JP2005048281A - 保護膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バリア特性、可視光透明性、膜質均一性に優れた高品質な保護膜を安定して量産できる保護膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなる保護膜の製造方法であって、ターゲット材料として窒化珪素を用い、スパッタガスに不活性ガス、反応性添加ガスにN2を用いてスパッタリング法により形成するものである保護膜の製造方法である。得られる窒化酸化シリコンからなる保護膜の酸素成分は、基板ないしは薄膜積層体中、あるいは反応装置内に存在していた水分が分解することで、保護膜組成中に取り込まれる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される保護膜およびその製造方法に関するものである。詳しく述べると本発明は、例えば、有機EL素子等に用いられるオーバーコート層と言われる紫外線硬化型樹脂等の膜内部が硬化し難しい有機層上に形成されるバリア層、または、包装材料、表示デバイス等に用いるポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル系紫外線硬化樹脂等の水分含有率の高いフィルムのバリア層などの保護膜を、安定して高品質に量産できる製造方法に関するものである。
フラットディスプレイパネルとして、現在、液晶ディスプレイパネルが広く用いられているが、最近では、軽量で、バックライトを必要としないエレクトロルミネッセント素子(以下、「EL素子」という。)を用いたデバイスが注目を集めている。
EL素子としては、無機のものと有機のものの双方が開発されているが、無機EL素子が、駆動のために、比較的高電圧を必要とするのに対し、有機EL素子は、10ボルト前後の低電圧によって、数百ないし数万cd/m2というきわめて高い輝度が得られるという特徴を有しており、有機EL素子が主流となっている。
しかしながら、有機EL素子においては、水分や有機溶媒成分が吸着することによって、たとえば、発光素子中に、黒い斑点状のダークスポットが発生し、発生したダークスポットが成長して、有機EL素子の寿命を低下させるという問題があった。
また、有機EL素子においては、基板上に、カラーフィルターなどを形成すると、段差が生じ、その上に、透明電極および補助配線を形成した場合には、透明電極および補助配線が切断されるおそれがあるため、平坦化のための有機層を設け、有機層上に、ITO電極などを形成するように構成されているが、ディスプレイ駆動時に発生する熱などにより、有機層中の水分や有機溶媒成分が揮発し、ガスとして放出されるため、発光素子機能が劣化し、信頼性が低下するという問題があった。
このように、樹脂基板や樹脂フィルムは、有機ELやLCDなどのディスプレイ用や食品包装用に用いられることがあるが、上記したような内部への酸素や水分を遮断するために、従来、バリア層が形成されており、ディスプレイ用樹脂基板には、透明性や防湿性の点から酸化シリコンの蒸着やスパッタにより成膜したバリア層が用いられていたが、十分な機能を果たしていなかった。
かかる問題を解決するため、特許文献1には、有機ELのバリア膜として、窒素/酸素の比率が0.13〜2.88である窒化酸化シリコンを用いることが提唱されている。
特開2001−124916号公報
しかしながら、上記の特許文献1においては、O/Nの比でバリア性を論議しており、その品質について不安定な要素となっている。また、窒化酸化シリコン膜をSiNターゲットに対し、導入ガスに酸素を用いて形成しているが、我々が行った研究によれば、このように酸素を用いた場合、工業上量産性を図って、実機を用いて製造を行った場合、品質にバラツキが生じ、所定の組成を得ることが困難であった。
従って、本発明は、上述したような従来技術における問題を解決する改良された保護膜およびその製造方法を提供することを課題とする。本発明はまた、プロセスを改善し、バリア特性、可視光透明性、膜質均一性に優れた高品質な保護膜を安定して量産できる保護膜の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される保護膜であって、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなることを特徴とする保護膜である。
本発明はまた、前記保護膜の上部には、有機発光層を含む別の薄膜積層体が形成されるものである保護膜を示すものである。
本発明はさらに、上記保護膜は、カラーフィルター層を形成した基板上に形成されるものである保護膜を示すものである。
上記課題を解決する本発明はまた、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなる保護膜の製造方法であって、ターゲット材料として窒化珪素を用い、スパッタガスに不活性ガス、反応性添加ガスにN2を用いてスパッタリング法により形成するものである保護膜の製造方法である。
