JP2005039874A - ステッピングモータの制御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステッピングモータにおいて、高トルクの高価なステッピングモータを使用せずに、低温環境下においても安定した動作をするステッピングモータ制御装置及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ステッピングモータ制御装置10は、ギヤ部に接続されるステッピングモータ1を有する装置において、環境温度を測定する温度センサ12と、所定温度を閾値として保持し前記閾値より前記温度センサの測定した環境温度が低い場合に、前記ステッピングモータが回転しないように、流れる電流の方向が変わらない励磁電流をステッピングモータへ供給する予熱制御手段14とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】ステッピングモータ制御装置10は、ギヤ部に接続されるステッピングモータ1を有する装置において、環境温度を測定する温度センサ12と、所定温度を閾値として保持し前記閾値より前記温度センサの測定した環境温度が低い場合に、前記ステッピングモータが回転しないように、流れる電流の方向が変わらない励磁電流をステッピングモータへ供給する予熱制御手段14とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温環境下おいて使用される装置に搭載されるステッピングモータの制御装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、それぞれの家庭でファクシミリ(以下、「FAX」と称す。)装置が普及しており、電話での言葉だけでは伝えにくいような、さまざまな情報のやり取りに使用されている。
【0003】
通常、FAX情報はいつ送信されてくるかわからないため、常にFAX装置の電源を投入している「待ち受け状態」として使用される。従って、FAX装置が設置されている部屋の空調設備などの電源が切断されていると、特に冬の夜間などは、かなり冷え込むので、部屋の温度が下がってしまう。
【0004】
FAX装置では、受信した際に印刷される用紙を搬送するローラの駆動用にステッピングモータが使用されている。部屋の温度が低下しFAX装置の温度も低下した中では、そのステッピングモータ自身の駆動トルクの低下や、ステッピングモータに接続されるギヤ部の部品収縮や、ギヤ部に塗布されているグリスの粘性が高くなるため、負荷が増加することになる。
【0005】
従って、ステッピングモータが駆動できなくなり、ステッピングモータの脱調が発生する恐れがある。そのため、ステッピングモータを使用した装置においては、低温環境下でステッピングモータの脱調を防止するためには高価な高トルクのステッピングモータを使用したり、電流量を増加させる制御回路を追加したり、あるいは、ある環境温度以下では、装置の使用をやめさせるため動作を停止させたりしなければならない。
【0006】
ところで、特許文献1には、低温環境下において、サーボモータが停止中に、サーボモータに対し、微小周期毎極性の変化する電流を流すことにより、サーボモータを回転させずに巻線温度を上げ、プレヒートさせモータの脱調を防止するモータ制御方法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−52541号公報(第2−4頁)
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】
ステッピングモータは、制御装置より供給される励磁パターン及び励磁パターンに同期した励磁電流によりデジタル的に動作するモータであり、サーボモータのように停止中に微小周期毎極性の変化する電流を流すことができない。そのため、特許文献1のモータ制御方法をステッピングモータの制御に適用することはできない。
【0009】
そこで、本発明は、ステッピングモータにおいて、従来のように高トルクの高価なステッピングモータを使用するなどしてコストアップせずに、低温環境下においても安定した動作をするステッピングモータの制御装置及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のステッピングモータの制御装置は、所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御装置であって、前記ステッピングモータを回転させない電流を、前記ステッピングモータを予熱するものである。
【0011】
これにより、ステッピングモータを回転させないような待機中に、ステッピングモータを回転させない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるので、環境温度が低温となった場合など、コストアップせずにステッピングモータを安定して動作させるステッピングモータの制御装置とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願の請求項1に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御装置であって、
上記ステッピングモータを回転させない電流を、上記ステッピングモータを予熱するために、上記ステッピングモータに供給する制御手段を備えたステッピングモータの制御装置としたものであり、ステッピングモータを回転させない待機中に、環境温度が低温となった場合など、ステッピングモータを回転させない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させることなくステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転してギヤ部を駆動するステッピングモータの制御装置であって、上記ステッピングモータを回転させないときに、上記ギヤ部がそのバックラッシの範囲内でのみ回転するように上記ステッピングモータに励磁電流を予熱電流として供給する制御手段を備えたことを特徴とするステッピングモータの制御装置としたものであり、ステッピングモータに接続されるギヤ部のバックラッシの範囲内でのみ、一方か他方、または交互に回