JP2005048989A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで、冷媒の圧力損失による冷凍能力の減少を防ぐことができる冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷媒を圧縮するコンプレッサ10の吸入圧力を調整する比例制御弁8と、コンプレッサ10の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する低圧センサ9と、コンプレッサ10の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する高圧センサ12とを有し、比例制御弁8を用いて、低圧センサ9により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御すると共に、高圧センサ12により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】冷媒を圧縮するコンプレッサ10の吸入圧力を調整する比例制御弁8と、コンプレッサ10の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する低圧センサ9と、コンプレッサ10の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する高圧センサ12とを有し、比例制御弁8を用いて、低圧センサ9により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御すると共に、高圧センサ12により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍車や鉄道コンテナ等の荷物庫には、荷物を保温(冷凍、冷蔵等)するための冷凍装置が設けられており、荷物庫内を所定の設定温度に維持するために、外部からの浸入熱負荷と同一の冷凍能力になるように、冷凍装置からの冷風の吹出温度を制御する必要がある。
【0003】
具体的には、冷凍装置を構成するコンプレッサの吸入側に比例制御弁を設け、設定温度と吹出温度の偏差値に対して、比例制御弁の開度を算出して、適切な冷凍能力になるように制御している。又、コンプレッサの吸入側には、吸入圧力調整弁(以下、SPRと呼ぶ。)が設けられており、冷媒の低圧圧力の上昇により、負荷動力及び高圧圧力が制限を越えるのを防ぐために、低圧圧力が所定値以上にならないように、SPRにて低圧圧力を制御している。更に、コンプレッサの吸入側には、圧力制御弁が設けられており、冷媒の高圧圧力の上昇により、高圧スイッチが作動して装置自体が停止するのを防ぐために、高圧圧力が所定値以上にならないように、圧力制御弁にて吸入圧力を制御することで、高圧圧力を制御している。なお、SPRは、ホットガスバイパスの加熱運転やデフロスト(霜取)運転時には、冷媒の絞り装置の役割も果たしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平05−180517号公報
【特許文献2】
特開平10−232076号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍装置では、コンプレッサの吸入側に、比例制御弁やSPRや圧力制御弁等の複数の弁を設置しているため、製造コストが高くなり、又、これら複数の制御弁の使用による冷媒の圧力損失も増大するため、冷凍能力が減少してしまう問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、低コストで、冷媒の圧力損失による冷凍能力の減少を防ぐことができる冷凍装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
圧縮手段の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段とを有し、
吸入圧力調整手段を用いて、吸入圧力検出手段により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
圧縮手段の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有し、
吸入圧力調整手段を用いて、吐出圧力検出手段により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
圧縮手段の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段と、
圧縮手段の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有し、
吸入圧力調整手段を用いて、吸入圧力検出手段により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御すると共に、吐出圧力検出手段により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
上記冷凍装置において、
吸入圧力調整手段が、所定のパルス数毎に開度を調整して、所定の吸入圧力又は所定の吐出圧力に制御することを特徴とする。
【0011】
