この発明は画像領域を判別して画像データを調整する画像領域判別調整機能を備えたカラープリンタや、カラーファクシミリ装置、カラーデジタル複写機、複合機等に適用して好適なカラー画像形成装置及びカラー画像作成方法に関するものである。
近年、タンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。これらのカラー画像形成装置ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色用の各々の露光手段、現像装置、感光体ドラムと、中間転写ベルト及び定着装置とを備えている。
例えば、Y色用の露光手段では任意の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像装置では感光体ドラムに描かれた静電潜像にY色用のトナーを付着してカラートナー像を形成する。感光体ドラムはトナー像を中間転写ベルトに転写する。他のM、C、BK色についても同様の処理がなされる。中間転写ベルトに転写されたカラートナー像は用紙に転写された後に定着装置によって定着される。この種のカラー画像形成装置で最適なカラー画像を形成するためには、原稿の画像データから写真画像、網点画像あるいは文字領域を判別し、この判別結果に基づく画像処理を画像形成前に行っておく必要がある。
特許文献1には対象画像の種別を識別する画像処理装置が開示されている。この画像処理装置によれば、原稿読取装置(スキャナ)から得られる画像データの種別を識別する場合に、識別手段は、画像データに基づいて画像の種別を識別する。この識別手段により識別された画像種別結果に応じて画像データが処理される。この処理手段が変倍処理を実行する場合に、識別手段の識別動作を変更する。つまり、原稿読取装置における読み取り条件により、処理手段における判別パラメータを可変するようになされる。このようにすることで、対象画像の処理条件及び読み取り条件に応じて対象画像の種別を精度良く識別できるようになる。
特許文献2には原稿情報を電気信号に置き換えて静電潜像を形成し、当該静電潜像を現像するデジタル画像形成装置が開示されている。このデジタル画像形成装置によれば、しきい値変更手段を備え、原稿中の網点を文字部と絵柄部とに分離するためのしきい値を設定する際に、このしきい値変更手段によって、しきい値を文字処理側、あるいは、絵柄処理側に変更するようになされる。つまり、網点と文字の分離閾値を変更するようになされる。このようにすることで、原稿や、ユーザの意図に沿って、文字部のシャープネスを高く、網点絵柄部が滑らかな自然の複写画像を取得できるようになる。
特許文献3には画像の種類を判別する画像領域判別装置が開示されている。この画像領域判別装置によれば、写真画像領域判別手段、網点画像領域判別手段及び文字領域判別手段を備え、画像データからブロック毎に平均濃度を求め、ブロック毎に得られた平均濃度と、隣接するブロックの平均濃度との濃度差を求め、この濃度差に基づいて写真画像領域を判別したり、網点画像領域を判別したり、文字領域を判別するようになされる。このようにすることで、文字画像、写真画像、網点画像が混在する画像領域から文字画像領域と非文字画像領域とを判別できるようになる。
特許文献4にはカラー原稿を使用してモノクロ印刷を行う画像印刷方法が開示されている。この画像印刷方法によれば、カラー原稿をカラースキャナで読み込んで得たR,G,Bの各色成分の信号を使用して、文字部、写真部、網点部の各領域を判別し、この判別結果に基づいて、各色の信号を組み合わせることにより、バラエティに富んだ印刷表現をするようになされる。
特開平 09−172544号公報(第2頁、図2)
特開2000−134472号公報(第3頁、図2)
特開平 07−030752号公報(第2頁、図2)
特開2001−053975号公報(第9頁、図1)
ところで、従来例に係るカラー画像形成装置によれば、有彩色又は無彩色の原稿の画像データから写真画像、網点画像あるいは文字領域を判別し、この判別結果に基づく画像処理をする場合に、次のような問題がある。
i.特許文献1乃至4において、画像処理手段には領域判別機能が設けられるが、この画像処理手段で領域判別処理が正しく行われたか否かが容易に確認できていないのが現状である。通常、画像判別パラメータは、ユーザが操作し易い操作画面上で設定する場合が多い。
操作画面上で設定される画像判別パラメータが正しく行われたか否かは、原稿画像を読み取って、例えば、文字領域が色味がかっていないか、あるいは、網点領域に網点画像が形成されているか等を確認しなければならない。
ii.このように、原稿によって、画像判別パラメータが適正でない場合に、カラー調整を繰り返す必要があり、しかも、カラー調整に多くの時間を費やしたりして、カラー調整時の操作性が悪くなるおそれがある。
iii.個々の複写機で、スキャナ特性が相違することによって、同じ原稿を読み込んでも異なる判別結果を得ることがある。例えば、MTF(Modulation Transfer Function)の異なる機械では有彩色領域や、網点判領域の判別結果が異なることにより、黒文字が色文字にて出力されたり、網点領域が網点画像と領域判別されなかったりする。従って、網点画像の検出性や有彩色判別の検出性が機械間によって異なってしまい、画像劣化につながるおそれがある。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、領域判別処理後の網点領域、写真領域、有彩色及び無彩色の文字領域を色画像として形成できるようにすると共に、この色画像から領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認できるようにしたカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1のカラー画像形成装置は、入力された画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを領域判別して領域判別結果を出力する判別手段と、この判別手段により領域判別された画像情報の網点領域、写真領域又は文字領域毎に複数の判別信号を出力する出力手段と、この出力手段から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る第1のカラー画像形成装置によれば、例えば、文字領域、写真領域、網点領域を含む任意の画像を形成する場合に、判別手段は、入力された画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを判別する。出力手段は、判別手段により領域判別された画像情報の網点領域、写真領域又は文字領域毎に複数の判別信号を出力する。これを前提にして、記録手段は、出力手段から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録するようになされる。
従って、判別手段によって領域判別処理された網点領域、写真領域、文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、網点領域、写真領域、文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録手段により記録することができる。この色画像から、判別手段における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
本発明に係る第2のカラー画像形成装置は、入力された画像情報が有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別する判別手段と、この判別手段により領域判別された画像情報の有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎に複数の判別信号を出力する出力手段と、この出力手段から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る第2のカラー画像形成装置によれば、例えば、有彩色文字領域又は無彩色文字領域を含む任意の画像を形成する場合に、判別手段は、入力された画像情報が有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別する。出力手段は、判別手段により領域判別された画像情報の有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎に複数の判別信号を出力する。これを前提にして、記録手段は、出力手段から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録するようになされる。
従って、判別手段によって領域判別処理された有彩色文字領域又は無彩色文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、有彩色文字領域又は無彩色文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録手段により記録することができる。この色画像から判別手段における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
本発明に係る第3のカラー画像形成装置は、入力された画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを判別する第1の判別手段と、この第1の判別手段により領域判別された文字領域が有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別する第2の判別手段と、この第1及び第2の判別手段により領域判別された画像情報の有彩色文字領域、無彩色網点領域、写真領域又は文字領域毎に複数の判別信号を出力する出力手段と、この出力手段から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る第3のカラー画像形成装置によれば、例えば、網点領域、写真領域、有彩色文字領域又は/及び無彩色文字領域を含む任意の画像を形成する場合に、第1の判別手段は、入力された画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを判別する。第2の判別手段は、第1の判別手段により領域判別された文字領域が有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別する。出力手段は、第1及び第2の判別手段により領域判別された画像情報の網点領域、写真領域、有彩色文字領域又は無彩色網点領域毎に複数の判別信号を出力する。記録手段は、出力手段から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録するようになされる。
従って、第1及び第2の判別手段により領域判別処理された網点領域、写真領域、有彩色文字領域及び無彩色文字領域を色画像として形成することができる。しかも、網点領域、写真領域、有彩色文字領域及び無彩色文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録手段により記録することができる。この色画像から第1及び第2の判別手段における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
本発明に係る第1カラー画像形成方法は、画像情報を入力して当該画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを判別する工程と、領域判別された画像情報の網点領域、写真領域又は文字領域毎に複数の判別信号を得る工程と、得られた複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る第1カラー画像形成方法によれば、例えば、網点領域、写真領域又は/及び文字領域を含む任意の画像を形成する場合に、判別工程によって領域判別処理された網点領域、写真領域、文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、網点領域、写真領域、文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録することができる。この色画像から、判別工程における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
本発明に係る第2のカラー画像形成方法は、画像情報を入力して当該画像情報が有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別する工程と、領域判別された画像情報の有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎に複数の判別信号を得る工程と、得られた複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る第2のカラー画像形成方法によれば、例えば、有彩色文字領域又は/及び無彩色文字領域を含む任意の画像を形成する場合に、領域判別処理された有彩色文字領域又は無彩色文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、有彩色文字領域又は無彩色文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録することができる。この色画像から、領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
本発明に係る第3のカラー画像形成方法は、画像情報を入力して当該画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを判別する第1の工程と、この第1の工程により領域判別された文字領域が有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別する第2の工程と、この第2の工程により領域判別された画像情報の有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎に複数の判別信号を得る第3の工程と、この第3の工程から出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する第4の工程とを有する。
本発明に係る第3のカラー画像形成方法によれば、網点領域、写真領域、有彩色文字領域又は/及び無彩色文字領域を含む任意の画像を形成する場合に、領域判別処理された網点領域、写真領域、有彩色文字領域及び無彩色文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、網点領域、写真領域、有彩色文字領域及び無彩色文字領域を目視可能な媒体に異なる色で記録することができる。この色画像から領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