転するように、ステッピングモータに励磁電流を流すので、ギヤ部より後の駆動系にステッピングモータの回転を伝えることなく、ステッピングモータへ予熱電流が流せ、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記制御手段は、環境温度を測定する温度センサに接続され、上記環境温度に基づいて、上記予熱電流を供給する時間を調整するものである請求項1または2に記載のステッピングモータの制御装置としたものであり、環境温度に基づいて、ステッピングモータへ予熱電流を供給する時間を最適に調整できるという作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、上記温度センサは、上記ステッピングモータあるいは上記ギヤ部に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のステッピングモータの制御装置としたものであり、ステッピングモータまたはギヤ部の環境温度を直接測定することができるという作用を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御方法であって、環境温度が所定温度以下の場合に、励磁電流の流れる方向が変わらない予熱電流を、上記ステッピングモータに供給することを特徴とするステッピングモータの制御方法としたものであり、環境温度が低温となった場合に、流れる方向が変わらない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転してギヤ部を駆動するステッピングモータの制御方法であって、環境温度が所定温度以下の場合に、上記ギヤ部がそのバックラッシの範囲内でのみ回転するように上記ステッピングモータに励磁電流を予熱励磁電流として供給することを特徴とするステッピングモータの制御方法としたものであり、環境温度が低温となった場合に、ステッピングモータに接続されるギヤ部のバックラッシの範囲内で、ステッピングモータが、一側か他側、または交互に回転するような励磁電流とするので、ギヤ部より後の駆動系にステッピングモータの回転を伝えることなく、ステッピングモータへ予熱電流が流せ、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、上記環境温度に基づいて、上記予熱励磁電流を供給する時間を調整することを特徴とする請求項5または6に記載のステッピングモータの制御方法としたものであり、環境温度に基づいて、ステッピングモータへ予熱電流を供給する時間を最適に調整できるという作用を有する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明をする。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、ステッピングモータを用いた装置の一例であるFAX装置の用紙搬送用駆動部の斜視図である。
【0021】
図1に示すように、2相励磁方式のステッピングモータ1が金属フレーム2に取り付けられ、ステッピングモータ1の回転軸3がギヤ部4の伝達歯車5に接続され、ギヤ部4の各歯車にステッピングモータ1の回転軸3の回転を伝達する。ギヤ部4の各軸または歯車には潤滑用グリスが塗布されている。ステッピングモータ1は、励磁電流供給ケーブル6を介して回転指示が与えられる。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の構成図である。
【0023】
ステッピングモータ1は、励磁電流供給ケーブル6に接続されたドライバICなどで構成されるドライバ制御手段(図示せず)を介してステッピングモータの制御装置10へ接続される。
【0024】
ステッピングモータの励磁方式には、2相励磁方式,1−2相励磁方式が多く使用されており、その中でも、1−2相励磁方式より2相励磁方式の方が約1.33倍程度予熱するための励磁電流が多く流せるので望ましい。
【0025】
ステッピングモータの制御装置10は、ステッピングモータの回転角度を制御するモータ制御手段11と、温度センサ12とで構成される。
【0026】
モータ制御手段11は、印刷用の用紙を搬送するため図1のギヤ部4に接続される搬送ローラ(図示せず)の搬送量をステッピングモータ1へ指示する搬送制御手段13と予熱制御手段14を有する。モータ制御手段11は、ステッピングモータ1に対し4本の信号線にて駆動を指示するステップの信号を出力することでステッピングモータ1を制御する。モータ制御手段11の4本の信号線の出力は、信号線2本で1組として電流を流し、励磁させて回転させる。
【0027】
図3(a)は搬送制御手段が、環境温度が通常使用状態時におけるステッピングモータへの信号波形、また、(b)及び(c)はモータ制御部11の予熱制御手段14からステッピングモータ1へ出力する信号波形である。
【0028】
図3(a)にモータ制御部11の搬送制御手段13が、ステッピングモータ1への信号波形を示す。同図(a)は、搬送制御手段13が、環境温度が通常の使用状態時におけるステッピングモータ1への信号波形である。A+とA−は、A相へ励磁電流を流すための端子であり、A+からA−へ、またはA−からA+へ励磁電流が流れるように電圧を供給することで、A相の励磁がN極からS極またはその逆とすることができる。B+とB−も同様である。このように、搬送制御手段13がステッピングモータ1へ信号を出力することで、励磁電流が流れ1ステップずつステッピングモータ1の回転軸3が回転する。
【0029】
温度センサ12は、温度変化に応じて抵抗値が変動するサーミスタと、抵抗値をインピーダンス変換してアナログ信号とし、そのアナログ信号をデジタル信号へ変換するA/D変換器から構成される。また、バイメタルを使用してスイッチでも実現可能であり、この場合は、チャタリングを除去する手段が予熱制御手段14に備えられている。
【0030】
図2において、温度センサ12は、外気を測定できるように、図示していないが、装置の筐体部に取り付けることもできるが、図9に示すように金属フレーム2に取り付けることや、図示していないがステッピングモータ1に取り付けることも可能である。金属フレーム2やステッピングモータ1に取り付けた場合、温度センサ12による環境温度の測定が、直接、金属フレーム2やステッピングモータ1の温度を直接測定することにより、装置が稼働可能か否かの判定を精度良く測定することができるので望ましい。
