9. 非金属の紐状弾性部材を輪状部材、輪が切れた輪状部材、棒状部材、チューブ状部材の内から選んだ一つとしたことを特徴とする請求項7記載の触覚ピン保持装置
  10. 触覚面に穴を複数穿設し,前記各穴内に文字・図形を表示する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に支承する回転部材と、前記回転部材に環状の凹溝を同心円状に複数配設し,該各凹溝内に環状に配置されて前記触覚ピンの側部を片側より押圧し前記進退方向の任意位置で前記各触覚ピンを保持する非金属の紐状弾性部材と、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定する複数のアクチュエータと、前記回転部材の近傍に位置し,前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記複数のアクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴とする触覚ピン表示装置
  11. 複数のアクチュエータを回転部材の円周方向にそれぞれ離間して配置したことを特徴とする請求項10記載の触覚ピン表示装置。
  12. 非金属の紐状弾性部材を輪状部材、輪が切れた輪状部材、棒状部材、チューブ状部材の内から選んだ一つとしたことを特徴とする請求項10記載の触覚ピン表示装置
  13. 触覚面に穴を複数穿設し, 前記各穴内に段部を有する触覚ピンを前記触覚面から所望の高さに突出可能に進退自由に備えた回転部材と、前記回転部材に環状の凹溝を同心円状に複数配設し,該各凹溝内に環状に配置されて前記触覚ピンの側部を片側より押圧し前記進退方向の任意位置で前記各触覚ピンを保持する非金属の紐状弾性部材と、前記回転部材に配設されて,前記各触覚ピンの段部と係合する係合部と、前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さを所望に設定するアクチュエータと、前記触覚ピンに当接して前記触覚面からの前記触覚ピン突出高さをリセットするリセット手段と、前記リセット手段より前記回転部材の回転上流に位置しかつ前記触覚ピンの段部と前記係合部の係合を解除する係合解除手段と、前記アクチュエータを選択的に駆動する選択駆動手段と、前記回転部材を回転駆動する回転駆動手段とを備え、前記各触覚ピンは前記触覚面から突出した位置で前記段部が前記係合部と係合するようにしたことを特徴とする触覚ピン表示装置。
  14. 複数のアクチュエータを回転部材の円周方向にそれぞれ離間して配置したことを特徴とする請求項13記載の触覚ピン表示装置。
  15. 非金属の紐状弾性部材を輪状部材、輪が切れた輪状部材、棒状部材、チューブ状部材の内から選んだ一つとしたことを特徴とする請求項13記載の触覚ピン表示装置
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