JP2005048485A - 無機質化粧建築板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 住宅の外壁材等に使用されている無機質化粧建築板の表面に、石材柄、陶磁器タイル柄、レンガ柄等の持つ自然な質感、素材感を現出させることのできる無機質化粧建築板とその生産性の良い製造方法を提供する。
【解決手段】 エンボス型材(8)の押圧によって、例えば目地溝状エンボス凹部(2)、化粧面エンボス凸部(3)、石肌状エンボス凹部(3a)等のエンボス凹凸模様が設けられた着色表面層(1a)を有する無機質板(1)の着色表面層(1a)に、熱溶融性樹脂片(7)が溶融した溶融痕跡凹部(4)による凹部模様を形成した無機質化粧建築板(A)とする。また、この無機質化粧建築板(A)を、表面層が着色された未硬化無機質マット(5)をエンボス成形と同時に熱溶融性樹脂片(7)を部分埋設した無機質板(1)に形成し、蒸気養生によって上記部分埋設された熱溶融性樹脂片(7)を溶融させるという工程で生産性良く製造する。
【選択図】 図1




Description

本発明は、住宅など建築物の、特に石材柄調、陶磁器タイル柄調、レンガ柄調、土壁柄調等の高級外観を有する外壁化粧板に用いるに好適な無機質化粧建築板およびその製造方法に関する。
従来から、セメントを主原料とする無機質組成物を、湿式抄造法あるいは半乾式成形法により未硬化無機質マットに成形し、この無機質マットの表面をエンボス型材で押圧して表面に凹凸模様を有する無機質板に形成した後、この無機質板を養生或いは蒸気養生して硬化させ、更にこの表面にシーラー処理や着色塗装、或いは印刷模様を施すことにより、表面に凹凸模様を有する無機質化粧建築板を製造する方法は良く知られており、外壁材等として使用されている。
一方、近年、この種無機質化粧建築板は、石材柄調、陶磁器タイル柄調、レンガ柄調、土壁柄調等の高級な装飾外観を有するものが好まれる傾向にあるが、従来の塗装や印刷による方法では、これら材料の質感や素材感まで十分に表現することは困難であった。また、長年の使用により塗膜やインクが劣化し、変退色や塗膜剥離が生じて外観を損ねる等、耐久性も必ずしも十分とはいえなかった。さらには、オートクレーブ等の蒸気養生後において、下塗り、中塗り、上塗り、或いはスパッタ塗装や部分印刷等多くの工程を費やして表面化粧を施すものであるため、生産工程が煩雑となり生産性も悪いという問題を有していた。
また、エンボス型材の押圧によって無機質板の表面に凹凸模様を形成する場合、凹部を目地溝模様とし、凸部を化粧面とするような比較的大きな凹凸模様を形成することはできるが、例えば径が2mm未満の小さな凹部模様をエンボス型材の押圧で形成しようとすると、これに対応するエンボス型材の小さな凸部が、押圧によって摩滅し易いため、エンボス型材を多数回繰り返し使用できず不経済になるという問題があった。更にエンボス型材では、上記凸部化粧面の側面や傾斜側面に凹部模様を設けることは困難であり、上広がりの凹部模様しか良好に形成できない等、押圧上及び脱型上、形成できる凹部の形状が制限されるという問題があった。このため、エンボス型材による押圧だけでは、石材柄調、陶磁器タイル柄調、レンガ柄調、土壁柄調などの自然感と変化に富んだ形状の凹部模様を形成できず、これら材料の持つ質感、素材感を十分に表現することができなかった。
このため、特開平5−194059号、特開平11−226491号等に示されているように、着色骨材を散布して、細かな凹凸模様を形成することも行われているが、この場合、表面に砂粒が付着したようなザラツキ感は表現できても、石材にある自然な割れ目や巣のような凹部模様、或いは陶磁器タイルやレンガにある気泡跡や溶融跡のような凹部模様などを表現することはできなかった。
特開平5−194059号 特開平11−226491号
