JP2005047817A - 関節炎予防剤又は改善剤 - Google Patents
関節炎予防剤又は改善剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005047817A JP2005047817A JP2003203185A JP2003203185A JP2005047817A JP 2005047817 A JP2005047817 A JP 2005047817A JP 2003203185 A JP2003203185 A JP 2003203185A JP 2003203185 A JP2003203185 A JP 2003203185A JP 2005047817 A JP2005047817 A JP 2005047817A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- arthritis
- ellagic acid
- preventing
- patent document
- day
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
【課題】エラグ酸を含有することを特徴とする関節炎予防剤又は治療剤を提供する。
【解決手段】本発明はエラグ酸を含有することを特徴とする関節炎予防剤又は治療剤である。本発明のエラグ酸は果実から得られたものを用いることが好ましい。本発明の関節炎予防剤又は治療剤は軟骨細胞由来で軟骨のコラーゲンやプロテオグリカンを破壊するプロテアーゼの活性を抑制するので、関節炎の予防、改善に有用である。
【解決手段】本発明はエラグ酸を含有することを特徴とする関節炎予防剤又は治療剤である。本発明のエラグ酸は果実から得られたものを用いることが好ましい。本発明の関節炎予防剤又は治療剤は軟骨細胞由来で軟骨のコラーゲンやプロテオグリカンを破壊するプロテアーゼの活性を抑制するので、関節炎の予防、改善に有用である。
Description
【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、エラグ酸を有効成分とする関節炎予防剤又は改善剤に関するものである。
【従来の技術】
【0002】関節炎は主として軟骨細胞の代謝異常によって関節軟骨が破壊される疾患で、プロテアーゼ(非特許文献1)や炎症性サイトカイン(非特許文献2)の発現亢進が原因と考えられている。先進国では高齢化により関節炎患者が増加しており、わが国でもおよそ600万人の患者がいると推定されている。従来、関節炎の治療方法としては、破壊された軟骨を補う目的で、コラーゲンやコンドロイチン硫酸を経口的に補給し、一定の効果が得られている(特許文献1〜4)。しかしながら、これらの成分は軟骨細胞の代謝異常を直接制御するものではなく、軟骨の破壊を防ぐ効果も十分ではない。
【0003】
【特許文献1】特開平11―75726号公報
【特許文献2】特開2000―139408号公報
【特許文献3】特開2001―327264号公報
【特許文献4】特開2002―154968号公報
【特許文献5】特開平01―10985号公報
【特許文献6】特開平04―239593号公報
【特許文献7】特表2002―524477号公報
【特許文献8】特開2002―308763号公報
【非特許文献1】岡田保典,生化学,2001,73(11),1309−1321
【非特許文献2】岩倉洋一郎,日薬理誌,2002,120,303−313
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、関節炎の根本的な予防や改善において、プロテアーゼや炎症性サイトカインの働きを抑え、長期間摂取しても安全な薬剤の開発が望まれていた。
【0005】本発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、エラグ酸にプロテアーゼ阻害効果および関節炎が軽減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】エラグ酸はクルミ、カシューナッツ等の実、ラズベリー、ザクロ、イチゴ等の果実、ユーカリの葉等に含まれるポリフェノールである。エラグタンニンの加水分解、没食子酸の加熱等によっても得られる。エラグ酸は食品添加物の酸化防止剤、化粧品の美白成分として用いられる。近年、エラグ酸の研究が進められ、グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤(特許文献5)、抗酸化剤(特許文献6)、高血中脂質濃度に因る疾患の予防または治療のための、天然フェノール性化合物を含む組成物(特許文献7)およびアポトーシス誘導剤(特許文献8)が開示されているが、エラグ酸のプロテアーゼ阻害効果や関節炎を軽減する効果は報告されていない。
【0007】本発明のエラグ酸は、上述のごとく既に公知の物質であり、化学製品あるいは天然物から得られたものを用いることができるが、特に果実から得られるものがより好ましい。又、エラグ酸は、純度の高い精製品のみならず、エラグ酸を含有する抽出物、果汁、搾汁等も用いることができる。
【0008】本発明におけるエラグ酸の投与量は、通常0.5mg〜5g/日、好ましくは5mg〜2g/日、より好ましくは50mg〜1g/日である。
