JP2005042126A - 複合酸化物顔料組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 分散性、分散安定性、沈降性、色別れ等の改善された複合酸化物顔料組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】 平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある複合酸化物系顔料の表面を無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆することを特徴とする複合酸化物顔料組成物の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある複合酸化物系顔料の表面を無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆することを特徴とする複合酸化物顔料組成物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、塗料、樹脂、インキ、建材、家電分野のCRTやディスプレーパネルのブラックマトリクス等の着色剤として好適な分散性が改善された複合酸化物顔料組成物の製造方法に関する。
複合酸化物系顔料は、塗料系で使用する場合には、顔料をそのまま使用して製品に仕上げるのが一般的であり、酸化チタンのような光触媒能を減ずるための表面処理に類する等の何らかの前処理あるいはそのための改良を行って使用に供するということは従来ほとんどなかった。この理由は、複合酸化物系顔料は未処理の状態でも品質が非常に堅牢で、耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優れているためであり、顔料の品質において大きな問題になることがなかったからである。又、複合酸化物系顔料は塗料系で使用される各種顔料の中では使用量が少ないこともあって、塗料適性が特に大きな改良ニーズとはなっていなかった。
しかし、近年における顔料に対する要求物性の高度化や、低価格品の流入、商品の差別化といった時代の要請の渦中においては、複合酸化物系顔料の品質は必ずしも充分満足できるとはいえなくなりつつあり、潜在的な要求が顕在化しつつある。上記のような状況下、複合酸化物系顔料に対する品質、特に塗料系に関しては、分散性、分散安定性、沈降性、色別れ等の改善要求が増加し、要求される内容(レベル)も高度化しつつある。
本発明はこうした改善要求を踏まえ、複合酸化物系顔料の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、通常の同系統の顔料より粒径の小さい顔料を使用し、更にこの顔料の表面に無機物質による表面処理を行うことにより、分散性が改善され、更には塗料系における沈降防止並びに分散安定性が改善されることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成した。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある複合酸化物系顔料の表面を無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆することを特徴とする複合酸化物顔料組成物の製造方法である。
本発明によれば、分散性、分散安定性、沈降性、色別れ等が改善された複合酸化物顔料組成物が提供される。本発明の複合酸化物顔料組成物は、塗料、樹脂、インキ、建材、家電分野のCRTやディスプレーパネルのブラックマトリクス等の着色剤として好適である。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の無機複合酸化物顔料組成物は、従来の無機複合酸化物系顔料の平均粒径が通常0.1〜2.0μm程度であるのに対し、その平均粒径が0.01〜0.5μmであることと、更にその表面が無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆されていることが特徴である。
本発明に使用される無機複合酸化物系顔料は、従来より粒径の小さい上記の範囲の平均粒径を有するものであれば、いずれの無機複合酸化物系顔料も使用可能であり、特に制限されない。具体的には、例えば、微粒子透明タイプのイエロー顔料であるTi−Sb−Ni系、Ti−Sb−Cr系;微粒子透明タイプのブラウン顔料であるZn−Fe系、Zn−Fe−Cr系;微粒子透明タイプのグリーン顔料であるCo−Zn−Ni−Ti系、Co−Al−Cr系;微粒子透明タイプのブルー顔料であるCo−Al系;微粒子透明タイプのブラック顔料であるCu−Cr系、更に微粒子タイプのCu−Fe−Mn系ブラック顔料等が挙げられる。
