JP2005045906A - 配線ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】配電盤等の機器に設けられる配線ダクトにおいて、機器の改修や機能追加等により電線群のボリュームが増加した場合にでも、配線ダクトの収納容量を調節自在とすることができる構成を採用することにより、外観を損ねたり、あるいは、電線群に損傷や発熱を誘引して、火災や配線系の劣化乃至は故障を招来することのない配線ダクトを提供すること。
【解決手段】細長い帯状のダクトベース23と、このダクトベースの長手方向両側に相対向し、起立して設けられるガイドサポート24と、上記相対向するガイドサポート24に掛け渡されて設けられるダクトカバー22とを備えた配線ダクトにおいて、上記ガイドサポート24には、起立側に開口するスライド係合孔26を備えたガイド部25と、このガイド部25のスライド係合孔26に開口側から所定の寸法にスライド自在なスライドバー27とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば配電盤や制御盤等の機器間または機器内に配線される電線群を収納する配線ダクトの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、配電盤や制御盤等の機器間や機器内には、配線される電線群が散らばらないように、また外観上からも電線群を収納する配線ダクトを備えている。
【0003】
この配線ダクトは、断面がコの字状を有する長尺のダクト本体に、開口側から電線群を収納して、その開口側をダクトカバーで覆うように構成したものである。
【0004】
このような構成の配線ダクトが、特開2002−359910号公報(特許文献1参照)に開示されている。
【0005】
この特許文献1によれば、添付図面の図6に配線ダクト1が開示されている。
【0006】
この配線ダクト1は、ダクト本体2と、このダクト本体2の開口端を覆う金属板製のダクトカバー3とにより構成されたものである。
【0007】
ダクト本体1は、長手方向に延びる基部プレート4の両側に弾力性を有するガイドサポート5,5を相対向して立設されている。
【0008】
ダクト本体2の横断面がコ字状を有し、このコ字状部に電線群(図示せず)が収納されるようになっている。
【0009】
相対向するガイドサポート5には、それぞれ相対向してU字状の多数の切欠部6が先端を開放するように設けられる。
【0010】
従って、各切欠部6,6の間には、相対向して複数の第1のガイド7,7が形成されている。
【0011】
これらの第1のガイド7,7の自由端部には、直角に起立して形成した湾曲部9を介して弾力性を有するリブ10が設けられている。
【0012】
また、ダクト本体2の長手方向両端部には第1のガイド7,7よりも長い第2のガイド11,11が相対向して形成されている。
【0013】
この第2のガイド11の自由端部には、直角に起立して形成した起立片部12が設けられている。
【0014】
一方、ダクトカバー3は、平板の両側に、上記ガイドサポート5側に取り付けられるように折曲がり部13、13を形成している。
【0015】
すなわち、このダクトカバー3の折曲がり部13、13は、上記ダクト本体2側の第1のガイド7のリブ10と、第2のガイド11の起立片部12との間に挟み込むようにして装着している。
【0016】
このように、ダクト本体2の断面コ字状部、すなわち両ガイドサポート5,5間に、図示しない電源ケーブル等の電線群の配線を行なうと共に、上記両ガイドサポート5,5側へダクトカバー3を装着するように構成したことにより、電源ケーブル等の電線群の配線を安定して行なうことができるようにしている。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−359910号公報(図1〜図5)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の配線ダクト1によれば、ダクト本体2のガイドサート体5,5の第1のガイド部7,7側へ、ダクトカバー3の折曲がり部13,13を挟み込むようにして装着することができるようにしたので、配線ダクト1に電源ケーブル等の電線群を安定に収納することができる一方、その作業性が良好なものである。
【0019】
しかしながら、例えば配電盤等の機器の改修や機能追加等により配線する電線群は、その配線数の増加により電線群の収納容量(断面積)が所定量以上に増加した場合には、無理に収納して配線ダクト1を変形させて外観を損ねたり、あるいは、電線群に損傷や発熱を誘引して、火災や配線系の劣化乃至は故障を招来する虞があつた。