【0009】本発明の関節炎予防剤又は治療剤は、経口投与される医薬品又は食品として用いることができる。医薬品の形態としては、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤、懸濁剤、シロップ剤が挙げられる。食品の形態としては、上述の医薬品的な形態に加え、ビスケット、クッキー、キャンディー、チョコレート等の菓子、食酢、醤油、ドレッシング等の調味料、ハム、ベーコン、ソーセージ等の食肉製品、かまぼこ、はんぺい等の魚肉練り製品、果汁飲料、清涼飲料、アルコール飲料等の飲料、パン、麹、ジャム等にすることができる。これらの医薬品および食品は、何れもエラグ酸を0.5mg〜5g/日摂取できる形態であるが、摂取量を調整しやすい錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤、および飲料がより好ましい。又、医薬品および食品の製造にあたっては、必要に応じて賦形剤、結合剤、滑沢剤、矯味剤、安定剤、ビタミン、ミネラル、香料等の医薬品および食品の技術分野で通常使用されている補助剤を用いることができる。
【実施例】
【0010】次に本発明を詳細に説明するために代表的な実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量は重量%を示す。
【0011】実施例―1 飲料
[製法]5に1〜4を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、エラグ酸を50mg/日摂取できる。
【0012】実施例―2 飲料
[製法]5に1〜4を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、エラグ酸を100mg/日摂取できる。
【0013】実施例―3 顆粒剤
[製法]成分1〜3に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒剤を得る。当該顆粒を1日3g摂取することで、エラグ酸を90mg/日摂取できる。
【0014】実施例―4 錠剤
[製法]成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒を得る。顆粒に成分5を加えて打錠し、1錠0.52gの錠剤を得る。当該錠剤を1日3錠摂取することで、エラグ酸を62.4mg/日摂取できる。
【0015】実施例―5 錠菓
[製法]成分1〜4に水を適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒を得る。顆粒に成分5及び6を加えて打錠し、1個1.0gの錠菓を得る。当該錠菓を1日10個摂取することで、エラグ酸を90mg/日摂取できる。
【0016】実施例―6 カプセル剤
[製法]成分1および2を混合し、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。当該カプセル剤を1日2個摂取することで、エラグ酸を75mg/日摂取できる。
【発明の効果】
【0017】次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例―1 プロテアーゼ阻害作用
エラグ酸のプロテアーゼ阻害作用をゼラチンザイモグラフィーにより調べた。すなわち、600μg/mLのゼラチンを含む10%SDS−PAGEゲル(1mm厚)を作製し、ヒト皮膚線維芽細胞の培養上清をプロテアーゼ粗酵素として、非還元条件下にて電気泳動を行った。次いで、ゲルを2.5%TritonX−100溶液にて室温で30分間2回洗浄してSDSを除去し、200mM塩化ナトリウム、5mM塩化カルシウム、0.01%brij−35(SIGMA)を含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH7.6)中にて37℃で24時間インキュベートした。この際、最終濃度(1mg/mL、0.1mg/mL)の100倍となるように緩衝液に溶解したエラグ酸を、ゲルを浸した緩衝液中に1/100量添加した。反応終了後、ゲルを0.2%クマシーブリリアントブルーR溶液にて染色し、5%メタノール−7.5%酢酸溶液にて脱色した。青色のゲル上で染色されないバンドとして検出されるゼラチナーゼ活性をデンシトメーター(アトーデンシトグラフ、AE−6905)にて定量化し、阻害率を算出した。
【0018】その結果、表1に示すように、エラグ酸はヒト皮膚線維芽細胞の産生するゼラチナーゼに対して阻害活性を示した。特に終濃度1mg/mlにおいて100%の高い阻害率を示し、プロテアーゼ阻害活性の観点から特に優れた物質であることが示された。
【0019】
【0020】実験例―2 関節炎モデルに対するエラグ酸の効果
Rosenthale(Rosenthale M.E. Arch.Int.Pharmacodyn.Ther. 188.14(1970))の方法に準じ、ネンブタール麻酔下、incomplete adjuvant液に懸濁したmycobacterium butyricum(以下adjuvant液)0.6mg/0.05mLを6週齢Wistarラットの右後肢足蹠に皮内注射しadjuvant関節炎を惹起した。対照には、incomplete adjuvant液のみを皮内注射した。試料の投与はエラグ酸を1日10mg/kgの用量でラットに強制的に経口投与し、3週間飼育した。右後肢容積は足容積測定装置を用いて測定し、各群の平均値と標準誤差値を表2に示した。表中の「p<0.05」は、危険率5%未満における有意差を示す。
【0021】その結果、エラグ酸を経口投与することによって優れた関節炎軽減効果が認められた。Adjuvant関節炎に対するエラグ酸の抑制率は62.7%であった。
【0022】
