JP2005041256A - 乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両に対するドライバの操作状態や車両の挙動状態を検出するセンサ12と、センサ12により検出された車両情報に基づいて車両の衝突を予測するとともに、予測された衝突の度合いを予測する衝突予測判定手段13Aと、乗員の安全性を確保するための複数の安全装置とをそなえ、安全装置が、衝突予測判定手段13Aにより予測された衝突度合いが第1の判定値以上である場合に作動する第1安全装置群14B,15B,15D,16,17B,18,40と、衝突度合いが第1の判定値よりも高い第2の判定値以上である場合に作動する第2安全装置群14A,15A,15C,17A,22とを有するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車内の乗員を保護する乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に対して衝突が生じた際に車内の乗員を保護する装置として、シートベルト装置やエアバッグ装置などが開発され、実用化されている。また、実際の衝突に先立って作動することによって乗員を保護する装置も開発されており、例えば、特許文献1には車両の衝突が予測されるとシートベルトが巻き取られる技術が開示されている。
【0003】
ところで、乗員を保護するための装置としては、上述のようなシートベルト装置やエアバッグ装置以外にも様々な種類のものが存在する。その一例としては、シート内前端に幅方向に渡って配設されたアンチサブマリンバーと呼ばれる棒状の部材を衝突時に引き起こすことによって、乗員の腰がシートベルトを潜り抜けて前進してしまわないようにする、いわゆるアンチサブマリンシートがあげられる。
【0004】
この一般的なアンチサブマリンシートの動作について、図5に示す動作フローを用いて説明すると、まず、車両に対して衝突が生じると、この衝突がGセンサによって検出される(ステップS101)。その後、この衝突加速度の大きさが予め設定された閾値より大きいか否かが判定され(ステップS102)、衝突加速度>閾値であると判定された場合にはアンチサブマリンシートが作動してアンチサブマリンバーが引き起こされ、乗員の腰の前進を防ぐことによって乗員を保護する(ステップS104)。一方、ステップS102において衝突加速度Gが閾値以下であることが判定された場合には、アンチサブマリンシートは作動しない(ステップS103)。
【0005】
上述のように、この一般的なアンチサブマリンシートは衝突後に作動し始めるため、このとき乗員の腰部はすでに前進し始めており、その後アンチサブマリンバーが引き起こされたとしても十分にその前進を防ぐことができないおおそれがある。このため、衝突に先立ってアンチサブマリンバーを引き起こし、その後、実際に車両が衝突した際に確実に乗員の前進を止めるべく、衝突を予測してアンチサブマリンシートを作動させる手法が考えられる。
【0006】
【特許文献1】
特許2946995号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、衝突が予測された時点で上述したシートベルト装置やアンチサブマリンシートなどの乗員保護装置を作動させるとすると、ドライバビリティを著しく低下させてしまうおそれがあるという課題がある。
例えば、車両が衝突すると予測された場合、即座に、シートベルトが巻取り装置によって巻き取られるとともに、アンチサブマリンバーが引き起こされたとすると、シートベルト巻取り動作により運転者はシートバックに強く押さえつけられるので衝撃に対しては安全性が増す姿勢となるが、その反面、ステアリング操作をしにくい姿勢となってしまう。また、アンチサブマリンバーが引き上げられると、衝突時における運転者の前進を抑制できるが、その反面、大腿部が上方へ押し上げられるため、ペダル操作がしにくい姿勢となってしまう。
【0008】
他方、シートベルト装置やエアバッグ装置、そして、上記のアンチサブマリンシートに加え、サンルーフも乗員の安全性を高める装置として利用することができる。これは、衝突時の衝撃により乗員が開放状態のサンルーフから車外へ放り出されるような事態も想定されるため、衝突時にはサンルーフを閉めることで、乗員保護性が促進される点で、シートベルト巻取り動作やアンチサブマリンバー引起し動作と同様に、乗員を保護するための機能である。
【0009】
しかしながら、サンルーフが閉じられてもドライバビリティが低下するということはなく、この点でシートベルト巻取り動作およびアンチサブマリンバー引起し動作の場合と異なる。したがって、衝突予測はされるものの、実際に衝突が起こる可能性は低いというような状況であったとしてもサンルーフを閉じて安全性を向上させることが望ましい。
【0010】
このように、種々の乗員保護装置は、乗員保護の観点からは衝突に先立って作動させることが望ましいが、衝突を回避することが可能な場合、乗員保護装置の種類によっては装置が作動することによりかえってドライバビリティが悪化してしまう場合がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、乗員を保護に用いられる機器を衝突予測に応じて適切に制御できる乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の乗員保護装置は、車両の乗員を保護する車両乗員装置であって、該車両に対するドライバの操作状態や該車両の挙動状態を検出するセンサと、該センサにより検出された車両情報に基づいて該車両の衝突を予測するとともに予測された衝突の度合いを予測する衝突予測判定手段と、該乗員の安全性を確保するための複数の安全装置とをそなえ、該安全装置が、該衝突予測判定手段により予測された衝突度合いが第1の判定値以上である場合に作動する第1安全装置群と、該衝突度合いが該第1の判定値よりも高い第2の判定値以上である場合に作動する第2安全装置群とから構成されていることを特徴としている。
【0012】
これにより、予測された衝突の度合いに応じた、第1安全装置または第2安全装置が作動するので、ドライバビリティの低下を最小限に抑制しながら、乗員保護性を最大限に引き上げることが可能となる。
また、請求項2記載の本発明の乗員保護装置は、上記請求項1記載の構成において、該第1安全装置群または該第2安全装置群は、乗員の腰の移動量を抑制する乗員腰移動量抑制装置をそなえていることを特徴としている。
【0013】
これにより、実際の衝突に先立って乗員の腰部が確実にサポートされ、実衝突が生じた場合であっても、当該乗員の腰部を確実に保持することができる。