【0020】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、配電盤等の機器の改修や機能追加等により電線群のボリュームが増加した場合にでも、配線ダクトの収納容量を調節自在とすることができる構成を採用することにより、外観を損ねたり、あるいは、電線群に損傷や発熱を誘引して、火災や配線系の劣化乃至は故障を招来することのない配線ダクトを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、細長い帯状のダクトベースと、このダクトベースの長手方向両側に相対向し、起立して設けられるガイドサポートと、上記相対向するガイドサポートに掛け渡されて設けられるダクトカバーとを備えた配線ダクトにおいて、上記ガイドサポートは、上記ダクトベース側から起立して設けられるガイド部と、このガイド部にスライド自在に嵌合されるスライドバーを備え、このスライドバーを上記ガイド部に対し適宜にスライドさせ、上記ダクトベースとダクトカバーとの内寸を調整自在にする高さ位置調整手段とを具備したことを特徴とする配線ダクトを提供する。
【0022】
前記目的を達成するために、請求項2記載の発明によれば、上記ガイドサポートのガイド部には、スライド係合孔が設けられ、このスライド係合孔にスライドバーがスライド自在に嵌合され、上記ガイド部のスライド係合孔に係合するロック突起部をスライドバー設けて高さ位置調整手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の配線ダクトを提供する。
【0023】
前記目的を達成するために、請求項3記載の発明によれば、上記ガイド部に設けたスライド係合孔には、このスライド係合孔の長手方向に所定の間隔をとって複数個のロック穴を設けたことを特徴とする請求項2記載の配線ダクトを提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の配線ダクトの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る配線ダクト20の実施形態を示すものである。
【0026】
配線ダクト20は、図1に示すように、例えば塩化ビニール製の所定の柔軟性および耐熱性を有する絶縁材料により形成される。
【0027】
この配線ダクト20は、長尺のダクト本体21と、このダクト本体21と、このダクト本体21の開口側を覆うように設けられるダクトカバー22とにより構成される。
【0028】
ダクト本体21と、ダクトカバー22とにより形成される空間に、点線図示のように複数の電線x1,x2〜xnからなる電線群xが収納されるようになっている。
【0029】
ダクト本体21は、配電盤や制御盤等の機器間または機器内に配線される電線群xを支持するために、図2に示すように細長い矩形のダクトベース23と、このダクトベース23の長手方向両側に相対向してほぼ直角に起立して設けられる複数対のガイドサポート24とから構成される。
【0030】
ダクトベース23は、配電盤や制御盤等の機器間または機器内に配線される電線群を支持するために、配電盤や制御盤等の機器壁面や機器を設置する室内壁面に支持固定し得る、例えば数mm程度の板厚を有している。
【0031】
また、ダクトベース23は、配電盤や制御1盤等の機器間または機器内での配設位置や最短配線距離や、放熱性や外観性を考慮して通常細長い直線状のものが用いられるが、場合によっては機器の設置位置等の関係から、半円等の湾曲形状やL字状のものを複数本組み合わせて用いられる。
【0032】
ガイドサポート24は、図1に示すように細長い帯状のダクトベース23上に支持される電線群xを両側から保持するように複数本が整列配置される。
【0033】
このガイドサポート24には、ダクトベース23の両側から相対向して起立する偏平ボックス状のガイド部25と、このガイド部25のスライド係合孔26に先端の開口側から所定の寸法にスライド自在に嵌合されるスライドバー27とを備え、ガイド部25側に対して、スライドバー27の高さ位置調整が可能なように高さ位置調整機能を有している。
【0034】
すなわち、ガイドサポート24は、図1に示すように、ガイド部25とスライドバー27とにより、ダクトベース23の底面間の内寸法lから、図4に示す内寸法Lへ選択的に長くすることができるように高さ位置が調整可能な高さ位置調整手段を構成している。
【0035】
スライドバー27の先端には、外側に湾曲するフック状係止片273を備えている。
【0036】
ガイド部25は、図3に示すように、先端側に開口するスライド係合孔26を備え、図1および図2に示すように、そのスライド係合孔26の短尺側側面の上位および下位の位置に、相対向して上位ロック穴261および下位ロック穴262をそれぞれ設けている。
【0037】
このスライド係合孔26は、図1に示すように、スライドバー27を人手により点線矢印b方向へ引き出し可能に設けられ、配線ダクト20内に収納される電線群Xをしっかりと固定できるように所定の弾力性と強靭性を有している。
【0038】
スライドバー27は、ガイド部25のスライド係合孔26に開口側から所定寸法の範囲で適宜にスライドさせ、上記ダクトベース23とダクトカバー22との内寸を調整自在に設けたものである。
【0039】
