JP2005046682A - 油水分離枡用減勢工 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで油水分離能力に優れ、しかも山間等での工事に適した油水分離枡用減勢工を提供する。
【解決手段】流入水の減勢を編目構造の管で行う。
減勢工の主要部をFRP製とする。そしてその外形は長方体、かつ内部に縦横に仕切を入れ、仕切りの所定箇所には連通用の開口等を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】流入水の減勢を編目構造の管で行う。
減勢工の主要部をFRP製とする。そしてその外形は長方体、かつ内部に縦横に仕切を入れ、仕切りの所定箇所には連通用の開口等を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油水分離枡用減勢工に関し、特に高速道路等からの排水を処理するために網目構造の筒を使用した、そして全体の形状が直方体の軽量な油水分離枡用減勢工に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年建設される高速道路は、取得できる土地等の関係から山間部あるいは河口部を通ることが多い。しかも、高速道路を建設するため、山間部においては河川の源流部に長さ数十メートル以上の橋梁を設置され、河口部においては長さ数百メートルあるいは数千メートルの橋梁が設置されるようなことが多い。
【0003】
更に、高速道路、あるいは一般道路等において通行する車両台数は数千台〜数万台/日と非常に多い。このため地上道路あるいは橋梁道路等を走行する車両から落下する潤滑油等の油、橋梁上に舗装されたアスファルトから流出する油分、あるいは事故等によりタンクローリのタンクが破損して大量に漏洩した油を応急的に事故現場で吸引あるいは吸着処理した後の路面の残油あるいは油含有水等は相当な量になる。
【0004】
そして、雨が降ると、特に降り始めの時にこれらの油は雨と共に排水溝更には排水管から河川に放流されることになるが、雨量が少ない場合あるいは河川の水量が少ない場合には環境汚染の観点からこの排水をそのまま流すのは好ましくない。
【0005】
そこで、油含有水を油分と水とに分離し、油分が分離された水のみを河川等に放流するため、以下のような油水分離装置を橋梁部等に設置することが種々検討されている。
【0006】
例えば、以下の特許文献1に記載されているような油含有水供給部に接続可能な液体流入口を上部に有する貯留槽と、貯留槽内底部近傍に一端が開孔し意図する貯留液面に相当する位置に他端が開孔する流出用管路と、液体流入口から流出用管路の底部側開孔までの流路間に介設された油分を吸着すると共に水分を透過する油水分離部を備えた構成の油水分離装置が用いられている。
【0007】
また、以下の特許文献2に記載されているような、槽内に開口部が順次上下に位置し、油含有水が連続して流れるように複数の仕切を設けると共に、油含有水の流れにほぼ垂直に平面が当たるように平面状の油分吸着フイルターを設けた油水分離装置も使用されている。
【特許文献1】
特開平6−178976号公報
【特許文献2】
特開平10−272302号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のような油含有水受け入れ用の貯留槽と分離槽とによって構成する油水分離装置では油水分離に先立ち、被処理水を減勢する必要があるが、これに対してそう考慮がなされていない。すなわち、下手に減勢を行うとその際に含油水がエマルジョン化し、肝心の油水分離が困難となる。
【0009】
また、油水分離装置としても油含有水の量が油分離処理能力より多い場合には、油含有水が貯留槽から溢れて油水分離装置の設置場所を汚染すると共に濃度の高い油含有水がそのまま放流されてしまう。
【0010】
また、貯留槽から分離槽に対する油含有水の送り込み量を調節することができないため、油含有水の送り込み量が分離槽における分離処理能力をオーバーすると、油含有水が分離槽から溢れてしまう。
【0011】
更に、山間部等に設置されることが少なからずあるが、設備のために必要な工事が必ずしも容易とはいえず、工数もかかることが多い。また、現場労働者を確保するのは困難なことが少なからずあり、特に僻地での現場労働者を確保するときにそうである。
【0012】
このため、能力的に充分、山間部での設置も容易かつ安価な油水分離枡用減勢工あるいは減勢手段の開発が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、減勢には網目構造の筒をも使用するものとしている。また、この減勢用の管を収納する装置の本体は外形は直方体であり内部には仕切り壁があるFRP製の枡としている。具体的には、以下の構成としている。
【0014】
1の態様においては、被処理水が流入してくる入口にその減勢のため外壁が網目構造の(状の)管(含む、断面が多少いびつ、正方形に近い等)を設置している。
【0015】
上記構成により、油分を含有する被処理水はエマルジョン化されることなく減勢される。
【0016】
別の態様においては、被処理水は網目構造の管上部よりその管内部へ流入する。
【0017】
上記構成により、エマルジョン化されることなく減勢される効果が一層増大する。
【0018】
別の態様においては、被処理水は立設された網目構造の管に上面側若しくは側面よりぶつかる。
【0019】
上記構成により、先の態様と同様の効果が得られる。
【0020】