また、請求項3記載の本発明の乗員保護装置は、上記請求項1記載の構成において、該衝突度合いが該第1の判定値よりも低い第3の判定値以上である場合に該車両の衝突を警告する警告手段を有していることを特徴としている。
【0014】
これにより、衝突が予測されるもの、実際に衝突する可能性は低いような場合においては、乗員に対して衝突が予測されることを警告し、衝突を回避する操作を行なうなどの注意を促すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態にかかる乗員保護装置について図1〜4を用いて説明すると、図1はその構成を示す模式的なブロック図、図2はその衝突予測の判定に用いられるマップ、図3は安全装置とその動作を示す説明図、図4はその動作を示すフローチャートである。
【0016】
まず、図1に示すように、本装置が適用される車両には、種々の機器間で情報をやり取りするためのネットワーク30が構築されており、このネットワーク30には、プリクラッシュコントローラ13、エアバッグECU23、ナビゲーション40が接続されている。なお、この車内ネットワーク30には、ISO(国際標準化機構)によってその規格が定義されたCAN(Controller Area Network)と呼ばれるシリアルバスシステムが適用されており、図1に示す機器に限らず、さまざまな機器の情報を伝達することができるようになっている。
【0017】
このうち、プリクラッシュコントローラ13には、アンチサブマリンシート(乗員腰移動量抑制装置)14,プリテンショナ付シートベルト15,電動サンルーフ16,電動シート17,シートベルト用電動肩アンカ18がそれぞれ専用のハーネスによって接続され、さらに、このプリクラッシュコントローラ13にはブレーキペダル(図示略)の踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ(センサ)12も専用のハーネスによって接続されている。
【0018】
また、このプリクラッシュコントローラ13には、図1にはそれぞれ図示しない、メカニカルブレーキアシスト,エレクトリックブレーキアシスト,電動ニープロテクタ,テレスコピックステアリングコラム,電動フットレスト,チャイルドシート固定機構、可動バンパ,ポップアップフード,ハザードランプ,アラームのそれぞれが、専用ケーブルによって接続されている。
【0019】
このうち、アンチサブマリンシート14は、車両に対して衝突が生じると予測された場合に、シート前縁近傍に内蔵されたアンチサブマリンバー(図示略)を電動モータなどによって引き起こすことによって、着座している乗員の腰部が前方へ移動してしまうことを抑制する安全装置であって、運転席側のアンチサブマリンシート14Aと助手席側のアンチサブマリンシート14Bとがそれぞれ独立して作動するようになっている。また、本実施形態において、運転席側のアンチサブマリンシート14Aは、後述する第2安全装置群に属する第2安全装置として機能し、助手席側のアンチサブマリンシート14Bは後述する第1安全装置群に属する第1安全装置として機能するようになっている。なお、第1安全装置と第2安全装置についてや、衝突の予測・判定については後述する。
【0020】
プリテンショナ付シートベルト15は、衝突が生じると予測された場合にシートベルトを巻き取って、着座している乗員をシートバックに強く拘束することで、実際に衝突した場合に生じる衝撃から乗員を保護するための安全装置である。なお、このシートベルトの巻取りは運転席側の電動リトラクタ15Aと助手席側の電動リトラクタ15Bとがそれぞれ独立して動作するようになっている。
【0021】
さらに、このプリテンショナ付シートベルト15には、運転席側と助手席側とのそれぞれに電動バックル15C,15Dが設けられている。この運転席側の電動バックル15Cおよび助手席側の電動バックル15Dは、衝突が生じると予測された場合、上述の電動リトラクタ15A,15Bによるシートベルトの巻取りに加え、シートベルトを下方に引っ張ることで乗員を拘束する安全装置である。なお、本実施形態において、運転席側電動バックル15Cは第2安全装置として機能するように設定され、助手席側電動バックル15Dは第1安全装置として機能するように設定されている。
【0022】
また、このプリテンショナ付シートベルト15は、衝突を検出した場合にインフレータ24の作動によりシートベルトを引き込む、一般的なプリテンショナ機能もそなえている。このインフレータ24は、車両に対する実衝突もしくは実衝突相当の衝突予測に基づいて制御信号を発するエアバッグECU23からの当該制御信号を受信すると作動するようになっている。なお、このインフレータ24は運転席側および助手席側にそれぞれ独立して設けられており、両方とも第2安全装置として設定されている。
【0023】
電動サンルーフ16は、車両の屋根に設けられた窓であって、電気モータによって開閉するようになっている。通常、サンルーフを安全装置として用いることは一般的ではないが、車両衝突時に大きな衝撃が加わると乗員が開放中のサンルーフから車外へ放出される事態も想定される。このため、本実施形態においては電動サンルーフ16も安全装置の一つとして扱い、衝突が予測される場合にはこの電動サンルーフ16を閉じて、乗員保護性を高めるようになっている。なお、電動サンルーフ16は第1安全装置として機能するように設定されている。
【0024】
電動シート17は、シートバック(図示略)の角度やシートの前後位置を内蔵する電動モータによって調節できるシートである。そして、本実施形態においては車両に対する衝突が予測される場合には電動シート17を最後方まで移動させることで、安全性の高い客室の中央側へ乗員を移動させる安全装置として用いるようになっている。また、電動シート17のシートバックの角度を適正化することによって、乗員の姿勢を衝撃に対して安全性の高い姿勢に修正するとともに、上述のプリテンショナ付シートベルト15の電動リトラクタ15A,15Bやバックル15C,15Dによるシートベルト巻取りによる乗員の拘束をより確実なものとすることができるようになっている。
【0025】
なお、この電動シート17は、運転席の電動シート17Aと助手席の電動シート17Bとでそれぞれ独立しており、このうち、運転席の電動シート17Aは第2安全装置として機能し、助手席の電動シート17Bは第1安全装置として機能するようになっている。
