JP2005045275A5 - - Google Patents

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強誘電体素子
本発明は、強誘電体を用いた素子およびゲートデバイス、特に誘電分極の保持特性および角型比を向上させた強誘電体素子及びそれを用いた強誘電体ゲートデバイスに関する。
近年の電子機器の発達に伴い、データの大容量化が進んでいる。また、電源がオフされた後にもデータを保存するために、不揮発性のメモリが注目されている。不揮発性メモリとしては、フラッシュメモリや強誘電体メモリ(FeRAM)などが挙げられる。しかしながら、高速、大容量のデータを扱うためには、さらなる高速の不揮発メモリが必要となる。近年、MFMIS(Metal Ferroelectric Metal Insulator Semiconductor)型の強誘電体ゲートデバイスが注目されている。しかし、MFMIS型の強誘電体ゲートデバイスにおいては、強誘電体キャパシタ(強誘電体薄膜)とゲート酸化膜とに印加される電圧の分配比が問題になる。図10を用いて、その問題について説明する。
図10の(a)は、常誘電体キャパシタ101および強誘電体キャパシタ102を直列接続した回路を示す回路図である。図10の(a)に示した常誘電体キャパシタ101及び強誘電体キャパシタ102は、それぞれ強誘電体ゲートデバイスにおけるゲート酸化膜及び強誘電体薄膜を表している。強誘電体キャパシタ102の一方の端子は接地されている。今、常誘電体キャパシタ101の端子INに電圧Vppを印加する。このとき、強誘電体キャパシタ102の両端の電圧をVf、常誘電体キャパシタ101の両端の電圧をVcとし、常誘電体キャパシタ101および強誘電体キャパシタ102の各々に誘起される電荷をQとする。強誘電体キャパシタ102の電荷Qと電圧Vfは図10の(b)に示すようなヒステリシス特性を示す。また、常誘電体キャパシタ101の電荷Qと電圧Vcとの関係は、式1のように表される。
Q = CcVc
= Cc(Vpp−Vf) (式1)
式1で表される直線と上記したヒステリシス曲線との交点である点A(図10の(b)参照)が、このときの動作点である。
常誘電体キャパシタ101の電圧Vppを印加していた端子INを0Vに戻せば、常誘電体キャパシタ101の電荷Qと電圧Vcとの関係は、式(2)のように表される。
Q = CcVc
= −CcVf (式2)
式2で表される直線と上記したヒステリシス曲線との交点である点B(図10の(b)参照)が、このときの動作点である。強誘電体キャパシタ102の強誘電体の分極が保持されるため、常誘電体キャパシタ101と強誘電体キャパシタ102との接続ノードでは−Vhの電位が保持される。
この保持電圧(−Vh)を大きくするためには、強誘電体キャパシタ102に印加する電圧を大きくすることが望ましいが、端子INに電圧を印加すると、常誘電体キャパシタ101にも電圧が印加されるので、強誘電体の分極を充分に誘起できない。また、端子INに印加する電圧をあまり大きくし過ぎると、常誘電体キャパシタ101の電界強度が耐圧以上になってしまう。また、強誘電体の角型比M(=Pr(残留分極)/Ps(自発分極))(図10の(b)参照)を大きくすれば、保持電圧を増大させることが可能であるが、そのためには、強誘電体薄膜の結晶性を向上させなければならない。しかし、バルクと同程度の角型比Mを有する強誘電体薄膜の結晶を形成することは困難である。
以上のように、常誘電体キャパシタ101および強誘電体キャパシタ102の直列接続回路において、両キャパシタ101、102の接続ノードに保持される電圧を大きくしたいが、強誘電体キャパシタ102にのみ充分に高い電圧を印加することが困難であり、且つ強誘電体薄膜の角型比があまり大きくないという問題があった。
上記の課題を解決するために、本発明は、印加される電圧に応じて抵抗またはキャパシタとして振る舞うスイッチ素子を強誘電体キャパシタに直列に接続した強誘電体素子及びそれを用いた強誘電体ゲートデバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する強誘電体素子は、強誘電体キャパシタと、前記強誘電体キャパシタに直列に接続されているスイッチ素子と、入力端子と、接地端子を備えている強誘電体素子であって、
前記スイッチ素子は、N型の電界効果型トランジスタ、およびP型の電界効果型トランジスタから構成され、
前記N型およびP型の電界効果型トランジスタのソースが共に前記入力端子に接続され、
前記N型およびP型の電界効果型トランジスタのドレインが共に強誘電体キャパシタの一端に接続され、