粒子の大きさとしては、平均粒径が0.01〜0.5μmのものが好ましい。粒径は小さければ小さい程ワニス中における沈降が無くなり、単色で使用の場合には、沈降による分散安定性は大幅に改善される。一方、平均粒径が0.5μmを超えると、仮に高粘度のバインダー中であっても、数日のうちに沈降をきたし、場合によってはハードケーキ化し、再使用が不可能な状態になるので好ましくない。
本発明の複合酸化物顔料組成物は、上記の平均粒径を有する無機複合酸化物系顔料の表面が無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆されたものである。無機物質の酸化物及び/又は水酸化物としては、Al、Si、Ti、Sn、Zn、Zr、Ce、La及びPrから選択される少なくとも1種の元素の酸化物及び/又は水酸化物が好ましく、特に無色のものが好ましい。これらの酸化物及び/又は水酸化物で上記顔料表面を被覆することにより、未処理の上記顔料に比べワニスに対する濡れが大幅に向上し、分散性が著しく改善される。顔料表面を被覆するこれらの無機物質の酸化物及び/又は水酸化物の量は、特に制限されないが、顔料に対して1〜10重量%程度が好ましい。少な過ぎると効果が不十分となり、多過ぎると塗料の増粘や着色濃度を低下させる等の悪影響を及ぼすので好ましくない。
このような本発明の無機複合酸化物顔料組成物の製造方法は、該顔料の表面を無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆することができる方法であれば、いずれの方法も使用可能であり、特に制限されない。
以下に無機物質の酸化物及び/又は水酸化物の被覆を形成する処理方法の一例を示す。
本発明に使用される無機物質は前記の元素の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩等の各種塩であり、アルカリ液等の処理によってその酸化物及び/又は水酸化物の沈澱を生成するものであればいずれも使用可能である。
以下に無機物質の酸化物及び/又は水酸化物の被覆を形成する処理方法の一例を示す。
本発明に使用される無機物質は前記の元素の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩等の各種塩であり、アルカリ液等の処理によってその酸化物及び/又は水酸化物の沈澱を生成するものであればいずれも使用可能である。
先ず、選択された前記複合酸化物系顔料を界面活性剤とともに水中に投入し、ホモミキサー等の分散機で十分良く撹拌、解膠を行い凝集状態をほぐす。この際に選択される界面活性剤はアニオン系、カチオン系のいずれでも良いが、好ましくはアニオン系のものが顔料との相性が良く好ましい。このような界面活性剤は従来公知のものが使用でき、特に限定されない。
次に、この解膠された顔料スラリーをビーカー等の反応容器に取り、予め用意した表面処理用金属塩の混合溶液と苛性ソーダ等のアルカリ溶液とを、所定のpH、温度を維持しつつ顔料スラリー中へ同時に滴下する。この際のpHは、金属の水酸化物等の沈澱が生成する範囲であれば良いが、pH6〜10の範囲が好適である。処理温度は室温〜90℃の範囲であれば良いが、低過ぎると沈澱粒子が小さくなりすぎて凝集し、かえって顔料表面に付着し難くなる。このようにしてすべての滴下が終了したら、基本的にそのままの状態を維持しつつ熟成を行い、1時間経過したら顔料スラリーを電導度が300μS/cmとなるまで水洗し、濾過後、100〜120℃で12時間程乾燥することにより、目的とする表面処理顔料組成物が得られる。このようにして得られた表面処理顔料組成物を以下に述べる実施例のごとき塗料試験に供したところ、分散性が向上し、沈降も抑えられて分散安定性も向上していた。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。文中の部及び%は重量基準である。
実施例1
平均粒径が0.05〜0.1μmCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料300部とクエン酸ソーダ0.9部を水1500部に投入し、ホモミキサーにて1時間解膠する。次いでこの顔料スラリー懸濁液に、あらかじめ用意したアルミン酸ソーダ14.6部を水100部に溶解した溶液と、濃硫酸9部を水100部に溶解した希硫酸溶液を、撹拌しながら、60℃の温度で同時添加する。その際スラリー液のpHを7に調整し、滴下が終了したらそのままの状態で、熟成を1時間行う。次にこのスラリー液を水洗し、電導度が300μS/cm以下になったらヌッチェで濾過し、100〜120℃の温度にて12時間乾燥し、表面処理顔料組成物を約305部得た。