スライドバー27は、図3に示すように、スライド係合孔26に嵌り込む下端部の両側には、ロック突起部271が、また中央部にはスリット部272がそれぞれ設けられる。
【0040】
このロック突起部271は、ガイド部25のスライド係合孔26に設けられる上位ロック穴261に嵌着させるためのもので、鉤形または爪状のものであってもよい。
【0041】
また、スライド係合孔26から外側に延出した上端側にはフック状係止片273が設けられる。
【0042】
ロック突起部271は、スライドバー27がガイド部25のスライド係合孔26の所望位置に嵌り込んだ際、スライド係合孔26の上位ロック穴261に嵌り込み、スライドバー27をガイド部25側へしっかり固定するためのものである。
【0043】
スリット部272は、スライドバー27をガイド部25のスライド係合孔26へ嵌合させる際に、図3の矢印aに示すように、スライドバー27の下端部の両側からスリット部272の方向へ変形可能に設けられるものである。
【0044】
スリット部272は、スライドバー27がガイド部25のスライド係合孔26へ嵌合させた際に、変形状態から元の形状に戻ると同時に、スライドバー27のロック突起部271がガイド部25のスライド係合孔26の上位ロック穴261に嵌着されるようになっている。
【0045】
フック状係止片273は、スライドバー27がスライド係合孔26に嵌り込んだ状態で、ダクト本体21のダクトベース23の長手方向両側から外側方向へ突出するように取付けられる。
【0046】
一方、ダクトカバー22は、ダクト本体21へ電線群xが仮保持された状態で、この電線群xを覆い隠すように取付けられる長尺の平板状のものである。
【0047】
ダクトカバー22は、具体的には、複数のスライドバー27のフック状係止片273に係合して保持させるべく、図1に示すようにV字形折曲部221が設けられる。
【0048】
このダクトカバー22のV字形折曲部221は、ガイド部25のスライド係合孔26へ嵌合させたスライドバー27のフック状係止片273へ上方から押圧して係合せしめるためのものである。
【0049】
ここで、配線ダクト20内に収納される電線群xのボリュームが、所定量以下である場合には、ガイドサポート24のスライド係合孔26に対するスライドバー27の高さが低い位置に選定される。
【0050】
また、配線ダクト20内に収納される電線群xのボリュームが、所定量より多い場合には、ガイドサポート24のスライド係合孔26に対するスライドバー27の高さが高い位置に選定される。
【0051】
次に、配線ダクト20の使用手順について、図1〜図5を参照して説明する。
【0052】
配線ダクト20を設置する建屋内の場所、壁面を選定し、ダクト本体21のダクトベース23を上記壁面に固定する。
【0053】
すなわち、図示しない配電盤や制御盤等の機器間または機器内における所望の壁面へ位置決めし、ダクトベース23を上記壁面にネジ止め等の固定手段で固定する<ステップ1>。
【0054】
スライドバー27のロック突起部271を図1および図2に示すように、ガイド部25側に対して相対向する関係、すなわちスライドバー27のフック状係止片273を外向きにしてスライド係合孔26に係合させる<ステップ2>。
【0055】
電線群xを、ダクト本体21の長手方向に沿わせながら、ダクトベース23の両側に位置するガイドサポート24間に整線しながら収納する<ステップ3>。
【0056】
このようにして収納された電線群xのボリュームが、所定量以下である場合、すなわち、電線群xをダクト本体21に収納したとき、ダクト本体21のガイド部25の高さ寸法l(図1参照)と同程度以下である場合には、この状態にてダクトカバー22により電線群xを覆うように被せる。
【0057】
ここで、配線ダクト20内に収納される電線群xのボリュームが、所定量より多い場合には、ガイドサポート24のスライド係合孔26に対するスライドバー27の高さを所望の高さ寸法L(図4参照)にする。
【0058】
すなわち、矢印bに示す方向へ引き出して、図5に示す高さ位置で止めるようにする。
【0059】
スライドバー27のロック突起部271を、ダクト本体21のガイド部25のスライド係合孔26に設けた上位ロック穴261側へ嵌入させる<ステップ4>。
【0060】
この後、ダクトカバー22を電線群xを覆うように被せる。
【0061】
このダクトカバー22を被せるにあたっては、ダクトベース23の両側に起立する複数のガイドサポート24のスライドバー27のフック状係止片273側へ、ダクトカバー22の両側に起立するV字形折曲部221を一方側から他方側へ順次押圧しながら係合するまで挿入する<ステップ5>。
【0062】
このように、配線ダクト20を使用するにあたっては、上記<ステップ1>〜<ステップ5>を経ることにより行なうことができる。
【0063】
