JP2005048620A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】PF再生処理中に排気温度を上昇させて効果的にPMを燃焼させるとともに、このようなPF再生処理が頻繁に行われることを防止することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン3に動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機1と、エンジン1の排気通路12に設けられたDPF22と、排気通路12におけるDPF22の前後差圧を検知する差圧検知手段37,38と、DPF22のPM堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときにDPF22の再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段30と、再生タイミング判定手段の判定結果に応じてPF再生処理を行う再生手段3,15,21と、PM堆積量の推定中にDPF22の前後差圧が増大するようにモータ1を制御する発電機制御手段30とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン3に動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機1と、エンジン1の排気通路12に設けられたDPF22と、排気通路12におけるDPF22の前後差圧を検知する差圧検知手段37,38と、DPF22のPM堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときにDPF22の再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段30と、再生タイミング判定手段の判定結果に応じてPF再生処理を行う再生手段3,15,21と、PM堆積量の推定中にDPF22の前後差圧が増大するようにモータ1を制御する発電機制御手段30とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタを備えた車両の制御装置に関し、特にパティキュレートフィルタを再生させるために堆積したパティキュレートマターを排気熱によって燃焼させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンの排ガス浄化に関し、パティキュレートマター(排ガスに含まれる煤などの粒子状物質。以下PMと略称する)の削減要求が高まっている。これに対し、排ガスからPMを除去する装置としてパティキュレートフィルタ(以下PFと略称する。特にディーゼルエンジン用のものをDPFと称する)が一般的に用いられている。
【0003】
PFはエンジンの排気通路に設けられてPMを捕集するが、その堆積量が増加すると次第に目詰まりし、充分な捕集能力を発揮しなくなる。そこで、その目詰まりを解消するPF再生処理が必要となる。PF再生処理として、例えば堆積したPMを高温の排ガスによって燃焼させて目詰まりを解消する方法が採られる。
【0004】
このようなPF再生処理を行う車両として、PM堆積量を推定し、その値が所定値以上となったときにPF再生処理を実行するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に示された装置は、排気通路におけるPFの前後差圧を検知し、その値が所定値以上となったときに、PM堆積量の増大によってPFが目詰まりしているものとして再生処理の要求を発するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−242721号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PFの前後差圧はPMの堆積量のみによって決定するものではなく、エンジンの出力状態(トルクや回転数)によっても変化する。エンジン出力が低いときにはPM堆積量に対するPFの前後差圧が小さく、PM堆積量を精度良く推定することが困難であった。このため、PM堆積量の推定精度が低い状態であってもPF再生処理の開始が遅くなり過ぎないように、早目にPF再生要求を発する必要があった。再生処理の開始が遅れると処理時間が長くなり、PFが溶損する等の弊害を招くからである。
【0008】
その結果、PF再生処理は比較的頻繁に行われることになるが、PF再生処理を頻繁に行うと次のような問題が発生し易く、好ましいことではない。第1の問題は燃費の悪化である。PF再生処理中は、排気温度を高めるために燃料消費量が増大するので、頻繁なPF再生処理は燃費を悪化させる原因となる。第2の問題は騒音の増大である。PF再生処理中は排気温度を上昇させる、つまり排気のエネルギを増大させるので、排気音(騒音)が大きくなる。また不意に排気音が増大することによって運転者に違和感を与え易くなる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑み、PF再生処理中に排気温度を上昇させて効果的にPMを燃焼させるとともに、このようなPF再生処理が頻繁に行われることを防止することができる車両の制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明はエンジンに動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機と、エンジンの排気通路に設けられたPF(パティキュレートフィルタ)と、上記排気通路におけるPFの前後差圧を検知する差圧検知手段と、上記PFのPM(パティキュレートマター)堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときに上記PFの再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段と、上記再生タイミング判定手段の判定結果に応じてPF再生処理を行う再生手段と、上記PM堆積量の推定中に上記PFの前後差圧が増大するように上記発電機を制御する発電機制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成によると、PFの前後差圧によってPM堆積量を推定することが出来る。即ち、PFの前後差圧が大ということはPFを通過する排ガスの圧力損失が大であることを意味するので、PM堆積量が増大していると推定できるのである。そして、その推定堆積量が所定値以上となったとき、再生手段によって再生されるので、再生後は再び排ガス中のPMを効果的に捕集し続けることができる。
【0012】
しかも、PM堆積量の推定中は発電機制御手段によってPFの前後差圧が増大するように制御される。PFの前後差圧が増大すると、誤差要因の寄与率が低下することと、PM堆積量の変化に対するPF前後差圧の変化量が大きい領域での推定を行い易くなること等から、PM堆積量の推定精度が向上する。このため、推定精度が低い場合に比べてPF再生処理の開始を遅らせることができる。そして結果的にPF再生処理の頻度を低下させることができ、頻繁にPF再生処理が実行されて運転者に違和感を与えることが効果的に防止される。
【0013】
但し、エンジン温度が低いときは排気圧が上昇し難い。従ってこのような制御を行ってもPFの前後差圧を増大させるために比較的長時間を要したり燃料消費量が増大したりする懸念がある。
【0014】
そこで、上記発電機制御手段は、エンジン温度が所定値よりも低いとき、上記PFの前後差圧を増大させる制御を抑制する(請求項2)ようにすれば、エンジン温度が低いときに想定される上記懸念を回避することができる。
【0015】
また、極低速運転時(例えば10km/h以下)には、運転者はエンジン出力の変化に敏感になっている。従って、上記発電機制御手段は、車速が所定値より低速であり、かつブレーキがオフであるとき、上記PFの前後差圧を増大させる制御を抑制する(請求項3)ようにすれば、このような運転状況下で運転者に違和感を与えることが防止される。
【0016】
更に、車両の走行環境を検出する走行環境検出手段を備え、上記発電機制御手段は、走行環境がエンジン音の増大に好ましくない環境であるとき、上記PFの前後差圧を増大させる制御を抑制する(請求項4)ようにすることも効果的である。
【0017】
このようにすると、例えば住宅街を走行中や渋滞中など、エンジン音の増大に好ましくない環境を走行中にはPFの前後差圧増大制御が抑制されるので、騒音増大を防止することができる。
【0018】
また、上記発電機で発電された電気を充電によって貯蔵するバッテリと、エンジンに動力連結されたモータとを備え、上記モータは、上記バッテリに貯蔵された電気によってエンジンへのトルクアシストを行う(請求項5)ようにすると一層効果的である。
【0019】
このように、発電した電気のネルギをバッテリに貯蔵し、必要なときにモータを駆動してエンジンに補助的に駆動力を付与する(トルクアシスト)ように構成された車両を一般的にハイブリッド車両という。請求項1〜4の発明をこのハイブリッド車両に適用すると、PFの前後差圧を増大させるために供したエネルギをバッテリに貯蔵し、後にトルクアシストとして取り出すことができるため、エネルギを効率良く利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は当実施形態における概略システムブロック図である。エンジン3はディーゼルエンジンであり、その主軸(クランクシャフト)にはモータ連結軸2を介してモータ1が接続されている。モータ1は電気を動力源として回転駆動力をエンジン3に付与する(トルクアシスト)一方、エンジン3に逆駆動されることによって発電を行うこともできる。即ちモータ1は発電機としても機能する。エンジン3にはトランスミッション4、プロペラシャフト5、ドライブシャフト6及び駆動輪7がこの順に接続されており、モータ1及びエンジン3の駆動力が適正回転数に変速されて駆動輪7に伝達される。