【0031】
予熱制御手段14は、所定の温度を閾値として保持し、温度センサ12からの出力を、その閾値と比較して判定し、閾値以下である場合に、ステッピングモータ1を全く動作させないよう、ステッピングモータ1へ流れる方向が変わらない励磁電流を予熱電流として流れるように、信号を出力する。例えば、図3(b)で示されるように、A−からA+へ、A相への電流が流れるよう、かつB+からB−へ、B相への励磁電流が流れるよう、励磁電流の流れる方向を変化させない信号を出力する。このような予熱電流をステッピングモータ1に流すことによりステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができる。
【0032】
また、ステッピングモータ1に接続されるギヤ部4のバックラッシの範囲内で、ステッピングモータ1が、一方か他方、または交互に回転するような励磁電流を予熱電流とすることも可能である。図3(c)では、交互に1ステップずつ回転するよう予熱制御手段14から信号が出力されている。このようにステッピングモータ1に予熱電流が流れることにより、ギヤ部4より後の駆動系にステッピングモータ1の回転を伝えることなく、ステッピングモータ1へ予熱電流が流せ、ステッピングモータ1をジュール熱で加熱することができる。
【0033】
なお、予熱制御手段14の予熱電流を供給し始める温度(閾値)と、供給を停止する温度とを、異なる温度に設定することも可能である。
【0034】
この場合、供給し始める温度(閾値)を、供給を停止する温度(装置が可動可能となる温度)より高く設定し、ヒステリシス特性を持たせる。これにより、徐々に環境温度が低下しても、稼働不可となる温度よりも早めにステッピングモータ1へ予熱電流が流れ始めることができる。
【0035】
そして、予熱が間に合わずに稼働不可となる温度より環境温度が下がり、再び上昇した場合、その予熱を解除する(予熱電流の供給を停止する)温度が、閾値よりも低いため、早めにステッピングモータ1を稼働させることが可能である。
【0036】
徐々に環境温度が低下し、閾値を下回った場合に早めにステッピングモータ1への予熱を開始し、その予熱により閾値を上回る環境温度となった場合は、その時点で予熱電流の供給を停止する。
【0037】
搬送制御手段13および予熱制御手段14を含むモータ制御部11は、ゲートアレイや、MPU(Micro Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、プログラムが読み書きに使用するRAM(Random Access Memory)により構成することが可能である。従って、予熱制御手段14が有する所定温度の閾値は、ゲートアレイで構成する場合は、比較手段であるコンパレータに固定的に設定しても、ゲートアレイへ外部からスイッチなどで設定して入力してもよく、MPUによりプログラムで実現した場合では、ROMに格納したデータとして可能である。
【0038】
以上のように構成されるステッピングモータの制御装置の動作を図2から図5に基づいて説明する。
【0039】
図4および図5は本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
まず、予熱制御手段14には、予熱電流をステッピングモータ1へ供給をする所定温度の閾値は設定されているものとする。
【0041】
図4に示すように、FAX装置の電源が投入されると、予熱制御手段14は温度センサ12から測定された環境温度を入力する(S10)。
【0042】
予熱制御手段14は、入力した環境温度と予め設定された閾値と比較し、環境温度の方が低ければS30へ移行し、環境温度の方が高ければS40へ移行する(S20)。
【0043】
環境温度の方が閾値より低い場合は、FAX装置のステッピングモータ1およびギヤ部4の稼働が困難な状況であるため、予熱制御手段14は、ステッピングモータ1へ図3(b)または(c)で示される信号を出力し、予熱電流をステッピングモータ1へ流してS10へ移行する(S30)。
【0044】
環境温度の方が閾値より高い場合は、FAX装置は通常の使用が可能であるため、予熱制御手段14は、ステッピングモータ1へ予熱電流を流すのを停止する。また、予熱電流を流していない場合はそのままFAX受信の待機状態とする(S40)。
【0045】
次に、予熱制御手段14がステッピングモータ1を予熱している最中に、FAX受信が発生した場合の動作を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
FAX装置の電源が投入されると、FAX受信を待つ「待ち受け」状態となる。「待ち受け」状態で、FAX受信があるとS60へ移行する(S50)。
【0047】
受信する際に、予熱制御手段14は、温度センサ12より測定された環境温度を入力する(S60)。
【0048】
予熱制御手段14は、温度センサ12によりFAX装置が設置されている環境温度が、予熱制御手段14に設定された閾値より高いか低いかを判定し、高い場合にはS80へ移行する(S70)。
【0049】
環境温度が閾値より高いため、ギヤ部4やステッピングモータ1は通常動作が可能なので、FAX受信し、受信した内容を搬送制御手段13により搬送された用紙に印刷して、「待ち受け」状態となるS50へ移行する(S80)。
【0050】
S70にて環境温度が閾値より低いと判定された場合は、ギヤ部4やステッピングモータ1は通常動作が不可能なので、FAX受信し、受信した内容をFAX装置の内蔵メモリ(図示せず)へ蓄積し、「待ち受け」状態となるS50へ移行する(S90)。このFAX装置の内蔵メモリに蓄積された内容は、環境温度が閾値より高くなった後に用紙に印刷される。
【0051】
(実施の形態2)
実施の形態2では、予熱制御手段が、複数の閾値を保持し、それぞれの閾値に基づいて、環境温度が低いほど長い時間予熱電流をステッピングモータに供給することを特徴としている。
【0052】
