JP2005048210A - 溶融塩中不純物の分離回収方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機物の燃焼に使用した溶融塩中から不純物を除去して溶融塩に対する悪影響を防止するとともに、溶融塩中からバナジウム、ニッケルなどの有価金属を回収して再利用することのできる溶融塩中不純物の分離回収方法および装置を提供する。
【解決手段】1.溶融塩を冷却・粉砕し、水溶液に溶解させて硫化ニッケルを沈殿・分離する。2.溶融塩16に固形炭素と塩素ガスを供給し、酸化バナジウムイオンを金属バナジウムイオン17に転換し、電気分解によって金属バナジウムを陰極20の表面に析出させる。
【選択図】図5
【解決手段】1.溶融塩を冷却・粉砕し、水溶液に溶解させて硫化ニッケルを沈殿・分離する。2.溶融塩16に固形炭素と塩素ガスを供給し、酸化バナジウムイオンを金属バナジウムイオン17に転換し、電気分解によって金属バナジウムを陰極20の表面に析出させる。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機系化合物を溶融塩を用いて燃焼・分解させた後の溶融塩中から不純物を分離し回収する溶融塩中不純物の分離回収方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機物の燃焼方法には、一般的な気相燃焼方法のほかに、下記特許文献1に記載されているように、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物の溶融塩の中に酸素を含むガスを導入し、この溶融塩に有機物を接触させて燃焼させる溶融塩燃焼方法がある。
【0003】
溶融塩燃焼方法は燃焼熱を効率よく利用することができるとされているが、下記特許文献2に記載されているように、溶融塩燃焼方法では、不純物を含有する有機化合物燃料を燃焼させると、不純物が溶融塩中に蓄積されて、燃焼効率の低下、溶融塩の短寿命化、燃焼装置の腐食などの悪影響が発生する。また、燃料に用いられた溶融塩中から不純物や有価金属を分離回収する方法や装置に関しては、公知文献はほとんどない。
【0004】
溶融塩ではないが、溶融状態の物質中から有価金属を回収する方法として以下の方法がある。すなわち、焼却灰や飛灰を高熱で溶融し、溶融スラグ状態にする。これを分取し、一定流量で水の中に供給して急冷し顆粒状態で固化させる。顆粒で固化したスラグを磁力により、金属成分の含有量が多いものと少ないものとを篩い分けている。しかしこの方法では、目的とする金属種類や含有率を制御することができない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−91247号公報
【特許文献2】
特開2001−173938号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記現状に鑑みてなされたものであり、有機物の燃焼に使用した溶融塩中から不純物を除去して溶融塩に対する悪影響を防止するとともに、溶融塩中から有価金属を回収して再利用することのできる溶融塩中不純物の分離回収方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、有機燃料の燃焼に用いられた溶融塩を水に溶解させ、水への溶解度の違いによって不純物を分離する方法とする。
請求項2の発明は、前記溶融塩中の酸化バナジウムをイオンの状態で水溶液中に分離し、前記溶融塩中の硫化ニッケルを沈殿物として分離する方法とする。
【0008】
請求項3の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩に電界を印加して不純物の金属イオンを電解析出させる方法とする。
請求項4の発明は、溶融状態にある前記溶融塩に電界を印加する前にあるいは同時に前記溶融塩に炭素と塩素を供給して、前記溶融塩に含有される酸化バナジウムを金属バナジウムに変換する方法とする。
【0009】
請求項5の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を高速で回転させ、遠心力によって不純物の固形分を分離する方法とする。
請求項6の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を局部的に冷却し、高融点の不純物を冷却部に析出させる方法とする。
【0010】
請求項7の発明は、有機燃料の燃焼に用いられた溶融塩を水に溶解させた水溶液を貯留する水溶液槽と、前記水溶液を循環させて固体の不純物を捕集する固体捕集装置とを備えている方法とする。
【0011】
請求項8の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、前記溶融塩中に挿入された陽極および陰極と、前記陽極および陰極に接続された直流電源装置とを備えている構成とする。
【0012】