【0022】
エンジン3には燃焼のための空気を吸入する吸気通路11と、燃焼後の排ガスを排出する排気通路12とが接続されている。吸気通路11には吸気量を調節する吸気絞り弁15が設けられている。また吸気通路11と排気通路12とを連通するEGR通路13が設けられており、その通路中にEGRバルブ14が設けられている。EGRバルブ14を開弁することにより排気の一部が吸気に還流される(EGR)。
【0023】
排気通路12のEGR通路13との分岐点より下流側に酸化触媒21が設けられている。酸化触媒21は排気中に含まれるHC、CO等を酸化させて浄化する。酸化触媒21の直前上流側には酸化触媒21に流入する排気の温度を検知する温度センサ36が設けられている。
【0024】
酸化触媒21の更に下流側にはDPF22が設けられている。DPF22は排気中に含まれるPMを捕集して浄化する。DPF22の直前上流側には圧力センサ37が、直後下流側には圧力センサ38がそれぞれ設けられ、排気圧を検知する。各圧力センサ37,38に検知される圧力の差が、DPF前後差圧となる。即ち圧力センサ37,38は差圧検知手段として機能する。
【0025】
モータ1にはインバータ31を介してバッテリ32が接続されている。トルクアシスト時にはモータ1が所定の出力を得られるようにバッテリ32からインバータ31を介して電力が供給される。発電時にはモータ1で発電した電力がインバータ31を介してバッテリ32に充電される。
【0026】
また、運転者をガイドするナビゲーションシステム34(走行環境検出手段)が搭載されている。ナビゲーションシステム34は目的地設定手段、現在位置センサ及び道路地図情報記憶装置等を備え、地図上の現在位置を表示したり、目的地までの最適経路を表示したりするほか、市街地情報を提供することができる。
また、車外の渋滞情報提供機関35からの情報を受信し、渋滞情報を提供することができる。
【0027】
更に、運転者の操作によるアクセル開度を検知するアクセル開度センサ33が設けられている。
【0028】
ECU30はモータ1及びエンジン3を制御する制御ユニットであり、エンジン3の燃焼制御を行うとともにモータ1を制御する発電機制御手段として機能する。ECU30はエンジン3からエンジン速度などのデータを受け、燃料噴射制御(噴射時期、噴射量)を行う。またECU30にはインバータ31とバッテリ32との間の電圧、電流情報が入力されるとともに、ECU30はインバータ31にモータトルク指令を出すことによってモータ1を制御する。モータトルク指令のトルク値が正であればトルクアシスト状態となり、負であれば発電状態となる。ゼロのときは何れでもない中立状態(N)となる。以下、このようなモータ1の制御をISG制御という。
【0029】
ECU30には、上記温度センサ36、圧力センサ37、圧力センサ38及びアクセル開度センサ33から各検知信号が入力されるほか、ナビゲーションシステム34から現在位置、目的地、その経路中の渋滞情報及び市街地情報が入力される。
【0030】
その他、特に図示しないが、車速を検知する車速センサ、ブレーキのオン・オフを検知するブレーキスイッチ及びエンジン冷却水の温度を検知する水温センサが備えられ、各検知信号がECU30に入力される。
【0031】
次に、当制御装置のISG制御とPF再生処理に関する作用を説明する。図2は、ISG制御特性を示す特性図である。横軸にアクセル開度、縦軸にモータトルク(モータ1の出力トルク)を示す。図示のように、モータトルクが正値の場合は、モータ1からエンジン3に駆動力が付与されるトルクアシスト(以下単にアシストともいう)が行われる(アシスト領域)。逆にモータトルクが負値の場合は、モータ1にエンジン3から駆動力が付与される発電が行われる(発電領域)。
【0032】
図2のモータトルク特性61に示されるように、アクセル開度が低開度のときには発電領域となり、高開度のときにはアシスト領域となる。発電領域とアシスト領域の間には、モータトルク=0、即ち発電もトルクアシストもなされない中立のN領域が設けられている。なお、モータトルク特性61は一定ではなく、状態によって変化する。例えば、SOC(バッテリ残容量)が少ないときには、より発電の頻度が高く、発電量が多くなるような特性に、逆にSOCが多いときにはよりアシストの頻度が高く、アシスト量が多くなるような特性に設定されている。
【0033】
モータトルク特性61によると、発電領域ではアクセル開度が小さいほどモータトルク(の絶対値)が大となる。従ってアクセル開度が小さいほどエンジン出力は目標エンジン出力(走行負荷に相当するエンジン出力)よりも高くする必要がある。一方、この領域では目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも低い。そこで、エンジン出力を目標エンジン出力よりも高くすることで、エンジンを燃費最適となる状態に近づけることができる。発電した電気はバッテリ32に充電され、エネルギが貯蔵される。
【0034】
モータトルク特性61のアシスト領域ではアクセル開度が大きいほどモータトルクが大となる。従ってアクセル開度が大きいほどエンジン出力は目標エンジン出力よりも低くする必要がある。一方、この領域では目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも高い。そこで、エンジン出力を目標エンジン出力よりも低くすることで、エンジンを燃費最適となる状態に近づけることができる。
【0035】
以上のように、目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも低いときにはモータトルクの負荷をかけてエンジン出力を高める一方、目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも高いときにはモータトルクによるアシストを行ってエンジン出力を低くしているので、全体的にエンジン出力が燃費最適となるエンジン出力に近づく。またバッテリ32に貯蔵されたエネルギがトルクアシスト時に取り出されるのでエネルギが無駄なく利用され、燃費が向上する。
更に燃費最適となる運転状態ではCO、HC、NOx等の排出量も少ないので、全体的に排ガス浄化が促進される。
【0036】
また、エンジン3の運転に伴いPMが発生し、そのPMは排気通路12を経由してDPF22に捕集される。これによって車外にはPMが除去された排ガスが排出されるが、一方でDPF内部にPMが堆積してゆく。PM堆積量が増加するとDPF22は次第に目詰まりし、充分な捕集能力を発揮しなくなる。そこで、PM堆積量が所定量を超えると、PMによる目詰まりを解消するPF再生処理を実施する。PF再生処理のタイミングは、早過ぎるとPF再生処理の頻度が多くなり、燃費の悪化や騒音の増大を招き、また運転者に違和感を与える原因となる。逆に遅過ぎるとPF処理時間が長くなり、DPFが溶損する虞がある。
【0037】
従って、PF再生処理の開始タイミングを最適な時期に設定することが重要であり、そのためにはPM堆積量を精度良く推定することが必要である。以下に、PM堆積量の推定方法について説明する。
【0038】
図3は、PM排出量特性を示すグラフである。横軸にアクセル開度、縦軸にPM排出量を示す。PM排出量特性はエンジン速度によって変化する。PM排出量特性66は比較的エンジン速度が低速の場合、PM排出量特性67は高速の場合の特性である。PM排出量特性66,67に示すように、アクセル開度が大であるほどPM排出量が増加する。このような特性を予めマップデータとしてECU30に記憶させておくことにより、アクセル開度とエンジン速度とから各時点のPM排出量が演算でき、それを積算することによりPM堆積量を推定することができる。
【0039】
図4は、DPF前後差圧特性を示すグラフである。横軸にPM堆積量、縦軸にDPF前後差圧を示す。DPF前後差圧特性はエンジン出力(アクセル開度が大であるほど、またエンジン速度が大であるほど高くなる)によって変化する。差圧特性71は比較的エンジン出力が低い場合、差圧特性75は出力が高い場合の特性である。差圧特性71,75に示すように、PM堆積量が多いほどDPFを通過する排ガスの圧力損失が大きくなるので、DPF前後差圧が大きくなる。このような特性を予めマップデータとしてECU30に記憶させておくことにより、エンジン出力とDPF前後差圧ΔPとから現在のPM堆積量が推定できる。
【0040】
以上のように、図3に示すPM排出量特性と、図4に示すDPF前後差圧特性の、どちらを用いてもPM堆積量を推定することができる。比較的エンジン出力が高い場合は、図4のDPF差圧特性を用いた方が運転履歴に関係なく、直接現時点の堆積量が推定できるので高精度が期待できる。しかし、エンジン出力が低い(DPF前後差圧が低い)場合には、管路抵抗のばらつき等の誤差要因の影響が大きくなり、精度が低下する。そのような場合には図3に示すPM排出量特性からPM堆積量を推定した方が高精度となる。従って当実施形態では、PM堆積量が所定の閾値Q13(PF再生処理が必要となる堆積量Qtよりやや小さな値として設定される)以下の場合において、DPF前後差圧ΔPが所定の閾値ΔP3(上記の精度の高さが切換わる境界のDPF前後差圧として設定される)より大きいときにはDPF前後差圧特性を利用し、そうでないときにはPM排出量特性を利用してPM堆積量を推定している(通常精度のPM堆積量の推定)。このようして一定以上の精度をもってPM堆積量を推定している。