本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置を図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置委の構成図である。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態のステッピングモータの制御装置15は、時間計測を行うタイマ17を有した予熱制御手段16を備えている。その他の構成は実施の形態1と同じ構成なので、同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
予熱制御手段16は、所定の温度を閾値として複数保持し、それぞれの閾値に基づいて、ステッピングモータ1の予熱の時間をタイマ17により調整する。
【0055】
タイマ17は、予熱制御手段16をゲートアレイで構成した場合には、クロックを分周するカウンタを多段に接続して時間を計測することが可能であり、MPU、ROM、RAMで構成した場合には、プログラムでカウントしても実現可能である。
【0056】
タイマ17がカウントする予熱時間と、環境温度との関係の例を、図7に示す。
【0057】
図7に示すように、複数の閾値は、環境温度に基づいた予熱時間(予熱電流がステッピングモータ1に流れる時間)を定義している。例えば、5℃以下で0℃より高い場合は、予熱制御手段16はステッピングモータ1へ予熱電流を5分間ほど流し予熱する。0℃以下で−2℃より高い場合は、10分間ほど予熱する。図7に示すように、環境温度が低いほど長い時間ステッピングモータ1を予熱するように設定される。なおこの予熱時間は、ステッピングモータ1やギヤ部4の仕様により、適宜設定することが可能である。
【0058】
このように構成される本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の動作の説明を、図8に基づいて説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【0059】
まずFAX装置の電源が投入されると、予熱制御手段14は温度センサ12から測定された環境温度を入力する(S110)。
【0060】
予熱制御手段14は、入力した環境温度と予め設定された閾値と比較し、環境温度が、複数の閾値で示される範囲によって、予熱時間を出す(S120)。
【0061】
予熱制御手段14は、図3(b)または(c)で示される信号を出力し予熱電流をステッピングモータ1へ流し予熱する(S130)。
【0062】
予熱制御手段14は、S120での予熱時間をタイマ17によりカウントする(S140)。
【0063】
タイマ17のカウントが、予熱時間が過ぎた場合は、予熱制御手段14による予熱電流を停止する(S150)。
【0064】
このように、予熱制御手段により、複数の閾値に基づき、環境温度が低いほど予熱時間が長くなるように、予熱電流をステッピングモータへ流すことで、ステッピングモータおよびギヤ部に、環境温度に応じた予熱を行うことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1の発明では、ステッピングモータを回転させない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができ、コストアップせずに低温環境下においてもステッピングモータを安定して動作させるステッピングモータの制御装置とすることができる。
(2)第2の発明では、ステッピングモータに接続されるギヤ部のバックラッシの範囲内でのみ、回転するように、ステッピングモータに励磁電流を予熱電流として供給するので、ギヤ部より後の駆動系にステッピングモータの回転を伝えることなく、ステッピングモータへ予熱電流が流せ、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができる。よって、高価な高トルクのステッピングモータを使用する必要がないため、コストアップせずに低温環境下においてもステッピングモータを安定して動作させるステッピングモータの制御装置とすることができる。
(3)第3の発明では、環境温度に基づいて、ステッピングモータへ予熱電流を供給する時間を調整することにより、環境温度に応じた最適な予熱時間を設定することができる。
(4)第4の発明では、温度センサは、ステッピングモータあるいはギヤ部に取り付けられていることにより、ステッピングモータまたはギヤ部の環境温度を直接測定することができ、正確で精度良い予熱の制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステッピングモータを用いた装置の一例であるFAX装置の用紙搬送用駆動部の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の構成図
【図3】(a)搬送制御手段が、環境温度が通常の使用状態時におけるステッピングモータへの信号波形を示す図
(b)モータ制御部の予熱制御手段からステッピングモータへ出力する信号波形を示す図
(c)モータ制御部の予熱制御手段からステッピングモータへ出力する信号波形を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の構成図
【図7】タイマがカウントする予熱時間と環境温度との関係の例を示す図
【図8】本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャート
【図9】金属フレームに温度センサを取り付けた例を示す図
【符号の説明】
1 ステッピングモータ
2 金属フレーム
3 回転軸
4 ギヤ部
5 伝達歯車
6 励磁電流供給ケーブル
10 ステッピングモータの制御装置
11 モータ制御手段
12 温度センサ
13 搬送制御手段
14 予熱制御手段
15 ステッピングモータの制御装置
16 予熱制御手段
17 タイマ
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温環境下おいて使用される装置に搭載されるステッピングモータの制御装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、それぞれの家庭でファクシミリ(以下、「FAX」と称す。)装置が普及しており、電話での言葉だけでは伝えにくいような、さまざまな情報のやり取りに使用されている。
