JP2005042364A - 階段用表面被覆材 - Google Patents

階段用表面被覆材

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Abstract

【課題】階段用ステップ材自身の欠点である昇降時の応力集中による変形および脱落を緩和して耐久性と安全性および排水性を備え、且つ施工を簡略化できる階段用表面被覆材を提供すること。
【解決手段】階段蹴上げ部(1)と段鼻部(2)とを有する略L字形状の階段用ステップ材と、階段踏み面部として裏面に発泡層を設けた床材とを一体化し、ステップ材Aが、段鼻部(2)の外面側表面の長手方向に、平行な直線状の凹凸絞(21)を複数有し、段鼻部(2)の内面側コーナーの長手方向に1〜5mmφの窪み溝(22)を有し、且つ段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)とが、ステップ材Aの長手方向に5〜50mm幅で面一に接合一体化されていることを特徴とする階段用表面被覆材とすること。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンションなどの集合住宅における共用階段の表面被覆材に関するものであり、特に防滑性、耐久性、および雨水の排水性が良好であり、簡易施工が可能な階段用表面被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄製の階段やコンクリート製の階段には、防滑機能を発揮させるために、階段段鼻部にステンレス製、ゴム製或いは合成樹脂製の階段用ステップ材がビス止めや接着剤により固定されている。しかしながら、何れも階段の段鼻コーナー部に掛かる昇降時の繰り返し局部応力により金具の変形や緩み、若しくは接着剤の界面剥離や凝集破壊を起こし、その結果として階段用ステップ材が脱落しやすく、耐久性を損ないやすい傾向が見られた。
【0003】
階段段鼻コーナー部を、階段用ステップ材の代わりに防滑性床材で仕上げる場合には、防滑性床材の折り曲げ加工を伴い、その残留歪みにより段鼻部が変形や剥がれを生じやすく、また、階段用ステップ材の機能に相当する配合処方と異形状の意匠が必要となり、その結果として肉厚の異なる異材料異構造の床材の生産工程に大きな支障を来すこと、および異材料異構造となる防滑性床材自身の構造界面の強度が弱くなることなどの問題がある。また、雨水の排水性を高めるための構造として、段鼻部に縦リブ凹状の排水溝を設ける場合には、その凹部に踏み込み時の応力が集中し、部分的に破壊・脱落するという問題も発生する。
【0004】
特開2000−291219号公報に見られるようなゴム製の階段用ステップ材とゴムチップ製の防滑性タイルとを接着剤を介して接合した場合では、防滑性は優れるものの段鼻部が柔軟過ぎるために、応力ストレスに耐え切れず接合界面の剥離や段鼻部ゴムの裂傷が生じやすいという問題もある。
【0005】
一方、合成樹脂製の階段用ステップ材は、歩行量の多い公共施設、例えば、駅舎やバスなどの場所で長年使用された実績を持ち、防滑性、耐摩耗性、および耐候性が優れることが知られており、かかる合成樹脂製の階段用ステップ材が、階段踏み面に使用される防滑性床材の上に施工される場合も数多い。しかしながら、階段段鼻部に階段用ステップ材を、階段踏み面に防滑性床材を施工する場合には、階段用ステップ材は金物工事、開放廊下に連絡する防滑性床材は床仕上げ工事と、それぞれ施工業者が異なる場合があり、そのために工期や工事代が嵩む傾向も見られた。
【0006】
【先行技術文献の開示】
【特許文献1】
特開2000−291219号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性樹脂製の階段用ステップ材の本来持つ防滑性、耐摩耗性、耐候性および雨水の排水性の機能に着目し、階段用ステップ材自身の欠点である昇降時の応力集中による変形および脱落を緩和して耐久性と安全性を備え、且つ施工を簡略化できる階段用表面被覆材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、請求項1では、ステップ材Aと発泡床材Bとを一体化した階段用表面被覆材であって、該ステップ材Aが、段鼻部(2)の外面側表面の長手方向に、平行な直線状の凹凸絞(21)を複数有し、段鼻部(2)の内面側コーナーの長手方向に1〜5mmφの窪み溝(22)を有し、且つ段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)とが、ステップ材Aの長手方向に5〜50mm幅で面一に接合一体化されていることを特徴とし、請求項2では、上記段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)との接合一体化を加熱溶接により行い、その加熱溶接時の熱により発泡床材Bのフラット部の発泡層を押潰し、段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)とを面一に接合一体化することを特徴とする請求項1に記載の階段用表面被覆材である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に実施の形態を示す図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明で使用するステップ材Aの断面形状を示す。