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みなされたもので、石材柄調、陶磁器タイル柄調、レンガ柄調、土壁柄調等の質感、素材感を良好に表現でき、その装飾性を顕著に向上させることのできる無機質化粧建築板と、この無機質化粧建築板を生産性良く製造することのできる無機質化粧建築板の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る無機質化粧建築板は、エンボス型の押圧によるエンボス凹凸模様が設けられた着色表面層を有する無機質板の着色表面層に、熱溶融性樹脂片が溶融した溶融痕跡凹部模様が形成されている構成とした。
これによれば、従来のエンボス型の押圧や着色骨材の散布では表現できない凹部模様や泡粒模様等を、着色表面層上に設けたエンボス凹凸模様面に形成することができ、この凹部模様と着色表面層とエンボス凹凸模様とが相俟って、石材柄や陶磁器タイル柄等の持つ自然な質感や風合いを現出させることができる。また、着色表面層が、通常の着色塗装の場合のように凹部模様の上にあって凹部模様を同一色に塗りつぶすのではなく、溶融痕跡凹部模様の下にあるので、この凹部模様を形状的にも、色調的にも際立たせることができ、装飾外観を良くすることができる。また、溶融痕跡凹部表面の溶融した樹脂層によって、蒸気養生時に生じ易いエフロレッセンスの発生を軽減させることもできる。
請求項2の発明に係る無機質化粧建築板は、請求項1の発明において、熱溶融性樹脂片が、溶融固化時に透明乃至は半透明となるものを採用し、溶融痕跡凹部模様の表面に、上記溶融固化層を介して着色表面層が現出するように構成した。
これによれば、溶融痕跡凹部模様の溶融固化層を透過乃至は半透過して、着色表面層を、溶融痕跡凹部模様のない部分の着色表面層とは異なった独特の風合いを持って現出させることができ、その質感や風合いを一層向上させることができる。
請求項3の発明に係る無機質化粧建築板は、請求項1の発明において、熱溶融性樹脂片が、溶融固化時に非透明であり、溶融痕跡凹部模様の表面に、上記溶融固化層が着色表面層と異なる色調となって現出する構成とした。
これによれば、溶融痕跡凹部模様のない着色表面層と明瞭に色調の異なる溶融痕跡凹部模様を強調的に現出させることができ、色調的に一層変化に富んだ班状凹部模様によってその装飾性を向上させることができる。
請求項4の発明に係る無機質化粧建築板は、請求項1乃至3の発明において、熱溶融性樹脂片が熱溶融性発泡樹脂片である構成とした。
これによれば、非発泡の熱溶融性樹脂片を採用する場合に較べて、溶融収縮容積が大きいため、より大きな溶融痕跡凹部を形成することができ、また、同じ大きさであってもその発泡倍率に応じて、形成される溶融痕跡凹部の大きさを調整することができる。
請求項5の発明に係る無機質化粧建築板の製造方法は、セメントを主原料とする組成物を成形して少なくとも表面層が着色された着色表面層を有する未硬化無機質マットを形成するA工程と、該未硬化無機質マットの表面側に熱溶融性樹脂片を配するB工程と、該未硬化無機質マットをエンボス型材で押圧して、上記熱溶融性樹脂片を部分埋設したエンボス凹凸模様を有する無機質板を形成するC工程と、該エンボス凹凸模様を有する無機質板を上記熱溶融性樹脂片の融点以上の温度条件で蒸気養生することにより、上記熱溶融性樹脂片を溶融せしめて溶融痕跡凹部模様を形成するD工程とを少なくとも具備している構成とした。
これによれば、無機質板のエンボス成形と同時に熱溶融性樹脂片を無機質板の着色表面層に部分埋設することができるので着色骨材を散布するような別途の工程を必要としない。また、無機質板を蒸気養生硬化するときの養生工程を利用して熱溶融樹脂片を溶融させ溶融痕跡凹部模様を形成することができるので、別途の加熱溶融工程やそれに要するエネルギーを必要としない。これらのため、本発明の無機質化粧建築板を非常に生産性良く製造することができる。