【0003】
通常、FAX情報はいつ送信されてくるかわからないため、常にFAX装置の電源を投入している「待ち受け状態」として使用される。従って、FAX装置が設置されている部屋の空調設備などの電源が切断されていると、特に冬の夜間などは、かなり冷え込むので、部屋の温度が下がってしまう。
【0004】
FAX装置では、受信した際に印刷される用紙を搬送するローラの駆動用にステッピングモータが使用されている。部屋の温度が低下しFAX装置の温度も低下した中では、そのステッピングモータ自身の駆動トルクの低下や、ステッピングモータに接続されるギヤ部の部品収縮や、ギヤ部に塗布されているグリスの粘性が高くなるため、負荷が増加することになる。
【0005】
従って、ステッピングモータが駆動できなくなり、ステッピングモータの脱調が発生する恐れがある。そのため、ステッピングモータを使用した装置においては、低温環境下でステッピングモータの脱調を防止するためには高価な高トルクのステッピングモータを使用したり、電流量を増加させる制御回路を追加したり、あるいは、ある環境温度以下では、装置の使用をやめさせるため動作を停止させたりしなければならない。
【0006】
ところで、特許文献1には、低温環境下において、サーボモータが停止中に、サーボモータに対し、微小周期毎極性の変化する電流を流すことにより、サーボモータを回転させずに巻線温度を上げ、プレヒートさせモータの脱調を防止するモータ制御方法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−52541号公報(第2−4頁)
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】
ステッピングモータは、制御装置より供給される励磁パターン及び励磁パターンに同期した励磁電流によりデジタル的に動作するモータであり、サーボモータのように停止中に微小周期毎極性の変化する電流を流すことができない。そのため、特許文献1のモータ制御方法をステッピングモータの制御に適用することはできない。
【0009】
そこで、本発明は、ステッピングモータにおいて、従来のように高トルクの高価なステッピングモータを使用するなどしてコストアップせずに、低温環境下においても安定した動作をするステッピングモータの制御装置及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のステッピングモータの制御装置は、所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御装置であって、前記ステッピングモータを回転させない電流を、前記ステッピングモータを予熱するものである。
【0011】
これにより、ステッピングモータを回転させないような待機中に、ステッピングモータを回転させない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるので、環境温度が低温となった場合など、コストアップせずにステッピングモータを安定して動作させるステッピングモータの制御装置とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願の請求項1に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御装置であって、
上記ステッピングモータを回転させない電流を、上記ステッピングモータを予熱するために、上記ステッピングモータに供給する制御手段を備えたステッピングモータの制御装置としたものであり、ステッピングモータを回転させない待機中に、環境温度が低温となった場合など、ステッピングモータを回転させない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させることなくステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転してギヤ部を駆動するステッピングモータの制御装置であって、上記ステッピングモータを回転させないときに、上記ギヤ部がそのバックラッシの範囲内でのみ回転するように上記ステッピングモータに励磁電流を予熱電流として供給する制御手段を備えたことを特徴とするステッピングモータの制御装置としたものであり、ステッピングモータに接続されるギヤ部のバックラッシの範囲内でのみ、一方か他方、または交互に回転するように、ステッピングモータに励磁電流を流すので、ギヤ部より後の駆動系にステッピングモータの回転を伝えることなく、ステッピングモータへ予熱電流が流せ、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記制御手段は、環境温度を測定する温度センサに接続され、上記環境温度に基づいて、上記予熱電流を供給する時間を調整するものである請求項1または2に記載のステッピングモータの制御装置としたものであり、環境温度に基づいて、ステッピングモータへ予熱電流を供給する時間を最適に調整できるという作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、上記温度センサは、上記ステッピングモータあるいは上記ギヤ部に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のステッピングモータの制御装置としたものであり、ステッピングモータまたはギヤ部の環境温度を直接測定することができるという作用を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御方法であって、環境温度が所定温度以下の場合に、励磁電流の流れる方向が変わらない予熱電流を、上記ステッピングモータに供給することを特徴とするステッピングモータの制御方法としたものであり、環境温度が低温となった場合に、流れる方向が変わらない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、所定パターンの励磁電流の入力により回転してギヤ部を駆動するステッピングモータの制御方法であって、環境温度が所定温度以下の場合に、上記ギヤ部がそのバックラッシの範囲内でのみ回転するように上記ステッピングモータに励磁電