JP2005040972A - 液体導通材及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に、複数の第1の突条111が長手方向の一端から他端に亘って併設され、裏面に、第2の突条112が長手方向の一端から途中まで併設された基材110と、第1の突条111の端面を覆いつつ基材110の表面に接合される、可撓性を有する表面用平板状長尺材120と、第2の突条112の端面を覆いつつ基材110の裏面に接合される、可撓性を有する裏面用平板状長尺材120と、第1の突条111の間隙及び表面用平板状長尺材120により形成された液体の第1の流路部と、第2の突条112の間隙及び裏面用平板状長尺材120により、液体導通材の長手方向の一端から途中まで形成された、液体の第2の流路部と、を備え、長手方向の途中に、第1の流路部と第2の流路部とを接続すべく、基材を表裏方向に貫通する貫通孔143を有する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体導通材及び液体噴射装置に関する。特に本発明は、ターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、液体供給部の液体を液体噴射部に供給する液体導通材及びこの液体導通材を使用した液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばインクジェット式記録装置等の液体噴射装置は、液体噴射部を往復移動させつつ液体を記録用紙などのターゲットに対して噴射し、記録などを行う。ターゲットに噴射される液体(例えばインク)は、液体供給部(例えばカートリッジ)から、液体噴射部(例えば記録ヘッド)に供給される。液体噴射装置には、キャリッジに液体噴射部を搭載し、液体供給部を液体噴射装置の本体に設けるタイプがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−212974号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
液体供給部が液体噴射装置の本体に設けられた場合、液体供給部から液体噴射部に液体を導通させる液体導通材を設ける必要がある。従来は、ポリエチレンチューブを液体導通材として用いていた。液体噴射装置が液体噴射部を複数有する場合、複数のポリエチレンチューブを用いる必要があった。このため液体噴射装置にポリエチレンチューブを取り付けるときの工数が多くなっていた。また、液体の流路を分岐させる部材を設ける必要があった。このため部品数が増えていた。
【0005】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体導通材及び液体噴射装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の形態は、液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部から、液体を噴射する液体噴射部に液体を供給する、液体導通材であって、可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に、複数の第1の突条が長手方向の一端から他端に亘って互いに間隔をあけて併設されるとともに、裏面に複数の第2の突条が長手方向の一端から途中まで互いに間隔をあけて併設された基材と、第1の突条の端面を覆いつつ基材の幅方向に亘って当該基材の表面に接合される、可撓性を有する表面用平板状長尺材と、第2の突条の端面を覆いつつ基材の幅方向に亘って当該基材の裏面に接合される、可撓性を有する裏面用平板状長尺材と、第1の突条の間隙及び表面用平板状長尺材により、基材の表面に、液体導通材の長手方向の一端から他端に亘って形成された液体の第1の流路部と、第2の突条の間隙及び裏面用平板状長尺材により、基材の裏面に、液体導通材の長手方向の一端から途中まで形成された、液体の第2の流路部とを備え、更に基材は、長手方向の途中に、第1の流路部と第2の流路部とを接続すべく、基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体導通材を提供する。
本発明の第2の形態は、液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部から、液体を噴射する液体噴射部に液体を供給する、液体導通材であって、可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に第1の溝部を長手方向の一端から他端に亘って有し、裏面に第2の溝部を長手方向の一端から途中まで有する基材と、第1の溝部の開口面を覆いつつ基材の表面に接合される可撓性を有した表面用平板状長尺材と、第2の溝部の開口面を覆いつつ基材の裏面に接合される可撓性を有した裏面用平板状長尺材と、第1の溝部及び表面用平板状長尺材により、基材の表面に、液体導通材の長手方向の一端から他端に亘って形成された液体の第1の流路部と、第2の溝部及び裏面用平板状長尺材により、基材の裏面に、液体導通材の長手方向の一端から途中まで形成された、液体の第2の流路部とを備え、更に基材は、長手方向の途中に、第1の流路部と第2の流路部とを接続すべく、基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体導通材を提供する。
