JP2005046531A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保留球数が増加してもその上限に達しにくく、また、保留球数が減少してもゼロとはなりにくい遊技機を提供する。
【解決手段】 特別図柄始動電動役物に入賞した遊技球について取得された乱数は、大当たり関係情報記憶エリアに記憶される。その乱数に基づき決定される特別図柄の変動パターンがリーチ変動パターンであった場合(S228:YES)、ストックボタンを押して(S230:YES)、通常変動パターンに差し替えることができる(S250)。差し替えられたリーチ変動パターンはストックされ(S238)、以後の大当たり判定結果の報知の際に放出ボタンを押すと、通常変動パターンをそのリーチ変動パターンで差し替えることができる。これにより、特別図柄作動保留球数が多くなった場合には変動時間の短い通常変動パターンに差し替えて減らし、少なくなった場合には変動時間の長いリーチ変動パターンに差し替えて増やすことができる。
【選択図】 図16

Description

本発明は、保留球数の調整を行うことができる遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の遊技機では、始動入賞口への遊技球の入賞を契機に、例えばループカウンタ等から取得される乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を獲得することが可能な大当たり遊技状態へと移行するか否かの判定(大当たり判定)が行われている。大当たり判定結果の報知は、通常遊技状態において、パチンコ機に設けられた図柄表示装置に表示させる複数の図柄(特別図柄)の組み合わせによって行われる。始動入賞口へ遊技球が入賞すると特別図柄が変動表示され、次いで確定表示が行われる。このとき表示された特別図柄があらかじめ大当たりと決められた組み合わせであった場合、大当たりであるとして、通常遊技状態から大当たり遊技状態への移行が行われる。
通常遊技状態において、大当たり判定結果の報知が行われている間に遊技球が始動入賞口へ入賞した場合、その入賞した遊技球について取得される乱数の値は一時的に記憶され保留される。そして、先の大当たり判定結果の報知が終了すると、次いで保留された遊技球(図中、「保留球数」として表示)に係る大当たり判定結果の報知が行われる。保留球に係る大当たり判定結果の報知は、それら保留球が保留された順に行われる。なお、保留球を保留できる数(例えば、特許文献1にいう「始動記憶」)には上限が設けられている(例えば、特許文献1、0015,0038段落参照)。
ところで、大当たり判定結果の報知の際には、別途取得される乱数に基づいて選択される演出パターンによる演出が行われる。演出パターンとは、例えば、複数の特別図柄のうち、一つを除く他の図柄が大当たりと決められた図柄の組み合わせと一致するように変動表示させ、遊技者に大当たりへの期待感を抱かせるリーチ変動パターン(例えば、特許文献1の第3〜第6パターンに相当する変動パターン)や、それら他の図柄を大当たりと決められた図柄の組み合わせとは一致しないように変動表示させる通常変動パターン(例えば、特許文献1の第1,第2パターンに相当する変動パターン)などである。一般的に、リーチ変動パターンによる演出は、通常変動パターンによる演出よりも長時間行われることが多い(例えば、特許文献1、0012段落参照)。
このようなパチンコ機でリーチ変動パターンによる演出が行われている際には、その変動表示時間が長いため、一回の大当たり判定結果の報知の間に始動入賞口へ遊技球が入賞する機会が増えることとなる。すなわち、保留球数を増加させやすく、リーチ変動パターンの演出による大当たり判定結果の報知が連続して行われれば、保留球数を容易に上限まで増加させることも可能である。また、演出時間の短い通常変動パターンによる演出が連続して行われた場合には、上記とは逆に、保留球数を減少させることも可能である。
特許第3319446号公報
しかしながら、保留球数が上限に達した状態で始動入賞口へ入賞した遊技球については乱数の取得が行われず(特許文献1、0015段落参照)、その遊技球についての大当たり判定は行われないこととなるので、せっかくの始動入賞口への入賞が無駄となってしまい、遊技者が不満を抱いてしまうという問題があった。また、保留球数が少ないときに通常変動パターンが連続して行われると、保留球がなくなってしまい、保留球があるときには連続して行われる大当たり判定結果の報知の連続性が途絶えてしまう場合があり、遊技者の遊技意欲が失われてしまうという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、保留球数が増加してもその上限に達しにくく、また、保留球数が減少してもゼロとはなりにくい遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の遊技機は、遊技球が流下する遊技盤に設けられ、前記遊技球が入賞する始動入賞口と、前記始動入賞口への前記遊技球の入賞を契機に複数の乱数の取得を行う第1乱数取得手段と、前記始動入賞口へ入賞した前記遊技球について前記第1乱数取得手段が取得した複数の乱数を、前記遊技球が前記始動入賞口へ入賞した順に記憶する乱数記憶手段と、前記乱数記憶手段に記憶された順に、前記複数の乱数のうち、第1の乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり遊技状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための複数の図柄の組み合わせからなる特別図柄を表示する特別図柄表示手段と、前記特別図柄表示手段に、前記特別図柄を変動表示させた後に確定表示させ、そのときの図柄の組み合わせによって前記判定結果が報知されるように前記特別図柄表示手段の制御を行う特別図柄表示制御手段と、前記特別図柄表示制御手段の制御に基づき表示される前記特別図柄の変動表示の際の変動態様を、図柄のうち最後に確定表示される一の図柄を除く他の図柄が、あらかじめ大当たりと決められている図柄の組み合わせとなるように制御が行われるリーチ変動態様とするか、前記他の図柄が、あらかじめ大当たりと決められている図柄の組み合わせとならないように制御が行われる通常変動態様とするかを、前記第1乱数取得手段の取得した第2の乱数に基づいて決定する変動態様決定手段と、前記変動態様決定手段によって前記特別図柄の変動態様として前記リーチ変動態様が決定された場合に、そのリーチ変動態様を通常変動態様に差し替える通常変動態様差替手段と、前記通常変動態様差替手段によって差し替えられた前記リーチ変動態様を記憶するリーチ変動態様記憶手段と、前記変動態様決定手段によって前記特別図柄の変動態様として前記通常変動態様が決定された場合に、その通常変動態様を、前記リーチ変動態様記憶手段に記憶されたリーチ変動態様に差し替えるリーチ変動態様差替手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明の遊技機は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記通常変動態様差替手段によるリーチ変動態様から通常変動態様への差し替えの際に、その差し替えを行うか否かを指示可能な通常変動態様差替指示手段を備えている。
また、請求項3に係る発明の遊技機は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記変動態様決定手段によって前記特別図柄の変動態様として前記通常変動態様が決定された場合に、その通常変動態様を、前記リーチ変動態様記憶手段に記憶されたリーチ変動態様に差し替えるように、前記リーチ変動態様差替手段に指示可能なリーチ変動態様差替指示手段を備えている。
また、請求項4に係る発明の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記始動入賞口に設けられた開閉部材と、前記遊技盤に設けられ、前記遊技球が通過する通過ゲートと、前記通過ゲートへの前記遊技球の通過を契機に乱数の取得を行う第2乱数取得手段と、前記第2乱数取得手段が取得した第3の乱数に基づいて、前記開閉部材が開かれる普通当たり遊技状態とするか否かの判定を行う普通当たり判定手段と、前記普通当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための普通図柄を表示する普通図柄表示手段と、前記普通図柄表示手段に、前記普通図柄を変動表示させた後に確定表示させ、そのときの図柄によって前記判定結果が報知されるように前記普通図柄表示手段の制御を行う普通図柄表示制御手段と、前記普通図柄表示制御手段の制御に基づき表示される前記普通図柄の変動表示時間が短縮される時短遊技状態を制御する時短遊技状態制御手段とを備え、前記通常変動態様差替手段は、前記時短遊技状態制御手段によって前記時短遊技状態が制御されている場合に、リーチ変動態様から通常変動態様への差し替えを行うことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記始動入賞口に設けられた開閉部材と、前記遊技盤に設けられ、前記遊技球が通過する通過ゲートと、前記通過ゲートへの前記遊技球の通過を契機に乱数の取得を行う第2乱数取得手段と、前記第2乱数取得手段が取得した第3の乱数に基づいて、前記開閉部材が開かれる普通当たり遊技状態とするか否かの判定を行う普通当たり判定手段と、前記普通当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための普通図柄を表示する普通図柄表示手段と、前記普通図柄表示手段に、前記普通図柄を変動表示させた後に確定表示させ、そのときの図柄によって前記判定結果が報知されるように前記普通図柄表示手段の制御を行う普通図柄表示制御手段と、前記普通図柄表示制御手段の制御に基づき表示される前記普通図柄の変動表示時間が短縮される時短遊技状態を制御する時短遊技状態制御手段とを備え、前記リーチ変動態様差替手段は、前記時短遊技状態制御手段によって前記時短遊技状態が制御されている場合に、通常変動態様からリーチ変動態様への差し替えを行うことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の遊技機は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記時短遊技状態制御手段によって前記時短遊技状態が制御されている場合に、前記特別図柄表示手段に表示される前記特別図柄の確定表示の回数を計数する計数手段と、前記計数手段による前記特別図柄の確定表示の回数の計数が所定回に達した場合に、前記時短遊技状態が終了したと判断する時短遊技状態終了判断手段と、前記時短遊技状態終了判断手段によって前記時短遊技状態が終了したと判断された場合に、前記リーチ変動態様記憶手段に記憶されている前記差し替えられたリーチ変動態様を消去する差替記憶消去手段とを備えている。
請求項1に係る発明の遊技機では、特別図柄の変動表示の際の変動態様として、通常変動態様と比べ変動表示が行われる時間の長いリーチ変動態様が決定された場合に、そのリーチ変動態様を通常変動態様で差し替え、差し替えたリーチ変動態様を記憶し、さらに通常変動態様が決定されたときに記憶したリーチ変動態様と差し替えることができるので、始動入賞口に入賞して大当たり判定の結果が報知されていない遊技球の記憶数の増減を調整することができる。
また、請求項2に係る発明の遊技機では、請求項1に係る発明の効果に加え、リーチ変動態様を通常変動態様に差し替える場合に、その差し替えを行うか否かを遊技の進行具合に応じて任意に指示することができるので、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、請求項3に係る発明の遊技機では、請求項1または2に係る発明の効果に加え、通常変動態様をリーチ変動態様に差し替える場合に、その差し替えを行うか否かを遊技の進行具合に応じて任意に指示することができるので、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、請求項4に係る発明の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、リーチ変動態様から通常変動態様への差し替えは、始動入賞口へ遊技球が入賞しやすい時短遊技状態中に行うことができるので、1回の判定結果の報知の間に始動入賞口へ入賞する遊技球の数を減らすことができる。
また、請求項5に係る発明の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、通常変動態様からリーチ変動態様への差し替えは、始動入賞口へ遊技球が入賞しやすい時短遊技状態中に行うことができるので、1回の判定結果の報知の間に始動入賞口へ入賞する遊技球の数を増やすことができる。
また、請求項6に係る発明の遊技機では、請求項1乃至5のいずれかに係る発明の効果に加え、時短遊技状態の継続回数を、特別図柄の確定表示の回数に基づき制限したことで、その間に、変動態様の差し替えを任意に行って、遊技者がより有利となる展開へと導くことができるので、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。
図1に示すように、正面視、パチンコ機1の上位部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射される遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13で、パチンコ機1の外方から視認可能な略円形の遊技領域4へ容易に接触できないように、保護されている。遊技盤2の下位部分には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、下皿6の上方にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。また、発射ハンドル7の上方で、遊技者が発射ハンドル7を操作しながら触れることが可能な位置には、オートボタン80、ストックボタン81、放出ボタン82が設けられている。
次に、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された特別図柄表示画面28や普通図柄表示部24、各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。特別図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられており、また、特別図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。この特別図柄始動電動役物15には開閉部材15a,15bが設けられており、開閉部材15a,15bが開放された場合には、特別図柄始動電動役物15付近を流下する遊技球が、開閉部材15a,15bに導かれて特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように構成されている(図2では開閉部材15a,15bが開放された状態を示す。)。また、特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。なお、特別図柄始動電動役物15が、本発明における「始動入賞口」に相当し、普通図柄始動ゲート12が、本発明における「通過ゲート」に相当する。
また、特別図柄表示装置8の左右両肩にはワープ入口22,23がそれぞれ設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の下部にはワープ出口21が設けられ、これらのワープ入口22,23を通過した遊技球は特別図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってワープ出口21へ現出するようになっている。ワープ出口21に現出した遊技球は、ワープ出口21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下するので、特別図柄始動電動役物15に入賞しやすい。