また、形成できる溶融痕跡凹部模様は、エンボス型材では摩滅のため得難い2mm未満の小さな凹部模様であっても、エンボス型材では成形できない、開口径よりも内部径の方が大きな形状の凹部模様であっても形成することができる。
請求項6の発明に係る無機質化粧建築板の製造方法は、請求項5の発明方法の、A工程においては、セメントを主原料とする組成物が、セメントに木質材料を混合した表裏面層用と芯層用、又は表面層用と芯層用と裏面層用の半乾式成形用組成物であるとともに、上記表裏面層用又は上記表面層用の半乾式成形用組成物には着色顔料が混入されており、B工程においては、熱溶融性樹脂片が180℃未満の温度で溶融する熱溶融性樹脂片であり、D工程においては、エンボス凹凸模様を有する無機質板を180℃未満の温度条件で蒸気養生する構成とした。
これによれば、嵩高い木質材料をセメントに混合して、半乾式成形用に水の配合量をセメントの水和硬化反応に必要な量より若干多めに押さえて半乾式成形しているので、湿式抄造法による場合に較べて嵩高い未硬化無機質マットを得ることができ、エンボス型材による押圧によって成形と同時に熱溶融性樹脂片を良好に無機質板の表面に部分埋設することができる。
また、半乾式成形用組成物を3層構成用とし、その少なくとも表面層用の組成物に着色顔料を混入しているので、未硬化無機質マットに効率よく着色表面層を形成することができる。そして、下塗り、中塗り、上塗り等の工程や貯蔵、混合、乾燥等の装置・工程の必要な着色塗装を省くことができ、生産性が良い。また、着色塗装や着色粉の付着による表面的な着色ではなく表層の内部まで着色されているので、従来のように塗膜剥離や着色粉の脱落などが生じず、着色外観を永年良好に保つことができる。
更に、最大でも180℃を超えない温度で蒸気養生しているので、無機質板中の木質材料に熱劣化を生じることがなく、このため強度低下や、木質材料に起因する着色ムラの発生のない無機質化粧建築板を得ることができる。
請求項7の発明に係る無機質化粧建築板の製造方法は、請求項5又は6の発明方法のB工程において、未硬化無機質マットの表面側を上面とし、この表面側上面に熱溶融性樹脂片を上方から散布して配する構成とした。これによれば、熱溶融性樹脂片を未硬化無機質マットの表面側に散布位置や散布密度を自在にコントロールして配することができる。
請求項8の発明に係る無機質化粧建築板の製造方法は、請求項5又は6の発明方法のB工程において、C工程で用いるエンボス型材に予め熱溶融性樹脂片を付着させておくことにより、未硬化無機質マットの表面側に熱溶融性樹脂片を配する構成とした。これによれば、熱溶融性樹脂片の散布装置は必要とせず、予めストックされた多数のエンボス型材の内面に熱溶融性樹脂片を仮付着して配しておくことができるので、一層生産性を向上させることができる。
請求項9又は10の発明に係る無機質化粧建築板の製造方法は、請求項5乃至は8の発明方法のB工程において、用いる熱溶融性樹脂片が、請求項9の発明にあっては溶融固化時に透明乃至は半透明となるものである構成とし、請求項10の発明にあっては溶融固化時に非透明となるものである構成とした。これによれば、前記段落番号0010又は段落番号0012に記載した効果を発現する無機質化粧建築板を生産性良く製造することができる。
請求項11の発明に係る無機質化粧建築板の製造方法は、請求項5乃至10の発明のB工程において、用いる熱溶融性樹脂片が、熱溶融性発泡樹脂片である構成とした。これによれば、前記段落番号0014に記載した効果を発現する無機質化粧建築板を生産性良く製造することができる。
図1〜図3は、本発明の実施形態1である無機質化粧建築板(A)を説明する図面であり、図1はその部分断面図、図2は要部拡大図、図3は部分平面図である。各図より、(1)は無機質板であり、この無機質板(1)は、着色顔料が混入されて着色された着色表面層(1a)と、芯層(1b)と、裏面層(1c)の3層で構成されている。