【0041】
そして、PM堆積量が更に増加し、閾値Q13を超えた場合には、高精度のPM堆積量の推定を行う。以下その方法を説明する。
【0042】
高精度のPM堆積量の推定を行うために、DPF前後差圧を増大させる。そのために、エンジン出力を増大させる。以下の説明で、通常精度の推定を行うときの特性が図4の差圧特性71であるとする。ここで、DPF前後差圧がΔP1として測定(測定点72)されたとき、PM堆積量はQ12であると推定することができる。その状態からエンジン出力を一定量増大(後述する高精度の推定のための出力増大に相当)させた状態が差圧特性75であるとすると、測定点72は測定点76に移動する。そして、DPF前後差圧はΔP2として測定され、PM堆積量はQ2であると推定される。
【0043】
上述のようにDPF前後差圧が大きいほど誤差要因の寄与度が低く、高精度の推定が可能となる。また、図から明らかなように測定点76の方が測定点72よりもグラフの傾きが大、つまりDPF前後差圧の変化に対するPM堆積量の変化が小さいので、この点からも測定点76による推定値Q2の方が測定点72による推定値Q12よりも高精度が期待できる。従って、通常精度の推定値Q12と高精度の推定値Q2とは、呼び値が同じであるが、その精度はQ2の方が高くなっている。
【0044】
図5は、高精度の推定を行うにあたり、エンジン出力を高めるための追加エンジントルク特性を示すグラフである。横軸にDPF前後差圧、縦軸に追加エンジントルク(追加すべき出力をトルク換算したもの)を示す。追加エンジントルク特性81に示すように、DPF前後差圧ΔPが小さいほど追加エンジントルクΔTeが大きくなるように設定されている。こうすることにより、DPF前後差圧ΔPが小さいとき、即ち通常精度による推定の精度が比較的低いときには出力を大きく増大させてDPF前後差圧ΔPを大幅に増大させ、充分な推定精度を得ることができる。一方、DPF前後差圧ΔPがある程度大きいとき、即ち通常精度による推定の精度が比較的高いときには出力をあまり増大させず、燃料の消費量や騒音の増大を抑制している。
【0045】
追加エンジントルクΔTeが求められると、現在のエンジントルクTeにΔTeを加えた目標エンジントルクTe1が設定される。そして、その目標エンジントルクTe1を発生させるような燃料噴射がなされる。一方、追加エンジントルクΔTeに相当する削減モータトルクΔTmが演算され、そのΔTmを現在のモータトルクTmから減少させた目標モータトルクTm1が設定される。そして、モータ1の発電側に目標モータトルクTm1が負荷される。こうすることにより、高められた出力が発電に供され、バッテリに貯蔵される。バッテリに貯蔵されたエネルギは、後にトルクアシストとして取り出すことができ(図2参照)、エネルギの有効利用を図ることができる。
【0046】
なお、トルクアシスト中にこの高精度の推定を行う場合は、モータトルクをΔTmだけ減少させる(或いはトルクアシストを中止して発電を行うようにしても良い)。
【0047】
このようにして、PM堆積量が増加し、PF再生処理が近づいた時点で、PM堆積量の推定精度を向上させているが、当実施形態では以下に示す5つの禁止条件の少なくとも1つが成立したときには、高精度の推定を行わず、通常精度の推定にとどめるようにしている。
【0048】
第1の禁止条件は、エンジン温度が低いとき(エンジン冷却水温度Tcが所定の閾値Tc1以下のとき)である。エンジン温度が低いときは排気圧が上昇し難く、出力の増大を行ってもPFの前後差圧を増大させるために比較的長時間を要したり燃料消費量が増大したりする懸念があるからである。
【0049】
第2の禁止条件は、車速Vが所定の閾値V1より低く、かつブレーキがオフであるときである。閾値V1は、例えば10km/h程度に設定される。このような極低速運転時は、運転者がエンジン出力の変化に敏感になっている。従って、エンジン出力を増大させて運転者に違和感を与えることがないようにしている。
【0050】
第3の禁止条件は、走行環境がエンジン音の増大に好ましくない環境であるときである。具体的には住宅街(例えば都市計画法に基づく用途地域で、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び第二種住居地域の何れかに属する地域)において高精度の推定を禁止し、エンジン出力増大による騒音の悪化を防止している。また、渋滞中もエンジン音の増大した車両が殆ど移動せずに留まることになるので、高精度の推定を禁止する。
【0051】
第4の禁止条件は、出力を増大させる前のエンジントルクTeが所定の閾値Te2以上のときである。閾値Te2は、当該回転数における最大トルク付近の値として設定される。このようなときは、それ以上エンジン出力を増大させることが困難であり、またそのような状態であえて出力の増大を行えば、排気浄化性能に悪影響を及ぼす懸念があるので、高精度の推定を禁止している。
【0052】
第5の禁止条件は、目標モータトルクTm1が図2に示すモータトルク最小値Tm2より小さくなる(絶対値では大きくなる)と想定される場合である。このようなときは、必要な出力の増大が見込めないので、高精度の推定を禁止している。
【0053】
なお、上記禁止条件のうち、第5の禁止条件成立時には高精度の推定を禁止せず、目標モータトルクTm1がモータトルク最小値Tm2となるようにエンジン出力を増大させるようにしても良い。そのようにすると、通常精度と高精度の間の精度で推定を行うことができる。
【0054】
以上示した5つの禁止条件成立時以外は、PM堆積量を高精度で推定する。そして、その推定値Q2が所定の閾値Qtを超えたとき、ECU30はPF再生処理が必要と判断する。即ちECU30は再生タイミング判定手段としても機能する。そして、吸気絞り弁15を絞るとともに、エンジン3が後噴射を行うことによってPF再生処理を実行する。後噴射は、目標エンジントルクTe1を得るための燃料噴射(主噴射)より僅かに遅れて行う燃料噴射である。このようにすると、吸気絞り弁15によって吸入空気量が減少し、排ガス温度が上昇する。また、後噴射の燃料は燃焼せず、そのまま酸化触媒21に導かれ、酸化作用を受けて反応熱を発生させる。即ち排気温度を上昇させる。このようにして排気温度を600℃程度に上昇させ、DPF中のPMを燃焼させる。このような一連の処理(PF再生処理)を10〜20分継続すると、DPF中のPM堆積量は充分少なくなるので、処理を終了させ、PF再生処理が完了する。このように、エンジン3、吸気絞り弁15及び酸化触媒21は再生手段として機能する。
【0055】
ところで、閾値Qtは、真にPF再生処理が必要なPM堆積量の限界値Qt’よりも僅かに小さな値に設定されている。これは、PM堆積量の推定誤差εを考慮しているためである。即ち、Qt=Qt’−εとして設定される。この式からも明らかなように、推定誤差εが大きいほど、Qtを小さな値に設定する必要がある。Qtが小さな値に設定されると、PF再生処理の頻度が増大し、燃費の悪化や騒音の増大の原因となり、また運転者に違和感を与え易くなる。当実施形態では、PM堆積量の推定を高精度で行う(推定誤差εを小さくしている)ことにより、閾値Qtを可及的に大きな値となるように設定している。即ちPF再生処理の頻度を低下させて、燃費の悪化や騒音の増大を効果的に防止し、運転者に違和感を与え難くしている。
【0056】
なお、高精度の推定が禁止されているときには、通常精度の推定値Q1によってPF再生処理の要否を判定する。このときは、高精度の推定に比べて推定誤差εが大きくなっているので、その分閾値Qtを低い値に設定し、推定誤差εを考慮してもPM堆積量が限界値Qt’を超えないようにしている。
【0057】
図6は、当実施形態における制御のフローチャートである。スタート後、ステップS1で現在PF再生指令が発生中(ON)であるか否かの判定がなされる。YESであればステップS31(後述)に移行してPF再生処理中の制御がなされる。ステップS1でNOであれば、通常精度のPM堆積量Q1の推定がなされる(ステップS3)。
【0058】
図7に、図6のステップS3のサブルーチンを示す。この通常精度のPM堆積量Q1推定ルーチンでは、まず図3に示すPM排出量特性から各時点におけるPM排出量が演算される(ステップS41)。次に、その排出量を積算することによりPM堆積量Q11が推定される(ステップS43)。一方、図4に示すDPF前後差圧特性71から、現時点でのDPF前後差圧ΔP1に対するPM堆積量Q12が別途推定される(ステップS45)。
【0059】
次に、DPF前後差圧ΔP1が閾値ΔP3より大きいか否かの判定がなされる(ステップS47)。ステップS47でYESであればPM堆積量Q12の方がPM堆積量Q11よりも高精度であると判断され、最終的なPM堆積量Q1にQ12を入力して(ステップS49)リターンする。一方、ステップS47でNOと判定されると、PM堆積量Q11の方がPM堆積量Q12よりも高精度であると判断され、最終的なPM堆積量Q1にQ11を入力して(ステップS51)リターンする。
【0060】