次いで、図3に示すように、特別図柄表示装置8の上部には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられており、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。この普通図柄表示部24の下方には、4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、普通図柄始動ゲート12(図2参照)に入賞し、普通図柄表示部24に普通当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を4個まで、LEDの点灯で表示することができる。なお、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他の電飾用のLED62(図4参照)、風車および多数の障害釘等が設けられている。なお、普通図柄表示部24が、本発明における「普通図柄表示手段」に相当する。
次に、特別図柄表示装置8に表示される画面について説明する。図3に示すように、特別図柄表示画面28には、左から、特別図柄表示部L1,特別図柄表示部L3,特別図柄表示部L2の順に、3つの特別図柄表示部が横並びに配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する特別図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順に停止するようになっている。なお、この特別図柄表示部L1〜L3の配置、確定表示(便宜上、以下、「停止表示」とする。)させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できる。また、特別図柄表示部L1〜L3の上方には、特別図柄表示画面28の左右にわたる表示領域を有するインジケータ部I1が設けられている。インジケータ部I1には、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、特別図柄表示画面28に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(保留球数)を、本実施の形態では100個まで、棒グラフと数値表示によって表示することができるようになっている。なお、特別図柄表示部L1〜L3が、本発明における「特別図柄表示手段」に相当する。
また、特別図柄表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景に、画像やキャラクター、メッセージ等も表示されるようになっている。さらに、特別図柄表示部L1〜L3には特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて画像やキャラクター、メッセージ等を表示できるようになっている。そして、特別図柄表示画面28の裏面には、このような表示の制御を行うための図柄表示基板44(図4参照)が配設されている。
次に、特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄について説明する。本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類の図柄が表示される。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると大当たりの判定が行われ、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。大当たり判定の結果「大当たり」となると、特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄が全て同じ図柄で停止されるように制御され(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った状態)、大入賞口16が開放される「大当たり遊技状態」が生起される。大当たり判定の結果「はずれ」となった場合には、すべてが同じ図柄で停止されることがないように制御される。したがって、特別図柄表示部L1およびL2が停止した段階で同じ図柄が表示されている状態(リーチ状態)では、「大当たり」となる可能性があるために、遊技者の「大当たり」への期待感は高められる。
また、前記10図柄のうち「1」,「3」,「5」,「7」,「9」を確率変動図柄(特定図柄)とし、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には「確率変動当たり」となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる。なお、本実施の形態では、この大当たり確率が高くなっている状態を「高確率状態」とし、通常の確率である状態を「低確率状態」とする。また、高確率状態での大当たり確率は63分の1であり、低確率状態での大当たり確率は315分の1とするが、必ずしもこの値に限られるものではない。なお、確率変動図柄以外の図柄である「0」,「2」,「4」,「6」,「8」は非確率変動図柄(非特定図柄)であり、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、低確率状態となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率は通常の確率となる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板が接続されている。さらに、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っている。そして、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は特別図柄表示画面28および普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。なお、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582、ROM583や図示外の入出力インタフェイスが設けられている。そして、音基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAMおよびROMが内蔵されており、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAMおよびROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAMおよびROMが内蔵されており、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAMおよびROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、電飾用のLED62、および電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には、特別図柄表示装置8、および普通図柄表示部24が接続され、音基板43には、スピーカ48が接続され、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材15a,15bを開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17〜20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76、後述するリーチ変動パターンのストック(以下、「リーチストック」という。)を自動で行うように指示するためのオートボタン80、リーチストックを行うように指示するためのストックボタン81、ストックしたリーチ変動パターンを放出(ストックした変動パターンを実行することをいう。)するように指示するための放出ボタン82が接続されている。オートボタン80および放出ボタン82は、例えば、一度押すと押された状態が保持され、再度押すことによって解除されるボタンであることが望ましい。なお、大入賞口16や特別図柄始動電動役物15、普通入賞口17〜20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。なお、ストックボタン81と放出ボタン82とのそれぞれが、本発明における「リーチ変動態様差替指示手段」と「通常変動態様差替指示手段」とに相当する。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46およびサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。なお、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12Vおよび5V等を供給できるようになっている。なお、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルを記憶する変動パターンテーブル記憶エリア5304が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12に遊技球が入賞した場合に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始動ゲート12に入賞した遊技球のうち、未だ普通当たり判定の結果が報知されていない遊技球の数を普通図柄作動保留球数として記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球のうち、未だ大当たり判定の結果が報知されていない遊技球の数を特別図柄作動保留球数として記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ,時短遊技状態であるか否かを示す時短フラグ,普通当たり判定に係る各種状態を示す普通図柄状態フラグ,大当たり判定に係る各種状態を示す表示状態フラグ,高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ,リーチストックを行うか否かの意思を確認する際に使用される意思確認フラグ等のフラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208、リーチストックを行うか否かの分別が実施された分別済作動保留球数を記憶する分別済作動保留球数記憶エリア5209、リーチ変動パターンのストックを行う場合において、そのリーチ変動パターンの変動パターン番号と、変動時間とを記憶する変動ストック情報記憶エリア5210、ストックしたリーチ変動パターンの数(変動ストック球数)を記憶する変動ストック球数記憶エリア5211、時短遊技状態中に、大当たり判定結果の報知が行われた回数(時短回数)を記憶する時短回数記憶エリア5212が設けられている。なお、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図7を参照して、カウンタ記憶エリア5201について説明する。図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。図7に示すように、カウンタ記憶エリア5201には普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6、普通図柄変動時間カウンタTC1、普通図柄停止時間カウンタTC2、開放時間カウンタTC3、特別図柄変動時間カウンタTC4、特別図柄停止時間カウンタTC5、意思確認時間カウンタTC6が各々記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア5203や大当たり関係情報記憶エリア5205などに各々取り込まれて格納されるようになっている。
なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのカウンタ更新処理(図12参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)および最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、普通図柄変動時間カウンタTC1、普通図柄停止時間カウンタTC2、開放時間カウンタTC3、特別図柄変動時間カウンタTC4、特別図柄停止時間カウンタTC5、意思確認時間カウンタTC6は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(図12参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタLC1の値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞を契機に行われる。そして、普通当たりと判定されると、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間(例えば、30秒)開放する。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は512msとなる。
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には、初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチンの処理(図12参照)を行わない間(メインルーチンの各処理が終了し、次の割込信号により新たにメインルーチンの処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。なお、大当たり判定カウンタLC2の最大値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、大当たりである場合に、特別図柄表示部L1,L2,L3に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)および、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。さらに、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第1カウンタLC3の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。また、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、10割込毎(20ms毎、特別図柄作成第1カウンタLC3の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第2カウンタLC4の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は200msとなる。
特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、リーチとならないはずれの場合に、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、100割込毎(200ms毎、特別図柄作成第2カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第3カウンタLC5の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は2000msとなる。
変動パターン決定カウンタLC6の値は変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、変動パターン決定カウンタLC6の値や大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、特別図柄指定コマンドに付加されてサブ統合基板58へ送信され、サブ統合基板58からさらに音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46へ送信される。なお、特別図柄表示部L1〜L3の変動開始から全図柄停止までの時間(特別図柄変動時間)はこの変動パターン毎に決定されており、ROM53の変動パターンテーブル記憶エリア5304に記憶されている。また、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC6の最大値は「65535」、最小値は「0」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65535」より大きくなった際に「0」へ戻る。そして、「0」〜「65535」の値と、大当たり判定結果とに基づいて、後述する変動パターンテーブル(図10参照)より62種類の変動パターンのいずれかが割り振られている。
普通図柄変動時間カウンタTC1は、普通図柄表示部24に表示される普通図柄が変動表示を開始してから停止するまでの時間(普通図柄変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。カウント値として普通図柄変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、普通図柄変動時間が30秒である場合には、カウント値の初期値として「15000」がセットされる。なお、普通図柄変動時間は時短遊技状態であるか否かによって決められている。