請求項9の発明は、前記陰極上に析出した不純物金属を前記陰極から剥離して捕集する金属捕集装置を備えている構成とする。
請求項10の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、上部および下部の内周面に穴あき円板状の堰を有し前記溶融塩中に挿入されて高速回転される回転胴とを備えている構成とする。
【0013】
請求項11の発明は、前記回転胴の上部からオーバーフローする溶融塩をフィルターに通すことによって溶融塩よりも比重の小さい不純物を捕集する不純物捕集装置を備えている構成とする。
【0014】
請求項12の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、前記溶融塩の表面に設けられた冷却フィンと、前記冷却フィンを冷却する冷却装置とを備えている構成とする。
【0015】
請求項13の発明は、請求項8,10,12のいずれかの発明において、前記溶融塩槽に接続され前記溶融塩槽に溶融塩を供給する溶融塩取出し装置を備え、前記溶融塩取出し装置は、前記有機燃料を燃焼させる溶融塩燃焼装置の燃焼部と酸化剤生成部の間に接続されている構成とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態において、溶融塩は硫酸ナトリウムを主成分とする塩、あるいはアルカリ金属炭酸塩の混合塩、例えば炭酸リチウム−炭酸カリウム共晶塩(融点498℃)、または炭酸リチウム−炭酸ナトリウム共晶塩(融点550℃)、または炭酸リチウム−炭酸ナトリウム−炭酸カリウム三元共晶塩(融点397℃)であり、マンガン、銅、クロム、セリウム、銀、ナトリウム等の複数の異なる酸化状態を取り得る金属や硫黄を含有する触媒を混合して溶融塩燃焼装置で使用される。
【0017】
本実施の形態における溶融塩中の不純物の分離回収方法は、燃料である石油コークスまたは石炭と、バナジウムまたはニッケルを多量に含む灰および廃触媒を溶融塩に溶解させ、電解によりバナジウムを、水溶液によりニッケルを分離する。また、バナジウムとニッケル以外の不純物は凝固点、酸化還元電位、溶解度などの物性を利用することにより分離する。
【0018】
図1は、燃焼装置のシステム構成図であり、溶融塩燃焼装置に本実施の形態の不純物の分離回収装置の溶融塩取出し装置を組み合わせた例である。
燃料である石油コークスまたは石炭、およびバナジウムまたはニッケルの含有灰、およびバナジウムまたはニッケルの廃触媒は燃焼部5の反応容器内に固体状で供給される。
【0019】
溶融塩16a中で燃焼処理を行なう際には、溶融塩16a中の触媒と結合している酸素が用いられることから、装置内の気体は窒素のような不活性ガスに置換しておく必要がある。燃焼部5では、有機化合物から二酸化炭素と水蒸気が生成されて系外へ排出される。酸化剤生成部6では空気を導入して溶融塩16bと酸素を反応させて、窒素を系外へ排出する。
【0020】
石油コークスまたは石炭の燃焼が進むに従い、または、バナジウムまたはニッケルの含有灰の溶解、バナジウムまたはニッケルの廃触媒の溶解により、溶融塩16a,16b中に不純物(有価金属を含む)が蓄積される。
【0021】
溶融塩を冷却し、凝固させた後に粉砕して小粒径化し、図2に示す水溶液12に溶解させる。溶解度の小さい硫化ニッケル14は沈殿するため、バナジウムとニッケルは分離される。固形分である硫化ニッケル14は、ポンプ7aで水溶液12を循環することによって固体捕集装置39で回収する。固体捕集装置39は、ろ過や遠心分離などの方法で液体から固体を分離する。
【0022】
酸化バナジウムはイオン13となって、水溶液中に溶解している。酸化バナジウムイオン13が溶解している水溶液12は、既存のバナジウム回収法(湿式法)によって処理され、バナジウムは、硫酸バナジウムあるいはバナジウム酸アンモニウムとして回収される。
【0023】
あるいは溶融塩を図3に示す前処理装置40に移送し、溶融塩16が溶融している状態で、固形炭素1と塩素ガス15を同時に供給することによって、下記反応により酸化バナジウムイオン13を金属バナジウムイオン17に転換する。バナジウムは塩化バナジウム、またはオキシ塩化バナジウムの形態となる。なお、固形炭素1は、新たに供給するか、石油コークスの未燃焼分でもよい。
Na2V2O5 +C +Cl2 →NaCl +VClX +CO2
【0024】
また、溶融塩中に金属バナジウムイオンが溶解している時に、図4に示す電解装置41により、溶融塩16が溶融している状態で、直流電源50を使用して電気分解することによって、バナジウムを金属バナジウム22として陰極20の表面に析出させ回収する。
【0025】
