JP2005047982A - 樹脂組成物及びそれを用いた高周波同軸ケーブル - Google Patents

樹脂組成物及びそれを用いた高周波同軸ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】発泡性及び電気特性が良好な樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る樹脂組成物は、
密度が0.931g/cm以上の中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン55〜95重量部に、密度が0.925〜0.930g/cmの低密度ポリエチレンを5〜45重量部の割合で混合した混合物100重量部に対し、
発泡核剤を0.001〜0.2重量部の割合で混合した混合組成物で構成したものである。また、本発明に係る高周波同軸ケーブル10は、導体11の外周に、樹脂組成物の発泡体で構成される発泡絶縁層12を設けたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物及びそれを用いた高周波同軸ケーブルに係り、特に、移動体通信施設やマイクロ波通信施設で用いられる高周波同軸ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話に必要な移動体通信施設やテレビ局のマイクロ波通信施設などで用いられる高周波同軸ケーブルは、導体の外周に、発泡させた樹脂組成物を押出成形することで構成される発泡絶縁層を有している。この樹脂組成物としては、従来、溶融張力(MS)が大きく、発泡させ易い低密度ポリエチレンをベースにし、誘電正接(tanδ)が小さく、減衰量の小さい高密度ポリエチレン又は中密度ポリエチレンを少量ブレンドしたものが用いられていた。
【0003】
ここで、樹脂組成物を発泡させるために発泡核剤を用いているが、発泡核剤としては、物理発泡核剤と化学発泡核剤の2種類がある。物理発泡核剤としては、タルク(珪酸マグネシウム)や窒化珪素(BN)が主に使用されている。また、化学発泡核剤としては、アゾジカルボンアミド(以下、ADCAと記す)やp,p’−オキシ−ビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド(以下、OBSHと記す)が主に使用されている(例えば、特許文献1参照)。発泡核剤を樹脂組成物中に分散させることで、各発泡核剤がそれぞれ気泡開始点となり、樹脂組成物が発泡される。
【0004】
近年、通信速度の向上及び容量アップを目的として、高周波同軸ケーブルの使用周波数が高くなる傾向にある。これに伴い、信号の減衰量の小さいケーブルが要求されるようになっている。従来の低密度ポリエチレンを多く含む樹脂組成物では、この要求に対処できなくなっており、より減衰量の小さい高密度ポリエチレン又は中密度ポリエチレンを多く含む樹脂組成物とする必要が生じている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−52983号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高密度ポリエチレン又は中密度ポリエチレンを多く含む樹脂組成物を用いて、高周波同軸ケーブルの発泡絶縁層を被覆形成する場合、減衰量は小さくなるものの発泡性が悪化することから、層中の気泡壁が破れて“巣(巨大な空隙)”が発生するという問題があった。絶縁層中における“巣”の発生は、高周波同軸ケーブルの電圧定在波比(VSWR)の上昇を招くため、好ましくない。
【0007】
一方、発泡核剤として化学発泡核剤を用いた場合、押出被覆時の加熱によって発泡核剤が分解して窒素ガスが発生し、この窒素ガスが気泡の開始点となり、微細な気泡を有する発泡絶縁層を形成することができる。しかしながら、OBSHは熱分解時に水が発生し、また、ADCAは熱分解時に高極性分解残渣が生成することから、化学発泡核剤を多く混合した場合、発泡絶縁層の電気特性を悪化させるという問題があった。また、発泡核剤として物理発泡核剤を用いた場合、化学発泡核剤と比較して気泡が大きくなりやすく、そのため、添加量を多くする必要があり、発泡絶縁層の電気特性を悪化させるという問題があった。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の一つの目的は、減衰量が小さく、かつ、発泡性が良好な樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、減衰量が小さく、かつ、VSWRが小さい高周波同軸ケーブルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る樹脂組成物は、密度が0.931g/cm以上の中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン55〜95重量部に、密度が0.925〜0.930g/cmの低密度ポリエチレンを5〜45重量部の割合で混合した混合物100重量部に対し、
発泡核剤を0.001〜0.2重量部の割合で混合した混合組成物で構成したものである。
【0011】
