JP4798266B2 - 液体導通材、液体噴射装置、及び液体導通材の製造方法 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体導通材、液体噴射装置及び液体導通材の製造方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
本発明の第2の形態は、液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部から、液体を噴射する液体噴射部に液体を供給する、液体導通材であって、長手方向に沿って溝部を有し、かつ可撓性材料で形成された長尺状の基材と、溝部の開口面を覆うと共に基材に接合される可撓性を有した第1の平板状長尺材と、溝部及び第1の平板状長尺材により構成される液体の流路部と、を備え、溝部は、流路部の断面積が長手方向の一部において他の部分より小さくなるように成形されている、液体導通材を提供する。
この液体導通材によれば、流路の断面積を長手方向の一部において他の部分より小さくすることができる。
ここで、複数の突条又は溝部が、流路部の断面形状が略U字形状となるように成形されている場合、更に液体中の気泡は湾曲している部分に滞留しにくくなる。
ここで、固定部材の下面が隔壁部材の下面と略面一であり、第2の平板状長尺材に接合するようにすると、第2の平板状長尺材は基材により強く接合することができる。
本発明の第4の形態は、液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置であって、液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部と、液体を噴射する液体噴射部と、液体保持部と液体噴射部を導通させて液体を液体噴射部に供給する液体導通材とを備え、液体導通材は、長手方向に沿って溝部を有し、かつ可撓性材料で形成された長尺状の基材と、溝部の開口面を覆うと共に基材に接合される可撓性を有した第1の平板状長尺材と、溝部及び第1の平板状長尺材により構成される液体の流路部とを備え、溝部は、流路部の断面積が液体導通材の長手方向の一部において他の部分より小さくなるように成形されている、液体噴射装置を提供する。
第3及び第4の形態によれば、第1及び第2の形態と同じ効果を得ることができる。
第5の形態によれば、簡単な工程で液体導通材を製造することができる。
このため、一つの液体導通材100で、複数のカートリッジ45がそれぞれ保持する複数色のインクを、記録ヘッド44に供給することができる。従って複数のポリエチレンチューブを用いて複数のインクを記録ヘッド44に供給する場合と比べて、液体導通材100をインクジェット式記録装置10内で引き回すために必要なスペースを小さくすることができる。また液体導通材100を取り付けるときの工数を少なくすることができる。
液体導通材100の主要部を形成する可撓性材料として、SEPS(ポリスチレン−ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリスチレン)重合体を主材料とするエラストマを用いると、液体導通材100は撓みやすくなる。この場合、液体導通材100の可曲部106をポリエチレンチューブよりも小さな曲率で湾曲させることができるため、インクジェット式記録装置10を特に小型化することができる。またキャリッジ42を駆動するモータに加わる負荷を小さくすることができる。
溶着層121は、平板状長尺材120を、溶着により基材110に接合させる。基材110がポリプロピレンを含んでいる場合、溶着層121は、ポリエチレンまたはポリプロピレンで形成されている。
補強層122は、平板状長尺材120を補強する。また補強層122は平板状長尺材120の耐熱性を向上させる。具体的には、補強層122はポリアミドで形成されている。
金属層123は、平板状長尺材120は、インクの溶媒が蒸発することを防ぐ。また金属層123は、外気が平板状長尺材120を透過してインクに溶解することも防ぐ。金属層123は、例えばアルミニウム層である。
保護層124は、金属層123を保護し、かつ平板状長尺材120を補強する。保護層124は、例えばポリエチレンテレフタレートで形成されている。
カートリッジ側導通部102及びヘッド側導通部104において、基材110は、複数の突条111のそれぞれがそのまま長手方向に延伸した複数の隔壁部材111aを、等間隔に並列した構造を有する。複数の隔壁部材111aの断面形状は略長方形である。そして複数の隔壁部材111aの上面には、一の平板状長尺材120が接合している。また隔壁部材111aの下面には、他の平板状長尺材120が接合している。このようにカートリッジ側導通部102及びヘッド側導通部104において液体の流路部は、複数の隔壁部材111a及び2つの平板状長尺材120によって構成されている。
また固定部材113は流路部の底部に設けられており、下面が隔壁部材111aの下面と略面一である。このため、図6において下側に図示されている平板状長尺材120は、隔壁部材111aに加え、固定部材113にも接合することができる。なお固定部材113の長手方向の断面形状は、流路部の中の滞留しないように、略台形となっている。
カートリッジ側湾曲部107の湾曲している部分において、突条111は、溝部130の幅が他の部分と比べて小さくなり、溝部130の断面積が小さくなるように形成されている。詳細には、湾曲する部分の前後において、突条111の幅は、湾曲している部分に近づくにつれて、なだらかに大きくなり、溝部130内部に向けて突出している。このため、インクの流速は、カートリッジ側湾曲部107の湾曲している部分において大きくなる。従って流路部の中の気泡は湾曲している部分に滞留しにくい。
なお、ヘッド側湾曲部108も、図7及び図8に示したカートリッジ側湾曲部107と略同じ構造を有する。
しかしながら、本発明はこれらに限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置である。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射部の一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射部の一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットとしての試料噴射ヘッドが液体噴射部の一例である。本発明の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。また被記録物11は、液体が噴射されることにより記録が行われる物であるが、ターゲットはこれに限定されず、例えば記録用紙、ディスプレイの電極等の回路パターンが記録される回路基板、ラベルが印刷されるCD−ROM、DNA回路が記録されるプレパラートが含まれる。
Claims (3)
- 液体噴射領域にあるターゲットに液体を噴射する液体噴射装置に使用され、前記液体噴射装置の本体に設けられた液体保持部から、前記液体を噴射する液体噴射部に前記液体を供給する、液体導通材であって、
前記液体導通材の巾方向に略並行に配列され、互いに分離している3以上の長尺状の可撓性材料で形成される隔壁部材、および前記隔壁部材より高さが低く、前記3以上の隔壁部材の間の長手方向の同一の位置の一部分に設けられていて、隣接する2つの前記隔壁部材を相互に固定する複数の固定部材を有する基材と、
前記3以上の隔壁部材の上面を覆いつつ前記基材の巾方向に亘って当該基材に接合される、可撓性を有する第1の平板状長尺材と、
前記3以上の隔壁部材の下面を覆いつつ前記基材の巾方向に亘って当該基材に接合される、第2の平板状長尺材と、
前記3以上の隔壁部材、前記第1の平板状長尺材、及び前記第2の平板状長尺材により構成される前記液体の流路部と、
を備え、
前記流路部は、前記固定部材を有する部分において、前記流路部の断面積が他の部分より小さくなっている液体導通材。 - 前記固定部材の下面は、前記隔壁部材の下面と略面一であり、前記第2の平板状長尺材に接合している、請求項1に記載の液体導通材。
- 前記固定部材の前記基材の長手方向の断面形状は略台形となっている請求項1または2に記載の液体導通材。
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