また、溶融塩中に酸化バナジウムイオンが存在する時に、図5に示す電解装置42により、溶融塩16が溶融している状態で、固形炭素1と塩素ガス15を同時に供給し、かつ電気分解することによって、バナジウムを金属バナジウム22として陰極20の表面に析出させ回収する。なお、固形炭素1は、石油コークスの未燃焼分か、または、新たに供給してもよい。塩素ガス15は、溶融塩16中に塩化リチウム、塩化カリウムなどの塩化物を添加して溶融することによって、陽極で塩素ガス15を発生させることで供給する。なお、塩素ガス15を直接供給してもよい。
【0026】
陽極には炭素陽極25を使用することも可能である。障壁24は、陰極20に析出した金属バナジウム22と陽極25の近傍から発生する塩素ガス15が接触し反応することを防止する。
【0027】
陰極20の表面に析出した金属バナジウム22は、陰極表面にかき取り装置を付帯させ陰極面を回転させることによって機械的に陰極表面から除去する。こうすることにより、常に陰極表面を露出させ、連続運転が可能となる。陰極20から除去した金属バナジウム22は、バスケット23中に回収される。
【0028】
また、溶融塩中から図6に示す遠心分離機43により固形分を分離する。溶融塩16が溶融している状態で、溶融塩16中に回転胴27の下端部を浸し、回転胴27を高速で回転させることによって、溶融塩16を下端部より流入させ、上部からオーバーフローさせる間に、回転胴27内の堰28によって溶融塩16が滞留した部分の壁に固形分29を捕集する。なお回転胴27内部には、軸方向にリブ38を設けてあり、回転胴27だけが空回りしない構成としている。
【0029】
また、溶融塩中から図7に示す遠心分離機44により固形分を分離する。溶融塩16が溶融している状態で、溶融塩16中に固形分回収器32の下端部を浸し、固形分回収器32内に設置した回転翼45を高速で回転させることによって、溶融塩16を下端部より流入させ、上部からオーバーフロー30させる間に、固形分回収器32内の堰29によって溶融塩16が滞留した部分の壁に固形分29を捕集する。
【0030】
また、溶融塩中から図8に示す冷却法により固形分を分離する。溶融塩16が溶融している状態で、溶融塩16中に、溶融塩16を局所的に冷却する冷却フィン35を設置し、冷却フィン35の表面に高融点の不純物34を析出させることによって、溶融塩16中から不純物34を分離する。あるいは、溶融塩16の表面に冷却管33に取り付けられた冷却フィン35を接触させる。
【0031】
冷却フィン35の浸漬中あるいは接触中は溶融塩16を攪拌し、溶融塩16中の不純物濃度が均一となるようにする。冷却フィン35の形状は、表面積を大きくするために、円盤の形状がよい。溶融塩16中の不純物34が析出された後、冷却管33および冷却フィン35を溶融塩16より引き上げて、冷却フィン35の表面に付着した不純物34をグラインダーなどを用いて機械的に取り除く。
【0032】
また、溶融塩を冷却して凝固させて粉砕した後に、図9に示す水溶液12へ投入して溶解させる。水に溶解するものと溶解しない固形物とを分離し、固形分の不純物34は、ポンプ7aで水溶液12を循環することによって固体捕集装置39で回収する。固体捕集装置39は、ろ過や遠心分離などの方法で液体から固体を分離回収する。
【0033】
本発明における硫化ニッケルの分離回収の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。電気炉を停止し、溶融塩が凝固した後、水に溶解した。水溶液中の沈殿物を回収し、プラズマ発光分光分析を行なった結果、ニッケル化合物を含むことが確認された。X線回折装置により、ニッケル化合物が硫化ニッケルであることを確認した。また、溶融塩を水に溶かした水溶液をプラズマ発光分光分析した結果、バナジウム化合物が存在することが確認された。
【0034】
本発明における金属バナジウムの分離回収の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。その後、溶融塩に塩化カリウム100gを添加し溶融させた。溶融塩中に未燃焼石油コークスが残っている状態で、溶融塩中に電極を設置して陽極に500mA/cm2、陰極に250mA/cm2の電流を流して1時間電気分解した。陰極上に付着した化合物を採取しプラズマ発光分光分析を行なった結果、バナジウム化合物であることが確認された。X線回折装置により、バナジウム化合物が金属バナジウムであることを確認した。
【0035】
本発明における遠心法による不純物分離の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。溶融塩中に未燃焼石油コークスが固形分として残っている状態で、図6に示す遠心分離機により、固形分が分離回収できることを確認した。
【0036】
本発明における冷却法による不純物分離の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。溶融塩中に、表面を400℃に冷却できる金属を挿入したところ、金属表面に結晶が付着した。不純物回収量を増大させるために、冷却ファンを取り付けて、冷却面積を大きくした。結晶を回収してプラズマ発光分光分析した結果、珪素、アルミニウム、カルシウムを含む化合物であることを確認した。