ここで、中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンのメルトフローレートが4〜15g/10分、低密度ポリエチレンのメルトフローレートが0.1〜4.0g/10分であることが好ましい。
【0012】
以上によれば、減衰量が小さいという中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンの良好な電気特性は保ったまま、発泡核剤の混合割合が少ないにも関わらず良好な発泡性を有する樹脂組成物が得られる。
【0013】
一方、本発明に係る高周波同軸ケーブルは、導体の外周に、上述した樹脂組成物の発泡体で構成される発泡絶縁層を設けたものである。
【0014】
以上によれば、発泡性が良好な樹脂組成物で構成される発泡絶縁層であるため、層中に巣が発生することはない。また、樹脂組成物中における発泡核剤の混合割合が少ないため、高周波同軸ケーブルの電気特性は良好となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
本発明の好適な一実施形態に係る樹脂組成物は、
イオン重合法を用いて合成され、密度が0.931g/cm以上、好ましくは0.931〜0.965g/cmの中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン(以下、中,高密度ポリエチレンと記す)55〜95重量部に、ラジカル重合法を用いて合成され、密度が0.925〜0.930g/cmの低密度ポリエチレンを5〜45重量部の割合で混合した混合物100重量部に対し、
発泡核剤を0.001〜0.2重量部の割合で混合してなる混合組成物で構成される発泡組成物である。また、中,高密度ポリエチレンのメルトフローレート(以下、MFRと記す)は4〜15g/10分、低密度ポリエチレンのMFRは0.1〜4.0g/10分に調整される。ここで言うMFRは、JIS K7210に準拠し、190℃、21.18Nの押出圧力で測定した値である。
【0017】
この樹脂組成物を用いた本発明の好適な一実施の形態に係る高周波同軸ケーブルは、図1に示すように、内部導体11の外周に、前述した樹脂組成物で構成される発泡絶縁層12を設けたものである。発泡絶縁層12の周りには、ケーブル10を曲げ易くするための波付け金属管(外部導体)13が適宜設けられる。また、外部導体13の周りには、ケーブル10の保護及び水の浸入防止を目的として、ポリエチレン組成物で構成されるシース14が適宜設けられる。ここで、内部導体11の外周に発泡絶縁層12を押出し被覆してなるものを発泡コアと称する。
【0018】
内部導体11としては、導電性が良好な金属パイプ、例えば銅パイプや、長尺コイル状のスパイラルタイプの波付け金属管が用いられる。
【0019】
また、発泡絶縁層12は、樹脂組成物を発泡させてなるコンパウンドで構成され、例えば2.5〜20mmの厚さで押出し被覆される。
【0020】
ケーブル10のサイズは、発泡コアの外径に応じて、直径が5、8、10、17、20、29、39mmの7種類がある。ここで、ケーブル10のサイズが10mm以上の場合、ケーブル10の屈曲性及び可撓性を良好とするために、図1に示した波付け金属管(コルゲート管)13が用いられる。波付け金属管13としては、図1に示したコルゲート状のアニュラータイプ、長尺コイル状のスパイラルタイプの2種類がある。また、外部導体13は、ケーブル10の屈曲性及び可撓性を良好とするために薄肉に形成され、例えば肉厚は0.2〜1mmとされる。尚、ケーブル10のサイズが10mm未満の場合、発泡コアの外周に波付け金属管13を設けなくてもよい。
【0021】
次に、本実施の形態に係る高周波同軸ケーブル10の製造方法を、添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図2に示すように、ケーブル製造装置20は、主に、内部導体11(図1参照)を送出する送出ドラム21と、送出された内部導体11の外周に、発泡絶縁層12(図1参照)を被覆する押出機27と、内部導体11の外周に発泡絶縁層を設けてなる発泡コア31の巻き取りを行う巻取ドラム33とで構成される。
【0023】
送出ドラム21から送出された内部導体11は、予熱槽23において予熱された後、押出機27に導入される。押出機27において、内部導体11の外周に、発泡絶縁層が被覆形成され、発泡コア31が得られる。押出機27は、第1押出部27a、第2押出部27b、及び押出ヘッド部27cで構成される。発泡絶縁層を構成するコンパウンドは、第1押出部27aにおいて、溶融樹脂(中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び発泡核剤の混合組成物)28と、ガス注入装置29から注入、供給される発泡剤(例えば、炭酸ガスなど)30とをよく混練した後、第2押出部27bにおいて発泡に適した温度に低下させると共に、発泡度を70〜80%、好ましくは75〜80%に調整する。この発泡コンパウンドを押出ヘッド部27cにおいて内部導体11の外周に押出し被覆し、発泡絶縁層を形成する。
【0024】
次に、発泡コア31を冷却水槽32内に導入して冷却を行い、巻取ドラム33に巻き取る。
【0025】
その後、巻取ドラム33に巻き取られた発泡コア31を送出し、その外周に、順次、外部導体13(図1参照)、保護シース(外皮)14(図1参照)を設けることで、図1に示した高周波同軸ケーブル10が得られる。
