JP4356400B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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また、特許文献1には、上記のプリテンショナ機構付きシートベルト装置やエアバッグ装置などが作動した時の前後数十秒間における、車速,ステアリングホイールの操作状況,事故による衝撃の大きさや方向など車両に関する様々なデータを記録する技術が開示され、発生した事故の解析において記録されたデータを活用できる旨が記載されている。
図4は衝突予測に基づく従来の乗員保護システムの動作を示すフローチャートであって、このシステムによれば、まず、ステップS101において衝突予測情報(例えば、ブレーキペダル踏込み量などの情報)をセンサから受信すると、ステップS102において受信した衝突予測情報に基づいて衝突が予測されるか否かが判定される。ここで、衝突が予測されない場合にはステップS103に進み、乗員を保護する装置(例えば、上記のプリテンショナ付シートベルト装置など)は作動しないが、衝突が予測された場合にはステップS104に進み、乗員を保護する装置が作動し、実際の衝突に先立って乗員を保護する。
また、得られた衝突予測情報を他の安全システムにおいて活用することによって、さらに車両の安全性を向上したいという強い要望も存在する。
また、請求項2記載の本発明の乗員保護装置は、該位置記録手段によって記録された該衝突予測判定位置を該ナビゲーションシステムのディスプレイ上に表示することを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の乗員保護装置における該作動手段は、該制御部が該衝突予測判定手段から該衝突予測判定情報を受信し、該予測レベルが所定レベル以上の場合に該プリテンショナ付シートベルト及びアンチサブマリンシートを作動させるよう構成されていることを特徴としている。
また、本発明の乗員保護装置は、該制御部に接続され、該車両の実衝突を検出する実衝突検出手段をそなえ、該制御部は、該衝突予測判定手段からの該衝突予測判定情報を受信した後、所定時間の間に該実衝突検出手段による該車両の実衝突が検出されない場合に、該履歴記録手段によって記録された該ドライバの操作状態や該車両の挙動状態を消去することを特徴としている。
また、履歴記録手段によってドライバの操作状態や車両の挙動様態が記録された情報は、実際に衝突が生じなかった場合には自動的に消去されるので、ドライバの操作状態や車両の挙動様態を記録するメモリの記憶容量の圧迫を防ぐことができる。
図1に示すように、本実施形態にかかる乗員保護装置が適用される車両には車内ネットワーク(ネットワーク)30が構築され、このネットワーク30には、プリクラッシュセーフティシステム(第1システム)10と、クラッシュセーフティシステム(第2システム)20と、ナビゲーションシステム43とが接続されている。なお、この車内ネットワーク30には、ISO(国際標準化機構)によってその規格が定義されたCAN(Controller Area Network)と呼ばれるシリアルバスシステムが適用されており、図1に示す機器に限らず、さまざまな機器の情報を伝達することができるようになっている。
上述の衝突予測判定手段13Aは、車内ネットワーク30を介して横すべり防止装置11による各輪の制動力を常時モニタするとともにブレーキ液圧センサ12を常時モニタすることで、横すべり防止装置11による車両の挙動状態、もしくは、ドライバによるブレーキペダル踏込みによるブレーキ液圧の変化(ドライバの操作状態)に基づいて車両が衝突するか否かを予測し、ここで、衝突が予測されたと判定された場合には、その旨を示す情報である衝突予測判定情報を作動手段13Bおよび車内ネットワーク30に対して出力するようになっている。
この場合、具体的には、第1履歴記録手段13Cが衝突予測判定手段13Aから衝突予測情報を受信すると、第1履歴記録手段13Cによってプリクラッシュコントローラ13内のメモリに衝突予測情報や走行情報が記録されるが、その後、所定時間内にエアバッグ23(後述する)が作動しなかった場合〔もしくは、Gセンサ21(後述する)による検出値が所定値以下である場合〕には、実際に衝突が生じなかったものとしてメモリに記録された衝突予測情報や走行情報が消去されるようになっている。
また、このうち、エアバッグECU22は第2履歴記録手段(履歴記録手段)22Aを内蔵し、ネットワーク30に接続されている。また、このエアバッグECU22は、専用ハーネスを介して車両の加速度を検出するGセンサ21および乗員を保護するエアバッグ23とそれぞれ接続されている。
一方、ナビゲーションシステム43は、ナビゲーションECU40、ディスプレイ41,警告ブザー42,GPSアンテナ(図示略)などによって構成され、このうちナビゲーションECU40は、車内ネットワーク30を介して上述したプリクラッシュセーフティシステム10およびクラッシュセーフティシステム20とに接続されるとともに、専用ハーネスを介してディスプレイ41と警告ブザー42とが接続されている。
この場合、衝突予測判定情報を受信したナビゲーションECU40は衝突予測判定情報を受信した位置を衝突予測判定位置として記録するとともに、第1履歴記録手段13Cは衝突予測判定情報を受信した後の一連の走行情報や実際に衝突が生じた旨を記録する。