図6のフローチャートに戻り、次のステップS5で通常精度のPM堆積量Q1が閾値Q13を超えているか否かの判定がなされる。ステップS5でNOと判定されると、まだPM堆積量は充分少なく、高精度の推定は必要ないと判断され、そのままリターンする。
【0061】
ステップS5でYESと判定されると、PF再生処理が必要な時期が近づいていることを示すので、続いて高精度の推定に移行する。まず、エンジン冷却水温度Tcが閾値Tc1より大であるか否かの判定がなされる(ステップS8)。ステップS8でYESであれば、第1の禁止条件は不成立であり、次のステップS9に移行する。ステップS9では車速Vが閾値V1より小さいか否かの判定がなされる。ステップS9でYESであれば更にブレーキスイッチがオン(ブレーキが踏まれている)か否かの判定がなされる(ステップS11)。ステップS9でNOであるか、又はステップS9とステップS11とが共にYESである場合には第2の禁止条件は不成立であり、次のステップS13に移行する。ステップS13では、現在の走行環境が判断される。
【0062】
図8に、図6のステップS13のサブルーチンを示す。この走行環境判断ルーチンでは、まずナビゲーションシステム34から現在位置情報(緯度・経度)の読み込みがなされ(ステップS61)、次に市街地データベースが参照される(ステップS63)。そして、現在位置が市街地であるか否か、詳しくは都市計画法に基づく用途地域における、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び第二種住居地域の何れかに属するか否かが判定される(ステップS65)。ステップS65でYESであれば、現在の走行環境が「市街地または渋滞中」であると判断され(ステップS73)、リターンする。ステップS65でNOであれば、更に渋滞情報提供機関35からの渋滞情報を読み込む(ステップS67)。ここで渋滞中であると判定(ステップS69でYES)されればステップS73に移行し、NOと判定されれば「市街地でも渋滞中でもない」と判断され(ステップS71)、リターンする。
【0063】
図6のフローチャートに戻り、ステップS15で、ステップS13の判断に基づき、現在の走行環境が市街地または渋滞中であるか否かの判定が行われる。NOと判定されれば、第3の禁止条件は不成立であり、次のステップS17に移行する。ステップS17では、高精度のPM堆積量Q2の推定を行う。
【0064】
図9に、図6のステップS17のサブルーチンを示す。この高精度のPM堆積量Q2推定ルーチンでは、まず現在のエンジントルクTeが、閾値Te2より小さいか否かが判定される(ステップS77)。YESと判定されれば、第4の禁止条件は不成立であり、続いてステップS79に移行する。そこで、現在測定されるDPF前後差圧ΔP1に対し、図5に示す追加エンジントルク特性81に基づいて追加エンジントルクΔTeを演算する。更にそのΔTeに相当する削減モータトルクΔTmを演算する(ステップS81)。次に、現在のモータトルクTmと削減モータトルクΔTmとの差から目標モータトルクTm1を演算する(ステップS83)。そしてステップS85で、Tm1≧Tm2であるか否かが判定され、YESであれば第5の禁止条件が不成立であり、次のステップS87に移行する。
【0065】
ステップS87に移行した時点で、第1〜第5の禁止条件が全て不成立となっている。このとき、高精度推定許可フラグFLGに1が入力され、高精度のPM堆積量推定が許可される。次のステップS91で目標エンジントルクTe1にTe+ΔTeが入力され、続いて目標エンジントルクTe1に応じた主噴射量が演算され(ステップS93)、実行される。一方、モータ1に対して目標モータトルクTm1を出力する(ステップS95)。このようにすると、DPF前後差圧の状態が、図4の差圧特性71の測定点72から差圧特性75の測定点76に変化する。そこで、DPF前後差圧ΔP2を測定し(ステップS97)、その値に基づいて高精度のPM堆積量Q2を推定して(ステップS99)リターンする。
【0066】
遡って、ステップS77でNOと判定されたとき、第4の禁止条件が成立する。また、ステップS85でNOと判定されたとき、第5の禁止条件が成立する。
何れの場合もステップS89に移行し、高精度推定許可フラグFLGに0が入力され、高精度のPM堆積量推定が禁止された後リターンする。
【0067】
図6のフローチャートに戻り、ステップS19で高精度推定許可フラグFLG=1であるか否かの判定がなされ、YESであればステップS21に移行し、PM堆積量推定値Qに、高精度の推定値Q2が入力される。また、閾値Qtには、真の限界値Qt’よりも僅かに小さな値であるQ4が入力される。
【0068】
遡って、ステップS8でNO(第1の禁止条件成立)、ステップS11でNO(第2の禁止条件成立)、ステップS15でYES(第3の禁止条件成立)及びステップS19でNO(第4又は第5の禁止条件成立)のときには、ステップS23に移行し、PM堆積量推定値Qに、通常精度の推定値Q1が入力される。また、閾値Qtには、真の限界値Qt’よりも小さな値であるQ3(Q3<Q4)が入力される。
【0069】
ステップS21またはステップS23の後、ステップS25でQ>Qtであるか否かの判定がなされ、NOであれば未だPF再生処理は不要なのでリターンし、YESであればステップS27に移行してDPF再生指令がONとされる。次のステップS29で再生時間の測定が開始され、続いて吸気絞り弁15を絞るとともに後噴射が実施される(ステップS31)。これによって排気温度が600℃程度に上昇し、PMが燃焼する。次のステップS33で再生時間が一定時間(予め設定された値。10〜20分程度)経過したか否かの判定がなされる。NOであればリターンし、PF再生処理を継続する(次回のルーチンではステップS1でYESと判定されるので、ステップS31からの処理が繰り返される)。ステップS33でYESならば、PF再生処理が完了したと判断し、DPF再生指令がOFFとされ(ステップS35)、リターンする。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の装置の具体的構成は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で種々変更可能である。
【0071】
例えば、当実施形態におけるエンジン3をディーゼルエンジンとし、それに対応するパティキュレートフィルタをDPFとした。これは特にPMが問題視され易いのがディーゼルエンジンであるためである。PMはガソリンエンジンであっても発生するので、それを除去するためにガソリンエンジン用のPFを設けることも有効である。本発明はそのようなガソリンエンジン搭載の車両の制御装置に適用しても良い。
【0072】
また、当実施形態は、モータ1がトルクアシストと発電とを必要に応じて切換えて実行する、いわゆるハイブリッド車両として説明したが、発電機を備えた車両であれば必ずしもハイブリッド車両でなくても良い。
【0073】
更に、エンジン音の増大に好ましくない市街地として、都市計画法に基づく用途地域から6地域を選択するようにしたが、上記以外の選択を行っても良く、このような用途地域の区分によらない市街地の判断を行っても良い。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明の車両の制御装置は、エンジンに動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機と、エンジンの排気通路に設けられたPFと、上記排気通路におけるPFの前後差圧を検知する差圧検知手段と、上記PFのPM堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときに上記PFの再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段と、上記再生タイミング判定手段の判定結果に応じてPF再生処理を行う再生手段と、上記PM堆積量の推定中に上記PFの前後差圧が増大するように上記発電機を制御する発電機制御手段とを備えたことを特徴とするので、PF再生処理中に排気温度を上昇させて効果的にPMを燃焼させるとともに、このようなPF再生処理が頻繁に行われることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両の制御装置の概略システムブロック図である。
【図2】上記実施形態のISG制御特性を示す特性図である。
【図3】上記実施形態のPM排出量特性を示す特性図である。
【図4】上記実施形態のDPF前後差圧特性を示す特性図である。
【図5】上記実施形態の追加エンジントルク特性を示す特性図である。
【図6】上記実施形態における制御のフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートの一部を構成するサブルーチンである。
【図8】図6のフローチャートの一部を構成するサブルーチンである。
【図9】図6のフローチャートの一部を構成するサブルーチンである。
【符号の説明】
1 モータ(兼発電機)
3 エンジン(再生手段)
12 排気通路
15 吸気絞り弁(再生手段)
21 酸化触媒(再生手段)
22 DPF(パティキュレートフィルタ)
30 ECU(再生タイミング判定手段、発電機制御手段)
32 バッテリ
34 ナビゲーションシステム(走行環境検出手段)