図示のように上記ステップ材Aは、階段蹴上げ部(1)と段鼻部(2)とを有するように一体的に成形されている。該ステップ材Aの長さは、種々の階段の幅に見合った長さにするか、あるいは幾分長めに調製されるが、一般的には約900〜2000mmの略L字型に一体成形される。上記階段蹴上げ部(1)の高さは約20〜70mmであり、段鼻部2の幅は約40〜100mmである。
【0010】
また、上記ステップ材Aはその段鼻部(2)の外面側表面の長手方向に、平行な直線状の凹凸絞(21)を複数有するように成形し、ステップ材Aに防滑性を与える。上記平行な直線状の凹凸絞(21)は、その凸紋が連続している必要はなく、むしろ断続的に形成し、凸紋のない箇所を雨水などが流れる水路とすることが好ましい。この凸紋の高さは一般的には約0.5〜2.0mmの範囲である。
【0011】
さらに、上記ステップ材Aの段鼻部(2)の内面側コーナーに、その長手方向に1〜5mmφの窪み溝(22)を有するように成形する。このような窪み溝(22)を形成することによって、階段蹴上げ部(1)の角度の変更が容易であり、本発明の被覆材で被覆される駆体の階段蹴上げ部の角度と一致させて、階段蹴上げ部(1)の内面を駆体の階段蹴上げ部に強固に接着させることができる。
【0012】
また、本発明においては、前記ステップ材Aと前記発泡床材Bとが5〜50mmの幅で接合一体化されるようにする。
【0013】
上記接合幅は、ステップ材Aと発泡床材Bとの接合引っ張り強度、引き裂き強度、剥離強度からその耐久性と意匠性を鑑みて設定するが、幅が5mm未満ではステップ材Aと発泡床材Bとが一体化されても両者が剥れるおそれがある。一方、幅が50mmを超えると接合一体化の工程上、コストアップに繋がり不経済となる。
【0014】
また、排水性を考慮して段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)とを、面一に接合一体化することが必要である。面一とは実質的に段差がない状態をいう。
面一に接合する方法としては、発泡床材Bのフラット部(31)の先端に、ステップ材Aの段鼻端部段差(24)に見合った凹部(33)を形成してもよく、或いは後述するようにステップ材Aの段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)を加熱溶着する時に発泡床材Bのフラット部(31)裏層の発泡層を押し潰ぶし、面一に接合する方法が好ましい。
【0015】
図2に示す発泡床材Bは、従来公知の発泡床材を使用できるが、防滑性の発泡床材を用いることが好ましい。なお、前記凸絞部(32)の絞高さは、前記ステップ材Aの段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)の表面高さ以上として、歩行者が躓かないようにする。
【0016】
発泡床材Bは、少なくとも仕上がり層(以下、表層という)と発泡層からなる。表層は、意匠性を高めるために色付けを施すことができ、また、透明シートを表層とした場合、表層の下にもう一層(以下、中間層という)を設け、色付け、印刷を施すこともできる。また、カラーチップをばら撒き型押し加工することで表層(チップ層)を得ることもできる。
さらに、床材の寸法安定性を保持するために、中間層に充填剤を多量に添加することもでき、また織布、不織布をサンドイッチしたり、床材裏面に積層することもできる。
【0017】
本発明の階段用表面被覆材は、図3に示すように、図1に示すステップ材Aと図2の(イ)、(ロ)に示す発泡床材Bとを、それらの長手方向で、5〜50mmの接合幅で面一に接合一体化して形成される。ステップ材Aと発泡床材Bの接合は、加熱溶接、液溶着及び接着剤を介した接合方法を用いて行うことができ、なかでも加熱溶接が好ましい。
【0018】
上記加熱溶接の加熱方式は、熱風、ヒートシールおよび誘電加熱などの何れでもよく、誘電加熱には、超音波、高周波、低周波ウエルドおよび電磁誘導加熱などの方法が含まれ、ステップ材Aと発泡床材Bが含ハロゲン系樹脂製の場合には、短時間で接合できる高周波ウエルド及び電磁誘導加熱の加熱方式が好ましい。また、上記加熱溶着は、溶着条件を強くすることで{例えば、高周波ウエルドによる加熱溶着では、出力(7KW)×溶着時間(6sec)から、出力(7KW)×溶着時間(8sec)或いは出力(8KW)×溶着時間(6sec)にするなど}、ステップ材Aと発泡床材Bとを同時に溶融させて接合圧着するため、発泡床材Bのフラット部(31)の発泡層を押し潰ぶし、ステップ材Aと発泡床材Bとの接合面を上面及び下面とも面一に接合一体化することができた。