また別の態様においては、全体の外形はほぼ直方体(隅角に多少の丸みがある場合、多少の凸部がある場合も含む)であり、内部は上方より見たとき中央部近辺板と該中央部近辺板に直交する仕切板とにより全体をほぼ「田」字状に(多少の狭広も含む)配列された4室に分割され、装置壁の強度の担保と仕切板の役を担う中央部近辺板は四周の側壁と同じ高さ(数cm程度低い場合も含む)であり、仕切板はそれらのほぼ2/3(+−20%程度の誤差も含む)の高さであり、更に、被処理水が流入してくる第1室の外壁上部には四角やこれに近い形状(例えば台形、角に丸みがある四角)の流入用の切欠きが形成され、該切欠きより処理水が流入してくる部分には切欠かれた壁面に近接して外径が流入口と同じか多少小さい、そして外壁が網目構造の長さ700〜800mmの減勢用のパイプとそして該パイプを収納するため水平断面が四角形、U字状又はほぼ円形かつ底部に流入を第1室内の第2室側方向へ排水する切欠き(例えばスリット)を有する板若しくは網目構造の筒や板からなるパイプ格納部が設置されており、
第1室から被処理水が排出される第2室は、仕切板を介して第1室に対向し、更に仕切板には底より周囲壁の高さ1/12程度(10%程度の相違も含む)、例えば100mm程度上方に開口が形成されて第1室と下部より連通し、
第2室から被処理水が排出される第3室は、中央部近辺板を介して第2室と対向し、更に中央部近辺板底部には開口が形成されて第2室と連通し、
第3室から被処理水が排出されてくる第4室は、側部上方に外部の排水管へ連通する開口が形成され、該開口に面する内側壁には薄い板(含む、パイプ壁)からなる例えば取付方法にもよるが水平断面がコの字状やL字状かつ下方が底部近くで開口した排水孔囲部が取付けられている。
【0021】
上記構成により、以下の作用がなされる。
【0022】
先ず第一に、請求項1から3の網目構造の管を設置するのに最適な装置となる。次に、減勢であるが、特に突然の降雨のときにそうであるが、勢いよく流入してきた油を含有する被処理水は、先ず最初に第1室内の管壁面が網目構造のパイプの壁面に当たりあるいは上方から流れ込み、油分と水分が混ざり合うことなく減勢される。更に、このパイプはその収納部内で回転しだし、このため被処理水はエマルジョン化されることなく一層減勢される。
【0023】
パイプ格納部内の流入水は、その下方の開口(ケースにより側壁の網目)より第1室の本室内へ流れ込む。更に第1室と第2室は、仕切壁下方の開口で連通しているため、第2室に被処理水が侵入する。この際、第1室と第2室間の仕切壁の開口はその下端が底面より100mm、上端が底面より400mm程度であり、比較的径の大きな土砂は第1室に留まる。また、第2室と下方で連結する第3室と第4室間の仕切壁には開口がないので、被処理水は第1室から第3室まで同じ水位となる。これにより比較的粒径の小さな砂粒は第2室と第3室の底部に溜まる。また被処理水中の油分は先ず第1室と第2室の水面の上部に浮かぶ。
【0024】
更に、被処理水の流入が続くと、第3室から仕切壁の頂部を越えて被処理水が第4室へ流れ込む。しかしながら、第4室の排水のための開口は、下端が室内底部近くに達する板で囲まれているため、第4室の水位も第3室の水位と同じとなり、更に第1室と第2室で水面に浮び上がらなかった油滴は第3室と第4室では水の流れが減勢されていることもあり小さくても水面上部に浮かび、第4室の実質的な排水口である排水孔囲板の底部には達し得ない。このため、第4室で油分は完全に除去されることとなる。
【0025】
特に、道路の砂粒、油分の多くは降雨初期の雨水により流される。あるいは降雨初期の流入水に多く含まれるが、豪雨のときでも多くの場合初期に流入してくる被処理水量は勢いが弱く量も少ない。このため、確実に油分や砂粒の除去をなしうる。また以降、どんどん流入量が増加しても、装置の構造上油分は各室の天井部に留まっており、砂粒は第1室から第3室の底面に溜まっていることとなるため、多量に流入してくる雨水中の油分や砂粒を更に本装置が除去することはあるが、逆に本装置外へ排出されることがない。なお、中央部近辺板は四周の壁面と同じ高さであるため、このときでも流入水のバイパスはない。
【0026】
なお、少なくも底部、側壁、中央部近辺板及び仕切板はFRP製とすれば、数名の人で搬送、据え付け等が可能なほど全体が軽量となる。このため、現場への運送や現場での据え付け工事が楽になる。
【0027】
また、別の態様においては、網目のあるパイプは法面排水や暗渠の排水に使用されているプラスチック製の管としている。
【0028】
上記構成により、全体がより軽量かつ市販品を使用しうるためより安価となる。
【0029】
また、プラスチックであるだけに流入水の勢いでその格納部内で回転しだし、これにより油含有水のエマルジョン化無しの減勢が一層達成される。
【0030】
また別の態様においては、網目構造の管の網目は、径が2〜40mmとしている。
【0031】
上記構成により、被処理水の流量の如何等各種の条件にもよろうが、一般的には油含有水のエマルジョン化なしの減勢が一層なされる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
【0033】
図1は、本発明に係る油水分離枡用減勢工の全体構成を概念的に示す図である。図2から図5は、各々図1のA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面を示す図である。
【0034】
