JP2005038926A - 除振支持装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置等を提供する。
【解決手段】露光装置の鏡筒(ボディ)30は、防振台41上に搭載されて支持されている。ボディ30のフランジ部31の上下と防振台41の突部43との間の平面内3箇所には、それぞれ空気バネ51A、51Bが介装されている。上空気バネ51A上面の平板52とボディ30のフランジ部31とは、回転節点55A、55Bを介して連結棒57で連結されている。このようなボディ30は、上下の空気バネ51A、51Bの合力により支持されるので、各空気バネ51A、51Bの容量を極端に大きくすることなく、ボディ30を平衡状態に支持できる。
【選択図】 図1
【解決手段】露光装置の鏡筒(ボディ)30は、防振台41上に搭載されて支持されている。ボディ30のフランジ部31の上下と防振台41の突部43との間の平面内3箇所には、それぞれ空気バネ51A、51Bが介装されている。上空気バネ51A上面の平板52とボディ30のフランジ部31とは、回転節点55A、55Bを介して連結棒57で連結されている。このようなボディ30は、上下の空気バネ51A、51Bの合力により支持されるので、各空気バネ51A、51Bの容量を極端に大きくすることなく、ボディ30を平衡状態に支持できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密機械等のボディを除振支持する装置、及び、そのような装置を備える露光装置に関する。特には、ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3及び図4を参照しつつ、露光装置を例に採って従来の技術を説明する。
まず、図3を参照しつつ、露光装置の典型的な機械構造例について説明する。
図3は、露光装置の機械構造例を模式的に示す図である。(A)は一体型(ウェハステージ・レチクルステージ非分離型)の構造例を示す図であり、(B)は分離型の構造例を示す図である。
図3(A)に示す露光装置の鏡筒(一体型ボディ)11は、上部11A、中間部11B、下部11Cが一体成形されているものである。ボディ中間部11Bは、ボディ上部11Aやボディ下部11Cよりも外側に張り出している。
【0003】
この一体型ボディ11は、基盤1上に立ち上げられた防振台13上に搭載されて支持されている。一体型ボディ11のボディ中間部11B下面と防振台13上面との間には、空気バネ等の弾性素子15が介装されている。この空気バネ15は、図において2つのみ描かれているが、実際には平面内の3箇所に分散配置されている。各空気バネ15は、一体型ボディ11全体を弾性支持して平衡状態を保つ役割を果たす。なお、弾性素子15は空気バネに限定されない。
【0004】
ボディ上部11Aの上端には、照明光学系鏡筒21が取り付けられている。この照明光学系鏡筒21の内部には、エネルギ線源等(図示されず)が配置されている。ボディ上部11Aの内部において、照明光学系鏡筒21の下方には、レチクルステージ装置23が配置されている。このレチクルステージ装置23の下方において、ボディ中間部11Bには、投影光学系鏡筒25が取り付けられている。この投影光学系鏡筒25の内部には、レンズあるいはミラー等(図示されず)が配置されている。この投影光学系鏡筒25の下方において、ボディ11の下部11Cには、ウェハステージ装置27が配置されている。
【0005】
一方、図3(B)に示す露光装置の鏡筒11′は、上部11A′、中間部11B′、下部11C′を備えているが、前述の一体型ボディ11とは異なり、ボディ上部11A′とボディ中間部11B′とは一体であるが、ボディ下部11C′は分離した構成となっている。分離したボディ下部11C′は、基盤1上に複数の空気バネ等の弾性素子16を介して載置されている。その他の防振台13や空気バネ15、両鏡筒21、25、両ステージ装置23、27の構成は、前述の図3(A)と同様である。
【0006】
次に、図4を参照しつつ、露光装置の除振支持装置について説明する。
図4は、従来の露光装置のボディの除振支持装置を模式的に示す図である。(A)は標準型の図であり、(B)は大型化・高重量化型の図である。
図4(A)には、標準的な形・重量のボディ100が描かれている。このボディ100の内部には、露光装置のステージ装置や光学鏡筒等の精密機械が内蔵されている。ボディ100の側面には、外側に張り出したフランジ部(ボディ中間部)101が形成されている。
【0007】
このボディ100は、空気バネ等の弾性素子103を介して、防振台105に支持されている。防振台105は、ボディ100のフランジ部101を支える支持点となる突部106を備えている。防振台105において、突部106の内側には凹部107が形成されている。ボディ100のフランジ部101よりも下側は、防振台105の凹部107内側に配置されている。
【0008】
なお、図4(A)において、防振台105の突部106と空気バネ103は2つのみ描かれているが、これらは平面内の3箇所に分散配置されている。したがって、ボディ100は、防振台105上に空気バネ103を介して3点支持されている。各空気バネ103は、ボディ100を弾性支持して、ボディ100の平衡状態を保つ役割を果たす。