着色表面層(1a)には、エンボス型材の押圧によって、目地溝状エンボス凹部(2)とこの目地溝状エンボス凹部(2)で囲われた化粧面エンボス凸部(3)が形成されており、化粧面エンボス凸部(3)の表面には、さらに石肌面を現すなだらかな石肌状エンボス凹部(3a)が形成されている。
また、着色表面層(1a)には、この着色表面層(1a)に部分埋設された熱溶融性発泡樹脂片(7)が熱溶融して形成された透明乃至は半透明の溶融固化層(4a)を内面に有する多数の溶融痕跡凹部(4)によって凹部模様が形成されている。この溶融痕跡凹部(4)は、溶融固化層(4a)の一部が着色表面層(1a)に浸透しており、その内部から着色表面層(1a)が溶融固化層(4a)を介して、溶融痕跡凹部(4)の無い着色表面層(1a)とは区別できる独特の風合いをもって現出している。
溶融痕跡凹部(4)は、その径が10mm未満のものが良く、エンボス型材ではその摩滅のため形成し難い2mm未満の小さな径のものとすることができる。またエンボス型材では成形不能の、目地溝状エンボス凹部(2)の側壁面(2a)に形成することができ、更には、第2図に示すような開口径よりも内部径の方が大きな中膨らみの形状のものとすることができる。また、その形状は特に限定されるものではなく、半球状、半楕円状、繊維状、割れ目状、多角形状、その他の不定形状等のものとすることができる。
このように本実施形態1に係る無機質化粧建築板(A)は、着色表面層(1a)に、目地溝状エンボス凹部(2)と化粧面エンボス凸部(3)と石肌状エンボス凹部(3a)とからなるエンボス凹凸模様によって粗い自然石外観が形成され、この表面に中膨らみの半球状や繊維状など種々の形状の溶融痕跡凹部(4)によって凹部模様が形成されており、この溶融痕跡凹部(4)の内面の溶融固化層(4a)を介して着色表面層(1a)が他の部分の着色表面層(1a)とは異なる深みのある色調や風合いを持って、自然石の質感、素材感を現出した装飾性の良い外観を有している。
尚、本実施形態1においては、無機質板(1)として3層構成で表面層が着色されたものを示したが、これに限らず、裏面層(1c)や芯層(1b)も着色されていても良く、また、着色された単層構成や2層構成のものであっても良い。
また、本実施形態1においては、熱溶融性樹脂片(7)として、溶融固化時に透明乃至は半透明となるものを用いる例を示したが、これに限らず、溶融固化時に非透明となるものを用いることもできる。この場合には、溶融痕跡凹部(4)の内面を、該凹部(4)のない表面着色層(1a)とは明瞭に異なる色調にすることができ、例えば、多数の溶融痕跡凹部(4)による凹部模様に、白、黒、赤、茶色など種々の色が混じりあって明瞭な斑点模様となって現出した装飾性の高い外観にすることができる。
また、本実施形態1においては、熱溶融性樹脂片(7)として、発泡樹脂片を用いる例を示したが、非発泡樹脂片を用いることもできる。非発泡樹脂片を用いる場合には、発泡樹脂片を用いる場合に較べて、熱溶融による収縮容積が小さくなるため、同じ大きさであれば溶融痕跡凹部(4)の大きさが小さくなる反面、溶融固化層(4a)の厚みが増して深み感を与えることができ、それぞれ風合いの異なった溶融痕跡凹部(4)を現出させることができる。発泡樹脂片の場合には、用いる樹脂の発泡倍率によって溶融痕跡凹部(4)による凹部模様の風合いを様々に変化させることができる。
次に、図4の(a)〜(e)に基づいて、本発明の実施形態2である無機質化粧建築板の製造方法を説明する。図4の(a)は、セメントに木質材料を混合した半乾式成形用組成物を半乾式成形して未硬化無機質マット(5)を形成するA工程を示す。未硬化無機質マット(5)は、表面層(5a)と芯層(5b)と裏面層(5c)の3層構成で、表面層(5a)と裏面層(5c)には着色顔料が混合されて所望の色に着色されている。(6)は、マット(5)を支持する平坦な下型プレートである。
