JP2005047389A - 坂路保持制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 制動力を発生させるために駆動されるアクチュエータの保護を図るべく、坂路保持制御の状態に応じた警告を行う。
【解決手段】 坂路保持制御装置において、坂路保持制御が実行されるとその旨をドライバに知らせるべく、ブザーによる警報を行う。そして、坂路保持制御の経過時間が所定時間Aを超えた場合には、ブレーキ液圧制御装置に備えられたアクチュエータの機能限界が近づいているものとして、ブザーの警報の周期を早め、その旨をドライバに知らせる。
【選択図】 図2−b
【解決手段】 坂路保持制御装置において、坂路保持制御が実行されるとその旨をドライバに知らせるべく、ブザーによる警報を行う。そして、坂路保持制御の経過時間が所定時間Aを超えた場合には、ブレーキ液圧制御装置に備えられたアクチュエータの機能限界が近づいているものとして、ブザーの警報の周期を早め、その旨をドライバに知らせる。
【選択図】 図2−b
Description
本発明は、車両が坂路中で停止保持されるように制動力を発生させる坂路保持制御を実行する坂路保持制御装置に関するものである。
従来の坂路保持制御装置では、車両が坂路の途中で停止する際に、車両が坂路から後退しないように停止保持できるように、所望のブレーキ液圧を発生させるようにしている。また、バスなどの車両においては、車両停止中に多数の乗客が乗ってきて車重が急激に増加するような場合、設定されたブレーキ液圧では車両を坂路中で停止維持できなくなるときがある。このような状態になると、警報が出され、ドライバにその旨が伝えられるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平09−175352号公報
しかしながら、上記した特許文献1に示される坂路保持制御装置では、坂路での停止保持ができなくなる状態になって初めて警報が出されるようになっているため、警報後にドライバが対処できる余裕が短い。このため、車両が坂路を後退してしまわないようにブレーキペダルの踏み増しを行う等、的確な対処を行えなくなる可能性がある。
また、車両が坂路途中で停止保持できるようなブレーキ液圧を発生させるためにアクチュエータが駆動されるが、アクチュエータを長時間駆動し続けると機能限界に達してしまう。これに対し、特許文献1に示される坂路保持制御装置では、アクチュエータの機能限界を考慮した警報を発生させることができず、ドライバに対してアクチュエータの状態を報告することができなかった。
本発明は、上記点に鑑みて成され、坂路保持制御の状態に応じた対処が行えるように、また、制動力を発生させるために駆動されるアクチュエータの保護を図れるように、坂路保持制御の状態に応じた警告を行うようにした坂路保持制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両が坂路で停止した際に、該車両が坂路から後退してしまうことを抑制する坂路保持制御を実行するように構成された坂路保持制御装置であって、坂路保持制御を実行するか否かを判定する坂路保持判定手段(1、107)と、坂路保持判定手段にて、坂路保持制御を実行すると判定されると、該坂路保持制御を実行していることを報知する警報手段(BZ)と、を備えていることを特徴としている。
このように、坂路保持制御が実行されるとその旨をドライバに知らせるために警報手段で警報するようにしている。このため、坂路保持制御が実行されていることをドライバに認識させることができ、坂路保持制御の実行開始タイミングからブレーキペダルの踏み増しを行う等の対処をドライバ側で行えるようにできる。
請求項2に記載の発明では、坂路保持判定手段にて、坂路保持制御を実行すると判定されると、該坂路保持制御を実行している経過時間を計測する経過時間計測手段(1、109)を備え、警報手段は、経過時間計測手段による計測結果に基づき、経過時間に応じて警報を変化させるようになっていることを特徴としている。
このように、経過時間計測手段による計測結果に基づき、経過時間に応じて警報を変化させることが可能である。
例えば、請求項3に示されるように、坂路保持制御の経過時間が所定時間(A)を超えたか否かを判定する経過時間判定手段(110)を備え、経過時間判定手段にて経過時間が所定時間を超えたと判定されると、警報手段は、警報を変化させることができる。
これらの場合、例えば、請求項4に示すように警報手段がブザー(BZ)であれば、経過時間計測手段による計測結果に基づき、ブザーによる警報の周期を変化させることが可能である。
