JP2005046830A - 排ガス処理塔 - Google Patents
排ガス処理塔 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005046830A JP2005046830A JP2003356562A JP2003356562A JP2005046830A JP 2005046830 A JP2005046830 A JP 2005046830A JP 2003356562 A JP2003356562 A JP 2003356562A JP 2003356562 A JP2003356562 A JP 2003356562A JP 2005046830 A JP2005046830 A JP 2005046830A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- liquid
- gas treatment
- tower
- treatment tower
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims abstract description 174
- 239000000126 substance Substances 0.000 claims description 46
- 238000007599 discharging Methods 0.000 claims 1
- 239000007921 spray Substances 0.000 abstract description 69
- 230000002708 enhancing effect Effects 0.000 abstract 1
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 201
- 238000006477 desulfuration reaction Methods 0.000 description 19
- 230000023556 desulfurization Effects 0.000 description 19
- XTQHKBHJIVJGKJ-UHFFFAOYSA-N sulfur monoxide Chemical class S=O XTQHKBHJIVJGKJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 18
- TXKMVPPZCYKFAC-UHFFFAOYSA-N disulfur monoxide Inorganic materials O=S=S TXKMVPPZCYKFAC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 16
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 9
- 239000002912 waste gas Substances 0.000 description 9
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 8
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 6
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 6
- VTYYLEPIZMXCLO-UHFFFAOYSA-L Calcium carbonate Chemical compound [Ca+2].[O-]C([O-])=O VTYYLEPIZMXCLO-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 4
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 3
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 3
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 2
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 2
- 229910000019 calcium carbonate Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 2
- 229910052815 sulfur oxide Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 238000007634 remodeling Methods 0.000 description 1
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 1
Images
Abstract
【解決手段】 排ガス処理塔10Aにおいて、液滴発生部材20を備えることで、液柱Cだけでなく、液滴発生部材20の近傍に液滴Mを発生させ、浮遊させるようにした。また、スプレーノズルから液を噴出させ、液柱Cとは異なる領域に液膜を存在させるようにすることもできる。