37,38 圧力センサ(差圧検知手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタを備えた車両の制御装置に関し、特にパティキュレートフィルタを再生させるために堆積したパティキュレートマターを排気熱によって燃焼させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンの排ガス浄化に関し、パティキュレートマター(排ガスに含まれる煤などの粒子状物質。以下PMと略称する)の削減要求が高まっている。これに対し、排ガスからPMを除去する装置としてパティキュレートフィルタ(以下PFと略称する。特にディーゼルエンジン用のものをDPFと称する)が一般的に用いられている。
【0003】
PFはエンジンの排気通路に設けられてPMを捕集するが、その堆積量が増加すると次第に目詰まりし、充分な捕集能力を発揮しなくなる。そこで、その目詰まりを解消するPF再生処理が必要となる。PF再生処理として、例えば堆積したPMを高温の排ガスによって燃焼させて目詰まりを解消する方法が採られる。
【0004】
このようなPF再生処理を行う車両として、PM堆積量を推定し、その値が所定値以上となったときにPF再生処理を実行するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に示された装置は、排気通路におけるPFの前後差圧を検知し、その値が所定値以上となったときに、PM堆積量の増大によってPFが目詰まりしているものとして再生処理の要求を発するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−242721号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PFの前後差圧はPMの堆積量のみによって決定するものではなく、エンジンの出力状態(トルクや回転数)によっても変化する。エンジン出力が低いときにはPM堆積量に対するPFの前後差圧が小さく、PM堆積量を精度良く推定することが困難であった。このため、PM堆積量の推定精度が低い状態であってもPF再生処理の開始が遅くなり過ぎないように、早目にPF再生要求を発する必要があった。再生処理の開始が遅れると処理時間が長くなり、PFが溶損する等の弊害を招くからである。
【0008】
その結果、PF再生処理は比較的頻繁に行われることになるが、PF再生処理を頻繁に行うと次のような問題が発生し易く、好ましいことではない。第1の問題は燃費の悪化である。PF再生処理中は、排気温度を高めるために燃料消費量が増大するので、頻繁なPF再生処理は燃費を悪化させる原因となる。第2の問題は騒音の増大である。PF再生処理中は排気温度を上昇させる、つまり排気のエネルギを増大させるので、排気音(騒音)が大きくなる。また不意に排気音が増大することによって運転者に違和感を与え易くなる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑み、PF再生処理中に排気温度を上昇させて効果的にPMを燃焼させるとともに、このようなPF再生処理が頻繁に行われることを防止することができる車両の制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明はエンジンに動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機と、エンジンの排気通路に設けられたPF(パティキュレートフィルタ)と、上記排気通路におけるPFの前後差圧を検知する差圧検知手段と、上記PFのPM(パティキュレートマター)堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときに上記PFの再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段と、上記再生タイミング判定手段の判定結果に応じてPF再生処理を行う再生手段と、上記PM堆積量の推定中に上記PFの前後差圧が増大するように上記発電機を制御する発電機制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成によると、PFの前後差圧によってPM堆積量を推定することが出来る。即ち、PFの前後差圧が大ということはPFを通過する排ガスの圧力損失が大であることを意味するので、PM堆積量が増大していると推定できるのである。そして、その推定堆積量が所定値以上となったとき、再生手段によって再生されるので、再生後は再び排ガス中のPMを効果的に捕集し続けることができる。
【0012】
しかも、PM堆積量の推定中は発電機制御手段によってPFの前後差圧が増大するように制御される。PFの前後差圧が増大すると、誤差要因の寄与率が低下することと、PM堆積量の変化に対するPF前後差圧の変化量が大きい領域での推定を行い易くなること等から、PM堆積量の推定精度が向上する。このため、推定精度が低い場合に比べてPF再生処理の開始を遅らせることができる。そして結果的にPF再生処理の頻度を低下させることができ、頻繁にPF再生処理が実行されて運転者に違和感を与えることが効果的に防止される。
【0013】
但し、エンジン温度が低いときは排気圧が上昇し難い。従ってこのような制御を行ってもPFの前後差圧を増大させるために比較的長時間を要したり燃料消費量が増大したりする懸念がある。
【0014】
そこで、上記発電機制御手段は、エンジン温度が所定値よりも低いとき、上記PFの前後差圧を増大させる制御を抑制する(請求項2)ようにすれば、エンジン温度が低いときに想定される上記懸念を回避することができる。
【0015】
また、極低速運転時(例えば10km/h以下)には、運転者はエンジン出力の変化に敏感になっている。従って、上記発電機制御手段は、車速が所定値より低速であり、かつブレーキがオフであるとき、上記PFの前後差圧を増大させる制御を抑制する(請求項3)ようにすれば、このような運転状況下で運転者に違和感を与えることが防止される。
【0016】
更に、車両の走行環境を検出する走行環境検出手段を備え、上記発電機制御手段は、走行環境がエンジン音の増大に好ましくない環境であるとき、上記PFの前後差圧を増大させる制御を抑制する(請求項4)ようにすることも効果的である。
【0017】
このようにすると、例えば住宅街を走行中や渋滞中など、エンジン音の増大に好ましくない環境を走行中にはPFの前後差圧増大制御が抑制されるので、騒音増大を防止することができる。
【0018】
また、上記発電機で発電された電気を充電によって貯蔵するバッテリと、エンジンに動力連結されたモータとを備え、上記モータは、上記バッテリに貯蔵された電気によってエンジンへのトルクアシストを行う(請求項5)ようにすると一層効果的である。
【0019】
このように、発電した電気のネルギをバッテリに貯蔵し、必要なときにモータを駆動してエンジンに補助的に駆動力を付与する(トルクアシスト)ように構成された車両を一般的にハイブリッド車両という。請求項1〜4の発明をこのハイブリッド車両に適用すると、PFの前後差圧を増大させるために供したエネルギをバッテリに貯蔵し、後にトルクアシストとして取り出すことができるため、エネルギを効率良く利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は当実施形態における概略システムブロック図である。エンジン3はディーゼルエンジンであり、その主軸(クランクシャフト)にはモータ連結軸2を介してモータ1が接続されている。モータ1は電気を動力源として回転駆動力をエンジン3に付与する(トルクアシスト)一方、エンジン3に逆駆動されることによって発電を行うこともできる。即ちモータ1は発電機としても機能する。エンジン3にはトランスミッション4、プロペラシャフト5、ドライブシャフト6及び駆動輪7がこの順に接続されており、モータ1及びエンジン3の駆動力が適正回転数に変速されて駆動輪7に伝達される。
【0022】
エンジン3には燃焼のための空気を吸入する吸気通路11と、燃焼後の排ガスを排出する排気通路12とが接続されている。吸気通路11には吸気量を調節する吸気絞り弁15が設けられている。また吸気通路11と排気通路12とを連通するEGR通路13が設けられており、その通路中にEGRバルブ14が設けられている。EGRバルブ14を開弁することにより排気の一部が吸気に還流される(EGR)。
【0023】
排気通路12のEGR通路13との分岐点より下流側に酸化触媒21が設けられている。酸化触媒21は排気中に含まれるHC、CO等を酸化させて浄化する。酸化触媒21の直前上流側には酸化触媒21に流入する排気の温度を検知する温度センサ36が設けられている。
【0024】
酸化触媒21の更に下流側にはDPF22が設けられている。DPF22は排気中に含まれるPMを捕集して浄化する。DPF22の直前上流側には圧力センサ37が、直後下流側には圧力センサ38がそれぞれ設けられ、排気圧を検知する。各圧力センサ37,38に検知される圧力の差が、DPF前後差圧となる。即ち圧力センサ37,38は差圧検知手段として機能する。
【0025】
モータ1にはインバータ31を介してバッテリ32が接続されている。トルクアシスト時にはモータ1が所定の出力を得られるようにバッテリ32からインバータ31を介して電力が供給される。発電時にはモータ1で発電した電力がインバータ31を介してバッテリ32に充電される。
【0026】
また、運転者をガイドするナビゲーションシステム34(走行環境検出手段)が搭載されている。ナビゲーションシステム34は目的地設定手段、現在位置センサ及び道路地図情報記憶装置等を備え、地図上の現在位置を表示したり、目的地までの最適経路を表示したりするほか、市街地情報を提供することができる。