なお、上記吸入圧力調整手段は、ホットガスバイパスの加熱運転やデフロスト運転時には、冷媒の絞り装置の役割も果たす。
【発明の実施の形態】
【0012】
図1は、本発明に係る冷凍装置の実施形態の一例を示す構成図である。
【0013】
本発明に係る冷凍装置は、主に、エバポレータユニット1とコンデンシングユニット2とから構成される。
【0014】
冷却行程の場合、エバポレータユニット1では、コンデンシングユニット2から配管L1を経由して供給された高圧の液相冷媒が、イクスパンションバルブ5にて急速に断熱膨張されて低温低圧の液相冷媒となり、ディストリビュータ6にてエバポレータ3へ均等に分配される。エバポレータ3は、図面の都合上、1本の配管で図示しているが、多数の配管が並列に接続されて構成されている。エバポレータ3に流入された低温低圧の液相冷媒は、ここで周囲の空気の熱を奪って蒸発し低圧の気相冷媒となる。なお、図示していないが、エバポレータ3に対向してエバポレータファンが配設されており、エバポレータ3に冷却された空気を適切に還流するようにして、荷物庫内全体を適切に冷却している。
【0015】
エバポレータ3にて気相状態となった冷媒は、その後ヒートアキュムレータ4へ流入され、ここで、エバポレータ3で蒸発しきれなかった液相冷媒と気相冷媒を分離する。これは、蒸発しきれない液冷媒がコンプレッサ10に吸入されると、液圧縮によりコンプレッサ10等が損傷するためである。そして、気相冷媒のみがコンデンシングユニット2へ、配管L2を経由して戻される。
【0016】
又、加熱行程やデフロスト行程の場合、エバポレータユニット1では、コンデンシングユニット2から配管L3を経由して供給された高温高圧の気相冷媒が、ドレンパンヒータ7を経由した後、ディストリビュータ6を介して、エバポレータ3へ流入され、加熱やデフロストを行なう。そして、周囲に熱を放出した気相冷媒は、気相状態のままヒートアキュムレータ4を経由し、配管L2を経由して、コンデンシングユニット2へ戻される。
【0017】
エバポレータユニット1から戻された気相冷媒は、適切な低圧圧力に調整されてコンプレッサ10(圧縮手段)へ吸入される。従来の冷凍装置では、別途、吸入圧力調整弁(SPR)をコンプレッサ10の吸入側へ設けることで、コンプレッサ10へ吸入される気相冷媒の低圧圧力を調整していた。しかし、本発明に係る冷凍装置では、SPRを廃止し、比例制御弁8(吸入圧力調整手段)とコンプレッサ10との間の吸入側に設けた低圧センサ9(吸入圧力検出手段)と、吸入される気相冷媒の低圧圧力を調整することで冷凍能力の調整を行なう比例制御弁8とにより、SPRの機能を兼用するものとした。つまり、比例制御弁8は、冷凍能力制御と低圧圧力制御の役割を担うこととなる。
【0018】
比例制御弁8は、ステッピングモータ等の駆動手段により、その開度を自由に制御できるものである。具体的な動作としては、低圧センサ9の検出圧力が所定値を超えた場合、比例制御弁8の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御して、低圧センサ9の検出する低圧圧力を所定値以下へ制御する。そして、低圧センサ9の検出する低圧圧力が所定値以下になった時点で、比例制御弁8の閉動作を終了する(後述の図2のグラフ参照)。なお、比例制御弁8は、低圧圧力の異常低下が発生した場合には、上記と逆の開動作を行なうことで、低圧圧力を適切な圧力範囲に上昇するようにしてもよい。
【0019】
所定の低圧圧力にされた気相冷媒は、コンプレッサ10に吸入され、所定の高圧圧力まで圧縮されて吐出される。コンプレッサ10には、安全装置として高圧スイッチ11が設けられ、何らかの異常等により、吐出圧力が所定値以上になった場合、異常運転による故障等を未然に防ぐため、コンプレッサ10の動作を停止するようになっている。
【0020】
従来の冷凍装置では、別途、圧力制御弁をコンプレッサ10の吸入側へ設けることで、コンプレッサ10から吐出される気相冷媒の高圧圧力を制御していた。しかし、本発明に係る冷凍装置では、コンプレッサ10とオイルセパレータ13との吐出側に、新たに高圧センサ12(吐出圧力検出手段)を設け、前述の比例制御弁8と高圧センサ12とを用いることで、圧力制御弁の機能を兼用するものとした。つまり、比例制御弁8は、前述の冷凍能力制御と低圧圧力制御に加えて、高圧圧力制御の役割も担うこととなる。
【0021】
具体的な動作としては、高圧センサ12の検出する吐出圧力が所定値を超えた場合、比例制御弁8の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御して、高圧センサ12の検出する吐出圧力を所定値以下へ制御する。そして、高圧センサ12の検出圧力が所定値以下へなった時点で、比例制御弁8の閉動作を終了する(後述の図3のグラフ参照)。
【0022】
所定の高圧圧力に圧縮された気相冷媒は、オイルセパレータ13を経由して、コンデンサライン側(配管L1側)又はホットガスライン側(配管L3側)へ流入される。オイルセパレータ13では、冷媒中に混入されたコンプレッサ10の潤滑油を、コンプレッサ10の吐出側で気相冷媒と分離し、潤滑油のみをコンプレッサ10の吸入側へ還流するようにしている。これは、潤滑油がエバポレータ3やコンデンサ15に流入すると熱伝導を妨げるためである。
【0023】