【選択図】図1
Description
この排ガス処理塔には、硫黄酸化物の吸収液を上方に向けて柱状に吐出する、いわゆる液柱式のものがある(例えば、特許文献1参照。)。図21に示すように、このような液柱式の排ガス処理塔1では、下部側方に形成された導入口2から排ガスを導入し、これが上方の排出口3に向けて流れる間に柱状に吐出された液柱Cに接触することで、排ガス中に含まれる硫黄酸化物が除去されるようになっている。
しかしながら、設備の大型化が望ましくないのは言うまでもない。そこで、排ガスの流速を現状以上に上げることを検討すると、図9に示すように、従来の排ガス処理塔1では、ある一定以上の流速に上げると、液柱Cで硫黄酸化物を除去し切れず、排ガスがそのまま吹き抜けてしまい、処理効率の向上が困難となる、という問題がある。
排ガス処理塔1の内部には、液柱Cに噴き上げるノズル4が複数設けられているが、それぞれのノズル4から柱状に噴き上げられた液は、頂点から外方に広がって落下するため、複数のノズル4から噴き上げられる液柱C間には、同一平面内で液の疎密が生じる。下方から上方に向けて流れる排ガスは、この液柱Cおよびその周囲に浮遊する液滴に接触することで硫黄酸化物が除去されるわけであるが、この液柱Cおよび液滴に接触することで、流れに対する抵抗力を受けている。排ガスの流速が高まると、互いに隣接するノズル4、4間の、液の存在状態が疎な部分で液柱Cおよび液滴から受ける抵抗力が不足する結果、排ガスがそのまま吹き抜け、硫黄酸化物が除去し切れないという現象が生じている、と推察するに至ったのである。
このような排ガス処理塔では、塔本体の下方から導入された排ガスは、第一の物質除去部にて、液柱が接触することで排ガスに含まれる物質が除去され、さらに、第一の物質除去部で発生する液柱とは異なる領域に設けられた第二の物質除去部にて、液に接触することで排ガスに含まれる物質が除去される。
このような排ガス処理塔は、塔本体の側面に、第一の物質除去部および第二の物質除去部より下方に、排ガスの導入口が形成されたタイプに特に好適である。
また、第二の物質除去部としては、液を傘状に噴出することで液膜を発生させるノズルを備えることができる。このノズルは複数備えるのが好ましく、さらに、ノズルから発生する液膜が、隣接する他のノズルからの液膜と隙間なく重なるよう配置するのが好ましい。また、ノズルから噴出する液は、ポンプによって加圧することもできる。
また、衝突部材は、塔本体の上下方向に延在する壁面を有し、衝突部材で発生した液滴を壁面との摩擦力によって壁面近傍に保持する構成とすることができる。
[第一の実施の形態]
図1は、本実施の形態における排ガス処理塔10Aの構成を説明するための図である。
この図1に示すように、排ガス処理塔10Aは、塔本体11が例えば断面視矩形の筒状で、その底部は底板12によって閉塞され、上部には開口部13が形成されている。また、塔本体11の下部側面には、排ガスを塔本体11内に導入するための導入口14が開口して形成されている。
塔本体11内には、複数のノズル15を備えた配管16が設けられている。配管16には、塔本体11の底部に貯留された液がポンプ17で吸い上げられて供給されるようになっている。ノズル15は、この液を上方に向けて柱状に噴き上げるものであり、これら複数のノズル15は、互いに隣接するノズル15から噴き上げられる液柱Cに隙間が生じないように、適宜設定された間隔で配置されている。
図2および図3に示すように、この液滴発生部材20は、グリッド等とも称されるもので、互いに直交するそれぞれ所定間隔で配置された縦板部(衝突部材)21と横板部(衝突部材)22とが互いに直交するよう組み合わせた形状を有しており、全体として格子状をなしている。縦板部21、横板部22は、それぞれその上面21a、22aが所定幅を有した平面とされている。また、縦板部21、横板部22は、所定の高さを有しており、これにより、互いに隣接する縦板部21、21と横板部22、22によって囲まれた部分に空間Sが形成されている。
このようにして発生した液滴Mは、通常であればそのまま浮遊しながら落下するわけであるが、液滴発生部材20に複数形成された空間S内において、縦板部21、横板部22の壁面との摩擦力によって、通常よりも長時間空間S内に浮遊した状態で保持される。なおこの現象は、流体の流速が、流れに沿った壁面近傍に近づくほど壁面との摩擦によって小さくなることと同様であり、容易に理解できることである。
そしてその後、液滴Mは、排ガス処理塔10A内を落下し、底部に貯留される。
なお、図1に示したように、排ガス処理塔10A内の上部にはエリミネータ18が設けられており、このエリミネータ18によって排ガス中に残存する微細な液滴Mが除去・回収される。
また、排ガスは、液柱Cや液滴Mと接触するときに抵抗力を受けるわけであるが、従来の液柱Cのみの場合と比較して、液滴Mが存在する分、全体としての抵抗力を増大させることができ、気液の接触効率を高めることができる。その結果、排ガスの流速を従来以上に上げたとしても、排ガスがそのまま吹き抜けてしまう限界流速を向上させることができる。したがって、排ガス処理塔10Aの脱硫性能を劇的に向上させることが可能となる。また、同等の性能を発揮すればよいのであれば、排ガスの流量を上げた分、排ガス処理塔10Aを従来よりも小型化することが可能となる。
