JP4293153B2 - ハイブリッド車両のモータ制御装置 - Google Patents
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Description
ところで、パラレル式ハイブリッド車両のエンジンとしてディーゼルエンジを適用することが考えられる。この場合、ディーゼルエンジンの排気通路中に酸化触媒(DOC)及びパティキュレート捕集用のフィルタ(以下、単にフィルタという)を設け、排ガス中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)をフィルタで捕集するとともにフィルタに堆積したPMを酸化(燃焼)させてフィルタを連続再生するようにした技術が知られている。なお、以下では、粒子状物質をPMと表記するが、すす,パティキュレート及びスートと同一の意味である。
また、強制再生時には、膨張行程の後期又は排気行程の初期に追加燃料噴射(ポスト燃料噴射)を行い、この追加燃料のうちの未燃燃料(HC;炭化水素)を酸化触媒で酸化反応(燃焼)させて、このときの反応熱によりフィルタに流入する排ガス温度を上昇させる。そして、フィルタに流入する排ガス温度を高温化することでフィルタ内のPMを自己着火させてPMを燃焼させ、フィルタの強制再生を図っている(第1の従来技術)。
本発明は、このような要望に応えるべく創案されたもので、ハイブリッド車両の強制再生時間の短縮を図り燃費の向上を図るようにした、ハイブリッド車両のモータ制御装置を提供することを目的とする。
また、前記ディーゼルエンジンの出力軸は、クラッチを介して前記モータの出力軸に接続されていることを特徴としている(請求項3)。
このような構成により、クラッチ3を接続してモータ2を駆動することで、エンジン1の駆動力をモータ2の駆動力でアシストしながら走行することができる。また、インバータ5によりモータ2を発電機として機能させることで、エンジン2の駆動力で発電を行ってバッテリ6を充電したり、エンジンブレーキ相当の回生ブレーキを作用させて電力を回生したりすることができる。なお、クラッチ3を切断した状態で、モータ2がバッテリ6から電力供給を受けて力行することにより、モータ2の駆動力のみで駆動輪7を駆動することも可能である。
また、クラッチ3は変速段の切り換え時に自動的にクラッチの断接を行う自動クラッチであって、やはり図示しないクラッチアクチュエータが上記GSU9と協調して作動することにより、クラッチ3の断接が実行されるようになっている。なお、変速機2にトルクコンバータを有する自動変速機が適用された場合には、このクラッチ3は省略可能である。
次に、図2を用いて本発明の要部について説明すると、上述のディーゼルエンジン1の排気通路31には、上流側から順に排ガス中の成分を酸化させる酸化触媒32と排ガス中のPM(カーボンCを主体とする粒子状物質)を捕集するフィルタ33とが設けられている。
また、強制再生時には、排ガス中の未燃燃料(HC)を酸化反応(燃焼)させて、このときの反応熱により高温となった排ガスをフィルタ33に供給する機能を有している。そして、フィルタ33に流入する排ガス温度を高温化することでフィルタ3内のPMを自己着火させてPMを燃焼させ、フィルタ33を強制的に再生させるようになっている。
ここで、図示するように、要求トルク算出手段14には、エンジン回転数センサ21及びアクセル開度センサ23によりそれぞれ検出されたエンジン回転数Ne及びアクセル開度θACCが入力されるようになっており、要求トルク算出手段14では、これらの情報(Ne,θACC)に基づいて、ドライバがエンジン1及びモータ2からなる駆動源8に対する要求トルクTを算出するようになっている。
なお、第1所定値V1はモータ2が有効なトルクを出力しうるSOC下限値であり、SOCが第1所定値V1以下の場合には、これ以上のSOCの低下を抑制するべく、モータ2の出力配分が0%に設定され、エンジン1のトルクのみで駆動輪7を駆動するようになっている。また、第2所定値V2はバッテリ6が満充電と判定できるSOCであって、SOCが上記第2所定値V2以上の場合には、バッテリ6が過充電となってバッテリ6が劣化するのを防止すべく、モータ2の出力配分を100%としてバッテリ6の放電を図っているのである。