具体的には、請求項5に示すように、車両に備えられる車輪に対して制動力を発生させるアクチュエータを駆動するための制動力発生手段(BPC)を備え、制動力発生手段にてアクチュエータを駆動することによって、車輪に対して制動力を発生させ、車両を坂路で停止させるように坂路保持制御するものにおいては、アクチュエータの機能限界とされる時間に応じて警報手段による警報を変化させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態にかかる坂路保持制御装置を実現した車両制御システムの全体構成を示す。以下、この図に基づいて車両制御システムの構成について説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかる坂路保持制御装置を実現した車両制御システムの全体構成を示す。以下、この図に基づいて車両制御システムの構成について説明する。
図1に示されるように、車両制御システムは、エンジンEG、変速装置GS、ブレーキ液圧制御装置BPC、各車輪FL、FR、RL、RR毎に備えられたホイールシリンダWfl、Wfr、Wrl、Wrr、各種センサ群、ブザーBZおよび電子制御装置(以下、ECUという)1を備えた構成となっている。なお、車輪FL、FR、RL、RRは、それぞれ左前方、右前方、左後方、右後方の車輪を示している。
エンジンEGは、スロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを備えた内燃機関であり、ドライバの駆動要求に応じたアクセルペダルAPでの操作量およびECU1からのエンジン制御信号に基づいて駆動される。具体的には、スロットル制御装置THは、アクセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバルブMTのメインスロットル開度を制御すると共に、ECU1からの制御信号に応じてサブスロットルバルブSTを駆動し、サブスロットル開度を制御するようになっている。また、燃料噴射装置FIは、ECU1からの制御信号に基づいて駆動され、燃料噴射量を制御するようになっている。
なお、本実施形態に示す車両は、FR駆動方式のものであり、エンジンEGが変速装置GS、センタディファレンシャルDC及びリヤディファレンシャルDRを介して車両後方の車輪RL、RRに連結された構成となっている。従って、車輪FL、FRが従動輪、車輪RL、RRが駆動輪となる。
変速装置GSは、トランスミッションのギア位置の切替えを行うものである。変速装置GSでのギア位置は、変速装置GS内に設けられたギア位置センサからECU1に伝えられるようになっており、また、ECU1からのギア位置制御信号に基づいて調整されるようになっている。
ブレーキ液圧制御装置BPCは、ドライバの制動要求に応じて踏み込まれるブレーキペダルBPの操作量と、ECU1で実行される坂路保持制御に基づく制動要求に応じて、各車輪FL、FR、RL、RRそれぞれに装着されたホイールシリンダWfl、Wfr、Wrl、Wrrに加えられるブレーキ液圧(ホイールシリンダ圧)を調整するものである。具体的には、ブレーキ液圧制御装置BPCには、図示しないマスタシリンダが備えられていると共に、このマスタシリンダの出力ブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を検出する圧力センサPSが備えられている。そして、圧力センサPSの出力信号がECU1に入力されるように構成され、ECU1からのブレーキ制御信号に基づいてブレーキ液圧制御装置BPCに備えられた図示しないアクチュエータ(例えばソレノイド等)が駆動されることで、ホイールシリンダ圧が調整されるようになっている。
各種センサ群は、上記した各センサに加え、車輪速度センサWS1〜WS4、ブレーキスイッチセンサBS、スロットルセンサTS、傾斜センサGXを有して構成される。
車輪速度センサWS1〜WS4は、各車輪FL、FR、RL、RRに配設されている。これら各車輪速度センサWS1〜WS4がECU1に接続され、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号をECU1に向けて出力するようになっている。
ブレーキスイッチセンサBSは、ドライバがブレーキペダルBPを踏み込んだことを検出するものである。このブレーキスイッチセンサBSからの検出信号はECU1に入力されるようになっている。
スロットルセンサTSは、アイドル域か出力域かを検出すると共に、メインスロットルバルブMT及びサブスロットルバルブSTのスロットル開度を検出するものである。このスロットルセンサTSからは、アイドル域か出力域かをオンオフ信号で表したアイドルスイッチ信号と、各スロットルバルブMT、STのスロットル開度信号が出力され、これら各信号がECU1に向けて出力されるようになっている。このスロットルセンサTSのアイドルスイッチ信号に基づき、アクセルペダルAPの操作、非操作を検出できるようになっている。