液柱Cの上方に液滴発生部材20を配置した場合、液柱Cから発生し、排ガスの流れによって上方に流される液滴Mを、液滴発生部材20の空間Sに保持することで、排ガス中の硫黄酸化物除去効果、排ガスの流れに対する抵抗力付与効果を発揮することができる。
次に、排ガス処理塔10Bに、スプレーノズル(ノズル)30を付加する場合の例を示す。なお、排ガス処理塔10Bの基本的な構成については上記第一の実施の形態と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、排ガス処理塔10Bには、塔本体11の、ノズル15よりも下方で、かつ、導入口14よりも上方の部分に、複数のスプレーノズル30を備えた配管31が設けられている。
各スプレーノズル30からは、昇圧ポンプ33で昇圧された液を傘状(円錐状)に噴出し、全周にわたって連続する液膜Fを形成する。このとき、複数のスプレーノズル30は、互いに隣接するスプレーノズル30から傘状に噴出される液膜Fどうしが互いに重なり、塔本体11内に隙間が生じないように配置される。
このとき、互いに隣接するスプレーノズル30から傘状に噴出される液膜Fどうしが互いに重なり、塔本体11内に隙間が生じないようにスプレーノズル30を配置することで、液柱Cによる液の存在が疎であった部分にも液を存在させることができ、これによって、排ガス処理塔10B内における硫黄酸化物の除去性能を均一化することができ、ガスの整流効果も得られる。
また、排ガスは、液柱Cや液膜Fと接触するときに抵抗力を受けるわけであるが、従来の液柱Cのみの場合と比較して、液膜Fが存在する分、気液の接触効率を高め、全体としての抵抗力を増大させることができる。その結果、排ガスの流速を従来以上に上げたとしても、排ガスがそのまま吹き抜けてしまう限界流速を向上させることができる。したがって、排ガス処理塔10Bの脱硫性能を劇的に向上させることが可能となる。また、同等の性能を発揮すればよいのであれば、排ガスの流量を上げた分、排ガス処理塔10Bを従来よりも小型化することが可能となる。
ところで、液柱Cに加え、スプレーノズル30では、昇圧ポンプ33によって昇圧した液を噴射している。液柱Cを用いず、スプレーノズル30を複数段備え、複数段の液膜Fのみで硫黄酸化物の除去を行う構成とすることも考えられるが、その場合、噴射する全ての液を昇圧ポンプ33で昇圧しなければならない。これに対し、上記のように、液柱Cに加え、スプレーノズル30から液膜Fを噴出することで、昇圧ポンプ33ではスプレーノズル30に供給する液のみを昇圧すれば良い。
次に、排ガス処理塔10Cに、液滴発生部材20とスプレーノズル30の双方を組み合わせて備える場合の例を示す。なお、排ガス処理塔10Cの基本的な構成については上記第一、第二の実施の形態と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示すように、排ガス処理塔10Cには、塔本体11の、ノズル15よりも下方で、かつ、導入口14よりも上方の部分に、複数のスプレーノズル30を備えた配管31が設けられている。さらに、排ガス処理塔10Cには、スプレーノズル30の下方で、かつ、導入口14よりも上方の部分に、液滴発生部材20が設けられている。
また、各スプレーノズル30からは、昇圧ポンプ33で昇圧された液を、傘状、円錐状に噴出し、液膜Fを形成する。さらに、液膜Fを形成した液は落下し、下方の液滴発生部材20の上面21a、22aに衝突して微細な液滴Mとなる。
このようにして発生した液滴Mは、液滴発生部材20に複数形成された空間S内において、浮遊した状態で保持される。
そしてその後、液滴Mは、排ガス処理塔10C内を落下し、底部に貯留される。
また、排ガスは、液柱C、液膜F、液滴Mと接触するときに抵抗力を受けるわけであるが、従来の液柱Cのみの場合と比較して、液膜F、液滴Mが存在する分、気液の接触効率を高め、全体としての抵抗力を増大させることができる。その結果、排ガスの流速を従来以上に上げたとしても、排ガスがそのまま吹き抜けてしまう限界流速を向上させることができる。したがって、排ガス処理塔10Cの脱硫性能を劇的に向上させることが可能となる。また、同等の性能を発揮すればよいのであれば、排ガスの流量を上げた分、排ガス処理塔10Cを従来よりも小型化することが可能となる。
ところで、液滴発生部材20のみを備えた第一の実施の形態、スプレーノズル30のみを備えた第二の実施の形態に比較し、液滴発生部材20とスプレーノズル30の双方を備えた本実施の形態の構成では、スプレーノズル30からの液膜Fの液が液滴発生部材20の上面21a、22aに衝突することで液滴Mを発生するので、液滴Mの発生量が単なる組み合わせ以上のものとなる。したがって、本実施の形態における排ガス処理塔10Cにおける上記したような効果は、一層顕著なものとなる。