第1及び第2の形態によれば、液体導通材の中で液体の流路部を複数に分岐することができる。
【0007】
液体噴射装置は液体噴射部を少なくとも2つ有している場合、液体導通材は、一端と貫通孔との間で、第1の流路部を有する第1の枝導通部と、第2の流路部を有する第2の枝導通部に分岐し、第1及び第2の枝導通部は互いに異なる前記液体噴射部に連結してもよい。この場合、一つの液体供給部から2つの液体噴射部に液体を供給することができる。
第1の流路部と、第2の流路部はそれぞれ複数設けられていてもよい。この場合、液体導通材の中で複数の流路部をそれぞれ複数に分岐することができる。
液体噴射部が、同一の液体を噴射する複数の液体噴射ノズル列を有する場合、第1の流路部及び第2の流路部は、互いに異なる液体噴射ノズル列に連結してもよい。この場合、一つの液体導通材を用いて複数の液体噴射ノズル列に同一の液体を供給することができる。
【0008】
本発明の第3の形態は、液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置であって、液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部と、液体を噴射する液体噴射部と、液体保持部と液体噴射部とを連結する液体導通材とを備え、液体導通材は、可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に、複数の第1の突条が長手方向の一端から他端に亘って互いに間隔をあけて併設されるとともに、裏面に、表面と同数の第2の突条が長手方向の一端から途中まで互いに間隔をあけて併設された基材と、第1の突条の端面を覆いつつ基材の幅方向に亘って当該基材の表面に接合される、可撓性を有する表面用平板状長尺材と、第2の突条の端面を覆いつつ基材の幅方向に亘って当該基材の裏面に接合される、可撓性を有する裏面用平板状長尺材と、第1の突条の間隙及び表面用平板状長尺材により、基材の表面に、液体導通材の長手方向の一端から他端に亘って形成された液体の第1の流路部と、第2の突条の間隙及び裏面用平板状長尺材により、基材の裏面に、液体導通材の長手方向の一端から途中まで形成された、液体の第2の流路部とを備え、更に基材は、長手方向の途中に、第1の流路部と第2の流路部とを接続すべく、基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体噴射装置を提供する。
【0009】
本発明の第4の形態は、液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置であって、液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部と、液体を噴射する液体噴射部と、液体保持部と液体噴射部とを連結する液体導通材とを備え、液体導通材は、可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に第1の溝部を長手方向の一端から他端に亘って有し、裏面に第2の溝部を長手方向の一端から途中まで有する基材と、第1の溝部の開口面を覆いつつ基材の表面に接合される可撓性を有した表面用平板状長尺材と、第2の溝部の開口面を覆いつつ基材の裏面に接合される可撓性を有した裏面用平板状長尺材と、第1の溝部及び表面用平板状長尺材により、基材の表面に、液体導通材の長手方向の一端から他端に亘って形成された液体の第1の流路部と、第2の溝部及び裏面用平板状長尺材により、基材の裏面に、液体導通材の長手方向の一端から途中まで形成された、液体の第2の流路部とを備え、更に基材は、長手方向の途中に、第1の流路部と第2の流路部とを接続すべく、基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体噴射装置を提供する。
【0010】
第3及び第4の形態によれば、第1及び第2の形態と同様の効果を得ることができる。
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態であるインクジェット式記録装置10を、カバーを外した状態で示す斜視図であり、図2はインクジェット式記録装置10が有するインク供給系の斜視図である。図1及び図2に示すように、インクジェット式記録装置10は、ターゲットの一例である被記録物11の上を主走査方向に往復移動するキャリッジ42、キャリッジ42に載置されている2つの記録ヘッド44、インクジェット式記録装置10の本体に脱着可能に固定されている複数のカートリッジ45、及び2つの記録ヘッド44をそれぞれ複数のカートリッジ45に連結する液体導通材100を備える。複数のカートリッジ45は、互いに異なる色のインクを保持する。キャリッジ42は図示しないモータにより駆動され、ガイドシャフト48に沿って往復移動する。2つの記録ヘッド44は、キャリッジ42とともに往復移動しつつ、それぞれ、液体導通材100を介して複数のカートリッジ45から供給された複数色のインクを被記録物11に噴射して記録を行う。
