JP2005048043A - フレーバー性に優れたポリエステル容器 - Google Patents

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明彦 諸藤
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Abstract

【課題】
アセトアルデヒド等のアルデヒド類の発生が低減されフレーバー性に優れていると共に、生産性よく製造することが可能なポリエステル容器を提供することである。
【解決手段】
熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリアミド樹脂0.05乃至2.0重量部及び酸化防止剤が0.005乃至0.5重量部の量が配合されて成る樹脂組成物から成るポリエステル容器であって、容器材質中アルデヒド類含有量が10ppm以下であることを特徴とするポリエステル容器。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル容器に関し、より詳細には、アルデヒド類の溶出が抑制され、フレーバー性に優れたポリエステル容器に関する。
ポリエステル容器、特にポリエチレンテレフタレートの延伸ブロー成形ボトルは、その優れた透明性と適度なガスバリヤー性とにより、液体洗剤、シャンプー、化粧品、醤油、ソース等の液体商品の外に、ビール、コーラ、サイダー等の炭酸飲料や、果汁、ミネラルウォーター、ウーロン茶等の飲料の容器に広く使用されており、特にミネラルウォーター等のフレーバーの少ない飲料においては、容器のフレーバー性が重要である。
ポリエステル樹脂はその重合の際に、アセトアルデヒド生成の分解反応を起こしやすいことから、飲料用ポリエステル容器においては、固相重合によるアセトアルデヒド含有量の低減されたポリエステル樹脂が使用されているが、このような固相重合によるポリエステル樹脂であっても、延伸ブロー容器へ成形するに際しては、ポリエステル樹脂ペレットからプリフォームを成形するには、樹脂の溶融、混練、射出等の工程に付されることから、ポリエステル樹脂が熱分解して、分解生成物であるアセトアルデヒドが生成することになる。
すなわちポリエチレンテレフタレートの融点は一般に約260℃付近であることから、ポリエステル樹脂から成るプリフォームを製造するためには、ポリエステル樹脂を高温下で混練・射出等する必要があり、このためポリエステル樹脂が熱分解して、分解生成物であるアセトアルデヒド等のアルデヒド類が生成してしまうのである。
飲料用ポリエステル容器において、このようなアルデヒド類が溶出して内容物に移行すると、内容物のフレーバー性が損なわれ、その商品価値は低下してしまう。
このようなポリエステル容器の成形におけるアルデヒド類の発生の低減を図るために種々の提案がなされている。
例えば下記特許文献1においては、ポリエステル樹脂にメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を添加することにより、アセトアルデヒド発生量が低減されたポリエステル容器が提案されている。
特公平6−6662号公報
上記特許文献1に記載されているように、ポリエステル樹脂に微量のメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を配合する場合、これらの樹脂をドライブレンド或いはメルトブレンドにより均一なブレンド物を得るには長時間の混合が必要になる。この長時間の混合ではポリエステル樹脂だけではなくメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂にも大きな熱履歴による劣化も伴う。この劣化はポリエステル樹脂から発生するアセトアルデヒドを効率よく低減するには好ましくない方向に働くため、この劣化を少なくすることが重要となっている。
従って本発明の目的は、アセトアルデヒド等のアルデヒド類の発生が低減されフレーバー性に優れていると共に、生産性よく製造することが可能なポリエステル容器を提供することである。
本発明によれば、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリアミド樹脂0.05乃至2.0重量部及び酸化防止剤0.005乃至0.5重量部の量が配合されて成る樹脂組成物から成るポリエステル容器であって、容器材質中アルデヒド類含有量が10ppm以下であることを特徴とするポリエステル容器が提供される。
本発明のポリエステル容器においては、
1.酸化防止剤とポリアミド樹脂が重量比で、1:1乃至1:100の割合で配合されていること、
2.ポリアミド樹脂がメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂であること、
3.酸化防止剤が、トコフェロール類であること、
が好ましい。
ポリエステル樹脂にポリアミド樹脂及び酸化防止剤を配合することにより、得られるポリエステル容器のアセトアルデヒド溶出量を低減することができ、フレーバー性に優れていると共に、ポリエステル容器の着色も有効に防止されているため、特にミネラルウォーターや、ウーロン茶、緑茶等を内容物とする容器として好適に使用できる。
本発明のポリエステル容器は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対してポリアミド樹脂0.05乃至2.0重量部及び酸化防止剤0.005乃至0.5重量部が配合されていると共に、容器材質中アルデヒド類含有量が10ppm以下であることが重要な特徴である。