【0023】実験例―3 関節炎モデルに対するザクロ果汁画分の効果
ザクロ果汁濃縮液100mlにエタノール400mlを加え、沈殿物はろ過して取り除いた後、ろ液を濃縮乾固して、エラグ酸1%を含有する画分を得た。関節炎モデルに対する効果は、実験例―2と同様の方法で行い、上述の画分を1日1000mg/kgの用量で強制的にラットに投与し、adjuvant液群と比較した。
【0024】表3の結果から、エラグ酸を1%含有する画分は経口投与することにより、優れた関節炎軽減効果が認められた。Adjuvant関節炎に対するザクロ果汁分画物の抑制率は58.2%であった。
【0025】
【0026】実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、及び実施例6についても同様に関節炎モデルに対する効果を検討した。その結果、実験例2の場合と同様に、関節炎軽減効果が認められた。尚、実施例3の顆粒剤、実施例4の錠剤、実施例5の錠菓及び実施例6のカプセル剤については乳鉢ですりつぶしたものを、他はそのものを蒸留水に加えてラットに強制投与した。
【0027】以上の結果より、本発明に係るエラグ酸を含有する関節炎予防剤又は改善剤は、adjuvant液によって誘発される関節炎モデルに対して優れた効果を示し、関節炎予防剤又は改善剤として有益であることが明らかとなった。
【0001】本発明は、エラグ酸を有効成分とする関節炎予防剤又は改善剤に関するものである。
【従来の技術】
【0002】関節炎は主として軟骨細胞の代謝異常によって関節軟骨が破壊される疾患で、プロテアーゼ(非特許文献1)や炎症性サイトカイン(非特許文献2)の発現亢進が原因と考えられている。先進国では高齢化により関節炎患者が増加しており、わが国でもおよそ600万人の患者がいると推定されている。従来、関節炎の治療方法としては、破壊された軟骨を補う目的で、コラーゲンやコンドロイチン硫酸を経口的に補給し、一定の効果が得られている(特許文献1〜4)。しかしながら、これらの成分は軟骨細胞の代謝異常を直接制御するものではなく、軟骨の破壊を防ぐ効果も十分ではない。
【0003】
【特許文献1】特開平11―75726号公報
【特許文献2】特開2000―139408号公報
【特許文献3】特開2001―327264号公報
【特許文献4】特開2002―154968号公報
【特許文献5】特開平01―10985号公報
【特許文献6】特開平04―239593号公報
【特許文献7】特表2002―524477号公報
【特許文献8】特開2002―308763号公報
【非特許文献1】岡田保典,生化学,2001,73(11),1309−1321
【非特許文献2】岩倉洋一郎,日薬理誌,2002,120,303−313
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、関節炎の根本的な予防や改善において、プロテアーゼや炎症性サイトカインの働きを抑え、長期間摂取しても安全な薬剤の開発が望まれていた。
【0005】本発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、エラグ酸にプロテアーゼ阻害効果および関節炎が軽減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】エラグ酸はクルミ、カシューナッツ等の実、ラズベリー、ザクロ、イチゴ等の果実、ユーカリの葉等に含まれるポリフェノールである。エラグタンニンの加水分解、没食子酸の加熱等によっても得られる。エラグ酸は食品添加物の酸化防止剤、化粧品の美白成分として用いられる。近年、エラグ酸の研究が進められ、グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤(特許文献5)、抗酸化剤(特許文献6)、高血中脂質濃度に因る疾患の予防または治療のための、天然フェノール性化合物を含む組成物(特許文献7)およびアポトーシス誘導剤(特許文献8)が開示されているが、エラグ酸のプロテアーゼ阻害効果や関節炎を軽減する効果は報告されていない。
【0007】本発明のエラグ酸は、上述のごとく既に公知の物質であり、化学製品あるいは天然物から得られたものを用いることができるが、特に果実から得られるものがより好ましい。又、エラグ酸は、純度の高い精製品のみならず、エラグ酸を含有する抽出物、果汁、搾汁等も用いることができる。
【0008】本発明におけるエラグ酸の投与量は、通常0.5mg〜5g/日、好ましくは5mg〜2g/日、より好ましくは50mg〜1g/日である。
【0009】本発明の関節炎予防剤又は治療剤は、経口投与される医薬品又は食品として用いることができる。医薬品の形態としては、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤、懸濁剤、シロップ剤が挙げられる。食品の形態としては、上述の医薬品的な形態に加え、ビスケット、クッキー、キャンディー、チョコレート等の菓子、食酢、醤油、ドレッシング等の調味料、ハム、ベーコン、ソーセージ等の食肉製品、かまぼこ、はんぺい等の魚肉練り製品、果汁飲料、清涼飲料、アルコール飲料等の飲料、パン、麹、ジャム等にすることができる。これらの医薬品および食品は、何れもエラグ酸を0.5mg〜5g/日摂取できる形態であるが、摂取量を調整しやすい錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、内服液剤、および飲料がより好ましい。又、医薬品および食品の製造にあたっては、必要に応じて賦形剤、結合剤、滑沢剤、矯味剤、安定剤、ビタミン、ミネラル、香料等の医薬品および食品の技術分野で通常使用されている補助剤を用いることができる。