【0026】
ここで、溶融樹脂28は、低密度ポリエチレンに発泡核剤を練り込み、樹脂組成物における発泡核剤の配合割合の10〜100倍の濃度の核剤マスターバッチを形成し、そのマスターバッチに中,高密度ポリエチレンをドライブレンドし、発泡核剤の割合を0.001〜0.2重量部に調整したものである。
【0027】
また、発泡させるための発泡剤(ガス)30としては、樹脂の発泡に慣用的に用いているものであれば全て適用可能であり、炭酸ガスの他に、例えば、規制対象外のフロンガス、窒素ガス、アルゴンガス、又はこれら不活性ガスの混合ガスなどが挙げられる。
【0028】
次に、本実施の形態に係る樹脂組成物及びそれを用いた高周波同軸ケーブルの作用を説明する。
【0029】
ポリエチレンの高周波帯域でのtanδは、密度と密接に関係しており、不純物の量が同じであれば密度が高いほど小さくなる。従って、純粋にtanδを小さくするのであれば、密度が0.931g/cm以上の中,高密度ポリエチレンを用いるのが好ましい。しかし、中,高密度ポリエチレンは、分子鎖の分岐が小さいため、発泡し易さの尺度となる伸張粘度が小さく、発泡樹脂を用いた絶縁層を押出被覆する際に巣が発生し易くなってしまう。
【0030】
そこで、本実施の形態に係る樹脂組成物においては、イオン重合法により合成した密度が0.931g/cm以上の中,高密度ポリエチレンをベースにして、ラジカル重合法により合成した密度が0.925〜0.930g/cmの低密度ポリエチレンを所定の割合でブレンドし、溶融張力の向上(伸張粘度の増大)を図っている。また、各ポリエチレンのMFRを、所定の範囲に調整している。さらに、各ポリエチレンのブレンド物に、発泡核剤を所定の割合でブレンドし、電気特性を損なうことなく、発泡性を良好としている。
【0031】
これによって、中,高密度ポリエチレンの、tanδ及び減衰量が小さいという特性を保ったまま、発泡挙動を安定化することができる。その結果、図1に示した発泡絶縁層12を押出被覆する際に、層中に巣が発生するおそれがなく、延いては減衰量及びVSWRが小さな高周波同軸ケーブル10が得られる。
【0032】
また、イオン重合法により合成した中,高密度ポリエチレンを用いることで、tanδを小さくすることができるという効果が得られる。ラジカル重合法により合成した低密度ポリエチレンを用いることで、溶融張力を大きくすることができるという効果が得られる。特に、これらを組み合わせて用いることで、tanδが小さく、かつ、溶融張力が大きいという両方のバランスを高い次元で達成することができるという効果が得られる。
【0033】
ここで、中,高密度ポリエチレンの密度が0.930g/cm以下では、tanδが所定値よりも大きくなってしまい、また、密度が0.965g/cmを超えると、伸張粘度が小さくなってしまい、発泡絶縁層12の被覆時に巣が発生し易くなるためである。
【0034】
低密度ポリエチレンの密度が0.925g/cm未満では、tanδが所定値よりも大きくなってしまい、また、密度が0.930g/cmを超えると、溶融張力が小さくなってしまい、発泡絶縁層12の被覆時に巣が発生し易くなるためである。また、中,高密度ポリエチレン55〜95重量部に対する低密度ポリエチレンの混合割合を5〜45重量部としたのは、5重量部未満だと溶融張力を向上させる効果が十分に得られず、45重量部を超えるとtanδが所定値よりも大きくなってしまうためである。
【0035】
中,高密度ポリエチレンのMFRを4〜15g/10分、低密度ポリエチレンのMFRを0.1〜4g/10分としたのは、それぞれが4g/10分未満、0.1g/10分未満だと、発泡絶縁層12の押出被覆時に発泡コンパウンドの発熱が大きくなって、発泡絶縁層12の内層側と外層側とで温度ムラが生じ、巣の発生を招いてしまうためである。また、それぞれが15g/10分、4g/10分を超えると、十分な溶融張力を得ることができず、発泡絶縁層12の被覆時に巣が発生し易くなるためである。
【0036】
ケーブル10の安定化を図るためには、発泡絶縁層12の気泡サイズを極力小さくする必要がある。このため、発泡核剤として、気泡の微細化効果が大きい化学発泡核剤、好ましくはADCA、OBSH、又はこれらの混合物を用いる。化学発泡核剤の添加量が少ない程、発泡絶縁層12の電気特性が良好となる。このため、各ポリエチレンの混合物100重量部に対して、1種の化学発泡核剤を単独で混合する場合は0.001〜0.2重量部、又は2種の化学発泡核剤を併用して混合する場合は合計0.001〜0.2重量部の割合で混合する。
【0037】
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【0038】
【実施例】
次に、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
<実施例(試料1〜試料15)及び比較例(試料21〜試料29)>
中,高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ADCA及び/又はOBSHを、所定の割合で混合して樹脂組成物を作製した(試料1〜15及び試料21〜29)。
【0040】