上記課題を解決する本発明はさらに、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなる保護膜の製造方法であって、材料として窒化珪素を用い、反応性添加ガスにN2を用いて、イオンプレーティング法により形成するものである保護膜の製造方法である。
本発明はまた、得られる窒化酸化シリコンからなる保護膜の酸素成分は、基板ないしは薄膜積層体中、あるいは反応装置内に存在していた水分が分解することで、保護膜組成中に取り込まれたものであることを特徴とする上記保護膜の製造方法を示すものである。
本発明はまた、窒化酸化シリコンからなる保護膜は、インライン型スパッタ装置を用い、印加電力を2.50〜7.00w/cm2、ターゲット−基板間距離を12cm以下として、行うものである上記保護膜の製造方法を示すものである。
以上述べたように本発明においては、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に保護膜を形成するにおいて、バリア性、可視光透過性、膜質均一性といった品質に優れた保護膜を、安定して量産することができるものであって、例えば、有機EL素子におけるバリア膜として応用された場合、有機ELの水分、酸素等による劣化を効果的に抑制することが可能となるものである。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の保護膜は、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される保護膜であって、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなることを特徴とする。
本発明においては、このように窒化酸化シリコン膜の組成比を、Si/O/Nの三元系において規定している。これは、Si成分が最もバリア性(防湿性)に作用し、Si成分の量がN、Oのガス成分と比較して多い場合は、バリア性が増し可視光透過率が減少するが、これに対し、Si成分量がN、Oのガス成分と比較して少ない場合には、バリア性が減少するものの、可視光透過率が増加するという事実に基づくものである。
固体成分であるSiと、ガス成分であるOおよびNとの比は、原子量比で、より好ましくは、1:1.4〜1:1.7、特に約2:3程度が理想的である。この比が2:3程度であると、透過率80%以上を保持しつつ良好なバリア性が得られる。
また、N成分とO成分については、上記の比率範囲内にあれば良いが、より好ましくは、N成分とO成分とが、原子量比で、2:3〜4:1、特に約1:1程度が望ましい。
実験的には、後述するように、Si/N/Oは、原子量比で100/75/80程度が理想的であった。この場合、膜厚3000Aで、550nmの波長透過率は83%で、WTR0.01程度の良好なバリア性が得られた。
本発明において、保護膜を形成される基材としては、真空プロセスに対応できるものであれば、特に限定されるものではなく、各種のものが適用され得るが、特に、保護膜製膜時のプロセスにおいて、出ガスの生じ易い基材、ないしは水分を含み易い基材である場合に有効である。具体的には、例えば、有機EL素子等に用いられる紫外線硬化型樹脂等の膜内部が硬化し難しい有機層、または、包装材料、表示デバイス等に用いるポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル系紫外線硬化樹脂等の水分含有率の高いフィルムなどが挙げられる。なお、上記したような有機層上に保護膜(バリア層)が形成される場合、一般にこの保護膜は、オーバーコート層と呼ばれている。
なお、本発明に係る保護膜は、上記したような基材上に直接形成されるもののみならず、基板上に形成される薄膜積層体の上部を覆うための保護膜であってもよい。このような薄膜積層体の構成自体は、何ら限定されるものではなく、公知のいかなる構成のものであってもよいが、例えば、薄膜積層体が、有機発光層を含むものであるように、防湿性あるいはガスバリア性が必要とされるような薄膜積層体に対して、特に有用である。また、基材上に直接形成される場合も、その基材上部に形成される薄膜積層体が、有機発光層を含むものであるように、防湿性あるいはガスバリア性が必要とされるような構成である場合には、特に有用である。また、薄膜積層体が例えば、カラーフィルター層である場合のように、その上部にさらに別の薄膜積層体、例えば、有機EL素子構造、液晶素子構造等を積層する場合であっても、カラーフィルター層等の前者の薄膜積層体上および/または後者の薄膜積層体上に本発明に係る保護膜を形成できる。
なお、一般に、ガラス、プラスチック等の基板上に、薄膜積層体としてカラーフィルター層を有するものは、「カラーフィルター基板(CF基板)」と呼ばれているが、本発明に係る保護膜は、このようなCF基板上に形成される保護膜としても、特に有用である。なお、CF基板としては、例えば、基板上に、ブラックマトリックス層、カラーフィルター層を積層した構造のものほか、カラーフィルター層上にさらに色変換層を積層した構造のものなど、各種の態様が含まれ得る。