これらの図において、1は外形が長方体をなす本装置の外周壁である。2は、その高さが外周壁と同じの中央仕切壁である。3は、中央仕切壁に直交し、その高さが外周壁のほぼ3/4の補助仕切壁である。4は、外径が250mmの網目管(商品名「ネトロンパイプ」、大日プラスチックK.K.製)である。5は、外形が長方体のそして薄板からなる網目管装備板である。93は、2個の排水用切欠き(円孔)である。94は、この排水用切欠きを囲う板である。95は、2個の排水管である。90は流入路であり、96は外部溝であり、これらは本発明の構成要件ではないため点線で示している。94は、薄板からなる水平断面がL字状の排水側囲板である。
【0035】
次に、この装置の概略の寸法であるが、高さはおよそ1200mm、巾×長さは同じく1200mm×1700mmであり、装置壁面の肉厚は30mmであり、更にFRP製である。また、装置上部には蓋が、外周壁には上端、2/3の高さの位置、1/3の高さの位置に各補強用枠が装備されているが、これらは本発明の趣旨に関係がないので、示していない。
【0036】
さて、本図に示す様に、この油水分離枡用減勢工の内部は上部から見るとほぼいわゆる田の字状に、すなわち大きく4室、81、82、83、84に分割されている。ただし、第1室と第4室は第2室と第3室に比較して約60%ほど大容量となっている。以下、これら各室を説明する。
【0037】
先ず、流入水の入ってくる流入室(第1室)81は図2に示すように被処理水が内部へ流入してくる流入水側壁11には形状がほぼ四角の切欠き110が側壁面上部に形成され、この部分は図1に示すように道路からの流入路90に接続されている。また、切欠き110に面して壁面が網目からなり外形200mmの網目管4が垂直方向に立てて装備され、その外周には水平断面がコの字状でありこのため流入水側壁11とで形成される四角のスペース、網目管室80を形成する網目管装備板5が取付けられている。なお、この網目管装備板は、底板はあるが、その反第2室側の底部近くの側面には図2に示すように排水用スリット51が形成されている。
【0038】
第1室からの被処理水が排出される第2室82は、仕切壁3を介して第1室に面している。そして第1室と第2室を仕切る仕切壁は、下方100mmの位置より高さ300mmの開口が設けられている。
【0039】
第2室からの被処理水が排出される第3室83は、中央部近辺板2を介して第3室に面している。そして、中央部近辺板2の両室を仕切る部分の下方には、底面より300mmの高さまで開口が形成されている。
【0040】
排水用円孔のある排出水室(第4室)84は、中央部付近板を介して第1室と、仕切板を介して第3室に対応している。更に、この第3室と本室とを仕切る仕切板には開口は形成されていない。本室は、本減勢工に流入してきた被処理水が処理されて外部へ排出される際、最後の処理がなされる部屋である。このため、外周壁の流入路90にほぼ対向する位置に排水のための切欠き、円孔93が2箇所形成され、各2個の排水管95が取付けられている。更に、切欠きの周囲には、排水管との接続口部を覆う排水側囲板94が取付けられている。なお、この排水側囲板は取り外し可能な蓋が取付けられている。
【0041】
次に、この装置における雨天時に高速道路から流れてくる油含有水の処理について説明する。
【0042】
流入路90から流入してきた被処理水としての油含有水は、網目管装備板50内に建てて置かれた網目管に突き当たりエマルジョン化されることなく減勢される。更に、網目管装備板内の下方の反第2室側に形成されたスリット51から第1室内へ侵入していく。なお流入水が、網目管に突き当たる際の力で、網目管は回転する。そしてこれもエマルジョン化無しの減勢に寄与する。降雨量にもよるが通常は先ず、第2室との仕切壁下部の切欠きから第2室へ被処理水が侵入し、更に第3室へも侵入する。さて、第3室と第4室とを仕切る壁には下部の開口がないので、被処理水は第1室、第2室及び第3室内の水位が仕切壁の高さになるまでこれら3室内に停留する。
【0043】
更に流入が続くと、第3室と第4室間の仕切壁を越えて第4室へ侵入する。そして第4室の水位が徐々に上昇していく。最後に、第4室の排水管95の位置まで水位が上昇し、ここより外部溝96へ排出されることとなる。なお、この時点では第1室から第4室まで水位は同じであるため第1室から第2室への流入は仕切壁上部を越えても、すなわちオーバーフローしてもなされることとなる。
【0044】
次に、以上の油含有水の流れに伴う処理、あるいは本装置にてなされる作用について説明する。
【0045】
被処理水が仕切壁に達するまでに網目管装備板5内の水位は充分高くなり、網目管は材料の比重が1以下のこともあり流入水のあたる勢いで回転しだし、これにより油水の混合あるいはエマルジョン化を促進することなく減勢を行う。更に、網目管装備板下方のスリットより本来の第1室へ排水され、更に第2室へ流れていく。この際油分は比重が小さいため表面に浮くこととなる。また、砂粒、アルファルト粒等は比重が大きいため主に第1室の底部に溜まることとなる。
【0046】
また油分であるが、第1室と第2室で除去されなかった粒径が比較的小さい油分は第3室と第4室へ進入するが、第4室から外部への排出は排水管95の取付け位置こそ高い位置にあるものの、排出用孔93には水平断面がコの字型の排水孔囲板94が取付けられている。このため、第4室の排水口は現実にはこの排水孔囲板とこれが面する側壁面12で形成された水平の断面が四角の通水路の下端となる。この結果、油分は相当粒径が小さくても第3室と第4室の表面に浮いてしまい、排水用孔下端に在る事実上の排水口まで到達するものは少なくなる。更に、流入水は本装置内であちこち流れの向きを平面的のみならず立体的にも変化させられているため勢いが弱くなっており、あるいは上下の乱れや渦が少なくなっており、この面からも小さな油滴でも表面に上昇しやすいため、この傾向は増大する。