シートベルト用電動肩アンカ18は、シートベルトの1箇所を乗員の肩近傍で車体に支持するための安全装置であって、電動モータによってその位置(高さ)が適宜変更されるようになっている。なお、この肩アンカ18の高さは、乗員の肩の高さと同じ高さで車体に固定されていることが理想的とされている。つまり、このような理想的な位置に肩アンカ18を固定しておけば、上述のプリテンショナ付シートベルト15の電動リトラクタ15A,15Bがシートベルトを巻き取る際、各乗員を確実にシートバックに拘束することができるようになっている。なお、このシートベルト用電動肩アンカ18は、通常、第1安全装置として機能するようになっている。
【0026】
また、ナビゲーション40は、本来、GPSなどと連動して車両の現在位置や走行ルートなどを表示するものであるが、本実施形態においては、ナビゲーション40の本来の機能に加え、衝突が予測されると、衝突が生じるおそれがある旨の警告をナビゲーション画面上に表示して、運転者の注意を促すことにより、乗員の保護を図ることができるようになっている。なお、このナビゲーション40は、通常、第1安全装置として機能するようになっている。
【0027】
また、このナビゲーション40は図示しない不揮発性のメモリを内蔵しており、過去に衝突が予測された時点におけるブレーキ液圧、エンジン回転数、車速、ステアリング操作量、実際の衝突の有無、外気温、そして、GPSなどによる車両の走行位置などの様々なデータ(走行情報)を記憶することができるようになっている。これにより、過去に衝突が予測された位置が近づいた場合にはその旨の警告を表示するとともに、上記の様々なデータを参照しながら、事前に運転者の注意を促すようになっている。
【0028】
また、エアバッグ22は図示しないインフレータの作動によって展開され乗員を保護する安全装置であって、エアバッグECU23を介してネットワーク30に接続されている。また、エアバッグECU23には車両に対する加速度(減速度)を検出するGセンサ21(衝突検出手段)が接続されている。また、このエアバッグECU23は、後述するプリクラッシュコントローラ13から受信した作動信号を受信した場合、または、Gセンサ21によって検出された加速度の大きさや作用時間が所定の閾値以上である場合に、エアバッグ22を作動させ、乗員を保護するようになっている。なお、このエアバッグ22は第2安全装置として機能するようになっている。
【0029】
図示しないメカニカルブレーキアシストは、ブレーキペダルが強く踏み込まれたことをトリガにして作動し、機械的に制動力を増加させる安全装置である。本実施形態においてこのメカニカルブレーキアシストは、本来の作動トリガに加え、車両が衝突すると判定された場合にも作動するようになっており、実際の衝突に先立って大きな制動力を得られるようになっている。なお、メカニカルブレーキアシストは第2安全装置として機能するようになっている。
【0030】
また、図示しないエレクトリックブレーキアシストは、ブレーキペダルが強く踏み込まれたことをトリガにして作動し、ブレーキペダル踏み込み力に対するブレーキブースタ(図示略)の増幅率を増大させることにより、少ないブレーキペダル踏み込み力で大きな制動力を得られるようにする安全装置である。本実施形態においてこのエレクトリックブレーキアシストは、ブレーキペダルに対する大きな踏み込み力を検出した場合に作動するという本来の作動トリガに加え、車両が衝突すると予測・判定された場合にも作動するようになっている。これにより、実際に衝突が生じる前に大きな制動力を得られるため、乗員の安全性は大幅に向上するようになっている。なお、このエレクトリックブレーキアシストは第1安全装置として機能するようになっている。
【0031】
また、図示しない電動ニープロテクタは、発泡ウレタンまたは板金などの衝撃吸収部材により形成されたパッドを電動モータによって変位して乗員の膝を適度な力で押さえつけることによって、乗員保護性を向上させる安全装置であって、衝突が予測されると作動するようになっており、本実施形態においては第2安全装置として機能するようになっている。
【0032】
また、図示しないテレスコピックステアリングコラムは、内蔵する電動モータによってステアリングホイール(図示略)の取り付け角度や配設位置を調整する安全装置であって、本実施形態においては、衝突が予測されると、ステアリングに内蔵されたエアバッグ22が展開した際に運転者を保護するのに良好な角度や位置になるようにステアリングの角度や位置を調整するようになっている。なお、このテレスコピックステアリングコラムは第1安全装置として機能するようになっている。
【0033】
また、図示しない電動フットレストは、電動モータによって車体とフットレストとの取り付け角度を適宜変更できる安全装置であって、車両に対する衝突が予測される場合に電動モータが作動して、乗員がこの電動フットレストに対して効率よく踏ん張ることができる所定の角度で固定するようになっている。なお、この電動フットレストは第2安全装置として機能するようになっている。
【0034】
また、図示しないチャイルドシート固定機構(ISO−FIX)は、チャイルドシート(図示略)をこのチャイルドシート固定機構の固定バーに接続することによって、チャイルドシートをシートに対して固定する安全装置である。そして、衝突が予測された場合にはこの固定バーを素早くシート内へ引き込むことによってチャイルドシートをシートに対して確実に固定させるものである。また、このチャイルドシート固定機構(ISO−FIX)は、第1安全装置として機能するようになっている。
【0035】
また、図示しない可動バンパは、衝突が予測された場合に電動モータによってその長さが延長されるようなバンパであって、衝突時における吸収エネルギの増大を図る安全装置である。なお、この可動バンパは、第2安全装置として機能するようになっている。
また、図示しないポップアップフードは、衝突が予測された場合に電動モータなどによってフードを持ち上げる安全装置であって、特に、歩行者との衝突時におけるエネルギ吸収の増大を図る安全装置である。なお、このポップアップフードは第2安全装置として機能するようになっている。
【0036】
また、ハザードランプは、車両のフラッシャ(方向指示器)のすべてを明滅させる安全装置であって、本実施形態においては車両への衝突が予測された場合にハザードランプが作動し、車外へ警告を発して、後続車両による追突などを防ぐようになっている。なお、このハザードランプは第2安全装置として機能するようになっている。
【0037】
また、図示しないアラームは、車両への衝突が予測された場合に、車内へ警告音を発して乗員の注意を促す安全装置であって、第1安全装置として機能するようになっている。