次に、各試料を発泡させてなる発泡コンパウンドで構成される発泡絶縁層を、内部導体である外径がφ9.0mmの銅パイプの外周に押出被覆し、発泡コアを作製する。その後、発泡コアの外周に、アニュラータイプの波付け金属管(外部導体)及び保護シースを設け、高周波同軸ケーブルを作製した。高周波同軸ケーブルの外径は、減衰量が最も厳しいφ20mmとした。
【0041】
ここで、試料1〜5は中,高密度ポリエチレンの種類を変更した例であり、
試料1は、80重量部の試料A、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料2は、80重量部の試料B、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料3は、80重量部の試料C、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料4は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料5は、80重量部の試料E、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0042】
また、試料6,7は低密度ポリエチレンの種類を変更した例であり、
試料6は、80重量部の試料D、20重量部の試料b、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料7は、80重量部の試料D、20重量部の試料c、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0043】
また、試料8,9は各ポリエチレンのブレンド比率を変更した例であり、
試料8は、55重量部の試料D、45重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料9は、95重量部の試料D、5重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0044】
また、試料10〜15は発泡核剤の種類及びブレンド比率を変更した例であり、
試料10は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.2重量部のADCA)の混合組成物、
試料11は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.2重量部のOBSH)の混合組成物、
試料12は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.001重量部のADCA)の混合組成物、
試料13は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.001重量部のOBSH)の混合組成物、
試料14は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.1重量部のADCA+0.1重量部のOBSH)の混合組成物、
試料15は、80重量部の試料D、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.001重量部のADCA+0.001重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0045】
一方、試料21は規定外の中,高密度ポリエチレンを用いた例であり、
試料21は、80重量部の試料F、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0046】
また、試料22〜24は規定外の低密度ポリエチレンを用いた例であり、
試料22は、80重量部の試料C、20重量部の試料d、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料23は、80重量部の試料C、20重量部の試料e、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料24は、80重量部の試料C、20重量部の試料f、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0047】
また、試料25,26は各ポリエチレンのブレンド比率が規定外の例であり、
試料25は、50重量部の試料C、50重量部の試料a、及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
試料26は、100重量部の試料C及び発泡核剤(0.005重量部のADCA+0.01重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0048】
また、試料27〜29は発泡核剤のブレンド比率が規定外の例であり、
試料27は、80重量部の試料C、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.25重量部のADCA)の混合組成物の混合組成物、
試料28は、80重量部の試料C、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.25重量部のOBSH)の混合組成物、