【0047】
特に、かなりの土砂降りといえども降雨初期の流入水は比較的勢いが弱く、このため水流の勢いが弱く、小さな油滴は水面に浮き易い。この一方、初期の流入水は油分が多い。ひいては、たとえ多量の雨が降ったとしても充分な油分の除去がなしうることとなる。
【0048】
更に、軽油等を使用して実際に即応した試験を行ったが、すでに在るもの以上の優れた減勢能力と油分除去能力を示した。
【0049】
以上、本発明をその実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は何もこれに限定されるものでないのは勿論である。すなわち、一部再度記載する点もあるが例えば以下のようにしてもよい。
(1)網目管を装備する減勢工は、枡状でなく各室が一列に配置されている等他の構造としている。
(2)網目管も、SUS製とする等し、更に樹脂製であっても網目の無孔部の率もネトロン管の約33%でなく、多少上下したものとしている。
(3)網目管装備板自体を、より大径の網目管としている。
(4)各部の寸法も、設置場所等の条件に応じて変更している。
(5)被処理水は、網目管の上方より網目管内へ流れ込むようにしている。あるいは、平行に並んだ複数の網目管の上側方よりぶつかるようにしている。
(6)天井蓋との関係で、中央部近辺板は四周壁より多少低くしている。
(7)主要部は一体の射出成形とし、一層の軽量化と据え付け工事の容易化を図っている。
(8)上記実施の形態と外形寸法が同じ装置であっても設置場所によって各切欠き、開口の下端、上端の位置を最適な寸法に変更している。
(9)網目管の外径も、例えば300mmとしている。あるいはこの収納部下端の切欠きを反第2室側と第2室側の二方向に設けている。
(10)減勢工は、本体そのものや各部は耐蝕性と耐油性を満たす限りほかの材質としている。例えば、排水孔囲部は塩ビ管とする、本体も発泡系のプラスチックとする等である。
(11)小石が勢いよく流入してくるのを防止し併せて減勢を行わせる等の他流入口にメッシュを設置する等他の構成をも装備している。
(12)網目の形状は、丸、四角等ネトロン管とは異なるものとしている。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明で判るように、本発明においては減勢に網目管を使用し、これが回転しつつ減勢するので油含有水のエマルジョン化が僅少となり、油分の回収効率が上昇する。
【0051】
また、網目管を収納する減勢工本体の主要部がFRP製であるため、鋼製と異なり耐蝕性に優れ、コンクリート製と異なり日照や温度変化による割れの発生等の劣化の恐れもない。
【0052】
しかも、本体の寸法はケースにもよるがおよそ高さ1.5m以下、巾×長さも1.5m×2m以下であり、このため主材料がFRPであることとあいまって非常に軽量となる。このため、工場で製造して山間、僻地の設置現場へ輸送することが可能となるだけでなく工事現場で数人とはいえ人力で搬送することも可能である。ひいては、現場での設置工事も楽となり、かつ設置のための工数も少なくなる。これらの結果、大幅なコストダウンにつながるだけでなく、山間の現場で作業をする者が少ない昨今においても、充分施工可能となる。
【0053】
また、設置のための特別の工事や治具類もそう多くはなく、この面からもコストダウンと作業労働者の確保の容易性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の油水分離枡用減勢工の全体構成を示す図である。
【図2】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のA−A断面を示す図である。
【図3】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のB−B断面を示す図である。
【図4】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のC−C断面を示す図である。
【図5】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のD−D断面を示す図である。
【符号の説明】
1 外周壁
11 流入水側壁
12 排出水側壁
2 中央仕切壁
21 中央仕切壁下部開口
3 補助仕切壁
31 補助仕切壁下部開口
4 網目管
5 網目管装備板(部)
51 網目管装備板が形成する小部屋の下部スリット
70 排水口側囲板
71 排水口側囲板蓋
80 網目管室
81 流入水室(第1室)
82 第2室
83 第3室
84 排出水室(第4室)
90 流入路
93 排水用切欠き(円孔)
94 排水孔囲部
95 排水管
96 外部溝
【発明の属する技術分野】
本発明は油水分離枡用減勢工に関し、特に高速道路等からの排水を処理するために網目構造の筒を使用した、そして全体の形状が直方体の軽量な油水分離枡用減勢工に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年建設される高速道路は、取得できる土地等の関係から山間部あるいは河口部を通ることが多い。しかも、高速道路を建設するため、山間部においては河川の源流部に長さ数十メートル以上の橋梁を設置され、河口部においては長さ数百メートルあるいは数千メートルの橋梁が設置されるようなことが多い。
【0003】