次に、制御系について説明すると、図1に示すように、プリクラッシュコントローラ13は、衝突予測判定手段13Aと作動手段13Bと警告手段13Cとを内蔵した電子制御ユニットであって、車内ネットワーク30に接続されるとともに、上述したアンチサブマリンシート14,プリテンショナ付シートベルト15,電動サンルーフ16,電動シート17,シートベルト用電動肩アンカ18,メカニカルブレーキアシスト,エレクトリックブレーキアシスト,電動ニープロテクタ,テレスコピックステアリングコラム,電動フットレスト,チャイルドシート固定機構(ISO−FIX),可動バンパ,ポップアップフード,ハザードランプ,アラームとそれぞれ専用のハーネスによって接続され、さらに、ブレーキペダル(図示略)の踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ12とも専用のハーネスによって接続されている。
【0038】
このうち衝突予測判定手段13Aは、ブレーキペダルセンサ12を常時モニタし、このブレーキペダルセンサ12によって検出されたブレーキペダルの踏み込み量に応じて、車両に対する衝突を予測するものである。以下、この衝突予測について図2に示すマップを使って説明する。
図2に示すマップには、縦軸にブレーキペダルセンサ12によって検出されたブレーキペダル踏み込み量bpが設定され、また、横軸にはブレーキペダルが踏み込み量bpに至るまでに要した時間tが設定されている。そして、このマップ中には3つの閾値(判定値)L1,L2,L3が設定され、これらの閾値L1,L2,L3によってマップは図示する4つのゾーン11〜14に区画されている。そして、ドライバのブレーキ操作状態(ブレーキング;ドライバの操作状態)が上記の各ゾーン11〜14のいずれかのゾーンに相当するかが判定されるようになっている。
【0039】
なお、図2中に例示するブレーキペダル踏み込み量bp1〜4の関係は、bp1<bp2<bp3<bp4となっており、また、時間t1〜4の関係は、t1<t2<t3<t4となっている。
このうち、符号11で示すのは通常の(すなわち、一般的な)ブレーキングが行なわれた場合に相当する通常ゾーンである。例えば、図中ポイントAで示すように、あるブレーキングが行なわれた際のブレーキペダル踏み込み量bpがbp1であって、この踏み込み量bp1となるまでに要した時間がt4であった場合には、ブレーキ操作状態は、閾値L1(第3の判定値)未満の通常レベルゾーン11に該当する。
【0040】
また、符号12で示すのは通常のブレーキングよりも若干激しくブレーキングが行なわれた場合に相当する警告レベルゾーンである。例えば、図中ポイントBで示すように、ブレーキペダルが踏み込み量bp2で踏み込まれ、この踏み込み量bp2となるまでに要した時間がt3であった場合には、ドライバのブレーキ操作状態は閾値L1以上で且つ閾値L2(第1の判定値)未満の警告レベルゾーン12に該当する。
【0041】
また、符号13で示すのは、いわゆるパニックブレーキには至らないものの、かなり激しくブレーキングが行なわれた場合に相当する第1レベルゾーンである。例えば、図中ポイントCで示すように、ブレーキペダルが踏み込み量bp3で踏み込まれ、この踏み込み量bp3となるまでに要した時間がt2であった場合には、ブレーキ操作状態は、閾値L2(第2の判定値)以上で且つ閾値L3(第1の判定値)未満の第1衝突レベルゾーン13に該当する。
【0042】
そして、符号14で示すのは、パニックブレーキと呼ばれる激しいブレーキングに相当する第2レベルゾーンである。例えば、図中ポイントDで示すように、ブレーキペダルが踏み込み量bp4で踏み込まれ、この踏み込み量bp4となるまでに要した時間がt1であった場合には、ドライバのブレーキ操作状態が閾値L3以上の未満の第2レベルゾーン14に該当する。
【0043】
このように、プリクラッシュコントローラ13の衝突予測判定手段13Aは、ブレーキペダル踏み込み量bpとそのブレーキペダル踏み込みに要した時間tによって定まるブレーキ操作状態がゾーン11〜14のうちいずれに該当するかを判定し、その判定結果に基づいて、予測される衝突の度合いを予測し、重み付けをするようになっている。
【0044】
つまり、衝突予測判定手段13Aは、ドライバのブレーキ操作状態が通常レベルゾーン11にある場合には、通常のブレーキングであると判定するので、衝突が生じるとは予測しないが、制御値が警告レベルゾーン12または第1レベルゾーン13または第2レベルゾーン14にある場合には衝突予測・判定を行なう。もう少し具体的に説明すると、ブレーキの操作状態が警告レベルゾーン12にある場合には、衝突が予測されるものの実際に衝突が発生する確立は低く、また、実際に衝突が生じるまでにはある程度の時間があると判定される。なお、この衝突度合いを以後「警告レベル」という。そして、予測された衝突の度合いが警告レベルである場合には、衝突予測手段13Aは、予測レベル信号「0」を含む衝突予測判定情報を警告手段13cおよびネットワーク30に対して出力するようになっている。
【0045】
また、ブレーキの操作状態が第1レベルゾーン13にある場合には、ある程度の高い確率で衝突が発生すると予測され、また、実際に衝突が生じるまでにほとんど時間がないと判定される。なお、以後、この衝突度合いを「第1レベル」という。そして、予測された衝突の度合いが第1レベルである場合には、衝突予測手段13Aは、予測レベル信号「1」を含む衝突予測判定情報を作動手段13Bおよびネットワーク30に対して出力するようになっている。
【0046】
そして、制御値が第2レベルゾーン14にある場合には、非常に高い確率で衝突が発生すると予測され、また、実際に衝突が生じるまでの時間はほとんどなく、いわゆる、実衝突に相当する衝突が予測される。なお、以後、この衝突度合いを「第2レベル」という。そして、予測された衝突の度合いがこの第2レベルである場合、衝突予測手段13Aは、予測レベル信号「2」を含む衝突予測判定情報を作動手段13Bおよびネットワーク30に対して出力するようになっている。
【0047】
つまり、この予測レベル信号とは、危険度が低い警告レベルの衝突予測であると判定される場合には「0」、危険度が高いと判定される場合には「2」、その中間の危険度であると判定されるである場合には「1」という数字で示されるいわゆる、重み付け信号である。
また、プリクラッシュコントローラ13は、上述のナビゲーションECU40によって記録された走行情報を衝突予測判定処理にフィードバックさせて衝突を予測する精度を高めることができるようになっている。例えば、実際に車両が衝突すると、このときのブレーキ操作状態を含むドライバの操作状態や車両の挙動状態を記憶しておき、この車両が、後日、再び同じ場所を走行する際に、プリクラッシュコントローラ13の衝突予測判定手段13Aは、ナビゲーションECU40内に記録された情報を衝突予測判定処理に対してフィードバックさせるようになっている。
【0048】