本発明に係る保護膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、保護膜を堆積する基材ないし薄膜積層体の種類等によっても左右されるので一概には規定できないが、後述するように、出ガスの多い基材(具体的には、例えば、四重極質量分析装置にて製膜中の水素分圧が1×10-5Pa以上)である場合には、膜厚が薄い、例えば500A以下のものであると、窒化が起こりにくく所期の組成を形成し得ない虞れがあるため、これ以上の膜厚であることが望ましく、特に、500〜5000A程度の膜厚であることが望ましい。
次に本発明に係る保護膜の製造方法について説明する。
本発明の保護膜の製造方法は、上記したような基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなる保護膜の製造方法であって、ターゲット材料として窒化珪素を用い、スパッタガスに不活性ガス、反応性添加ガスにN2を用いてスパッタリング法により形成する、あるいは、材料として窒化珪素を用い、反応性添加ガスにN2を用いて、イオンプレーティング法により形成するものである。
すなわち、本発明者らは、基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に窒化酸化シリコン膜を形成するにおいて、基材からの主な出ガス成分であるH2O由来の酸素が優先的に膜中に取り込まれ、窒化を阻害しSiOx化する事象を、四重極ガス分析装置による分析の結果により突きとめ、製膜反応時に導入する反応性ガスとして酸素ではなく窒素ガスを用いることで、再現性よく、保護膜のSiOx化を抑制し、所期のSiOxy膜を形成する方法を見出したものである。
この点につき、詳述すれば、本発明者らは、工業上で実用化を図る上で、量産型のインライン機において、上記特許文献1に記載される条件にて、保護膜を製造を試みたところ、特許文献1に記載されるようなSiOxy膜が得られず、SiOx化した膜が得られるという結果となった。この結果を鑑み、本発明者らが鋭意検討を行った結果、特許文献1に記載の製造条件は、比較的高い出力密度をSi34ターゲットに印加し、基板−ターゲット間距離が短く、基板からの出ガス成分の影響を受けにくいバッチ式装置でかつ出ガス成分の少ない基材を用いた場合にのみ、SiOxy膜が形成され、基板−ターゲット間距離の比較的長い量産対応のインライン型機(連続式)にて、出ガス成分の多い基材についてはSiOxy膜を安定して製造することができないという結論に到達した。そしてこの考察結果および四重極ガス分析装置による分析結果から、量産対応のインライン型機を用いて、出ガス成分の多い基材に対し、スパッタリング法あるいはイオンプレーティング法によって、SiOxy膜を製膜する場合、酸素源として酸素ガスを反応性ガスとして反応系内に供給しなくとも、基板ないしは薄膜積層体中、あるいは反応装置内に存在していた水分が分解することで生じた酸素が成長する膜中に取り込まれるため、反応性ガスとして酸素ではなく窒素ガスを用いることが望ましいものであるとの結論に到達したものである。
スパッタリング法によって、上記した所期の組成の窒化酸化シリコンからなる保護膜を形成する場合、ターゲット材としては、上記したように窒化珪素(Si34)が用いられるが、その密度としては、特に限定されるものではないが、50〜80%程度のものが適当である。
またスパッタガスとしては、不活性ガスであれば特に限定されないが、一般的にはArが使用される。
さらに反応性添加ガスとしては、N2が用いられるが、不活性ガスに対するこのN2の配合割合としては、得ようとするSiOxy膜の組成、および反応系内における基板その他からの出ガスの割合等によっても左右されるので、一概には、規定できないが、例えば、不活性ガス/N2が、流量比で400sccm/5sccm〜400sccm/20sccm程度とされ、特に好ましくは、約400sccm/10sccm程度とされる。なお、N2の配合割合は、必要に応じて、製膜中の反応系内における水素分圧等を、四重極質量分析装置等を用いて検知し、この結果に基づいて、適宜調整することも可能である。
また、反応性添加ガスとして、酸素、空気等の酸素含有ガスは、実質的に含まないことが望ましいが、10-6Pa(四重極質量分析装置にて測定)以下程度の極微量であれば、許容され得るものである。
また本発明の保護膜の製造方法においては、一般的な量産型のインライン型スパッタ装置が用いられるが、ここでインライン型スパッタ装置とは、周知のように、反応室内に、複数の被処理物が連続して搬送され、各被処理物は搬送により反応室内に導入されてから反応室内から導出される一定時間の間、スパッタリングによる製膜処理を受ける連続式の装置であって、このようなタイプのものであれば、いかなるものであっても使用できるが、保護膜の窒化を促進させる上からは、印加出力の高いもので、かつターゲット−基板間距離(TS間距離)が短いものが望ましく、例えば、印加電力6.5W/cm2程度、ターゲット−基板間距離を8cm程度としたものが好ましい。