前述した通り、ポリアミド樹脂が配合されたポリエステル樹脂から成るポリエステル容器においては、アセトアルデヒドの発生量を低減させるという所期の目的を達成するために、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂から成るマスターバッチを製造し、これをポリエステル樹脂に配合する(マスターバッチ法)あるいはドライブレンド法で混合する方法がある。しかしながら、これらのブレンド工程における熱履歴はポリアミド樹脂を劣化させ、ポリエステル樹脂から発生するアセトアルデヒドを低減する能力を低下させることになり、最終的に得られるポリエスエル容器のフレーバーに影響を及ぼすことが分かった。特に、熱履歴としてポリアミド樹脂に対して多くの熱を与えることになるマスターバッチ法の場合には、アセトアルデヒド発生量の低減が顕著に少なくなることが、本発明者等の実験によりわかった。
すなわち、後述する実施例の結果から明らかなように、ポリエステル樹脂のみから成るポリエステル容器では、容器材質中アルデヒド類含有量が11.3ppmであったものが(参考例1)、ポリエステル樹脂100重量部に対し0.50重量部のポリアミド樹脂が均一になるまでドライブレンドした樹脂組成物から成るポリエステル容器では容器材質中アルデヒド類含有量が5.2ppmにまで低減されている(比較例2)。
これに対し、比較例1と同様の量のポリアミド樹脂をマスターバッチにより均一混合した樹脂組成物から成るポリエステル容器では、容器材質中アルデヒド類含有量が6.5ppmまでの低減に留まっているのである (比較例1)。
本発明においては、このようなポリエステル樹脂にポリアミド樹脂を配合して成る樹脂組成物において、更に一定量の酸化防止剤、特にα−トコフェロールを配合することにより、マスターバッチにより均一混合した場合においてもアセトアルデヒドの発生を有効に低減させることが可能となり、フレーバー性に優れていると共に生産性にも優れたポリエステル容器を提供することが可能になるのである。
このことは後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、ポリエステル樹脂100重量部に対し、0.50重量部のポリアミド樹脂と0.01重量部のα−トコフェロールをマスターバッチにより配合した樹脂組成物から成るポリエステル容器では、容器材質中アルデヒド類含有量が3.5ppm(実施例1)と、ポリアミド樹脂のみをマスターバッチにより配合した比較例1に比して顕著に低減されていることが明らかである。
また本発明においては、ポリアミド樹脂と酸化防止剤のポリエステル樹脂に対する配合量が重要であり、このことは後述する実施例から明らかである。すなわち、上記範囲よりもポリアミド樹脂が少ない場合には、酸化防止剤の量が上記範囲にある場合でも容器材質中アルデヒド類含有量は低減されておらず(比較例3)、また上記範囲よりもポリアミド樹脂が多い場合にはボトルに着色が生じており、ボトル外観上に問題が発生する(比較例4)。一方、上記範囲よりも酸化防止剤の量が少ない場合には、ポリアミド樹脂が上記範囲にある場合でも容器材質中アルデヒド類含有量は低減されておらず(比較例5)、また上記範囲よりも酸化防止剤の量が多い場合には、ポリアミド樹脂が上記範囲にある場合でも官能試験におけるフレーバー性に劣っている(比較例6)。
本発明においては、ポリアミド樹脂及び酸化防止剤の配合割合も重要であり、ポリアミド樹脂と酸化防止剤が重量比で1:1乃至100:1、特に2:1乃至50:1の割合でポリエステル樹脂に配合されていることが好ましい。すなわち、後述する実施例の結果から明らかなように、前述したポリエステル樹脂に対する配合量の範囲内であっても、酸化防止剤が上記割合よりも少なく、ポリアミド樹脂が上記割合よりも多い量で配合されている場合には、得られるポリエステル容器の容器材質中アルデヒド類含有量は4.2ppmであり(実施例6)、実施例1に比して劣った結果となっている。また酸化防止剤が上記割合よりも多く、ポリアミド樹脂が上記割合よりも多い量で配合されている場合には、得られるポリエステル容器の材質中アルデヒド類含有量は低減されているものの、官能試験におけるフレーバー性において実施例1よりも劣った結果となっている(実施例7)。
(熱可塑性ポリエステル樹脂)
本発明に用いるポリエステル樹脂としては、従来公知のポリエステルを使用することができる。具体的には、ジカルボン酸成分の50%以上、特に80%以上がテレフタル酸で、ジオール成分の50%以上、特に80%以上がエチレングリコールであるエチレンテレフタレート系ポリエステルであることが好ましい。
このポリエステルはホモポリエステルでも、共重合ポリエステルでも、或いはこれらの2種以上のブレンド物であってもよい。
テレフタル酸以外のカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン等を挙げることができる。
この熱可塑性ポリエステル樹脂は、ポリエステル中のアセトアルデヒド濃度が低減されているものであることが特に好ましいことから、固相重合によるものを用いることが好ましい。また、そのペレット状態において、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度が、0.6〜1.5の範囲、特に0.7〜1.2の範囲にあることが好ましい。更に、ガラス転移点は、50℃以上、特に60℃〜90℃の範囲であることが内容物へのオリゴマー成分の溶出を防止する上で好ましい。