傾斜センサGXは、車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段に相当するものである。傾斜センサGXは、車両の前後方向に揺動可能に支持された錘を備えており、錘が車両の前後方向の傾斜に応じて移動した変位を表す信号Gxを出力するものである。この信号Gxは、ECU1に入力されるようになっており、この信号Gxに基づいてECU1で傾斜角度Grが求められるようになっている。
具体的には、車両が停止状態の際には、車両の前後方向の傾斜角度GrがGr=K・Gx(Kは定数)の数式に基づいて求められる。そして、車両が移動すると、信号Gxが車両の加速度に応じて変動することから、傾斜角度Grが次式に基づいて求められる。
(数1)
Gr(n) =k・Gr(n−1)+(1−k)・K・(Gx−Gw)…(1)
ただし、Gr(n)は、今回の傾斜角度を意味しており、Gr(n−1)は、前回求められた傾斜角度を意味している。また、kは重み係数を表しており、0<k<1で定義される。Gwは車体加速度であり、後述の車体速度(推定車体速度)を微分した推定車体加速度が車体加速度として用いられる。
Gr(n) =k・Gr(n−1)+(1−k)・K・(Gx−Gw)…(1)
ただし、Gr(n)は、今回の傾斜角度を意味しており、Gr(n−1)は、前回求められた傾斜角度を意味している。また、kは重み係数を表しており、0<k<1で定義される。Gwは車体加速度であり、後述の車体速度(推定車体速度)を微分した推定車体加速度が車体加速度として用いられる。
なお、本実施形態では、傾斜角度Grは、車両の後方側が下方に位置する傾斜(進行方向側が上り方向)の場合は正の値で、その逆の傾斜(進行方向側が下り方向)の場合は負の値となるように設定されている。
ブザーBZは、車室内に備えられ、ECU1によって駆動される。このブザーBZは、警報を発生させることで、音声にてドライバに対してブレーキ液圧制御装置BPCに備えられた図示しないアクチュエータの機能限界を報知するものである。ここではブザーBZという音声による報知手段を採用しているが、警告ランプのような視覚を通じて報知を行う報知手段を採用することも可能である。
ECU1は、マイクロコンピュータCMPを有している。マイクロコンピュータCMPには、入力ポートIPT、出力ポートOPT、プロセシングユニットCPU、記憶手段となるROM2及びRAM3、図示しない制御タイマやカウンタなどが備えられ、これら各部がバスを介して相互に接続された構成となっている。
上記した車輪速度センサWS1〜WS4、ブレーキスイッチBS等の出力信号は増幅回路AMPを介して入力ポートIPTからプロセシングユニットCPUに入力されるようになっている。また、出力ポートOPTからは、駆動回路ACTを介して、スロットル制御装置TH及びブレーキ液圧制御装置BPCに向けてそれぞれの制御信号が出力されると共に、ブザーBZへの警報信号が出力されるようになっている。
ROM2には坂路保持制御を実行するためのプログラムが記憶されている。プロセッシングユニットCPUは、イグニッションスイッチ(図示せず)がオンされている間、ROM2に記憶されたプログラムに従った処理を実行するものであり、RAM3は、そのプログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶させるものである。
以上のように構成された制御システムにより坂路保持制御が実行される。坂路保持制御は、ECU1により、各種演算に基づいて実行されるものであり、その処理の詳細は、図2−a、図2−bのフローチャートで示される。坂路保持制御のフローチャートに示される各処理は、イグニッションスイッチがオンされてマイクロコンピュータが起動されると実行される。
先ず、ステップ101では、マイクロコンピュータCMPの初期化がなされ、RAM3に記憶されている各種の演算値がクリアされる。ステップ102では、制御タイマがクリアされ、その後、カウントが開始される。ここでいう制御タイマとは、坂路保持制御の制御周期Tsをカウントするものであり、制御周期Ts毎にこのステップ102以降の各種処理が実行されるようになっている(ステップ114参照)。
ステップ103では、車輪速度センサWS1〜WS4の検出信号、ブレーキスイッチセンサBSの検出信号、スロットルセンサTSのアイドルスイッチ信号、ギア位置センサの検出信号、および、傾斜センサGXの検出信号がマイクロコンピュータCMPに読み込まれる。