スパッタリングにおけるその他の点については、特に限定されず、公知の手法に基づき行うことができる。
また、イオンプレーティング法による製膜の場合も、スパッタリング法の場合とほぼ同様であり、量産型のインライン型イオンプレーティング装置を用い、上記したと同様の材料、反応性添加ガスを用いることで所期のSiOxy膜を形成できる。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。
実施例1
(実験方法)
スパッタ真空チャンバー内にポリエーテルスルフォンフィルム(住友ベークライト社製、スミライトFST−5300)(以下、「PES」と記する。)を投入し、10×10-5Paまで減圧し、15時間保持しバリア膜形成を行った。
製膜条件は以下の通りであった。
ターゲット材:Si34(豊島製作所製)
Ar/N:400sccm/10sccm(40:1)
製膜圧力:5mTorr
印加パワー:4.3kw
製膜温度:非加熱(約110℃)
膜厚:3000A 搬送速度:58mm/分
オーバーコート層:新日鐵化学ph5
製膜中のガスモニター:アルバック社製四重質量分析装置(STADM−2000)
用いた搬送キャリア3個(第1キャリア:ESCA用(Siウェハ/フィルム)、第2キャリア:膜厚、透過率測定(ガラス)、第3キャリア(バリア測定) 全て同一バッチ)
(実験結果)
バリア膜を形成した基材(PESフィルム)の面内組成分布、透過率分布、面内バリア分布を示す(評価個所は、図1参照)。なお、組成分析は、XPS(X線光電子分校分析装置、 VGシステムズ製 ESCA LAB 220i)を用いて行った。
各測定ポイントは基材の端から2cmであるが、モコン法によるバリア測定は測定ポイント近辺の9cm□を用いて行った。なお、表1中“WTR”は、水蒸気バリア性を、“OTR”は酸素バリア性を示す。また、基板の搬送方向は、図1中(3)が先頭で(1)が後尾である。
(測定結果:窒素のみ導入3000A)
Figure 2005048281
組成分析は、ESCAにて行った。(1)〜(5)位置のフィルム基材上にSiウェハを設置し組成分析を行った。これは膜厚、バリア、透過率測定とは別キャリアの同一バッチで形成したものである。
また測定は、100A程度掘り下げた値と最表面の値を測定した。値に大きな差はなく、上記の値は最表面の値を記載した。
また、膜厚も同様に別キャリアを用い、ガラス上に形成された膜をリフトオフ法にて剥離し評価を行った。
参考例1
膜厚:500A、搬送速度:290mm/分とする以外は、実施例1と同様にして製膜を行った。
基材は、PESフィルムを用い、同様に図1に示すごとく面内組成分布、透過率分布、面内バリア分布の評価を行った。結果を以下に示す。
(測定結果:窒素のみ導入500A)
Figure 2005048281
バリアは良好な値が出ず、面内ムラがあった。
またArと窒素ガスにみの導入にも関わらず、組成はほとんどSiO2でN化は起こっていないに等しかった。
比較例1
次に、特開2002−100469の表2における条件Eに近い条件で製膜を行った。なお、可視光透過率を確保するためAr比と(O2,N2)比を合わせて製膜を行った。
N/O=8.5(Ar/N/O:380/8.5/1)
(測定結果:窒素・酸素(窒素主体)導入3000A)
Figure 2005048281
若干の窒化が見られたが、ほぼSiOx膜であった。
比較例2
次に、特開2002−100469の表2における条件Kに近い条件で製膜を行った。なお、可視光透過率を確保するためAr比と(O2,N2)比を合わせて製膜を行った。
N/O=0.05(Ar/N/O:400/0.5/9.5)
(測定結果:窒素・酸素(酸素主体)導入3000A)
Figure 2005048281
窒化は認められず、SiOx膜であった。
比較例1および2において、窒化が実質的に見られなかったのは、量産に用いられるインライン型製膜装置は、TS間距離(ターゲット−基板間距離)が比較的長く、ターゲットから叩き出された窒素が基板に到達する前に反応性の高い酸素と衝突し、窒素の活性が奪われるために酸素が優先的に膜中に取り込まれたものと考えられる。
製膜圧を低くし(例えば、2mTorr以下)、平均自由工程を長くすることで、ある程度改善されるが、膜応力が増加しクラックが入り易くなるため、望ましくない。さらに、製膜圧力を低圧にすることで放電安定性にかける点でものぞましくない。
参考例3
比較例1の条件(窒素/酸素=8.5)でターゲット材に含まれる窒素成分を膜に取り込ませるためにRFパワーを上げ(4.5kw)、透過率を85%維持できるようにAr流量比を増やして(Ar/N/O:400/8.5/1)製膜を行った。
