JP2005048051A - 不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不飽和ポリエステル樹脂を分解して回収し、再利用することができる不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法を提供する。
【解決手段】不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に浸漬し、スチレン鎖の解重合を行なって不飽和ポリエスル樹脂を分解処理液に溶解する。次に不飽和ポリエステル樹脂を溶解したこの液を加水分解して、不飽和ポリエステル樹脂をモノマー又はオリゴマーに分解する。そして、このモノマー又はオリゴマーを回収する。
【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和ポリエステル樹脂を含む廃棄物など、不飽和ポリエステル樹脂を分解して回収する、不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法に関するものである。
従来、プラスチック廃棄物はその殆どが埋立処分あるいは焼却処理されており、資源として有効活用されていない。ここで、埋立処分では埋立用地の確保の困難や、埋立後の地盤の不安定化などの問題があり、また焼却処分では炉の損傷、有害ガスや悪臭の発生、COの排出といった問題がある。特に不飽和ポリエステル樹脂はガラス繊維や無機充填材を含有させた繊維強化プラスチック(FRP)などとして使用されることが多く、自燃性が低いために焼却処理することが非常に困難である。このため、最近になって各種リサイクル法の施行に伴なって、プラスチックを含む製品の回収リサイクルの流れが加速する傾向にある。
これらの状況に合わせて、近年、プラスチック廃棄物を再資源化することが試みられており、その一つとして、プラスチックを無酸素雰囲気下で熱分解して油化還元する方法が提案されている。また他の一つとして、超臨界水を反応媒体とする反応により、プラスチック廃棄物を分解油化し、有用な油状物を回収する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。また各種構造材料に使用される繊維強化プラスチックについては、超臨界水又は亜臨界水を用いて不飽和ポリエステル樹脂などのプラスチック成分を分解し、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維を回収して再利用する方法が提案されている(特許文献6参照)。さらに、高温水蒸気による加水分解反応を利用したプラスチック成分の分解方法も提案されている。これらの方法において、プラスチック成分は分解により低分子化した油状成分となり、主として液体燃料として再利用されている。
特表昭56−501205号公報 特開昭57−4225号公報 特開平5−31000号公報 特開平6−279762号公報 特開平10−67991号公報 特開平10−87872号公報
しかし上記の各方法で不飽和ポリエステル樹脂を分解すると、不飽和ポリエステル成分がランダムに分解されるため、分解生成物が多種成分からなる油状物質となり、一定品質の分解生成物を得ることが困難であった。このため、ゼオライトに代表される触媒を用いて油質の改質を行なうなどの後処理が必要となって、コスト高になり、また改質した生成油においても灯油や軽油などの石油製品そのものにすることは困難であるので、実用化には至っていない。そして、石油資源の枯渇、二酸化炭素による地球温暖化といった地球環境全体の問題に鑑みると、不飽和ポリエステル樹脂の分解及び再利用の抜本的な対策が必要であるというのが現状である。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、不飽和ポリエステル樹脂を分解して回収し、再利用することができる不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法は、不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に浸漬し、スチレン鎖の解重合を行なって不飽和ポリエスル樹脂を分解処理液に溶解し、次に不飽和ポリエステル樹脂を溶解したこの液を加水分解して、不飽和ポリエステル樹脂をモノマー又はオリゴマーに分解し、このモノマー又はオリゴマーを回収することを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、分解処理液として、分子中にカルボキシル基及び炭素の不飽和結合を有する化合物、又はスチロール誘導体を用いることを特徴とするものである。
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、ラジカル開始剤を含有する分解処理液を用いることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、請求項2又は3において、スチロール誘導体がメチルスチレン又はα−メチルスチレンであることを特徴とするものである。
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、分解処理液の温度が不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度以下の温度であることを特徴とするものである。
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、臨界流体を用いて加水分解を行なうことを特徴とするものである。
本発明によれば、不飽和ポリエステル樹脂を容易に且つ効率良くモノマー又はオリゴマーに分解することができるものであり、そしてこのように不飽和ポリエステル樹脂を分解してモノマー又はオリゴマーとして回収することによって、不飽和ポリエステル樹脂などのプラスチックの原料として再利用することが容易になるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