図1に示した第一の実施の形態における排ガス処理塔10Aと、図5に示した第二の実施の形態における排ガス処理塔10B、図7に示した第三の実施の形態における排ガス処理塔10Cの他、比較のため、図21に示した従来の排ガス処理塔1において、それぞれ、塔入口(導入口14)におけるSO2濃度を2700ppmDとし、脱硫のための液は、NH3の濃度を270mmol/l、炭酸カルシウムの濃度を115mmol/lとし、ガス流速と、排ガス処理塔10の出口(開口部13)におけるSO2の濃度との関係を調べた。このとき、従来の排ガス処理塔1、液滴発生部材20のみを備えた第一の実施の形態における排ガス処理塔10Aでは、液の循環流量を304m3/(m2×h)とし、スプレーノズル30のみを備えた第二の実施の形態における排ガス処理塔10B、液滴発生部材20とスプレーノズル30の双方を備えた第三の実施の形態における排ガス処理塔10Cでは、液柱Cを発生させるための液の循環流量を274m3/(m2×h)、スプレーノズル30に送り込む液の流量を59m3/(m2×h)とした。
また、液柱Cの単位断面積当りの降液量(以下、これを単位流量と称する)と、ガス流速(限界流速)との関係を調べた。
その結果、図10に示すように、液の単位流量が同条件であれば、従来の排ガス処理塔1に比較し、排ガス処理塔10A、10B、10Cは、限界流速が大幅に向上していることがわかる。
その結果、図11に示すように、液の単位流量が同条件であれば、従来の排ガス処理塔1に比較し、排ガス処理塔10A、10B、10Cは、脱硫率が大幅に向上しており、同一流量では、吸収容量係数が、10%(排ガス処理塔10Bの場合)〜30%(排ガス処理塔10A、10Cの場合)向上している。これにより、脱硫性能が、従来の排ガス処理塔1に比較し、1.1〜1.3倍に向上していることがわかる。
次に、排ガス処理塔10Dに、前記第二の実施の形態と同様、スプレーノズル(ノズル)30を付加する場合の例を示す。なお、排ガス処理塔10Dの基本的な構成については上記第一の実施の形態と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
図12に示すように、排ガス処理塔10Dには、塔本体11の、ノズル15よりも下方で、かつ、導入口14よりも上方の部分に、複数のスプレーノズル30が設けられている。
ここで、前記第二の実施の形態に示した排ガス処理塔10Bとの構成の違いは、排ガス処理塔10Bでは、複数のスプレーノズル30を、ノズル15が設けられた配管16とは別の、配管31に設けるようにしたが、本実施の形態の排ガス処理塔10Dでは、複数のスプレーノズル30を、ノズル15が設けられた配管16に設ける点にある。
図13に示す排ガス処理塔10D−1では、配管16に、各ノズル15を取り付けるためのフランジ部材40が、上方に突出するように設けられている。そして、この配管16には、略水平方向に突出するフランジ部材41が設けられ、このフランジ部材41に、下方に向けて液を傘状に噴出して液膜Fを形成するスプレーノズル30が取り付けられている。ここで、フランジ部材41は、例えば2〜3個のノズル15に対し、1個が位置するよう、適宜配置することができる。
既設の排ガス処理塔にスプレーノズル30を追設して排ガス処理塔10D−1を実現する場合は、配管16にフランジ部材41を設け、このフランジ部材41にスプレーノズル30を取り付ける。
ここで、フランジ部材41は、例えば2個のノズル15に対し、1個が位置するよう、互いに隣接する2個1組のノズル15の中間部に配置することができる。
既設の排ガス処理塔にスプレーノズル30を追設して排ガス処理塔10D−2を実現する場合は、配管16にフランジ部材42を設け、このフランジ部材42に、延長管43およびスプレーノズル30を取り付ける。
取り出し管45は、フランジ部材40と同等の内径を有し、上下にフランジを有してフランジ部材40とノズル15との間に介在する本体部45aと、この本体部45aから側方に分岐し、その先端部にスプレーノズル30が取り付けられる分岐部45bとから構成されている。ここで、分岐部45bは、スプレーノズル30から液を下方に向けて噴出し、しかも噴出する液が配管16と干渉しないようにスプレーノズル30の姿勢・位置を保持するべく、屈曲して取り回されている。
ここで、このような取り出し管45は、例えば2個のノズル15あたり1個が位置するよう、配置されている。
既設の排ガス処理塔にスプレーノズル30を追設して排ガス処理塔10D−3を実現する場合は、既設のノズル15をフランジ部材40から取り外した後、取り出し管45を取り付け、この取り出し管45にノズル15を再装着する。そして、取り出し管45の先端部にスプレーノズル30を取り付ける。
さらに、上記第一〜第三の実施の形態で示した排ガス処理塔10A、10B、10Cでは、液滴発生部材20や、スプレーノズル30を取り付けるための配管31を設けているため、その分、排ガス処理塔10A、10B、10Cにおけるガス流路の開口率が減少し、ガスの圧力損失が大きくなる。
これに対し、本実施の形態の排ガス処理塔10D(10D−1、10D−2、10D−3)では、液柱Cを発生するノズル15が設けられた配管16に、スプレーノズル30を設けるようにしたので、開口率の減少を抑制し、圧力損失を小さくすることが可能となっている。
排ガス処理塔10B、排ガス処理塔10D−1、10D−2、10D−3において、それぞれ、塔内温度を30℃、ガス流速を2.5〜4.5m/s、塔入口(導入口14)におけるSO2濃度を500ppmD、脱硫のための液は、炭酸カルシウムの濃度を160mmol/l、ノズル15からの液柱Cの噴霧高さを1〜5m、液の循環流量を150〜600m3/(m2×h)とした。
そのときの、単位循環流量と脱硫率との関係、ガス流速に対する圧力損失との関係を調べた。