更に、高速道路、あるいは一般道路等において通行する車両台数は数千台〜数万台/日と非常に多い。このため地上道路あるいは橋梁道路等を走行する車両から落下する潤滑油等の油、橋梁上に舗装されたアスファルトから流出する油分、あるいは事故等によりタンクローリのタンクが破損して大量に漏洩した油を応急的に事故現場で吸引あるいは吸着処理した後の路面の残油あるいは油含有水等は相当な量になる。
【0004】
そして、雨が降ると、特に降り始めの時にこれらの油は雨と共に排水溝更には排水管から河川に放流されることになるが、雨量が少ない場合あるいは河川の水量が少ない場合には環境汚染の観点からこの排水をそのまま流すのは好ましくない。
【0005】
そこで、油含有水を油分と水とに分離し、油分が分離された水のみを河川等に放流するため、以下のような油水分離装置を橋梁部等に設置することが種々検討されている。
【0006】
例えば、以下の特許文献1に記載されているような油含有水供給部に接続可能な液体流入口を上部に有する貯留槽と、貯留槽内底部近傍に一端が開孔し意図する貯留液面に相当する位置に他端が開孔する流出用管路と、液体流入口から流出用管路の底部側開孔までの流路間に介設された油分を吸着すると共に水分を透過する油水分離部を備えた構成の油水分離装置が用いられている。
【0007】
また、以下の特許文献2に記載されているような、槽内に開口部が順次上下に位置し、油含有水が連続して流れるように複数の仕切を設けると共に、油含有水の流れにほぼ垂直に平面が当たるように平面状の油分吸着フイルターを設けた油水分離装置も使用されている。
【特許文献1】
特開平6−178976号公報
【特許文献2】
特開平10−272302号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のような油含有水受け入れ用の貯留槽と分離槽とによって構成する油水分離装置では油水分離に先立ち、被処理水を減勢する必要があるが、これに対してそう考慮がなされていない。すなわち、下手に減勢を行うとその際に含油水がエマルジョン化し、肝心の油水分離が困難となる。
【0009】
また、油水分離装置としても油含有水の量が油分離処理能力より多い場合には、油含有水が貯留槽から溢れて油水分離装置の設置場所を汚染すると共に濃度の高い油含有水がそのまま放流されてしまう。
【0010】
また、貯留槽から分離槽に対する油含有水の送り込み量を調節することができないため、油含有水の送り込み量が分離槽における分離処理能力をオーバーすると、油含有水が分離槽から溢れてしまう。
【0011】
更に、山間部等に設置されることが少なからずあるが、設備のために必要な工事が必ずしも容易とはいえず、工数もかかることが多い。また、現場労働者を確保するのは困難なことが少なからずあり、特に僻地での現場労働者を確保するときにそうである。
【0012】
このため、能力的に充分、山間部での設置も容易かつ安価な油水分離枡用減勢工あるいは減勢手段の開発が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、減勢には網目構造の筒をも使用するものとしている。また、この減勢用の管を収納する装置の本体は外形は直方体であり内部には仕切り壁があるFRP製の枡としている。具体的には、以下の構成としている。
【0014】
1の態様においては、被処理水が流入してくる入口にその減勢のため外壁が網目構造の(状の)管(含む、断面が多少いびつ、正方形に近い等)を設置している。
【0015】
上記構成により、油分を含有する被処理水はエマルジョン化されることなく減勢される。
【0016】
別の態様においては、被処理水は網目構造の管上部よりその管内部へ流入する。
【0017】
上記構成により、エマルジョン化されることなく減勢される効果が一層増大する。
【0018】
別の態様においては、被処理水は立設された網目構造の管に上面側若しくは側面よりぶつかる。
【0019】
上記構成により、先の態様と同様の効果が得られる。
【0020】
また別の態様においては、全体の外形はほぼ直方体(隅角に多少の丸みがある場合、多少の凸部がある場合も含む)であり、内部は上方より見たとき中央部近辺板と該中央部近辺板に直交する仕切板とにより全体をほぼ「田」字状に(多少の狭広も含む)配列された4室に分割され、装置壁の強度の担保と仕切板の役を担う中央部近辺板は四周の側壁と同じ高さ(数cm程度低い場合も含む)であり、仕切板はそれらのほぼ2/3(+−20%程度の誤差も含む)の高さであり、更に、被処理水が流入してくる第1室の外壁上部には四角やこれに近い形状(例えば台形、角に丸みがある四角)の流入用の切欠きが形成され、該切欠きより処理水が流入してくる部分には切欠かれた壁面に近接して外径が流入口と同じか多少小さい、そして外壁が網目構造の長さ700〜800mmの減勢用のパイプとそして該パイプを収納するため水平断面が四角形、U字状又はほぼ円形かつ底部に流入を第1室内の第2室側方向へ排水する切欠き(例えばスリット)を有する板若しくは網目構造の筒や板からなるパイプ格納部が設置されており、
第1室から被処理水が排出される第2室は、仕切板を介して第1室に対向し、更に仕切板には底より周囲壁の高さ1/12程度(10%程度の相違も含む)、例えば100mm程度上方に開口が形成されて第1室と下部より連通し、
第2室から被処理水が排出される第3室は、中央部近辺板を介して第2室と対向し、更に中央部近辺板底部には開口が形成されて第2室と連通し、
第3室から被処理水が排出されてくる第4室は、側部上方に外部の排水管へ連通する開口が形成され、該開口に面する内側壁には薄い板(含む、パイプ壁)からなる例えば取付方法にもよるが水平断面がコの字状やL字状かつ下方が底部近くで開口した排水孔囲部が取付けられている。