不飽和ポリエステル樹脂は、有機酸(主として不飽和二塩基酸)と多価アルコール(主として二価アルコール)から得られる不飽和ポリエステルをビニル単量体と共重合して橋かけをすることによって調製されるものであり、ビニル単量体としては一般にスチレンが用いられる。そして本発明において回収対象である不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂単体はもちろん、ガラス繊維などの無機繊維や無機充填材等を含有するFRPなど繊維強化不飽和ポリエステル樹脂を挙げることができる。
しかして、不飽和ポリエステル樹脂を分解するにあたっては、まず不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に浸漬し、不飽和ポリエステル樹脂のスチレン鎖を解重合すると共に、スチレン鎖を解重合した不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に溶解させる。この分解処理液としては、特に限定されるものではないが、分子中にカルボキシル基(−COO−)及び炭素の不飽和結合を有する化合物、又はスチロール誘導体を用いることができる。
分子中にカルボキシル基(−COO−)及び炭素の不飽和結合を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、アクリル酸、アクリル酸エステル類、カルボン酸ビニルエステル類などを挙げることができる。またスチロール誘導体としては、特に限定されるものではないが、メチルスチレンやα−メチルスチレンを用いるのが好ましい。分解処理液としてこのように分子中にカルボキシル基及び炭素の不飽和結合を有する化合物、又はスチロール誘導体を用いることによって、不飽和ポリエステル樹脂のスチレン鎖の解重合が容易になり、不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収の効率を向上することができるものである。
ここで、不飽和ポリエステル樹脂は不飽和アルキド鎖(ポリエステル鎖)の主鎖部にスチレンモノマーがラジカル重合して形成されるスチレン鎖が架橋して硬化しているものであり、このスチレン鎖を選択的に解重合するには、ラジカル発生による解重合が、ポリエステル鎖に与える影響少なくなって、スチレン鎖の解重合を容易に且つ効率高く行なううえで望ましい。そして、分子中にカルボキシル基及び炭素の不飽和結合を有する化合物や、スチロール誘導体は、ラジカルの授受が可能であるので、これらを分解処理液として用いることによって、不飽和ポリエステル樹脂のスチレン鎖の解重合を容易に行なうことができるものである。
さらに、上記の分解処理液にはラジカル開始剤を含有させるのが好ましい。ラジカル開始剤としては、特に限定されるものではないが、1時間半減期温度が150〜350℃の範囲のものが、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解効率を高める効果が高いので好ましいものであり、具体的には次の(1)式(式中、Rは炭素数が1〜5のアルキル基であり、Xは水素又は炭素数が1〜5のアルキル基である)のものを挙げることができる。
Figure 2005048051
このように分解処理液にラジカル開始剤を含有させることによって、ラジカル発生によるスチレン鎖の解重合を一層容易に且つ効率高く行なうことができるものであり、不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収の効率を向上することができるものである。ラジカル開始剤の含有量は、特に限定されるものではないが、分解処理液に対して0.05〜0.10質量%の範囲が好ましい。
上記の分解処理液の使用量は、加水分解処理液の種類によって変動するが、一般的には不飽和ポリエステル樹脂に対して10〜200質量%の範囲が望ましい。また加熱温度や分解反応の時間は分解処理液の種類によって異なるが、一般的には120〜300℃、10〜240分間の範囲が好ましい。ここで、分解処理液の加熱温度は、不飽和ポリエステル樹脂が熱分解する温度(一般的に300〜340℃)以下であることが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂が熱分解されると、種々の分解反応が生じて生成される成分も多成分に及び、樹脂の原料などとして再利用できる成分の回収率が著しく低下するおそれがある。これに対して、分解処理液として分子中にカルボキシル基及び炭素の不飽和結合を有する化合物や、スチロール誘導体を用いることによって、ラジカルによるスチレン鎖の解重合が容易になり、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度より低い温度で分解することが容易になるものであり、再利用できる成分の回収率が向上するものである。
尚、不飽和ポリエステル樹脂が、FRPのように無機繊維等の無機充填材が含有されているものの場合には、不飽和ポリエステル樹脂を上記のように分解処理液に溶解させることによって、無機充填材を樹脂分から分離することができるので、この段階で無機充填材を濾別等して回収することができるものである。
上記のようにスチレン鎖を解重合して不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に溶解させた後、この溶解液を加水分解処理して、不飽和ポリエステル樹脂をモノマー又はオリゴマーに分解する。この加水分解は、臨界流体を用いた臨界流体方式で行なうことができる。臨界流体処理で用いる流体としては、水、メタノールやエタノール等の一価アルコール、エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール(二価アルコール)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。尚、流体として水を用いる場合は予め脱塩したものを使用するのが好ましい。