セメントとしては、ポルトランドセメント、スラグセメント、アルミナセメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、マグネシアセメントで、或いはこれらセメント類に硅砂、シラス、硅石粉等の珪酸質材料を混合したものを用いることができる。
また、木質材料としては、木材チップ、木材フレーク、木材繊維、パルプ、漂白パルプ、鋸屑等木質粉粒状物を用いることができる。そして、これらの木質材料には、建築廃材等の木質廃材や、木質セメント板の粉砕物などを再生したものを用いることもできる。
上記半乾式成形用組成物は、表裏面層用と芯層用で組成を変えてあり、表裏面層用の組成物は、セメントとパルプ等細かな木質材料と水和に必要な水と着色顔料を含み、これに必要により、無機質発泡体、補強繊維等の軽量化材や補強材、及び硬化促進剤、エフロレッセンス防止剤、耐水性付与剤等のケミカル類を添加し、混合装置により混合して調整される。
また、芯層用の組成物は、セメントと木材フレークのような粗い木質材料と水和に必要な水とを含み、これに必要により、上記表裏面層用と同じ軽量化材や補強材、ケミカル類を添加し、混合装置により混合して調整される。
このような表裏面層用の半乾式組成物と芯層用の半乾式組成物の具体的な一例を示すと、表裏面層用として、ポルトランドセメント50重量部、珪酸質材料18重量部、パルプや細かな木フレークを主とする木質材料15重量部、着色顔料2重量部、水38重量部、パーライト15重量部からなるものを挙げることができる。また、芯層用として、ポルトランドセメント50重量部、珪酸質材料20重量部、木材フレーク15重量部、パーライト15重量部、水42重量部からなるものを挙げることができる。
また、表裏面層用の半乾式成形用組成物の木質材料として、漂白クラフトパルプを用いた場合には、後述する蒸気養生処理によって木質材料成分中の一部着色成分が染みムラとなって無機質化粧建築板の表面に現出するのを抑制することができる。
このような半乾式成形用組成物は、パサパサした固形状態であり、半乾式成形装置のフォーミングヘッドから、搬送移動中の平坦な下型プレート(6)上へ、裏面層用、芯層用、表面層用の順に落下させることにより、嵩高い未硬化無機質マット(5)に形成される。
上記本実施形態2では、(A)工程において、半乾式成形用組成物を半乾式成形して未硬化無機質マット(5)を形成する例、およびこの無機質マット(5)が表面層(5a)、裏面層(5b)、芯層(5c)の3層構成からなる例、また、半乾式成形用組成物として表裏面層用には着色顔料を混入した例、また、木質材料を混入した例を示したが、このような半乾式成形用組成物を半乾式成形して得た嵩高い未硬化無機質マット(5)は、後述する熱溶融性樹脂片(7)を押圧によって部分埋設させるのに適しており、特に熱溶融性樹脂片(7)に押圧時に変形し易い発泡樹脂片を用いる場合に好適である。
尚、ここにおいて、未硬化無機質マット(5)として、上記実施形態2に限らず、例えば、湿式抄造後脱水成形される湿式抄造マットや、木質材料未混入のセメント組成物を半乾式成形したものを用いることができる。
図4の(b)に示すB工程は、上記(A)工程で形成した未硬化無機質マット(5)の表面に、該マット(5)の上方から非発泡乃至は10倍発泡程度の範囲の熱溶融性樹脂片(7)を散布して配した状態である。ここで用いる熱溶融性樹脂片(7)の樹脂には、180℃未満の温度で溶融するアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂の発泡体を用いることができる。
また、上記熱溶融性樹脂片(7)は、溶融固化時に透明乃至は半透明性を呈するものや、溶融固化時に着色非透明性を呈するもの等を用いることができる。このような熱溶融性樹脂片(7)の形状や大きさは、前記した通りである。