【0037】
本発明における水溶液法による不純物分離の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。電気炉を停止し、溶融塩が凝固した後、水に溶解した。水溶液中の沈殿物を回収し、プラズマ発光分光分析を行なった結果、珪素、アルミニウム、カルシウム、ニッケルを含む化合物であることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、有機物の燃焼に使用した溶融塩中から不純物を除去して溶融塩に対する悪影響を防止するとともに、溶融塩中から有価金属を回収して再利用することのできる溶融塩中不純物の分離回収方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置に備えられる溶融塩取出し装置を接続した溶融塩燃焼装置を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置における水溶液による有価金属の分離装置を示す概略縦断面図。
【図3】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から直接有価金属を分離回収するための前処理装置を示す概略縦断面図。
【図4】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から直接有価金属を分離回収する電解装置を示す概略縦断面図。
【図5】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から直接有価金属を分離回収する電解装置の他の例を示す概略縦断面図。
【図6】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から不純物を分離回収する遠心分離機を示し、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)に示した回転胴の水平断面図。
【図7】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から不純物を分離回収する遠心分離機の他の例を示す概略縦断面図。
【図8】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩を部分的に冷却して不純物を分離回収する不純物析出装置を示す概略縦断面図。
【図9】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置における水溶液による不純物の分離装置を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1…炭素粒、4…溶融塩取出し装置、5…燃焼部、6…酸化剤生成部、7,7a…ポンプ、11,11a…水溶液による分離装置、12…水溶液、13…酸化バナジウムイオン、14…硫化ニッケル、15…塩素ガス、16,16a,16b…溶融塩、17…金属バナジウムイオン、18…ヒーター、19…塩素ガス吹き込みノズル、20…陰極、21…陽極、22…金属バナジウム、23…バスケット、24…障壁、25…炭素陽極、27…回転胴、28…堰、29…固形分、30…オーバーフロー、31…かくはん機、32…固形分回収器、33…冷却管、34…不純物、35…冷却フィン、36…熱交換器、38…リブ、39…固体捕集装置、40…前処理装置、41,42…電解装置、43,44…遠心分離機、45…回転翼、46…不純物析出装置、50…直流電源。
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機系化合物を溶融塩を用いて燃焼・分解させた後の溶融塩中から不純物を分離し回収する溶融塩中不純物の分離回収方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機物の燃焼方法には、一般的な気相燃焼方法のほかに、下記特許文献1に記載されているように、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物の溶融塩の中に酸素を含むガスを導入し、この溶融塩に有機物を接触させて燃焼させる溶融塩燃焼方法がある。
【0003】
溶融塩燃焼方法は燃焼熱を効率よく利用することができるとされているが、下記特許文献2に記載されているように、溶融塩燃焼方法では、不純物を含有する有機化合物燃料を燃焼させると、不純物が溶融塩中に蓄積されて、燃焼効率の低下、溶融塩の短寿命化、燃焼装置の腐食などの悪影響が発生する。また、燃料に用いられた溶融塩中から不純物や有価金属を分離回収する方法や装置に関しては、公知文献はほとんどない。
【0004】