また、車外の渋滞情報提供機関35からの情報を受信し、渋滞情報を提供することができる。
【0027】
更に、運転者の操作によるアクセル開度を検知するアクセル開度センサ33が設けられている。
【0028】
ECU30はモータ1及びエンジン3を制御する制御ユニットであり、エンジン3の燃焼制御を行うとともにモータ1を制御する発電機制御手段として機能する。ECU30はエンジン3からエンジン速度などのデータを受け、燃料噴射制御(噴射時期、噴射量)を行う。またECU30にはインバータ31とバッテリ32との間の電圧、電流情報が入力されるとともに、ECU30はインバータ31にモータトルク指令を出すことによってモータ1を制御する。モータトルク指令のトルク値が正であればトルクアシスト状態となり、負であれば発電状態となる。ゼロのときは何れでもない中立状態(N)となる。以下、このようなモータ1の制御をISG制御という。
【0029】
ECU30には、上記温度センサ36、圧力センサ37、圧力センサ38及びアクセル開度センサ33から各検知信号が入力されるほか、ナビゲーションシステム34から現在位置、目的地、その経路中の渋滞情報及び市街地情報が入力される。
【0030】
その他、特に図示しないが、車速を検知する車速センサ、ブレーキのオン・オフを検知するブレーキスイッチ及びエンジン冷却水の温度を検知する水温センサが備えられ、各検知信号がECU30に入力される。
【0031】
次に、当制御装置のISG制御とPF再生処理に関する作用を説明する。図2は、ISG制御特性を示す特性図である。横軸にアクセル開度、縦軸にモータトルク(モータ1の出力トルク)を示す。図示のように、モータトルクが正値の場合は、モータ1からエンジン3に駆動力が付与されるトルクアシスト(以下単にアシストともいう)が行われる(アシスト領域)。逆にモータトルクが負値の場合は、モータ1にエンジン3から駆動力が付与される発電が行われる(発電領域)。
【0032】
図2のモータトルク特性61に示されるように、アクセル開度が低開度のときには発電領域となり、高開度のときにはアシスト領域となる。発電領域とアシスト領域の間には、モータトルク=0、即ち発電もトルクアシストもなされない中立のN領域が設けられている。なお、モータトルク特性61は一定ではなく、状態によって変化する。例えば、SOC(バッテリ残容量)が少ないときには、より発電の頻度が高く、発電量が多くなるような特性に、逆にSOCが多いときにはよりアシストの頻度が高く、アシスト量が多くなるような特性に設定されている。
【0033】
モータトルク特性61によると、発電領域ではアクセル開度が小さいほどモータトルク(の絶対値)が大となる。従ってアクセル開度が小さいほどエンジン出力は目標エンジン出力(走行負荷に相当するエンジン出力)よりも高くする必要がある。一方、この領域では目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも低い。そこで、エンジン出力を目標エンジン出力よりも高くすることで、エンジンを燃費最適となる状態に近づけることができる。発電した電気はバッテリ32に充電され、エネルギが貯蔵される。
【0034】
モータトルク特性61のアシスト領域ではアクセル開度が大きいほどモータトルクが大となる。従ってアクセル開度が大きいほどエンジン出力は目標エンジン出力よりも低くする必要がある。一方、この領域では目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも高い。そこで、エンジン出力を目標エンジン出力よりも低くすることで、エンジンを燃費最適となる状態に近づけることができる。
【0035】
以上のように、目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも低いときにはモータトルクの負荷をかけてエンジン出力を高める一方、目標エンジン出力が燃費最適となるエンジン出力よりも高いときにはモータトルクによるアシストを行ってエンジン出力を低くしているので、全体的にエンジン出力が燃費最適となるエンジン出力に近づく。またバッテリ32に貯蔵されたエネルギがトルクアシスト時に取り出されるのでエネルギが無駄なく利用され、燃費が向上する。
更に燃費最適となる運転状態ではCO、HC、NOx等の排出量も少ないので、全体的に排ガス浄化が促進される。
【0036】
また、エンジン3の運転に伴いPMが発生し、そのPMは排気通路12を経由してDPF22に捕集される。これによって車外にはPMが除去された排ガスが排出されるが、一方でDPF内部にPMが堆積してゆく。PM堆積量が増加するとDPF22は次第に目詰まりし、充分な捕集能力を発揮しなくなる。そこで、PM堆積量が所定量を超えると、PMによる目詰まりを解消するPF再生処理を実施する。PF再生処理のタイミングは、早過ぎるとPF再生処理の頻度が多くなり、燃費の悪化や騒音の増大を招き、また運転者に違和感を与える原因となる。逆に遅過ぎるとPF処理時間が長くなり、DPFが溶損する虞がある。
【0037】
従って、PF再生処理の開始タイミングを最適な時期に設定することが重要であり、そのためにはPM堆積量を精度良く推定することが必要である。以下に、PM堆積量の推定方法について説明する。
【0038】
図3は、PM排出量特性を示すグラフである。横軸にアクセル開度、縦軸にPM排出量を示す。PM排出量特性はエンジン速度によって変化する。PM排出量特性66は比較的エンジン速度が低速の場合、PM排出量特性67は高速の場合の特性である。PM排出量特性66,67に示すように、アクセル開度が大であるほどPM排出量が増加する。このような特性を予めマップデータとしてECU30に記憶させておくことにより、アクセル開度とエンジン速度とから各時点のPM排出量が演算でき、それを積算することによりPM堆積量を推定することができる。
【0039】
図4は、DPF前後差圧特性を示すグラフである。横軸にPM堆積量、縦軸にDPF前後差圧を示す。DPF前後差圧特性はエンジン出力(アクセル開度が大であるほど、またエンジン速度が大であるほど高くなる)によって変化する。差圧特性71は比較的エンジン出力が低い場合、差圧特性75は出力が高い場合の特性である。差圧特性71,75に示すように、PM堆積量が多いほどDPFを通過する排ガスの圧力損失が大きくなるので、DPF前後差圧が大きくなる。このような特性を予めマップデータとしてECU30に記憶させておくことにより、エンジン出力とDPF前後差圧ΔPとから現在のPM堆積量が推定できる。
【0040】
以上のように、図3に示すPM排出量特性と、図4に示すDPF前後差圧特性の、どちらを用いてもPM堆積量を推定することができる。比較的エンジン出力が高い場合は、図4のDPF差圧特性を用いた方が運転履歴に関係なく、直接現時点の堆積量が推定できるので高精度が期待できる。しかし、エンジン出力が低い(DPF前後差圧が低い)場合には、管路抵抗のばらつき等の誤差要因の影響が大きくなり、精度が低下する。そのような場合には図3に示すPM排出量特性からPM堆積量を推定した方が高精度となる。従って当実施形態では、PM堆積量が所定の閾値Q13(PF再生処理が必要となる堆積量Qtよりやや小さな値として設定される)以下の場合において、DPF前後差圧ΔPが所定の閾値ΔP3(上記の精度の高さが切換わる境界のDPF前後差圧として設定される)より大きいときにはDPF前後差圧特性を利用し、そうでないときにはPM排出量特性を利用してPM堆積量を推定している(通常精度のPM堆積量の推定)。このようして一定以上の精度をもってPM堆積量を推定している。
【0041】
そして、PM堆積量が更に増加し、閾値Q13を超えた場合には、高精度のPM堆積量の推定を行う。以下その方法を説明する。
【0042】
高精度のPM堆積量の推定を行うために、DPF前後差圧を増大させる。そのために、エンジン出力を増大させる。以下の説明で、通常精度の推定を行うときの特性が図4の差圧特性71であるとする。ここで、DPF前後差圧がΔP1として測定(測定点72)されたとき、PM堆積量はQ12であると推定することができる。その状態からエンジン出力を一定量増大(後述する高精度の推定のための出力増大に相当)させた状態が差圧特性75であるとすると、測定点72は測定点76に移動する。そして、DPF前後差圧はΔP2として測定され、PM堆積量はQ2であると推定される。
【0043】
上述のようにDPF前後差圧が大きいほど誤差要因の寄与度が低く、高精度の推定が可能となる。また、図から明らかなように測定点76の方が測定点72よりもグラフの傾きが大、つまりDPF前後差圧の変化に対するPM堆積量の変化が小さいので、この点からも測定点76による推定値Q2の方が測定点72による推定値Q12よりも高精度が期待できる。従って、通常精度の推定値Q12と高精度の推定値Q2とは、呼び値が同じであるが、その精度はQ2の方が高くなっている。
【0044】
図5は、高精度の推定を行うにあたり、エンジン出力を高めるための追加エンジントルク特性を示すグラフである。横軸にDPF前後差圧、縦軸に追加エンジントルク(追加すべき出力をトルク換算したもの)を示す。追加エンジントルク特性81に示すように、DPF前後差圧ΔPが小さいほど追加エンジントルクΔTeが大きくなるように設定されている。こうすることにより、DPF前後差圧ΔPが小さいとき、即ち通常精度による推定の精度が比較的低いときには出力を大きく増大させてDPF前後差圧ΔPを大幅に増大させ、充分な推定精度を得ることができる。一方、DPF前後差圧ΔPがある程度大きいとき、即ち通常精度による推定の精度が比較的高いときには出力をあまり増大させず、燃料の消費量や騒音の増大を抑制している。