流を予熱励磁電流として供給することを特徴とするステッピングモータの制御方法としたものであり、環境温度が低温となった場合に、ステッピングモータに接続されるギヤ部のバックラッシの範囲内で、ステッピングモータが、一側か他側、または交互に回転するような励磁電流とするので、ギヤ部より後の駆動系にステッピングモータの回転を伝えることなく、ステッピングモータへ予熱電流が流せ、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができるという作用を有する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、上記環境温度に基づいて、上記予熱励磁電流を供給する時間を調整することを特徴とする請求項5または6に記載のステッピングモータの制御方法としたものであり、環境温度に基づいて、ステッピングモータへ予熱電流を供給する時間を最適に調整できるという作用を有する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明をする。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、ステッピングモータを用いた装置の一例であるFAX装置の用紙搬送用駆動部の斜視図である。
【0021】
図1に示すように、2相励磁方式のステッピングモータ1が金属フレーム2に取り付けられ、ステッピングモータ1の回転軸3がギヤ部4の伝達歯車5に接続され、ギヤ部4の各歯車にステッピングモータ1の回転軸3の回転を伝達する。ギヤ部4の各軸または歯車には潤滑用グリスが塗布されている。ステッピングモータ1は、励磁電流供給ケーブル6を介して回転指示が与えられる。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の構成図である。
【0023】
ステッピングモータ1は、励磁電流供給ケーブル6に接続されたドライバICなどで構成されるドライバ制御手段(図示せず)を介してステッピングモータの制御装置10へ接続される。
【0024】
ステッピングモータの励磁方式には、2相励磁方式,1−2相励磁方式が多く使用されており、その中でも、1−2相励磁方式より2相励磁方式の方が約1.33倍程度予熱するための励磁電流が多く流せるので望ましい。
【0025】
ステッピングモータの制御装置10は、ステッピングモータの回転角度を制御するモータ制御手段11と、温度センサ12とで構成される。
【0026】
モータ制御手段11は、印刷用の用紙を搬送するため図1のギヤ部4に接続される搬送ローラ(図示せず)の搬送量をステッピングモータ1へ指示する搬送制御手段13と予熱制御手段14を有する。モータ制御手段11は、ステッピングモータ1に対し4本の信号線にて駆動を指示するステップの信号を出力することでステッピングモータ1を制御する。モータ制御手段11の4本の信号線の出力は、信号線2本で1組として電流を流し、励磁させて回転させる。
【0027】
図3(a)は搬送制御手段が、環境温度が通常使用状態時におけるステッピングモータへの信号波形、また、(b)及び(c)はモータ制御部11の予熱制御手段14からステッピングモータ1へ出力する信号波形である。
【0028】
図3(a)にモータ制御部11の搬送制御手段13が、ステッピングモータ1への信号波形を示す。同図(a)は、搬送制御手段13が、環境温度が通常の使用状態時におけるステッピングモータ1への信号波形である。A+とA−は、A相へ励磁電流を流すための端子であり、A+からA−へ、またはA−からA+へ励磁電流が流れるように電圧を供給することで、A相の励磁がN極からS極またはその逆とすることができる。B+とB−も同様である。このように、搬送制御手段13がステッピングモータ1へ信号を出力することで、励磁電流が流れ1ステップずつステッピングモータ1の回転軸3が回転する。
【0029】
温度センサ12は、温度変化に応じて抵抗値が変動するサーミスタと、抵抗値をインピーダンス変換してアナログ信号とし、そのアナログ信号をデジタル信号へ変換するA/D変換器から構成される。また、バイメタルを使用してスイッチでも実現可能であり、この場合は、チャタリングを除去する手段が予熱制御手段14に備えられている。
【0030】
図2において、温度センサ12は、外気を測定できるように、図示していないが、装置の筐体部に取り付けることもできるが、図9に示すように金属フレーム2に取り付けることや、図示していないがステッピングモータ1に取り付けることも可能である。金属フレーム2やステッピングモータ1に取り付けた場合、温度センサ12による環境温度の測定が、直接、金属フレーム2やステッピングモータ1の温度を直接測定することにより、装置が稼働可能か否かの判定を精度良く測定することができるので望ましい。
【0031】
予熱制御手段14は、所定の温度を閾値として保持し、温度センサ12からの出力を、その閾値と比較して判定し、閾値以下である場合に、ステッピングモータ1を全く動作させないよう、ステッピングモータ1へ流れる方向が変わらない励磁電流を予熱電流として流れるように、信号を出力する。例えば、図3(b)で示されるように、A−からA+へ、A相への電流が流れるよう、かつB+からB−へ、B相への励磁電流が流れるよう、励磁電流の流れる方向を変化させない信号を出力する。このような予熱電流をステッピングモータ1に流すことによりステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができる。
【0032】
また、ステッピングモータ1に接続されるギヤ部4のバックラッシの範囲内で、ステッピングモータ1が、一方か他方、または交互に回転するような励磁電流を予熱電流とすることも可能である。図3(c)では、交互に1ステップずつ回転するよう予熱制御手段14から信号が出力されている。このようにステッピングモータ1に予熱電流が流れることにより、ギヤ部4より後の駆動系にステッピングモータ1の回転を伝えることなく、ステッピングモータ1へ予熱電流が流せ、ステッピングモータ1をジュール熱で加熱することができる。
【0033】
なお、予熱制御手段14の予熱電流を供給し始める温度(閾値)と、供給を停止する温度とを、異なる温度に設定することも可能である。