つまり、同じ地点を走行する際、車速やブレーキペダルの踏み込み量などが、衝突が生じた前回の走行時と同様であれば、危険度を前回よりも高く設定し、衝突予測判定情報に含まれる予測レベル信号を従来の「1」から「2」へと修正するようになっているのである。
ところで、上述の警告手段13Cは、衝突予測判定手段13Aから予測レベル信号「0」を含む衝突予測判定情報を受信すると、後述する警告装置を作動させるようになっている。
【0049】
また、上述の作動手段13Bは、衝突予測判定手段13Aから予測レベル信号「1」を含む衝突予測判定情報を受信すると各第1安全装置を作動させ、また、予測レベル信号「2」を含む衝突予測判定情報を受信すると各第2安全装置を作動させるようになっている。
ここで、警告装置、第1安全装置および第2安全装置について説明する。
【0050】
まず、警告装置には、図3に示すように、シートベルト用電動肩アンカ18とナビゲーション40とが設定されている。このうち、シートベルト用電動肩アンカ18は、上述したように、シートベルトの1箇所を乗員の肩近傍で車体に支持するアンカであって、電動モータによってその位置(高さ)が適宜変更できるようになっている。なお、この肩アンカ18の高さは、乗員の肩の高さと同じ高さにあることが理想的であり、肩アンカ18の高さをこの理想的な高さにすることによって、プリテンショナ付シートベルト15の電動リトラクタ15A,15Bによってシートベルトが巻取られた際に、乗員をシートバックに素早く拘束することができるようになっている。ここで、電動リトラクタ15A,15Bによるシートベルト巻取り動作に先立って肩アンカ18の位置を適正化することが好ましい。
【0051】
そこで、本実施形態においては、警告手段13Cが衝突予測判定手段13Aから予測レベル信号「0」を含む衝突予測判定情報を受信した場合に、警告作動信号をこのシートベルト用電動肩アンカ18に対して出力し、シートベルト用電動肩アンカ18の位置が適正化されるようになっている。また、肩アンカ18の位置を適正位置に変更することで、乗員のシートベルト装着フィールが変化するので、運転者や乗員に対して注意を促すことで警告することができるようになっている。なお、このシートベルト用電動肩アンカは、警告装置としても機能するとともに、後述する第1安全装置としても機能するようになっている。
【0052】
また、ナビゲーション40は、上述したように、本来、GPSなどと連動して車両の現在位置や走行ルートなどを表示するものであるが、このような本来の機能に加え、本実施形態においては、警告手段13Cが衝突予測判定手段13Aから予測レベル信号「0」を含む衝突予測判定情報を受信した場合に、その旨の警告をナビゲーション画面に表示して運転者の注意を促すようになっている。また、このナビゲーション40は内蔵した不揮発性のメモリに記録された、過去に衝突予測判定情報を受信した位置に車両が近づくと、以前に衝突予測判定を行なった旨の警告を表示し、運転者の注意を促す機能を有している。なお、このナビゲーション40は、警告装置としても機能するとともに、第1安全装置としても機能するようになっている。
【0053】
次に、第1安全装置について説明すると、上述したエレクトリックブレーキアシスト,プリテンショナ付シートベルト15の助手席側電動リトラクタ15Bおよび助手席側バックル15D,助手席側電動シート17B,助手席側アンチサブマリンシート14B,チャイルドシート固定機構(ISO−FIX),アラームのそれぞれが第1安全装置として設定されている。そして、これらの第1安全装置は、上述した第1レベルの衝突が予測された場合にそれぞれが作動するようになっている。なお、これらの第1安全装置の総称として第1安全装置群という。
【0054】
つまり、上述したプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bが衝突予測判定手段13Aから予測レベル信号「1」を含む衝突予測判定情報を受信すると、この作動手段13Bから作動信号が第1安全装置のそれぞれに対して出力され、作動信号を受信した各第1安全装置が作動し、衝突に先立って乗員を保護するようになっている。
【0055】
次に、第2安全装置について説明すると、やはり上述したように、メカニカルブレーキアシスト,プリテンショナ付シートベルト15の運転席側電動リトラクタ15Aおよび運転席側バックル15C,運転席側電動シート17A,運転席側のアンチサブマリンシート14A,電動ニープロテクタ,可動バンパ,ポップアップフード,エアバッグ,運転席側および助手席側のプリテンショナ付シートベルトのインフレータ24,ハザードランプのそれぞれが第2安全装置として設定されている。そして、これらの第2安全装置は、上述した第2レベルの衝突が予測された場合にそれぞれが作動するようになっている。なお、これらの第2安全装置の総称として第2安全装置群という。
【0056】
つまり、上述したプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bが衝突予測判定手段13Aから、実衝突相当の衝突予測である旨を示す予測レベル信号「2」を含む衝突予測判定情報を受信すると、この作動手段13Bは各第2安全装置に対して作動信号を出力し、この作動信号を受信した各第2安全装置が作動して、実際の衝突に先立って乗員を保護するようになっている。
【0057】
ここで、もう一度従来の技術における課題と対比させながら本実施形態に係る本願発明を簡単に説明すると、従来の技術では、衝突が予測された時点で即座にシートベルト装置やアンチサブマリンシートなど複数の乗員保護装置を作動させてしまうため、ドライバビリティを著しく低下させてしまう恐れがある。つまり、車両が衝突すると予測された場合、即座にシートベルトが巻取り装置によって巻き取られるとともに、アンチサブマリンバーが引き起こされたとすると、シートベルト巻取り動作により乗員はシートバックに強く押さえつけられるので衝撃に対しては安全性が増す姿勢となるが、その反面、ステアリング操作をしにくい姿勢となってしまう。また、アンチサブマリンバーが引き上げられると衝突時における乗員の前進を抑制できるが、その反面、大腿部が上方へ押し上げられるため、ペダル操作がしにくい姿勢となってしまう。特に、衝突が予測されたものの、実際には衝突が回避できるような場合には、乗員保護装置が作動することによってかえって安全性を損ねかねない。したがって、シートベルト巻取り装置やアンチサブマリンシートは高い可能性で衝突すると予測され且つその衝突直前にのみ作動することが望ましい。
【0058】