普通図柄停止時間カウンタTC2は、普通図柄表示部24に普通図柄が停止表示される時間(普通図柄停止時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。カウント値として普通図柄停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで停止表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、普通図柄停止時間が1秒である場合には、カウント値の初期値として「500」がセットされる。
開放時間カウンタTC3は、普通当たりとなった場合に特別図柄始動電動役物15の開閉部材15a,15bを開放する時間を図るために使用されるタイマカウンタである。カウント値として開放時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで開閉部材15a,15bを閉鎖させるタイミングを判断する。例えば、開放時間が0.5秒である場合には、カウント値の初期値として「250」がセットされる。
特別図柄変動時間カウンタTC4は、特別図柄表示部L1〜L3が変動表示を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(特別図柄変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。カウント値として特別図柄変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、特別図柄変動時間が10秒である場合には、カウント値の初期値として「5000」がセットされる。なお、特別図柄変動時間は変動パターンテーブル(図10参照)に基づいて変動パターン毎に決められている。
特別図柄停止時間カウンタTC5は、特別図柄表示部L1〜L3に図柄が停止表示される時間(特別図柄停止時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。カウント値として特別図柄停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで停止表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、特別図柄停止時間が5秒である場合には、カウント値の初期値として「2500」がセットされる。
意思確認時間カウンタTC6は、リーチストックを行うか否かを確認する場合に、遊技者がストックボタン81を押してストックを行うことを指示することが可能な時間を計るために使用されるタイマカウンタである。カウント値として意思確認時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることでストックの指示待ちを終了させるタイミングを判断する。例えば、意思確認時間が3秒である場合には、カウント値の初期値として「1500」がセットされる。
次に、図8を参照して、普通当たり関係情報記憶エリア5203について説明する。図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。図8に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリアN0および保留記憶エリアN1〜N4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、メインルーチンの普通図柄処理(図12参照)において使用される。保留記憶エリアN1〜N4には、普通図柄始動ゲート12を遊技球が入賞し、まだ普通当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(普通図柄作動保留球)が取得した普通当たり判定カウンタLC1の値を普通当たり乱数として記憶する。判定エリアN0には、現在行われている普通当たり判定の結果の報知、または、その結果普通当たりと判定され生起される普通当たり遊技の動作の基になった普通当たり乱数が記憶されている。
普通図柄処理において普通図柄始動ゲート12の遊技球の入賞が確認された場合には、保留記憶エリアN1〜N4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の保留記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、保留記憶エリアN3に記憶される。そして、判定エリアN0に記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、保留記憶エリアN1に記憶されている値が判定エリアN0へシフトされ、判定エリアN0に記憶されている値に基づいて普通当たりの判定結果の報知が実行される。また、保留記憶エリアN1が判定エリアN0へシフトされたことに伴い、保留記憶エリアN2の値を保留記憶エリアN1へ、保留記憶エリアN3の値を保留記憶エリアN2へ、保留記憶エリアN4の値を保留記憶エリアN3へと順にシフトされ、保留記憶エリアN4の値がクリアされる。ここで、保留記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値も「4」より大きい値を取ることはない。もっとも、この普通図柄作動保留球数の上限は4個に限定するものではなく、それより少ない3個であっても、あるいは5個以上であってもよい。この場合、普通図柄作動保留球数の上限の数に相当する数の保留記憶エリアを設ければよい。
次に、図9〜図11を参照して、大当たり関係情報記憶エリア5205、変動パターンテーブル、および変動ストック情報記憶エリア5210について説明する。図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。図10は、ROM53の変動パターンテーブル記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルを示す概念図である。図11は、RAM52の変動ストック情報記憶エリア5210を示す概念図である。
まず、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図9に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M100が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチンの特別図柄処理(図12参照)において使用される。保留記憶エリアM1〜M100には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した乱数等を記憶する。判定エリアM0には、現在行われている大当たり判定の結果の報知、または、その結果大当たりと判定され生起される大当たり遊技状態の動作の基になった乱数が記憶されている。
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、保留記憶エリアM1〜M100の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の保留記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、保留記憶エリアM3に記憶される。そして、判定エリアM0に記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、保留記憶エリアM1に記憶されている値が判定エリアM0へシフトされ、判定エリアM0に記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、保留記憶エリアM1が判定エリアM0へシフトされたことに伴い、保留記憶エリアM2の値が保留記憶エリアM1へ、保留記憶エリアM3の値が保留記憶エリアM2へ、以下同様にすべての保留記憶エリアの値が順にシフトされる。そして、保留記憶エリアM100の値が保留記憶エリアM99へシフトされた後に、保留記憶エリアM100の値がクリアされる。ここで、保留記憶エリアの数は100である。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は100個である。したがって、特別図柄作動保留球数の上限は100個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「100」より大きい値を取ることはない。
この判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M100のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄第1乱数カラムCLM3、特別図柄第2乱数カラムCLM4、特別図柄第3乱数カラムCLM5、変動パターン番号カラムCLM6、変動時間カラムCLM7が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、特別図柄第1乱数、特別図柄第2乱数、特別図柄第3乱数、変動パターン番号、特別図柄変動時間の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が、特別図柄第1乱数カラムCLM3,特別図柄第2乱数カラムCLM4,特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5の値がそれぞれ記憶される。また、変動パターン番号カラムCLM6,変動時間カラムCLM7には変動パターン乱数の値に基づき決定される変動パターン番号,特別図柄変動時間(カウント値)がそれぞれ記憶される。
次に、変動パターンテーブルについて説明する。本実施の形態のパチンコ機1では、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、この遊技球について取得された乱数に基づき大当たり判定が行われる。そして、特別図柄の変動表示が行われた後に停止表示が行われ、そのときに停止される特別図柄の組み合わせによって大当たり判定の結果が報知される。この特別図柄の変動表示の際に、パチンコ機1では、遊技者の大当たりへの期待感を募らせるため、様々な演出が行われる。例えば、種々の電飾ランプ63、LED62やその他のLEDの点灯・点滅、スピーカ48から効果音の発音等が行われるが、もっとも遊技者の注目を集めやすいのが特別図柄の変動の態様である。特に、リーチ状態となった場合には、大当たりに対する遊技者の期待感がより高められるのである。ここで、リーチ状態とは、複数の条件がすべて満たされたときに大当たりとなる各条件のうち、1つを除く他の条件がすべて満たされた状態をいう。例えば、3つの特別図柄のうち2つまでが同一の図柄で仮停止され、残る1つの図柄がまだ停止されていない場合などであり、このリーチ状態となると、遊技者は、その最後の図柄として先に仮停止された図柄と同一の図柄が停止されることに期待感を募らせるのである。
もっとも、大当たり判定結果の報知の都度リーチ状態による特別図柄の演出が行われると、遊技者はリーチ状態を特別視しないようになってしまう。そこで、パチンコ機1では、特別図柄の変動パターンとして非リーチ状態の演出を行う短縮変動パターンや通常変動パターン、リーチ状態を演出するリーチ変動パターンを設けている。そして、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞した際に取得される乱数に基づいて、ROM53の変動パターンテーブル記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルからどの演出を行うかが決定されるのである。
図10に示す変動パターンテーブルは、大当たり判定結果と変動パターン乱数の値とに基づいて、大当たり判定結果の報知態様として62種類の変動パターンのいずれかを決定するためのテーブルである。パチンコ機1では、変動パターン乱数の値(「0」〜「65535」のいずれか)に基づいて、大当たり判定結果がはずれ場合には変動パターン番号「2」〜「30」の30種類の変動パターン、また、大当たりの場合には、変動パターン番号「31」〜「62」の32種類の変動パターンのうちのいずれかが選択されるように対応付けられている。また、変動パターン番号「1」は、短縮変動が行われる場合に通常変動パターン(変動パターン番号「2」)から差し替えられる短縮変動パターンとなっている。このため、変動パターン乱数の割り当てがない。なお、短縮変動パターンは通常変動パターンよりも特別図柄変動時間が短く設定された変動パターンであり、特別図柄作動保留球数が、例えば3個以上あって、変動パターンとして通常変動パターンが選択された場合に、その通常変動パターンから差し替えることによって、特別図柄の変動表示を短時間で行って大当たり判定結果の報知を早めることができる。
個々の変動パターンは、変動パターン乱数の値の範囲によって、選択されやすさ、すなわち選択率がそれぞれ異なるように設定されている。変動パターン乱数の値とともに図示した選択率は変動パターンの種類ごとの選択率の一例である。そして、図示しないが、同じ種類の変動パターンであっても、各変動パターン番号ごとに選択率が異なるように設定されている。また、各変動パターン毎に異なる特別図柄変動時間が設定されている。
例えば、大当たり判定結果がはずれの場合に、変動パターン乱数の値が「32768」であったとすると、変動パターン番号「2」、および特別図柄変動時間「10秒(5000カウント)」が選択される。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の対応する(そのときの特別図柄作動保留球数に基づく)保留記憶エリアM1〜M100の変動パターン番号カラムCLM6,変動時間カラムCLM7に、それぞれ「2」,「5000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態にならない通常変動パターンである。
また、短縮変動が行われることとなった場合、対応する保留記憶エリアM1〜M100の変動パターン番号カラムCLM6に記憶された通常変動パターンの変動パターン番号「2」が短縮変動パターンの変動パターン番号「1」で上書き記憶される。さらに、特別図柄変動時間には「5秒(2500カウント)」が選択され、変動時間カラムCLM7に「2500」が記憶されることにより設定されるようになっている。
また、大当たり判定結果がはずれであって、変動パターン乱数の値が「64750」であった場合、変動パターン番号には「3」〜「30」のうちの対応付けられた変動パターン番号(例えば「19」とする。なお、対応付けの詳細については省略する。)と特別図柄変動時間(例えば「28秒(14000カウント)」とする。)とが選択される。そして、前記同様、対応する保留記憶エリアM1〜M100の変動パターン番号カラムCLM6,変動時間カラムCLM7に、それぞれ「19」,「14000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態となるリーチ変動パターンである。
また、大当たり判定結果が大当たりであって、変動パターン乱数の値が「64750」であった場合、変動パターン番号には「31」〜「62」のうちの対応付けられた変動パターン番号(例えば「55」とする。)と特別図柄変動時間(例えば「46秒(23000カウント)」とする。)とが選択される。そして、前記同様、対応する保留記憶エリアM1〜M100の変動パターン番号カラムCLM6,変動時間カラムCLM7に、それぞれ「55」,「23000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態となるリーチ変動パターンである。大当たりの場合には変動パターンとして必ずリーチ変動パターンが選択される。
このように、大当たり判定の結果と、変動パターン乱数の値とによって、変動パターン番号および特別図柄変動時間が決定される。また、短縮変動が行われる場合には、先に設定された通常変動パターンが上書きされて、短縮変動パターンに差し替えられる。そして、決定された変動パターン番号は特別図柄指定コマンドに付加されて、サブ統合基板58に対して出力される。さらに、決定された特別図柄変動時間に基づいて、特別図柄の変動表示が行われる期間が制御されるようになっている。