【0034】
この場合、供給し始める温度(閾値)を、供給を停止する温度(装置が可動可能となる温度)より高く設定し、ヒステリシス特性を持たせる。これにより、徐々に環境温度が低下しても、稼働不可となる温度よりも早めにステッピングモータ1へ予熱電流が流れ始めることができる。
【0035】
そして、予熱が間に合わずに稼働不可となる温度より環境温度が下がり、再び上昇した場合、その予熱を解除する(予熱電流の供給を停止する)温度が、閾値よりも低いため、早めにステッピングモータ1を稼働させることが可能である。
【0036】
徐々に環境温度が低下し、閾値を下回った場合に早めにステッピングモータ1への予熱を開始し、その予熱により閾値を上回る環境温度となった場合は、その時点で予熱電流の供給を停止する。
【0037】
搬送制御手段13および予熱制御手段14を含むモータ制御部11は、ゲートアレイや、MPU(Micro Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、プログラムが読み書きに使用するRAM(Random Access Memory)により構成することが可能である。従って、予熱制御手段14が有する所定温度の閾値は、ゲートアレイで構成する場合は、比較手段であるコンパレータに固定的に設定しても、ゲートアレイへ外部からスイッチなどで設定して入力してもよく、MPUによりプログラムで実現した場合では、ROMに格納したデータとして可能である。
【0038】
以上のように構成されるステッピングモータの制御装置の動作を図2から図5に基づいて説明する。
【0039】
図4および図5は本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
まず、予熱制御手段14には、予熱電流をステッピングモータ1へ供給をする所定温度の閾値は設定されているものとする。
【0041】
図4に示すように、FAX装置の電源が投入されると、予熱制御手段14は温度センサ12から測定された環境温度を入力する(S10)。
【0042】
予熱制御手段14は、入力した環境温度と予め設定された閾値と比較し、環境温度の方が低ければS30へ移行し、環境温度の方が高ければS40へ移行する(S20)。
【0043】
環境温度の方が閾値より低い場合は、FAX装置のステッピングモータ1およびギヤ部4の稼働が困難な状況であるため、予熱制御手段14は、ステッピングモータ1へ図3(b)または(c)で示される信号を出力し、予熱電流をステッピングモータ1へ流してS10へ移行する(S30)。
【0044】
環境温度の方が閾値より高い場合は、FAX装置は通常の使用が可能であるため、予熱制御手段14は、ステッピングモータ1へ予熱電流を流すのを停止する。また、予熱電流を流していない場合はそのままFAX受信の待機状態とする(S40)。
【0045】
次に、予熱制御手段14がステッピングモータ1を予熱している最中に、FAX受信が発生した場合の動作を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
FAX装置の電源が投入されると、FAX受信を待つ「待ち受け」状態となる。「待ち受け」状態で、FAX受信があるとS60へ移行する(S50)。
【0047】
受信する際に、予熱制御手段14は、温度センサ12より測定された環境温度を入力する(S60)。
【0048】
予熱制御手段14は、温度センサ12によりFAX装置が設置されている環境温度が、予熱制御手段14に設定された閾値より高いか低いかを判定し、高い場合にはS80へ移行する(S70)。
【0049】
環境温度が閾値より高いため、ギヤ部4やステッピングモータ1は通常動作が可能なので、FAX受信し、受信した内容を搬送制御手段13により搬送された用紙に印刷して、「待ち受け」状態となるS50へ移行する(S80)。
【0050】
S70にて環境温度が閾値より低いと判定された場合は、ギヤ部4やステッピングモータ1は通常動作が不可能なので、FAX受信し、受信した内容をFAX装置の内蔵メモリ(図示せず)へ蓄積し、「待ち受け」状態となるS50へ移行する(S90)。このFAX装置の内蔵メモリに蓄積された内容は、環境温度が閾値より高くなった後に用紙に印刷される。
【0051】
(実施の形態2)
実施の形態2では、予熱制御手段が、複数の閾値を保持し、それぞれの閾値に基づいて、環境温度が低いほど長い時間予熱電流をステッピングモータに供給することを特徴としている。
【0052】
本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置を図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置委の構成図である。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態のステッピングモータの制御装置15は、時間計測を行うタイマ17を有した予熱制御手段16を備えている。その他の構成は実施の形態1と同じ構成なので、同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
予熱制御手段16は、所定の温度を閾値として複数保持し、それぞれの閾値に基づいて、ステッピングモータ1の予熱の時間をタイマ17により調整する。
【0055】
タイマ17は、予熱制御手段16をゲートアレイで構成した場合には、クロックを分周するカウンタを多段に接続して時間を計測することが可能であり、MPU、ROM、RAMで構成した場合には、プログラムでカウントしても実現可能である。
【0056】
タイマ17がカウントする予熱時間と、環境温度との関係の例を、図7に示す。
【0057】
図7に示すように、複数の閾値は、環境温度に基づいた予熱時間(予熱電流がステッピングモータ1に流れる時間)を定義している。例えば、5℃以下で0℃より高い場合は、予熱制御手段16はステッピングモータ1へ予熱電流を5分間ほど流し予熱する。0℃以下で−2℃より高い場合は、10分間ほど予熱する。図7に示すように、環境温度が低いほど長い時間ステッピングモータ1を予熱するように設定される。なおこの予熱時間は、ステッピングモータ1やギヤ部4の仕様により、適宜設定することが可能である。
【0058】