冷却行程の場合、コンデンサ電磁弁14が開き、デフロスト電磁弁20が閉じることで、コンデンサ15に高温高圧の気相冷媒が流入される。ここで、高温高圧の気相冷媒は冷却されて(熱を放出して)、凝縮して高圧の液相冷媒となる。そして、液相状態となった冷媒は、レシーバ16に流入される。レシーバ16では、負荷変動によるエバポレータ3内の冷媒量の変動を吸収するために、余分な液相冷媒が貯留され、適切な量の液相冷媒がドライヤ18に流入される。
【0024】
ドライヤ18では、液相冷媒中の水分が取り除かれている。これは、冷媒中の水分を取り除くことで、イクスパンションバルブ5等の細い穴に分離した水分が凍りつき、冷媒がエバポレータ3に流れなくなるのを防止するためである。水分が取り除かれた液相冷媒は、配管中の液相冷媒の流れを目視確認できるサイトグラス19を経由して、配管L1を通過してエバポレータユニット1へ供給される。
【0025】
又、加熱行程やデフロスト行程の場合、デフロスト電磁弁20が開き、コンデンサ電磁弁14が閉じることで、ホットガスライン側(配管L3側)に高温高圧の気相冷媒が流入され、その高温高圧の気相冷媒が、配管L3を通過してエバポレータユニット1へ供給される。
【0026】
次に、図2及び図3を用いて、本発明に係る冷凍装置における低圧圧力制御及び高圧圧力制御を説明する。
【0027】
図2は、本発明に係る冷凍装置における低圧圧力制御を説明するグラフである。
図2中、HPは高圧圧力側の検出圧力値を、LPは低圧圧力側の検出圧力値を、EVはエバポレータの出口の圧力値を、Tsは設定温度を示す。
【0028】
図2に示すように、本発明に係る冷凍装置では、LP所定値以下になるように、比例制御弁の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御しているので、低圧圧力LPが速やかにLP所定値以下に制御されることとなる。そして、LP所定値以下へなった時点で、比例制御弁の閉動作を終了するようにしている。したがって、低圧圧力LPが速やかにLP所定値以下に制御されるため、高圧圧力HP側への圧力変動へもほとんど影響なく、高圧圧力HPも速やかに適切な圧力へ制御することが可能となる。
【0029】
図3は、本発明に係る冷凍装置における高圧圧力制御を説明するグラフである。
図3中、HPは高圧圧力側の検出圧力値を、LPは低圧圧力側の検出圧力値を、EVはエバポレータの出口の圧力値を、Tsは設定温度を示す。
【0030】
図3に示すように、本発明に係る冷凍装置では、高圧圧力HPがHP所定値以上になった場合、HP所定値以下になるように、比例制御弁の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御しているので、高圧圧力HPが速やかにHP所定値以下に制御されることとなる。そして、HP所定値以下へなった時点で、比例制御弁の閉動作を終了するようにしている。したがって、高圧圧力HPが速やかにHP所定値以下に制御されるため、高圧圧力HPを適切な圧力へ制御することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、吸入圧力調整弁や圧力制御弁の替わりに、低圧センサや高圧センサを設けて、比例制御弁にて冷媒の圧力を調整するので、低コストの冷凍装置を構成することができる。
【0032】
又、吸入圧力調整弁や圧力制御弁を廃止したので、吸入圧力調整弁や圧力制御弁での圧力損失がなくなり、冷凍能力の減少を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍装置の実施形態の一例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る冷凍装置における低圧圧力制御を説明するグラフである。
【図3】本発明に係る冷凍装置における高圧圧力制御を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 エバポレータユニット
2 コンデンシングユニット
3 エバポレータ
4 ヒートアキュムレータ
5 イクスパンションバルブ
6 ディストリビュータ
7 ドレンパンヒータ
8 比例制御弁
9 低圧センサ
10 コンプレッサ
11 高圧スイッチ
12 高圧センサ
13 オイルセパレータ
14 コンデンサ電磁弁
15 コンデンサ
16 レシーバ
17 液インジェクション電磁弁
18 ドライヤ
19 サイトグラス
20 デフロスト電磁弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍車や鉄道コンテナ等の荷物庫には、荷物を保温(冷凍、冷蔵等)するための冷凍装置が設けられており、荷物庫内を所定の設定温度に維持するために、外部からの浸入熱負荷と同一の冷凍能力になるように、冷凍装置からの冷風の吹出温度を制御する必要がある。
【0003】
具体的には、冷凍装置を構成するコンプレッサの吸入側に比例制御弁を設け、設定温度と吹出温度の偏差値に対して、比例制御弁の開度を算出して、適切な冷凍能力になるように制御している。又、コンプレッサの吸入側には、吸入圧力調整弁(以下、SPRと呼ぶ。)が設けられており、冷媒の低圧圧力の上昇により、負荷動力及び高圧圧力が制限を越えるのを防ぐために、低圧圧力が所定値以上にならないように、SPRにて低圧圧力を制御している。更に、コンプレッサの吸入側には、圧力制御弁が設けられており、冷媒の高圧圧力の上昇により、高圧スイッチが作動して装置自体が停止するのを防ぐために、高圧圧力が所定値以上にならないように、圧力制御弁にて吸入圧力を制御することで、高圧圧力を制御している。なお、SPRは、ホットガスバイパスの加熱運転やデフロスト(霜取)運転時には、冷媒の絞り装置の役割も果たしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平05−180517号公報