(ポリアミド樹脂)
本発明に用いるポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6/6・6共重合体、ナイロン6・10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、キシリレン基含有ポリアミド等を挙げることができるが、特にキシリレン基含有ポリアミド樹脂を好適に用いることができる。キシリレン基含有ポリアミド樹脂としては、メタキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンに少量のパラキシリレンジアミンを含むキシリレンジアミンと、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から成るポリアミド樹脂を好適に用いることができる。
(酸化防止剤)
本発明に用いる酸化防止剤としては、トコフェロール(ビタミンE)類、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、エチレンビスステアリン酸アミド等従来より公知のものを挙げることができるが、本発明においては特に、トコフェロール類を有効に用いることができる。すなわち後述する実施例から明らかなように、α−トコフェロールを用いた実施例1においては、リン系酸化防止剤を用いた実施例8よりも少量で顕著にアセトアルデヒド溶出量を低減させることが可能になるのである。しかもトコフェロール(ビタミンE)は内容物に溶出した場合にも安全であり、衛生的特性においても優れたものである。
トコフェロールは、下記一般式(1)
Figure 2005048043
で表され、上記式(1)において、R=R=R=CHのα−トコフェロール、R=R=CH、R=Hのβ−トコフェロール、R=R=CH、R=Hのγ−トコフェロール、R=CH、R=R=Hのδ−トコフェロールを挙げることができる。
また上記式(1)において2位の不斉炭素原子に関するd−,l−の光学異性体の何れでもよく、天然品(d形トコフェロール)、合成品(dl形トコフェロール)の何れをも用いることができる。中でもα−トコフェロールを有効に使用することができる。
またコハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム等使用することもできる。
(樹脂組成物)
本発明のポリエステル容器は、上述したポリエステル樹脂100重量部に対して0.05乃至2.0重量部、特に0.10乃至1.00重量部のポリアミド樹脂、及び0.005乃至0.5重量部、特に0.007乃至0.4重量部の酸化防止剤を配合して成る樹脂組成物から成るものであり、かかる樹脂組成物は均一混合し得る限り、上記成分をドライブレンドやメルトブレンドによりブレンドすることが可能であるが、ポリアミド樹脂をマスターバッチ化してポリエステル樹脂に配合してもアセトアルデヒドの低減効果を大きく損なうことがない。従って均一に混合された樹脂組成物を効率よく得るために、ポリアミド樹脂及び酸化防止剤をマスターバッチとしてポリエステル樹脂に配合することが特に好ましい。
ポリアミド樹脂及び酸化防止剤のマスターバッチは、ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリアミド樹脂5乃至40重量部、酸化防止剤0.05乃至10重量部の割合で配合し、これを予め260乃至300℃の温度でメルトブレンドしてペレット化することにより調製することができる。次いで、このマスターバッチをポリアミド樹脂及び酸化防止剤がポリエステル樹脂に対して前述した量比となるように配合して樹脂組成物を調製することが好ましい。
上記樹脂組成物には、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤等をそれ自体公知の配合量で配合することもできる。
(ポリエステル容器)
本発明においては、上記樹脂組成物を射出成形或いは圧縮成形によりプリフォームをまず成形し、これを延伸ブロー成形することによりボトル形状に成形することができる。
プリフォームは、一般に口頸部、筒状胴部及び閉塞底部から成るものであるが、本発明のポリエステルボトルにおいては、プリフォームの段階でアセトアルデヒドの含有量が10ppm以下であることが、延伸ブロー成形後のボトルの状態でのアセトアルデヒド溶出量を100ppb以下とする上で重要である。
延伸ブロー成形は従来公知の方法により行うことができ、これに限定されないが、以下のように行うことができる。
すなわち、プリフォームからの延伸ブロー成形には、成形されるプリフォームに与えられた熱、すなわち余熱を利用してプリフォーム成形に続いて延伸ブロー成形を行う方法も採用できるが、一般には、一旦冷却状態のプリフォームを製造し、このプリフォームを90乃至140℃の延伸温度に加熱して延伸ブロー成形を行うコールドパリソン法が好ましい。
次いで、延伸成形温度に予備加熱されたプリフォームをブロー割金型内に保持し、プリフォーム口部から延伸棒を挿入し、プリフォームを軸方向に引っ張り延伸させると共に、気体の吹き込みによりプリフォームを周方向に膨張延伸させることにより延伸ブロー成形を行う。延伸倍率は、これに限定されないが、一般に軸方向延伸倍率で2乃至5倍、周方向倍率で2.5乃至6.6倍の範囲にあるのが好ましい。圧力流体としては、室温或いは加熱された空気や、窒素、炭酸ガス或いは水蒸気などを使用することができ、その圧力は通常10乃至40kg/cmゲージの範囲にあるのがよい。また金型温度は一般に25乃至170℃の範囲にあるのがよい。延伸ブロー成形後、必要により金型内或いは金型外で加熱処理して熱固定を行うことが好ましい。熱固定温度は100乃至170℃の範囲にあるのがよい。