溶融塩ではないが、溶融状態の物質中から有価金属を回収する方法として以下の方法がある。すなわち、焼却灰や飛灰を高熱で溶融し、溶融スラグ状態にする。これを分取し、一定流量で水の中に供給して急冷し顆粒状態で固化させる。顆粒で固化したスラグを磁力により、金属成分の含有量が多いものと少ないものとを篩い分けている。しかしこの方法では、目的とする金属種類や含有率を制御することができない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−91247号公報
【特許文献2】
特開2001−173938号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記現状に鑑みてなされたものであり、有機物の燃焼に使用した溶融塩中から不純物を除去して溶融塩に対する悪影響を防止するとともに、溶融塩中から有価金属を回収して再利用することのできる溶融塩中不純物の分離回収方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、有機燃料の燃焼に用いられた溶融塩を水に溶解させ、水への溶解度の違いによって不純物を分離する方法とする。
請求項2の発明は、前記溶融塩中の酸化バナジウムをイオンの状態で水溶液中に分離し、前記溶融塩中の硫化ニッケルを沈殿物として分離する方法とする。
【0008】
請求項3の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩に電界を印加して不純物の金属イオンを電解析出させる方法とする。
請求項4の発明は、溶融状態にある前記溶融塩に電界を印加する前にあるいは同時に前記溶融塩に炭素と塩素を供給して、前記溶融塩に含有される酸化バナジウムを金属バナジウムに変換する方法とする。
【0009】
請求項5の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を高速で回転させ、遠心力によって不純物の固形分を分離する方法とする。
請求項6の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を局部的に冷却し、高融点の不純物を冷却部に析出させる方法とする。
【0010】
請求項7の発明は、有機燃料の燃焼に用いられた溶融塩を水に溶解させた水溶液を貯留する水溶液槽と、前記水溶液を循環させて固体の不純物を捕集する固体捕集装置とを備えている方法とする。
【0011】
請求項8の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、前記溶融塩中に挿入された陽極および陰極と、前記陽極および陰極に接続された直流電源装置とを備えている構成とする。
【0012】
請求項9の発明は、前記陰極上に析出した不純物金属を前記陰極から剥離して捕集する金属捕集装置を備えている構成とする。
請求項10の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、上部および下部の内周面に穴あき円板状の堰を有し前記溶融塩中に挿入されて高速回転される回転胴とを備えている構成とする。
【0013】
請求項11の発明は、前記回転胴の上部からオーバーフローする溶融塩をフィルターに通すことによって溶融塩よりも比重の小さい不純物を捕集する不純物捕集装置を備えている構成とする。
【0014】
請求項12の発明は、有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、前記溶融塩の表面に設けられた冷却フィンと、前記冷却フィンを冷却する冷却装置とを備えている構成とする。
【0015】
請求項13の発明は、請求項8,10,12のいずれかの発明において、前記溶融塩槽に接続され前記溶融塩槽に溶融塩を供給する溶融塩取出し装置を備え、前記溶融塩取出し装置は、前記有機燃料を燃焼させる溶融塩燃焼装置の燃焼部と酸化剤生成部の間に接続されている構成とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態において、溶融塩は硫酸ナトリウムを主成分とする塩、あるいはアルカリ金属炭酸塩の混合塩、例えば炭酸リチウム−炭酸カリウム共晶塩(融点498℃)、または炭酸リチウム−炭酸ナトリウム共晶塩(融点550℃)、または炭酸リチウム−炭酸ナトリウム−炭酸カリウム三元共晶塩(融点397℃)であり、マンガン、銅、クロム、セリウム、銀、ナトリウム等の複数の異なる酸化状態を取り得る金属や硫黄を含有する触媒を混合して溶融塩燃焼装置で使用される。
【0017】
本実施の形態における溶融塩中の不純物の分離回収方法は、燃料である石油コークスまたは石炭と、バナジウムまたはニッケルを多量に含む灰および廃触媒を溶融塩に溶解させ、電解によりバナジウムを、水溶液によりニッケルを分離する。また、バナジウムとニッケル以外の不純物は凝固点、酸化還元電位、溶解度などの物性を利用することにより分離する。
【0018】
図1は、燃焼装置のシステム構成図であり、溶融塩燃焼装置に本実施の形態の不純物の分離回収装置の溶融塩取出し装置を組み合わせた例である。