【特許文献2】
特開平10−232076号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍装置では、コンプレッサの吸入側に、比例制御弁やSPRや圧力制御弁等の複数の弁を設置しているため、製造コストが高くなり、又、これら複数の制御弁の使用による冷媒の圧力損失も増大するため、冷凍能力が減少してしまう問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、低コストで、冷媒の圧力損失による冷凍能力の減少を防ぐことができる冷凍装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
圧縮手段の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段とを有し、
吸入圧力調整手段を用いて、吸入圧力検出手段により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
圧縮手段の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有し、
吸入圧力調整手段を用いて、吐出圧力検出手段により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
圧縮手段の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段と、
圧縮手段の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有し、
吸入圧力調整手段を用いて、吸入圧力検出手段により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御すると共に、吐出圧力検出手段により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明に係る冷凍装置は、
上記冷凍装置において、
吸入圧力調整手段が、所定のパルス数毎に開度を調整して、所定の吸入圧力又は所定の吐出圧力に制御することを特徴とする。
【0011】
なお、上記吸入圧力調整手段は、ホットガスバイパスの加熱運転やデフロスト運転時には、冷媒の絞り装置の役割も果たす。
【発明の実施の形態】
【0012】
図1は、本発明に係る冷凍装置の実施形態の一例を示す構成図である。
【0013】
本発明に係る冷凍装置は、主に、エバポレータユニット1とコンデンシングユニット2とから構成される。
【0014】
冷却行程の場合、エバポレータユニット1では、コンデンシングユニット2から配管L1を経由して供給された高圧の液相冷媒が、イクスパンションバルブ5にて急速に断熱膨張されて低温低圧の液相冷媒となり、ディストリビュータ6にてエバポレータ3へ均等に分配される。エバポレータ3は、図面の都合上、1本の配管で図示しているが、多数の配管が並列に接続されて構成されている。エバポレータ3に流入された低温低圧の液相冷媒は、ここで周囲の空気の熱を奪って蒸発し低圧の気相冷媒となる。なお、図示していないが、エバポレータ3に対向してエバポレータファンが配設されており、エバポレータ3に冷却された空気を適切に還流するようにして、荷物庫内全体を適切に冷却している。
【0015】
エバポレータ3にて気相状態となった冷媒は、その後ヒートアキュムレータ4へ流入され、ここで、エバポレータ3で蒸発しきれなかった液相冷媒と気相冷媒を分離する。これは、蒸発しきれない液冷媒がコンプレッサ10に吸入されると、液圧縮によりコンプレッサ10等が損傷するためである。そして、気相冷媒のみがコンデンシングユニット2へ、配管L2を経由して戻される。
【0016】
又、加熱行程やデフロスト行程の場合、エバポレータユニット1では、コンデンシングユニット2から配管L3を経由して供給された高温高圧の気相冷媒が、ドレンパンヒータ7を経由した後、ディストリビュータ6を介して、エバポレータ3へ流入され、加熱やデフロストを行なう。そして、周囲に熱を放出した気相冷媒は、気相状態のままヒートアキュムレータ4を経由し、配管L2を経由して、コンデンシングユニット2へ戻される。
【0017】
エバポレータユニット1から戻された気相冷媒は、適切な低圧圧力に調整されてコンプレッサ10(圧縮手段)へ吸入される。従来の冷凍装置では、別途、吸入圧力調整弁(SPR)をコンプレッサ10の吸入側へ設けることで、コンプレッサ10へ吸入される気相冷媒の低圧圧力を調整していた。しかし、本発明に係る冷凍装置では、SPRを廃止し、比例制御弁8(吸入圧力調整手段)とコンプレッサ10との間の吸入側に設けた低圧センサ9(吸入圧力検出手段)と、吸入される気相冷媒の低圧圧力を調整することで冷凍能力の調整を行なう比例制御弁8とにより、SPRの機能を兼用するものとした。つまり、比例制御弁8は、冷凍能力制御と低圧圧力制御の役割を担うこととなる。
【0018】