尚、上記B工程では、熱溶融性樹脂片(7)を熱溶融性無機質マット(5)の上方から散布により配する例を示したが、これ以外に、図5に示すように、エンボス型材(8)の内側に離型剤や粘性剤或いは粘着剤等の液状物を塗布した後、この表面に熱溶融性樹脂片(7)を散布して付着させたエンボス型材(8)を予め多数準備しておき、このエンボス型材(8)を未硬化無機質マット(5)の表面側に載置することで、熱溶融性樹脂片(7)を未硬化無機質マット(5)の表面側に配する方法、或いはエンボス型材(8)の表面に熱溶融性樹脂片(7)を散布し、その上から半乾式成形用組成物を散布堆積させて、マット(5)の表面側に熱溶融性樹脂片(7)を配する方法等により行うことができる。
次に、図4の(c)及び(d)は、未硬化無機質マット(5)をエンボス型材(8)で押圧して、無機質板(1)に形成すると同時に熱溶融性樹脂片(7)を無機質板(1)の着色表面層(1a)の内部に部分埋設するC工程を示す。
ここにおいて、部分埋設とは、第6図にその一例を示すように、エンボス型材(8)の押圧によって、熱溶融性樹脂片(7)の少なくとも一部が無機質板(1)の着色表面層(1a)から露呈した露呈部(7a)を有するように埋設された状態のことであり、着色表面層(1a)内に完全に埋没した状態ではない。
エンボス型材(8)は、目地溝状エンボス凹部(2)を形成するための凸型部(8a)と、化粧面エンボス凸部(3)を形成するための凹型部(8b)と化粧面エンボス凸部の表面に石肌状のなだらかな凹部(3a)を形成するための石肌状凸型部(8c)とを有しており、下型プレート(6)と同様にFRP樹脂製や金属製である。また、エンボス型材(8)の上記凸型部(8a)は、その最小径が2mm以上の大きさとなるように形成されているのが望ましい。2mm未満特に1mm未満の最小径になると、押圧時にエンボス型板(8)の凸型部(8a)が摩滅し易いので、何度も繰り返し使用ができなくなる。
このエンボス型材(8)による押圧は、下型プレート(6)と未硬化無機質マット(5)とエンボス型材(8)との積層物を一組としてその複数組を堆積し、これに所定の圧力を加えて圧締成形することにより行うことができる。このC工程によって、嵩高い未硬化無機質マット(5)は圧縮され、上記エンボス型材(8)の凹凸形状が転刻されると同時に、熱溶融性樹脂片(7)が無機質板(1)の着色表面層(1a)に生産性良く部分埋設される。
次に、上記で得られた無機質板(1)を180℃未満の温度で約10時間〜12時間蒸気養生する。蒸気養生温度が180℃を超えると無機質板(1)中の木質材料が熱劣化し、無機質板(1)の強度的性質が低下したり、或いは木質材料成分の一部が無機質板(1)の着色表面層(1a)の表面に染みムラとなって溶出することがあるので好ましくない。
尚、このような蒸気養生は、恒温状態で行われるのではなく、段階的に昇温され、180℃未満の最大温度に達した後、降温されるものであり、本実施形態2のような木質材料を含む組成の場合には、熱溶融性樹脂片(7)が溶融する温度以上で且つ、150℃以上から180℃未満、特に170℃(蒸気圧7気)前後が最大温度となるように行うのが効率的である。
この蒸気養生により、無機質板(1)中のセメントはその水和による硬化反応が十分促進されるとともに、無機質板(1)の着色表面層(1a)に部分埋設された熱溶融性樹脂片(7)が溶融して、図4の(d)や図1〜図3に示される多数の溶融痕跡凹部(4)が表面に現出した無機質化粧建築板(A)を、効率的に製造することができる。
尚、蒸気養生処理の前に、無機質板(1)を自然養生、或いは摂氏数十度程度の雰囲気温度下で一次養生しておくこともできる。また、この自然養生或いは一次養生した無機質板(1)に予めシーラーを塗布したり、切断や実加工等の加工をしておくこともできる。予めシーラーを塗布した場合には、蒸気養生時に発生し易いエフロレッセンスを抑制することができる。
本発明の実施形態1である無機質化粧建築板(A)を説明する部分断面図。 同上の無機質化粧建築板(A)を説明する要部拡大図。 同上の無機質化粧建築板(A)を説明する部分平面図。 本発明の実施形態2である無機質化粧建築板の製造方法の説明図。 同上の無機質化粧建築板の製造方法において、熱溶融性樹脂片(7)を無機質基板(1)の表面側に配する、その他の例を示す説明図。 同上の無機質化粧建築板の製造方法において、熱溶融性樹脂片(7)を部分埋設した状態説明図。