前記N型およびP型の電界効果型トランジスタのゲート、ならびに前記強誘電体キャパシタの他端が前記接地端子に接続されており、
前記入力端子に電圧が印加されるときに、前記強誘電体キャパシタが備えている強誘電体の抗電圧以上の電圧が前記強誘電体キャパシタに印加されると、前記スイッチ素子は抵抗として振る舞い、
前記入力端子に電圧が印加されるときに、前記抗電圧よりも小さい電圧が前記強誘電体キャパシタに印加されると、前記スイッチ素子はキャパシタとして振る舞う
N型の電界効果型トランジスタが備えられている基板にはマイナスの電圧が印加されており、
P型の電界効果型トランジスタが備えられている基板にはプラスの電圧が印加されていることが好ましい。
N型の電界効果型トランジスタが備えられている基板には−Vppが印加されており、
P型の電界効果型トランジスタが備えられている基板には+Vppが印加されており、
ここでVppは前記入力端子に入力され得る電圧の最大値であることが好ましい。
本発明によれば、従来よりも低い入力電圧で強誘電体の分極を誘起させることができ、強誘分極の保持特性および角型比が向上した強誘電体素子を提供することが可能となる。
また、この強誘電体素子をゲートデバイスに使用することによって、従来のMFMIS型の強誘電体ゲートデバイスよりも、低い入力電圧で強誘電体の分極を誘起させることができ、誘電分極の保持特性、角型比およびメモリウィンドウが向上した強誘電体ゲートデバイスを提供することが可能となる。
以下、本発明に係る強誘電体素子及びそれを用いた強誘電体ゲートデバイスの実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本明細書において、「ゲートデバイス」とは、電界効果トランジスタに代表されるスイッチング素子を意味しており、具体的にはゲートにON電圧を印加するとソースとドレインとの間に電流が流れ、ゲートにOFF電圧を印加するとソースとドレインとの間に電流が実質的に流れなくなる素子を意味している。
(本発明に係る強誘電体素子の第1の参考例
図1は、本発明に係る強誘電体素子の第1の参考例を示す回路図である。図1に示すように、本実施の形態に係る強誘電体素子は、強誘電体キャパシタ1およびスイッチ素子2が直列に接続されて構成されている。ここで、スイッチ素子2は、順方向電圧に対しては通常のダイオードの電圧−電流特性を示し、逆方向電流に対しては端子間電圧が一定(ツェナー電圧)になるツェナーダイオードであり、カソード2cが強誘電体キャパシタ1に接続され、アノード2aが端子SSに接続されている。ツェナーダイオード(スイッチ素子2)は、印加される電圧が所定の電圧以上の場合に抵抗として振る舞い、印加される電圧が所定の電圧よりも小さい場合にはキャパシタとして振る舞う、スイッチに類似する特性を持つ素子として扱うことができる。スイッチ素子2の端子SSを接地し、強誘電体キャパシタ1の端子INに電圧Vinを印加する。以下の説明において、強誘電体キャパシタ1の両端の電圧をVf、スイッチ素子2の両端の電圧をVrとする。強誘電体キャパシタ1の強誘電体には、例えばタンタル酸ストロンチウムビスマス(Y1:SrBiTa)を使用することができる。
図2の(a)、(b)を用いて、スイッチ素子2の動作を具体的に説明する。入力端子INに印加される電圧Vinに応じて、スイッチ素子2は、強誘電体キャパシタ1の両端の電圧Vfが強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcよりも小さい場合に、キャパシタとして振る舞い、電圧Vfが抗電圧Vc以上の場合に、抵抗として振る舞う素子である。即ち、スイッチ素子2は、そのような特性に設計されている。従って、図1に示した強誘電体素子の回路図は、Vf<Vcの場合、等価的に図2の(a)に示した回路図のように表すことができ、Vf≧Vcの場合、等価的に図2の(b)に示した回路図のように表すことができる。
入力端子INに印加される電圧Vinが抗電圧Vcよりも十分に大きい場合、強誘電体キャパシタ1には抗電圧Vc以上の電圧が印加されることとなり、上記したようにスイッチ素子2は抵抗として振る舞う。このため、強誘電体キャパシタ1の両端の電圧Vfは印加電圧Vinと等しくなる。即ち、強誘電体キャパシタ1には抗電圧Vc以上の電圧Vf(=Vin>Vc)が印加され、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極が充分に誘起される。また、入力端子INに印加される電圧Vinが抗電圧Vcよりも小さい場合、強誘電体キャパシタ1には抗電圧Vcよりも小さい電圧しか印加されないために、上記したようにスイッチ素子2はキャパシタとして振る舞う。即ち、入力端子INに高電圧が印加されて強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極が誘起された後、電圧Vinを小さくすると、スイッチ素子2がキャパシタとして振る舞い、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極が保持されるので、角型比が増大する。
これらの特性向上を確認するためにシミュレーションを行なった。図3は、スイッチ素子2が抵抗として振る舞うときの抵抗値を100Ω、スイッチ素子2がキャパシタとして振る舞うときの容量を10pF、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcを1.5Vとし、入力端子INに−10V以上10V以下の範囲の電圧を印加する条件で、強誘電体キャパシタ1の強誘電体に誘起される分極Prをシミュレーションした結果を示す。
図3は、スイッチ素子2を備えている本実施の形態に係る強誘電体素子と、スイッチ素子2を備えていない強誘電体キャパシタ1のみに関して、入力端子INに印加される電圧Vinと誘起される分極Prとの関係を示している。図3から分かるように、本実施の形態に係る強誘電体素子では、印加電圧Vinを0Vから大きくして行くと約6Vで分極反転が起こる。強誘電体キャパシタ1の抗電圧Vcを1.5Vとしてシミュレーションしたことを考慮すれば、本実施の形態に係る強誘電体素子の分極の保持特性が向上していることが分かる。さらに、角型比に関しては、スイッチ素子2を備えていない強誘電体キャパシタ1のみの場合では0.77であるが、これと比較して本実施の形態に係る強誘電体素子では0.92と大幅に増大した。
以上のように、強誘電体キャパシタ1にスイッチ素子2を直列接続することによって、低い入力電圧で強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極を誘起させることが可能となった。また、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極の保持特性が向上した。さらに、強誘電体素子の角型比が大幅に増大した。
なお、スイッチ素子2は、電流値が所定の電圧値(しきい値)付近で急峻に変化する素子であり、且つ、上記したように、直列接続されている強誘電体キャパシタに印加される電圧Vfと抗電圧Vcとの大小関係に応じて、抵抗またはキャパシタとして振る舞うように、しきい値が設計されていればよい。
また、強誘電体キャパシタ1の強誘電体として、上記ではY1を挙げたが、分極においてヒステリシス特性を有する材料であれば如何なる物、例えばチタン酸ビスマス、チタン酸鉛等、さらには、電荷の偏りを利用してデータを保持するポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体(P(VDF/TrFE))等の高分子化合物を使用して強誘電体素子を構成しても、上記と同様の効果が得られる。
また、スイッチ素子2の端子SSを接地し、強誘電体キャパシタ1の端子INに電圧Vinを印加する場合を説明したが、端子INを接地し、端子SSに電圧Vinを印加してもよい。その場合にも上記と同様の効果を得ることができる。
(本発明に係る強誘電体素子の第1の実施の形態
図4は、本発明に係る強誘電体素子の第1の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態に係る強誘電体素子は、強誘電体キャパシタ1と、N型の電界効果型トランジスタであるN型MOSトランジスタ3およびP型の電界効果型トランジスタであるP型MOSトランジスタ4によって構成されるスイッチ素子とを接続して構成されている。強誘電体キャパシタ1の一端と、N型MOSトランジスタ3およびP型MOSトランジスタ4のドレインとは接続ノードCPに接続され、強誘電体キャパシタ1の他端、N型MOSトランジスタ3のゲート、およびP型MOSトランジスタ4のゲートは端子SSに接続され、N型MOSトランジスタ3およびP型MOSトランジスタ4のソースは入力端子INに接続されている。さらに、端子SSが接地され、N型およびP型MOSトランジスタ3、4のしきい値電圧の大きさは、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcと等しい値に設定されている。N型MOSトランジスタ3が備えられている基板は−Vppに、P型MOSトランジスタ4が備えられている基板はVppに設定されている。ここで、Vppとは、入力端子INに入力され得る電圧の最大値を意味する。このように基板をVppまたは−Vppに設定する理由は、pn順電流を防ぐためである。入力端子INに入力され得る電圧の最大値は、分極が十分飽和するために必要な電圧であり、第5図において−5Vおよび5Vの電圧として例示される。すなわち、この入力端子INに入力され得る電圧の最大値は、第5図に示される一対のヒステリシス曲線が合流する部分に対応する電圧である。
以下の説明においては、第1の参考例と同様に、入力端子INに印加する電圧をVin、強誘電体キャパシタ1の両端の電圧をVfとする。強誘電体キャパシタ1の強誘電体には、例えばタンタル酸ストロンチウムビスマス(Y1:SrBiTa)を使用することができる。
ここで、N型MOSトランジスタ3およびP型MOSトランジスタ4は、強誘電体キャパシタ1の両端に印加される電圧VfがVc以上の値になると、N型MOSトランジスタ3がオンとなり、電圧Vfが−Vc以下の値になると、P型MOSトランジスタ4がオンとなり、電圧Vfが−Vcよりも大きくVcよりも小さい値であれば、何れのMOSトランジスタ3、4もオフとなるように設計されている。即ち、N型MOSトランジスタ3およびP型MOSトランジスタ4によって構成されているスイッチ素子は、Vf≧VcまたはVf≦−Vcであれば抵抗として振る舞い、−Vc<Vf<Vcであればキャパシタとして振る舞う。従って、第1の参考例に係る強誘電体素子と同様の効果が得られる。
この効果を確認するために、シミュレーションを行なった。図5は、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcを1.5Vとし、入力端子INに−5V以上5V以下の範囲の電圧を印加する条件で、強誘電体キャパシタ1に誘起される分極をシミュレーションによって解析した結果を示す。図5は、N型およびP型MOSトランジスタ3、4によって構成されるスイッチ素子を備えた本実施の形態に係る強誘電体素子と、スイッチ素子を備えていない強誘電体キャパシタ1のみに関して、入力端子INに印加される電圧Vinと強誘電体に誘起される分極Prとの関係を示している。図5から分かるように、本実施の形態に係る強誘電体素子では、印加電圧Vinを0Vから大きくして行くと約3Vで分極反転が起こっている。強誘電体キャパシタ1の抗電圧Vcを1.5Vとしてシミュレーションしたことを考慮すれば、本実施の形態に係る強誘電体素子の分極の保持特性が向上していることが分かる。これによって、角型比が、スイッチ素子を備えていない強誘電体キャパシタの0.77に比べて、本実施の形態に係る強誘電体素子では0.95と大幅に増大した。
以上のように、強誘電体キャパシタ1に、N型およびP型MOSトランジスタ3、4によって構成されるスイッチ素子を直列接続することによって、第1の参考例の強誘電体素子と同様の効果を実現でき、誘電分極の保持特性および角型比を大幅に向上することができた。
上記では、強誘電体キャパシタ1の強誘電体として、Y1を挙げたが、分極においてヒステリシス特性を有する材料であれば如何なる物、例えばチタン酸ビスマス、チタン酸鉛等、さらには、電荷の偏りを利用してデータを保持するポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体(P(VDF/TrFE))等の高分子化合物を使用して強誘電体素子を構成しても、上記と同様の効果が得られる。
(本発明に係る強誘電体素子の第2の参考例
図6は、本発明に係る強誘電体素子の第2の参考例を示す回路図である。図6に示すように、本実施の形態に係る強誘電体素子は、図1に示した第1の参考例に係る強誘電体素子と常誘電体キャパシタ5とが直列に接続されて構成されている。強誘電体キャパシタ1の端子INを所定の電圧Vinを印加する入力端子とし、常誘電体キャパシタ5側の端子SSを接地し、スイッチ素子2と常誘電体キャパシタ5との接続ノードに出力端子OUTを設けている。常誘電体キャパシタ5の容量は、例えば10pFであり、強誘電体キャパシタ1の強誘電体は、例えばタンタル酸ストロンチウムビスマス(Y1:SrBiTa)である。
入力端子INに印加される電圧Vinが強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcよりも十分に大きい場合、強誘電体キャパシタ1には抗電圧Vc以上の電圧が印加されることとなり、第1の参考例において説明したように、スイッチ素子2は抵抗として振る舞う。このため、入力端子INと出力端子OUTとの間の電圧は強誘電体キャパシタ1のみに印加され、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極が充分に誘起される。また、入力端子INに印加される電圧Vinが抗電圧Vcよりも小さい場合、強誘電体キャパシタ1にはVcよりも小さい電圧しか印加されないために、スイッチ素子2はキャパシタとして振る舞う。即ち、入力端子INに高電圧が印加されて強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極が誘起された後、電圧Vinを小さくすると、スイッチ素子2がキャパシタとして振る舞い、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の分極が保持されるので、角型比が増大する。これにより、出力端子OUTに保持される電圧も増大する。
これらの特性向上を確認するためにシミュレーションを行なった。図7は、スイッチ素子2が抵抗として振る舞うときの抵抗値を100Ω、スイッチ素子2がキャパシタとして振る舞うときの容量を10pF、常誘電体キャパシタ5の容量を10pF、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcを1.5Vとし、入力端子INに−10V以上10V以下の範囲の電圧を印加する条件で、出力端子OUTの電圧Voutをシミュレーションした結果を示す。
図7は、スイッチ素子2を備えている本実施の形態に係る強誘電体素子と、スイッチ素子2を備えていない強誘電体キャパシタ1および常誘電体キャパシタ5の直列接続回路に関して、入力端子INに印加される電圧Vinと出力端子OUTの電圧Voutとの関係を示している。図7から分かるように、入力端子INへの印加電圧Vinが0Vのときにおける強誘電体素子の保持電圧、即ち端子OUTに保持される電圧Voutは、スイッチ素子2を備えていない強誘電体キャパシタ1および常誘電体キャパシタ5の直列接続回路では約1.1Vであるが、本実施の形態に係る強誘電体素子では約2.6Vと大幅に増大している。これは、第1の参考例に係る強誘電体素子に関して説明したように、強誘電体キャパシタ1にスイッチ素子2を直列接続することによって角型比が増大したためである。
以上のように、第1の参考例係る強誘電体素子のスイッチ素子2にさらに常誘電体キャパシタ5を直列接続し、全体として別の強誘電体素子とすることによって、スイッチ素子2と常誘電体キャパシタ5との間の接続端子OUTの保持電圧Voutを増大させることが可能となった。
上記では、スイッチ素子2と常誘電体キャパシタ5とを接続する場合を説明したが、強誘電体キャパシタ1とスイッチ素子2の位置を入れ換えて、強誘電体キャパシタ1と常誘電体キャパシタ5とを接続し、その接続ノードを出力端子OUTとしてもよい。また、強誘電体キャパシタ1およびスイッチ素子2の位置関係を保持したまま、強誘電体キャパシタ1およびスイッチ素子2と常誘電体キャパシタ5とを入れ換えて、強誘電体キャパシタ1と常誘電体キャパシタ5とを接続し、その接続ノードを出力端子OUTとしてもよい。さらに、強誘電体キャパシタ1およびスイッチ素子2の位置を入れ換え、強誘電体キャパシタ1およびスイッチ素子2と常誘電体キャパシタ5と入れ換えて、スイッチ素子2と常誘電体キャパシタ5とを接続し、その接続ノードを出力端子OUTとしてもよい。これらの場合にも上記と同様の効果を得ることができる。
(本発明に係る強誘電体ゲートデバイスの1つの実施の形態)
図8は、本発明に係る強誘電体ゲートデバイスの1つの実施の形態を示す回路図である。本実施の形態に係るゲートデバイスは、図1に示した強誘電体素子と、スイッチ素子2であるツェナーダイオードのアノード2aがゲートに接続されたMOSトランジスタ6とを備えて構成されている。スイッチ素子2とMOSトランジスタ6のゲートとの接続ノードに端子FGを設けている。ここで、MOSトランジスタ6のドレインには1.0Vの電源電圧Vddが印加され、MOSトランジスタ6のソースおよび基板は接地されている。MOSトランジスタ6には、一例として、ゲート長0.5μm、ゲート幅5μm、しきい値電圧0.6VのN型MOSトランジスタを使用することができる。また、強誘電体キャパシタ1の強誘電体には、例えばタンタル酸ストロンチウムビスマス(Y1:SrBiTa)を用い、強誘電体の面積を、例えばMOSトランジスタ6のゲート面積の約1/10とすることができる。
MOSトランジスタ6のドレイン電流Idsを解析するためにシミュレーションを行なった。図9は、スイッチ素子2が抵抗として振る舞うときの抵抗値を100Ω、スイッチ素子2がキャパシタとして振る舞うときの容量を10pF、強誘電体キャパシタ1の強誘電体の抗電圧Vcを1.5Vとし、入力端子INに−10V以上10V以下の範囲の電圧を印加する条件で、ドレイン電流Idsをシミュレーションした結果を示す。
図9は、スイッチ素子2を備えた本実施の形態に係る強誘電体ゲートデバイスと、従来のMFMIS構造のゲートデバイス、即ちスイッチ素子2を備えていない強誘電体キャパシタ1のみをゲートに接続したゲートデバイスに関して、入力端子INに印加される電圧Vinとドレイン電流Idsとの関係を示している。図9から分かるように、従来のMFMIS構造のゲートデバイスのメモリウィンドウW1は約3.1Vであったが、本実施の形態に係る強誘電体ゲートデバイスのメモリウィンドウW2は約10.7Vと大幅に増大している。これは、本発明に係る強誘電体素子の第2の参考例に関する説明と同様に、端子FGの保持電圧が増大し、これによってMOSトランジスタ6のしきい値を従来のMFMIS構造よりも大幅に変化させることが可能であるからである。
なお、本実施の形態に係る強誘電体ゲートデバイスのメモリウィンドウW2は、従来のMFMIS構造のゲートデバイスのメモリウィンドウW1の2倍以上5倍以下となることが好ましい。2倍未満では本発明の効果を充分に得ることができず、5倍を超えることは設計上困難である場合が多い。
以上のように、本実施の形態に係る強誘電体ゲートデバイスは、従来のMFMIS構造のゲートデバイスよりもメモリウィンドウを増大させることが可能である。
上記では、スイッチ素子2とMOSトランジスタ6のゲートとを接続する場合を説明したが、強誘電体キャパシタ1とスイッチ素子2の位置を入れ換えて、強誘電体キャパシタ1とMOSトランジスタ6のゲートとを接続し、その接続ノードを端子FGとしてもよい。その場合にも上記と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る強誘電体素子の第1の参考例を示す回路図である。 図1に示した強誘電体素子の動作を説明するための図である。 図1に示した強誘電体素子における誘電分極と印加電圧との関係のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る強誘電体素子の第1の実施の形態を示す回路図である。 図4に示した強誘電体素子における誘電分極と印加電圧との関係のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る強誘電体素子の第2の参考例を示す回路図である。 図6に示した強誘電体素子における印加電圧と出力電圧との関係のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る強誘電体ゲートデバイスの1つの実施の形態を示す回路図である。 図8に示した強誘電体ゲートデバイスにおけるドレイン電流と印加電圧との関係のシミュレーション結果を示す図である。 従来技術を説明する図であり、(a)は強誘電体キャパシタおよび常誘電体キャパシタを直列接続した回路図であり、(b)は(a)に示した回路図の動作を説明する図である。
符号の説明
1 強誘電体キャパシタ
2 スイッチ素子(ツェナーダイオード)
3 N型MOSトランジスタ
4 P型MOSトランジスタ
5 常誘電体キャパシタ
6 MOSトランジスタ
101 常誘電体キャパシタ
102 強誘電体キャパシタ

Claims (3)

  1. 強誘電体キャパシタと、前記強誘電体キャパシタに直列に接続されているスイッチ素子と、入力端子と、接地端子を備えている強誘電体素子であって、
    前記スイッチ素子は、N型の電界効果型トランジスタ、およびP型の電界効果型トランジスタから構成され、
    前記N型およびP型の電界効果型トランジスタのソースが共に前記入力端子に接続され、
    前記N型およびP型の電界効果型トランジスタのドレインが共に強誘電体キャパシタの一端に接続され、
    前記N型およびP型の電界効果型トランジスタのゲート、ならびに前記強誘電体キャパシタの他端が前記接地端子に接続されており、
    前記入力端子に電圧が印加されるときに、前記強誘電体キャパシタが備えている強誘電体の抗電圧以上の電圧が前記強誘電体キャパシタに印加されると、前記スイッチ素子は抵抗として振る舞い、
    前記入力端子に電圧が印加されるときに、前記抗電圧よりも小さい電圧が前記強誘電体キャパシタに印加されると、前記スイッチ素子はキャパシタとして振る舞う、強誘電体素子。
  2. N型の電界効果型トランジスタが備えられている基板にはマイナスの電圧が印加されており、
    P型の電界効果型トランジスタが備えられている基板にはプラスの電圧が印加されている、請求項1に記載の強誘電体素子。
  3. N型の電界効果型トランジスタが備えられている基板には−Vppが印加されており、
    P型の電界効果型トランジスタが備えられている基板には+Vppが印加されており、
    ここでVppは前記入力端子に入力され得る電圧の最大値である、請求項1に記載の強誘電体素子。
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