平均粒径が0.05〜0.1μmCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料300部とクエン酸ソーダ0.9部を水1500部に投入し、ホモミキサーにて1時間解膠する。次いでこの顔料スラリー懸濁液に、あらかじめ用意したアルミン酸ソーダ14.6部を水100部に溶解した溶液と、濃硫酸9部を水100部に溶解した希硫酸溶液を、撹拌しながら、60℃の温度で同時添加する。その際スラリー液のpHを7に調整し、滴下が終了したらそのままの状態で、熟成を1時間行う。次にこのスラリー液を水洗し、電導度が300μS/cm以下になったらヌッチェで濾過し、100〜120℃の温度にて12時間乾燥し、表面処理顔料組成物を約305部得た。
(メラミン・アルキッド樹脂塗料による試験)
得られた表面処理顔料組成物を塗料試験に供するため4部取り、市販のメラミン樹脂(固形分60%)4.8部とシンナー3部及びガラスビーズ45部とをマヨネーズビンに入れ、ペイントシェイカーで1時間分散させた。更に分散終了後、この分散スラリーにアルキッド樹脂(固形分60%)を投入し、顔料分が樹脂固形分100に対し40になるように調整し、試験用塗料を作製した。次いで、得られた試験用塗料を6ミルアプリケーターにてアート紙に展色し、風乾後120℃にて20分焼き付けて評価用展色シートを作成した。次いでこの作成した塗料を別に用意した保存用のビンに取り、沈降の状態を観察した。同様の操作にて未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料の塗料を作製し、展色の後、比較用展色シートを作製した。
得られた表面処理顔料組成物を塗料試験に供するため4部取り、市販のメラミン樹脂(固形分60%)4.8部とシンナー3部及びガラスビーズ45部とをマヨネーズビンに入れ、ペイントシェイカーで1時間分散させた。更に分散終了後、この分散スラリーにアルキッド樹脂(固形分60%)を投入し、顔料分が樹脂固形分100に対し40になるように調整し、試験用塗料を作製した。次いで、得られた試験用塗料を6ミルアプリケーターにてアート紙に展色し、風乾後120℃にて20分焼き付けて評価用展色シートを作成した。次いでこの作成した塗料を別に用意した保存用のビンに取り、沈降の状態を観察した。同様の操作にて未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料の塗料を作製し、展色の後、比較用展色シートを作製した。
作製した表面処理顔料の展色シート並びに未処理顔料の展色シートを比較検討したところ、明らかに表面処理品を用いた塗料においてグロスの向上及び分散性の向上が見られた。又、1週間後の沈降の状態を確認したところ、未処理品を用いた塗料ではわずかに沈降が見られたが、表面処理品を用いた塗料では全く沈降が確認されなかった。
(アクリル・メラミン樹脂塗料による試験)
更に、塗料試験としてアクリル・メラミン系のワニスについても同様の試験を行った。即ち、得られた表面処理顔料組成物を塗料試験に供するため4部取り、市販のメラミン樹脂(固形分60%)4.5部とシンナー2部、ガラスビーズ45部とをマヨネーズビンに入れ、ペイントシェイカーで90分分散させた。分散終了後、この分散スラリーに更にアクリルポリオール樹脂(固形分55%)を投入し、顔料分が樹脂固形分100に対し30になるように調整し、試験用塗料を作製した。次いで、得られた試験用塗料を6ミルアプリケーターにてアート紙に展色し、風乾後140℃にて20分焼き付けて評価用展色シートを作製した。次いでこの作製した塗料を別に用意した保存用のビンに取り沈降の状態を観察した。同様の操作にて未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料の塗料を作製し、展色の後、比較用展色シートを作製した。
更に、塗料試験としてアクリル・メラミン系のワニスについても同様の試験を行った。即ち、得られた表面処理顔料組成物を塗料試験に供するため4部取り、市販のメラミン樹脂(固形分60%)4.5部とシンナー2部、ガラスビーズ45部とをマヨネーズビンに入れ、ペイントシェイカーで90分分散させた。分散終了後、この分散スラリーに更にアクリルポリオール樹脂(固形分55%)を投入し、顔料分が樹脂固形分100に対し30になるように調整し、試験用塗料を作製した。次いで、得られた試験用塗料を6ミルアプリケーターにてアート紙に展色し、風乾後140℃にて20分焼き付けて評価用展色シートを作製した。次いでこの作製した塗料を別に用意した保存用のビンに取り沈降の状態を観察した。同様の操作にて未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料の塗料を作製し、展色の後、比較用展色シートを作製した。