【0021】
上記構成により、以下の作用がなされる。
【0022】
先ず第一に、請求項1から3の網目構造の管を設置するのに最適な装置となる。次に、減勢であるが、特に突然の降雨のときにそうであるが、勢いよく流入してきた油を含有する被処理水は、先ず最初に第1室内の管壁面が網目構造のパイプの壁面に当たりあるいは上方から流れ込み、油分と水分が混ざり合うことなく減勢される。更に、このパイプはその収納部内で回転しだし、このため被処理水はエマルジョン化されることなく一層減勢される。
【0023】
パイプ格納部内の流入水は、その下方の開口(ケースにより側壁の網目)より第1室の本室内へ流れ込む。更に第1室と第2室は、仕切壁下方の開口で連通しているため、第2室に被処理水が侵入する。この際、第1室と第2室間の仕切壁の開口はその下端が底面より100mm、上端が底面より400mm程度であり、比較的径の大きな土砂は第1室に留まる。また、第2室と下方で連結する第3室と第4室間の仕切壁には開口がないので、被処理水は第1室から第3室まで同じ水位となる。これにより比較的粒径の小さな砂粒は第2室と第3室の底部に溜まる。また被処理水中の油分は先ず第1室と第2室の水面の上部に浮かぶ。
【0024】
更に、被処理水の流入が続くと、第3室から仕切壁の頂部を越えて被処理水が第4室へ流れ込む。しかしながら、第4室の排水のための開口は、下端が室内底部近くに達する板で囲まれているため、第4室の水位も第3室の水位と同じとなり、更に第1室と第2室で水面に浮び上がらなかった油滴は第3室と第4室では水の流れが減勢されていることもあり小さくても水面上部に浮かび、第4室の実質的な排水口である排水孔囲板の底部には達し得ない。このため、第4室で油分は完全に除去されることとなる。
【0025】
特に、道路の砂粒、油分の多くは降雨初期の雨水により流される。あるいは降雨初期の流入水に多く含まれるが、豪雨のときでも多くの場合初期に流入してくる被処理水量は勢いが弱く量も少ない。このため、確実に油分や砂粒の除去をなしうる。また以降、どんどん流入量が増加しても、装置の構造上油分は各室の天井部に留まっており、砂粒は第1室から第3室の底面に溜まっていることとなるため、多量に流入してくる雨水中の油分や砂粒を更に本装置が除去することはあるが、逆に本装置外へ排出されることがない。なお、中央部近辺板は四周の壁面と同じ高さであるため、このときでも流入水のバイパスはない。
【0026】
なお、少なくも底部、側壁、中央部近辺板及び仕切板はFRP製とすれば、数名の人で搬送、据え付け等が可能なほど全体が軽量となる。このため、現場への運送や現場での据え付け工事が楽になる。
【0027】
また、別の態様においては、網目のあるパイプは法面排水や暗渠の排水に使用されているプラスチック製の管としている。
【0028】
上記構成により、全体がより軽量かつ市販品を使用しうるためより安価となる。
【0029】
また、プラスチックであるだけに流入水の勢いでその格納部内で回転しだし、これにより油含有水のエマルジョン化無しの減勢が一層達成される。
【0030】
また別の態様においては、網目構造の管の網目は、径が2〜40mmとしている。
【0031】
上記構成により、被処理水の流量の如何等各種の条件にもよろうが、一般的には油含有水のエマルジョン化なしの減勢が一層なされる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
【0033】
図1は、本発明に係る油水分離枡用減勢工の全体構成を概念的に示す図である。図2から図5は、各々図1のA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面を示す図である。
【0034】
これらの図において、1は外形が長方体をなす本装置の外周壁である。2は、その高さが外周壁と同じの中央仕切壁である。3は、中央仕切壁に直交し、その高さが外周壁のほぼ3/4の補助仕切壁である。4は、外径が250mmの網目管(商品名「ネトロンパイプ」、大日プラスチックK.K.製)である。5は、外形が長方体のそして薄板からなる網目管装備板である。93は、2個の排水用切欠き(円孔)である。94は、この排水用切欠きを囲う板である。95は、2個の排水管である。90は流入路であり、96は外部溝であり、これらは本発明の構成要件ではないため点線で示している。94は、薄板からなる水平断面がL字状の排水側囲板である。
【0035】
次に、この装置の概略の寸法であるが、高さはおよそ1200mm、巾×長さは同じく1200mm×1700mmであり、装置壁面の肉厚は30mmであり、更にFRP製である。また、装置上部には蓋が、外周壁には上端、2/3の高さの位置、1/3の高さの位置に各補強用枠が装備されているが、これらは本発明の趣旨に関係がないので、示していない。
【0036】
さて、本図に示す様に、この油水分離枡用減勢工の内部は上部から見るとほぼいわゆる田の字状に、すなわち大きく4室、81、82、83、84に分割されている。ただし、第1室と第4室は第2室と第3室に比較して約60%ほど大容量となっている。以下、これら各室を説明する。
【0037】
先ず、流入水の入ってくる流入室(第1室)81は図2に示すように被処理水が内部へ流入してくる流入水側壁11には形状がほぼ四角の切欠き110が側壁面上部に形成され、この部分は図1に示すように道路からの流入路90に接続されている。また、切欠き110に面して壁面が網目からなり外形200mmの網目管4が垂直方向に立てて装備され、その外周には水平断面がコの字状でありこのため流入水側壁11とで形成される四角のスペース、網目管室80を形成する網目管装備板5が取付けられている。なお、この網目管装備板は、底板はあるが、その反第2室側の底部近くの側面には図2に示すように排水用スリット51が形成されている。