次に、変動ストック情報記憶エリア5210について説明する。図11に示すように、変動ストック情報記憶エリア5210には、差替実行エリアQ0およびストック記憶エリアQ1〜Q100が設けられている。この変動ストック情報記憶エリア5210は、後述するメインルーチンの特別図柄処理(図12参照)において使用される。ストック記憶エリアQ1〜Q100には、特別図柄処理においてリーチ変動パターンが通常変動パターンに差し替えられ、リーチストックが行われることとなった場合に、差し替え前のリーチ変動パターンの変動パターン番号と特別図柄変動時間とが記憶される。このため、差替実行エリアQ0およびストック記憶エリアQ1〜Q100のそれぞれには、変動パターン番号カラムCLM8、変動時間カラムCLM9が設けられており、変動パターン番号、特別図柄変動時間の各値が記憶される。なお、変動ストック情報記憶エリア5210が、本発明における「リーチ変動態様記憶手段」に相当する。
リーチストックが行われる場合には、大当たり関係情報記憶エリア5205と同様に、ストック記憶エリアQ1〜Q100の中で、特別図柄処理において加減される変動ストック球数記憶エリア5211の値(変動ストック球数)に対応する番号の保留記憶エリアに、ストックされるリーチ変動パターンの変動パターン番号および特別図柄変動時間が記憶される。例えば、変動ストック球数が「3」であれば、ストック記憶エリアQ3に、通常変動パターンに差し替えられる前のリーチ変動パターンの変動パターン番号および特別図柄変動時間が記憶される。そして、ストックされたリーチ変動パターンが放出される際には、差替実行エリアQ0に記憶されているリーチ変動パターンの変動パターン番号および特別図柄変動時間の各値が、大当たり情報記憶エリア5205の変動パターン番号カラムCLM6および変動時間カラムCLM7へ上書きされることによって処理が行われる。この処理は、ストック記憶エリアQ1に記憶されている変動パターン番号が差替実行エリアQ0へシフトされてから行われる。また、ストック記憶エリアQ1が差替実行エリアQ0へシフトされたことに伴い、ストック記憶エリアQ2の値がストック記憶エリアQ1へ、ストック記憶エリアQ3の値がストック記憶エリアQ2へ、以下同様にすべてのストック記憶エリアの値が順にシフトされる。そして、ストック記憶エリアQ100の値がストック記憶エリアQ99へシフトされた後に、ストック記憶エリアQ100の値がクリアされる。ここで、大当たり関係205と同様に、ストック記憶エリアの数は100である。すなわち、変動ストック球数は100個まで記憶することができる。
この判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M100のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄第1乱数カラムCLM3、特別図柄第2乱数カラムCLM4、特別図柄第3乱数カラムCLM5、変動パターン番号カラムCLM6、変動時間カラムCLM7が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、特別図柄第1乱数、特別図柄第2乱数、特別図柄第3乱数、変動パターン番号、特別図柄変動時間の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が、特別図柄第1乱数カラムCLM3,特別図柄第2乱数カラムCLM4,特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5の値がそれぞれ記憶される。また、変動パターン番号カラムCLM6,変動時間カラムCLM7には変動パターン乱数の値に基づき決定される変動パターン番号,特別図柄変動時間(カウント値)がそれぞれ記憶される。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図1〜図11を参照しながら、図12〜図18に示すフローチャートに従って説明する。図12は、パチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのフローチャートである。図13,図14は、メインルーチンの中で行われる普通図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。図15〜図18は、メインルーチンの中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、パチンコ機1の動作の概略について説明する。遊技者が、図1に示す、パチンコ機1の発射ハンドル7を操作すると、図示外の発射機から遊技球が打ち出される。打ち出された遊技球は、図2に示す、ガイドレール3に沿って遊技領域4の上部に導かれ、遊技領域4内を遊技盤2の盤面に沿うように流下する。そのときに、多数設けられた障害釘等により、遊技球は様々な方向へと跳ねるようにして流下していく。そして、遊技盤2に設けられた各種入賞口やゲートへの遊技球の入賞を契機に、パチンコ機1での様々な遊技状態が生起される。
遊技球が普通図柄始動ゲート12に入賞した場合には、普通当たり判定が行われ、その判定結果の報知が普通図柄表示部24に表示される。その結果普通当たりとなれば、特別図柄始動電動役物15に設けられた開閉部材15a,15bが所定時間開放される。これにより、遊技球は、特別図柄始動電動役物15へと入賞しやすくなる。
遊技球が特別図柄始動電動役物15へと入賞した場合には大当たり判定が行われ、その判定結果の報知が特別図柄表示画面28に表示される。前述したように、本実施の形態では、大当たり判定の結果「大当たり」となると特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄が全て同じ図柄で停止されるように制御が行われる。そして、大当たり遊技状態へと移行され、大入賞口16の開放が行われる。大入賞口16は、遊技球が入賞しやすいように構成されており、大入賞口16に入賞する遊技球1個につき所定数の賞品球の払出が行われ、遊技者は、多数の遊技球を獲得することができる。
大当たり判定結果の報知の際に表示された特別図柄の数字が奇数であった場合、本実施の形態では確率変動当たりであり、大当たり遊技状態の終了後には高確率状態へと移行される。以降の大当たり判定では通常時よりも高い大当たり確率で判定が行われるので、「大当たり」となりやすい。また、特別図柄の数字が偶数である非確率変動当たりであった場合には、大当たり遊技状態の終了後には低確率状態へと移行され、以降の大当たり判定では通常時の大当たり確率で判定が行われる。
また、本実施の形態のパチンコ機1では、大当たり遊技状態の終了後、大当たり判定結果の報知が100回行われるまでの間、上記高確率状態もしくは低確率状態への移行とともに時短遊技状態へと移行される。時短遊技状態とは、普通図柄が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの間の時間を非時短遊技状態中と比べて短くなるようにした遊技状態である。普通当たり確率は3/4程度であり、時短遊技状態中に普通当たりとなった場合には、開閉部材15a,15bの開放が非時短遊技状態中と比べて長い時間行われるようになっている。また、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して賞品球が払い出されるため、特別図柄始動電動役物15へ遊技球を入賞させやすい時短遊技状態中には、手持ちの遊技球の減り具合を非時短遊技状態中に比べて抑えながら、大当たり判定の機会を得ることができるようになっている。
本実施の形態のパチンコ機1では、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより、上記各遊技状態への移行や動作の制御が行われる。制御プログラムのメインルーチンは、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込み信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチンは2ms毎に繰り返し実行されることになる。なお、パチンコ機1の電源切断時には、RAM52のチェックサムの計算や、例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われる。そして、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
図12に示すように、割込信号の感知によってメインルーチンが開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大当たり判定結果を報知する際に使用される特別図柄指定コマンド,全図柄停止コマンド、普通当たりの判定結果を報知する際に使用される普通図柄指定コマンド,普通図柄停止コマンド、大当たり遊技状態の際に使用される大当たり開始画面表示コマンド,大入賞口開放コマンド,大入賞口閉鎖コマンド,大当たり終了画面表示コマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメインルーチンにおいてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。なお、大入賞口開放コマンド,大入賞口閉鎖コマンドは、サブ統合基板58へ大入賞口16の開閉状態を伝達するためのコマンドであり、大入賞口16の開閉は、中継基板47を介した主基板41からの制御に基づき行われる。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17〜20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17〜20等の入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶される。
ところで、前述したように、スイッチ読込処理を行っているメインルーチンはCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。なお、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図7参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の各値が上記の所定量だけ加算され、普通図柄変動時間カウンタTC1、普通図柄停止時間カウンタTC2、開放時間カウンタTC3、特別図柄変動時間カウンタTC4、特別図柄停止時間カウンタTC5、意思確認時間カウンタTC6の各値が上記の所定量だけ減算される。なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。また、普通図柄変動時間カウンタTC1、普通図柄停止時間カウンタTC2、開放時間カウンタTC3、特別図柄変動時間カウンタTC4、特別図柄停止時間カウンタTC5、意思確認時間カウンタTC6の各値が「0」となった場合には、それぞれ、それ以上のカウント値の減算が行われないようにプログラムされている。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S15)でセットされる。そして、次のメインルーチンの実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。なお、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶される。さらに、時短遊技状態に移行されるようにするため、時短フラグに「1」が記憶される。
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、確率変動フラグのセットも行われる。停止図柄が確率変動図柄であった場合、すなわち大当たり関係情報記憶エリア5205の特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」である場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、すなわち特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「0」,「2」,「4」,「6」,「8」である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には確率変動フラグに「1」が記憶され、非確率変動図柄であった場合には「0」が記憶される。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S15)が行われる。この特別図柄処理では、図15〜図18に示すサブルーチンがコールされ、大当たりの判定、特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始および終了の指示等が行われる。なお、特別図柄処理の詳細については後述する。
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S16)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材15a,15bの開閉(普通当たり遊技状態としての動作)の制御が行われる。なお、普通当たりの判定および普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS17の普通図柄処理にて行われる。後述するが、普通当たりとなった場合には後述する普通図柄状態フラグに「3」が記憶されるので、普通電動役物処理ではこのフラグの確認が行われ、「3」である場合には開閉部材15a,15bを開放状態とし、それ以外の値である場合に開閉部材15a,15bの閉鎖状態とする制御が行われる。
次の普通図柄処理(S17)では、図13,図14に示すサブルーチンがコールされ、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート12への入賞を契機に、通常時には、普通図柄が、一例として30秒間変動表示され、1秒間の停止表示が行われた後に、普通当たりであれば0.5秒間、特別図柄始動電動役物15の開閉部材15a,15bが開放される。一方、時短遊技状態中であれば、普通図柄が、一例として5秒間変動表示され、1秒間の停止表示後に、普通当たりであれば3秒間、開閉部材15a,15bが開放されるように制御が行われる。なお、普通図柄処理の詳細については後述する。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S18)、次いでエラーチェックが行われる(S20)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、特別図柄表示装置8にエラー表示を行わせたり、LED62や電飾ランプ63を点灯・点滅させたり、スピーカ48からエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S21)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに、パチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時短情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から次の割込信号を受信すると、また最初から、メインルーチンが実行される。
次に、メインルーチンの普通図柄処理(S17)の詳細について、図13,図14に示すフローチャートを参照して説明する。まず、普通図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている時短フラグには、前述した時短遊技状態である場合に「1」が記憶され、そうでなければ「0」が記憶される。時短遊技状態は、本実施の形態では、大当たり遊技状態が終了した際に移行され、大当たり判定結果の報知が100回行われると終了する。このため、メインルーチンの特別電動役物処理(S13)において大当たり遊技状態の終了時に、時短フラグに「1」を記憶させる処理が行われる。そして、特別図柄処理(S15)において時短遊技状態中の大当たり判定結果の報知回数(時短回数)の計数が行われ、100回に達すると時短フラグに「0」が記憶される。普通図柄処理では、この時短フラグが参照され、判断処理における分岐が行われる。
また、普通図柄状態フラグには、普通図柄の変動表示が行われている場合には「1」、停止表示されている場合には「2」、普通当たりとなって特別図柄始動電動役物15の開閉部材15a,15bの開放が行われている場合には「3」が記憶され、上記いずれでもない場合には「0」が記憶されている。前述したように、メインルーチンの普通電動役物処理(S16)では、この普通図柄状態フラグが「3」であるか否かの確認が行われる。