作製した表面処理顔料を用いた塗料の展色シート並びに未処理顔料を用いた塗料の展色シートを比較検討したところ、明らかに表面処理品を用いた塗料においてグロスの向上及び分散性の向上が見られた。又、1週間後の沈降の状態を確認したところ、未処理品の方にわずかに沈降が見られたが、表面処理品についてはほとんど沈降が確認されなかった。
(フッ素樹脂塗料による試験)
更に、塗料試験としてフッ素樹脂塗料についても同様の試験を行った。即ち、得られた表面処理顔料組成物を塗料試験に供するため4部取り、市販のメラミン樹脂(固形分60%)2.8部とルミフロンタイプのフッ素樹脂(固形分60%)2.0部、シンナー5部、ガラスビーズ45部とをマヨネーズビンに入れ、ペイントシェイカーで90分分散させた。分散終了後、更にこの分散スラリーに前述のフッ素樹脂を投入し、顔料分が樹脂固形分100に対し40になるように調整し、試験用塗料を作製した。次いで、得られた試験用塗料を6ミルアプリケーターにてアート紙に展色し、風乾後150℃にて30分焼き付けて評価用展色シートを作製した。次いでこの作製した塗料を別に用意した保存用のビンに取り沈降の状態を観察した。同様の操作にて未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料の塗料を作製し、展色の後、比較用展色シートを作製した。
更に、塗料試験としてフッ素樹脂塗料についても同様の試験を行った。即ち、得られた表面処理顔料組成物を塗料試験に供するため4部取り、市販のメラミン樹脂(固形分60%)2.8部とルミフロンタイプのフッ素樹脂(固形分60%)2.0部、シンナー5部、ガラスビーズ45部とをマヨネーズビンに入れ、ペイントシェイカーで90分分散させた。分散終了後、更にこの分散スラリーに前述のフッ素樹脂を投入し、顔料分が樹脂固形分100に対し40になるように調整し、試験用塗料を作製した。次いで、得られた試験用塗料を6ミルアプリケーターにてアート紙に展色し、風乾後150℃にて30分焼き付けて評価用展色シートを作製した。次いでこの作製した塗料を別に用意した保存用のビンに取り沈降の状態を観察した。同様の操作にて未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料の塗料を作製し、展色の後、比較用展色シートを作製した。
作製した表面処理顔料使用塗料の展色シート並びに未処理顔料使用塗料の展色シートを比較検討したところ、明らかに表面処理品を用いた塗料においてはグロス及び分散性の向上が見られた。又、1週間後の沈降の状態を確認したところ、未処理品の方にわずかに沈降が見られたが、表面処理品については全く沈降が確認されなかった。
実施例2
平均粒径が0.05〜0.1μmのCu−Fe−Mn系複合酸化物系ブラック顔料300部とクエン酸ソーダ0.9部を水1500部に投入し、ホモミキサーにて1時間解膠する。次いで、この顔料スラリー懸濁液に、攪拌下、pH9、温度60℃の状態を維持しつつ、予め用意した3号ケイ酸(SiO2分29%)15.5部を水100部に溶解した溶液と、濃硫酸7.5部を水100部に溶解した希硫酸溶液とを同時に添加する。引き続き、攪拌下、同条件で、アルミン酸ソーダ14.6部を水100部に溶解した溶液と、前述の希硫酸溶液とを同時添加する。更に、pHを7に調整しながら、硫酸亜鉛・7H2O 10.6部を水100部に溶解した溶液を滴下し、滴下が終了したら、90℃で熟成を1時間行う。熟成後、顔料のスラリー液を水洗し、電導度が300μS/cm以下になったらヌッチェで濾過し、100〜120℃の温度にて12時間乾燥し、表面処理顔料組成物を約305部得た。
平均粒径が0.05〜0.1μmのCu−Fe−Mn系複合酸化物系ブラック顔料300部とクエン酸ソーダ0.9部を水1500部に投入し、ホモミキサーにて1時間解膠する。次いで、この顔料スラリー懸濁液に、攪拌下、pH9、温度60℃の状態を維持しつつ、予め用意した3号ケイ酸(SiO2分29%)15.5部を水100部に溶解した溶液と、濃硫酸7.5部を水100部に溶解した希硫酸溶液とを同時に添加する。引き続き、攪拌下、同条件で、アルミン酸ソーダ14.6部を水100部に溶解した溶液と、前述の希硫酸溶液とを同時添加する。更に、pHを7に調整しながら、硫酸亜鉛・7H2O 10.6部を水100部に溶解した溶液を滴下し、滴下が終了したら、90℃で熟成を1時間行う。熟成後、顔料のスラリー液を水洗し、電導度が300μS/cm以下になったらヌッチェで濾過し、100〜120℃の温度にて12時間乾燥し、表面処理顔料組成物を約305部得た。