【0019】
以上の如く製造された本発明の階段表面用被覆材の断面を図3に示す。図3に示すように、ステップ材Aと発泡床材Bとは、このままでも充分に一体化されているが、更にステップ材Aと発泡床材Bとの接合部の入隅部(4){すなわち、段鼻部(23)の端部下端とフラット部(31)とが接する箇所}および/または突合部(5){すなわち、段鼻端部(24)の奥面と発泡床材Bのフラット部(31)の先端との突き合わせ部分}を、シーリング、テーピング、加熱溶接および液溶着などの方法の何れか一つ以上で補強することにより、それらの接合部の接合強度を一層高めることができる。
【0020】
これにより、発泡床材Bの表面側では、その入隅部(4)での剥がれ防止をより強化するとともに全体の外観意匠が整えられ、階段表面被覆材の裏面側ではステップ材Aと発泡床材Bとの接合強度が一段と向上することで、ステップ材Aに掛かる応力集中を発泡床材B側全体に分散でき、より応力緩和をすることができる。
【0021】
本発明の階段用表面被覆材は、従来から機能として備わっているステップ材Aの防滑性、耐摩耗性、耐候性、および高強度性をステップ材A単独で保持できるとともに、上記したようにステップ材Aに掛かる応力集中を合体化された発泡床材Bに分散し、ステップ材Aの耐久性を増すことができる。
また、本発明の階段用表面被覆材は、事前にステップ材Aと発泡床材Bとを施工前に合体化した構造体で供給できるので、従来、別々の業者で施工されていた工事を、床工事として一括工事が可能となり、施工の簡略化と工期の短縮が可能となる。
【0022】
本発明では、発泡床材Bが発泡層を有しているため、防音性があり、階段の昇降時に発生する靴のコツコツ音を低減できる。
【0023】
本発明に使用するステップ材A及び発泡床材Bの材質には、熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂が使用できる。より具体的には、塩化ビニル系樹脂などの含ハロゲン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系、スチレン系、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系などの熱可塑性エラストマー、および合成ゴムなどから選ばれた1種または2種以上を混合してなる合成樹脂などを挙げることができる。さらにこれらの樹脂には、必要に応じて、可塑剤、安定剤、難燃剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、発泡剤、着色剤、加工助剤、滑剤、抗菌剤、防カビ剤、意匠付与材などの添加剤を添加することができる。
【0024】
階段踏み面部の裏面に設ける発泡層の厚みは、防音性、歩行感を考慮すると1〜5mmが好ましく、発泡倍率は1.5〜10倍が好ましい。発泡層の気泡構造は独立気泡、連続気泡のどちらでもよいが、防音性、耐久性を考慮すると独立気泡の方が好ましい。また、発泡層の耐久性を上げるために架橋することも可能である。
【0025】
本発明が使用するステップ材Aは、カレンダー圧延成形、押出成形、射出成形、回転成形、粉体焼結成形、液状ペースト流展成形、熱プレス成形などで製造することができ、その中でも、略L字形状であっても残留歪みが小さく、且つ防滑性付与のための凹凸絞を金型で容易に設計できるということを考慮すれば、ステップ材Aの製造方法としては押出成形、射出成形、およびプレス成形が好ましい。
【0026】
本発明が使用する発泡床材Bも、ステップ材Aと同様の方法で製造することができ、その中でも生産性が高く且つ印刷、積層、埋設および型押などの付帯加工との組み合わせを容易にできる製造方法としては、カレンダー圧延成形および液状ペースト流展成形が好ましい。
【0027】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0028】
[実施例1]
<ステップ材Aの調製>
塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を配合および混合し、一軸押出機を用いて、図1に示す断面形状に連続押出を行い、1,220mm長さに切断した。得られたステップ材A(以下A−1という)は、蹴上げ部(1)の縦面幅50mm、厚み4mmで、略L字80°形状の横面には段鼻部(2)(幅75mm、厚み3.5mm)が形成され、その段鼻部(2)の表面には靴底に対する引っかかり抵抗を発揮させるための段差1mmの凹凸絞(21)を平行で直線状に4本を有し、段鼻部(2)の内面側コーナーには、階段の蹴上げ面角度に曲げ込みが容易となるように、その長手方向に深さ2mmの半円筒状の窪み溝(22)を有し、且つ段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)には、幅13mm、厚み1mmの段鼻端部の段差で、段鼻部の下面から厚み2.5mmを削ぎ落とした形状となった。