【実施例】
【0010】次に本発明を詳細に説明するために代表的な実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量は重量%を示す。
【0011】実施例―1 飲料
[製法]5に1〜4を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、エラグ酸を50mg/日摂取できる。
【0012】実施例―2 飲料
[製法]5に1〜4を加え、攪拌溶解してろ過し、加熱殺菌後、50mLガラス瓶に充填する。当該飲料を1日1本摂取することで、エラグ酸を100mg/日摂取できる。
【0013】実施例―3 顆粒剤
[製法]成分1〜3に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒剤を得る。当該顆粒を1日3g摂取することで、エラグ酸を90mg/日摂取できる。
【0014】実施例―4 錠剤
[製法]成分1〜4に70%エタノールを適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒を得る。顆粒に成分5を加えて打錠し、1錠0.52gの錠剤を得る。当該錠剤を1日3錠摂取することで、エラグ酸を62.4mg/日摂取できる。
【0015】実施例―5 錠菓
[製法]成分1〜4に水を適量加えて練和し、押出し造粒した後、乾燥して顆粒を得る。顆粒に成分5及び6を加えて打錠し、1個1.0gの錠菓を得る。当該錠菓を1日10個摂取することで、エラグ酸を90mg/日摂取できる。
【0016】実施例―6 カプセル剤
[製法]成分1および2を混合し、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。当該カプセル剤を1日2個摂取することで、エラグ酸を75mg/日摂取できる。
【発明の効果】
【0017】次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例―1 プロテアーゼ阻害作用
エラグ酸のプロテアーゼ阻害作用をゼラチンザイモグラフィーにより調べた。すなわち、600μg/mLのゼラチンを含む10%SDS−PAGEゲル(1mm厚)を作製し、ヒト皮膚線維芽細胞の培養上清をプロテアーゼ粗酵素として、非還元条件下にて電気泳動を行った。次いで、ゲルを2.5%TritonX−100溶液にて室温で30分間2回洗浄してSDSを除去し、200mM塩化ナトリウム、5mM塩化カルシウム、0.01%brij−35(SIGMA)を含む30mMトリス塩酸緩衝液(pH7.6)中にて37℃で24時間インキュベートした。この際、最終濃度(1mg/mL、0.1mg/mL)の100倍となるように緩衝液に溶解したエラグ酸を、ゲルを浸した緩衝液中に1/100量添加した。反応終了後、ゲルを0.2%クマシーブリリアントブルーR溶液にて染色し、5%メタノール−7.5%酢酸溶液にて脱色した。青色のゲル上で染色されないバンドとして検出されるゼラチナーゼ活性をデンシトメーター(アトーデンシトグラフ、AE−6905)にて定量化し、阻害率を算出した。
【0018】その結果、表1に示すように、エラグ酸はヒト皮膚線維芽細胞の産生するゼラチナーゼに対して阻害活性を示した。特に終濃度1mg/mlにおいて100%の高い阻害率を示し、プロテアーゼ阻害活性の観点から特に優れた物質であることが示された。
【0019】
【0020】実験例―2 関節炎モデルに対するエラグ酸の効果
Rosenthale(Rosenthale M.E. Arch.Int.Pharmacodyn.Ther. 188.14(1970))の方法に準じ、ネンブタール麻酔下、incomplete adjuvant液に懸濁したmycobacterium butyricum(以下adjuvant液)0.6mg/0.05mLを6週齢Wistarラットの右後肢足蹠に皮内注射しadjuvant関節炎を惹起した。対照には、incomplete adjuvant液のみを皮内注射した。試料の投与はエラグ酸を1日10mg/kgの用量でラットに強制的に経口投与し、3週間飼育した。右後肢容積は足容積測定装置を用いて測定し、各群の平均値と標準誤差値を表2に示した。表中の「p<0.05」は、危険率5%未満における有意差を示す。
【0021】その結果、エラグ酸を経口投与することによって優れた関節炎軽減効果が認められた。Adjuvant関節炎に対するエラグ酸の抑制率は62.7%であった。
【0022】
【0023】実験例―3 関節炎モデルに対するザクロ果汁画分の効果
ザクロ果汁濃縮液100mlにエタノール400mlを加え、沈殿物はろ過して取り除いた後、ろ液を濃縮乾固して、エラグ酸1%を含有する画分を得た。関節炎モデルに対する効果は、実験例―2と同様の方法で行い、上述の画分を1日1000mg/kgの用量で強制的にラットに投与し、adjuvant液群と比較した。
【0024】表3の結果から、エラグ酸を1%含有する画分は経口投与することにより、優れた関節炎軽減効果が認められた。Adjuvant関節炎に対するザクロ果汁分画物の抑制率は58.2%であった。
【0025】