燃料である石油コークスまたは石炭、およびバナジウムまたはニッケルの含有灰、およびバナジウムまたはニッケルの廃触媒は燃焼部5の反応容器内に固体状で供給される。
【0019】
溶融塩16a中で燃焼処理を行なう際には、溶融塩16a中の触媒と結合している酸素が用いられることから、装置内の気体は窒素のような不活性ガスに置換しておく必要がある。燃焼部5では、有機化合物から二酸化炭素と水蒸気が生成されて系外へ排出される。酸化剤生成部6では空気を導入して溶融塩16bと酸素を反応させて、窒素を系外へ排出する。
【0020】
石油コークスまたは石炭の燃焼が進むに従い、または、バナジウムまたはニッケルの含有灰の溶解、バナジウムまたはニッケルの廃触媒の溶解により、溶融塩16a,16b中に不純物(有価金属を含む)が蓄積される。
【0021】
溶融塩を冷却し、凝固させた後に粉砕して小粒径化し、図2に示す水溶液12に溶解させる。溶解度の小さい硫化ニッケル14は沈殿するため、バナジウムとニッケルは分離される。固形分である硫化ニッケル14は、ポンプ7aで水溶液12を循環することによって固体捕集装置39で回収する。固体捕集装置39は、ろ過や遠心分離などの方法で液体から固体を分離する。
【0022】
酸化バナジウムはイオン13となって、水溶液中に溶解している。酸化バナジウムイオン13が溶解している水溶液12は、既存のバナジウム回収法(湿式法)によって処理され、バナジウムは、硫酸バナジウムあるいはバナジウム酸アンモニウムとして回収される。
【0023】
あるいは溶融塩を図3に示す前処理装置40に移送し、溶融塩16が溶融している状態で、固形炭素1と塩素ガス15を同時に供給することによって、下記反応により酸化バナジウムイオン13を金属バナジウムイオン17に転換する。バナジウムは塩化バナジウム、またはオキシ塩化バナジウムの形態となる。なお、固形炭素1は、新たに供給するか、石油コークスの未燃焼分でもよい。
Na2V2O5 +C +Cl2 →NaCl +VClX +CO2
【0024】
また、溶融塩中に金属バナジウムイオンが溶解している時に、図4に示す電解装置41により、溶融塩16が溶融している状態で、直流電源50を使用して電気分解することによって、バナジウムを金属バナジウム22として陰極20の表面に析出させ回収する。
【0025】
また、溶融塩中に酸化バナジウムイオンが存在する時に、図5に示す電解装置42により、溶融塩16が溶融している状態で、固形炭素1と塩素ガス15を同時に供給し、かつ電気分解することによって、バナジウムを金属バナジウム22として陰極20の表面に析出させ回収する。なお、固形炭素1は、石油コークスの未燃焼分か、または、新たに供給してもよい。塩素ガス15は、溶融塩16中に塩化リチウム、塩化カリウムなどの塩化物を添加して溶融することによって、陽極で塩素ガス15を発生させることで供給する。なお、塩素ガス15を直接供給してもよい。
【0026】
陽極には炭素陽極25を使用することも可能である。障壁24は、陰極20に析出した金属バナジウム22と陽極25の近傍から発生する塩素ガス15が接触し反応することを防止する。
【0027】
陰極20の表面に析出した金属バナジウム22は、陰極表面にかき取り装置を付帯させ陰極面を回転させることによって機械的に陰極表面から除去する。こうすることにより、常に陰極表面を露出させ、連続運転が可能となる。陰極20から除去した金属バナジウム22は、バスケット23中に回収される。
【0028】
また、溶融塩中から図6に示す遠心分離機43により固形分を分離する。溶融塩16が溶融している状態で、溶融塩16中に回転胴27の下端部を浸し、回転胴27を高速で回転させることによって、溶融塩16を下端部より流入させ、上部からオーバーフローさせる間に、回転胴27内の堰28によって溶融塩16が滞留した部分の壁に固形分29を捕集する。なお回転胴27内部には、軸方向にリブ38を設けてあり、回転胴27だけが空回りしない構成としている。
【0029】
また、溶融塩中から図7に示す遠心分離機44により固形分を分離する。溶融塩16が溶融している状態で、溶融塩16中に固形分回収器32の下端部を浸し、固形分回収器32内に設置した回転翼45を高速で回転させることによって、溶融塩16を下端部より流入させ、上部からオーバーフロー30させる間に、固形分回収器32内の堰29によって溶融塩16が滞留した部分の壁に固形分29を捕集する。
【0030】
また、溶融塩中から図8に示す冷却法により固形分を分離する。溶融塩16が溶融している状態で、溶融塩16中に、溶融塩16を局所的に冷却する冷却フィン35を設置し、冷却フィン35の表面に高融点の不純物34を析出させることによって、溶融塩16中から不純物34を分離する。あるいは、溶融塩16の表面に冷却管33に取り付けられた冷却フィン35を接触させる。
【0031】