図13に示すように、メインルーチンから普通図柄処理のサブルーチンがコールされると、まず、普通図柄始動ゲート12へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S100)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図12:S11)において、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグに「1」が記憶される。そこで、S100ではこの普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「1」であるか否かの判断がなされ、「1」でない場合には(S100:NO)、普通図柄始動ゲート12に遊技球は入賞していないので、そのままS105へ進む。
普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「1」である場合には(S100:YES)、普通図柄始動ゲート12に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、普通当たり関係情報記憶エリア5203に記憶されることとなる。しかし、乱数を取得して記憶することができる普通図柄作動保留球の数は4個である。そこで、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S101)。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」である場合には(S101:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS105へ進む。
普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S101:NO)、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に「1」が加算される(S102)。そして、普通当たり関係情報記憶エリア5203の保留記憶エリアN1〜N4のうち、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に対応する番号の保留記憶エリアに乱数が記憶される(S103)。具体的には、普通当たり判定カウンタLC1の値が普通当たり乱数として記憶される。なお、S103の乱数取得処理において乱数の取得を行うCPU51が、本発明における「第2乱数取得手段」に相当する。
以下の処理では、普通図柄表示部24に表示させる普通図柄の状態の制御に関する処理が行われる。まず、普通図柄表示部24に表示される普通図柄が変動表示中であるか否かの判断が行われる(S105)。普通図柄状態フラグが「1」でなく普通図柄が変動表示中でなければ(S105:NO)、次に普通図柄が停止表示中か否かの判断が行われる(S111)。普通図柄状態フラグが「2」でなく普通図柄が停止表示中でなければ(S111:NO)、次いで開閉部材15a,15bが開放中であるか否かの判断が行われる(S121)。そして、普通図柄状態フラグが「3」でなく開閉部材15a,15bが閉鎖されている場合には(S121:NO)、S130以降の普通当たり判定が行われる。
そこで、図14に示すように、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否か判断するため、普通図柄作動保留球数の確認が行われる(S130)。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「1」以上でなければ(S130:NO)、普通当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチンへ戻る。「1」以上であれば(S130:YES)、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「1」減算され(S131)、普通当たり関係情報記憶エリア5203に記憶されている値がシフトされる(S132)。すなわち、保留記憶エリアN1に記憶されている乱数が判定エリアN0へシフトされ、保留記憶エリアN2に記憶されている乱数が保留記憶エリアN1へシフトされ、保留記憶エリアN3に記憶されている乱数が保留記憶エリアN2へシフトされ、保留記憶エリアN4に記憶されている乱数が保留記憶エリアN3へシフトされ、保留記憶エリアN4の値がクリアされる。
次に、普通当たり判定が行われる(S133)。判定エリアN0にシフトされた普通当たり乱数の値が、普通当たり条件を満たすか否かの判定が行われる。普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値をとるので、普通当たり乱数も「0」から「255」までのいずれかの値をとる。そこで、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。普通当たりの場合には(S133:YES)、普通図柄表示部24に表示させる当たり図柄として「7」が決定される(S136)。また、はずれの場合には(S133:NO)、普通図柄表示部24に表示させるはずれ図柄として「−」が決定される(S135)。なお、S133の判断処理で、普通当たりか否かの判定を行うCPU51が、本発明における「普通当たり判定手段」に相当する。
次に、時短遊技状態中であるか否かの確認が行われる(S137)。前述したように、本実施の形態では、時短遊技状態中と非時短遊技状態中とでは普通図柄の変動表示を行う時間を異ならせている。時短フラグが「0」であり時短遊技状態中でない場合には(S137:NO)、普通図柄変動時間として30秒を設定するため、普通図柄変動時間カウンタTC1に、30秒に相当するカウント値(15000カウント)がセットされる(S138)。一方、時短フラグが「1」であり時短遊技状態中である場合には(S137:YES)、普通図柄変動時間として5秒を設定するため、普通図柄変動時間カウンタTC1に、5秒に相当するカウント値(2500カウント)がセットされる(S150)。
そして、普通図柄の変動表示を開始させるための普通図柄指定コマンドにコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S151)。S135,S136の処理で決定された停止図柄は、この普通図柄指定コマンドとともにサブ統合基板58へ伝達される。さらに、普通図柄状態フラグに普通図柄が変動表示中であることを示す「1」が記憶され(S152)、普通図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。図12に示すメインルーチンに戻ると、その回のメインルーチンの処理では既にコマンド出力処理が終了しているので、普通図柄指定コマンドは、次回以降のメインルーチンの実施の際にサブ統合基板58へ出力される。サブ統合基板58では普通図柄指定コマンドを受信すると、図柄表示基板44へコマンドを送信して普通図柄表示部24への普通図柄の変動表示を開始させる。
次回以降に普通図柄処理のサブルーチンがコールされたときには普通図柄状態フラグに「1」が記憶されていることから、図13に示すS105の判断処理で普通図柄が変動表示中であると判断される(S105:YES)。すると、S138またはS150の処理で設定された普通図柄変動時間が経過したか否かの確認が行われる(S106)。普通図柄変動時間カウンタTC1に設定された普通図柄変動時間の初期値(カウント値)は、メインルーチンのカウンタ更新処理(S12)が実施される毎に1カウントずつ減算される。よって、普通図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなければ(S106:NO)、普通図柄はまだ変動表示中であるとして、普通図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
メインルーチンの処理が2ms毎に繰り返し実施され、その実施の度に減算される普通図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となると(S106:YES)、普通図柄の変動表示を終了し、普通図柄の停止表示を行わせるための普通図柄停止コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S107)。次いで、普通図柄停止時間カウンタTC2に、本実施の形態では普通図柄の停止表示を行う時間としての1秒間に相当するカウント値(500カウント)がセットされる(S108)。さらに、普通図柄状態フラグに普通図柄が停止表示中であることを示す「2」が記憶され(S110)、普通図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。そして、前記同様、次回以降のメインルーチンの実施の際に、普通図柄停止コマンドがサブ統合基板58へ出力され、S135またはS136の処理で決定された停止図柄が普通図柄表示部24に表示される。なお、S151やS107の処理で普通図柄の変動表示や停止表示を行うための制御コマンドが出力されるように処理を行うCPU51が、本発明における「普通図柄表示制御手段」に相当する。
次回以降の普通図柄処理では普通図柄状態フラグに「2」が記憶されていることから、S111の判断処理で普通図柄が停止表示中であると判断される(S111:YES)。前記同様、セットされた普通図柄停止時間が経過しないうちは普通図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でないので(S112:NO)、普通図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。そして、普通図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」となって普通図柄停止時間が経過すると(S112:YES)、再度、判定エリアN0に記憶されている普通当たり乱数の値が参照され、普通当たりであるか否かの確認が行われる(S113)。はずれであれば(S113:NO)、普通図柄状態フラグに「0」が記憶され(S115)、普通図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。これにより、次回以降の普通図柄処理では、次の遊技球に関する普通当たり判定が行われる(S105:NO,S111:NO,S121:NO)。
一方、S113の判断処理で、普通当たりであることが確認された場合には(S113:YES)、特別図柄始動電動役物15の開閉部材15a,15bの開放を行うための処理が行われる。前述したように、本実施の形態では、時短遊技状態中と非時短遊技状態中とでは開閉部材15a,15bの開放時間を異ならせているため、まず、時短フラグが参照される(S116)。そして、時短フラグが「0」であって時短遊技状態中でなければ(S116:NO)、開放時間として0.5秒を設定するため、開放時間カウンタTC3に0.5秒に相当するカウント値(250カウント)がセットされる(S117)。一方、時短フラグが「1」であって時短遊技状態中である場合には(S116:YES)、開放時間として3秒を設定するため、開放時間カウンタTC3に3秒に相当するカウント値(1500カウント)がセットされる(S118)。さらに、普通図柄状態フラグに開閉部材15a,15bが開放中であることを示す「3」が記憶され(S120)、普通図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。そして、図12に示すように、次回に実施されるメインルーチンの普通電動役物処理(S13)において、普通図柄状態フラグが「3」となっていることから電動役物開放ソレノイド71が駆動されて、開閉部材15a,15bが開放される。なお、S116やS137の処理で時短フラグの状態を確認し、それに基づき普通図柄変動時間や開放時間を異ならせるように制御を行うCPU51が、本発明における「時短遊技状態制御手段」に相当する。
図13に示すように、次回以降の普通図柄処理では、開閉部材15a,15bの開放中には普通図柄状態フラグに「3」が記憶されていることから(S121:YES)、S117またはS118の処理で設定された開放時間が経過したか否かの確認が行われる(S122)。開放時間が経過しないうちは開放時間カウンタTC3の値が「0」でないので(S122:NO)、普通図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。そして、開放時間カウンタTC3の値が「0」となって開放時間が経過すると(S122:YES)、普通図柄状態フラグに「0」が記憶され(S123)、普通図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。これにより、図12に示すように、次回に実施されるメインルーチンの普通電動役物処理(S13)において、普通図柄状態フラグが「3」でないことから電動役物開放ソレノイド71が駆動されて、開閉部材15a,15bが閉鎖される。また、普通図柄処理(S17)では、普通図柄状態フラグが「0」であることから、次の遊技球に関する普通当たり判定が行われる(S105:NO,S111:NO,S121:NO)。
このように、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞を契機に普通当たり判定が行われ、普通当たりの場合には、特別図柄始動電動役物15の開閉部材15a,15bが開放される。開閉部材15a,15bの開放時には遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞しやすくなるので、遊技者は、大当たり判定が行われる機会を増やすことができる。そして、大当たり遊技状態の終了後に移行される時短遊技状態中であれば、上記したように普通当たり判定結果の報知が頻繁に行われ、また、開閉部材15a,15bの開放時間も長くなることから、非時短遊技状態中と比べさらに、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなる。
ある遊技球に基づく大当たり判定結果の報知中に、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞した場合、その遊技球について取得された乱数について行われる大当たり判定結果の報知は、先に行われている大当たり判定結果の報知が終了するまで行われない。このため、その遊技球について取得された乱数は記憶され、この遊技球に係る特別図柄の作動が保留される。この保留された遊技球、すなわち、特別図柄作動保留球に係る記憶は、本実施の形態では100個まで記憶することができる。しかし、1回の大当たり判定結果の報知の間に特別図柄始動電動役物15へ入賞する遊技球が多ければ、特別図柄作動保留球数が容易に100個に達してしまう場合があり、それ以後に特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球については大当たり判定が行われないこととなる。特に、上記のように遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすい時短遊技状態中には、そのような状況が発生しやすくなる。
ところで、通常時の特別図柄始動電動役物15への入賞は容易ではないため、一般的に、特別図柄始動電動役物15へ入賞することに対する価値基準は高い。時短遊技状態中は特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞がしやすい状況であるとはいえ、せっかく入賞しても大当たり判定に絡まないのであれば、遊技者にとって、その入賞球は無駄球に感じられてしまう。このため、少しでも無駄球を減らそうと、特別図柄作動保留球が100個、あるいはそれに近い個数となった時点で、遊技者が遊技球の打ち出しを止めてしまうことが多い。遊技場経営者からすると遊技機の稼働量が売り上げに直結するため、遊技者が遊技球の打ち出しを止めずに遊技を行うことが好ましい。
また、時短遊技状態は、本実施の形態では大当たり判定結果の報知が100回行われると終了する。それ以降の特別図柄始動電動役物15への入賞は容易でなくなるため、時短遊技状態の終了時に特別図柄作動保留球が多ければ多いほど、遊技者は、それ以後の遊技で大当たり判定の結果の報知が行われる機会をより多く得ることができる。