一方、このようにして出力配分が決定されると、要求トルク算出手段14で算出された駆動源8の要求トルクTと上記の出力配分と基づいて、エンジン1の目標トルクTe及びモータ2の目標トルクTmが設定されるようになっている。
ところで、このようにフィルタ33の強制再生時に第1マップから第2マップに切り換えるのは、主に以下の理由によるものである。すなわち、モータ2を主体として走行しているとき(モータ2の出力配分>エンジン1の出力配分のとき)は、エンジン1が低負荷運転又はアイドル運転となっているため、燃料噴射量が低下している。このような状態でフィルタ33の強制再生が実行されると、ポスト燃料噴射を実行しても主噴射量がもともと少ないため、ポスト燃料噴射量を増大させてもフィルタ33に十分な熱量を与えることができない。このため、強制再生時間が長くなり、結果的に燃費が悪化することになる。
この場合、モータ2の出力が減少することになるが、駆動源全体としての出力トルクは要求トルクTと等しくなるように設定されるので、加速不良等のドライバビリティを損なうことなく、速やかにフィルタ33を再生することができる。したがって燃費の向上を図ることができる。
まず、要求トルク算出手段14では、エンジン回転数センサ21及びアクセル開度センサ23からエンジン回転数Ne,アクセル踏み込み量θACC、及びバッテリ残存容量SOCを取り込み(ステップS1)、これらのパラメータのうち、エンジン回転数Ne及びアクセル踏み込み量θACCから駆動源8に対する要求トルクTを算出する(ステップS2)。
ここで、第2マップの方が第1マップよりもエンジン1の出力配分が増大するような特性に設定されているので、車両走行中の強制再生時においては、エンジン1の出力配分が増大されることになる。したがって、強制再生時における燃料噴射量の不足を回避でき、フィルタ内に堆積したPMの除去が促進される。このため、早期に強制再生が終了し、燃費が向上する利点がある。
また、走行中の強制再生において、強制再生が終了したときには第1マップが選択されることになるので、速やかにエンジン1の出力配分が低減されて、エンジン騒音が減少する。また、このときにはモータ出力のトルク配分を増加させるため、車両駆動力に影響を与えることもない。
2 電動機(モータ)
3 クラッチ
4 変速機
5 インバータ
6 バッテリ
7 駆動輪
8 駆動源
9 ギアシフトユニット(GSU)
10インジェクタ
11 システム管理手段
12 エンジンコントロールユニット(ECU)
13 モータコントロールユニット(MCU)
14 要求トルク算出手段
15 出力配分決定手段
21 エンジン回転数センサ
22 入力軸回転数センサ
23 アクセル開度センサ
24 残存容量センサ
31 排気通路
32 酸化触媒
33 フィルタ
34 差圧センサ
35 強制再生手段
Claims (3)
- 車両に搭載されたディーゼルエンジンと、
前記車両に搭載されたモータと、
前記モータに充放電可能に接続されたバッテリと、
前記車両の走行に要求される駆動力及び前記バッテリの充電状態に基づいて前記要求駆動力に対する前記ディーゼルエンジン及び前記モータの出力配分を夫々決定する出力配分決定手段と、
前記ディーゼルエンジンの排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタを強制再生する強制再生手段とを備え、
前記出力配分決定手段は、前記車両が走行中であり、かつ、前記強制再生手段による前記強制再生が実行中のときは、前記要求駆動力に対する前記ディーゼルエンジンの出力配分を増加させると共に、前記駆動力に対する前記モータの出力配分を減少させる
ことを特徴とする、ハイブリッド車両のモータ制御装置。 - 前記出力配分決定手段は、前記車両が走行中であり、かつ、前記強制再生の実行が終了したときは、前記駆動力に対する前記ディーゼルエンジンの出力配分を減少させると共に、前記推進力に対する前記モータの出力配分を増加させる
ことを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド車両のモータ制御装置。 - 前記ディーゼルエンジンの出力軸は、クラッチを介して前記モータの入力軸に接続されている
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のハイブリッド車両のモータ制御装置。
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