そして、ステップ104に進み、車輪速度センサWS1〜WS4の検出信号に基づき車輪速度Vw**(**は車輪FL、FR、RL、RRを代表して表したものである。従って、車輪速度Vw**は、4輪それぞれの車輪速度ということを意味する)が演算される。また、車輪速度Vw**に基づいて、車体速度(推定車体速度)が演算される。この車体速度の演算方法には周知となっている様々な手法が採用でき、例えば、従動輪となる前輪側の車輪速度VwFL、VwFRの速度が車体速度として用いられる。さらに、車体速度を微分すること、つまり、車体速度に対する単位時間当りの変化量を求めることで、車体加速度Gwを演算する。
続いて、ステップ105に進み、ステップ103で読み込んだ傾斜センサGXの出力信号Gxおよび車体加速度Gwに基づき傾斜角度Gr(車両の後方側が下方にあるときの傾斜は正の値で、その逆の場合は負の値)が演算される。そして、ステップ106において、傾斜角度Grに基づき急坂路か否かが判定される。例えば、傾斜角度Grが所定値|Kr|以上であれば、急坂路で車両の後方側が下方にあると判定される。
ステップ107では、坂路保持制御を実行する必要があるか否かが判定される。この判定は、ステップ106で急坂路と判定されたか否かに基づいて行われるもので、急坂路と判定されていた場合には坂路保持制御を実行する必要ありとされる。そして、このステップで肯定判定されればステップ108に進み、否定判定されればステップ116で後述する経過時間のカウント(ステップ109参照)をクリアした後、ステップ117に進む。
ステップ108では、坂路保持制御が実行される。すなわち、下り坂においてドライバがブレーキペダルBPを踏み込んだにも関わらず、車両が後退していきそうな場合や、車両が停止後に坂路を登ろうとしてブレーキペダルBPを離した瞬間に車両が後退してしまうような場合に、それを防止するために所望の制動力を発生させるという制御が成される。この坂路保持制御の詳細については、特開平7−69102号公報に示される方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
続いて、ステップ109では、坂路保持制御が実行されてからの経過時間がカウントされる。この経過時間は、ECU1内のマイクロコンピュータCMPに備えられたカウンタにてカウントされる。そして、ステップ110において、経過時間が所定値Aよりも大きいか否かが判定される。ここでいう所定時間Aは、ブレーキ液圧制御装置BPCに備えられた図示しないアクチュエータの機能限界に達する時間よりも短い時間に設定され、アクチュエータの機能限界に応じて設定される。つまり、坂路保持制御の実行時間が所定時間Aに達したら、アクチュエータの機能限界に達するまでの時間的な余裕が短くなりつつあるものとして、ステップ111に進み、ブザーBZの警報の周期として早い周期(高周波)が設定され、それに応じた警報信号がマイクロコンピュータCMPから出力される。また、坂路保持制御の実行時間が所定時間Aに達する前であれば、まだアクチュエータの機能限界まで余裕があるものとして、ステップ112に進み、ブザーBZの警報の周期として遅い周期(低周波)が設定され、それに応じた警報信号がマイクロコンピュータCMPから出力される。
このようにすれば、ブザーBZからの音声に基づいて坂路保持制御が実行されていることをドライバに認識させつつ、アクチュエータの機能限界まで余裕があるかないかをブザーBZの警報の周期によって認識させることができる。
続く、ステップ113では、車両が停止していたときの制御量、つまり前回の制御周期の際に必要とされた制御量に対して、現在の制御量となる今回必要とされる制御量の方が小さくなっているか否かが判定される。ここでいう制御量とは、ブレーキ液圧制御装置BPCに備えられたアクチュエータにて発生させなければならない制動力に相当するものである。
すなわち、ブレーキ液圧制御装置BPCに備えられたアクチュエータが発生させる必要がある制動力は、坂路保持制御の際に必要とされる目標静止力と、アクセルペダルAPの操作量やECU1からのエンジン制御信号に応じてエンジンEGが発生させるエンジントルクおよび変速装置GSが設定したギア位置に基づいて決定される駆動力と、ブレーキペダルBPへ加えられた踏力に応じてブレーキ液圧制御装置BPCが発生させる制動力とから次式のように定義される。
(数2)
アクチュエータによる制動力=目標静止力−(駆動力+踏力による制動力) …(2)
そして、アクチュエータの駆動は、アクチュエータによる制動力として前回要求された値と今回要求される値とに基づいて行われるようになっている。具体的には、前回要求された値よりも今回要求される値の方が大きかった場合にはアクチュエータの駆動が続けられ、前回要求された値よりも今回要求される値の方が小さかった場合にはアクチュエータの駆動が停止される。
アクチュエータによる制動力=目標静止力−(駆動力+踏力による制動力) …(2)