このようなパチンコ機で遊技者が有利となるように遊技を行うには、時短遊技状態の序盤や中盤において、打ち出しする遊技球の数を調整して特別図柄作動保留球数があまり増えないようにし、終盤において特別図柄作動保留球数がほぼ上限の100個近く保留されるように維持する必要がある。しかし、序盤や中盤において、必ずしも特別図柄作動保留球数が増加しない場合もある。例えば、短縮変動パターンによる大当たり判定結果の報知が連続して行われた場合である。
前述したように、本実施の形態では、大当たり判定結果の際の特別図柄の変動パターンには、62種類ある変動パターンそれぞれにほぼ異なった特別図柄変動時間が設定されている(図10参照)。変動パターンとして長時間の特別図柄変動時間のもの(例えばリーチ変動パターン)が選択され大当たり判定結果の報知が行われた場合、1回の大当たり判定結果の報知の間に特別図柄始動電動役物15へ入賞する遊技球の入賞数は増加するが、短時間のもの(例えば短縮変動パターンや通常変動パターン)が選択された場合には、例え時短遊技状態中といえども特別図柄始動電動役物15への入賞数が減少する場合がある。そして、短縮変動パターンや通常変動パターンによる大当たり判定結果の報知が連続して発生するなどして、特別図柄作動保留球数がゼロとなり大当たり判定結果の報知が連続して行われない状況となってしまうと、遊技者の遊技意欲が失われてしまうことがある。
そこで、本実施の形態のパチンコ機1では、大当たり判定結果の報知が行われている最中に特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞したときに、その遊技球について取得された乱数から選択される変動パターンがリーチ変動パターンであった場合に、これを通常変動パターンと差し替えてリーチストックすることができる。これにより、遊技球の打ち出しを連続して行っても特別図柄作動保留球数があまり増えないようにすることができ、特別図柄作動保留球数が容易にその上限近くの個数に達しない。
さらに、変動パターンとして通常変動パターンが選択された場合に、遊技者の指示によって、ストックしたリーチ変動パターンとその変動パターンとを差し替えて放出し、リーチ変動パターンによる大当たり判定結果の報知が行うことができる。これにより、特別図柄作動保留球数が減少した場合にリーチ変動パターンによる大当たり判定結果の報知を行って、特別図柄作動保留球数を増加させる機会を得ることができる。そして、時短遊技状態の終盤においてストックされたリーチ変動パターンを連続して放出させることもでき、このようにすれば、時短遊技状態の終了時に特別図柄作動保留球数を一気に上限まで貯めることも可能となる。
本実施の形態のパチンコ機1では、このようなリーチストックと、ストックされたリーチ変動パターンの放出とを実現するための制御を、特別図柄処理において行っている。また、特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力等も行われる。以下、メインルーチン処理の特別図柄処理(S15)の詳細について、図15〜図18に示すフローチャートを参照して説明する。
初めに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている表示状態フラグには、特別図柄表示部L1〜L3が変動している場合(変動表示中)には「1」、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動表示中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」が記憶されている。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には「1」が記憶され、そうでない場合には「0」が記憶される。なお、特別図柄処理(S15)において、大当たり判定の結果「大当たり」となると、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されるが、大当たり遊技状態フラグへの「0」の記憶は、大当たり遊技状態の終了時に特別電動役物処理(S13)において行われる。また、意思確認フラグは、遊技者にリーチストックを行うか否かの問い合わせを行う際に使用されるフラグであり、問い合わせの返答待ちである場合に「1」が記憶され、そうでない場合には「0」が記憶される。そして前述したように、確率変動フラグには、大当たり遊技状態の終了の際に特別電動役物処理においてフラグのオン・オフが行われ、低確率状態へ移行される場合には「0」が、高確率状態へ移行される場合には「1」が記憶される。
図15に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S200)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図12:S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72によって遊技球の入賞が検出された場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグに「1」が記憶されている。そこで、S200ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「1」であるか否かの判断がなされ、「1」でない場合には(S200:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS208へ進む。
始動口スイッチ72に対応するフラグが「1」であった場合には(S200:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、前述したように、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は100個である。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」であるか否かの判断が行われる(S201)。そして、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」である場合には(S201:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS208へ進む。
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」でない場合、すなわち「0」〜「99」のいずれかである場合には(S201:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S202)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の保留記憶エリアM1〜M100のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の保留記憶エリア(以下、「現行の保留記憶エリア」という。)に乱数が記憶される(S203)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として記憶される。変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が変動パターン乱数として記憶される。特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が特別図柄第1乱数として記憶される。特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が特別図柄第2乱数として記憶される。特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値が特別図柄第3乱数として記憶される。なお、S203の乱数取得処理で乱数の取得を行うCPU51が、本発明における「第1乱数取得手段」に相当する。
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンが決定される(S205〜S207)。まず、取得した大当たり乱数、すなわち、現行の保留記憶エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S205)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、確率変動フラグに「1」が記憶され高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
大当たりであると判定された場合には(S205:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理が行われる(S206)。変動パターンテーブル(図10参照)が参照され、変動パターン乱数(現行の保留記憶エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応した大当たりである場合の変動パターン番号(「31」〜「62」のいずれか)が選択される。そして、選択された変動パターン番号が、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM6に記憶される。同様に、変動パターンテーブルより選択された特別図柄変動時間のカウント値が、現行の保留記憶エリアの変動時間カラムCLM7に記憶される。その後、S208へ進む。
一方、大当たりでない場合には(S205:NO)、はずれ時の変動パターン決定処理が行われる(S207)。大当たり時と同様に変動パターンテーブル(図10参照)が参照され、変動パターン乱数(現行の保留記憶エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応したはずれである場合の変動パターン番号(「2」〜「30」のいずれか)が選択される。そして、選択された変動パターン番号が、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM6に記憶される。同様に、変動パターンテーブルより選択された特別図柄変動時間のカウント値が、現行の保留記憶エリアの変動時間カラムCLM7に記憶される。その後、S208へ進む。なお、S205の判断処理で、大当たりか否かの判定を行うCPU51が、本発明における「大当たり判定手段」に相当する。また、S206,S207の処理で、変動パターン番号を決定するCPU51が、本発明における「変動態様決定手段」に相当する。
次に、大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S208)。大当たり遊技状態である場合には、リーチストックに関する処理や、大当たり判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されていれば(S208:YES)、大当たり遊技状態であるので、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されていない場合には(S208:NO)、大当たり遊技状態でないので、図16に示すS220〜S252の処理が行われ、リーチストックに関する処理が行われる。まず、意思確認フラグが「1」であるか否かの確認が行われる(S220)。本実施の形態では、リーチストックを行うことが可能な場合には、オートボタン80が押された状態でない限り遊技者に対してストックを行うか否かの確認が行われる。そして遊技者は、ストックボタン81を押すことで、ストックを行うことが指示できるようになっている。このため、遊技者がストックボタン81を押さずに放置した場合に遊技の進行が停止されることがないように、所定時間ストックボタン81が押されなかった場合にはリーチストックがなされないような制御が行われている。すなわち、遊技者にリーチストックを行うか否かの確認が行われているときには、意思確認フラグに「1」が記憶されている。
意思確認フラグが「0」の場合には(S220:NO)、分別済作動保留球数と特別図柄作動保留球数とが同じ数であるかの確認が行われる(S221)。本実施の形態では、分別済作動保留球数記憶エリア5209の値によって、大当たり関係情報記憶エリア5205の各保留情報記憶エリアのうち、リーチストックを行うか否かの分別が現在行われている保留記憶エリア(以下、「分別中の保留記憶エリア」という。)の番号が示されるようになっている。これは、遊技者に対してリーチストックを行うか否かの確認が行われているときなどに特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞した場合、現行の保留記憶エリアと分別中の保留記憶エリアとの間に差異が生ずるためである。分別済作動保留球数によって、特別図柄作動保留球のうち、どの遊技球までがリーチストックを行うか否かの分別が済んだかが把握され、これにより、すべての特別図柄作動保留球に対してリーチストックの分別を行う機会が与えられることとなる。
特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞していない場合や、入賞したすべての遊技球に対しリーチストックに関する処理が済んでいる場合には、分別済作動保留球数と特別図柄作動保留球数とが同数となるように、分別済作動保留球数に対してS222の処理で加算やS301の処理で減算が行われる。よって、分別済作動保留球数と特別図柄作動保留球数とが同数の場合にはリーチストックに関する処理は継続されず(S221:YES)、S261へ進む。しかし、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞によって特別図柄作動保留球数のみが加算(S202)されると、両者は同数とならず(S221:NO)、分別済作動保留球数記憶エリア5209の値に「1」を加算する処理が行われる(S222)。
次に、変動ストック球数記憶エリア5211の値が参照され、変動ストック球数が「100」となっていないか確認が行われる(S223)。この判断処理は変動ストック情報記憶エリア5210のストック記憶エリアの最大数を越えてリーチストックが行われることがないように設けられた判断処理である。変動ストック球数が100個に達すれば(S223:YES)、リーチストックに関する処理は継続されずにS261へ進む。
変動ストック球数が100個未満であれば(S223:NO)、次に時短フラグが「1」であるか確認が行われる(S225)。本実施の形態では、リーチストックを時短遊技状態中に行うようにするため、この判断処理を設けている。時短遊技状態中でなければ(S225:NO)、S261に進み、リーチストックに関する処理は継続されない。時短遊技状態中であれば(S225:YES)、次に、分別済作動保留球数記憶エリア5209の値が参照され、分別済作動保留球数が「1」であるか確認が行われる(S226)。S226の処理は、S201,S202の処理を経て行われるので、特別図柄作動保留球数は「1」〜「100」のいずれかの値となっている。この特別図柄作動保留球数と連動してS222の処理を経る分別済作動保留球数もまた「1」〜「100」のいずれかの値となっている。したがって、分別済作動保留球数が「1」である場合とは、特別図柄作動保留球数が「0」のときに特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞した場合となる。ところで、遊技者にリーチストックを行うか否かの確認を行うためには、少なくともその確認が終了してからでなければ特別図柄の変動表示を開始することができない。このため、遊技球の入賞後、直ちに特別図柄の変動表示を開始する必要がある場合には、リーチストックを行うか否かの確認を行うために必要な時間があるかないか確認するための処理を、S226,S227で行っている。すなわち、分別済作動保留球数が「2」〜「100」であって、リーチストックを行うか否かの確認を行う分別中の保留記憶エリアの記憶内容が使用されるまでにまだ時間がある場合には(S226:NO)、S228の処理へ進む。また、特別図柄作動保留球数が「1」であり(S226:YES)、かつ、表示状態フラグが「1」であって変動表示中である場合(S227:YES)、リーチストックを行うか否かの確認を行うための時間として少なくとも特別図柄停止時間分は確保することができるので、S228へ進む。しかし、表示状態フラグが「0」または「2」であれば(S227:NO)、リーチストックに関する処理は継続されずにS261へ進む。
リーチストックに関する処理が継続される場合には、分別中の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM8が参照され、記憶されている変動パターン番号が「3」〜「62」のリーチ変動パターンが記憶されているか確認が行われる(S228)。このとき、変動パターン番号が「2」で通常変動パターンであった場合には(S228:NO)、リーチストックに関する処理は継続されずにS261へ進む。