【0045】
追加エンジントルクΔTeが求められると、現在のエンジントルクTeにΔTeを加えた目標エンジントルクTe1が設定される。そして、その目標エンジントルクTe1を発生させるような燃料噴射がなされる。一方、追加エンジントルクΔTeに相当する削減モータトルクΔTmが演算され、そのΔTmを現在のモータトルクTmから減少させた目標モータトルクTm1が設定される。そして、モータ1の発電側に目標モータトルクTm1が負荷される。こうすることにより、高められた出力が発電に供され、バッテリに貯蔵される。バッテリに貯蔵されたエネルギは、後にトルクアシストとして取り出すことができ(図2参照)、エネルギの有効利用を図ることができる。
【0046】
なお、トルクアシスト中にこの高精度の推定を行う場合は、モータトルクをΔTmだけ減少させる(或いはトルクアシストを中止して発電を行うようにしても良い)。
【0047】
このようにして、PM堆積量が増加し、PF再生処理が近づいた時点で、PM堆積量の推定精度を向上させているが、当実施形態では以下に示す5つの禁止条件の少なくとも1つが成立したときには、高精度の推定を行わず、通常精度の推定にとどめるようにしている。
【0048】
第1の禁止条件は、エンジン温度が低いとき(エンジン冷却水温度Tcが所定の閾値Tc1以下のとき)である。エンジン温度が低いときは排気圧が上昇し難く、出力の増大を行ってもPFの前後差圧を増大させるために比較的長時間を要したり燃料消費量が増大したりする懸念があるからである。
【0049】
第2の禁止条件は、車速Vが所定の閾値V1より低く、かつブレーキがオフであるときである。閾値V1は、例えば10km/h程度に設定される。このような極低速運転時は、運転者がエンジン出力の変化に敏感になっている。従って、エンジン出力を増大させて運転者に違和感を与えることがないようにしている。
【0050】
第3の禁止条件は、走行環境がエンジン音の増大に好ましくない環境であるときである。具体的には住宅街(例えば都市計画法に基づく用途地域で、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び第二種住居地域の何れかに属する地域)において高精度の推定を禁止し、エンジン出力増大による騒音の悪化を防止している。また、渋滞中もエンジン音の増大した車両が殆ど移動せずに留まることになるので、高精度の推定を禁止する。
【0051】
第4の禁止条件は、出力を増大させる前のエンジントルクTeが所定の閾値Te2以上のときである。閾値Te2は、当該回転数における最大トルク付近の値として設定される。このようなときは、それ以上エンジン出力を増大させることが困難であり、またそのような状態であえて出力の増大を行えば、排気浄化性能に悪影響を及ぼす懸念があるので、高精度の推定を禁止している。
【0052】
第5の禁止条件は、目標モータトルクTm1が図2に示すモータトルク最小値Tm2より小さくなる(絶対値では大きくなる)と想定される場合である。このようなときは、必要な出力の増大が見込めないので、高精度の推定を禁止している。
【0053】
なお、上記禁止条件のうち、第5の禁止条件成立時には高精度の推定を禁止せず、目標モータトルクTm1がモータトルク最小値Tm2となるようにエンジン出力を増大させるようにしても良い。そのようにすると、通常精度と高精度の間の精度で推定を行うことができる。
【0054】
以上示した5つの禁止条件成立時以外は、PM堆積量を高精度で推定する。そして、その推定値Q2が所定の閾値Qtを超えたとき、ECU30はPF再生処理が必要と判断する。即ちECU30は再生タイミング判定手段としても機能する。そして、吸気絞り弁15を絞るとともに、エンジン3が後噴射を行うことによってPF再生処理を実行する。後噴射は、目標エンジントルクTe1を得るための燃料噴射(主噴射)より僅かに遅れて行う燃料噴射である。このようにすると、吸気絞り弁15によって吸入空気量が減少し、排ガス温度が上昇する。また、後噴射の燃料は燃焼せず、そのまま酸化触媒21に導かれ、酸化作用を受けて反応熱を発生させる。即ち排気温度を上昇させる。このようにして排気温度を600℃程度に上昇させ、DPF中のPMを燃焼させる。このような一連の処理(PF再生処理)を10〜20分継続すると、DPF中のPM堆積量は充分少なくなるので、処理を終了させ、PF再生処理が完了する。このように、エンジン3、吸気絞り弁15及び酸化触媒21は再生手段として機能する。
【0055】
ところで、閾値Qtは、真にPF再生処理が必要なPM堆積量の限界値Qt’よりも僅かに小さな値に設定されている。これは、PM堆積量の推定誤差εを考慮しているためである。即ち、Qt=Qt’−εとして設定される。この式からも明らかなように、推定誤差εが大きいほど、Qtを小さな値に設定する必要がある。Qtが小さな値に設定されると、PF再生処理の頻度が増大し、燃費の悪化や騒音の増大の原因となり、また運転者に違和感を与え易くなる。当実施形態では、PM堆積量の推定を高精度で行う(推定誤差εを小さくしている)ことにより、閾値Qtを可及的に大きな値となるように設定している。即ちPF再生処理の頻度を低下させて、燃費の悪化や騒音の増大を効果的に防止し、運転者に違和感を与え難くしている。
【0056】
なお、高精度の推定が禁止されているときには、通常精度の推定値Q1によってPF再生処理の要否を判定する。このときは、高精度の推定に比べて推定誤差εが大きくなっているので、その分閾値Qtを低い値に設定し、推定誤差εを考慮してもPM堆積量が限界値Qt’を超えないようにしている。
【0057】
図6は、当実施形態における制御のフローチャートである。スタート後、ステップS1で現在PF再生指令が発生中(ON)であるか否かの判定がなされる。YESであればステップS31(後述)に移行してPF再生処理中の制御がなされる。ステップS1でNOであれば、通常精度のPM堆積量Q1の推定がなされる(ステップS3)。
【0058】
図7に、図6のステップS3のサブルーチンを示す。この通常精度のPM堆積量Q1推定ルーチンでは、まず図3に示すPM排出量特性から各時点におけるPM排出量が演算される(ステップS41)。次に、その排出量を積算することによりPM堆積量Q11が推定される(ステップS43)。一方、図4に示すDPF前後差圧特性71から、現時点でのDPF前後差圧ΔP1に対するPM堆積量Q12が別途推定される(ステップS45)。
【0059】
次に、DPF前後差圧ΔP1が閾値ΔP3より大きいか否かの判定がなされる(ステップS47)。ステップS47でYESであればPM堆積量Q12の方がPM堆積量Q11よりも高精度であると判断され、最終的なPM堆積量Q1にQ12を入力して(ステップS49)リターンする。一方、ステップS47でNOと判定されると、PM堆積量Q11の方がPM堆積量Q12よりも高精度であると判断され、最終的なPM堆積量Q1にQ11を入力して(ステップS51)リターンする。
【0060】
図6のフローチャートに戻り、次のステップS5で通常精度のPM堆積量Q1が閾値Q13を超えているか否かの判定がなされる。ステップS5でNOと判定されると、まだPM堆積量は充分少なく、高精度の推定は必要ないと判断され、そのままリターンする。
【0061】
ステップS5でYESと判定されると、PF再生処理が必要な時期が近づいていることを示すので、続いて高精度の推定に移行する。まず、エンジン冷却水温度Tcが閾値Tc1より大であるか否かの判定がなされる(ステップS8)。ステップS8でYESであれば、第1の禁止条件は不成立であり、次のステップS9に移行する。ステップS9では車速Vが閾値V1より小さいか否かの判定がなされる。ステップS9でYESであれば更にブレーキスイッチがオン(ブレーキが踏まれている)か否かの判定がなされる(ステップS11)。ステップS9でNOであるか、又はステップS9とステップS11とが共にYESである場合には第2の禁止条件は不成立であり、次のステップS13に移行する。ステップS13では、現在の走行環境が判断される。
【0062】
図8に、図6のステップS13のサブルーチンを示す。この走行環境判断ルーチンでは、まずナビゲーションシステム34から現在位置情報(緯度・経度)の読み込みがなされ(ステップS61)、次に市街地データベースが参照される(ステップS63)。そして、現在位置が市街地であるか否か、詳しくは都市計画法に基づく用途地域における、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び第二種住居地域の何れかに属するか否かが判定される(ステップS65)。ステップS65でYESであれば、現在の走行環境が「市街地または渋滞中」であると判断され(ステップS73)、リターンする。ステップS65でNOであれば、更に渋滞情報提供機関35からの渋滞情報を読み込む(ステップS67)。ここで渋滞中であると判定(ステップS69でYES)されればステップS73に移行し、NOと判定されれば「市街地でも渋滞中でもない」と判断され(ステップS71)、リターンする。
【0063】
図6のフローチャートに戻り、ステップS15で、ステップS13の判断に基づき、現在の走行環境が市街地または渋滞中であるか否かの判定が行われる。NOと判定されれば、第3の禁止条件は不成立であり、次のステップS17に移行する。ステップS17では、高精度のPM堆積量Q2の推定を行う。
【0064】