そしてスチレン鎖を解重合した不飽和ポリエステル樹脂が溶解する溶解液に流体を加え、温度及び圧力を上昇させて、流体の臨界点(水の場合、臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)以下の亜臨界状態、あるいは臨界点以上の超臨界状態に到達させ、臨界流体でこの溶解液を処理することによって、溶解液中に溶解しているスチレン鎖が解重合された不飽和ポリエステル樹脂は熱分解反応及び加水分解反応を受け、ポリエステル鎖が開裂して、多価アルコール、有機酸、スチレン等のモノマー、あるいはこれらが数個結合したオリゴマーに分解することができるものである。このように臨界流体を用いて加水分解を行なうことによって、不飽和ポリエステル樹脂のポリエステル鎖を開裂させて容易に分解することができ、不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収の効率を向上することができるものである。
不飽和ポリエステル樹脂と臨界流体の比率は特に制限されるものではなく、流体の種類によって変動があるが、一般的には不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して臨界流体10〜500質量部の範囲が好ましい。また分解反応の時間も特に制限されるものではなく、流体の種類によって変動があるが、一般的には5〜120分間程度が好ましい。尚、不飽和ポリエステル樹脂が溶解した溶解液を亜臨界あるいは超臨界の臨界流体に接触させて分解処理するにあたって、炭酸カルシウム等のカルシウム塩など難水溶性塩を添加することによって、加水分解反応が支配的になり、pHを強アルカリにならない程度の6〜9の状態に維持することができ、安定な反応場を得ることができるものである。また臨界状態のように高温域においては、分解生成する成分が同時に生成される有機酸による酸触媒効果で二次分解されるが、塩基の存在によって有機酸は中和され、二次分解を抑制することができるものである。
上記のようにして、不飽和ポリエステル樹脂を分解して得られた多価アルコール、有機酸、スチレン等のモノマー、あるいはオリゴマーを蒸留等の操作を行なって回収することにより、不飽和ポリエステル樹脂などのプラスチックの原料として再利用することができるものである。また分解処理液も回収して、再使用することができるものである。
図1は不飽和ポリエステル樹脂を分解して回収するシステムの一例を示すものであり、粉砕工程で所定の大きさに粉砕した不飽和ポリエステル樹脂1が貯蔵庫2に貯蔵してある。そしてまず、この不飽和ポリエステル樹脂1を攪拌装置3付きの溶解槽4に投入し、さらに液タンク32から分解処理液33をポンプ34で溶解槽4に導入する。そして溶解槽4に付設したジャケットなどの加熱手段5で加熱しながら攪拌混合し、不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液33に溶解させる。このとき、分解処理液33の導入量は不飽和ポリエステル樹脂に対して10〜200質量%程度であり、また加熱温度は120〜300℃程度である。
このように不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に溶解させてスチレン鎖を解重合した後、この溶解液を高圧スラリーポンプ15で導入器35に送って難水溶性塩を混合した後、スラリーポンプ37で加熱炉16に導入する。またこのとき同時に、工業用水をイオン交換器17に通して脱塩化した水などの流体を、タンク18から高圧ポンプ19で加熱炉16に導入する。加熱炉16は燃料油を燃焼して発熱させる加熱手段20を備えているものであり、減圧弁21を閉じて加熱炉16内を密閉した後に、加熱手段20で加熱炉16内を150〜300℃の所定温度にまで昇温させ、加熱炉16内の流体を臨界状態にする。このように加熱炉16内の流体を臨界状態にして所定時間保持することによって、不飽和ポリエステル樹脂のポリエステル鎖を解重合し、多価アルコール、有機酸、スチレン等のモノマー、あるいはオリゴマーに加水分解する。
このようにして不飽和ポリエステル樹脂を加熱炉16内で加水分解処理した後、減圧弁21を開いて加熱炉16内を減圧し、断熱膨張により加熱炉16内を100〜200℃の所定温度にまで下げ、分解処理物を加熱炉16から蒸留塔22に導入する。蒸留塔22ではフラックスを掛け、凝縮器23を介して蒸留塔22の頂部から水、スチレン、多価アルコール類等のモノマー又はオリゴマーや分解処理液を回収タンク24に回収する。また蒸留塔22の底部からは冷却器25を介してスラリーポンプ26により、未分解物及び有機酸塩のモノマー又はオリゴマーが分離器27に送られる。有機酸塩はその特性によって固形分もしくは蒸留塔22の底部の成分中に溶解した状態で分離器27に送られるが、分離器27で塩酸などの無機酸によって処理され、有機酸として回収タンク28に分離回収される。また未分解物は回収タンク29に分離して送られ、加熱炉16の燃料油として利用される。図1において30は、凝縮器23及び冷却器25にポンプ31で冷却用の冷水を供給する冷水塔である。
図2はFRPなど無機繊維や無機フィラー等の無機充填材が含有されている不飽和ポリエステル樹脂を分解して回収するシステムの他の一例を示すものであり、図1の場合と同様に、不飽和ポリエステル樹脂1を溶解槽4に投入し、さらに分解処理液33を溶解槽4に導入し、加熱手段5で加熱しながら攪拌混合して、不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液33に溶解させ、不飽和ポリステル樹脂のスチレン鎖を解重合する。