他方、例えば、衝突が予測された時点で即座にサンルーフを閉じたとしても、実際に衝突が生じた際に、開放中のサンルーフから乗員が放出されることを防ぐことで安全性が向上する一方、ドライバビリティが低下するということはない。したがって、衝突予測はされるものの実際に衝突が起こる可能性は低いというような状況であってもサンルーフ閉鎖動作を開始して安全性を向上させることが望ましい。
【0059】
そこで、本願発明にかかる本実施形態においては、衝突を予測するとともに、衝突の度合いも予測・判定し、この結果に基づいて、複数の安全装置の作動を個々に制御できるようになっている。また、複数の安全装置は、予測された衝突の度合いが第1の判定値以上となった場合に作動する第1安全装置群と、上記の衝突度合いが第2以上となった場合に作動する第2安全装置群とから構成される。
【0060】
そして、衝突が生じるか否かを予測するのみならず、その予測された衝突の可能性や実際に衝突が生じるまでの時間などに応じてきめ細やかに衝突度合いを判定し、判定された衝突度合いに応じて、第1安全装置群を作動させたり、第2安全装置群を作動させたりするようになっている。
また、予測された衝突の度合いが、上記の第1の判定値よりも低い第3の判定値を超えた場合、警告手段によってその旨が乗員に伝達されるようになっている。つまり、警告手段が作動すると、警告装置が作動するようになっており、これにより、運転者は車両が衝突する可能性があることを察知して、衝突回避操作を促すことができるようになっている。
【0061】
本願発明の乗員保護装置は上述のように構成されているので、以下、その作用を説明すると、例えば、車両がある地点を走行している際にブレーキペダルが踏み込み量bp3で踏み込まれ、この踏み込み量bp3に要する時間がt2であったとする。
この場合、図2に示すマップ上、ブレーキ操作状態は第1衝突予測ゾーン13に該当するので、図1に示すプリクラッシュコントローラ13の衝突予測判定手段13Aによって、第1レベルの衝突が予測される。そして、この衝突予測判定手段13Aは、予測レベル信号「1」を付した衝突予測判定情報をネットワーク30および作動手段13Bに対して出力する。
【0062】
また、この予測レベル信号「1」を含む衝突予測判定情報を受信した作動手段13Bは、各第1安全装置を作動させる。なお、本実施形態において第1安全装置群には、図3に示すように、エレクトリックブレーキアシスト,助手席側電動リトラクタ15B,助手席側バックル15D,シートベルト用肩アンカ18,助手席側電動シート17B,助手席側アンチサブマリンシート14B,チャイルドシート固定機構(ISO−FIX),電動サンルーフ16,ナビゲーション40,アラームが含まれる。
【0063】
このうち、エレクトリックブレーキアシストがプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信すると、ブレーキペダル踏み込み力に対するブレーキブースタの増幅率が増大され、少ないブレーキペダル踏み込み力で大きな制動力を得て、安全性を確保する。
また、助手席側電動リトラクタ15Bおよび助手席側バックル15Dがプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信すると電動モータが作動し、シートベルトが巻き取られ、助手席に着座している乗員は、衝撃に対して安全性が増す姿勢でシートに強く拘束される。
【0064】
また、シートベルト用肩アンカ18がプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信して作動し、シートベルトの肩アンカ位置が乗員の肩の高さと同一の高さとなるように調節され、シートベルトによる乗員の拘束が確実且つ素早く行なわれる。
また、助手席側電動シート17Bがプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信することによって作動すると、この助手席側電動シート17Bが最後方までスライド移動するとともに、シートバックの角度を適正化し、上述のシートベルト巻取りによる乗員の拘束をより確実なものとする。
【0065】
また、助手席側アンチサブマリンシート14Bはプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信することによって作動し、内蔵されたアンチサブマリンバー(図示略)が引き起こされ、助手席に着座している乗員の腰部が前方へ移動してしまうことを抑制する。
また、チャイルドシート固定機構(ISO−FIX)がプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信することによって、チャイルドシートをシートに固定している固定バーが素早くシート内へ引き込まれ、シートとチャイルドシートとを確実に密着させて固定することで、チャイルドシートの乗員を保護する。
【0066】
また、電動サンルーフ16がプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信することによって閉じられ、乗員が開放中のサンルーフから車外へ放出されることを防ぐ。
また、ナビゲーション40がプリクラッシュコントローラ13から作動指示を受けると、ナビゲーション40の本来の動作に加え、衝突予測・判定が行なわれた旨を警告表示し、運転者の注意を促すことで乗員の保護を図ることができる。
【0067】
また、アラームがプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動指示を受信することによって作動し、車内に警報が発せられ、乗員は衝突を前もって察知することができ、回避操作を行なうこともできる。
なお、上述したように、プリクラッシュコントローラ13の衝突予測判定手段13Aによって衝突が予測されて、作動手段13Bより作動信号が発信されると、即座に、助手席側アンチサブマリンシート14B,助手席側電動リトラクタ15B,助手席側バックル15D,助手席側電動シート17Bが作動するが、これらはいずれも助手席側の安全装置であって運転席側の安全装置ではない。したがって、ドライバビリティを優先する必要がないので、運転席よりも先に作動している。また、シートベルト用電動肩アンカ18が作動しても、ドライバビリティに影響はないと考えられるので、運転席側と助手席側とで区別なく、同時に作動する。
【0068】