そして、アクチュエータの駆動は、アクチュエータによる制動力として前回要求された値と今回要求される値とに基づいて行われるようになっている。具体的には、前回要求された値よりも今回要求される値の方が大きかった場合にはアクチュエータの駆動が続けられ、前回要求された値よりも今回要求される値の方が小さかった場合にはアクチュエータの駆動が停止される。
従って、要求された値よりも今回要求される値の方が小さかった場合にはアクチュエータの駆動が停止され、アクチュエータの負荷が減少する。このため、ステップ113において肯定判定されればステップ114に進む。そして、アクチュエータの負荷が減少したことから、ブザーBZの警報の周期として遅い周期(低周波)が設定され、それに応じた警報信号がマイクロコンピュータCMPから出力される。
また、ステップ113において否定判定されればステップ115に進む。そして、アクチュエータの負荷が減少していないことから、ブザーBZの警報の周期として早い周期(高周波)が設定され、それに応じた警報信号がマイクロコンピュータCMPから出力される。
これらの処理が終了すると、ステップ118において、マイクロコンピュータCMPに備えられた制御タイマのカウント値が制御周期Tsを経過したか否かが判定され、制御周期Tsを超えると、再度、ステップ102に戻ってステップ102以降の処理が繰り返される。
以上のような処理に基づき、坂路保持制御が実行される。このように、本実施形態においては、坂路保持制御が実行されるとその旨をドライバに知らせるためにブザーBZを鳴らすようにしている。このため、坂路保持制御が実行されていることをドライバに認識させることができ、坂路保持制御の実行開始タイミングからブレーキペダルBPの踏み増しを行う等の対処をドライバ側で行えるようにできる。
また、坂路保持制御が実行されてからの経過時間をカウントし、その経過時間が所定値Aよりも大きくなった場合にはブザーBZでの警報の周期を早くしている。これにより、坂路保持制御の状態に応じた警報を行なうことが可能となり、ブレーキ液圧制御装置BPCに備えられたアクチュエータの機能限界が近づいていることをドライバに認識させられる。従って、ドライバにアクチュエータが機能限界にならないように対処させることも可能となり、また、仮にアクチュエータの機能限界に達して坂路から車両が後退しそうになったとしても、それに対してドライバが迅速に対処することが可能となる。
(他の実施形態)
(1)上記第1実施形態では、アクチュエータによる制動力として前回要求された値よりも今回要求される値の方が小さかった場合には、ブザーBZの警報の周期を遅くするようにしている。しかしながら、ドライバがブレーキペダルBPを一旦強く踏んだ後に踏み込みを弱くし、さらに、再度強く踏み込むことも考えられ、上記のような場合に一律にブザーBZの警報の周期を遅くするのは好ましくない場合もあり得る。
(1)上記第1実施形態では、アクチュエータによる制動力として前回要求された値よりも今回要求される値の方が小さかった場合には、ブザーBZの警報の周期を遅くするようにしている。しかしながら、ドライバがブレーキペダルBPを一旦強く踏んだ後に踏み込みを弱くし、さらに、再度強く踏み込むことも考えられ、上記のような場合に一律にブザーBZの警報の周期を遅くするのは好ましくない場合もあり得る。
従って、上記したステップ113の判定処理に加えて、ブレーキスイッチセンサBSによるブレーキペダルBPの操作を判定するステップや、ドライバによるアクセルペダルAPの操作をスロットルセンサTSのアイドルスイッチ信号に基づいて判定するステップを追加しても良い。この場合、ブレーキペダルBPの踏み込みが止められたり、アクセルペダルAPが操作されたことが判定されたときに、ドライバによる車両発進意志があるものとして、初めて、ブザーBZによる警報の周期が遅く設定されるようにすることができる。
(2)上記第1実施形態では、図2−bのステップ107において坂路保持する必要がないと判定されると、ステップ116に進んで経過時間カウントをクリアするようにしている。しかしながら、坂路保持制御が終了したあと直ぐに坂路保持制御が繰り返される場合もある。このような場合には、ブレーキ液圧制御装置BPCに備えられるアクチュエータが十分に休まることなく次の作動を行うことになり、アクチュエータが十分に休められた場合と比べて、アクチュエータの機能限界に至るまでの時間が短くなる。
このため、ステップ116の前に、坂路保持制御の経過時間のカウントを停止するステップと、坂路保持制御が終了してからの経過時間をカウントするステップと、その経過時間がアクチュエータを十分に休められる所定時間を超えているか否かを判定するステップとを設けることも可能である。
このようにすれば、坂路保持制御が終了してからアクチュエータを十分に休められる所定時間を超えていない場合には、坂路保持制御の経過時間のカウントがクリアされない。このため、再び坂路保持制御が実行された際には、前回の坂路保持制御中に計数されたカウント値からカウントが続けられ、坂路保持制御のトータルの実行時間、すなわち、アクチュエータのトータルの駆動時間がカウントされることになる。従って、アクチュエータのトータルの駆動時間に基づいてブザーBZによる警報を行うことが可能となる。