【0038】
第1室からの被処理水が排出される第2室82は、仕切壁3を介して第1室に面している。そして第1室と第2室を仕切る仕切壁は、下方100mmの位置より高さ300mmの開口が設けられている。
【0039】
第2室からの被処理水が排出される第3室83は、中央部近辺板2を介して第3室に面している。そして、中央部近辺板2の両室を仕切る部分の下方には、底面より300mmの高さまで開口が形成されている。
【0040】
排水用円孔のある排出水室(第4室)84は、中央部付近板を介して第1室と、仕切板を介して第3室に対応している。更に、この第3室と本室とを仕切る仕切板には開口は形成されていない。本室は、本減勢工に流入してきた被処理水が処理されて外部へ排出される際、最後の処理がなされる部屋である。このため、外周壁の流入路90にほぼ対向する位置に排水のための切欠き、円孔93が2箇所形成され、各2個の排水管95が取付けられている。更に、切欠きの周囲には、排水管との接続口部を覆う排水側囲板94が取付けられている。なお、この排水側囲板は取り外し可能な蓋が取付けられている。
【0041】
次に、この装置における雨天時に高速道路から流れてくる油含有水の処理について説明する。
【0042】
流入路90から流入してきた被処理水としての油含有水は、網目管装備板50内に建てて置かれた網目管に突き当たりエマルジョン化されることなく減勢される。更に、網目管装備板内の下方の反第2室側に形成されたスリット51から第1室内へ侵入していく。なお流入水が、網目管に突き当たる際の力で、網目管は回転する。そしてこれもエマルジョン化無しの減勢に寄与する。降雨量にもよるが通常は先ず、第2室との仕切壁下部の切欠きから第2室へ被処理水が侵入し、更に第3室へも侵入する。さて、第3室と第4室とを仕切る壁には下部の開口がないので、被処理水は第1室、第2室及び第3室内の水位が仕切壁の高さになるまでこれら3室内に停留する。
【0043】
更に流入が続くと、第3室と第4室間の仕切壁を越えて第4室へ侵入する。そして第4室の水位が徐々に上昇していく。最後に、第4室の排水管95の位置まで水位が上昇し、ここより外部溝96へ排出されることとなる。なお、この時点では第1室から第4室まで水位は同じであるため第1室から第2室への流入は仕切壁上部を越えても、すなわちオーバーフローしてもなされることとなる。
【0044】
次に、以上の油含有水の流れに伴う処理、あるいは本装置にてなされる作用について説明する。
【0045】
被処理水が仕切壁に達するまでに網目管装備板5内の水位は充分高くなり、網目管は材料の比重が1以下のこともあり流入水のあたる勢いで回転しだし、これにより油水の混合あるいはエマルジョン化を促進することなく減勢を行う。更に、網目管装備板下方のスリットより本来の第1室へ排水され、更に第2室へ流れていく。この際油分は比重が小さいため表面に浮くこととなる。また、砂粒、アルファルト粒等は比重が大きいため主に第1室の底部に溜まることとなる。
【0046】
また油分であるが、第1室と第2室で除去されなかった粒径が比較的小さい油分は第3室と第4室へ進入するが、第4室から外部への排出は排水管95の取付け位置こそ高い位置にあるものの、排出用孔93には水平断面がコの字型の排水孔囲板94が取付けられている。このため、第4室の排水口は現実にはこの排水孔囲板とこれが面する側壁面12で形成された水平の断面が四角の通水路の下端となる。この結果、油分は相当粒径が小さくても第3室と第4室の表面に浮いてしまい、排水用孔下端に在る事実上の排水口まで到達するものは少なくなる。更に、流入水は本装置内であちこち流れの向きを平面的のみならず立体的にも変化させられているため勢いが弱くなっており、あるいは上下の乱れや渦が少なくなっており、この面からも小さな油滴でも表面に上昇しやすいため、この傾向は増大する。
【0047】
特に、かなりの土砂降りといえども降雨初期の流入水は比較的勢いが弱く、このため水流の勢いが弱く、小さな油滴は水面に浮き易い。この一方、初期の流入水は油分が多い。ひいては、たとえ多量の雨が降ったとしても充分な油分の除去がなしうることとなる。
【0048】
更に、軽油等を使用して実際に即応した試験を行ったが、すでに在るもの以上の優れた減勢能力と油分除去能力を示した。
【0049】
以上、本発明をその実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は何もこれに限定されるものでないのは勿論である。すなわち、一部再度記載する点もあるが例えば以下のようにしてもよい。
(1)網目管を装備する減勢工は、枡状でなく各室が一列に配置されている等他の構造としている。
(2)網目管も、SUS製とする等し、更に樹脂製であっても網目の無孔部の率もネトロン管の約33%でなく、多少上下したものとしている。
(3)網目管装備板自体を、より大径の網目管としている。
(4)各部の寸法も、設置場所等の条件に応じて変更している。
(5)被処理水は、網目管の上方より網目管内へ流れ込むようにしている。あるいは、平行に並んだ複数の網目管の上側方よりぶつかるようにしている。
(6)天井蓋との関係で、中央部近辺板は四周壁より多少低くしている。
(7)主要部は一体の射出成形とし、一層の軽量化と据え付け工事の容易化を図っている。