【0013】
液体導通材100は、長尺状であり、主要部は可撓性材料(例えば熱可塑性エラストマ)で形成されている。液体導通材100は、インクが流れる流路部を複数有しており、複数のカートリッジ45のそれぞれから2つの記録ヘッド44にインクを供給する。液体導通材100において、カートリッジ45と接続するカートリッジ側端部100bは一体であるが、記録ヘッド44と接続するヘッド側端部100aは枝導通部151及び枝導通部152に分岐している。枝導通部151及び枝導通部152は、互いに異なる記録ヘッド44に連結している。液体導通材100が有する複数の流路部は、ヘッド側端部100aにおいて、それぞれ2つに分岐して枝導通部151の端及び枝導通部152の端まで延伸している。
このため、一つの液体導通材100を用いるのみで、複数のカートリッジ45がそれぞれ保持する複数色のインクを、2つの記録ヘッド44に供給することができる。従って複数の液体導通材をインクジェット式記録装置10に取り付ける必要はなく、工数は少なくなる。またインクの流路を分岐させる部材を別に設ける必要はない。従って部品数は少なくなる。
【0014】
また液体導通材100の主要部を形成する可撓性材料として、SEPS(ポリスチレン−ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリスチレン)重合体を主材料とするエラストマを用いると、液体導通材100はポリエチレンチューブと比べて撓みやすくなる。この場合、液体導通材100を小さい曲率で湾曲させることができるため、インクジェット式記録装置10を小型化することができる。またキャリッジ42を駆動するモータに加わる負荷を小さくすることができる。
【0015】
図3は、液体導通材100の平面図である。本図は液体導通材100をインクジェット式記録装置10に取り付ける前の液体導通材100の平面形状を示す。液体導通材100は、平面形状において一部が曲がっており、ヘッド側端部100a及びカートリッジ側端部100bのそれぞれが、液体導通材100の長手方向中央近傍で互いに対向している。詳細にはヘッド側端部100aから液体導通材100の長さの略1/4ほど離れた部分、及びカートリッジ側端部100bから液体導通材100の長さの略1/4ほど離れた部分が、それぞれ略U字状に曲がっている。
【0016】
図4(A)は、図3における液体導通材100のA−A断面形状を示す断面図である。液体導通材100は、可撓性材料で形成される基材110、及び基材110の表面に接合されている平板状長尺材120を有する。本実施形態において平板状長尺材120は、例えば溶着により、又は接着剤を用いた接着により、基材110の表面に接合されている。平板状長尺材120は、基材110に接合されていない状態において可撓性を有する。このため液体導通材100は平板状長尺材120を有していても可撓性を有する。
【0017】
基材110は、断面形状が略長方形であり、ヘッド側端部100aを除き、表面に、長手方向に延伸する第1の溝部141を、幅方向に複数(本図においては4つ)互いに離間して有する。本図において第1の溝部141は、断面形状が略長方形であり、基材110の幅方向に複数離間して形成された複数の第1の突条111(本図においては5つ)の間隙として形成されている。そして平板状長尺材120は、第1の溝部141の開口面を覆いつつ、第1の溝部141(又は複数の第1の突条111)とともにインクの第1の流路部を形成している。具体的には、平板状長尺材120は、複数の第1の突条111の端面を覆いつつ基材110の幅方向に亘って接合されることで、第1の溝部141の開口面を覆っている。
【0018】
幅方向の2つの端にそれぞれ形成されている2つの第1の突条111は、他の第1の突条111より幅広である。このようにすると、インクの溶媒(例えば水)が基材110の側面を透過して蒸発する量、及び外気が基材110の側面を透過してインクに溶解する量を、それぞれ少なくすることができる。
【0019】
基材110は、例えば金型に熱可塑性エラストマなどの可撓性材料を流し込んで射出成形される。この場合、基材110を予め湾曲した形状に成形にすることができる。また基材110の製造コストを低く押さえることができる。なお基材110を形成する可撓性材料は、SEPS重合体の他に、柔軟材としてパラフィンオイルを含むのが好ましい。
【0020】
図4(B)は、図4(A)において鎖線で囲まれた領域を拡大した図である。平板状長尺材120は、基材110と接する側から順に、溶着層121、補強層122、金属層123及び保護層124を有する。
溶着層121は、平板状長尺材120を、溶着により基材110に接合させる。基材110がポリプロピレンを含んでいる場合、溶着層121は、ポリエチレンまたはポリプロピレンで形成されている。