従って、配線ダクト20によれば、ダクト本体21を所望の壁面に設置した後、電線群xのボリュームが所定量以下あるいは以上である場合に、ダクト本体21側においてスライドバー27をガイド部25のスライド係合孔26における位置関係をそのままの状態にするか、またはスライド係合孔26側から引き出して高さ寸法を調整して対応することができるようにしたから、電線群xのボリュームの大小に関わらず一つの配線ダクト20で幅広く対応可能である一方、人手による作業を極めて容易にすることができる。
【0064】
本発明による配線ダクト20によれば、ガイド部25側に上位ロック穴261および下位ロック穴262を、また、スライドバー27側にロック突起部271を設けたが、ガイド部25側にライドバーロック突起部を、また、スライドバー27側に上位ロック穴261および下位ロック穴262を設けるようにしてもよい。
【0065】
また、ガイドサポート24のガイド部25側にスライド係合孔26を設け、
このスライド係合孔26側にスライドバー27に設けたロック突起部271を嵌合させる構成としたが、逆にスライドバー27側にスライド係合孔26とこのスライド係合孔26内にロック穴を設ける一方、ガイド部25側に上記スライド係合孔26のロック穴に嵌合するロック突起部を設けた構成にしてもよい。
【0066】
更に、配線ダクト20によれば、ダクトベース23に設けられたガイドサポート24は、ダクトベース23の長手方向両側に起立する個々のガイドサポート24毎に相互に正面を向くように配置したが、ジグザグ状に対面配置させてもよい。
【0067】
更にまた、ガイドサポート24のガイド部25は、ダクトベース23の長手方向に沿って、断続的に配置させたが、ダクトベース23の長手方向に連続した構成のものでもよい。
【0068】
その場合、スライド係合孔26については、断続的に配置させればよい。
【0069】
更に、このガイド部25は、製造過程で一体成形してもよく、または別体のものを一体構成化してもよい。
【0070】
また、スライドバー27についても、それぞれ別個のものを複数用いたが、鎖状に連結させた一体成形されたものであってもよい。
【0071】
すなわち、複数のスライドバー27のフック状係止片273同士を、例えば連続的に繋いだ構成であってもよい。
【0072】
更に、ガイド部25のスライド係合孔26に設けた上位ロック穴261は、3ヶ以上設けて細かく調整し得るようにすることもできる。
【0073】
更にまた、配線ダクト20を使用するにあたって、スライドバー27の全てを使用する必要はなく、例えば一つ置きに延出して使用するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、配電盤等の機器の改修や機能追加等により電線群が増加した場合にでも、配線ダクトの収納容量を調節自在とすることができる構成を採用することにより、外観を損ねたり、あるいは、電線群に損傷や発熱を誘引して、火災や配線系の劣化乃至は故障を招来することのない配線ダクトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線ダクトの実施形態を示す正面図。
【図2】図1の配線ダクトにおけるダクト本体の一部を示す斜視図。
【図3】図2のダクト本体を構成するガイド部とスライドバーとを分離して示す斜視図。
【図4】図1に示す配線ダクトのスライドバーを延出した状態を示す正面図。
【図5】図4の配線ダクトにおけるダクト本体の一部を示す斜視図。
【図6】従来の配線ダクトの斜視図。
【符号の説明】
20 配線ダクト
21 ダクト本体
22 ダクトカバー
221 V字形折曲部
23 ダクトベース
24 ガイドサポート(高さ位置調整手段)
25 ガイド部
26 スライド係合孔
261 上位ロック穴
262 下位ロック穴
27 スライドバー
271 ロック突起部
272 スリット部
273 フック状系止片
x 電線群(電線X1〜Xn)

Claims (3)

  1. 細長い帯状のダクトベースと、このダクトベースの長手方向両側に相対向し、起立して設けられるガイドサポートと、上記相対向するガイドサポートに掛け渡されて設けられるダクトカバーとを備えた配線ダクトにおいて、
    上記ガイドサポートは、上記ダクトベース側から起立して設けられるガイド部と、
    このガイド部にスライド自在に嵌合されるスライドバーを備え、このスライドバーを上記ガイド部に対し適宜にスライドさせ、上記ダクトベースとダクトカバーとの内寸を調整自在にする高さ位置調整手段とを具備したことを特徴とする配線ダクト。
  2. 上記ガイドサポートのガイド部には、スライド係合孔が設けられ、このスライド係合孔にスライドバーがスライド自在に嵌合され、上記ガイド部のスライド係合孔に係合するロック突起部をスライドバー設けて高さ位置調整手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の配線ダクト。
  3. 上記ガイド部に設けたスライド係合孔には、このスライド係合孔の長手方向に所定の間隔をとって複数個のロック穴を設けたことを特徴とする請求項2記載の配線ダクト。
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