本発明のポリエステル容器は、上述した一段ブロー成形法以外にも、二段ブロー成形法により成形することもできる。
また本発明のポリエステル容器は、上記樹脂組成物から成る層の単層構成の容器により所期の目的を達成し得るが、勿論上記樹脂組成物から成る層に他の樹脂から成る層を組み合わせた多層構成の容器とすることもできる。
以下に記す実施例、参考例、比較例により本発明をより詳細に具体的に示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[サンプル評価内容]
(1)材質中のアセトアルデヒド含有量測定:製造したプリフォームまたはPETボトルを所定量切り出したものを凍結粉砕し、その1gを5mlのイオン交換水とバイアル瓶中に密封し、120℃に保持したオーブン中にて1時間加熱し、アセトアルデヒドを抽出した。抽出液をジニトロフェニルヒドラジンにより誘導体化し、高速液体クロマトグラフ法により定量した。
(2)ボトルの外観評価:ボトルの曇りや着色等、外観の比較を最も優れたものを5点、劣っているものを1点とした評点による目視評価を行った。
(3)フレーバー試験:成形したボトルにイオン交換水を充填し、37℃の恒温室に1週間保管した後、パネル10名による官能評価を行った。評価結果は、最も優れたものを5点、劣っているものを1点として評価した。
(実施例―1)
市販のポリエチレンテレフタレート(PET:固有粘度[η]=0.78dl/g)100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.1重量部、α―トコフェロール0.22重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)し、マスターバッチを製造した。このマスターバッチを利用して、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.5重量部、α―トコフェロール0.01重量部の割合となるように混合機でPETと混合した後、150℃で5時間予備乾燥した。乾燥後の組成物を単軸押出機で溶融(溶融樹脂温度:285℃)し、射出成形法によりプリフォーム成形を行った。次いで得られたプリフォームを120℃に加熱して延伸ブロー成形を行い、容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―2)
マスターバッチを利用せず、PET100重量部に対してMXD6ナイロン0.5重量部、α―トコフェロール0.01重量部の割合となるように混合機で混合したものを150℃で5時間予備乾燥した以外は、実施例―1と同様な方法で容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―3)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.3重量部、α―トコフェロール1.89重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.06重量部、α―トコフェロール0.01重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―4)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.2重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010)0.59重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン1.90重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010)0.10重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―5)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.1重量部、α―トコフェロール0.16重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.50重量部、α―トコフェロール0.007重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―6)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.1重量部、エチレンビスステアリン酸0.121重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.55重量部、エチレンビスステアリン酸アミド0.006重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―7)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.9重量部、エチレンビスステアリン酸6.78重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.70重量部、エチレンビスステアリン酸アミド0.40重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―8)