以下、実施例1と同様の操作により試験用塗料として、塗膜形成樹脂がそれぞれメラミン・アルキッド樹脂、アクリル・メラミン樹脂及びフッ素樹脂である塗料を作製し、各々の塗料について展色を行い評価用シートを作製した。又、同様にして未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料を用いた各ワニスにつき評価用シートを作製して比較検討したところ、明らかに表面処理品を用いた塗料の方がいずれも、グロス及び分散性が向上していることが確認された。又、1週間後の沈降の状態を確認したところ、未処理品の方にわずかに沈降が見られたが、表面処理品については全く沈降が確認されなかった。
実施例3
平均粒径が0.05〜0.1μmのCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料300部とクエン酸ソーダ0.9部を水1500部に投入してホモミキサーにて1時間解膠する。予め用意した硫酸ジルコニウム・4H2O 19.2部と硫酸亜鉛・7H2O 10.6部とを水1500部に溶解した溶液と、苛性ソーダ20.6部を水150部に溶解した溶液とを、この顔料スラリー懸濁液に、撹拌しながら、60℃の温度で同時添加する。その際、スラリー液のpHを7に調整し、滴下が終了したらそのままの状態で、熟成を1時間行う。次にこのスラリー液を水洗し、電導度が300μS/cm以下になったらヌッチェで濾過し、100〜120℃の温度にて12時間乾燥し、表面処理顔料組成物を約305部得た。
平均粒径が0.05〜0.1μmのCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料300部とクエン酸ソーダ0.9部を水1500部に投入してホモミキサーにて1時間解膠する。予め用意した硫酸ジルコニウム・4H2O 19.2部と硫酸亜鉛・7H2O 10.6部とを水1500部に溶解した溶液と、苛性ソーダ20.6部を水150部に溶解した溶液とを、この顔料スラリー懸濁液に、撹拌しながら、60℃の温度で同時添加する。その際、スラリー液のpHを7に調整し、滴下が終了したらそのままの状態で、熟成を1時間行う。次にこのスラリー液を水洗し、電導度が300μS/cm以下になったらヌッチェで濾過し、100〜120℃の温度にて12時間乾燥し、表面処理顔料組成物を約305部得た。
実施例1と同様の操作により、メラミン・アルキッド樹脂、アクリル・メラミン樹脂、フッ素樹脂をそれぞれ塗膜形成樹脂とする試験用塗料を作製し、各々の塗料について展色を行い、評価用シートを作製した。又、同様に未処理のCu−Fe−Mn系複合酸化物ブラック顔料を用いた各ワニスにつき評価用展色シートを作製し比較検討したところ、明らかに表面処理品を用いた塗料の方がいずれもグロス及び分散性が向上していることが確認された。又、1週間後の沈降の状態を確認したところ、未処理品の方にわずかに沈降が見られたが、表面処理品については全く沈降が確認されなかった。
以上の本発明によれば、分散性、分散安定性、沈降性、色別れ等が改善された複合酸化物顔料組成物が提供される。本発明の複合酸化物顔料組成物は、塗料、樹脂、インキ、建材、家電分野のCRTやディスプレーパネルのブラックマトリクス等の着色剤として好適である。
Claims (4)
- 平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある複合酸化物系顔料の表面を無機物質の酸化物及び/又は水酸化物で被覆することを特徴とする複合酸化物顔料組成物の製造方法。
- 前記複合酸化物系顔料が、Ti−Sb−Ni、Ti−Sb−Cr、Zn−Fe、Zn−Fe−Cr、Co−Zn−Ni−Ti、Co−Al−Cr、Co−Al、Cu−Cr、Cu−Cr−Mn又はCu−Fe−Mnを主成分とする構成元素からなるものである請求項1に記載の複合酸化物顔料組成物の製造方法。
- 前記無機物質の酸化物及び/又は水酸化物が、Al、Si、Ti、Sn、Zn、Zr、Ce、La及びPrから選択される少なくとも1種の元素の酸化物及び/又は水酸化物である請求項1に記載の複合酸化物顔料組成物の製造方法。
- 被覆量が顔料に対し1〜10重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合酸化物顔料組成物の製造方法。
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