(測定結果:窒素・酸素(窒素主体)導入3000A)
Figure 2005048281
表5に示すように、窒化は見られたが、十分ではなかった。
実施例2
(表示層の形成)
ガラス基材の上に表示層として、カラーフィルター層を次のように形成した。
まず、基材上に、スパッタリングにより酸化クロムの薄膜を形成した。この酸化クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、及び酸化クロム薄膜のエッチングを順次行なって、マトリックス状に配列したブラックマトリックスを形成した。
次に、赤色、緑色、及び青色の各色カラーフィルター層形成用の感光性塗料組成物を調整して、上記のブラックマトリックスが形成された基材上に、塗布し乾燥後、フォトマスクを用いて露光し現像して、三色の各パターンが配列したカラーフィルター層を形成した。
ブラックマトリックス及びカラーフィルター層が形成された上に、青色変換蛍光体を分散させた透明感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行ない上記青色カラーフィルター層上に形成した。
次いで、緑色変換蛍光層を、上記と同様の手順により、上記緑色カラーフィルター層上に、さらに、赤色変換蛍光層を上記赤色カラーフィルター層上に形成することにより、色変換層を形成した。
(バリア膜の形成)
次に、上記の色変換層の上に、スパッタ法によりバリア膜を全面に以下の成膜条件で形成した。
ターゲット材:Si34
Ar/N:400sccm/10sccm(40:1)
製膜圧力:5mTorr
印加パワー:4.3kw
製膜温度:非加熱(約110℃)
膜厚:3000A
(画像表示装置の作製)
上記の保護層有するCF基材上に電極層、絶縁層、カソードセパレータ形成後、有機EL発光層を形成し、この有機EL層上に対向電極を形成して画像表示装置を作製した。
その結果、当該サンプルは電極のパターニング性、バリア性共に良好な表示特性を示した(高温PM駆動85℃/150cd/m 1000h程度であった。)。
なお、上記したようなカラーフィルター層上部に色変換層を有するCF基板に代えて、カラーフィルター層上部にこのような色変換層を有しないCF基板上で同様の実験を行ったが、ほぼ同じ結果が得られた。
比較例3
上記実施例2において、バリア膜を形成することなく、その後は同様にして、CF基板上に、電極層、絶縁層、カソードセパレータ、有機EL発光層、対向電極を形成して画像表示装置を作製した。
得られたサンプルの特性を実施例2と同様に調べたところ、高温PM駆動85℃/150cd/m 輝度半減1h程度で画素縮小が発生し、電極のエッチングムラによる表示不良も確認された。
なお、上記したようなカラーフィルター層上部に色変換層を有するCF基板に代えて、カラーフィルター層上部にこのような色変換層を有しないCF基板上で同様の実験を行ったが、ほぼ同じ結果が得られた。
本発明の実施例における、基材の評価個所を示す図面である。

Claims (7)

  1. 基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される保護膜であって、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなることを特徴とする保護膜。
  2. 前記保護膜の上部には、有機発光層を含む別の薄膜積層体が形成されるものである請求項1に記載の保護膜。
  3. 上記保護膜は、カラーフィルター層を形成した基板上に形成されるものである請求項1または2に記載の保護膜。
  4. 基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなる保護膜の製造方法であって、ターゲット材料として窒化珪素を用い、スパッタガスに不活性ガス、反応性添加ガスにN2を用いてスパッタリング法により形成するものである保護膜の製造方法。
  5. 基板上部または基板上に形成される薄膜積層体の上部に形成される、Si/O/Nの原子数比が100/X/Y(130≦X+Y≦180、10≦X≦135、5≦Y≦150)である窒化酸化シリコンからなる保護膜の製造方法であって、材料として窒化珪素を用い、反応性添加ガスにN2を用いて、イオンプレーティング法により形成するものである保護膜の製造方法。
  6. 得られる窒化酸化シリコンからなる保護膜の酸素成分は、基板ないしは薄膜積層体中、あるいは反応装置内に存在していた水分が分解することで、保護膜組成中に取り込まれたものであることを特徴とする請求項4または5に記載の保護膜の製造方法。
  7. 窒化酸化シリコンからなる保護膜は、インライン型スパッタ装置を用い、印加電力を2.50〜7.00w/cm2、ターゲット−基板間距離を12cm以下として、行うものである請求項4または6に記載の保護膜の製造方法。
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