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.4重量部、りん系酸化防止剤(イルガフォス168)2.30重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.50重量部、りん系酸化防止剤(イルガフォス168)0.10重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(実施例―9)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.3重量部、α―トコフェロール0.90重量部、りん系酸化防止剤(イルガフォス168)0.90重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.25重量部、α―トコフェロール0.02重量部、りん系酸化防止剤(イルガフォス168)0.02重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用、成型時の溶融温度を275℃、プリフォームの成形法として圧縮成型法を採用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(参考例)
使用材料は市販のPETだけであり、マスターバッチの製造プロセスがないこと以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(比較例―1)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロン11.1重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.5重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(比較例―2)
マスターバッチを利用せず、PET100重量部に対してMXD6ナイロン0.5重量部の割合となるように混合機で混合したものを150℃で5時間予備乾燥した以外は、実施例―1と同様な方法で容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(比較例―3)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.4重量部、α―トコフェロール2.27重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.03重量部、α―トコフェロール0.006重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(比較例―4)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.2重量部、エチレンビスステアリン酸アミド0.51重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン2.20重量部、エチレンビスステアリン酸0.10重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(比較例―5)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.1重量部、α―トコフェロール0.28重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン0.08重量部、α―トコフェロール0.002重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
(比較例―6)
市販のPET100重量部に、ポリアミド系樹脂としてMXD6ナイロンを11.8重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010)5.88重量部を二軸押出機により溶融混練(溶融温度280℃)して製造したマスターバッチを利用し、最終組成としてPET100重量部に対してMXD6ナイロン1.20重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010)0.60重量部の割合となるようにPETと配合した配合組成物を使用した以外は実施例―1と同様にして容量500mlのボトルを製造した。
製造したボトルの材質中のアセトアルデヒド含有量、外観評価、フレーバー試験結果を表1に示す。
Figure 2005048043

Claims (4)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリアミド樹脂0.05乃至2.0重量部及び酸化防止剤が0.005乃至0.5重量部の量が配合されて成る樹脂組成物から成るポリエステル容器であって、容器材質中アルデヒド類含有量が10ppm以下であることを特徴とするポリエステル容器。
  2. 前記酸化防止剤とポリアミド樹脂が重量比で、1:1乃至1:100の割合で配合されている請求項1記載のポリエステル容器。
  3. 前記ポリアミド樹脂がメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂である請求項1又は2記載のポリエステル容器。
  4. 前記酸化防止剤が、トコフェロール類である請求項1乃至3の何れかに記載のポリエステル容器。
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