図16に示すように、本実施の形態における排ガス処理塔10D−1、10D−2、10D−3と、図5に示した第二の実施の形態における排ガス処理塔10Bとでは、ほぼ同等の脱硫性能が得られていることがわかる。そして、図17に示すように、本実施の形態における排ガス処理塔10D−1、10D−2、10D−3と、図5に示した第二の実施の形態における排ガス処理塔10Bとでは、本実施の形態における排ガス処理塔10D−1、10D−2、10D−3の方が圧力損失が大幅に低減されていることがわかる。つまり、本実施の形態における排ガス処理塔10D−1、10D−2、10D−3では、第二の実施の形態における排ガス処理塔10Bに比較し、脱硫率を維持したまま、圧力損失を大幅に低減することができるのである。
特に、図15に示した排ガス処理塔10D−3の場合、既設のノズル15を取り付けるためのフランジ部材40に取り出し管45を取り付けるだけでよく、フランジ部材41や延長管43の取り付けに溶接等が必要となる排ガス処理塔10D−1、10D−2に比較し、作業も容易で、低コストで上記効果を得ることができる。
図14に示した排ガス処理塔10D−2においても、同様に、既設のノズル15を取り付けるためのフランジ部材40に延長管43およびスプレーノズル30を取り付けることも可能ではあるが、その場合、液柱Cを形成するノズル15の数が減少してしまうため好ましくない。
図18に示すように、排ガス処理塔10の導入口14の部分において、排ガス処理塔10の鉛直内壁面10aと、導入口14の内部上面14aとの間に、所定角度に傾斜する傾斜面48を形成する。この傾斜面48により、導入口14の断面積は、排ガス処理塔10の鉛直内壁面10aに近づくにしたがい、上方に漸次拡大するようになっている。
このような傾斜面48を形成することで、導入口14から導入された排ガスの流れが上方に向きを変える部分で、内周側の流速を高めることができ、これによって排ガス処理塔10の塔本体11内における偏流を緩和することができる。
このような傾斜面48を上記各実施の形態に組み合わせることで、排ガスの流れを均一化することができ、上記効果を一層顕著なものとすることができる。
このような整流板50およびフラップ51により、導入口14から導入された排ガスの流れが上方に向きを変える部分で、排ガスはフラップ51により各整流板50に導かれ、各整流板50に当たって向きを変える。この整流板50が無い場合には、排ガスの流速が速ければ速いほど、排ガスは導入口14の正面の鉛直内壁面10bに向かって直進し、鉛直内壁面10bに当たって向きを変える成分が多くなる。これに対し、上記のように排ガスの流れを各整流板50に当てて向きを変えさせることで、排ガス処理塔10の塔本体11内における偏流を緩和することができるのである。このような整流板50を上記各実施の形態に組み合わせることでも、排ガスの流れを均一化することができ、上記効果を一層顕著なものとすることができる。
図18に示した傾斜面48を設けた排ガス処理塔10と、図19に示した整流板50を設けた排ガス処理塔10の他、比較のため、図21に示した従来の排ガス処理塔1において、前記と同様の条件で試験を行い、液の単位流量と脱硫率との関係(図20(a)参照)、ガス流速と脱硫率との関係(図20(b)参照)を調べた。
その結果、図20(a)、(b)に示すように、液の単位流量あるいはガス流速が同条件であれば、従来の排ガス処理塔1に比較し、傾斜面48、整流板50を設けた排ガス処理塔10は、脱硫率が向上していることがわかる。
このようにして、傾斜面48や整流板50を設けることで、排ガス処理塔10A、10B、10C、10Dの性能をさらに向上させることができる。
Claims (7)
- 下方から導入した排ガスを上方に排出する塔本体と、
前記塔本体内にて、下方から上方に柱状に液を噴出することで液柱を発生させ、前記排ガスに前記液柱が接触することで当該排ガスに含まれる物質を除去する第一の物質除去部と、
前記第一の物質除去部で発生する前記液柱とは異なる領域に設けられ、前記排ガスに液を接触させることで当該排ガスに含まれる物質を除去する第二の物質除去部と、
を備えることを特徴とする排ガス処理塔。 - 前記塔本体の側面には、前記第一の物質除去部および前記第二の物質除去部より下方に、前記排ガスの導入口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理塔。
- 前記第二の物質除去部として、液を傘状に噴出することで液膜を発生させるノズルが複数備えられ、
前記ノズルは、当該ノズルから発生する液膜が、隣接する他の前記ノズルからの液膜と隙間なく重なるよう配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理塔。 - 前記ノズルは、前記第一の物質除去部にて前記液柱を発生させるための液を送給する配管に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理塔。
- 前記ノズルから噴出する液を加圧するポンプをさらに備えていることを特徴とする請求項3または4に記載の排ガス処理塔。