【0026】実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、及び実施例6についても同様に関節炎モデルに対する効果を検討した。その結果、実験例2の場合と同様に、関節炎軽減効果が認められた。尚、実施例3の顆粒剤、実施例4の錠剤、実施例5の錠菓及び実施例6のカプセル剤については乳鉢ですりつぶしたものを、他はそのものを蒸留水に加えてラットに強制投与した。
【0027】以上の結果より、本発明に係るエラグ酸を含有する関節炎予防剤又は改善剤は、adjuvant液によって誘発される関節炎モデルに対して優れた効果を示し、関節炎予防剤又は改善剤として有益であることが明らかとなった。
Claims (2)
- エラグ酸を有効成分とする関節炎予防剤又は改善剤。
- エラグ酸が果実から得られたものである請求項1記載の関節炎予防剤又は改善剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003203185A JP2005047817A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 関節炎予防剤又は改善剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003203185A JP2005047817A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 関節炎予防剤又は改善剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005047817A true JP2005047817A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34262643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003203185A Pending JP2005047817A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 関節炎予防剤又は改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005047817A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103333175A (zh) * | 2013-07-15 | 2013-10-02 | 绥化学院 | 一种香菇菌丝固态发酵蓝莓果渣制备鞣花酸和没食子酸的方法 |
JP2013245168A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Kao Corp | アグリカン分解抑制剤 |
JP2013245170A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Nippon Menaade Keshohin Kk | ヒアルロン酸合成促進剤及び皮膚外用剤 |
CN108430468A (zh) * | 2015-12-09 | 2018-08-21 | Hl科学株式会社 | 通过使用具有由cox2和peg2抑制引起的消炎作用、由mmp-2和mmp-9抑制引起的软骨保护作用和由ii型胶原合成增加引起的软骨再生作用的牛膝、杜仲和石榴提取物的复合物(p-关节100)缓解骨关节炎的方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5066671A (en) * | 1990-07-16 | 1991-11-19 | American Home Products Corporation | Ellagic acid derivatives as phospholipase A2 inhibitors |
-
2003
- 2003-07-29 JP JP2003203185A patent/JP2005047817A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5066671A (en) * | 1990-07-16 | 1991-11-19 | American Home Products Corporation | Ellagic acid derivatives as phospholipase A2 inhibitors |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013245168A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Kao Corp | アグリカン分解抑制剤 |
JP2013245170A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Nippon Menaade Keshohin Kk | ヒアルロン酸合成促進剤及び皮膚外用剤 |
CN103333175A (zh) * | 2013-07-15 | 2013-10-02 | 绥化学院 | 一种香菇菌丝固态发酵蓝莓果渣制备鞣花酸和没食子酸的方法 |
CN108430468A (zh) * | 2015-12-09 | 2018-08-21 | Hl科学株式会社 | 通过使用具有由cox2和peg2抑制引起的消炎作用、由mmp-2和mmp-9抑制引起的软骨保护作用和由ii型胶原合成增加引起的软骨再生作用的牛膝、杜仲和石榴提取物的复合物(p-关节100)缓解骨关节炎的方法 |