冷却フィン35の浸漬中あるいは接触中は溶融塩16を攪拌し、溶融塩16中の不純物濃度が均一となるようにする。冷却フィン35の形状は、表面積を大きくするために、円盤の形状がよい。溶融塩16中の不純物34が析出された後、冷却管33および冷却フィン35を溶融塩16より引き上げて、冷却フィン35の表面に付着した不純物34をグラインダーなどを用いて機械的に取り除く。
【0032】
また、溶融塩を冷却して凝固させて粉砕した後に、図9に示す水溶液12へ投入して溶解させる。水に溶解するものと溶解しない固形物とを分離し、固形分の不純物34は、ポンプ7aで水溶液12を循環することによって固体捕集装置39で回収する。固体捕集装置39は、ろ過や遠心分離などの方法で液体から固体を分離回収する。
【0033】
本発明における硫化ニッケルの分離回収の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。電気炉を停止し、溶融塩が凝固した後、水に溶解した。水溶液中の沈殿物を回収し、プラズマ発光分光分析を行なった結果、ニッケル化合物を含むことが確認された。X線回折装置により、ニッケル化合物が硫化ニッケルであることを確認した。また、溶融塩を水に溶かした水溶液をプラズマ発光分光分析した結果、バナジウム化合物が存在することが確認された。
【0034】
本発明における金属バナジウムの分離回収の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。その後、溶融塩に塩化カリウム100gを添加し溶融させた。溶融塩中に未燃焼石油コークスが残っている状態で、溶融塩中に電極を設置して陽極に500mA/cm2、陰極に250mA/cm2の電流を流して1時間電気分解した。陰極上に付着した化合物を採取しプラズマ発光分光分析を行なった結果、バナジウム化合物であることが確認された。X線回折装置により、バナジウム化合物が金属バナジウムであることを確認した。
【0035】
本発明における遠心法による不純物分離の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。溶融塩中に未燃焼石油コークスが固形分として残っている状態で、図6に示す遠心分離機により、固形分が分離回収できることを確認した。
【0036】
本発明における冷却法による不純物分離の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。溶融塩中に、表面を400℃に冷却できる金属を挿入したところ、金属表面に結晶が付着した。不純物回収量を増大させるために、冷却ファンを取り付けて、冷却面積を大きくした。結晶を回収してプラズマ発光分光分析した結果、珪素、アルミニウム、カルシウムを含む化合物であることを確認した。
【0037】
本発明における水溶液法による不純物分離の実施例として、硫酸ナトリウムを主成分とする溶融塩原料を700g採取し、ステンレス鋼製の反応容器に投入した。反応容器内の気体を不活性ガスであるアルゴンガスで充分置換した。その後、電気炉で昇温し、溶融塩が600℃に達した後、石油コークス7gを投入して3時間燃焼させた。電気炉を停止し、溶融塩が凝固した後、水に溶解した。水溶液中の沈殿物を回収し、プラズマ発光分光分析を行なった結果、珪素、アルミニウム、カルシウム、ニッケルを含む化合物であることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、有機物の燃焼に使用した溶融塩中から不純物を除去して溶融塩に対する悪影響を防止するとともに、溶融塩中から有価金属を回収して再利用することのできる溶融塩中不純物の分離回収方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置に備えられる溶融塩取出し装置を接続した溶融塩燃焼装置を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置における水溶液による有価金属の分離装置を示す概略縦断面図。
【図3】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から直接有価金属を分離回収するための前処理装置を示す概略縦断面図。
【図4】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から直接有価金属を分離回収する電解装置を示す概略縦断面図。
【図5】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から直接有価金属を分離回収する電解装置の他の例を示す概略縦断面図。
【図6】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から不純物を分離回収する遠心分離機を示し、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)に示した回転胴の水平断面図。
【図7】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩から不純物を分離回収する遠心分離機の他の例を示す概略縦断面図。