変動パターンがリーチ変動パターンであった場合には(S228:YES)、オートボタン80の状態が確認され(S230)、オートボタン80が押されている状態であれば(S230:YES)、S237へ進むことによって、リーチストックが行われる。オートボタン80が押されていなければ(S230:NO)、S231〜S235の処理を行って、遊技者にリーチストックを行うか否かについての問い合わせを行うこととなる。まず、意思確認時間カウンタTC6にカウント値の初期値として、例えば3秒に相当するカウント値(1500カウント)が記憶される(S231)。
次に、コマンド関係記憶エリア5207に意思確認コマンドが記憶される(S232)。意思確認コマンドは、次の回のメインルーチンのコマンド出力処理(S10)においてサブ統合基板58へ送信されるが、このコマンドに基づいて、特別図柄表示装置8の画面上の任意の位置に、例えば「入賞球がリーチ変動パターンに当選しました。ストックしますか?」等のメッセージが表示されることとなる。さらに、意思表示フラグに「1」が記憶される(S233)。
遊技者は、メッセージに基づいて、リーチストックを行うか否かを任意に選択することが可能である。リーチストックを行う場合の指示は、ストックボタン81を押すことによって行うことができる。まだストックボタン81が押されず、リーチストックが行われない場合には(S235:NO)、意思確認時間カウンタTC6の値が参照される(S236)。セットされた意思確認時間が経過しないうちは(S236:NO)、以降のリーチストックに関する処理は行われずにS261へ進む。このとき、意思表示フラグには「1」が記憶されているので、次回以降のリーチストックに関する処理では新たな遊技球に関する処理が行われることなく、ストックボタン81の状態の確認が行われる(S220:YES,S235)。
そして、遊技者が、ストックボタン81を押さないまま意思確認時間が経過すれば(S236:YES)、リーチストックは行われず、意思確認フラグに「0」が記憶されて、次の遊技球に関する処理が行われるように設定される(S252)。しかし、意思確認時間が経過する前に遊技者がストックボタン81を押した場合には(S235:YES)、S237に進み、分別中の保留記憶エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値が参照され、記憶されている大当たり乱数が上記した大当たりの条件を満たすか否か、再度確認が行われる(S237)。なお、この処理は、分別中の保留記憶エリアに記憶された変動パターン番号が「31」〜「62」の大当たり時の変動パターン番号であるか否かを確認することによって行われてもよい。
分別中の保留記憶エリアに記憶された大当たり乱数が大当たりの条件を満たさなければ(S237:NO)、リーチストック処理が行われる(S238)。このリーチストック処理では、分別中の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM6と変動時間カラムCLM7とのそれぞれに記憶された変動パターン番号と特別図柄変動時間とが、変動ストック情報記憶エリア5210のストック記憶エリアQ1〜Q100のうち、変動ストック球数記憶エリア5211の値に対応する番号のストック記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM8と変動時間カラムCLM9とのそれぞれに記憶される。
次いで、分別中の保留記憶エリアには、ストックされたリーチ変動パターンに差し替えて通常変動パターンが記憶される(S250)。すなわち、分別中の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM6と変動時間カラムCLM7とのそれぞれに、通常変動パターンの変動パターン番号「2」と、その特別図柄変動時間のカウント値(5000カウント)が上書き記憶される。そして、変動ストック球数記憶エリア5211の値に「1」が加算される(S251)。さらに、意思確認フラグに「0」が記憶され(S252)、次の遊技球に関する処理が行われるように設定されて、S261へ進む。なお、S250の処理で、リーチ変動パターンを通常変動パターンへ差し替えるCPU51が、本発明における「通常変動態様差替手段」に相当する。
なお、S237の処理で、分別中の保留記憶エリアに記憶された大当たり乱数が大当たりの条件を満たしていた場合(S237:YES)、S238〜S251の処理が行われずに、意思確認フラグに「0」が記憶される(S252)。すなわち、遊技者がストックボタン81を押したにもかかわらずリーチストックが行われず、変動ストック球数は加算されない。これにより、遊技者は、特別図柄作動保留球中に大当たりが含まれることに気付く機会を得ることができ、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
次に、図17に示すように、特別図柄表示部L1〜L3の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグに基づき特別図柄表示部L1〜L3が変動表示中であるか否かの判断が行われる(S261)。表示状態フラグが「1」でなく、変動表示中でない場合には(S261:NO)、表示状態フラグに基づき停止表示中であるか否かの判断が行われる(S267)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でない場合には(S267:NO)、特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われる。
そこで、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S281)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S281:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S281:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、図18に示すように、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S300)。さらに、分別済作動保留球数記憶エリア5209の値も「1」減算される(S301)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されている値がシフトされる(S302)。すなわち、保留記憶エリアM1に記憶されている乱数が判定エリアM0へシフトされる。また、保留記憶エリアM1が判定エリアM0へシフトされたことに伴い、保留記憶エリアM2の値が保留記憶エリアM1へ、保留記憶エリアM3の値が保留記憶エリアM2へ、以下同様にすべての保留記憶エリアの値が順にシフトされる。そして、保留記憶エリアM100の値が保留記憶エリアM99へシフトされた後に、保留記憶エリアM100の値がクリアされる。
次いで、時短フラグが「1」であるか確認が行われる(S303)。本実施の形態では、ストックされたリーチ変動パターンの放出を行う場合についても時短遊技状態中に行うようにするため、この判断処理を設けている。時短フラグが「1」でなければ(S303:NO)、ストック放出のための処理(S305〜S311)は行われず、S312へ進む。
時短遊技状態中であって時短フラグが「1」であった場合には(S303:YES)、変動ストック球数記憶エリア5211の値が参照される(S305)。そして、変動ストック球数が「0」である場合には(S305:YES)、ストックされているリーチ変動パターンはないのでS312へ進む。ストックされたリーチ変動パターンがある場合には(S305:NO)、次に放出ボタン82の状態が確認される(S306)。利用者によって放出ボタン82が押されていなければ(S306:NO)、ストック放出を行わないのでS312へ進む。利用者が放出ボタン82を押してストックされたリーチ変動パターンの放出を行うように指示した場合(S306:YES)、判定エリアM0の変動パターン番号カラムCLM6が参照され、記憶されている変動パターン番号が「3」〜「62」のいずれか、すなわち、リーチ変動パターンであるか否かの確認が行われる(S307)。
大当たりの場合のリーチ変動パターンや、利用者がリーチストックを行わなかったリーチ変動パターンは、通常変動パターンへの差し替えが行われずに大当たり関係情報記憶エリア5205に保存されている。これが判定エリアM0へシフトされた場合には、ストック放出が指示されても放出は行わない。このため、判定エリアM0へシフトされた変動パターン番号がリーチ変動パターンを示す番号であった場合には(S307:YES)、S312へ進む。
そして、判定エリアM0の変動パターン番号が通常変動パターンを示す番号であった場合には(S307:NO)、ストック放出が行われる。まず、変動ストック情報記憶エリア5210に記憶されている値がシフトされる(S308)。すなわち、ストック記憶エリアQ1に記憶されている乱数が差替実行エリアQ0へシフトされる。また、ストック記憶エリアQ1が差替実行エリアQ0へシフトされたことに伴い、ストック記憶エリアQ2の値がストック記憶エリアQ1へ、ストック記憶エリアQ3の値がストック記憶エリアQ2へ、以下同様にすべてのストック記憶エリアの値が順にシフトされる。そして、ストック記憶エリアQ100の値がストック記憶エリアQ99へシフトされた後に、ストック記憶エリアQ100の値がクリアされる。これにともない、変動ストック球数記憶エリア5211の値が「1」減算される(S310)。
さらに、判定エリアM0の変動パターン番号カラムCLM6と変動時間カラムCLM7とのそれぞれに記憶されている通常変動パターンの変動パターン番号と特別図柄変動時間とが、差替実行エリアQ0の変動パターン番号カラムCLM8と変動時間カラムCLM9とのそれぞれに記憶されているリーチ変動パターンの変動パターン番号と特別図柄変動時間とによって上書きされ、変動パターンの差し替えが行われる(S311)。なお、S311の処理で、通常変動パターンをリーチ変動パターンへ差し替えるCPU51が、本発明における「リーチ変動態様差替手段」に相当する。
上記のようにストックの放出が行われる場合や、行われない場合のいずれの場合においても、次のS312の処理では、変動パターン番号に基づく特別図柄の停止図柄決定処理(S312)が行われる。判定エリアM0の変動パターン番号が参照され、「31」〜「62」であれば大当たりとするために、特別図柄表示部L1〜L3に表示する図柄をすべて同じ図柄にする処理が行われる。そこで、現行の保留記憶エリアの特別図柄第1乱数の値が、特別図柄第2乱数および特別図柄第3乱数に上書きされて記憶される。
また、変動パターン番号が「2」〜「30」の場合には、はずれとするために、特別図柄表示部L1〜L3に表示する図柄のすべてが同じ図柄とならないようにする処理が行われる。ここで、変動パターン決定処理で決定された変動パターンがリーチ変動パターンである場合、すなわち、変動パターン番号が「3」〜「30」のいずれかである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とに同じ図柄を表示させ、特別図柄表示部L3のみに異なる図柄を表示させるための処理が行われる。そこで、現行の保留記憶エリアの特別図柄第1乱数の値が特別図柄第2乱数に上書きして記憶される。なお、ここで特別図柄第1乱数の値と特別図柄第3乱数の値とが同じになってしまった場合には、例えば「1」が加算あるいは減算され、特別図柄第3乱数の値が変更される。また、変動パターンが通常変動パターンである場合、すなわち、変動パターン番号が「2」である場合には、特別図柄表示部L1〜部L3に表示させる図柄をすべて異ならせるための処理が行われる。そこで、特別図柄第1乱数の値と、特別図柄第2乱数の値と、特別図柄第3乱数の値との中で同じ値がある場合には異なる値となるように、いずれかの値が変更される。
次いで、短縮変動を行うか否かが確認される(S313)。前述したように、短縮変動は、特別図柄作動保留球数が、例えば3個以上であって通常変動パターンが選択された場合に行われる。したがって、この条件が満たされていなければ(S313:NO)、短縮変動は行われずにS316へ進む。しかし、判定エリアM0の変動パターン番号が「2」であって、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「3」以上であれば(S313:YES)、短縮変動パターン差替処理が行われる(S315)。すなわち、判定エリアM0の変動パターン番号カラムCLM6と変動時間カラムCLM7とのそれぞれに、短縮変動パターンの変動パターン番号「1」と、その特別図柄変動時間のカウント値(2500カウント)が上書き記憶される。
そして、コマンド関係記憶エリア5207に特別図柄指定コマンドが記憶される(S316)。特別図柄指定コマンドでは、判定エリアM0の特別図柄第1〜第3乱数の値がサブ統合基板58へ伝達される。この特別図柄指定コマンドには、判定エリアM0の変動パターン番号も付加される。サブ統合基板58では、この特別図柄指定コマンドの受信を契機に、特別図柄の変動表示を開始するための制御が行われる。
さらに、判定エリアM0の特別図柄変動時間(カウント値)が、特別図柄変動時間カウンタTC4にセットされる(S317)。そして、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が変動表示中であることを示す「1」が記憶され(S318)、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
このようにして特別図柄の変動表示が開始されたパチンコ機1では、図17に示すS261において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が変動表示中であると判断される(S261:YES)。すると、特別図柄変動時間カウンタTC4の値が参照されることによって特別図柄変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S262)。特別図柄変動時間カウンタTC4の値が「0」でなく、特別図柄変動時間がまだ経過していない場合には(S262:NO)、特別図柄表示部L1〜L3では引き続き変動表示が継続される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
変動パターンごとに異なるように設定されている特別図柄変動時間が経過し、特別図柄変動時間カウンタTC4の値が「0」となった場合には(S262:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S263)。さらに、所定の特別図柄停止時間(例えば、4秒)が特別図柄停止時間カウンタTC5に記憶され(S265)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S266)。そして、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。なお、S316やS263の処理で特別図柄の変動表示や停止表示を行うための制御コマンドが出力されるように処理を行うCPU51が、本発明における「特別図柄表示制御手段」に相当する。
次回以降の特別図柄処理では、S267において表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であると判断される(S267:YES)。すると、特別図柄停止時間カウンタTC5の値が参照され、特別図柄停止時間が経過したか否かの判断が行われる(S268)。特別図柄停止時間カウンタTC5の値が「0」でなく、特別図柄停止時間がまだ経過していない場合には(S268:NO)、特別図柄表示部L1〜L3には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