【0029】
<発泡床材Bの調製>
塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、充填剤、発泡剤を配合および混合し、厚み1.0mmに圧延するとともに織布基材に積層した後にオーブンで発泡し、厚み2.5mmの発泡層を得た。
次に、中間層として塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、顔料、耐候性処方の添加剤、充填剤を混合し、厚み0.6mmに圧延するとともに発泡層に積層して3.1mmの発泡積層シートを得た。
塩化ビニル樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、意匠付与材としてポリエステル系の着色チップと着色繊維を配合および混合し、厚み0.7mmの耐摩耗性および耐候性の良い透明な表層を得た。
上記発泡シートと表層をラミネーターで積層して3.8mmとし、絞ロールで型押し、フラット部の厚み3.5mm、幅20mm、絞山部(凸部)の厚みが4.5mm、幅約250mmで絞山谷の高さ段差が1.0mmの絞パターンが床材の幅方向に繰り返された広幅で長尺の発泡床材を得た。
この広幅で長尺の発泡床材の絞谷フラット部が片側に15mm残るようにスリット加工し、260mm幅の長尺状に巻き上げた後に、巻き物を巻き方向に長さ1,220mmでカットし、階段踏み面部用の発泡床材B(以下B−1という)を得た。得られたB−1は、幅15mm、厚み3.5mmのフラット部(31)と幅240mm、厚み4.5mmの凸絞部(32)を有する長さ1,220mmの形状となった。
【0030】
A−1とB−1とをそれぞれの接合面に隙間が生じないように、B−1のフラット部(31)の上にA−1の段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)を重ね、刃の形状が幅13mm、長さ1,300mmの高周波ウエルドマシンを用いて誘電加熱{出力(7KW)×溶着時間(8sec)}し、B−1の発泡層を押潰し、A−1とB−1とを一体的に接合し、A−1の段鼻端部(23)とB−1の絞谷フラット部(31)が厚さほぼ3.5mmで面一となる階段用表面被覆材の原型体を得た。
続いて、この階段用表面被覆材の原型体を放冷後、重合度700の塩化ビニル樹脂をテトラヒドロフランに溶解した液シーラーを用いて表面の入隅部(4)と突合面(5)を液溶着および乾燥し、最後に長さ1,220mmの両側10mmずつを切り落とし、長さ1,200mmの本発明品である階段用表面被覆材を得た。効果の確認として、耐水性一液湿気硬化型ウレタン接着剤を、階段構造の段鼻コーナー部、および踏み面の全面に片面塗布し、本発明品の階段用表面被覆材を接着施工した。
【0031】
[実施例2]
<発泡床材Bの調製>
塩化ビニル樹脂に可塑剤、安定剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を混合した塩化ビニルコンパウンド配合と、塩素化ポリエチレンコポリマー架橋体アロイに可塑剤、安定剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を混合した塩素化ポリエチレンコンパウンド配合を別々のホッパーから投入し、共押出機を用いてシート幅1,000mmでそれぞれ0.5mm厚みの積層異色シートを得た。この積層異色シートを粉砕機で大きさ3mm以下に粉砕しチップ化した。
次に、チップ化した色相の1つと同じ色相の中間層を厚み0.3mmで圧延するとともにガラスクロス基材に積層し、さらに、上記チップを載置して加熱融着し、厚み1.3mmの表層(チップ層)を得た。
【0032】
チップ層および実施例1で作成した発泡層をラミネーターで積層し3.8mmの積層シートとし、さらに絞ロールで型押し、フラット部の厚み3.5mm、フラット部先端の凹部(33)の厚み2.5mm、幅20mm、絞山部の厚みが4.5mm、幅約250mmで、絞山谷の高さ段差が1.0mmの絞パターンが床材の幅方向に繰り返された広幅で長尺な発泡床材を得た。実施例1と同様にこの広幅で長尺な発泡床材をスリットして裁断加工を行い、発泡床材B(以下、B−2という)を得た。