また、過去において衝突が予測された走行場所に車両が近づくと、ナビゲーションシステム43のディスプレイ41上に警告が表示されたり、警告ブザー42から警報音が発せられたりするので、乗員の注意を促すことが可能となり、安全性を高めることができる。
本願発明の乗員保護装置は上述のように構成されているので、以下、その作用を図2と図3のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、センサとして横すべり防止装置11を使用した場合について説明するが、センサとしてブレーキ液圧センサ12などを用いてもよい。
また、ステップS16において、衝突予測判定情報を受信した第1履歴記録手段13Cは、衝突予測情報を受信した時点でネットワーク30を流れている衝突予測情報(例えば、ブレーキ液圧,車速,加速度など)や走行情報(ドライバの操作状態や車両の挙動状態)をプリクラッシュコントローラ13内のメモリに記録する。
また、過去に記録された衝突予測判定位置を、ナビゲーションシステム43のディスプレイ41上に警告表示し乗員の注意を促すことで安全性を高めることができる。
また、衝突の予測おこなわれたことをトリガとして、ドライバがどのような操作を行なったのか(ドライバの操作状態)や、車両がどのような挙動をしていたのか(車両の挙動様態)が、履歴記録手段によって効率よく記録することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
また、クラッシュセーフティシステム10のエアバッグECU22が、車内ネットワーク30経由で入力された衝突予測判定情報に含まれる予測レベル信号に応じてエアバッグ23を作動させるようにしてもよい。この場合、具体的には、予測レベル信号が「3」である場合、すなわち衝突の確立が非常に高く且つその衝突までの時間が非常に短いと判定されているというような場合に、エアバッグECU22はエアバッグ23を作動させて、確実に乗員保護を図ることができる。一方、予測レベル信号が「1」または「2」である場合には、エアバッグECU22はエアバッグ23を作動させず、ドライバビリティを優先させることができる。なお、衝突予測判定情報の有無や予測レベル信号の程度にかかわらず、Gセンサ21によって車両の実衝突が検出された場合にはエアバッグECU22によって即座にエアバッグ23が作動させる。これにより、エアバッグ23に代表されるクラッシュセーフティシステム20の第2乗員保護装置の作動トリガが多重化されるので、第2乗員保護装置の信頼性を向上させることができる。
また、上述の実施形態においては、アンチサブマリンシート14とプリテンショナ付シートベルト15とを第1乗員保護装置に適用した場合を例にとって説明したが、これに限定するものではなくこの他にも、例えば、エレクトリックブレーキアシスト,シートベルトの肩アンカ位置調節機構,電動シート,ニープロテクタ、電動テレスコピックステアリングコラム,電動フットレスト,電動サンルーフなどの装置を第1乗員保護装置として適用してもよい。
11 横すべり防止装置(センサ)
12 ブレーキ液圧センサ(センサ)
13 プリクラッシュコントローラ(第1制御部;制御部)
13A 衝突予測判定手段
13B 作動手段
13C 第1履歴記録手段(履歴記録手段)
14 アンチサブマリンシート(第1乗員保護装置)
15 プリテンショナ付シートベルト(第1乗員保護装置)
21 Gセンサ(実衝突検出手段)
40A 位置記録手段
41 ディスプレイ
43 ナビゲーションシステム
Claims (4)
- 車両の乗員を保護する乗員保護装置であって、
該車両に対するドライバの操作状態及び/または該車両の挙動状態を検出するセンサと、
該センサに接続され、該センサによって検出された該ドライバの操作状態及び/または該車両の挙動状態に基づいて該車両が衝突するか否かを判定し、衝突すると判定した場合に衝突予測判定情報を出力する衝突予測判定手段を有する制御部と、
該制御部と接続され、該車両の位置を検出し、検出された車両位置をディスプレイに表示するナビゲーションシステムと、
該衝突予測判定手段から該衝突予測判定情報を受信すると、該受信時の該車両の位置を衝突予測判定位置として記録する位置記録手段をそなえ、
該制御部は該衝突予測判定手段から該衝突予測判定情報を受信すると、プリテンショナ付シートベルトを作動させる作動手段をさらに有し、
該衝突予測判定情報には実際に衝突する確率の高低を表す予測レベルが含まれ、
該ナビゲーションシステムは、該車両が該位置記録手段に既に記録された該予測レベルが所定レベル以上の該衝突予測判定位置に近づくと警告を発するように構成されている
ことを特徴とする、乗員保護装置。 - 該位置記録手段によって記録された該衝突予測判定位置を該ナビゲーションシステムのディスプレイ上に表示する、
ことを特徴とする、請求項1記載の乗員保護装置。 - 該衝突予測判定手段からの該衝突予測判定情報の受信に基づき、該センサによって検出された該ドライバの操作状態及び/または該車両の挙動状態を記録する履歴記録手段をそなえる
ことを特徴とする、請求項1または2記載の乗員保護装置。 - 該作動手段は、該制御部が該衝突予測判定手段から該衝突予測判定情報を受信し、該予測レベルが所定レベル以上の場合に、該プリテンショナ付シートベルト及びアンチサブマリンシートを作動させるよう構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の乗員保護装置。
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