S265でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC5の値がカウンタ更新処理において減算され、「0」となった場合には、特別図柄停止時間が経過したので(S268:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中でも変動表示中でもないことを示す「0」が記憶される(S270)。そして、判定エリアM0の特別図柄第1乱数、特別図柄第2乱数、特別図柄第3乱数の値が参照され、これらのうちいずれか一つでも異なる値のものがあれば、大当たりではないと判断される(S271:NO)。時短フラグが「1」でなく時短遊技状態中でなければ(S273:NO)、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。時短遊技状態中である場合には(S273:YES)、時短回数記憶エリア5212の値に「1」が加算され(S275)、まだ時短回数が100回に満たなければ(S276:NO)、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。なお、S275の処理で、大当たり判定結果の報知(特別図柄の停止表示)が行われる毎に時短回数を加算して計数するCPU51が、本発明における「計数手段」に相当する。
時短回数が100回となり、時短遊技状態終了の条件を満たせば(S276:YES)、時短フラグに「0」が記憶され時短遊技状態が終了される(S277)。さらに、次回の時短遊技状態に備えて時短回数記憶エリア5212の値が「0」にリセットされる(S278)。また、ストックのリセットが行われる(S280)。すなわち、変動ストック情報記憶エリア5210の値がすべて消去され、変動ストック球数記憶エリア5211に「0」が記憶される。さらに、分別済作動保留球数記憶エリア5209に「0」が記憶される。そして、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。なお、S276の判断処理で、時短回数が所定回数(例えば100回)に達したか否かの判断を行うCPU51が、本発明における「時短遊技状態終了判断手段」に相当する。また、S280の処理で、変動ストック情報記憶エリア5210の値を消去するCPU51が、本発明における「差替記憶消去手段」に相当する。
なお、S271の判断処理において、特別図柄第1乱数、特別図柄第2乱数、特別図柄第3乱数の値が全て等しく、大当たりである場合には(S271:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶される(S272)。この場合にもS277へ進み、時短遊技状態中であれば終了され、ストックがリセットされる。なお、S280の処理で分別済作動保留球数が「0」に設定されることにより、大当たり終了後に、すでに保留されている分の特別図柄作動保留球については、再度、リーチストックを行うか否か確認が行われることとなる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1では、大当たり遊技状態の終了後に移行される時短遊技状態中において行われる大当たり判定結果の報知の際の特別図柄の変動パターンとしてリーチ変動パターンが決定された場合、そのリーチ変動パターンをストックして通常変動パターンに差し替えることができる。そして、ストックされたリーチ変動パターンは、時短遊技状態中であれば、遊技者が任意のタイミングに放出することができる。これにより、遊技者の操作に基づいて、時短遊技状態中に特別図柄作動保留球数を、その保留可能な上限に達しにくくさせることができ、また、時短遊技状態の終盤においてストックされたリーチ変動パターンを放出すれば、特別図柄作動保留球数を容易に上限近くに増やすことができる。すなわち、遊技者の操作に基づき、遊技をより有利な展開へと導くことができるので、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、S237の判断処理で分別中の保留記憶エリアに記憶された大当たり乱数が大当たりの条件を満たしていた場合に(S237:YES)、S251に進み、リーチストックは行わずに変動ストック球数の加算のみを行ってもよい(S251)。このようにすれば、遊技者に、特別図柄作動保留球中に大当たりが含まれることに気付かせることなく、ストックしたはずのリーチ変動パターンによる演出が開始されて初めて大当たりが含まれていたことに気付かせることができ、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。
また、本実施の形態では、時短遊技状態中にリーチストックを行うことが可能となり、大当たりとならずに時短遊技状態が終了すれば、ストックされたリーチ変動パターンがクリアされる。遊技者が有利となるように遊技を行うには、時短遊技状態の序盤や中盤に発生したリーチ変動パターンはストックし、特別図柄作動保留球数が上限に達しないように調整し、終盤において連続してそのストックを放出させて、特別図柄作動保留球数がほぼ上限の100個近く保留された状態で時短遊技状態の終了となるようにすればよい。そのためには、図19に示すように、時短遊技状態中に、特別図柄表示画面28のインジケータ部I1に、時短回数記憶エリア5212に記憶された時短回数(図中、「時短残り回数」として表示)と、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206に記憶された特別図柄作動保留球数(図中、「保留球数」として表示)と、変動ストック球数記憶エリア5211に記憶された変動ストック球数(図中、「リーチストック数」として表示)とを同時に表示させ、比較可能とするとよい。さらに、図19に示すように、それらの各値の数値表示に加え、棒グラフで表示すれば、遊技者が状況判断を行いやすく、どのタイミングでリーチストックを行い、どのタイミングでそのストックの放出を行うかを判断しやすくなる。そして、遊技を有利な展開へと導けるか否かは、遊技者のストックを放出するタイミングを見極める判断力によるところとなり、遊技の面白みを増し、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、本実施の形態では、時短遊技状態中にリーチストックと、ストックされたリーチ変動パターンとの放出とを行えるようにしたが、時短遊技状態でない場合にもそれらの操作を可能としてもよい。このためには、S225の判断処理と、S280の処理と、S303の判断処理とを省略するようにすればよい。このようにすることで、通常時においても遊技者が任意に特別図柄作動保留球数の調整することができ、特別図柄作動保留球数が増えすぎたことにより特別図柄始動電動役物15へ入賞しても大当たり判定に絡まない無駄球が発生する状況となってしまうことを防止し、遊技機の稼働量を増やすことができる。また、特別図柄作動保留球数が減りすぎたことにより大当たり判定結果の報知が連続して行われない状況となってしまうことも防止することができ、遊技者を落胆させて遊技意欲が失われることがないようにすることができる。
また、特別図柄作動保留球数の多少にあわせて、リーチストックを行うか否か、ストックしたリーチ変動パターンを放出するか否かが決定されるようにしてもよい。例えば、特別図柄作動保留球数にしきい値を設け、特別図柄作動保留球数が所定の数(例えば3個)以上の場合には、発生したリーチ変動パターンをストックする。そして、特別図柄作動保留球数がその所定の数よりも少なくなった場合には、ストックしたリーチ変動パターンを放出するようにする。このようにすれば、遊技者が特別図柄作動保留球数の調整を行わなくても、無駄球が発生してしまう状況や、大当たり判定結果の報知が連続して行われない状況となることを防止することができる。
また、本実施の形態では、特別図柄作動保留球数の上限を100個としたが、それ以上でも以下でもよく、例えば、1個でも、4個でも、50個でも、または200個でもよく、100個に限定するものではない。大当たり遊技状態の終了時に時短フラグに「1」を記憶させることで時短遊技状態への移行を行ったが、時短遊技状態への移行のタイミングは大当たり遊技状態の終了時に限らず、大当たり遊技状態中を除く任意のタイミングに行えるようにしてもよい。また、時短回数も、その上限を100回には限定せず、それ以上の回数でも以下の回数でもよい。
本発明の遊技機はパチンコ機1に限られず、パチコン機、パチスロ機等の各種の遊技機に適用可能である。
パチンコ機1の正面図である。 遊技盤2の正面図である。 特別図柄表示装置8の正面図である。 パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。 ROM53の記憶エリアを示す概念図である。 RAM52の記憶エリアを示す概念図である。 RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。 RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。 RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。 ROM53の変動パターンテーブル記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルを示す概念図である。 RAM52の変動ストック情報記憶エリア5210を示す概念図である。 パチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのフローチャートである。 メインルーチンの中で行われる普通図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。 メインルーチンの中で行われる普通図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。 メインルーチンの中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。 メインルーチンの中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。 メインルーチンの中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。 メインルーチンの中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。 特別図柄表示画面28の表示例を示す図である。
符号の説明
1 パチンコ機
12 普通図柄始動ゲート
15 特別図柄始動電動役物
15a,15b 開閉部材
24 普通図柄表示部
51 CPU
52 RAM
81 ストックボタン
82 放出ボタン
5210 変動ストック情報記憶エリア
L1,L2,L3 特別図柄表示部

Claims (6)

  1. 遊技球が流下する遊技盤に設けられ、前記遊技球が入賞する始動入賞口と、
    前記始動入賞口への前記遊技球の入賞を契機に複数の乱数の取得を行う第1乱数取得手段と、
    前記始動入賞口へ入賞した前記遊技球について前記第1乱数取得手段が取得した複数の乱数を、前記遊技球が前記始動入賞口へ入賞した順に記憶する乱数記憶手段と、
    前記乱数記憶手段に記憶された順に、前記複数の乱数のうち、第1の乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり遊技状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、
    前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための複数の図柄の組み合わせからなる特別図柄を表示する特別図柄表示手段と、
    前記特別図柄表示手段に、前記特別図柄を変動表示させた後に確定表示させ、そのときの図柄の組み合わせによって前記判定結果が報知されるように前記特別図柄表示手段の制御を行う特別図柄表示制御手段と、
    前記特別図柄表示制御手段の制御に基づき表示される前記特別図柄の変動表示の際の変動態様を、図柄のうち最後に確定表示される一の図柄を除く他の図柄が、あらかじめ大当たりと決められている図柄の組み合わせとなるように制御が行われるリーチ変動態様とするか、前記他の図柄が、あらかじめ大当たりと決められている図柄の組み合わせとならないように制御が行われる通常変動態様とするかを、前記第1乱数取得手段の取得した第2の乱数に基づいて決定する変動態様決定手段と、
    前記変動態様決定手段によって前記特別図柄の変動態様として前記リーチ変動態様が決定された場合に、そのリーチ変動態様を通常変動態様に差し替える通常変動態様差替手段と、
    前記通常変動態様差替手段によって差し替えられた前記リーチ変動態様を記憶するリーチ変動態様記憶手段と、
    前記変動態様決定手段によって前記特別図柄の変動態様として前記通常変動態様が決定された場合に、その通常変動態様を、前記リーチ変動態様記憶手段に記憶されたリーチ変動態様に差し替えるリーチ変動態様差替手段と
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記通常変動態様差替手段によるリーチ変動態様から通常変動態様への差し替えの際に、その差し替えを行うか否かを指示可能な通常変動態様差替指示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記変動態様決定手段によって前記特別図柄の変動態様として前記通常変動態様が決定された場合に、その通常変動態様を、前記リーチ変動態様記憶手段に記憶されたリーチ変動態様に差し替えるように、前記リーチ変動態様差替手段に指示可能なリーチ変動態様差替指示手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記始動入賞口に設けられた開閉部材と、
    前記遊技盤に設けられ、前記遊技球が通過する通過ゲートと、
    前記通過ゲートへの前記遊技球の通過を契機に乱数の取得を行う第2乱数取得手段と、
    前記第2乱数取得手段が取得した第3の乱数に基づいて、前記開閉部材が開かれる普通当たり遊技状態とするか否かの判定を行う普通当たり判定手段と、
    前記普通当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための普通図柄を表示する普通図柄表示手段と、
    前記普通図柄表示手段に、前記普通図柄を変動表示させた後に確定表示させ、そのときの図柄によって前記判定結果が報知されるように前記普通図柄表示手段の制御を行う普通図柄表示制御手段と、
    前記普通図柄表示制御手段の制御に基づき表示される前記普通図柄の変動表示時間が短縮される時短遊技状態を制御する時短遊技状態制御手段と
    を備え、
    前記通常変動態様差替手段は、前記時短遊技状態制御手段によって前記時短遊技状態が制御されている場合に、リーチ変動態様から通常変動態様への差し替えを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記始動入賞口に設けられた開閉部材と、
    前記遊技盤に設けられ、前記遊技球が通過する通過ゲートと、
    前記通過ゲートへの前記遊技球の通過を契機に乱数の取得を行う第2乱数取得手段と、
    前記第2乱数取得手段が取得した第3の乱数に基づいて、前記開閉部材が開かれる普通当たり遊技状態とするか否かの判定を行う普通当たり判定手段と、
    前記普通当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための普通図柄を表示する普通図柄表示手段と、
    前記普通図柄表示手段に、前記普通図柄を変動表示させた後に確定表示させ、そのときの図柄によって前記判定結果が報知されるように前記普通図柄表示手段の制御を行う普通図柄表示制御手段と、
    前記普通図柄表示制御手段の制御に基づき表示される前記普通図柄の変動表示時間が短縮される時短遊技状態を制御する時短遊技状態制御手段と
    を備え、
    前記リーチ変動態様差替手段は、前記時短遊技状態制御手段によって前記時短遊技状態が制御されている場合に、通常変動態様からリーチ変動態様への差し替えを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記時短遊技状態制御手段によって前記時短遊技状態が制御されている場合に、前記特別図柄表示手段に表示される前記特別図柄の確定表示の回数を計数する計数手段と、
    前記計数手段による前記特別図柄の確定表示の回数の計数が所定回に達した場合に、前記時短遊技状態が終了したと判断する時短遊技状態終了判断手段と、
    前記時短遊技状態終了判断手段によって前記時短遊技状態が終了したと判断された場合に、前記リーチ変動態様記憶手段に記憶されている前記差し替えられたリーチ変動態様を消去する差替記憶消去手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
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