- 前記第二の物質除去部として、前記第一の物質除去部で発生した液柱または前記ノズルで発生した液膜から落下した液が衝突することで液滴を発生させる衝突部材を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の排ガス処理塔。
- 前記衝突部材は、前記塔本体の上下方向に延在する壁面を有し、前記衝突部材で発生した液滴を前記壁面との摩擦力によって当該壁面近傍に保持することを特徴とする請求項6に記載の排ガス処理塔。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003356562A JP4088578B2 (ja) | 2003-07-11 | 2003-10-16 | 排ガス処理塔 |
US10/875,513 US20050046052A1 (en) | 2003-07-11 | 2004-06-25 | Exhaust gas treating tower |
TW093119847A TWI236928B (en) | 2003-07-11 | 2004-06-30 | Exhaust gas treating tower |
EP04103283A EP1510242B1 (en) | 2003-07-11 | 2004-07-09 | Exhaust gas treating tower |
ES04103283T ES2389077T3 (es) | 2003-07-11 | 2004-07-09 | Torre de tratamiento de gas de escape |
TR2004/01691A TR200401691A2 (tr) | 2003-07-11 | 2004-07-12 | Dışatım gazı temizleme kulesi |
KR1020040060457A KR100583930B1 (ko) | 2003-10-16 | 2004-07-30 | 배기가스 처리탑 |
CNB200410075225XA CN1308057C (zh) | 2003-10-16 | 2004-09-13 | 废气处理塔 |
US11/783,320 US7326286B2 (en) | 2003-07-11 | 2007-04-09 | Exhaust gas treating tower |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003196068 | 2003-07-11 | ||
JP2003356562A JP4088578B2 (ja) | 2003-07-11 | 2003-10-16 | 排ガス処理塔 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005046830A true JP2005046830A (ja) | 2005-02-24 |
JP4088578B2 JP4088578B2 (ja) | 2008-05-21 |
Family
ID=34277280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003356562A Expired - Lifetime JP4088578B2 (ja) | 2003-07-11 | 2003-10-16 | 排ガス処理塔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4088578B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015115276A1 (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 三菱重工業株式会社 | 気液接触装置及びそれを備えたco2回収装置 |
CN108579396A (zh) * | 2018-07-10 | 2018-09-28 | 华润电力焦作有限公司 | 一种烟气脱硫的装置及方法 |
WO2020149228A1 (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-23 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 液柱式吸収塔の改造方法および液柱式吸収塔 |
CN111729339A (zh) * | 2020-07-30 | 2020-10-02 | 天津普莱化工技术有限公司 | 一种塔板用喷射单元、大持液量立体喷射塔板及其气液传质方法 |
WO2021200942A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 三菱パワー株式会社 | 脱硫装置の吸収塔 |
-
2003
- 2003-10-16 JP JP2003356562A patent/JP4088578B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015115276A1 (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 三菱重工業株式会社 | 気液接触装置及びそれを備えたco2回収装置 |
JP2015144980A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-13 | 三菱重工業株式会社 | 気液接触装置及びそれを備えたco2回収装置 |