補強層122は、平板状長尺材120を補強する。また補強層122は平板状長尺材120の耐熱性を向上させる。具体的には、補強層122はポリアミドで形成されている。
金属層123は、平板状長尺材120は、インクの溶媒が蒸発することを防ぐ。また金属層123は、外気が平板状長尺材120を透過してインクに溶解することも防ぐ。金属層123は、例えばアルミニウム層である。
保護層124は、金属層123を保護し、かつ平板状長尺材120を補強する。保護層124は、例えばポリエチレンテレフタレートで形成されている。
【0021】
平板状長尺材120は、基材110と比べて縦弾性係数が大きい。このため、液体導通材100は、平板状長尺材120が基材110に接合する方向に湾曲する場合、基材110が縮む方向に湾曲するのが好ましい。この場合、平板状長尺材120は折れ目が入りにくくなる。更に、平板状長尺材120は基材110から剥がれにくくなる。
【0022】
次に、図5〜図8を用いてヘッド側端部100aの構成について説明する。図5は、ヘッド側端部100aの表面図であり、図6はヘッド側端部100aの裏面図である。図7は、図5のB−B断面の形状を示す断面図であり、図8は図5のC−C断面の形状を示す断面図である。図5及び図6において平板状長尺材120は、基材110の構成を示すために一部が破断されている。
上記したように、ヘッド側端部100aにおいて液体導通材100は、枝導通部151及び枝導通部152に幅方向に分岐している。
【0023】
図5及び図8に示すように、枝導通部151は、第1の突条111、第1の溝部141、及び平板状長尺材120を有する。第1の突条111及び第1の溝部141は、カートリッジ側端部100bからヘッド側端部100aまで形成されている。平板状長尺材120は、基材110の表面に接合しつつ、カートリッジ側端部100bからヘッド側端部100aまで設けられている。このように、第1の溝部141(又は第1の突条111)及び平板状長尺材120で形成されている複数の第1の流路部は、カートリッジ側端部100bからヘッド側端部100aまで形成されている。このため、複数のカートリッジ45が保持している複数のインクを、枝導通部151が連結している記録ヘッド44に供給することができる。
【0024】
図6及び図8に示すように、枝導通部152は、基材110の裏面に、複数の第2の突条112及び複数の第2の溝部142を、枝導通部151と枝導通部152の結合部からヘッド側端部100aの端まで有する。第2の突条112及び第2の溝部142は、第1の突条111および第1の溝部141と同数設けられており、また略同じ構造を有する。複数の第2の溝部142は、平面配置において、枝導通部151と枝導通部152の結合部で、それぞれ第1の溝部141と重なっている。
基材110の裏面には、平板状長尺材120が接合されている。この平板状長尺材120は、複数の第2の突条112の端面を覆いつつ基材110の幅方向に亘って接合されており、第2の溝部142の開口面を覆っている。このようにして、第2の溝部142(又は複数の第2の突条112)及び平板状長尺材120は、インクの第2の流路部を複数形成している。
【0025】
基材110は、図5、図6及び図7に示すように、枝導通部151と枝導通部152の結合部に、貫通孔143を有する。貫通孔143は、第1の溝部141の底部から第2の溝部142の底部の間まで、基材110を表裏方向に貫通し、第1の流路部と第2の流路部とを繋いでいる。このため複数の第1の流路部を流れてきた複数のインクは、貫通孔143及び第2の流路部を介して、枝導通部152が連結している記録ヘッド44にも供給される。
【0026】
このように、本実施形態の液体導通材100を用いると、複数のカートリッジ45がそれぞれ保持している複数色のインクを、2つの記録ヘッド44に供給することができる。このため複数の液体導通材100をインクジェット式記録装置10に取り付ける必要はなくなる。
【0027】
また本実施形態とは逆に、液体導通材100のヘッド側端部100aを一本にまとめ、カートリッジ側端部100bを2つの枝導通部に分岐してもよい。この場合、同種類のインクを保持する2つのカートリッジ45から、一つの記録ヘッド44にインクを供給することができる。このため記録中にインク切れになる可能性は低くなる。
【0028】
図9は 液体導通材100の変形例の平面図を、記録ヘッド44の模式図とともに示す。本変形例の液体導通材100は、記録ヘッド44を一つ有するインクジェット式記録装置10に用いられる。本変形例において第2の溝部142即ち第2の流路部の数は第1の溝部141すなわち第1の流路部の数より少ない。第2の溝部142及び貫通孔143は一部の第1の溝部141(例えば4本のうち3本)に対応して設けられている。
また記録ヘッド44は、複数のインク噴射ノズル列44b(例えば8列)を有しており、同色のインクを複数のインク噴射ノズル列44bから噴射する。記録ヘッド44は、例えば4色のインクをそれぞれ2つのインク噴射ノズル列44bから噴射する。ここで一部の色のインク(例えば3色)は、第1の流路部及び第2の流路部、並びに2つの接続針44aを介して2つのインク噴射ノズル列44bに供給される。残りの色のインク(例えば1色)は記録ヘッド44の中で2つに分岐し、2つのインク噴射ノズル列44bに供給される。