一方、ドライバのブレーキ操作状態が、図2のマップ上、第2レベルゾーン14に該当する場合、衝突予測判定手段13Aによって第2レベルの衝突が予測される。そして、予測レベル信号「2」を含む衝突予測判定情報を受信した作動手段13Bは、第2安全装置に対して作動信号を出力し、第2安全装置を作動させる。なお、本実施形態において第2安全装置群とは、図3に示すように、メカニカルブレーキアシスト,運転席側電動リトラクタ15A,運転席側バックル15C,運転席側電動シート17A,運転席側アンチサブマリンシート14A,電動ニープロテクタ,テレスコピックステアリングコラム,電動フットレスト,可動バンパ,ポップアップフード,エアバッグ22,運転席側および助手席側のプリテンショナ付シートベルトのインフレータ24,ハザードランプから構成される装置群である。
【0069】
このうち、メカニカルブレーキアシストがプリクラッシュコントローラ13の作動手段13Bから作動信号を受信すると、機械的に制動力を増加させることによって確実に減速し、車両の衝突を防ぐ。
また、運転席側電動リトラクタ15Aおよび運転席側バックル15Cが作動手段13Bから作動信号を受信すると、運転席側のシートベルトが巻き取られて運転席に着座している運転者をシートに対して確実に拘束する。また、エアバッグECU23からの制御信号を受信したインフレータ24によってもシートベルトが巻き取られるので、更なる安全性が確保される。
【0070】
また、運転席側電動シート17Aが作動手段13Bから作動信号を受信すると、シートクッションおよびシートバックを最後方まで移動させることで運転者を安全性の高い客室の中央側へ移動させることによって、運転者の安全性を確保する。また、シートバックの角度を適正化することで運転者の姿勢を衝撃に対して安全性の高い姿勢に修正し、上述のプリテンショナ付シートベルト15の電動リトラクタ15A,15Bやバックル15C,15Dによるシートベルト巻取りによる運転者の拘束を確実なものとする。
【0071】
また、運転席側アンチサブマリンシート14Aが、作動手段13Bから作動信号を受信して作動し、内蔵されたアンチサブマリンバー(図示略)が引き起こされ、運転席に着座している運転者の腰部が前方へ移動してしまうことを抑制することによって運転者の保護を図る。
また、電動ニープロテクタが、作動手段13Bから作動信号を受信して作動すると、発泡ウレタンや板金などの衝撃吸収部材により形成されたパッドが電動モータによって変位し、運転者の膝が適度な力で押さえつけられることによって、乗員保護性を向上させる。
【0072】
また、テレスコピックステアリングコラムが、作動手段13Bから作動信号を受信して作動すると、内蔵する電動モータによってステアリングの取り付け角度や配設位置を調整し、ステアリングに内蔵されたエアバッグ22が展開した際に運転者を保護するのに良好な角度や位置になるように、ステアリングの取り付け角度や配設位置を調整する。
【0073】
また、電動フットレストが作動手段13Bから作動信号を受信して作動すると、運転者が効率よく踏ん張ることができる所定の角度に変更される。
また、可動バンパが作動手段13Bから作動信号を受信して作動すると、衝突が予測された場合に電動モータによって車体外方へその長さが延長され、これにより、衝突時における吸収エネルギの増大が図られる。
【0074】
また、ポップアップフードが作動手段13Bから作動信号を受信して、電動モータなどによってフードが持ち上げられ、衝突時のエネルギ吸収の増大が図られる。
また、エアバッグECU23が作動手段13Bから作動信号を受信すると、実際の衝突の直前にエアバッグ22およびプリテンショナ付シートベルトのインフレータ24が作動することによって、乗員を衝突によって生じる衝撃から保護を図る。
【0075】
ハザードランプが作動手段13Bから作動信号を受信して作動すると、車両に装備されたすべてのフラッシャ(方向指示器)を明滅させ、車外へ警告を発して、後続車両による追突などを防ぎ、乗員の安全性を高めることができる。
次に、図4に示すフローチャートを用いて本願発明にかかる本実施形態について説明すると、まず、ステップS11において、プリクラッシュコントローラ13の衝突予測判定手段13Aがブレーキペダルセンサ12によって検出されたブレーキペダルの踏み込み量bpやその踏み込み量bpを踏み込むのに要した時間tに基づいて、衝突の発生を予測するとともに、予測される衝突の度合いを予測する。
【0076】
そして、予測された衝突度合いが警告レベル以上でなければ警告装置は作動せず(ステップS12のNoルート〜ステップS13)、一方、予測された衝突度合いが警告レベル以上であれば警告装置が作動する(ステップS12のYesルート〜ステップS14)。
また、ステップS15において、予測された衝突レベルが第1レベル以上であるか否かが判定され、予測された衝突レベルが第1レベル以上ではない場合には第1安全装置は作動せず(ステップS15のNoルート〜ステップS16)、一方、予測された衝突度合いが第1レベル以上である場合には第1安全装置が作動する(ステップS15のYesルート〜ステップS17)。
【0077】
そして、ステップS18において、予想される衝突の度合いが第2レベル以上であるか否かが判定され、予測された衝突レベルが第2レベル以上ではない場合には第2安全装置は作動せず(ステップS18のNoルート〜ステップS19)、一方、予測された衝突度合いが第2レベル以上である場合には第2安全装置が作動する(ステップS18のYesルート〜ステップS20)。
【0078】
これにより、予測された衝突の度合いに応じて、第1安全装置または第2安全装置が作動するので、ドライバビリティの低下を最小限に抑制しながら、乗員保護性を大幅に引き上げることが可能となる。
また、実際の衝突に先立ってアンチサブマリンシート14を作動させることができるので、乗員の腰部を確実にサポートし、衝突時に着座している乗員の腰部の移動量を抑制して、安全性を高めることができるようになっている。
【0079】
また、衝突が予測されるもの、実際に衝突する可能性は低いような場合(例えば、予測される衝突の度合いが警告レベルである場合)においては、乗員に対して衝突が予測されることを警告して、衝突回避操作を行なうように注意を促したり、衝突に対して安全性の高い姿勢をとることを促したりするので、安全性を向上させることができる。
【0080】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば、図1の構成に加え、横すべり防止装置をセンサとして車内ネットワーク30に接続し、車両の走行状態に応じて各輪のそれぞれの制動力を制御することによってオーバーステアの抑制やABSの性能向上などを図るようにしてもよい。
【0081】
この横すべり防止装置は、車両のヨーモーメントを制御し、車両のスピンなどを回避するものであり、例えば車両のオーバーステアが検出されると、横すべり防止装置によってそのオーバーステアを相殺するヨーモーメントが生じるように各輪の制動力が制御され、車両は運転者の意図したように回頭するように制御され、車両は安全に走行できるようになっている。