図9に、図6のステップS17のサブルーチンを示す。この高精度のPM堆積量Q2推定ルーチンでは、まず現在のエンジントルクTeが、閾値Te2より小さいか否かが判定される(ステップS77)。YESと判定されれば、第4の禁止条件は不成立であり、続いてステップS79に移行する。そこで、現在測定されるDPF前後差圧ΔP1に対し、図5に示す追加エンジントルク特性81に基づいて追加エンジントルクΔTeを演算する。更にそのΔTeに相当する削減モータトルクΔTmを演算する(ステップS81)。次に、現在のモータトルクTmと削減モータトルクΔTmとの差から目標モータトルクTm1を演算する(ステップS83)。そしてステップS85で、Tm1≧Tm2であるか否かが判定され、YESであれば第5の禁止条件が不成立であり、次のステップS87に移行する。
【0065】
ステップS87に移行した時点で、第1〜第5の禁止条件が全て不成立となっている。このとき、高精度推定許可フラグFLGに1が入力され、高精度のPM堆積量推定が許可される。次のステップS91で目標エンジントルクTe1にTe+ΔTeが入力され、続いて目標エンジントルクTe1に応じた主噴射量が演算され(ステップS93)、実行される。一方、モータ1に対して目標モータトルクTm1を出力する(ステップS95)。このようにすると、DPF前後差圧の状態が、図4の差圧特性71の測定点72から差圧特性75の測定点76に変化する。そこで、DPF前後差圧ΔP2を測定し(ステップS97)、その値に基づいて高精度のPM堆積量Q2を推定して(ステップS99)リターンする。
【0066】
遡って、ステップS77でNOと判定されたとき、第4の禁止条件が成立する。また、ステップS85でNOと判定されたとき、第5の禁止条件が成立する。
何れの場合もステップS89に移行し、高精度推定許可フラグFLGに0が入力され、高精度のPM堆積量推定が禁止された後リターンする。
【0067】
図6のフローチャートに戻り、ステップS19で高精度推定許可フラグFLG=1であるか否かの判定がなされ、YESであればステップS21に移行し、PM堆積量推定値Qに、高精度の推定値Q2が入力される。また、閾値Qtには、真の限界値Qt’よりも僅かに小さな値であるQ4が入力される。
【0068】
遡って、ステップS8でNO(第1の禁止条件成立)、ステップS11でNO(第2の禁止条件成立)、ステップS15でYES(第3の禁止条件成立)及びステップS19でNO(第4又は第5の禁止条件成立)のときには、ステップS23に移行し、PM堆積量推定値Qに、通常精度の推定値Q1が入力される。また、閾値Qtには、真の限界値Qt’よりも小さな値であるQ3(Q3<Q4)が入力される。
【0069】
ステップS21またはステップS23の後、ステップS25でQ>Qtであるか否かの判定がなされ、NOであれば未だPF再生処理は不要なのでリターンし、YESであればステップS27に移行してDPF再生指令がONとされる。次のステップS29で再生時間の測定が開始され、続いて吸気絞り弁15を絞るとともに後噴射が実施される(ステップS31)。これによって排気温度が600℃程度に上昇し、PMが燃焼する。次のステップS33で再生時間が一定時間(予め設定された値。10〜20分程度)経過したか否かの判定がなされる。NOであればリターンし、PF再生処理を継続する(次回のルーチンではステップS1でYESと判定されるので、ステップS31からの処理が繰り返される)。ステップS33でYESならば、PF再生処理が完了したと判断し、DPF再生指令がOFFとされ(ステップS35)、リターンする。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の装置の具体的構成は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で種々変更可能である。
【0071】
例えば、当実施形態におけるエンジン3をディーゼルエンジンとし、それに対応するパティキュレートフィルタをDPFとした。これは特にPMが問題視され易いのがディーゼルエンジンであるためである。PMはガソリンエンジンであっても発生するので、それを除去するためにガソリンエンジン用のPFを設けることも有効である。本発明はそのようなガソリンエンジン搭載の車両の制御装置に適用しても良い。
【0072】
また、当実施形態は、モータ1がトルクアシストと発電とを必要に応じて切換えて実行する、いわゆるハイブリッド車両として説明したが、発電機を備えた車両であれば必ずしもハイブリッド車両でなくても良い。
【0073】
更に、エンジン音の増大に好ましくない市街地として、都市計画法に基づく用途地域から6地域を選択するようにしたが、上記以外の選択を行っても良く、このような用途地域の区分によらない市街地の判断を行っても良い。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明の車両の制御装置は、エンジンに動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機と、エンジンの排気通路に設けられたPFと、上記排気通路におけるPFの前後差圧を検知する差圧検知手段と、上記PFのPM堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときに上記PFの再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段と、上記再生タイミング判定手段の判定結果に応じてPF再生処理を行う再生手段と、上記PM堆積量の推定中に上記PFの前後差圧が増大するように上記発電機を制御する発電機制御手段とを備えたことを特徴とするので、PF再生処理中に排気温度を上昇させて効果的にPMを燃焼させるとともに、このようなPF再生処理が頻繁に行われることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド車両の制御装置の概略システムブロック図である。
【図2】上記実施形態のISG制御特性を示す特性図である。
【図3】上記実施形態のPM排出量特性を示す特性図である。
【図4】上記実施形態のDPF前後差圧特性を示す特性図である。
【図5】上記実施形態の追加エンジントルク特性を示す特性図である。
【図6】上記実施形態における制御のフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートの一部を構成するサブルーチンである。
【図8】図6のフローチャートの一部を構成するサブルーチンである。
【図9】図6のフローチャートの一部を構成するサブルーチンである。
【符号の説明】
1 モータ(兼発電機)
3 エンジン(再生手段)
12 排気通路
15 吸気絞り弁(再生手段)
21 酸化触媒(再生手段)
22 DPF(パティキュレートフィルタ)
30 ECU(再生タイミング判定手段、発電機制御手段)
32 バッテリ
34 ナビゲーションシステム(走行環境検出手段)
37,38 圧力センサ(差圧検知手段)
Claims (5)
- エンジンに動力連結されてエンジン回転による発電が可能な発電機と、
エンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタと、
上記排気通路におけるパティキュレートフィルタの前後差圧を検知する差圧検知手段と、
上記パティキュレートフィルタのパティキュレートマター堆積量を推定し、所定以上の堆積量となったときに上記パティキュレートフィルタの再生が必要な状態と判定する再生タイミング判定手段と、
上記再生タイミング判定手段の判定結果に応じてパティキュレートフィルタ再生処理を行う再生手段と、
上記パティキュレートマター堆積量の推定中に上記パティキュレートフィルタの前後差圧が増大するように上記発電機を制御する発電機制御手段とを備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 上記発電機制御手段は、エンジン温度が所定値よりも低いとき、上記パティキュレートフィルタの前後差圧を増大させる制御を抑制することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
- 上記発電機制御手段は、車速が所定値より低速であり、かつブレーキがオフであるとき、上記パティキュレートフィルタの前後差圧を増大させる制御を抑制することを特徴とする請求項1又は2記載の車両の制御装置。
- 車両の走行環境を検出する走行環境検出手段を備え、上記発電機制御手段は、走行環境がエンジン音の増大に好ましくない環境であるとき、上記パティキュレートフィルタの前後差圧を増大させる制御を抑制することを特徴とする請求項1乃至3記載の車両の制御装置。
- 上記発電機で発電された電気を充電によって貯蔵するバッテリと、
エンジンに動力連結されたモータとを備え、
上記モータは、上記バッテリに貯蔵された電気によってエンジンへのトルクアシストを行うことを特徴とする請求項1乃至4記載の車両の制御装置。
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Cited By (2)
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2003
- 2003-07-31 JP JP2003204303A patent/JP2005048620A/ja active Pending
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