比例制御弁8は、ステッピングモータ等の駆動手段により、その開度を自由に制御できるものである。具体的な動作としては、低圧センサ9の検出圧力が所定値を超えた場合、比例制御弁8の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御して、低圧センサ9の検出する低圧圧力を所定値以下へ制御する。そして、低圧センサ9の検出する低圧圧力が所定値以下になった時点で、比例制御弁8の閉動作を終了する(後述の図2のグラフ参照)。なお、比例制御弁8は、低圧圧力の異常低下が発生した場合には、上記と逆の開動作を行なうことで、低圧圧力を適切な圧力範囲に上昇するようにしてもよい。
【0019】
所定の低圧圧力にされた気相冷媒は、コンプレッサ10に吸入され、所定の高圧圧力まで圧縮されて吐出される。コンプレッサ10には、安全装置として高圧スイッチ11が設けられ、何らかの異常等により、吐出圧力が所定値以上になった場合、異常運転による故障等を未然に防ぐため、コンプレッサ10の動作を停止するようになっている。
【0020】
従来の冷凍装置では、別途、圧力制御弁をコンプレッサ10の吸入側へ設けることで、コンプレッサ10から吐出される気相冷媒の高圧圧力を制御していた。しかし、本発明に係る冷凍装置では、コンプレッサ10とオイルセパレータ13との吐出側に、新たに高圧センサ12(吐出圧力検出手段)を設け、前述の比例制御弁8と高圧センサ12とを用いることで、圧力制御弁の機能を兼用するものとした。つまり、比例制御弁8は、前述の冷凍能力制御と低圧圧力制御に加えて、高圧圧力制御の役割も担うこととなる。
【0021】
具体的な動作としては、高圧センサ12の検出する吐出圧力が所定値を超えた場合、比例制御弁8の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御して、高圧センサ12の検出する吐出圧力を所定値以下へ制御する。そして、高圧センサ12の検出圧力が所定値以下へなった時点で、比例制御弁8の閉動作を終了する(後述の図3のグラフ参照)。
【0022】
所定の高圧圧力に圧縮された気相冷媒は、オイルセパレータ13を経由して、コンデンサライン側(配管L1側)又はホットガスライン側(配管L3側)へ流入される。オイルセパレータ13では、冷媒中に混入されたコンプレッサ10の潤滑油を、コンプレッサ10の吐出側で気相冷媒と分離し、潤滑油のみをコンプレッサ10の吸入側へ還流するようにしている。これは、潤滑油がエバポレータ3やコンデンサ15に流入すると熱伝導を妨げるためである。
【0023】
冷却行程の場合、コンデンサ電磁弁14が開き、デフロスト電磁弁20が閉じることで、コンデンサ15に高温高圧の気相冷媒が流入される。ここで、高温高圧の気相冷媒は冷却されて(熱を放出して)、凝縮して高圧の液相冷媒となる。そして、液相状態となった冷媒は、レシーバ16に流入される。レシーバ16では、負荷変動によるエバポレータ3内の冷媒量の変動を吸収するために、余分な液相冷媒が貯留され、適切な量の液相冷媒がドライヤ18に流入される。
【0024】
ドライヤ18では、液相冷媒中の水分が取り除かれている。これは、冷媒中の水分を取り除くことで、イクスパンションバルブ5等の細い穴に分離した水分が凍りつき、冷媒がエバポレータ3に流れなくなるのを防止するためである。水分が取り除かれた液相冷媒は、配管中の液相冷媒の流れを目視確認できるサイトグラス19を経由して、配管L1を通過してエバポレータユニット1へ供給される。
【0025】
又、加熱行程やデフロスト行程の場合、デフロスト電磁弁20が開き、コンデンサ電磁弁14が閉じることで、ホットガスライン側(配管L3側)に高温高圧の気相冷媒が流入され、その高温高圧の気相冷媒が、配管L3を通過してエバポレータユニット1へ供給される。
【0026】
次に、図2及び図3を用いて、本発明に係る冷凍装置における低圧圧力制御及び高圧圧力制御を説明する。
【0027】
図2は、本発明に係る冷凍装置における低圧圧力制御を説明するグラフである。
図2中、HPは高圧圧力側の検出圧力値を、LPは低圧圧力側の検出圧力値を、EVはエバポレータの出口の圧力値を、Tsは設定温度を示す。
【0028】
図2に示すように、本発明に係る冷凍装置では、LP所定値以下になるように、比例制御弁の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御しているので、低圧圧力LPが速やかにLP所定値以下に制御されることとなる。そして、LP所定値以下へなった時点で、比例制御弁の閉動作を終了するようにしている。したがって、低圧圧力LPが速やかにLP所定値以下に制御されるため、高圧圧力HP側への圧力変動へもほとんど影響なく、高圧圧力HPも速やかに適切な圧力へ制御することが可能となる。
【0029】
図3は、本発明に係る冷凍装置における高圧圧力制御を説明するグラフである。
図3中、HPは高圧圧力側の検出圧力値を、LPは低圧圧力側の検出圧力値を、EVはエバポレータの出口の圧力値を、Tsは設定温度を示す。
【0030】