本発明に係る第1のカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法によれば、画像情報を判別する判別手段で領域判別された当該画像情報の網点領域、写真領域又は文字領域毎に出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する記録手段を備えるものである。
この構成によって、判別手段により領域判別処理された網点領域、写真領域、文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、網点領域、写真領域、文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録手段により記録することができる。この色画像から判別手段における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。これにより、網点領域、写真領域、文字領域等の判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、領域判別用の判別基準値をその場で調整できるようになる。
本発明に係る第2のカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法によれば、画像情報を判別する判別手段で領域判別された画像情報の有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎に出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する記録手段を備えるものである。
この構成によって、判別手段により領域判別処理された有彩色文字領域又は無彩色文字領域を色画像として取り扱うことができる。しかも、有彩色文字領域又は無彩色文字領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録手段により記録することができる。この色画像から判別手段における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。これにより、有彩色文字領域又は無彩色文字領域等の判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、色判別用の判別基準値をその場で調整できるようになる。
本発明に係る第3のカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法によれば、第1及び第2の判別手段により領域判別された画像情報の網点領域、写真領域、有彩色文字領域又は無彩色網点領域毎に出力される複数の判別信号に基づいて異なる色で画像を記録する記録手段とを備えるものである。
この構成によって、第1及び第2の判別手段により領域判別処理された網点領域、写真領域、有彩色文字領域又は無彩色網点領域を色画像として形成することができる。しかも、網点領域、写真領域、有彩色文字領域又は無彩色網点領域を表す色画像を目視可能な媒体に異なる色で記録手段により記録することができる。この色画像から第1及び第2の判別手段における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。これにより、網点領域、写真領域又は文字領域等の判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、領域判別用の判別基準値をその場で調整したり、文字領域に関して、有彩色文字領域又は無彩色文字領域の判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、色判別用の判別基準値をその場で調整できるようになる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施例に係るカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法について説明をする。
図1は、本発明の各実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
この実施例では、任意の画像の網点領域、写真領域及び、文字領域を判別処理した後の画像情報に基づいて目視可能な媒体に、網点領域、写真領域、文字領域別に異なる色で画像を形成して出力する画像形成手段を備え、領域判別処理後の網点領域、写真領域、文字領域を色画像として形成できるようにすると共に、この色画像から領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認できるようにしたものである。
図1に示すカラー画像形成装置100は、有彩色又は無彩色の文字画像、写真画像、網点画像により構成された原稿dに関する画像情報を読み取り、画像処理後の画像形成データY−DATA,M−DATA,C−DATA,BK−DATA(以下単にY,M,C,BKという)に基づいて色を重ね合わせ、所望の用紙Pにカラー画像を形成する装置である。
カラー画像形成装置100は、画像形成装置本体101と原稿読取部102とから構成される。画像形成装置本体101の上部には、自動原稿給紙装置(ADF)201と原稿画像走査露光装置202から成る原稿読取部102が取り付けられている。原稿読取部102は原稿読取手段の一例を構成するものである。
ADF201は原稿載置部41、ローラ42a、ローラ42b、ローラ43、反転ローラ44、反転部45及び排紙皿46から構成される。また、原稿読取部102は、第1のプラテンガラス51、第2のプラテンガラス52、光源53、ミラー54、55、56、結像光学部57、CCD撮像装置58及び図示しない光学駆動部を有している。
ADF201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿dの画像面が走査露光され、CCD撮像装置58によって原稿dから画像情報を読み取って得た画像信号が出力される。このCCD撮像装置58によって光電変換された画像信号は、図2に示すような画像処理手段36において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像データR−DATA,G−DATA,B−DATA(以下単にR,G,Bという)となる。その後、画像データR,G,Bは所定の画像処理を経る。画像処理後の画像形成データY,M,C,BKは、記録手段の一例となる画像書込部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
また、ADF201は自動両面原稿搬送手段を備えている。このADF201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を画像メモリ等に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、あるいはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
画像形成装置本体101は、タンデム型のカラー画像形成装置と称せられるもので、記録手段を構成する複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17からなる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像手段4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施例においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。
反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙を用い、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度が5〜35℃程度、湿度が15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
図2はカラー画像形成装置100の制御系の内部構成例を示すブロック図である。図2に示すカラー画像形成装置100は、有彩色又は無彩色の文字画像、写真画像、網点画像により構成された原稿dに関する画像を形成する装置である。カラー画像形成装置100は制御手段15、通信手段19、給紙手段30、アナログ・デジタル変換(以下A/D変換という)部34、シェーディング補正部35、画像処理手段36、画像メモリ37、スクリーン処理部38、画像形成手段39、操作パネル48及び原稿読取部102を有している。
原稿読取部102はA/D変換部34に接続される。このA/D変換部34は、図1に示したCCD撮像装置58の出力段に接続され、アナログ画像信号SR,SG,SBをA/D変換してデジタルのR,G,B色用の画像データR,G,Bを出力するようになされる。画像データR,G,Bは原稿dの画像を構成するものである。A/D変換器34には、シェーディング補正部35が接続され、画像データR,G,Bをシェーディング補正処理するようになされる。シェーディング補正部35には画像メモリ37が接続され、補正後の画像データR,G,Bや、色変換処理後の画像形成データY,M,C,BKが一時格納される(電子RDH機能)。画像メモリ37には、DRAMやハードディスクが使用される。
画像メモリ37には画像処理手段36が接続され、原稿読取部102から得られたR,G,B色用の画像データR,G,Bを画像メモリ37から入力して原稿画像の文字領域、写真領域及び網点領域を判別すると共に、当該文字領域が有彩色であるか、又は、無彩色であるかを判別する処理を含む画像処理をする。
例えば、画像処理手段36は、原稿画像に関する画像データR,G,Bを入力して当該原稿画像の文字領域、写真領域及び網点領域を第1の判別基準値(以下パラメータThr#1という)に基づいて判別すると共に、当該文字領域が有彩色であるか、又は、無彩色であるかを第2の判別基準値(以下パラメータThr#2という)に基づいて判別し、当該原稿画像の有彩色又は無彩色の文字画像、写真画像、網点画像に応じた画像処理をするようになされる。
画像処理手段36は、無彩色の文字領域に係る画像データを階調処理する。例えば、画像データR,G,Bが8ビットで構成する場合に、画像処理手段36は、無彩色の文字領域に係る画像データを0〜255階調に表現して黒文字画像の濃淡を制御する。
もちろん、画像処理手段36は画像データR,G,Bをフィルタ処理したり、フィルタ処理後の画像データR,G,Bをγ調整処理をする。γ調整後の画像データR,G,BはY,C,M,BK色用の画像形成データY,M,C,BKに色変換処理される。色変換処理後の画像形成データY,M,C,BKは誤差拡散処理等をするようになされる(図3参照)。
画像処理手段36には画像メモリ37の他に制御手段15が接続される。制御手段15には操作設定手段14が接続され、画像データR,G,Bが網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを判別するためのパラメータThr#1を画像処理手段36に設定するように操作される。操作設定手段14は、領域判別モードを設定するように操作される他、独立にパラメータを調整できるようになされている。ここに、領域判別モードとは、当該画像処理手段36の領域判別機能を評価するための判別結果チャートを出力する動作をいう。判別結果チャートPR1は目視可能な媒体の一例を構成するものである。
判別結果チャートPR1には、有彩色及び無彩色の文字領域、写真領域、網点領域を表す画像が異なる色で形成される。これは画像処理手段36で領域判別処理された網点領域、写真領域、有彩色及び無彩色の文字領域を色画像として取り扱うためである。なお、領域判別モードは通常のプリントモードと区別して取り扱われる。
操作設定手段14は、これらのモード選択の他に、画像処理手段36におけるパラメータThr#1及びThr#2を設定するように操作される。この例で、パラメータThr#1及びThr#2は、ユーザが自由に指示できるようになされている。例えば、操作設定手段14を操作して、原稿dの画質や、その色文字を調整するための操作データD3が制御手段15に出力される。制御手段15は、操作設定手段14から入力した操作データD3に基づいて画像処理手段36にパラメータThr#1を設定して原稿dの画質を調整し、同様にパラメータThr#2を設定して原稿dの色文字を調整するようになされる。
この例で、操作設定手段14は指定手段を兼ね備え、画像処理手段36により領域判別された画像情報の網点領域、網点領域、有彩色文字領域及び無彩色文字領域別に色を指定するように操作される。この色を指定は、領域判別モードを設定した場合に受け付けられる。領域判別モード実行時に、判別結果チャートPR1に形成される色画像から、領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認できるようにするためである。
上述の制御手段15には表示手段18が接続され、第1及び第2のパラメータ調整内容を同一画面上に表示するようになされる。第1のパラメータ調整内容とは、原稿dの網点領域、写真領域又は文字領域のいずれか1つ以上の領域を判定するためのパラメータThr#1を調整する内容をいう。第2のパラメータ調整内容とは、当該原稿dの文字領域が有彩色であるか、又は、無彩色であるかを判定するためのパラメータThr#2を調整する内容をいう。
制御手段15では、操作設定手段14により設定された内容に基づいて画像処理手段36の入出力を制御する。例えば、制御手段15は、画像処理手段36から得られる領域判別処理結果の良否を判定するようになされる。また、制御手段15は第1のパラメータ調整内容と第2のパラメータ調整内容とを表示するための表示データD2を表示手段18に出力し、これら表示データD2に基づいてパラメータ調整内容を同一画面上に表示するように表示手段18を表示制御する。
画像メモリ37にはスクリーン処理部38が接続され、画像判別信号S1が入力される。スクリーン処理部38は、文字領域については、画像がぼけるのでスクリーン処理を実行せずに、写真及び網点領域については、高階調処理するようなスクリーン処理を実行する。これらの画像メモリ37及びスクリーン処理部38は、出力手段の一例を構成し、画像処理手段36により領域判別された画像情報の網点領域、写真領域又は文字領域毎に得られる複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKを画像形成手段39に出力するようになされる。
制御手段15には操作設定手段14及び表示手段18が接続される。例えば、操作設定手段14はタッチパネルから構成され、表示手段18は液晶表示パネルから構成される。この例では、表示手段18を構成する液晶表示パネル上に、操作設定手段14を構成するタッチパネルが組み合わされ、GUI(Graphic User Interface)方式の操作パネル48が構成される。
制御手段15は、画像処理手段36にパラメータThr#1及びパラメータThr#2を出力して画像処理手段36の入出力を制御する。例えば、制御手段15は、画像処理手段36にパラメータThr#1及びパラメータThr#2を設定する。制御手段15は、原稿dの網点領域、写真領域又は文字領域のいずれか1つ以上の領域を判定するための第1のパラメータ調整内容と、当該原稿dの文字領域、写真領域及び網点領域のいずれか1以上が有彩色であるか、又は、無彩色であるかを判定するための第2のパラメータ調整内容とを操作パネル48の同一画面上に表示する。また、操作パネル48はパラメータThr#1及びパラメータThr#2を設定するように操作される。例えば、操作パネル48はパラメータThr#1を設定して原稿dの画質を調整し、パラメータThr#2を設定して原稿dの色文字を調整するように操作される。
上述の制御手段15はROM(Read Only Memory)31、RAM(Random Access Memory)32、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)33を有している。ROM31には当該画像形成装置全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM32はワークメモリとして使用され、例えば、制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU33は電源がオンされると、ROM31からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、操作設定手段14からの操作データD3に基づいて当該画像形成装置全体を制御するようになされる。
制御手段15には図4に示した画像形成ユニット10Y,10M,10C,110Kから構成される画像形成手段(記録手段)39が接続され、操作パネル48により設定された内容に基づいて原稿画像を形成するように動作する。画像形成手段39は、記録手段の一例であり、画像メモリ37、スクリーン処理部38等の出力手段から出力される複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録(形成)するようになされる。
例えば、制御手段15は、領域判別モード実行時に、画像形成制御信号S2を画像形成手段39に出力してこの画像形成手段39の入出力を制御する。画像形成手段39では、画像処理手段36によって画像処理された画像形成データY,M,C,BKが画像形成制御信号S2に基づいてセットされ、画像形成データY,M,C,BKに基づいて判別結果チャートPR1に有彩色及び無彩色の文字領域、写真領域、網点領域別に異なる色で画像を形成して出力するようになされる。判別結果チャートPR1に形成される色画像から、領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認できるようにするためである。
制御手段15には画像形成手段39の他に通信手段19及び、給紙手段30が接続される。通信手段19はLAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。当該カラー画像形成装置100をプリンタとして使用する場合に、そのプリント動作モード時に、通信手段19は外部のコンピュータからプリントデータDinを受信するように使用される。
給紙手段30はプリント動作モード時に、給紙制御信号S3に基づいて図1に示した給紙カセット20A、20B、20Cを制御する。例えば、給紙手段30は給紙カセット20Aに設けられた送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aを駆動して給紙カセット20Aに収容された用紙Pを繰り出し、画像形成手段39へ給紙するようになされる。給紙制御信号S3は制御手段15から給紙手段30へ供給される。
図3は操作パネル48における基本設定画面P1の表示例を示すイメージ図である。図3に示す基本設定画面P1は、電源ON後、操作パネル48に表示される。基本設定画面P1は、メッセージエリアAR1、ステータスアイコン表示エリアAR2、枚数表示エリアAR3、各種アイコン表示エリアAR4、メモリ残量エリアAR5、フォルダボタンエリアAR6、画面設定表示エリアAR7から構成される。
メッセージエリアAR1には「コピー予約できます」等のメッセージが表示される。画面設定表示エリアAR7には「応用設定」アイコンが表示される。「応用設定」アイコンには、「画質調整」、「原稿設定」、「応用機能」、「自動画像回転解除」、「原稿読込」等のキーK1〜K5が設けられる。ユーザは、コピー予約時等において、「応用設定」アイコンの中から各種キーK1〜K5を選択できるようになされている。
この例で、領域判別モードを選択する場合は、例えば、「応用設定」アイコンの中から「応用機能」キーK3を選択して押下する。この「応用機能」キーK3の選択によって、図示しない「領域判別モードを選択しますか? はい いいえ」の選択タグが表示され、ユーザは「はい」を選択することで、領域判別モードをセットするようになされる。
図4は操作パネル48における画質調整画面P2の表示例を示すイメージ図である。図4に示す画質調整画面P2は、図3に示した基本設定画面P1で、「応用設定」アイコンの中から「画質調整」キーK1を押下して選択した場合に操作パネル48に表示される。画質調整画面P2には「設定項目を選択してください」等のメッセージが表示される。例えば、各種アイコン表示エリアAR4には「画質調整」と共に「応用画質」タグTG1が表示される。この「応用画質」タグTG1を選択すると、メッセージエリアAR1や、各種アイコン表示エリアAR4の下部に応用画質用のアイコン画面P21が表示される。
アイコン画面P21には、「シャープネス」、「コントラスト」、「光沢」、「スクリーン選択」、「画像判別調整」の設定項目が表示される。「シャープネス」、及び「コントラスト」については「ふつう」等のような調整量を示す名称が表示される。「画像判別調整」の設定項目は、図2に示した画像処理手段36にパラメータThr#1及びThr#2を設定するために設けられている。ユーザは、コピー予約時等において、「画像判別調整」の設定項目を選択できるようになされている。
図5は操作パネル48における画像判別調整画面P22の表示例を示すイメージ図である。図5に示す画像判別調整画面P22は、図4に示したアイコン画面P21で、「応用画質」タグTG1の中から「画像判別調整」の設定項目を選択した場合に操作パネル48に表示される。アイコン画面P21には「調整レベルを選択してください」等のメッセージが表示され、この画像判別調整画面P22の画面設定表示エリアAR7には「文字調整」と共に「色文字調整」の名称が表示される。画像を判別するためのパラメータ(閾値)Thr#1及びThr#2を設定させるためである。
「文字調整」の設定項目は第1のパラメータ調整内容の一例であり、第2のパラメータ調整内容の一例となる「色文字調整」の設定項目と共に、操作パネル48の同一画面(画像判別調整画面)上に表示される。画像判別調整画面P22の「文字調整」の設定項目において、両端矢印を間にして、左端側には「写真を多く」の名称が表示され、右端側には「文字を多く」の名称が表示される。
また、その両端矢印の中央部は調整量として「ふつう」の押しボタンが表示され、その中央部から右端側に向かって「+1」、「+2」、「+3」、「+4」等の押しボタンが表示される。その中央部から左端側に向かって「−1」、「−2」、「−3」、「−4」等の押しボタンが表示される。例えば、「文字調整」に関して、ユーザは、文字として判別する割合を多くするためには、「+」側を選択し、写真として判別する割合を多くするためには、「−」側を選択するように押しボタンが操作される。
更に、画像判別調整画面P22の「色文字調整」の設定項目において、両端矢印を間にして、左端側には「黒文字」の名称が表示され、右端側には「色文字」の名称が表示される。また、その両端矢印の中央部は調整量として「ふつう」の押しボタンが表示され、その中央部から右端側に向かって「+1」、「+2」、「+3」、「+4」等の押しボタンが表示される。その中央部から左端側に向かって「−1」、「−2」、「−3」、「−4」等の押しボタンが表示される。例えば、「色文字調整」に関して、ユーザは、色文字として判別する割合を多くするためには、「+」側を選択し、黒文字として判別する割合を多くするためには、「−」側を選択するように押しボタンが操作される。
この例で操作パネル48から入力された調整量は、図2に示したような操作データD3となってCPU33に出力される。CPU33は操作パネル48から入力した調整量に伴う操作データD3を画像判別用のパラメータThr#1及びThr#2に変換する。パラメータThr#1は、図7に示す第1の実施例では、画像判別処理部611に出力される。パラメータThr#1は画像領域判別部63の画像判別レベルを切り換えるためである。パラメータThr#2は図12に示す第2の実施例では、画像判別処理部612の有彩色判別部64に出力される。パラメータThr#2は有彩色判別部64の色判別レベルを切り換えるためである。第3の実施例では、図19に示す画像判別処理部613の画像領域判別部63にパラメータThr#1が出力され、パラメータThr#2がその有彩色判別部64に出力される。
図6は操作パネル48における出力色指定画面P23の表示例を示すイメージ図である。図6に示す出力色指定画面P23は、図4に示したアイコン画面P21で、「応用画質」タグTG1の中から、図示しない「出力色指定」の設定項目を選択した場合に操作パネル48に表示される。出力色指定画面P23には「各領域の出力色を選択してください」等のメッセージが表示され、この出力色指定画面P23の画面設定表示エリアAR7には領域「網点」、「写真」、「黒文字」、「色文字」と共に出力色「yellow」、「magenta」、「cyan」、「black」の名称が表示される。出力色の画像濃度は、例えば、0%や、40%、100%等が表示される。
出力色の指定は、例えば、画面設定表示エリアAR7に表示された領域「網点」、「写真」、「黒文字」又は「色文字」をタッチすると共に出力色「yellow」、「magenta」、「cyan」又は「black」の名称上をタッチすることで設定される。なお、アイコン表示エリアAR8には「戻る」のキーK8が表示される。「戻る」キーK8は、出力色を指定した後に押下される。
この例で操作パネル48で指定された出力色情報は、図2に示したような操作データD3となってCPU33に出力される。CPU33は操作パネル48から指定された出力色に係る操作データD3をスクリーン処理部38等を経由して画像形成手段39に出力される。これにより、オペレータが指定した出力色で網点領域、写真領域、黒文字領域、色文字領域毎に色を付けてプリントアウトすることができる。
図7は、第1の実施例に係る画像処理手段36の内部構成例を示すブロック図である。
図7に示す画像処理手段36は、調整手段60及び画像判別処理部611から構成される。調整手段60は、制御手段15から出力されるパラメータ(制御信号)Thr#1に基づいて判別基準値を自動調整するように操作される。調整手段60は、例えば、空間フィルタ部(空間フィルタ調整手段)31、γ調整部(ガンマ調整手段)65、色変換部(色変換処理手段)66及び、誤差拡散部(誤差拡散手段)67から構成される。制御手段15の調整対象は、空間フィルタ部31、γ調整部65、色変換部66及び誤差拡散部67のいずれか1つであってもよい。画像判別処理部611は、画像領域判別部63を有している。
画像領域判別部63は判定手段の一例であり、入力された画像情報が網点領域、写真領域又は文字領域に関する情報であるかどうかを領域判別して領域判別結果を出力するようになされる。例えば、原稿読取部102から得られたR,G,B色用の画像データ(画像情報)R,G,Bを入力して原稿dの文字領域、写真領域及び網点領域を第1のパラメータThr#1に基づいて判別する(フローチャートは図11参照)。
空間フィルタ部61は、画像メモリ37から画像データR,G,Bを読み出し、画像判別処理部611から画像判別信号S1を入力してフィルタ処理をする。例えば、空間フィルタ部61は、画像データR,G,Bを展開し、原稿dの文字領域についてはエッジ強調処理し、その写真領域については平滑化処理をし、その網点領域についてはモアレ除去処理をする。
γ調整部65は画像判別信号S1及びフィルタ処理後の画像データR,G,Bを入力してγ調整処理をする。例えば、γ調整部65は、原稿dの文字領域についてはコントラストを高める処理をし、写真及び網点領域については階調を高める処理をする。
色変換部66は画像判別信号S1及びγ調整後の画像データR,G,Bを入力して色変換処理をする。例えば、色変換部66は、原稿dの有彩色領域については、画像データR,G,Bをプリンタの色材であるY,M,C信号に変換する。原稿dの無彩色領域については、画像データR,G,Bを無彩色のBK信号に変換する。
誤差拡散部67は画像判別信号S1及び色変換処理後の画像形成データY,M,C,BKを入力して誤差拡散処理をする。例えば、誤差拡散部67は、原稿dの文字領域については、低ビット誤差拡散処理し、写真及び網点領域については、高ビット誤差拡散処理する。誤差拡散処理後の画像形成データY,M,C,BKは画像メモリ37へ出力される。
図8は、第1の実施例に係る領域判別モードに適用される原稿画像の構成例を示す図である。図8に示す原稿dは、網点画像、写真画像及び文字画像を含んでいる。これらの画像が形成された領域を網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIと呼ぶ。この例で領域判別モードは、通常のプリンタモードとは独立して行われる。原稿読取部102で読み取られた原稿画像の1画素1画素は、それぞれこの3つの領域のどこかに該当する。この判別結果は、空間フィルタ部61等に参照され、網点領域I、写真領域II、文字領域III毎に、原稿画像に対して適切な画像処理を施して出力される。
この判別結果は、判別結果チャートPR1に各領域毎に、色分けして出力するようになされる。出力色は、次のように対応付けられる。例えば、網点領域Iはシアン(C)色、写真領域IIは無色(用紙Pの色)、文字領域IIIはブラック(BK)色等に変換される。この例では、トナー消費量を抑える意味で、濃度値を制御するようにしている。濃度を薄くすると、トナー消費量が抑えられる。
もちろん、これらの色に限られることはなく、赤、緑、青色等の2色以上を使用して表現でもよい。また、原稿画像がモノクロであった場合は、階調により変化を付けることで、上記判別結果を分ければ良い。なお、原稿画像の種類にもよるが、写真領域IIは無色で出力することが好ましい。これは写真領域IIが原稿画像の大半を占める場合に、トナー消費量の抑制の観点及び、下地部分は無色である場合が多く、おおよそ写真領域IIとすることが好ましい等の理由による。
図9は、第1の実施例に係る領域判別モード時の判別結果チャートPR1の出力例を示す図である。図9に示す判別結果チャートPR1は、パラメータThr#1の調整が適切な場合の出力例である。この例で、網点領域Iは、例えば、C色に色変換して出力される。写真領域IIは下地部を反映した用紙Pの色で出力される。文字領域IIIはBK色に色変換して出力される。これにより、網点領域I、写真領域II、文字領域IIIの各々の領域が画像判別処理部611でどのように判別されているかを個々の判別結果チャートPR1で確認することができる。この判別結果チャートPR1から、個々のパラメータThr#1及びThr#2を調整することができる。
この例で、注目領域が文字領域IIIである場合、画像が急峻に濃くなったり、薄くなったりする部分を検出する。この部分の検出により、その画像を文字と判別している。この急峻さを判別するために、パラメータThr#1が適用される。文字となってほしい画像が、やや濃度が薄い等の理由により、文字となっていない場合に、この急峻さを規定しているパラメータThr#1を変更することにより、文字を文字と検出し易くすることができる。
続いて、カラー画像形成装置100における画像処理方法について説明をする。図10はカラー画像形成装置100の全体の動作例を示すフローチャート(メインルーチン)である。図11は第1の実施例に係る領域判別出力処理例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
この実施例では、網点領域I、写真領域II、文字領域IIIのいずれかを含む画像を形成する場合を前提として、画像データR,G,Bを入力して当該画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別し、ここで領域判別された画像データR,G,Bの網点領域I、写真領域II又は文字領域III毎に複数の判別信号を得て、ここで得られた複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録する。この画像データR,G,Bは、原稿読取部102を使用して原稿dを読み取って得るようになされる。
この例では、領域判別モードが準備される。この領域判別モードが選択されると、原稿画像による画像データR,G,Bを入力し、この原稿画像の網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIを判別する。この領域判別が終了したときに、画像データR,G,Bに対して、網点領域I、写真領域II及び/又は文字領域IIIに任意の色を指定するようになされる。このような、原稿画像の網点領域I、写真領域II、文字領域IIIに応じた画像処理をし、画像処理後の画像形成データY,M,C,BKに基づいて判別結果チャートPR1に網点領域I、写真領域II、文字領域IIIの別に異なる色で画像を形成して出力する場合を例に挙げる(第1の画像形成方法)。
これを動作条件にして、図2に示したCPU33は、図10に示すフローチャートのステップA1でコピー要求が有るまで待機する。コピー要求が有るとステップA2へ移行する。ステップA2でCPU33は操作パネル48から画像形成条件を入力する。この例で、通常のプリントモード又は、領域判別モードが設定される。このとき、領域判別モードを設定する場合、図3に示した基本設定画面P1で、「応用設定」アイコンの中からキーK3を押下する。このキーK3の押下によって、基本設定画面P1から、図示しない領域判別モード選択画面に表示が切り替わる。
そして、ユーザは領域判別モードを設定するべく、その画面の中で「領域判別モードを選択しますか? はい、いいえ」で「はい」を選択するように操作される。上述の領域判別モード選択画面で「はい」を選択することで、ステップA4に移行して「領域判別モード」が設定される。
[領域判別モード]
この領域判別モードでは、ステップA5に移行して原稿読取部102では原稿読み取り処理を実行する。このとき、原稿読み取り部18は、原稿dから画像情報を読み取ってアナログ画像信号SR,SG,SBをA/D変換器34に出力する。A/D変換器34では、アナログ画像信号SR,SG,SBがA/D変換され、デジタルのR,G,B色用の画像データR,G,Bとなる。画像データR,G,Bは、シェーディング補正処理を経た後に圧縮し符号化されて画像メモリ37に格納される。そして、ステップA6に移行して画像処理手段36は画像メモリ37から画像データR,G,Bを読み出して画像処理を実行する。
例えば、図11に示すサブルーチンをコールして、そのフローチャートのステップB1で画像処理手段36は、原稿dの注目領域が網点領域Iであるか、それ以外の領域であるかを判別する。このとき、画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別するための判別基準値を設定する。注目領域は画像メモリ37に展開された原稿dの画像データR,G,B上に、ウインドウを走査することにより移動される。原稿dの注目領域が網点領域Iである場合は、ステップB2に移行して画像領域判別部63は、当該注目領域を網点領域Iと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての網点領域Iの画像データR,G,Bは、ステップB3に移行して任意色#1、例えば、シアン(C)色の画像データCに変換される。その後、ステップB10に移行する。
また、ステップB1で注目領域が網点領域I以外の領域である場合は、ステップB4に移行して、画像領域判別部63は注目領域が写真領域II又は文字領域IIIであるかを判別する。注目領域が写真領域IIである場合は、ステップB5に移行して当該注目領域を写真領域IIと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての写真領域IIの画像データR,G,Bは、ステップB6に移行して、任意色#2、例えば、無(白)色の画像データBK(例えば、最高階調)に変換される。その後、ステップB10に移行する。
また、ステップB4で当該注目領域が写真領域IIでない場合は、ステップB7に移行して、当該注目領域が文字領域IIIか否かを判別する。ここで、注目領域が網点領域I及び写真領域II以外となる場合、一義に文字領域IIIであるとせずに、敢えて、ステップB7で注目領域が文字領域IIIか否かを判別するようにしたのは、文字画像として判別できない画像、例えば、ゴミ等のノイズ画像を写真領域IIとすることで、ノイズ画像を一律に下地色に変換できるからである。従って、注目領域が文字領域IIIでない場合は、ステップB5に移行して上述した処理がなされる。
また、注目領域が文字領域IIIである場合は、ステップB8に移行して当該注目領域を文字領域IIIと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての文字領域IIIの画像データR,G,Bは、ステップB6に移行して、任意色#3、例えば、黒色の画像データBK(最低階調)に変換される。その後、ステップB10に移行する。
ステップB10では、網点領域Iと判定された注目領域の画像形成データC、写真領域IIと判定された注目領域の画像形成データBK(最高階調)、文字領域IIIと判定された注目領域の画像データBK(最低階調)に基づいて、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データC、BKが再構成される。
その後、図10に示したメインルーチンのフローチャートのステップA6にリターンし、その後、ステップA7に移行する。ステップA7で、画像処理手段36から画像メモリ37に、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データC、BKが一旦格納される。そして、ステップA8に移行してCPU33は給紙処理を開始する。このとき、図2に示した給紙手段30では、給紙制御信号S3に基づいて給紙カセット20A等から画像形成条件の設定に基づく用紙Pが繰り出され、当該用紙Pが画像形成手段39へ搬送される。
そして、ステップA9に移行してCPU33は、画像メモリ37から画像形成データC,BKを読み出し、この画像形成データC,BKをスクリーン処理した後に、画像形成ユニット10C,10Kにセットする。この画像形成ユニット10C,10Kにセットされた画像形成データC,BKは、領域判別モード時のデータである。
その後、ステップA10に移行して、画像形成ユニット10C,10Kは、画像形成データC,BKに基づいて画像を形成する。このとき、画像形成ユニット10Mは、画像形成データMがPWM(パルス振幅)変調され、PWM変調された後のM色用のレーザ駆動信号が露光手段3Mに供給される。同様にして、画像形成ユニット10C、10Kにおいても、画像形成データC,BKがPWM変調され、PWM変調された後のC,BK色用のレーザ駆動信号が露光手段3C、3Kに各々供給される。
露光手段3Cは、所定電位に帯電された感光体ドラム1Cに対して、C色用のレーザ駆動信号に基づくレーザ光を走査する。感光体ドラム1CにはC色用の静電潜像が形成される。現像手段4CはC色のトナー剤により感光体ドラム1C上の静電潜像を現像する。この現像によって、感光体ドラム1Cには、C色のトナー像が形成される。他の露光手段3Kにおいても同様な処理がなされ、感光体ドラム1Kには、BK色のトナー像が形成される。
画像形成ユニット10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナー剤と反対極性の1次転写バイアスが印加される1次転写ローラ7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。この排紙トレイ25上に排紙された用紙Pが判別結果チャートPR1である。この判別結果チャートPR1において、網点領域Iと判定された画像形成領域には、C色の画像データCに基づいてC色の網点画像が形成され、写真領域IIと判定された画像形成領域には、無(白)色の画像データBKに基づき画像を形成せずに下地色のまま出力される。
文字領域IIIと判定された画像形成領域には、BK色の画像データBKに基づいてBK色の文字画像が形成される。転写後の感光体ドラム1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8C、8Kによりクリーニングされ、次の画像形成サイクルに入る。
[通常のプリンタモード]
この例で、図10に示したフローチャートのステップA2でプリンタモードを選択すると、パラメータThr#1及びThr#2が調整可能となされる。ユーザは、パラメータThr#1及びThr#2を調整する場合、操作パネル48を操作してCPU33に画像形成条件を入力する。例えば、応用画質のアイコン画面P21を選択する。このアイコン画面P21の選択によって、アイコン画面P21中に図8に示した画像判別調整画面P22がポップアップして操作パネル48に表示される。このとき、ユーザは、例えば、「文字調整」に関して、文字として判別する割合を多くするためには、「+」側を選択し、写真として判別する割合を多くするためには、「−」側を選択するように押しボタンが操作される。更に、「色文字調整」に関して、ユーザは、色文字として判別する割合を多くするためには、「+」側を選択し、黒文字として判別する割合を多くするためには、「−」側を選択するように押しボタンが操作される。
このように、操作パネル48から入力された調整量は、図2に示したような操作データD3となってCPU33に出力される。CPU33は操作パネル48から入力した調整量に伴う操作データD3を画像判別用のパラメータThr#1及びThr#2に変換し、これらのパラメータThr#1及びThr#2を画像判別処理部611に出力する。
これらの画像形成条件の設定処理が終了すると、ステップA3で通常のプリンタモードが設定されてステップA5に移行する。ステップA5で原稿読取部102は原稿読み取り処理を実行する。このとき、原稿読み取り部18は、ユーザがコピー等をしようとする原稿dから画像情報を読み取ってアナログ画像信号SR,SG,SBをA/D変換器34に出力する。A/D変換器34では、アナログ画像信号SR,SG,SBがA/D変換され、デジタルのR,G,B色用の画像データR,G,Bとなる。画像データR,G,Bは、シェーディング補正処理を経た後に圧縮し符号化されて画像メモリ37に格納される。
そして、ステップA6に移行して画像処理手段36は画像メモリ37から画像データR,G,Bを読み出して画像処理を実行する。例えば、画像領域判別部63は、画像メモリ37から読み出した画像データR,G,Bを伸長し復号化した後に、原稿dの網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIのいずれか1つ以上の領域をパラメータThr#1に基づいて判別する。
このとき、画像領域判別部63は、例えば、画像データR,G,Bを展開し、パラメータ調整値に基づく原稿dの網点領域Iについてはモアレ除去処理をし、その写真領域IIについては平滑化処理をし、その文字領域IIIについてはエッジ強調処理をする。図7に示したγ調整部65ではパラメータ調整値に基づいて原稿dの網点領域I及び写真領域IIについては階調を高める処理をし、文字領域IIIについてはコントラストを高める処理をする。
また、画像処理手段36で、色変換部66は原稿dの有彩色領域については、画像データR,G,Bをプリンタの色材であるY,M,C信号に変換する。原稿dの無彩色領域については、画像データR,G,Bを無彩色のBK信号に変換する。誤差拡散部67は色変換処理後の画像形成データY,M,C,BKを入力し、原稿dの網点領域I及び写真領域IIについては、高ビット誤差拡散処理をし、文字領域IIIについては、低ビット誤差拡散処理をする。
そして、ステップA7で、画像処理手段36から画像メモリ37に画像形成データY、C、M、BKが一旦格納される。そして、ステップA8に移行してCPU33は給紙処理を開始する。このとき、図2に示した給紙手段30では、給紙制御信号S3に基づいて給紙カセット20A等から画像形成条件の設定に基づく用紙Pが繰り出され、当該用紙Pが画像形成手段39へ搬送される。
そして、ステップA9に移行してCPU33は、画像メモリ37から画像形成データY,M,C,BKを読み出し、この画像形成データY,M,C,BKをスクリーン処理した後に、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにセットする。この画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにセットされた画像形成データY,M,C,BKは、先に操作パネル48によって設定された画像形成条件に基づいてカラー調整されたデータである。
そして、ステップA10に移行して、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、画像形成データY,M,C,BKに基づいて画像を形成する。このとき、画像形成ユニット10Yでは、画像形成データYがPWM(パルス振幅)変調され、PWM変調された後のY色用のレーザ駆動信号が露光手段3Yに供給される。同様にして、画像形成ユニット10M〜10Kにおいても、画像形成データM,C,BKがPWM変調され、PWM変調された後のM,C,BK色用のレーザ駆動信号が露光手段3M〜3Kに各々供給される。
露光手段3Yは、所定電位に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用のレーザ駆動信号に基づくレーザ光を走査する。感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。現像手段4YはY色のトナー剤により感光体ドラム1Y上の静電潜像を現像する。この現像によって、感光体ドラム1Yには、Y色のトナー像が形成される。
他の露光手段3M〜3Kにおいても同様な処理がなされ、感光体ドラム1Mには、M色のトナー像が形成され、感光体ドラム1Cには、C色のトナー像が形成され、感光体ドラム1Kには、BK色のトナー像が形成され、感光体ドラム1Kには、BK色のトナー像が各々形成される。
画像形成ユニット10Y,10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナー剤と反対極性の1次転写バイアスが印加される1次転写ローラ7Y,7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
その後、ステップA11でCPU33では予め設定された複写部数を全部画像形成したかが判別される。複写部数を全部画像形成していない場合は、ステップA8に戻って給紙カセット20A等から用紙Pが繰り出されると共に、ステップA9で画像形成ユニット10Y、10M,10C,10Kに画像形成データY,M,C,BKがセットされる。その後、ステップA10で画像形成データY,M,C,BKに基づく画像が用紙Pに形成される。
また、ステップA11で、予め設定された複写部数を全部画像形成した場合には、ステップA12に移行してコピー処理を終了するか否かがチェックされる。コピー処理を終了しない場合は、電源セーブ情報等を検出し、ステップA1に戻ってコピー要求を待機する。コピー処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御処理を終了する。
[各領域の出力色を指定する場合]
図12は、第1の実施例に係る他の領域判別出力処理例を示すフローチャートである。この例では、上述のステップA6の画像処理でオペレータは、予め出力色を指定するようになされ、ここで指定した出力色で網点領域I、写真領域II又は文字領域III等に色付けてプリントアウトするようになされる。
これを前提にして、図12に示すフローチャートのステップB11で制御手段15は各領域の出力色の指定を受け付ける。このとき、オペレータは、操作パネル48を使用して各領域の出力色を指定する。例えば、表示手段18には出力色指定画面P23が表示され、操作設定手段14を操作して出力色が設定される(図6参照)。
そして、ステップB12に移行して画像処理手段36は、原稿dの注目領域が網点領域Iであるか、それ以外の領域であるかを判別する。このとき、画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別するための判別基準値を設定する。注目領域は画像メモリ37に展開された原稿dの画像データR,G,B上に、ウインドウを走査することにより移動される。原稿dの注目領域が網点領域Iである場合は、ステップB13に移行して画像領域判別部63は、当該注目領域を網点領域Iと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての網点領域Iの画像データR,G,Bは、ステップB18に移行して予め指定された出力色のデータ、例えば、シアン(C)色の画像データCに変換される。その後、ステップB19に移行する。
また、ステップB12で注目領域が網点領域I以外の領域である場合は、ステップB14に移行して、画像領域判別部63は注目領域が写真領域II又は文字領域IIIであるかを判別する。注目領域が写真領域IIである場合は、ステップB15に移行して当該注目領域を写真領域IIと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての写真領域IIの画像データR,G,Bは、ステップB18に移行して、予め指定された出力色のデータ、例えば、無(白)色の画像データBK(例えば、最高階調)に変換される。その後、ステップB19に移行する。
また、ステップB14で当該注目領域が写真領域IIでない場合は、ステップB16に移行して、当該注目領域が文字領域IIIか否かを判別する。ここで、注目領域が網点領域I及び写真領域II以外となる場合、一義に文字領域IIIであるとせずに、敢えて、ステップB16で注目領域が文字領域IIIか否かを判別する。このようにしたのは、文字画像として判別できない画像、例えば、ゴミ等のノイズ画像を写真領域IIとすることで、ノイズ画像を一律に下地色に変換できるからである。従って、注目領域が文字領域IIIでない場合は、ステップB15に移行して上述した処理がなされる。
また、注目領域が文字領域IIIである場合は、ステップB17に移行して当該注目領域を文字領域IIIと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての文字領域IIIの画像データR,G,Bは、ステップB18に移行して、予め指定された出力色のデータ、例えば、黒色の画像データBK(最低階調)に変換される。その後、ステップB19に移行する。
ステップB19では、網点領域Iと判定された注目領域の画像形成データC、写真領域IIと判定された注目領域の画像形成データBK(最高階調)、文字領域IIIと判定された注目領域の画像データBK(最低階調)に基づいて、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データC、BKが再構成される。その後、図10に示したメインルーチンのフローチャートのステップA6にリターンする。
このように、本発明に係る第1の実施例としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、網点領域I、写真領域II、文字領域IIIを含む任意の画像を形成する場合に、画像領域判別部63は、画像メモリ37等から入力された画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別する。画像メモリ37やスクリーン処理部38等の出力手段は、画像領域判別部63により領域判別された画像データR,G,Bの網点領域I、写真領域II又は文字領域III毎に得られる複数の判別信号に基づく画像形成データY、M、C、BKを画像形成手段39に出力する。これを前提にして、画像形成手段39は、スクリーン処理部38から出力される複数の画像形成データY、M、C、BKに基づいて異なる色で画像を記録するようになされる。
従って、画像領域判別部63によって領域判別処理された網点領域I、写真領域II、文字領域IIIを色画像として取り扱うことができる。しかも、網点領域I、写真領域II、網点領域IIIを表す色画像を目視可能な判別結果チャートPR1に異なる色で画像形成手段39により記録することができる。この色画像から、画像領域判別部63における領域判別処理(工程)が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。これにより、網点領域I、写真領域II又は文字領域III等の判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、パラメータThr#1をその場で調整できるようになる。
図13は、第2の実施例に係る画像処理手段36の内部構成例を示すブロック図である。
この実施例では、任意の画像データR,G,Bの文字領域から有彩色文字領域又は無彩色文字領域を判別した後の画像形成データY,M,C,BKに基づいて目視可能な用紙Pに、有彩色文字領域及び無彩色文字領域を異なる色で画像形成して出力する画像形成手段39を備え、領域判別処理後の有彩色文字領域及び無彩色文字領域を色画像として形成できるようにすると共に、この色画像から領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認できるようにしたものである。
図13に示す画像処理手段36は、調整手段60及び画像判別処理部612から構成される。調整手段60は、図2に示した制御手段15から出力されるパラメータ(制御信号)Thr#2に基づいて判別基準値を自動調整するように操作される。調整手段60は、第1の実施例と同様にして、空間フィルタ部61、γ調整部65、色変換部66及び誤差拡散部67から構成される。空間フィルタ部61、γ調整部65、色変換部66及び誤差拡散部67については、第1の実施例で説明しているのでその説明を省略する。
画像判別処理部612は、有彩色判別部64を有している。有彩色判別部64は判定手段の一例であり、画像メモリ37等から入力された文字領域に係る画像データR,G,Bが有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別して領域判別結果を出力するようになされる。例えば、原稿読取部102から得られたR,G,B色用の画像データ(画像情報)R,G,Bを入力して原稿dの文字領域の注目領域が有彩色文字領域であるか、又は無彩色文字領域であるかを第2のパラメータThr#2に基づいて判別する(フローチャートは図17参照)。
有彩色判別部64では、次のような演算が行われる。ここで画像データをR,G,Bとし、計算途中の変数(輝度)をWとし、計算パラメータをa,b,c,とし、C’を判定結果とし、Thr#2を判定基準値としたとき、判定結果C’は、(1)、(2)式、すなわち、
W=(R+G+B)/3 ・・・・・・・・(1)
C’=a×|R−W|+b×|G−W|+c×|B−W| ・・・・(2)
によって演算される。この計算式において、有彩色判別部64は、C’≧Thr#2となる場合には、原稿dの網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIのいずれか1以上が有彩色であると判別する。また、C’<Thr#2となる場合には、原稿dの網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIのいずれか1以上が無彩色であると判別する(回路構成は図14参照)。
図14は、有彩色判別部64の内部構成例を示すブロック図である。図14に示す有彩色判別部64は、平均値演算器601、R色用の絶対値演算器602、G色用の絶対値演算器603、B色用の絶対値演算器604、R色用の積算演算(乗算)器605、G色用の積算演算器606、B色用の積算演算器607、3項加算器608及び、比較器608を有している。
平均値演算器601は、画像データR,G,Bを入力して(1)式に基づいて平均値Wを演算する。平均値演算器601には、R色、G色及びB色用の絶対値演算器602〜604が接続される。絶対値演算器602は、画像データR及び平均値Wを入力して、(2)式の中の|R−W|を演算する。絶対値演算器603では、画像データG及び平均値Wを入力して、|G−W|が演算される。絶対値演算器604では、画像データB及び平均値Wを入力して、|B−W|が演算される。
絶対値演算器602にはR色用の積算演算器605が接続される。積算演算器605は、絶対値|R−W|及び、計算パラメータaを入力して、(2)式の中のa×|R−W|を演算する。絶対値演算器603にはG色用の積算演算器606が接続される。積算演算器606は、絶対値|G−W|及び、計算パラメータbを入力して、(2)式の中のb×|G−W|を演算する。絶対値演算器604にはG色用の積算演算器607が接続される。積算演算器607は、絶対値|B−W|及び、計算パラメータcを入力して、(2)式の中のc×|G−W|を演算する。
R色、G色、B色用の積算演算器605〜607には、3項加算器608が接続される。3項加算器608は、積算演算器605〜607から出力されるa×|R−W|、b×|G−W|及び、c×|G−W|を加算する。3項加算器608には比較器609が接続され、(2)式の中のa×|R−W|+b×|G−W|+c×|B−W|とパラメータ(閾値)Thr#2とを入力して両者を比較する。比較器609で、C’≧Thr#2となる場合は、原稿dの文字領域、写真領域及び網点領域のいずれか1以上が有彩色であると判別する。また、C’<Thr#2となる場合は、原稿dの文字領域、写真領域及び網点領域のいずれか1以上が無彩色であると判別される。これにより、有彩色判別部64によって原稿dの「有彩色・無彩色」領域を分離することができる。有彩色判別部64は4ビットの画像判別信号Cout=S1を空間フィルタ部61等へ出力する。
なお、この例でも、図2に示した操作設定手段14は、文字領域の画像データR,G,Bが有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別するためのパラメータ(判別基準値)Thr#2を有彩色判別部64に設定するように操作される。また、操作設定手段14は、有彩色判別部64により領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域及び/又は無彩色文字領域に対して任意の色を指定するように操作される。更に、画像処理手段36は、有彩色判別部64により領域判別された無彩色文字領域に係る画像データR,G,Bを階調処理するようになされる。
この例で画像メモリ37から有彩色判別部64へ入力する画像データR,G,Bに関しては、第1の実施例と同様にして、原稿読取部102によって原稿dを読み取って得たものである。また、図2に示した制御手段15は、有彩色判別部64から得られる領域判別処理結果の良否を判定するようになされる。
更に、図2に示した出力手段の一例となる画像メモリ37及びスクリーン処理部38が、有彩色判別部64により領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎の複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKを画像形成手段39に出力する。画像形成手段39では、スクリーン処理部38から出力される複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録(形成)するようになされる。
図15は、第2の実施例に係る領域判別モードに適用される原稿画像の構成例を示す図である。図15に示す原稿dは、網点画像、写真画像、有彩色文字画像及び無彩色文字画像を含んでいる。この例でも領域判別モードは、通常のプリンタモードとは独立して行われる。原稿読取部102で読み取られた原稿画像の1画素1画素は、それぞれこの4つの領域のどこかに該当する。この判別結果は、空間フィルタ部61等に参照され、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域V毎に、原稿画像に対して適切な画像処理を施して出力される。
この判別結果は、判別結果チャートPR2に各領域毎に、色分けして出力するようになされる。出力色は、次のように対応付けられる。例えば、網点領域Iはシアン(C)色、写真領域IIは無色(用紙Pの色)、有彩色文字領域IVはマゼンタ(M)色等に変換され、無彩色文字領域Vはブラック(BK)色等に変換される。この例では、トナー消費量を抑える意味で、濃度値を制御するようにしている。濃度を薄くすると、トナー消費量が抑えられる。もちろん、これらの色に限られることはなく、第1の実施例と同様にして赤、緑、青色等の2色以上を使用して表現でもよい。また、原稿画像がモノクロであった場合は、階調により変化を付けることで、上記判別結果を分ければ良い。なお、写真領域IIは無色で出力するようになされる。
図16は、第2の実施例に係る領域判別モード時の判別結果チャートPR2の出力例を示す図である。図16に示す判別結果チャートPR2は、パラメータThr#1の調整が適切な場合の出力例である。この例で、網点領域Iは、例えば、C色に色変換して出力される。写真領域IIは下地部を反映した用紙Pの色で出力される。有彩色文字領域IVはM色に色変換して出力され、無彩色文字領域VはBK色等に各々色変換して出力される。これにより、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vの各々の領域が画像判別処理部612でどのように判別されているかを個々の判別結果チャートPR2で確認することができる。この判別結果チャートPR2から、個々のパラメータThr#1及びThr#2を調整することができる。
図17は、第2の実施例に係る領域判別出力処理例を示すフローチャート(サブルーチン)である。なお、メインフローチャートについては図10を参照する。
この実施例では、文字領域IIIの画像データR,G,Bを入力して当該画像データR,G,Bが有彩色文字領域又は無彩色文字領域に関する情報であるかどうかを判別し、ここで、領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域又は無彩色文字領域毎に複数の判別信号を得て、ここで得られた複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録するようになされる。この画像データR,G,Bは、原稿読取部102を使用して原稿dを読み取って得るようになされる。
この例でも、領域判別モードが準備される。この領域判別モードが選択されると、原稿画像による画像データR,G,Bを入力し、この画像データR,G,Bから有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vを判別するようになされる。この領域判別が終了したときに、画像データR,G,Bに対して、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vに対して任意の色を指定するようになされる。このような、原稿画像の有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vに応じた画像処理をし、画像処理後の画像形成データY,M,C,BKに基づいて判別結果チャートPR2に有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vで異なる色の画像を形成して出力する場合を例に挙げる(第2の画像形成方法)。
また、図2に示したCPU33は、図10に示したフローチャートのステップA1でコピー要求を待機し、コピー要求が有るとステップA2へ移行する。ステップA2でCPU33は操作パネル48から画像形成条件を入力する。この例で領域判別モードが設定されると、図10に示したフローチャートのステップA5に移行すして、原稿読取部102では原稿読み取り処理を実行する。
これを前提にして、図17に示すサブルーチンのフローチャートのステップE1で画像処理手段36は、原稿dの注目領域が文字領域IIIであるか、それ以外の領域であるかを判別する。注目領域が文字領域IIIであるか、それ以外の領域であるかの判断は、第1の実施例を応用することで対処する。注目領域は画像メモリ37に展開された原稿dの画像データR,G,B上に、ウインドウを走査することにより移動される。原稿dの注目領域が文字領域IIIである場合は、ステップE2に移行して有彩色判別64は、当該文字領域が有彩色か否かを判別する。
当該文字領域が有彩色である場合は、ステップE3に移行してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての有彩色文字領域IVの画像データR,G,Bは、ステップE4に移行して任意色#1、例えば、M色の画像データMに変換される。その後、ステップE7に移行する。
ステップE2で当該文字領域が有彩色でない、すなわち、無彩色である場合は、ステップE5に移行してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての無彩色文字領域Vの画像データR,G,Bは、ステップE6に移行して任意色#2、例えば、BK色の画像データMに変換される。その後、ステップE7に移行して、有彩色文字領域IVと判定された注目領域の画像形成データM、無彩色文字領域Vと判定された注目領域の画像形成データBKに基づいて、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データM、Kが再構成される。
なお、ステップE1で原稿dの注目領域が文字領域III以外の領域である場合は、ステップE8に移行して他の処理を実行した後に、画像形成処理を終了する。この他の処理の中には、第1の実施例で説明した注目領域が網点領域Iや写真領域IIに係る処理が含まれる。
その後、図10に示したメインルーチンのフローチャートのステップA6にリターンし、その後、ステップA7に移行する。ステップA7では第1の実施例で説明したように、画像処理手段36から画像メモリ37に、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データM、BKが一旦格納される。そして、ステップA8に移行して給紙カセット20A等から画像形成条件の設定に基づく用紙Pが繰り出され、当該用紙Pが画像形成手段39へ搬送される。
そして、ステップA9に移行してスクリーン処理した後の画像形成データM,BKが画像形成ユニット10M,10Kにセットされる。その後、ステップA10に移行して、画像形成ユニット10M,10Kは、画像形成データM,Kに基づいて画像を形成する。これにより、排紙トレイ25上に判別結果チャートPR2が排紙される。この判別結果チャートPR2において、有彩色文字領域IVと判定された画像形成領域には、M色の画像データMに基づいてM色の有彩色画像が形成され、無彩色文字領域Vと判定された画像形成領域には、BK色の画像データBKに基づき黒色画像が形成される。通常のプリンタモードの動作については、図10に示したフローチャートを参照されたい。
[各領域の出力色を指定する場合]
図18は、第2の実施例に係る他の領域判別出力処理例を示すフローチャートである。この例では、上述のステップA6の画像処理でオペレータは、予め出力色を指定するようになされ、ここで指定した出力色で網点領域I、写真領域II又は文字領域III等に色付けてプリントアウトするようになされる。
これを前提にして、図18に示すフローチャートのステップE11で制御手段15は各領域の出力色の指定を受け付ける。このとき、オペレータは、操作パネル48を使用して各領域の出力色を指定する。例えば、表示手段18には出力色指定画面P23が表示され、操作設定手段14を操作して出力色が設定される(図6参照)。
そして、ステップE12に移行して画像処理手段36は、原稿dの注目領域が文字領域IIIであるか、それ以外の領域であるかを判別する。注目領域が文字領域IIIであるか、それ以外の領域であるかの判断は、第1の実施例を応用することで対処する。注目領域は画像メモリ37に展開された原稿dの画像データR,G,B上に、ウインドウを走査することにより移動される。原稿dの注目領域が文字領域IIIである場合は、ステップE13に移行して有彩色判別64は、当該文字領域が有彩色か否かを判別する。
当該文字領域が有彩色である場合は、ステップE14に移行してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての有彩色文字領域IVの画像データR,G,Bは、ステップE16に移行して予め指定された出力色のデータ、例えば、M色の画像データMに変換される。その後、ステップE18に移行する。
ステップE12で当該文字領域が有彩色でない、すなわち、無彩色である場合は、ステップE15に移行してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての無彩色文字領域Vの画像データR,G,Bは、ステップE16に移行して予め指定された出力色のデータ、例えば、BK色の画像データMに変換される。その後、ステップE18に移行して、有彩色文字領域IVと判定された注目領域の画像形成データM、無彩色文字領域Vと判定された注目領域の画像形成データBKに基づいて、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データM、Kが再構成される。
なお、ステップE12で原稿dの注目領域が文字領域III以外の領域である場合は、ステップE17に移行して他の処理を実行した後に、画像形成処理を終了する。この他の処理の中には、第1の実施例で説明した注目領域が網点領域Iや写真領域IIに係る処理が含まれる。
その後、図10に示したメインルーチンのフローチャートのステップA6にリターンし、その後、ステップA7に移行する。ステップA7では第1の実施例で説明したように、画像処理手段36から画像メモリ37に、判別結果チャートPR1に形成すべきカラー画像の画像形成データM、BKが一旦格納される。
このように、本発明に係る第2の実施例としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、有彩色文字又は無彩色文字を含む任意の画像を形成する場合に、有彩色判別部64は、例えば、画像メモリ37から入力された画像データR,G,Bが有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vに関する情報であるかどうかを判別する。画像メモリ37及びスクリーン処理部38等の出力手段は、有彩色判別部64により領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域V毎に得られる複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKを画像形成手段39に出力する。これを前提にして、画像形成手段39は、スクリーン処理部38から出力される複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録するようになされる。
従って、有彩色判別部64によって領域判別処理された有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vを色画像として取り扱うことができる。しかも、有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vを表す色画像を目視可能な用紙Pに異なる色で画像形成手段39により記録することができる。この色画像から有彩色判別部64における領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。これにより、有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域V等の判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、色判別用のパラメータThr#2をその場で調整できるようになる。
図19は、第3の実施例に係る画像処理手段36の内部構成例を示すブロック図である。
この実施例では、任意の画像の網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIを判別すると共に、ここに領域判別された文字領域IIIが有彩色であるか、又は、無彩色であるかを判別する処理を含む画像処理後の画像データR,G,Bに基づいて目視可能な用紙Pに、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域V別に異なる色で画像を形成して出力するようにした。このようにすることで、領域判別処理後の網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vを色画像として形成できるようになると共に、この色画像から領域判別処理が正しく行われたか否かを容易に目視確認できるようになる。
図19に示す画像処理手段36は、調整手段60及び画像判別処理部613から構成される。調整手段60は、図2に示した制御手段15から出力されるパラメータ(制御信号)Thr#1及びThr#2に基づいて判別基準値を自動調整するように操作される。調整手段60は、第1の実施例と同様にして、空間フィルタ部61、γ調整部65、色変換部66及び誤差拡散部67から構成される。
画像判別処理部613は、第1の実施例で説明した画像領域判別部(第1の判定手段)63と第2の実施例で説明した有彩色判別部(第2の判定手段)64とを有している。画像領域判別部63は、画像メモリ37等から入力された画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別するようになされる。有彩色判別部64は、画像領域判別部63により領域判別された文字領域IIIが有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vに関する情報であるかどうかを判別するようになされる(フローチャートは図23参照)。なお、第1及び第2の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
この例でも、図2に示した操作設定手段14は、文字領域IIIの画像データR,G,Bが有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vに関する情報であるかどうかを判別するためのパラメータ(判別基準値)Thr#1を画像領域判定部64に設定し、パラメータ(判別基準値)Thr#2を有彩色判別部64に設定するように操作される。
また、操作設定手段14は、画像領域判別部63により領域判別された画像データR,G,Bの網点領域I、網点領域II、文字領域IIIに色を指定するように操作される他、有彩色判別部64により領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vに対して任意の色を指定するように操作される。更に、画像処理手段36は、有彩色判別部64により領域判別された無彩色文字領域Vに係る画像データR,G,Bを階調処理するようになされる。
この例で画像メモリ37から画像領域判別部63及び有彩色判別部64へ入力する画像データR,G,Bに関しては、第1及び第2の実施例と同様にして、原稿読取部102によって原稿dを読み取って得たものである。また、図2に示した制御手段15は、画像領域判別部63及び有彩色判別部64から得られる領域判別処理結果の良否を判定するようになされる。
更に、図2に示した出力手段の一例となる画像メモリ37及びスクリーン処理部38は、画像領域判別部63により領域判別された画像データR,G,Bの網点領域I及び写真領域IIや、有彩色判別部64により領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域V毎に得られる複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKを画像形成手段39に出力する。画像形成手段39では、スクリーン処理部38から出力される複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録(形成)するようになされる。
図20A及びBは、第3の実施例に係る領域判別モードに適用される原稿画像の構成例を示す図である。
図20Aに示す原稿dは、網点画像、写真画像、色文字画像及び黒文字画像を含んでいる。これらの画像が形成された領域を網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vと呼ぶ。図20Bに示す網点画像は網点領域Iを拡大したものである。この例で領域判別モードは、通常のプリンタモードとは独立して行われる。
原稿読取部102で読み取られた原稿画像の1画素1画素は、それぞれこの4つの領域のどこかに該当する。この判別結果は、空間フィルタ部61等に参照され、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域V毎に、原稿画像に対して適切な画像処理を施して出力される。
この判別結果は、判別結果チャートPR3に各領域毎に、色分けして出力することは前述したが、出力色は、次のように対応付けられる。例えば、網点領域Iはシアン(C)色、写真領域IIは、無色(用紙Pの色)、色文字はマゼンタ(M)色、黒文字は、ブラック(BK)色に変換される。この例では、トナー消費量を抑える意味で、濃度値を制御するようにしている。濃度を薄くすると、トナー消費量が抑えられる。
この例では、網点領域IをC色で、有彩色文字領域IVをM色等の単色で各々出力するようになされる。もちろん、これに限られることはなく、赤、緑、青色等の2色以上を使用して表現でもよい。また、原稿画像がモノクロであった場合は、階調により変化を付けることで、上記判別結果を分ければ良い。
なお、原稿画像の種類にもよるが、写真領域IIは無色で出力することが好ましい。これは写真領域IIが原稿画像の大半を占める場合に、トナー消費量の抑制の観点及び、下地部分は無色である場合が多く、おおよそ写真領域IIとすることが好ましい等の理由による。これにより、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vの各々の領域が、画像判別処理部613でどのように判別されているかを個々の判別結果チャートPR3で確認することができる。この判別結果チャートPR3から、個々のパラメータThr#1及びThr#2を調整することができる。
例えば、注目領域が文字領域IIIである場合は、画像が急峻に濃くなったり、薄くなったりする部分を検出する。この部分の検出により、その画像を文字と判別している。この急峻さを判別するために、パラメータThr#1が適用される。文字となってほしい画像が、やや濃度が薄い等の理由により、文字となっていない場合に、この急峻さを規定しているパラメータThr#1を変更することにより、文字を文字と検出し易くすることができる。
図21A及びBは、第3の実施例に係る領域判別モード時の判別結果チャートPR3の出力例(その1)を示す図である。
図21Aに示す判別結果チャートPR3は、パラメータThr#1の調整が不適切な場合の出力例である。この例で、写真領域IIは下地部を反映した用紙Pの色で出力される。有彩色(色文字)文字領域IVはM色に色変換して出力され、無彩色(黒文字)文字領域VはBK色に色変換して出力される。図21Bは、図21Aの網点領域Iを拡大したものである。「白」の部分は、網点と判別されなかった場所である。グレー(カラーで表現するとC色)は、網点と判別された場所である。図21Bに示す網点領域Iは、その一部が写真領域IIと誤判定され、下地部を反映した用紙Pの色が出力され、残りの部分が、真に網点領域Iと判定され、C色に色変換されて出力される(図中、網点領域Iの一部領域がグレー)。
図22A及びBは、領域判別モード時の判別結果チャートPR3’の出力例(その2)を示す図である。
図22Aに示す判別結果チャートPR3’は、パラメータThr#1を調整して最適な状態にした場合の出力例である。この例で、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域IVは、図21Aの場合と同じように色変換して出力される。図22Bは、図22Aの網点領域Iを拡大したものである。図22Aに示す網点領域Iは、パラメータThr#1が最適に調整されたことから、真に網点領域Iと判定され、C色に色変換されて出力される(図中、網点領域Iの全域がグレー)。
当該カラー画像形成装置100の製造工程等においては、テスト原稿画像等の限度見本を用意し、これを原稿読取部102で読み取らせ、これに対応して、判別結果チャートPR3を確認することにより、機械間差の少ない安定した判別処理を行うことができるようになる。
続いて、カラー画像形成装置100における画像処理方法について説明をする。図23は画像処理手段36における領域判別処理例を示すフローチャート(サブルーチン)である。なお、カラー画像形成装置100の全体の動作例については、図10に示したフローチャート(メインルーチン)を参照する。
この実施例では、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV又は/及び無彩色文字領域Vのいずれかを含む画像を形成する場合を前提として、画像データR,G,Bを入力して当該画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別し、ここで領域判別された文字領域IIIが有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vに関する情報であるかどうかを判別する。ここで領域判別された画像データR,G,Bの有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域V毎に複数の判別信号を得て、この複数の判別信号に基づく画像形成データY、M、C、BKで異なる色の画像を記録するようになされる。
この例でも、領域判別モードが準備される。この領域判別モードが選択されると、原稿画像による画像データR,G,Bを入力し、この原稿画像の網点領域I、写真領域II及び文字領域IIIを判別する。更に、この文字領域IIIが有彩色であるか、又は、無彩色であるかを判別し、この原稿画像の網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV又は/及び無彩色文字領域Vに応じた画像処理をし、画像処理後の画像形成データY,M,C,BKに基づいて判別結果チャートPR3に網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV又は/及び無彩色文字領域V別に異なる色で画像を形成して出力する場合を例に挙げる。
また、図2に示したCPU33は、図10に示したフローチャートのステップA1でコピー要求を待機し、コピー要求が有るとステップA2へ移行する。ステップA2でCPU33は操作パネル48から画像形成条件を入力する。この例で領域判別モードが設定されると、図10に示したフローチャートのステップA5に移行すして、原稿読取部102では原稿読み取り処理を実行する。
これを前提にして、図23に示すサブルーチンをコールして、そのフローチャートのステップF1で画像領域判別部63は、原稿dの注目領域が網点領域Iであるか、それ以外の領域であるかを判別する。注目領域は画像メモリ37に展開された原稿dの画像データR,G,B上に、ウインドウを走査することにより移動される。原稿dの注目領域が網点領域Iである場合は、ステップF2に移行して画像領域判別部63は、当該注目領域を網点領域Iと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての網点領域Iの画像データR,G,Bは、ステップF3に移行してシアン(C)色の画像データCに変換される。その後、ステップF13に移行する。
また、ステップF1で注目領域が網点領域I以外の領域である場合は、ステップF4に移行して、画像領域判別部63は注目領域が写真領域II又は文字領域IIIであるかを判別する。注目領域が写真領域IIである場合は、ステップF5に移行して当該注目領域を写真領域IIと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての写真領域IIの画像データR,G,Bは、ステップF6に移行して、無(白)色の画像データ(最高階調)Kに変換される。その後、ステップF13に移行する。
また、ステップF4で当該注目領域が写真領域IIでない場合は、ステップF7に移行して、当該注目領域が文字領域IIIか否かを判別する。ここで、注目領域が網点領域I及び写真領域II以外となる場合、一義に文字領域IIIであるとせずに、敢えて注目領域が文字領域IIIか否かを判別するようにしたのは、文字画像として判別できない画像、例えば、ゴミ等のノイズ画像を写真領域IIとすることで、ノイズ画像を一律に下地色に変換できるからである。従って、注目領域が文字領域IIIでない場合は、ステップF5に移行して上述した処理がなされる。
また、注目領域が文字領域IIIである場合は、ステップF8に移行して当該文字領域IIIが有彩色(色文字)であるか、無彩色(黒文字)であるかを判別する。当該文字領域IIIが有彩色文字領域IVである場合は、ステップF9に移行して当該文字領域IIIから有彩色文字領域IVの画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての有彩色文字領域IVの画像データR,G,Bは、ステップF10に移行してマゼンタ(M)色の画像データMに変換される。その後、ステップF13に移行する。
上述のステップF8で当該文字領域IIIが有彩色文字領域IVでない場合、つまり、文字領域IIIが無彩色である場合は、ステップF11に移行して当該文字領域IIIから無彩色文字領域Vの画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての無彩色文字領域Vの画像データR,G,Bは、ステップF12に移行してブラック(BK)色の画像データ(最低階調)Kに変換される。その後、ステップF13に移行する。
ステップF13では、網点領域Iと判定された注目領域の画像形成データC、写真領域IIと判定された注目領域の画像形成データ(下地色)、有彩色文字領域IVと判定された注目領域の画像データM、無彩色文字領域Vと判定された注目領域の画像データBKに基づいて、判別結果チャートPR3に形成すべきカラー画像の画像形成データC、M、BKが再構成される。
その後、図10に示したメインルーチンのフローチャートのステップA6にリターンし、その後、ステップA7に移行する。ステップA7では第1の実施例で説明したように、画像処理手段36から画像メモリ37に、判別結果チャートPR3に形成すべきカラー画像の画像形成データC、M、BKが一旦格納される。そして、ステップA8に移行して給紙カセット20A等から画像形成条件の設定に基づく用紙Pが繰り出され、当該用紙Pが画像形成手段39へ搬送される。
そして、ステップA9に移行してスクリーン処理した後の画像形成データC、M、BKが画像形成ユニット10C、10M,10Kにセットされる。その後、ステップA10に移行して、画像形成ユニット10C、10M,10Kは、画像形成データC、M、BKに基づいて画像を形成する。これにより、排紙トレイ25上に判別結果チャートPR3が排紙される。この判別結果チャートPR3において、網点領域IIと判定された画像形成領域には、C色の画像データCに基づいてC色の色画像が形成され、有彩色文字領域IVと判定された画像形成領域には、M色の画像データMに基づいてM色の有彩色画像が形成され、無彩色文字領域Vと判定された画像形成領域には、BK色の画像データBKに基づき黒色画像が形成される。通常のプリンタモードの動作については、図10に示したフローチャートを参照されたい。
[各領域の出力色を指定する場合]
図24は、第3の実施例に係る他の領域判別出力処理例を示すフローチャートである。この例では、上述のステップA6の画像処理でオペレータは、予め出力色を指定するようになされ、ここで指定した出力色で網点領域I、写真領域II又は文字領域III等に色付けてプリントアウトするようになされる。
これを前提にして、図24に示すフローチャートのステップF11で制御手段15は各領域の出力色の指定を受け付ける。このとき、オペレータは、操作パネル48を使用して各領域の出力色を指定する。例えば、表示手段18には出力色指定画面P23が表示され、操作設定手段14を操作して出力色が設定される(図6参照)。
そして、ステップF12に移行して画像領域判別部63は、原稿dの注目領域が網点領域Iであるか、それ以外の領域であるかを判別する。注目領域は画像メモリ37に展開された原稿dの画像データR,G,B上に、ウインドウを走査することにより移動される。原稿dの注目領域が網点領域Iである場合は、ステップF13に移行して画像領域判別部63は、当該注目領域を網点領域Iと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての網点領域Iの画像データR,G,Bは、ステップF20に移行して、予め指定された出力色のデータ、例えば、シアン(C)色の画像データCに変換される。その後、ステップF21に移行する。
また、ステップF12で注目領域が網点領域I以外の領域である場合は、ステップF14に移行して、画像領域判別部63は注目領域が写真領域II又は文字領域IIIであるかを判別する。注目領域が写真領域IIである場合は、ステップF15に移行して当該注目領域を写真領域IIと判定してその領域の画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての写真領域IIの画像データR,G,Bは、ステップF20に移行して、予め指定された出力色のデータ、例えば、無(白)色の画像データ(最高階調)Kに変換される。その後、ステップF21に移行する。
また、ステップF14で当該注目領域が写真領域IIでない場合は、ステップF16に移行して、当該注目領域が文字領域IIIか否かを判別する。ここで、注目領域が網点領域I及び写真領域II以外となる場合、一義に文字領域IIIであるとせずに、敢えて注目領域が文字領域IIIか否かを判別するようにしたのは、文字画像として判別できない画像、例えば、ゴミ等のノイズ画像を写真領域IIとすることで、ノイズ画像を一律に下地色に変換できるからである。従って、注目領域が文字領域IIIでない場合は、ステップF15に移行して上述した処理がなされる。
また、注目領域が文字領域IIIである場合は、ステップF17に移行して当該文字領域IIIが有彩色(色文字)であるか、無彩色(黒文字)であるかを判別する。当該文字領域IIIが有彩色文字領域IVである場合は、ステップF18に移行して当該文字領域IIIから有彩色文字領域IVの画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての有彩色文字領域IVの画像データR,G,Bは、ステップF20に移行して、予め指定された出力色のデータ、例えば、マゼンタ(M)色の画像データMに変換される。その後、ステップF21に移行する。
上述のステップF17で当該文字領域IIIが有彩色文字領域IVでない場合、つまり、文字領域IIIが無彩色である場合は、ステップF19に移行して当該文字領域IIIから無彩色文字領域Vの画像データR,G,Bを抽出する。ここで抽出された全ての無彩色文字領域Vの画像データR,G,Bは、ステップF20に移行して、予め指定された出力色のデータ、例えば、ブラック(BK)色の画像データ(最低階調)Kに変換される。その後、ステップF21に移行する。
ステップF21では、網点領域Iと判定された注目領域の画像形成データC、写真領域IIと判定された注目領域の画像形成データ(下地色)、有彩色文字領域IVと判定された注目領域の画像データM、無彩色文字領域Vと判定された注目領域の画像データBKに基づいて、判別結果チャートPR3に形成すべきカラー画像の画像形成データC、M、BKが再構成される。
その後、図10に示したメインルーチンのフローチャートのステップA6にリターンし、その後、ステップA7に移行する。ステップA7では第1の実施例で説明したように、画像処理手段36から画像メモリ37に、判別結果チャートPR3に形成すべきカラー画像の画像形成データC、M、BKが一旦格納される。
このように、本発明に係る第3の実施例としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV又は/及び無彩色文字領域Vを含む任意の画像を形成する場合に、画像領域判別部63は、入力された画像データR,G,Bが網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIに関する情報であるかどうかを判別する。有彩色判別部64は、画像領域判別部63により領域判別された文字領域IIIが有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vに関する情報であるかどうかを判別する。
また、画像メモリ37及びスクリーン処理部38等の出力手段は、画像領域判別部63及び有彩色判別部64により領域判別された画像データR,G,Bの網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色網点領域V毎に得られる複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKを画像形成手段39に出力する。画像形成手段39は、スクリーン処理部38から出力される複数の判別信号に基づく画像形成データY,M,C,BKで異なる色の画像を記録するようになされる。
従って、画像領域判別部63及び有彩色判別部64により領域判別処理された網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vを色画像として形成することができる。しかも、網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vを表す色画像を目視可能な判別結果チャートPR3に異なる色で画像形成手段39により記録することができる。ユーザは、この色画像から画像領域判別部63及び有彩色判別部64における領域判別処理(機能)が正しく行われたか否かを容易に目視確認することができる。
これにより、網点領域I、写真領域II又は文字領域IIIの判別処理が正しく実行されていないことが確認された場合には、パラメータ(領域判別用の判別基準値)Thr#1をその場で調整したり、文字領域IIIに関して、有彩色文字領域IV又は無彩色文字領域Vの判別処理が正しく行われていない場合には、パラメータ(色判別用の判別基準値)Thr#2をその場で調整できるようになる。従って、機械間差を無くすことができる。なお、パラメータThr#1やThr#2の調整は、手動で行っても、次に説明するように、制御手段15によって、自動的にOK/NGを判定させ、自動調整するようにしてもよい。製造過程において、より一層パラメータ調整が容易になる。
図25は、本発明に係る第4の実施例としての出力調整例(画像形成方法)を示すフローチャートである。
この実施例では、図1〜図23に示したカラー画像形成装置100の自動出力調整がなされる。この自動出力調整の対象には、空間フィルタ調整処理、ガンマ調整処理、色変換処理及び誤差拡散処理のいずれか1つを含んでいる。この例では、先の判別処理(工程)で得られた判別結果チャートPR1乃至PR3を読み取って得られる画像形成内容(領域判別処理結果)を制御手段15によって、自動的に良好/不適(OK/NG)を判定させ、パラメータThr#1及びThr#2を自動調整するようになされる。
調整項目は、パラメータThr#1及びThr#2だけではなく、判別結果チャートPR3等を使用して画像処理を変更する部分のパラメータ、例えば、空間フィルタ部61、ガンマ調整部65、色変換処理部66及び誤差拡散部67のパラメータ等を調整するようになされる。
この例で、図1に示した原稿読取部102には、画像形成手段39から出力される判別結果チャートPR3等が載置される。原稿読取部102は、判別結果チャートPR3から網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域V別に異なる色で形成された画像を読み取るようになされる。この例で、原稿読取部102から出力される判別結果チャートPR3に基づく画像データR,G,Bは画像領域判別部63に入力される。
図2に示した制御手段15は、判別結果チャートPR3から読み取られた網点領域I、写真領域II、有彩色文字領域IV及び無彩色文字領域Vに係る画像を解析して画像領域判別部63による領域判別処理の良否を判定する。制御手段15は、画像領域判別部63における領域判別処理が正しく行われていないと判断した場合に、パラメータThr#1及びThr#2を自動調整する。もちろん、制御手段15は、パラメータThr#1及びThr#2に限られることはなく、例えば、画像領域判別部63おける領域判別処理が正しく行われていないと判断した場合に、空間フィルタ部61、ガンマ調整部65、色変換処理部66及び誤差拡散部67の1以上のパラメータを調整するようになされる。これにより、領域判別結果の機械間差を容易に抑え、良好な画質を得ることができる。
例えば、図25に示すフローチャートのステップH1でユーザは操作パネル48を操作して判別自動調整モードを設定すると、制御手段15は判別自動調整モードに入る。判別自動調整モードとは、判別結果チャートPR3から読み取られた網点領域I、写真領域II、有彩色及び無彩色の文字領域IIIに係る画像を解析してパラメータを自動調整する動作をいう。判別自動調整モードは、例えば、図3に示した「応用機能」キーK3の選択によって、図示しない「判別自動調整モードを選択しますか? はい いいえ」の選択タグが表示され、ユーザは「はい」を選択することで、判別自動調整モードをセットするようになされる。
そして、ステップH2に移行して、第1〜第3の実施例で説明したような原稿画像を読み取って判別結果チャートPR3を出力する。そして、ユーザは判別結果チャートPR3をステップH3で原稿読取部102の原稿載置部にセットする。原稿読取部102は、ステップH4で原稿載置部にセットされた原稿dを読み取る(スキャンする)。その後、ステップH5に移行して、制御手段15は、判別結果チャートPR3から得られた有彩色及び無彩色の文字領域、写真領域II、網点領域Iに係る画像を解析する。解析方法は、例えば、図21Bに示したように網点領域Iで、網点と判別されなかった「白」の部分と、網点と判別されたグレーの部分を見出す処理を実行する。
その後、ステップH6に移行して制御手段15は、画像領域判別部63における領域判別結果がOKかNGかを判定する。この際の判定基準値は、予め制御手段15に設定される。判定基準値としては、先の例で、網点領域Iにおいて、網点と判別されなかった「白」の部分と、網点と判別されたグレーの部分との比が、例えば、1:99となるような値が準備される。
ステップH6で判別OKの場合は、判別自動調整モードを終了する。判定NGの場合は、ステップH7に移行して「白」の部分と、網点と判別されたグレーの部分との比が1:99となるような調整値を算出し、この調整値に基づいてパラメータThr#1及びThr#2を自動調整する。もちろん、制御手段15は、パラメータThr#1及びThr#2に限られることはなく、空間フィルタ部61、ガンマ調整部65、色変換処理部66及び誤差拡散部67の1以上のパラメータを調整するようになされる。その後、パラメータ調整結果が正しいかを確認するために、ステップH2に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、本発明に係る第4の実施例としての出力調整処理によれば、判別結果チャートPR3を読み取って得た画像形成内容を制御手段15によって、自動的に良好/不適(OK/NG)を判定させ、パラメータThr#1及びThr#2を自動調整するようになされる。これにより、領域判別結果の機械間差を容易に抑え、良好な画質を得ることができる。
なお、画像形成手39に関して、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KにY色、M色、C色及びBK色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、これらの各色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像を転写する中間転写ベルト6とを有する場合について説明したが、これに限られることはなく、本発明は、1つの転写材搬送ベルト上に色を重ね合わせて色画像を転写紙に形成するカラー複写機にも適用することができる。
この発明は画像領域を判別して画像データを調整する画像領域判別調整機能を備えたカラープリンタ、カラーデジタル複写機、複合機等に適用して極めて好適である。
本発明の各実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
カラー画像形成装置100の制御系の内部構成例を示すブロック図である。
操作パネル48における基本設定画面P1の表示例を示すイメージ図である。
操作パネル48における画質調整画面P2の表示例を示すイメージ図である。
操作パネル48における画像判別調整画面P22の表示例を示すイメージ図である。
操作パネル48における出力色指定画面P23の表示例を示すイメージ図である。
第1の実施例に係る画像処理手段36の内部構成例を示すブロック図である。
第1の実施例に係る領域判別モードに適用される原稿画像の構成例を示す図である。
第1の実施例に係る領域判別モード時の判別結果チャートPR1の出力例を示す図である。
カラー画像形成装置100の全体の動作例を示すフローチャート(メインルーチン)である。
第1の実施例に係る領域判別出力処理例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
第1の実施例に係る他の領域判別出力処理例を示すフローチャートである。
第2の実施例に係る画像処理手段36の内部構成例を示すブロック図である。
有彩色判別部64の内部構成例を示すブロック図である。
第2の実施例に係る領域判別モードに適用される原稿画像の構成例を示す図である。
第2の実施例に係る領域判別モード時の判別結果チャートPR2の出力例を示す図である。
第2の実施例に係る領域判別出力処理例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
第2の実施例に係る他の領域判別出力処理例を示すフローチャートである。
第3の実施例に係る画像処理手段36の内部構成例を示すブロック図である。
A及びBは、第3の実施例に係る領域判別モードに適用される原稿画像の構成例を示す図である。
A及びBは、第3の実施例に係る領域判別モード時の判別結果チャートPR3の出力例(その1)を示す図である。
A及びBは、領域判別モード時の判別結果チャートPR3’の出力例(その2)を示す図である。
第3の実施例としての領域判別出力処理例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
第3の実施例に係る他の領域判別出力処理例を示すフローチャートである。
本発明に係る第4の実施例としての出力調整例を示すフローチャートである。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像形成体)
3Y,3M,3C,3K 画像書込部
4Y,4M,4C,4K 現像手段
6 中間転写ベルト
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(記録手段)
14 操作設定手段
15 制御手段
18 表示手段
19 通信手段
36 画像処理手段
37 画像メモリ
39 画像形成手段
48 操作パネル(表示手段+操作手段)
63 画像領域判別部(判定手段,第1の判定手段)
64 有彩色判別部(判定手段,第2の判定手段)
100 カラー画像形成装置
101 画像形成装置本体
102 原稿読取部
201 自動原稿給紙装置
202 原稿画像走査露光装置
611〜613 画像判別処理部