【0029】
このように、液体導通材100を用いると、複数の液体導通材を用いることなく、複数(例えば2つ)のインク噴射ノズル列44bに同一の色のインクを供給することができる。またカートリッジ45側でインクの流路部を複数に分岐する必要はない。このためインクジェット式記録装置10の設計を大きく変更する必要はない。
【0030】
なおインクジェット式記録装置10は、液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置の記録ヘッド44は、液体噴射装置の液体噴射部の一例であり、カートリッジ45は液体供給部の一例であり、インク噴射ノズル列44bは液体噴射ノズル列の一例である。
しかしながら、本発明はこれらに限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置である。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射部の一例である。液体噴射装置のさらなる他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射部の一例である。液体噴射装置のさらなる他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットとしての試料噴射ヘッドが液体噴射部の一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。また被記録物11は、液体が噴射されることにより記録が行われる物であるが、ターゲットはこれに限定されず、例えば記録用紙、ディスプレイの電極等の回路パターンが記録される回路基板、ラベルが印刷されるCD−ROM、DNA回路が記録されるプレパラートが含まれる。
【0031】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置10の斜視図
【図2】インクジェット式記録装置10のインク供給系の斜視図
【図3】液体導通材100の平面図
【図4】(A)は図3のA−A断面図、(B)は(A)において鎖線で囲まれた領域を拡大した図
【図5】ヘッド側端部100aの表面図
【図6】ヘッド側端部100aの裏面図
【図7】図5のB−B断面図
【図8】図5のC−C断面図
【図9】液体導通材100の変形例を、記録ヘッド44の模式図とともに示す平面図
【符号の説明】
10…インクジェット式記録装置、42…キャリッジ、44…記録ヘッド、44a…接続針、44b…インク噴射ノズル列、45…カートリッジ、100…液体導通材、100a…ヘッド側端部、100b…カートリッジ側端部、110…基材、111…第1の突条、112…第2の突条、120…平板状長尺材、121…溶着層、122…補強層、123…金属層、124…保護層、141…第1の溝部、142…第2の溝部、143…貫通孔、151…枝導通部、152…枝導通部
Claims (7)
- 液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、前記液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部から、前記液体を噴射する液体噴射部に前記液体を供給する、液体導通材であって、
可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に、複数の第1の突条が長手方向の一端から他端に亘って互いに間隔をあけて併設されるとともに、裏面に複数の第2の突条が長手方向の前記一端から途中まで互いに間隔をあけて併設された基材と、
前記第1の突条の端面を覆いつつ前記基材の幅方向に亘って前記基材の前記表面に接合される、可撓性を有する表面用平板状長尺材と、
前記第2の突条の端面を覆いつつ前記基材の幅方向に亘って前記基材の前記裏面に接合される、可撓性を有する裏面用平板状長尺材と、
前記第1の突条の間隙及び前記表面用平板状長尺材により、前記基材の前記表面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記他端に亘って形成された前記液体の第1の流路部と、
前記第2の突条の間隙及び前記裏面用平板状長尺材により、前記基材の前記裏面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記途中まで形成された、前記液体の第2の流路部と
を備え、
更に前記基材は、長手方向の前記途中に、前記第1の流路部と前記第2の流路部とを接続すべく、前記基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体導通材。 - 液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、前記液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部から、前記液体を噴射する液体噴射部に前記液体を供給する、液体導通材であって、