このように不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に溶解させて分解することよって、無機充填材は樹脂成分から分離するので、溶解槽4から溶解液10を汲み出す際にフィルター9を通すことによって、ガラス繊維などの無機繊維をフィルター9で濾別し、まず無機繊維をプラスチック成分から分離して回収する。回収した無機繊維は有機溶剤等で洗浄して再使用に供することができる。また無機繊維を濾別した溶解液10をポンプ8でデカンター槽11に供給して静置させ、シリカなどの無機フィラー12を沈降させることによって、デカンター槽11の底部から無機フィラー12を回収することができる。回収した無機フィラー12は有機溶剤等で洗浄して再使用に供することができる。
上記のように無機充填材を分離して回収した後、溶解液10を高圧スラリーポンプ15で導入器35に送って難水溶性塩を混合した後、スラリーポンプ37で加熱炉16に導入し、後は図1の場合と同様に、加熱炉16内で臨界流体で処理して加水分解し、さらに分解によって生成されるモノマーやオリゴマーを回収することができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
不飽和ポリエステル樹脂として、プロピレングリコールとフマル酸の重縮合物にスチレンモノマーを加えて架橋・硬化させたものを用いた。そして図1のシステムにおいて、容量1リットルの溶解槽4に不飽和ポリエステル樹脂を投入し、さらに溶解槽4に分解処理液としてα−メチルスチレンを投入した。このとき不飽和ポリエステル樹脂とメタノールの投入量は、溶解槽4内の固形分濃度が20質量%になるように設定した。そして温度200℃、時間60分の条件で加熱して不飽和ポリエステル樹脂を溶解させることによって、スチレン鎖を解重合させる分解処理を行なった。
次に、この溶解液に難水溶性塩として炭酸カルシウムを添加した後、容量3リットルの加熱炉16に導入し、同時に流体として水を溶解液に対して0.1の容積比で加熱炉16に導入し、加熱炉16を250℃に加熱して、臨界状態の水で20分間処理を行ない、ポリエステル鎖を解重合する加水分解処理をした。
上記のように不飽和ポリエステル樹脂を分解することによって、グリコール類、フマル酸、スチレンの各モノマーに分解し、これらのモノマーを回収した。また分解処理液であるα−メチルスチレンについても回収した。回収物の回収率を表1に示す。
(実施例2)
分解処理液としてアクリル酸2エチルヘキシルを用いるようにした他は、実施例1と同様にして溶解槽4で不飽和ポリエステル樹脂を溶解させ、スチレン鎖を解重合させる分解処理を行なった。後は、実施例1と同様にして加熱炉16でポリエステル鎖を解重合する加水分解処理を行なった。そして分解によって生成するモノマー及び分解処理液であるアクリル酸2エチルヘキシルを回収した。回収物の回収率を表1に示す。
(比較例1)
溶解槽4でスチレン鎖を解重合する分解処理を行なわず、不飽和ポリエステル樹脂を容量3リットルの加熱炉16に導入し、加熱炉16を250℃に加熱して、臨界状態の水で20分間処理を行ない、不飽和ポリエステル樹脂を加水分解処理をした。そして分解によって生成するモノマーを回収した。回収物の回収率を表1に示す。
(比較例2)
溶解槽4でスチレン鎖を解重合する分解処理を行なわず、不飽和ポリエステル樹脂を容量3リットルの加熱炉16に導入し、加熱炉16を350℃に加熱して、臨界状態の水で20分間処理を行ない、不飽和ポリエステル樹脂を加水分解処理をした。そして分解によって生成するモノマーを回収した。回収物の回収率を表1に示す。
Figure 2005048051
表1にみられるように、不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に溶解してスチレン鎖を解重合し、次にこの解重合した樹脂を臨界流体で加水分解処理するようにした各実施例のものは、回収が困難なフマル酸及びスチレンを高い回収率で回収できることが確認される。また分解処理液として使用したα−メチルスチレン及びアクリル酸2エチルヘキシルは回収した後に、再び分解処理液として使用可能であり、不飽和ポリエステル樹脂の原料として再使用できるモノマー類の回収と併せて、ケミカルリサイクルシステムを完成することができるものである。
本発明で用いるシステムの一例を示す概略図である。 本発明で用いるシステムの他の一例を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に浸漬し、スチレン鎖の解重合を行なって不飽和ポリエステル樹脂を分解処理液に溶解し、次に不飽和ポリエステル樹脂を溶解したこの液を加水分解して、不飽和ポリエステル樹脂をモノマー又はオリゴマーに分解し、このモノマー又はオリゴマーを回収することを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法。
  2. 分解処理液として、分子中にカルボキシル基及び炭素の不飽和結合を有する化合物、又はスチロール誘導体を用いることを特徴とする請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法。
  3. ラジカル開始剤を含有する分解処理液を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法。
  4. スチロール誘導体がメチルスチレン又はα−メチルスチレンであることを特徴とする請求項2又は3に記載の不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法。
  5. 分解処理液の温度が不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度以下の温度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法。
  6. 臨界流体を用いて加水分解を行なうことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法。
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