JP2018536694A (ja) * | 2015-12-09 | 2018-12-13 | エイチエルサイエンス カンパニー,リミテッド | ゴシツ、トチュウ、ザクロの抽出物の複合物(HL‐Joint 100)のCOX2、PGE2抑制を通じた抗炎効果、MMP‐2、9抑制を通じた軟骨保護効果およびコラーゲンタイプIIの合成増加を通じた軟骨再生効果による骨関節炎の改善方法 |
US10610555B2 (en) | 2015-12-09 | 2020-04-07 | Hlscience Co., Ltd. | Method for alleviating osteoarthritis by using composite (HL-Joint 100) of achyranthes bidentata, eucommin ulmoides oliver and pomegranate extracts, which has antiinflammatory effect caused by COX2 and PGE2 inhibition, cartilage protective effect caused by MMP-2 and -9 inhibition and cartilage regeneration effect caused by increase in type II collagen synthesis |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5793739B2 (ja) | 金銀花抽出物を含む逆流性食道炎治療または予防用薬学組成物 | |
JPWO2004105739A1 (ja) | 高級脂肪酸誘導体含有組成物及び飲食物 | |
AU2012235869A1 (en) | Compositions for the treatment of neurologic disorders | |
JP2005089304A (ja) | 炎症性サイトカインの産生抑制剤 | |
JP2013056893A (ja) | 口腔咽頭嚥下障害の治療 | |
JP2005047817A (ja) | 関節炎予防剤又は改善剤 | |
EP1915991A1 (en) | Cartilage regeneration-promoting agent | |
KR101647495B1 (ko) | 플라본계 화합물 또는 캠페리아 파비플로라 추출물을 함유하는 치주질환 개선 조성물 | |
KR20130076851A (ko) | 감마-세크레타제 저해제를 유효성분으로 함유하는 류마티스성 관절염의 예방 또는 치료용 조성물 | |
KR20200023235A (ko) | 강글리오사이드를 함유하는 근육 질환 예방 또는 치료용, 또는 근 기능 개선용 조성물 | |
JP4395658B2 (ja) | コレステロール再上昇抑制用組成物およびその用法 | |
JP4914594B2 (ja) | 関節痛改善用食品組成物 | |
JPWO2016195017A1 (ja) | 10−ヒドロキシ−シス−12−オクタデセン酸アルキルエステル及びその用途 | |
KR20190058346A (ko) | Chp(시클로-히스프로)를 포함하는 골 손실 질환의 예방, 개선 또는 치료용 조성물 | |
JP5885784B2 (ja) | 経口組成物 | |
JP6112767B2 (ja) | 血液中の尿酸値を低下させるための組成物 | |
KR101830395B1 (ko) | 스쿠알렌을 함유하는 근기능 향상 및 근육 손상 예방용 조성물 | |
JP6762007B2 (ja) | 変形性関節症予防用組成物、変形性関節症予防用食品組成物、変形性関節症予防用食品添加物及び変形性関節症予防用医薬 | |
US20220218793A1 (en) | Use of composition for preventing, ameliorating, or treating bone loss disorders, comprising cyclo-hispro (chp) and parathyroid hormone | |
JP2001026753A (ja) | 高血圧症予防又は治療用組成物 | |
RU2780346C1 (ru) | Терапевтический агент против коронавируса, включающий экстракт elaeocarpus sylvestris | |
JP2008105959A (ja) | 肝障害改善組成物 | |
JP2003128566A (ja) | 膀胱機能改善剤又は排尿障害治療剤、及び膀胱機能改善用又は排尿障害治療用飲食物 | |
WO2012050370A2 (ko) | 감마-세크레타제 저해제를 유효성분으로 함유하는 류마티스성 관절염의 예방 또는 치료용 조성물 | |
JPH0881372A (ja) | 赤血球数の減少に起因する医学的症状の予防及び改善剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20041117 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060511 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091013 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100803 |