可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に第1の溝部を長手方向の一端から他端に亘って有し、裏面に第2の溝部を長手方向の前記一端から途中まで有する基材と、
前記第1の溝部の開口面を覆いつつ前記基材の表面に接合される可撓性を有した表面用平板状長尺材と、
前記第2の溝部の開口面を覆いつつ前記基材の裏面に接合される可撓性を有した裏面用平板状長尺材と、
前記第1の溝部及び前記表面用平板状長尺材により、前記基材の前記表面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記他端に亘って形成された前記液体の第1の流路部と、
前記第2の溝部及び前記裏面用平板状長尺材により、前記基材の前記裏面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記途中まで形成された、前記液体の第2の流路部と
を備え、
更に前記基材は、長手方向の前記途中に、前記第1の流路部と前記第2の流路部とを接続すべく、前記基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体導通材。 - 前記液体噴射装置は前記液体噴射部を少なくとも2つ有しており、
前記液体導通材は、前記一端と前記貫通孔との間で、前記第1の流路部を有する第1の枝導通部と、前記第2の流路部を有する第2の枝導通部に分岐し、
前記第1及び第2の枝導通部は互いに異なる前記液体噴射部に連結する、請求項1又は2に記載の液体導通材。 - 前記第1の流路部と、前記第2の流路部はそれぞれ複数設けられている、請求項1又は2に記載の液体導通材。
- 前記液体噴射部は、同一の前記液体を噴射する複数の液体噴射ノズル列を有し、
前記第1の流路部及び前記第2の流路部は、互いに異なる前記液体噴射ノズル列に連結する、請求項1又は2に記載の液体導通材。 - 液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部と、
前記液体を噴射する液体噴射部と、
前記液体保持部と前記液体噴射部とを連結する液体導通材と
を備え、
前記液体導通材は、
可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に、複数の第1の突条が長手方向の一端から他端に亘って互いに間隔をあけて併設されるとともに、裏面に複数の第2の突条が長手方向の前記一端から途中まで互いに間隔をあけて併設された基材と、
前記第1の突条の端面を覆いつつ前記基材の幅方向に亘って前記基材の前記表面に接合される、可撓性を有する表面用平板状長尺材と、
前記第2の突条の端面を覆いつつ前記基材の幅方向に亘って前記基材の前記裏面に接合される、可撓性を有する裏面用平板状長尺材と、
前記第1の突条の間隙及び前記表面用平板状長尺材により、前記基材の前記表面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記他端に亘って形成された前記液体の第1の流路部と、
前記第2の突条の間隙及び前記裏面用平板状長尺材により、前記基材の前記裏面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記途中まで形成された、前記液体の第2の流路部と
を備え、
更に前記基材は、長手方向の前記途中に、前記第1の流路部と前記第2の流路部とを接続すべく、前記基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体噴射装置。 - 液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部と、
前記液体を噴射する液体噴射部と、
前記液体保持部と前記液体噴射部とを連結する液体導通材と
を備え、
前記液体導通材は、
可塑性材料で形成された長尺状の基材であって、表面に第1の溝部を長手方向の一端から他端に亘って有し、裏面に第2の溝部を長手方向の前記一端から途中まで有する基材と、
前記第1の溝部の開口面を覆いつつ前記基材の表面に接合される可撓性を有した表面用平板状長尺材と、
前記第2の溝部の開口面を覆いつつ前記基材の裏面に接合される可撓性を有した裏面用平板状長尺材と、
前記第1の溝部及び前記表面用平板状長尺材により、前記基材の前記表面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記他端に亘って形成された前記液体の第1の流路部と、
前記第2の溝部及び前記裏面用平板状長尺材により、前記基材の前記裏面に、前記液体導通材の長手方向の前記一端から前記途中まで形成された、前記液体の第2の流路部と
を備え、
更に前記基材は、長手方向の前記途中に、前記第1の流路部と前記第2の流路部とを接続すべく、前記基材を表裏方向に貫通する貫通孔を有する、液体噴射装置。
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