【0082】
また、上述の実施形態においては、ブレーキ踏み込み量bpおよびそのブレーキ踏み込み量bpに至るまでに要した時間tとによってブレーキ操作状態を規定しているが、横すべり防止装置をセンサとして用いる場合には、図2に示すマップに代えて、もしくは図2のマップに加え、横すべり防止装置の作動状態に応じて衝突および衝突度合いを判定するマップを設定すればよい。
【0083】
また、上述の実施形態においてはプリクラッシュコントローラ13がブレーキペダルセンサ12,アンチサブマリンシート14などの第1安全装置群や第2安全装置群のそれぞれと専用のハーネスによって接続されるように構成されているが、当然にネットワーク30を介してこれらのプリクラッシュコントローラ13と第1および第2安全装置とを接続するようにしてもよい。
【0084】
また、上述の実施形態において、上述の衝突予測判定手段13A、作動手段13Bおよび警告手段13Cは、プリクラッシュコントローラ13内の不揮発性メモリ(図示略)に記憶されたソフトウェアとして構成されているが、電子回路として構成してもよい。
上記の実施形態においては、予測される衝突の度合いが実衝突相当である場合に第2安全装置が作動する場合を例にとって説明したが、Gセンサに代表される衝突検出手段によって検出された衝突情報に基づいて、第2乗員保護装置を作動させるように構成してもよい。これにより、センサ(横すべり防止装置やブレーキペダルセンサなど)が故障した場合であっても、実衝突時には確実に第2乗員保護装置を作動させることができるので、安全性をさらに高めることができる。
【0085】
また、予測される衝突度合いに応じて警告装置、第1安全装置、第2安全装置の作動量を適宜変更できるようにしてもよい。例えば、第2安全装置である運転席側のアンチサブマリンシート14Aを警告装置としても機能させるように設定し、警告レベルの衝突が予測された場合にはわずかにアンチサブマリンバーを移動させることで衝突予測を乗員に警告し、また、第1レベルの衝突が予測される場合にはアンチサブマリンバーを全移動量の50%程度移動させることで乗員の安全を確保するようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の乗員保護装置によれば、乗員を保護に用いられる機器を衝突予測に応じて適切に制御することができる。つまり、予測された衝突の度合いに応じて、第1安全装置群または第2安全装置群が作動するので、ドライバビリティの低下を最小限に抑制しながら、乗員保護性を大幅に引き上げることが可能となる(請求項1)。
【0087】
また、実際の衝突に先立って、乗員腰移動量抑制装置を作動させることができるので、乗員の腰部を確実にサポートし、実際に衝突が生じた場合でも、着座している乗員の腰部の移動量を抑制して安全性を高めることができるようになっている(請求項2)。
また、衝突が予測されるもの、実際に衝突する可能性は低いような場合、乗員に対して衝突が予測されることを警告できるので、衝突回避操作を行なうように注意を促したり、衝突に対して安全性の高い姿勢をとることを促したりすることで、安全性を向上させることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗員保護装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る乗員保護装置の衝突予測および衝突度合いを予測する際に用いられるマップを示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る乗員保護装置の安全装置とその動作を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る乗員保護装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】一般的なアンチサブマリンシートの作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12 ブレーキペダルセンサ(センサ)
13 プリクラッシュコントローラ(第1制御部)
13A 衝突予測判定手段
14 アンチサブマリンシート(安全装置)
14A 運転席側アンチサブマリンシート(第2安全装置;安全装置)
14B 助手席側アンチサブマリンシート(第1安全装置;安全装置)
15 プリテンショナ付シートベルト(安全装置)
15A 運転席側電動リトラクタ(第2安全装置;安全装置)
15B 助手席席側電動リトラクタ(第1安全装置;安全装置)
15C 運転席側バックル(第2安全装置;安全装置)
15D 助手席側バックル(第1安全装置;安全装置)
16 電動サンルーフ(第1安全装置;安全装置)
17 電動シート(安全装置)
17A 運転席側電動シート(第2安全装置;安全装置)
17B 助手席側電動シート(第1安全装置;安全装置)
18 シートベルト用アンカ(警告装置;第1安全装置;安全装置)
22 エアバッグ(第2安全装置;安全装置)
24 プリテンショナ付シートベルト用インフレータ(第2安全装置;安全装置)
40 ナビゲーションECU(警告装置;第1安全装置;安全装置)
Claims (3)
- 車両の乗員を保護する車両乗員装置であって、
該車両に対するドライバの操作状態や該車両の挙動状態を検出するセンサと、
該センサにより検出された車両情報に基づいて該車両の衝突を予測するとともに予測された衝突の度合いを予測する衝突予測判定手段と、
該乗員の安全性を確保するための複数の安全装置とをそなえ、
該安全装置が、
該衝突予測判定手段により予測された衝突度合いが第1の判定値以上である場合に作動する第1安全装置群と、
該衝突度合いが該第1の判定値よりも高い第2の判定値以上である場合に作動する第2安全装置群とから構成されている
ことを特徴とする、車両乗員装置。 - 該第1安全装置群または該第2安全装置群は、乗員の腰の移動量を抑制する乗員腰移動量抑制装置をそなえていることを特徴とする、請求項1記載の車両乗員装置。
- 該衝突度合いが該第1の判定値よりも低い第3の判定値以上である場合に該車両の衝突を警告する警告手段を有していることを特徴とする、請求項1又は2記載の車両乗員装置。
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- 2003-07-22 JP JP2003200007A patent/JP2005041256A/ja active Pending
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