このように構成される本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の動作の説明を、図8に基づいて説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【0059】
まずFAX装置の電源が投入されると、予熱制御手段14は温度センサ12から測定された環境温度を入力する(S110)。
【0060】
予熱制御手段14は、入力した環境温度と予め設定された閾値と比較し、環境温度が、複数の閾値で示される範囲によって、予熱時間を出す(S120)。
【0061】
予熱制御手段14は、図3(b)または(c)で示される信号を出力し予熱電流をステッピングモータ1へ流し予熱する(S130)。
【0062】
予熱制御手段14は、S120での予熱時間をタイマ17によりカウントする(S140)。
【0063】
タイマ17のカウントが、予熱時間が過ぎた場合は、予熱制御手段14による予熱電流を停止する(S150)。
【0064】
このように、予熱制御手段により、複数の閾値に基づき、環境温度が低いほど予熱時間が長くなるように、予熱電流をステッピングモータへ流すことで、ステッピングモータおよびギヤ部に、環境温度に応じた予熱を行うことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1の発明では、ステッピングモータを回転させない励磁電流を予熱電流として供給することで、ステッピングモータを回転させないで、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができ、コストアップせずに低温環境下においてもステッピングモータを安定して動作させるステッピングモータの制御装置とすることができる。
(2)第2の発明では、ステッピングモータに接続されるギヤ部のバックラッシの範囲内でのみ、回転するように、ステッピングモータに励磁電流を予熱電流として供給するので、ギヤ部より後の駆動系にステッピングモータの回転を伝えることなく、ステッピングモータへ予熱電流が流せ、ステッピングモータをジュール熱で加熱することができる。よって、高価な高トルクのステッピングモータを使用する必要がないため、コストアップせずに低温環境下においてもステッピングモータを安定して動作させるステッピングモータの制御装置とすることができる。
(3)第3の発明では、環境温度に基づいて、ステッピングモータへ予熱電流を供給する時間を調整することにより、環境温度に応じた最適な予熱時間を設定することができる。
(4)第4の発明では、温度センサは、ステッピングモータあるいはギヤ部に取り付けられていることにより、ステッピングモータまたはギヤ部の環境温度を直接測定することができ、正確で精度良い予熱の制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステッピングモータを用いた装置の一例であるFAX装置の用紙搬送用駆動部の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の構成図
【図3】(a)搬送制御手段が、環境温度が通常の使用状態時におけるステッピングモータへの信号波形を示す図
(b)モータ制御部の予熱制御手段からステッピングモータへ出力する信号波形を示す図
(c)モータ制御部の予熱制御手段からステッピングモータへ出力する信号波形を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の構成図
【図7】タイマがカウントする予熱時間と環境温度との関係の例を示す図
【図8】本発明の実施の形態2に係るステッピングモータの制御装置の動作を説明するフローチャート
【図9】金属フレームに温度センサを取り付けた例を示す図
【符号の説明】
1 ステッピングモータ
2 金属フレーム
3 回転軸
4 ギヤ部
5 伝達歯車
6 励磁電流供給ケーブル
10 ステッピングモータの制御装置
11 モータ制御手段
12 温度センサ
13 搬送制御手段
14 予熱制御手段
15 ステッピングモータの制御装置
16 予熱制御手段
17 タイマ
Claims (7)
- 所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御装置であって、
前記ステッピングモータを回転させない電流を、前記ステッピングモータを予熱するために、前記ステッピングモータに供給する制御手段を備えたことを特徴とするステッピングモータの制御装置。 - 所定パターンの励磁電流の入力により回転してギヤ部を駆動するステッピングモータの制御装置であって、
前記ステッピングモータを回転させないときに、前記ギヤ部がそのバックラッシの範囲内でのみ回転するように、前記ステッピングモータに励磁電流を予熱電流として供給する制御手段を備えたことを特徴とするステッピングモータの制御装置。 - 前記制御手段は、環境温度を測定する温度センサに接続され、前記環境温度に基づいて、前記予熱電流を供給する時間を調整するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記温度センサは、前記ステッピングモータあるいは前記ギヤ部に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のステッピングモータの制御装置。
- 所定パターンの励磁電流の入力により回転するステッピングモータの制御方法であって、
環境温度が所定温度以下の場合に、励磁電流の流れる方向が変わらない予熱電流として、前記ステッピングモータに供給することを特徴とするステッピングモータの制御方法。 - 所定パターンの励磁電流の入力により回転してギヤ部を駆動するステッピングモータの制御方法であって、
環境温度が所定温度以下の場合に、前記ギヤ部がそのバックラッシの範囲内でのみ回転するように前記ステッピングモータに、励磁電流を予熱電流として供給することを特徴とするステッピングモータの制御方法。 - 前記環境温度に基づいて、前記予熱電流を供給する時間を調整することを特徴とする請求項5または6に記載のステッピングモータの制御方法。
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