試料29は、80重量部の試料C、20重量部の試料a、及び発泡核剤(0.2重量部のADCA+0.2重量部のOBSH)の混合組成物、
である。
【0049】
試料1〜15及び試料21〜29の樹脂組成物の諸元、及び各樹脂組成物を用いた高周波同軸ケーブルの特性(減衰量、VSWR、巣の有無)の評価結果を表1、表2に示す。
【0050】
ここで、樹脂組成物のMFR(メルトフローレート)は、JIS K7210に準拠し、190℃、21.18Nの押出圧力で測定した値である。
【0051】
各ケーブルの減衰量及びVSWRの測定は、アジレント社製スカラネットワークアナライザ8757Dを用いて行った。減衰量は、直径20mmのアニュラータイプケーブルの2.2GHzにおける減衰量によって評価を行い、6.5dB/100m以下を合格とした。VSWRは、1.10以下を合格とした。
【0052】
【表1】
Figure 2005047982
【0053】
【表2】
Figure 2005047982
【0054】
表1に示すように、試料1〜15の各樹脂組成物を用いた高周波同軸ケーブルは、減衰量が6.0〜6.4dB/100mであり、いずれも合格であった。また、各高周波同軸ケーブルは、VSWRが1.07〜1.10であり、いずれも合格であった。また、各高周波同軸ケーブルのいずれにおいても、発泡絶縁層に巣の発生はなかった。
【0055】
これに対して、試料21の樹脂組成物は、中,高密度ポリエチレンの密度が規定範囲よりも小さく、かつ、MFRが小さい。このため、樹脂組成物のtanδが大きくなってしまい、減衰量が6.8dB/100mと大きくなり不合格であった。また、発泡絶縁層に巣が発生した。
【0056】
試料22の樹脂組成物は、低密度ポリエチレンの密度が規定範囲よりも小さいため、tanδが大きくなってしまい、その結果、ケーブルの減衰量が6.7dB/100mと大きくなり不合格であった。
【0057】
試料23の樹脂組成物は、低密度ポリエチレンの密度が規定範囲よりも大きいため、溶融張力が小さくなってしまい、ケーブルの発泡絶縁層に巣が発生した。その結果、VSWRが1.30と大きくなってしまい、VSWRは不合格であった。また、減衰量も6.7dB/100mと大きく、不合格であった。
【0058】
試料24の樹脂組成物は、低密度ポリエチレンのMFRが規定範囲よりも大きいため、十分な溶融張力を得ることができず、ケーブルの発泡絶縁層に巣が発生した。その結果、VSWRが1.30と大きくなってしまい、VSWRは不合格であった。また、減衰量も6.7dB/100mと大きく、不合格であった。
【0059】
試料25の樹脂組成物は中,高密度ポリエチレンの混合割合が規定範囲よりも少ないことから、tanδが大きくなってしまい、その結果、ケーブルの減衰量が6.9dB/100mと大きくなり不合格であった。
【0060】
試料26の樹脂組成物は低密度ポリエチレンを混合していないことから、溶融張力が小さく、発泡絶縁層の被覆形成ができず、ケーブル製造が不可能であった。
【0061】
試料27〜29の樹脂組成物は発泡核剤の混合割合が規定範囲よりも多いことから、いずれも減衰量が6.6,6.7,6.8dB/100mと大きくなり不合格であった。
【0062】
以上より、実施例1〜15の樹脂組成物を用いて、内部導体の外周に発泡絶縁層を形成し、高周波同軸ケーブルを作製したことで、巣の発生がなく、かつ、減衰量が6.5dB/100m以下、VSWRが1.10以下と電気特性が良好な高周波同軸ケーブルを得ることができた。
【0063】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、良好な電気特性及び良好な発泡性を有する樹脂組成物が得られるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施形態に係る高周波同軸ケーブルの平面図である。
【図2】図1の高周波同軸ケーブルの製造装置の概略図である。
【符号の説明】
10 高周波同軸ケーブル
11 内部導体(導体)
12 発泡絶縁層

Claims (4)

  1. 密度が0.931g/cm以上の中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン55〜95重量部に、密度が0.925〜0.930g/cmの低密度ポリエチレンを5〜45重量部の割合で混合した混合物100重量部に対し、
    発泡核剤を0.001〜0.2重量部の割合で混合した混合組成物で構成したことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 上記中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンのメルトフローレートが4〜15g/10分、上記低密度ポリエチレンのメルトフローレートが0.1〜4.0g/10分である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 導体の外周に、請求項1又は2記載の樹脂組成物の発泡体で構成される発泡絶縁層を設けたことを特徴とする高周波同軸ケーブル。
  4. 上記発泡絶縁層の外周に、外部導体及び保護シースを設けた請求項3記載の高周波同軸ケーブル。
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