(8)上記実施の形態と外形寸法が同じ装置であっても設置場所によって各切欠き、開口の下端、上端の位置を最適な寸法に変更している。
(9)網目管の外径も、例えば300mmとしている。あるいはこの収納部下端の切欠きを反第2室側と第2室側の二方向に設けている。
(10)減勢工は、本体そのものや各部は耐蝕性と耐油性を満たす限りほかの材質としている。例えば、排水孔囲部は塩ビ管とする、本体も発泡系のプラスチックとする等である。
(11)小石が勢いよく流入してくるのを防止し併せて減勢を行わせる等の他流入口にメッシュを設置する等他の構成をも装備している。
(12)網目の形状は、丸、四角等ネトロン管とは異なるものとしている。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明で判るように、本発明においては減勢に網目管を使用し、これが回転しつつ減勢するので油含有水のエマルジョン化が僅少となり、油分の回収効率が上昇する。
【0051】
また、網目管を収納する減勢工本体の主要部がFRP製であるため、鋼製と異なり耐蝕性に優れ、コンクリート製と異なり日照や温度変化による割れの発生等の劣化の恐れもない。
【0052】
しかも、本体の寸法はケースにもよるがおよそ高さ1.5m以下、巾×長さも1.5m×2m以下であり、このため主材料がFRPであることとあいまって非常に軽量となる。このため、工場で製造して山間、僻地の設置現場へ輸送することが可能となるだけでなく工事現場で数人とはいえ人力で搬送することも可能である。ひいては、現場での設置工事も楽となり、かつ設置のための工数も少なくなる。これらの結果、大幅なコストダウンにつながるだけでなく、山間の現場で作業をする者が少ない昨今においても、充分施工可能となる。
【0053】
また、設置のための特別の工事や治具類もそう多くはなく、この面からもコストダウンと作業労働者の確保の容易性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の油水分離枡用減勢工の全体構成を示す図である。
【図2】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のA−A断面を示す図である。
【図3】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のB−B断面を示す図である。
【図4】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のC−C断面を示す図である。
【図5】上記図1に示す油水分離枡用減勢工のD−D断面を示す図である。
【符号の説明】
1 外周壁
11 流入水側壁
12 排出水側壁
2 中央仕切壁
21 中央仕切壁下部開口
3 補助仕切壁
31 補助仕切壁下部開口
4 網目管
5 網目管装備板(部)
51 網目管装備板が形成する小部屋の下部スリット
70 排水口側囲板
71 排水口側囲板蓋
80 網目管室
81 流入水室(第1室)
82 第2室
83 第3室
84 排出水室(第4室)
90 流入路
93 排水用切欠き(円孔)
94 排水孔囲部
95 排水管
96 外部溝
Claims (6)
- 被処理水が流入してくる入口に、減勢のために外壁が網目構造の管を設置していることを特徴とする油水分離枡用減勢工。
- 請求項1記載の油水分離枡用減勢工であって、
被処理水は前記外壁が網目構造の管内に上面より流入するものであることを特徴とする油水分離枡用減勢工。 - 請求項1記載の油水分離枡用減勢工であって、
被処理水は前記外壁が網目構造の立設された管に上側面若しくは側面よりぶつかるものでああることを特徴とする油水分離枡用減勢工。 - 全体の外形はほぼ直方体であり、内部は上方より見たとき中央部近辺板と該中央部近辺板に直交する仕切板とにより全体をほぼ「田」字状に配列された4室に分割され、中央部近辺板は四周の側壁と同じ高さであり、仕切板はそれらのほぼ2/3の高さであり、更に、
被処理水が流入してくる第1室は、その外壁上部には流入用の切欠きが形成され、該切欠きより処理水が流入してくる部分には流入水の減勢のために外壁が網目構造の管が少なくも1本が設置され、そしてまた該管を収納するため水平断面が四角形、U字状又はほぼ円形かつ底部に流入水を排出する切欠きを有する板若しくは網目構造の筒や板からなる管格納部が設置されており、
第1室から被処理水が排出されてくる第2室は、前記仕切板を介して上記第1室に対向し、更に該仕切板には底より周囲壁高さより1/12程度上方に開口が形成されて上記第1室と下部より連通し、
上記第2室から被処理水が排出される第3室は、上記中央部近辺板を介して上記第2室と対向し、更に中央部近辺板底部には開口が形成されて上記第2室と連通し、
上記第3室から被処理水が排出されてくる第4室は、側部上方に排水管へ連通する開口が形成され、該開口に面して内側壁に薄い板からなり下方が底部近くで開口した排水孔囲部が取付けられていることを特徴とする油水分離枡用減勢工。 - 請求項1から請求項4記載の減勢工であって、
上記減勢用の網目構造の管は、
プラスチック製であることを特徴とする油水分離枡用減勢工。 - 請求項1から請求項5記載の油水分離枡用減勢工であって、前記網目構造の管の網目は、径が2〜40mmであることを特徴とする油水分離枡用減勢工。
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2003
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