【図8】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置において溶融塩を部分的に冷却して不純物を分離回収する不純物析出装置を示す概略縦断面図。
【図9】本発明の実施の形態の溶融塩中不純物の分離回収装置における水溶液による不純物の分離装置を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1…炭素粒、4…溶融塩取出し装置、5…燃焼部、6…酸化剤生成部、7,7a…ポンプ、11,11a…水溶液による分離装置、12…水溶液、13…酸化バナジウムイオン、14…硫化ニッケル、15…塩素ガス、16,16a,16b…溶融塩、17…金属バナジウムイオン、18…ヒーター、19…塩素ガス吹き込みノズル、20…陰極、21…陽極、22…金属バナジウム、23…バスケット、24…障壁、25…炭素陽極、27…回転胴、28…堰、29…固形分、30…オーバーフロー、31…かくはん機、32…固形分回収器、33…冷却管、34…不純物、35…冷却フィン、36…熱交換器、38…リブ、39…固体捕集装置、40…前処理装置、41,42…電解装置、43,44…遠心分離機、45…回転翼、46…不純物析出装置、50…直流電源。
Claims (13)
- 有機燃料の燃焼に用いられた溶融塩を水に溶解させ、水への溶解度の違いによって不純物を分離することを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 前記溶融塩中の酸化バナジウムをイオンの状態で水溶液中に分離し、前記溶融塩中の硫化ニッケルを沈殿物として分離することを特徴とする請求項1記載の溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩に電界を印加して不純物の金属イオンを電解析出させることを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 溶融状態にある前記溶融塩に電界を印加する前にあるいは同時に前記溶融塩に炭素と塩素を供給して、前記溶融塩に含有される酸化バナジウムを金属バナジウムに変換することを特徴とする請求項3記載の溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を高速で回転させ、遠心力によって不純物の固形分を分離することを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を局部的に冷却し、高融点の不純物を冷却部に析出させることを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 有機燃料の燃焼に用いられた溶融塩を水に溶解させた水溶液を貯留する水溶液槽と、前記水溶液を循環させて固体の不純物を捕集する固体捕集装置とを備えていることを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収方法。
- 有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、前記溶融塩中に挿入された陽極および陰極と、前記陽極および陰極に接続された直流電源装置とを備えていることを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収装置。
- 前記陰極上に析出した不純物金属を前記陰極から剥離して捕集する金属捕集装置を備えていることを特徴とする請求項8記載の溶融塩中不純物の分離回収装置。
- 有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、上部および下部の内周面に穴あき円板状の堰を有し前記溶融塩中に挿入されて高速回転される回転胴とを備えていることを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収装置。
- 前記回転胴の上部からオーバーフローする溶融塩をフィルターに通すことによって溶融塩よりも比重の小さい不純物を捕集する不純物捕集装置を備えていることを特徴とする請求項10記載の溶融塩中不純物の分離回収装置。
- 有機燃料の燃焼に用いられ溶融状態にある溶融塩を貯留する溶融塩槽と、前記溶融塩の表面に設けられた冷却フィンと、前記冷却フィンを冷却する冷却装置とを備えていることを特徴とする溶融塩中不純物の分離回収装置。
- 前記溶融塩槽に接続され前記溶融塩槽に溶融塩を供給する溶融塩取出し装置を備え、前記溶融塩取出し装置は、前記有機燃料を燃焼させる溶融塩燃焼装置の燃焼部と酸化剤生成部の間に接続されていることを特徴とする請求項8,10,12のいずれかに記載の溶融塩中不純物の分離回収装置。
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