符号の説明
(A) 無機質化粧建築板
(1) 無機質板
(1a) 着色表面層
(1b) 芯層
(1c) 裏面層
(2) 目地溝状エンボス凹部
(3) 化粧面エンボス凸部
(3a) 石肌状エンボス凹部
(4) 溶融痕跡凹部
(4a) 溶融固化層
(5) 水硬性無機質マット
(5a) 表面層
(5b) 芯層
(5c) 裏面層
(6) 下型プレート
(7) 熱溶融性樹脂片
(7a) 露呈部
(8) エンボス型材
(8a) 凸型部
(8b) 凹型部
(8c) 石肌状凸型部

Claims (11)

  1. エンボス型の押圧によるエンボス凹凸模様が設けられた着色表面層を有する無機質板の着色表面層に、熱溶融性樹脂片が溶融した溶融痕跡凹部模様が形成されていることを特徴とする無機質化粧建築板。
  2. 熱溶融性樹脂片が、溶融固化時に透明乃至は半透明であり、溶融痕跡凹部模様の表面に、上記溶融固化層を介して着色表面層が現出していることを特徴とする請求項1に記載の無機質化粧建築板。
  3. 熱溶融性樹脂片が、溶融固化時に非透明であり、溶融痕跡凹部模様の表面に、上記溶融固化層が着色表面層と異なる色調となって現出していることを特徴とする請求項1に記載の無機質化粧建築板。
  4. 熱溶融性樹脂片が熱溶融性発泡樹脂片であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の無機質化粧建築板。
  5. セメントを主原料とする組成物を成形して少なくとも表面層が着色された着色表面層を有する未硬化無機質マットを形成するA工程と、該未硬化無機質マットの表面側に熱溶融性樹脂片を配するB工程と、該未硬化無機質マットをエンボス型材で押圧して、上記熱溶融性樹脂片を部分埋設したエンボス凹凸模様を有する無機質板を形成するC工程と、該エンボス凹凸模様を有する無機質板を上記熱溶融性樹脂片の融点以上の温度条件で蒸気養生することにより、上記熱溶融性樹脂片を溶融せしめて溶融痕跡凹部模様を形成するD工程とを少なくとも具備していることを特徴とする無機質化粧建築板の製造方法。
  6. A工程において、セメントを主原料とする組成物が、セメントに木質材料を混合した表裏面層用と芯層用、又は表面層用と芯層用と裏面層用の半乾式成形用組成物であるとともに、上記表裏面層用又は上記表面層用の半乾式成形用組成物には着色顔料が混入されてなり、B工程において、熱溶融性樹脂片が180℃未満の温度で溶融する熱溶融性樹脂片であり、D工程において、エンボス凹凸模様を有する無機質板を180℃未満の温度条件で蒸気養生することを特徴とする請求項5に記載の無機質化粧建築板の製造方法。
  7. B工程において、未硬化無機質マットの表面側を上面とし、この表面側上面に熱溶融性樹脂片を上方から散布して配することを特徴とする請求項5又は6に記載の無機質化粧建築板の製造方法。
  8. B工程において、C工程で用いるエンボス型材に予め熱溶融性樹脂片を付着させておくことにより、未硬化無機質マットの表面側に熱溶融性樹脂片を配することを特徴とする請求項5又は6に記載の無機質化粧建築板の製造方法。
  9. B工程において、用いる熱溶融性樹脂片が、溶融固化時に透明乃至は半透明となるものであることを特徴とする請求項5乃至8に記載の無機質化粧建築板の製造方法。
  10. B工程において、用いる熱溶融性樹脂片が、溶融固化時に非透明となるものであることを特徴とする請求項5乃至8に記載の無機質化粧建築板の製造方法。
  11. B工程において、用いる熱溶融性樹脂片が、熱溶融性発泡樹脂片であることを特徴とする請求項5乃至10に記載の無機質化粧建築板の製造方法。
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