また、ここでは前回のカウント値からカウントが続けられるようにしたが、坂路保持制御が終了したからの経過時間に基づいてアクチュエータが休められた割合を求め、その分をアクチュエータのトータルの駆動時間から減算するようにすることも可能である。
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
1…ECU、EG…エンジン、GS…変速装置、BPC…ブレーキ液圧制御装置、
FL、FR、RL、RR…車輪、Wfl、Wfr、Wrl、Wrr…ホイールシリンダ、
WS1〜WS4…車輪速度センサ、BS…ブレーキスイッチセンサ、GX…傾斜センサ、BZ…ブザー。
FL、FR、RL、RR…車輪、Wfl、Wfr、Wrl、Wrr…ホイールシリンダ、
WS1〜WS4…車輪速度センサ、BS…ブレーキスイッチセンサ、GX…傾斜センサ、BZ…ブザー。
Claims (5)
- 車両が坂路で停止した際に、該車両が前記坂路から後退することを抑制する坂路保持制御を実行するように構成された坂路保持制御装置であって、
前記坂路保持制御を実行するか否かを判定する坂路保持判定手段(1、107)と、
前記坂路保持判定手段にて、前記坂路保持制御を実行すると判定されると、該坂路保持制御を実行していることを報知する警報手段(BZ)と、
を備えていることを特徴とする坂路保持制御装置。 - 前記坂路保持判定手段にて、前記坂路保持制御を実行すると判定されると、該坂路保持制御を実行している経過時間を計測する経過時間計測手段(1、109)を備え、
前記警報手段は、前記経過時間計測手段による計測結果に基づき、前記経過時間に応じて前記警報を変化させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の坂路保持制御装置。 - 前記坂路保持制御の経過時間が所定時間(A)を超えたか否かを判定する経過時間判定手段(110)を備え、
前記経過時間判定手段にて前記経過時間が前記所定時間を超えたと判定されると、前記警報手段は、前記警報を変化させるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の坂路保持制御装置。 - 前記警報手段はブザー(BZ)であり、前記経過時間計測手段による計測結果に基づき、前記ブザーによる警報の周期を変化させるようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の坂路保持制御装置。
- 前記車両に備えられる車輪に対して制動力を発生させるアクチュエータを駆動するための制動力発生手段(BPC)を備え、
前記坂路保持制御手段は、前記制動力発生手段にて前記アクチュエータを駆動することによって、前記車輪に対して制動力を発生させ、前記車両を前記坂路で停止させるように制御するようになっており、
前記警報手段による前記警報は、前記アクチュエータの機能限界とされる時間に応じて変化するようになっていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の坂路保持制御装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006315663A (ja) * | 2005-04-14 | 2006-11-24 | Advics:Kk | 自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置 |
US7925408B2 (en) | 2006-09-15 | 2011-04-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electric parking brake system and method for controlling the electric parking brake system |
JP2012030662A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Nippon Seiki Co Ltd | 警告報知装置およびプログラム |
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2003
- 2003-07-29 JP JP2003281780A patent/JP2005047389A/ja active Pending
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