図3に示すように、本発明に係る冷凍装置では、高圧圧力HPがHP所定値以上になった場合、HP所定値以下になるように、比例制御弁の開度を所定パルス数毎に徐々に閉じるように制御しているので、高圧圧力HPが速やかにHP所定値以下に制御されることとなる。そして、HP所定値以下へなった時点で、比例制御弁の閉動作を終了するようにしている。したがって、高圧圧力HPが速やかにHP所定値以下に制御されるため、高圧圧力HPを適切な圧力へ制御することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、吸入圧力調整弁や圧力制御弁の替わりに、低圧センサや高圧センサを設けて、比例制御弁にて冷媒の圧力を調整するので、低コストの冷凍装置を構成することができる。
【0032】
又、吸入圧力調整弁や圧力制御弁を廃止したので、吸入圧力調整弁や圧力制御弁での圧力損失がなくなり、冷凍能力の減少を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍装置の実施形態の一例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る冷凍装置における低圧圧力制御を説明するグラフである。
【図3】本発明に係る冷凍装置における高圧圧力制御を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 エバポレータユニット
2 コンデンシングユニット
3 エバポレータ
4 ヒートアキュムレータ
5 イクスパンションバルブ
6 ディストリビュータ
7 ドレンパンヒータ
8 比例制御弁
9 低圧センサ
10 コンプレッサ
11 高圧スイッチ
12 高圧センサ
13 オイルセパレータ
14 コンデンサ電磁弁
15 コンデンサ
16 レシーバ
17 液インジェクション電磁弁
18 ドライヤ
19 サイトグラス
20 デフロスト電磁弁
Claims (4)
- 冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
前記圧縮手段の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段とを有し、
前記吸入圧力調整手段を用いて、前記吸入圧力検出手段により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御することを特徴とする冷凍装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
前記圧縮手段の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有し、
前記吸入圧力調整手段を用いて、前記吐出圧力検出手段により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御することを特徴とする冷凍装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮手段の吸入圧力を調整する吸入圧力調整手段と、
前記圧縮手段の吸入側に設けられ、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段と、
前記圧縮手段の吐出側に設けられ、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有し、
前記吸入圧力調整手段を用いて、前記吸入圧力検出手段により検出される冷媒の吸入圧力を、所定の吸入圧力以下に制御すると共に、前記吐出圧力検出手段により検出される冷媒の吐出圧力を、所定の吐出圧力以下に制御することを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷凍装置において、
前記吸入圧力調整手段は、所定のパルス数毎に開度を調整して、所定の吸入圧力又は所定の吐出圧力に制御することを特徴とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
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JP2003204400A JP2005048989A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003204400A JP2005048989A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 冷凍装置 |
Publications (1)
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JP2005048989A true JP2005048989A (ja) | 2005-02-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003204400A Withdrawn JP2005048989A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 冷凍装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005048989A (ja) |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204400A patent/JP2005048989A/ja not_active Withdrawn
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