US10065149B2 (en) | 2014-01-31 | 2018-09-04 | Mitsubishi Heavy Industries Engineering Ltd. | Gas-liquid contactor and CO2-recovering apparatus provided therewith |
CN108579396A (zh) * | 2018-07-10 | 2018-09-28 | 华润电力焦作有限公司 | 一种烟气脱硫的装置及方法 |
WO2020149228A1 (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-23 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 液柱式吸収塔の改造方法および液柱式吸収塔 |
JP2020114582A (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-30 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 液柱式吸収塔の改造方法および液柱式吸収塔 |
JP7280699B2 (ja) | 2019-01-18 | 2023-05-24 | 三菱重工業株式会社 | 液柱式吸収塔の改造方法および液柱式吸収塔 |
WO2021200942A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 三菱パワー株式会社 | 脱硫装置の吸収塔 |
CN111729339A (zh) * | 2020-07-30 | 2020-10-02 | 天津普莱化工技术有限公司 | 一种塔板用喷射单元、大持液量立体喷射塔板及其气液传质方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4088578B2 (ja) | 2008-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100246597B1 (ko) | 기체 스트림으로부터 설퍼디옥사이드를 제거하기 위한 수평습식 집진장치 및 그 방법 | |
TWI236928B (en) | Exhaust gas treating tower | |
JP2003001045A (ja) | 湿式ガス処理装置 | |
JP2007275715A (ja) | 湿式排煙脱硫装置 | |
JP2007296447A (ja) | 二室型湿式排煙脱硫装置 | |
JP2009028571A (ja) | 排煙脱硫装置 | |
US20090151563A1 (en) | Extraction device | |
JP2005046830A (ja) | 排ガス処理塔 | |
JP2015042389A (ja) | 排煙脱硫装置 | |
WO2014196458A1 (ja) | 海水脱硫装置及び海水脱硫システム | |
JP2008200619A (ja) | 排煙脱硫装置 | |
KR100583930B1 (ko) | 배기가스 처리탑 | |
JP7094117B2 (ja) | 水処理槽及び脱硫装置 | |
JP2006122862A (ja) | 排ガス処理装置 | |
JP2004237258A (ja) | 湿式排煙脱硫装置 | |
JP3519497B2 (ja) | 湿式排煙脱硫装置 | |
JP3904771B2 (ja) | 二室型湿式排煙脱硫装置 | |
JP2016068029A (ja) | 気液接触装置 | |
RU2356843C1 (ru) | Десорбционная установка | |
JP3338209B2 (ja) | 湿式排煙脱硫装置の吸収塔 | |
KR101779538B1 (ko) | 베셀의 인렛 디바이스 | |
JPH1133352A (ja) | 排煙脱硫装置の吸収塔 | |
JPH09225256A (ja) | 排煙脱硫装置 | |
JPH10192646A (ja) | ミスト除去機能を備えた水平流型湿式排煙脱硫装置 | |
JPH0938447A (ja) | 吸収液分散装置と排煙脱硫装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060530 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070718 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070918 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071017 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080225 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4088578 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |