JP2005044879A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ベースプリント配線板に信頼性の高いスルーホールめっきを形成する。
【解決手段】金属板に第1の貫通穴を設け、エッチングにより貫通穴周辺に段差部を設け、貫通穴及び段差部を穴埋め樹脂で充填した後、導体パターンを形成し、その後絶縁層,導体層を形成し、穴埋めした第1貫通穴の樹脂部に第2の貫通穴を形成し、スルーホールめっきを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】金属板に第1の貫通穴を設け、エッチングにより貫通穴周辺に段差部を設け、貫通穴及び段差部を穴埋め樹脂で充填した後、導体パターンを形成し、その後絶縁層,導体層を形成し、穴埋めした第1貫通穴の樹脂部に第2の貫通穴を形成し、スルーホールめっきを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線板の製造方法に関し、特にコアとして金属板を使用した金属ベースプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の金属ベースプリント配線板のコア材として、アルミニウム,鉄,銅,亜鉛などの金属ベースが使用され、この金属ベースの片面または両面に絶縁層を介して導体箔を重ねて接着一体化して、導体箔をエッチングして導体パターンを形成している。この金属ベースプリント配線板は、金属ベースの特性によって高熱伝導率、耐熱性,難燃性,シールド効果,機械的強度などが優れたものであり、特に熱放散性が良好なものものとして良く知られている。
【0003】
ところで近年、電子機器の小型化,高性能に伴い、半導体チップを実装する金属ベースプリント配線板は、小型薄型化,高性能化,高信頼性が要求されている。
このような状況下で、金属ベースプリント配線板に信頼性の高いスルーホールめっきを形成し、絶縁層を介して金属ベースの両面を有効利用して、小型化,高性能化を図る要求が高まっている。
【0004】
従来、金属ベースプリント配線板のスルーホールの信頼性を高める技術としては金属ベースに形成した貫通穴に充填する絶縁材料の耐クラック性や柔軟性を改善したものが提案されている。この種の技術として例えば、特開平6−237080号公報(特許文献1)や、特開平10−12982号公報(特許文献2)に開示されたものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−237080号公報
【特許文献2】
特開平10−12982号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術によれば、貫通穴に充填する絶縁材料の改質は金属ベースプリント配線板のスルーホール信頼性を向上するのに効果は有るが、未だ十分とは言えない。より高い信頼性を確保するには金属ベースと充填される絶縁材料の間の接着力も十分に高めることが好ましい。
【0007】
本発明の目的は、金属ベース基板に絶縁層を介して、信頼性の高いスルーホールめっきが形成できるプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、金属板と充填材の間の接着力を高めた金属ベースプリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、コアとなる金属板の上に絶縁層を形成して、絶縁層の上に導体層を形成してなるプリント配線板の製造方法において、金属板に第1の貫通穴を開け、エッチングにより第1の貫通穴の周辺に段差部を設け、第1の貫通穴及び段差部を樹脂で充填した後、樹脂の層の上に導体パターンを形成し、更に導体パターンの層の上に絶縁層を介して導体層を形成し、樹脂にて穴埋めされた第1貫通穴の樹脂部に第2の貫通穴を形成し、第2の貫通孔にスルーホールめっきを施してプリント配線板を製造する方法である。
好ましい例では、金属板として、アルミニウム,鉄,銅,亜鉛のいずれかが使用される。ドリルを用いて金属板に第1の貫通穴を設け、エッチングを行って貫通穴周辺の金属板に段差部を設けて、微粒子を含有する熱硬性樹脂を用いて貫通穴及び段差部に充填する。穴埋め樹脂は貫通穴及び段差部の金属と接触するので、その接触面積は大きくなり、接着力が著しく向上する。
【0010】
また、例えば金属板の表面はエッチングにより粗化されているので、アンカー効果により、さらに穴埋め樹脂との接着力は向上する。
【0011】
穴埋め樹脂としては、例えば微粒子を含有した熱硬化性樹脂が用いられる。すなわち微粒子として、シリカ,アルミナ,タルク,硫酸バリウムが使用され、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂,ビスマレイドトリアジン樹脂,ポリイミド樹脂等が使用できる。
【0012】
穴埋め樹脂を充填した後、熱硬化を行い、金属板表面を研磨し、不要な穴埋め樹脂を除去し、金属板表面を平滑化する。ついでセミアディティブ法で、めっきを行い導体パターンを形成する。
【0013】
本発明はまた、第1の貫通穴及び該段差部を埋めた樹脂部の周辺部を導体パターンで覆うように導体パターンを形成する。このように、導体パターンは穴埋め樹脂の周辺端部を固定するように形成されるので、穴埋め樹脂が金属板より剥離するのを防止する効果がある。その後、導体パターン表面を粗化処理し、絶縁層,導体層を形成し、第1の貫通穴よりも、小さいドリル径で穴明けし、同時に必要に応じて絶縁層をレーザ加工し、ビアを形成する。その後スルーホールめっきを行い、導体パターンを形成して金属ベースプリント配線板を製造する。
【0014】
本発明は、第1の貫通穴の周辺に形成した段差、又は凹部に樹脂で穴埋めしており、穴埋めの樹脂が金属板と接触する面積を大きくできるので、接着力が向上し、穴埋めした第1の貫通部に第2の貫通穴をドリルで穴明けしても、穴埋め樹脂と金属板との接着力を維持できる。また、穴埋め樹脂の周辺端部は導体パターンで固定されているので、例えば、ドリル加工での衝撃による金属板からの樹脂の剥離は発生しない。
【0015】
また、第1の貫通穴はエッチングにより穴径が変化するのに対し、第1の貫通穴を穴埋め後、第1の貫通穴部にドリル加工等で第2の貫通穴を形成することにより、正確な穴径を確保できる。
このようにして、信頼性の高いスルーホールめっきを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本実施形態による金属ベースプリント配線板の製造工程別の断面図である。
【0017】
図1(a)は金属板1を示している。金属板としては、アルミニウム,鉄,銅,亜鉛などの材料から選ばれた、厚さ0.2〜2.0mmのものを使用する。
本例では、厚さ0.3mmの圧延銅を使用し、ドリルを用いて回転数70,000rpm,送り速度2,100mm/min、で図1(b)に示すように穴径0.5mmの第1の貫通穴2を設ける(行程b)。
【0018】
その後、感光性ドライフィルムを金属板にラミネートし、露光,現像を行い、エッチングレジスト膜3を形成する(行程c)。
【0019】
次いで、金属板1をエッチングして貫通穴2の周辺に段差部4、及び凹部5を設ける(行程d)。エッチング液としては、塩化第2銅液,塩化第2鉄液,アルカリエッチング液(アンモニア〜塩化アンモニウム)が使用される。
また、貫通穴2の周辺の段差として、厚さ方向に50μm以上、エッチング後の貫通穴径に対して100μm以上大きくすることが、穴埋め樹脂との接着力を確保するために望ましい。
本例では、エッチング液として塩化第2銅液を使用し、銅板の厚さ方向に100μm,直径1.0mmの段差部4を設けた。
【0020】
次に、貫通穴2,貫通穴2の周辺段差部4、及び凹部5に微粒子を含有した熱硬化性樹脂6をスクリーン印刷法やロールコータ法を用いて充填する(行程e)。
本例では、シリカ粒子を含有するエポキシ樹脂をスクリーン印刷法で充填し、熱硬化後、バフ研磨を行い、銅板の不要部に付着したエポキシ樹脂を除去し、金属表面部と同一平面になるよう平滑化した。
【0021】
次いで、金属板1、充填樹脂部6の表面に導体パターン7、および導体層9を形成する(行程f〜g)。
ここで特徴的なことは、導体パターン7の端部は、貫通穴2に充填された樹脂部6の周辺部61,62を覆うように形成され、また凹部の樹脂部6の周辺部63,64を覆うように形成されている。
このように、導体パターン7は、充填樹脂の周辺部を固定するような形状で形成されるので、穴埋め樹脂6が金属板1より剥離するのを防止する効果がある。穴埋め樹脂の周辺端部への導体パターンによる固定は0.1mm以上が望ましい。本例では、導体パターン及び導体層をセミアディティブ法で形成し、穴埋め樹脂の周辺端部の導体パターンによる固定を0.12mmとした。
【0022】
次に、絶縁層8及び導体層9を形成する(行程g)。
絶縁層材料としては、熱硬化性樹脂,ガラス布基材熱硬化性樹脂、またはガラス不織布基材熱硬化性樹脂が使用される。具体的には、エポキシ樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂,ガラス布基材エポキシ樹脂,ガラス不織布基材エポキシ樹脂,ガラス布基材ビスマレイミドトリアジン樹脂,アラミド不織布基材エポキシ樹脂が挙げられる。また絶縁層の厚さは0.05〜0.3mmである。本例では、0.06mm厚のガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグと18μm銅箔を積み重ね、温度170〜220℃,圧力1〜3MPa,90〜150分加熱,加圧した。
【0023】
その後、第1の貫通穴2より小さな径で第2の貫通穴10を、第1の穴埋めした樹脂部に形成する(行程h)。
また、必要に応じてレーザ加工によりビア11を形成する。
ここで、第2の貫通穴10の径は第1の貫通穴2の径より0.1mm以上小さくしておくことが、穴埋め樹脂に対する穴明け時の衝撃を緩和すると同時に穴位置精度及び絶縁性を保つことができるので好ましい。
本例では回転数120,000rpm,送り速度1,200mm/minでドリル加工し、0.2mmの第2貫通穴11および炭酸レーザで加工し0.1mm径のビア12を形成した。
【0024】
第2の貫通穴10をドリル加工するに際し、穴埋め樹脂は金属板の貫通穴2及び貫通穴2の周辺の段差部4と広い面積で接着しており、また穴埋め樹脂の周辺端部は導体パターン7で固定されているので、ドリル加工の衝撃による穴埋め樹脂の剥れを防止できる。
【0025】
また、第1の貫通穴2はエッチングにより穴径が変化するのに対し、第1の貫通穴2を穴埋めした後、第1の貫通穴2の樹脂充填部にドリル加工等で第2の貫通穴10を形成することにより、正確に所望の穴径を確保できる。
【0026】
次いで、パネルめっき法により、スルーホールめっき12,ビアめっき13を形成した後、導体パターンを形成して、金属ベースプリント配線板を得る(行程i)。
【0027】
このようにして製造された金属ベースプリント配線板を冷熱サイクル試験−65℃30分,125℃30分を100サイクル繰り返した。また、別個にオイルディップ試験260℃5秒,20℃20秒を10サイクル繰り返した。それぞれの金属ベースプリント配線板のスルーホールめっきをマイクロセクション法で観察したが、穴埋め樹脂の金属板からの剥離,クラックは認められず、信頼性の高いスルーホールめっきであることを確認した。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、金属板に第1の貫通穴を設け、エッチングにより貫通穴周辺に段差部を設け、貫通穴及び段差部を穴埋め樹脂で充填した後、導体パターンを形成し、その後絶縁層,導体層を形成し、穴埋めした第1貫通穴部に第2の貫通穴を形成しスルーホールめっきを行うことにより、金属ベースプリント配線板に信頼性の高いスルーホールめっきを形成できる。
【0029】
また、第1の貫通穴及び該段差部を埋めた樹脂部の周辺部を導体パターンで覆うように形成することにより、金属板と充填材の間の接着力を高めた金属ベースプリント配線板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による金属ベースプリント配線板の製造工程を説明するための図である。
【符号の説明】
1,金属板 2,第1の貫通穴 3,エッチングレジスト膜
4,段差部 5,凹部 6,穴埋め樹脂
7,導体パターン 8,絶縁層 9,導体層
10,第2の貫通穴 11,ビア 12,スルーホールめっき
13,ビアめっき
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線板の製造方法に関し、特にコアとして金属板を使用した金属ベースプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の金属ベースプリント配線板のコア材として、アルミニウム,鉄,銅,亜鉛などの金属ベースが使用され、この金属ベースの片面または両面に絶縁層を介して導体箔を重ねて接着一体化して、導体箔をエッチングして導体パターンを形成している。この金属ベースプリント配線板は、金属ベースの特性によって高熱伝導率、耐熱性,難燃性,シールド効果,機械的強度などが優れたものであり、特に熱放散性が良好なものものとして良く知られている。
【0003】
ところで近年、電子機器の小型化,高性能に伴い、半導体チップを実装する金属ベースプリント配線板は、小型薄型化,高性能化,高信頼性が要求されている。
このような状況下で、金属ベースプリント配線板に信頼性の高いスルーホールめっきを形成し、絶縁層を介して金属ベースの両面を有効利用して、小型化,高性能化を図る要求が高まっている。
【0004】
従来、金属ベースプリント配線板のスルーホールの信頼性を高める技術としては金属ベースに形成した貫通穴に充填する絶縁材料の耐クラック性や柔軟性を改善したものが提案されている。この種の技術として例えば、特開平6−237080号公報(特許文献1)や、特開平10−12982号公報(特許文献2)に開示されたものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−237080号公報
【特許文献2】
特開平10−12982号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術によれば、貫通穴に充填する絶縁材料の改質は金属ベースプリント配線板のスルーホール信頼性を向上するのに効果は有るが、未だ十分とは言えない。より高い信頼性を確保するには金属ベースと充填される絶縁材料の間の接着力も十分に高めることが好ましい。
【0007】
本発明の目的は、金属ベース基板に絶縁層を介して、信頼性の高いスルーホールめっきが形成できるプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、金属板と充填材の間の接着力を高めた金属ベースプリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、コアとなる金属板の上に絶縁層を形成して、絶縁層の上に導体層を形成してなるプリント配線板の製造方法において、金属板に第1の貫通穴を開け、エッチングにより第1の貫通穴の周辺に段差部を設け、第1の貫通穴及び段差部を樹脂で充填した後、樹脂の層の上に導体パターンを形成し、更に導体パターンの層の上に絶縁層を介して導体層を形成し、樹脂にて穴埋めされた第1貫通穴の樹脂部に第2の貫通穴を形成し、第2の貫通孔にスルーホールめっきを施してプリント配線板を製造する方法である。
好ましい例では、金属板として、アルミニウム,鉄,銅,亜鉛のいずれかが使用される。ドリルを用いて金属板に第1の貫通穴を設け、エッチングを行って貫通穴周辺の金属板に段差部を設けて、微粒子を含有する熱硬性樹脂を用いて貫通穴及び段差部に充填する。穴埋め樹脂は貫通穴及び段差部の金属と接触するので、その接触面積は大きくなり、接着力が著しく向上する。
【0010】
また、例えば金属板の表面はエッチングにより粗化されているので、アンカー効果により、さらに穴埋め樹脂との接着力は向上する。
【0011】
穴埋め樹脂としては、例えば微粒子を含有した熱硬化性樹脂が用いられる。すなわち微粒子として、シリカ,アルミナ,タルク,硫酸バリウムが使用され、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂,ビスマレイドトリアジン樹脂,ポリイミド樹脂等が使用できる。
【0012】
穴埋め樹脂を充填した後、熱硬化を行い、金属板表面を研磨し、不要な穴埋め樹脂を除去し、金属板表面を平滑化する。ついでセミアディティブ法で、めっきを行い導体パターンを形成する。
【0013】
本発明はまた、第1の貫通穴及び該段差部を埋めた樹脂部の周辺部を導体パターンで覆うように導体パターンを形成する。このように、導体パターンは穴埋め樹脂の周辺端部を固定するように形成されるので、穴埋め樹脂が金属板より剥離するのを防止する効果がある。その後、導体パターン表面を粗化処理し、絶縁層,導体層を形成し、第1の貫通穴よりも、小さいドリル径で穴明けし、同時に必要に応じて絶縁層をレーザ加工し、ビアを形成する。その後スルーホールめっきを行い、導体パターンを形成して金属ベースプリント配線板を製造する。
【0014】
本発明は、第1の貫通穴の周辺に形成した段差、又は凹部に樹脂で穴埋めしており、穴埋めの樹脂が金属板と接触する面積を大きくできるので、接着力が向上し、穴埋めした第1の貫通部に第2の貫通穴をドリルで穴明けしても、穴埋め樹脂と金属板との接着力を維持できる。また、穴埋め樹脂の周辺端部は導体パターンで固定されているので、例えば、ドリル加工での衝撃による金属板からの樹脂の剥離は発生しない。
【0015】
また、第1の貫通穴はエッチングにより穴径が変化するのに対し、第1の貫通穴を穴埋め後、第1の貫通穴部にドリル加工等で第2の貫通穴を形成することにより、正確な穴径を確保できる。
このようにして、信頼性の高いスルーホールめっきを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本実施形態による金属ベースプリント配線板の製造工程別の断面図である。
【0017】
図1(a)は金属板1を示している。金属板としては、アルミニウム,鉄,銅,亜鉛などの材料から選ばれた、厚さ0.2〜2.0mmのものを使用する。
本例では、厚さ0.3mmの圧延銅を使用し、ドリルを用いて回転数70,000rpm,送り速度2,100mm/min、で図1(b)に示すように穴径0.5mmの第1の貫通穴2を設ける(行程b)。
【0018】
その後、感光性ドライフィルムを金属板にラミネートし、露光,現像を行い、エッチングレジスト膜3を形成する(行程c)。
【0019】
次いで、金属板1をエッチングして貫通穴2の周辺に段差部4、及び凹部5を設ける(行程d)。エッチング液としては、塩化第2銅液,塩化第2鉄液,アルカリエッチング液(アンモニア〜塩化アンモニウム)が使用される。
また、貫通穴2の周辺の段差として、厚さ方向に50μm以上、エッチング後の貫通穴径に対して100μm以上大きくすることが、穴埋め樹脂との接着力を確保するために望ましい。
本例では、エッチング液として塩化第2銅液を使用し、銅板の厚さ方向に100μm,直径1.0mmの段差部4を設けた。
【0020】
次に、貫通穴2,貫通穴2の周辺段差部4、及び凹部5に微粒子を含有した熱硬化性樹脂6をスクリーン印刷法やロールコータ法を用いて充填する(行程e)。
本例では、シリカ粒子を含有するエポキシ樹脂をスクリーン印刷法で充填し、熱硬化後、バフ研磨を行い、銅板の不要部に付着したエポキシ樹脂を除去し、金属表面部と同一平面になるよう平滑化した。
【0021】
次いで、金属板1、充填樹脂部6の表面に導体パターン7、および導体層9を形成する(行程f〜g)。
ここで特徴的なことは、導体パターン7の端部は、貫通穴2に充填された樹脂部6の周辺部61,62を覆うように形成され、また凹部の樹脂部6の周辺部63,64を覆うように形成されている。
このように、導体パターン7は、充填樹脂の周辺部を固定するような形状で形成されるので、穴埋め樹脂6が金属板1より剥離するのを防止する効果がある。穴埋め樹脂の周辺端部への導体パターンによる固定は0.1mm以上が望ましい。本例では、導体パターン及び導体層をセミアディティブ法で形成し、穴埋め樹脂の周辺端部の導体パターンによる固定を0.12mmとした。
【0022】
次に、絶縁層8及び導体層9を形成する(行程g)。
絶縁層材料としては、熱硬化性樹脂,ガラス布基材熱硬化性樹脂、またはガラス不織布基材熱硬化性樹脂が使用される。具体的には、エポキシ樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂,ガラス布基材エポキシ樹脂,ガラス不織布基材エポキシ樹脂,ガラス布基材ビスマレイミドトリアジン樹脂,アラミド不織布基材エポキシ樹脂が挙げられる。また絶縁層の厚さは0.05〜0.3mmである。本例では、0.06mm厚のガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグと18μm銅箔を積み重ね、温度170〜220℃,圧力1〜3MPa,90〜150分加熱,加圧した。
【0023】
その後、第1の貫通穴2より小さな径で第2の貫通穴10を、第1の穴埋めした樹脂部に形成する(行程h)。
また、必要に応じてレーザ加工によりビア11を形成する。
ここで、第2の貫通穴10の径は第1の貫通穴2の径より0.1mm以上小さくしておくことが、穴埋め樹脂に対する穴明け時の衝撃を緩和すると同時に穴位置精度及び絶縁性を保つことができるので好ましい。
本例では回転数120,000rpm,送り速度1,200mm/minでドリル加工し、0.2mmの第2貫通穴11および炭酸レーザで加工し0.1mm径のビア12を形成した。
【0024】
第2の貫通穴10をドリル加工するに際し、穴埋め樹脂は金属板の貫通穴2及び貫通穴2の周辺の段差部4と広い面積で接着しており、また穴埋め樹脂の周辺端部は導体パターン7で固定されているので、ドリル加工の衝撃による穴埋め樹脂の剥れを防止できる。
【0025】
また、第1の貫通穴2はエッチングにより穴径が変化するのに対し、第1の貫通穴2を穴埋めした後、第1の貫通穴2の樹脂充填部にドリル加工等で第2の貫通穴10を形成することにより、正確に所望の穴径を確保できる。
【0026】
次いで、パネルめっき法により、スルーホールめっき12,ビアめっき13を形成した後、導体パターンを形成して、金属ベースプリント配線板を得る(行程i)。
【0027】
このようにして製造された金属ベースプリント配線板を冷熱サイクル試験−65℃30分,125℃30分を100サイクル繰り返した。また、別個にオイルディップ試験260℃5秒,20℃20秒を10サイクル繰り返した。それぞれの金属ベースプリント配線板のスルーホールめっきをマイクロセクション法で観察したが、穴埋め樹脂の金属板からの剥離,クラックは認められず、信頼性の高いスルーホールめっきであることを確認した。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、金属板に第1の貫通穴を設け、エッチングにより貫通穴周辺に段差部を設け、貫通穴及び段差部を穴埋め樹脂で充填した後、導体パターンを形成し、その後絶縁層,導体層を形成し、穴埋めした第1貫通穴部に第2の貫通穴を形成しスルーホールめっきを行うことにより、金属ベースプリント配線板に信頼性の高いスルーホールめっきを形成できる。
【0029】
また、第1の貫通穴及び該段差部を埋めた樹脂部の周辺部を導体パターンで覆うように形成することにより、金属板と充填材の間の接着力を高めた金属ベースプリント配線板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による金属ベースプリント配線板の製造工程を説明するための図である。
【符号の説明】
1,金属板 2,第1の貫通穴 3,エッチングレジスト膜
4,段差部 5,凹部 6,穴埋め樹脂
7,導体パターン 8,絶縁層 9,導体層
10,第2の貫通穴 11,ビア 12,スルーホールめっき
13,ビアめっき
Claims (4)
- コアとなる金属板の上に絶縁層を形成して、該絶縁層の上に導体層を形成してなるプリント配線板の製造方法において、
該金属板に第1の貫通穴を開け、エッチングにより該第1の貫通穴の周辺に段差部を設け、該第1の貫通穴及び段差部を樹脂で充填した後、該樹脂の層の上に導体パターンを形成し、更に該導体パターンの層の上に絶縁層を介して導体層を形成し、樹脂にて穴埋めされた該第1貫通穴の樹脂部に第2の貫通穴を形成し、該第2の貫通孔にスルーホールめっきを施したことを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 第1の貫通穴及び該段差部を埋めた樹脂部の周辺部を該導体パターンで覆うように該導体パターンを形成することを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の製造方法。
- コアとなる金属板の上に絶縁層を介して導体層が形成されてなるプリント配線板において、
該金属板に開けられた第1の貫通穴の周辺に段差部が形成され、該第1の貫通穴及び段差部には樹脂が充填された樹脂層が形成され、該樹脂層の上に導体パターンが形成されると共に、該導体パターンの層の上には前記絶縁層を介して前記導体層が形成され、かつ該樹脂層の形成された該第1貫通穴の樹脂部には第2の貫通穴が形成され、該第2の貫通孔にはスルーホールめっきが施されていることを特徴とするプリント配線板。 - コアとなる金属板の上に絶縁層を介して導体層が形成されてなるプリント配線板において、
該金属板に開けられた貫通穴の周辺部に形成された段差部又は該金属板に形成された凹部と、該段差部又は該凹部に充填して形成された樹脂層と、該樹脂層の上に形成された導体パターンを有し、該導体パターンは該段差部又は該凹部に形成された樹脂層の周辺部を覆うように形成されることを特徴とするプリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003200908A JP2005044879A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | プリント配線板の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2003200908A JP2005044879A (ja) | 2003-07-24 | 2003-07-24 | プリント配線板の製造方法 |
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