実施例1で作成したA−1とB−2とをそれぞれの接合面に隙間が生じないように、B−1のフラット部先端の凹部(33)の上にA−1の段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)を重ね、刃の形状が幅13mm、長さ1,300mmの高周波ウエルドマシンを用いて誘電加熱{出力(7KW)×溶着時間(6sec)}して接合し、本発明品である階段用表面被覆材を得た。効果の確認として、耐水性一液湿気硬化型ウレタン接着剤を階段構造の段鼻コーナー部の上面、および踏み面の全面に片面塗布し、ニトリルゴム系接着剤を蹴上げ垂直面と階段用表面被覆材の蹴上げ部裏面に両面塗布し、本発明品の階段用表面被覆材を接着施工した。
【0033】
[比較例1]
ステップ材は実施例1で作成したA−1を使用し、床材は発泡層を有しない市販の床シートを使用した。これらのシートを一体的に接合し、耐水性一液湿気硬化型ウレタン接着剤にて接着施工した。
[比較例2]
実施例1で作成したB−1を階段構造の踏み面に耐水性一液湿気硬化型ウレタン接着剤にて接着施工し、階段構造の段鼻部に金属製のステップ材をビス止めした。
【0034】
{評価方法及び評価基準}
実施例と比較例について、耐久性、安全性、排水性および防音性を、以下の方法及び基準で評価した。その結果を表1に示す。
<耐久性>
一日の昇降歩行量が200名である屋根の付かない屋外階段に実施例及び比較例をそれぞれ施工し、6ヶ月(120日)すなわち、24,000回歩行後の外観を目視で観察した。
◎:変形・破損なし
○:僅かに変形・破損あり
×:変形・破損あり
<安全性>
実施例及び比較例をそれぞれ階段に施工し、階段用ステップ材と階段踏み面の接合部で躓きやすいかどうか、実際に階段を昇降し確認した。
○:躓くことはない
×:躓きやすい
<排水性>
実施例及び比較例をそれぞれ階段に施工し、階段の上段から水を流し、階段用ステップ材と階段踏み面の接合部に水溜りができるかどうか目視で観察した。
○:水が流れて溜まらない
×:水が溜まる
<防音性>
実施例及び比較例の踏み面部に相当する部分をそれぞれコンクリートの上に貼り付け、重さ500gの鉄球を高さ10cmの位置から落とし、落下地点から水平距離1mで、高さ1.2mに設置した騒音計(リオン製 NA−29)で発音量を測定した。
○:65以下
×:65dBを超える
【0035】
【表1】
Figure 2005042364
【0036】
【発明の効果】
表1に示した実施例と比較例の評価結果から明らかなように、本発明の階段用表面被覆材は、階段構造の段鼻部に使用されるステップ材Aが踏み面に使用される発泡床材Bと強固に接合されているため、階段の昇降時に掛かるステップ材への応力集中を発泡床材側に緩和することができ、ステップ材の変形、剥離、脱落および材料破壊を防止している。
【0037】
また、段鼻部のステップ材と踏み面の発泡床材との段差がないため、躓きにくく、水溜まりも生じない。
【0038】
さらに、事前にステップ材Aと発泡床材Bとを施工前に合体化された構造体で供給できるので、従来別々の業者で施工されていた工事を床材施工の一括工事で仕上げ、施工の簡略化と工期の短縮を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステップ材Aの一実施例を示す断面図。
【図2】(イ) 発泡床材Bの一実施例を示す断面図。
(ロ) 発泡床材Bの他の実施例を示す断面図。
【図3】本発明の階段用表面被覆材の一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1:蹴上げ部
2:段鼻部
21:凹凸絞
22:窪み溝
23:段鼻端部
24:段鼻端部段差
31:フラット部
32:凸絞部
33:フラット部先端の凹部
4:入隅部
5:突合部

Claims (2)

  1. 階段蹴上げ部(1)と段鼻部(2)とを有する略L字形状の階段用ステップ材(以下、ステップ材Aという)と、階段踏み面部として裏面に発泡層を設けた床材(以下、発泡床材Bという)とを一体化した階段用表面被覆材であって、該ステップ材Aが、段鼻部(2)の外面側表面の長手方向に、平行な直線状の凹凸絞(21)を複数有し、段鼻部(2)の内面側コーナーの長手方向に1〜5mmφの窪み溝(22)を有し、且つ段鼻部(2)から連なる段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)とが、ステップ材Aの長手方向に5〜50mm幅で面一に接合一体化されていることを特徴とする階段用表面被覆材。
  2. 上記段鼻端部(23)と、発泡床材Bのフラット部(31)との接合一体化を加熱溶接により行い、その加熱溶接時の熱により発泡床材Bのフラット部の発泡層を押潰し、段鼻端部(23)と発泡床材Bのフラット部(31)とを面一に接合一体化することを特徴とする請求項1に記載の階段用表面被覆材。
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