【0009】
図4(A)と比較して、ボディが大型化・高重量化されたものが図4(B)である。この図4(B)に示すボディ110は、本体及びフランジ部111の幅が前述のボディ100よりも大きくなっており、且つ、重量も増えている。この場合は、当然のことながら、ボディ110を支持する空気バネ113や防振台115の荷重負担も大きくなる。
【0010】
図4(B)の防振台115は、ボディ110の大型化に対応して、突部116や凹部117が幅広に形成されている。さらに、ボディ110を弾性支持する空気バネ113は、前述の空気バネ103に比べて単体有効面積を大きくする、あるいは、内圧を大きくする(一例で5〜6kgf/cm2増)こと等により、ボディ110の大型化・高重量化に対応させている。
【0011】
【特許文献1】
(関連する自社出願等)
特開平09−236150号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の露光装置においては、径大ウェハ対応や光学系の大型化に対応するため、ステージ装置や光学系鏡筒等を内蔵するボディの大型化が顕著になっている。つまり、図4(A)の標準的なボディ100に比べて、図4(B)の大型化・高重量化されたボディ110が増えつつある。これに対し、前述の通り、例えば弾性素子103が空気バネであれば、その単体有効面積を大きくしたり、内圧を大きくしたりすること等でのみ、ボディ110の大型化・高重量化に対応させようとすると、工場内ユーティリティの対応や制御技術面で、実機への適用が困難であった。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置を提供することを目的とする。
さらに、そのような装置を備える露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明の除振支持装置は、除振支持対象物のボディを複数の支持点を介して支持する防振台と、 前記各支持点における前記ボディの上下それぞれに配置された除振素子と、を具備し、 前記除振素子の合力で前記ボディを支えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ボディが上下除振素子(空気バネやアクチュエータ等)の合力により支持される。つまり、従来の2倍の台数の除振素子を装備できる。そのため、各除振素子を極端に大型化することなく、大型化・高重量化されたボディを平衡状態に支持できる。例えば、各除振素子が空気バネの場合は、容量を大きくしたりせずに済むので、各除振素子の応答性の速さも期待できる。
【0016】
本発明の除振支持装置においては、前記各支持点における上下それぞれの除振素子の力線が同一垂直線上にあるものとすることができる。
この場合、ボディにかかるモーメントを低減できるので、一層正確にボディを平衡支持できる。
【0017】
本発明の除振支持装置においては、前記除振素子と前記ボディとが回転節点を介して接続されているものとすることができる。
この場合、回転節点によって、除振素子を3組配置した場合のボディの力学的な不静定を低減できる。
【0018】
本発明の露光装置は、感応基板にエネルギ線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするためのステージ装置や光学鏡筒等を支えるボディを備え、 該ボディが、前記請求項1〜3いずれか1項記載の除振支持装置に支えられていることを特徴とする。
なお、前記エネルギ線は特に限定されず、光、紫外線、X線(軟X線、EUV等)、電子線、イオンビーム等である。また、露光の方式は特に限定されず、縮小投影露光や等倍近接転写、描画等であってよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、露光装置の鏡筒を例に採って説明する。この除振支持装置は、前述した図3(A)の一体型ボディ11あるいは図3(B)の分離型ボディ11′のいずれにも適用することができるが、以下の説明では、図3(A)の一体型ボディ11に適用した場合について説明する。また、除振素子は空気バネを例とする。
【0020】
図1は、本発明に係る除振支持装置を適用した露光装置の鏡筒(ボディ)の機械構造例を模式的に示す図である。除振素子は空気バネを例とする。
図2は、図1の露光装置の除振支持装置を詳細に示す断面拡大図である。
図1及び図2に示す露光装置の鏡筒(ボディ)30は、図3(A)を用いて前述した一体型ボディと同様の構成を有する。このボディ30の側面には、外側に張り出したフランジ部(ボディ中間部に相当する)31が形成されている。ボディ30は、防振台41上に搭載されて支持されている。ボディ30のフランジ部31の上下と防振台41の突部43との間の平面内3箇所には、それぞれ空気バネ51A、51Bが介装されている。これら上下の空気バネ51A、51Bは、同一垂直線上に配置されている。
【0021】
図2に詳細に示すように、防振台41の突部43上からは、鉤状のボディ支持部44が立ち上がっている。このボディ支持部44は、防振台41側面に固定されて突部43上方に延びる鉛直部45と、この鉛直部45上端からボディ内側に向けて水平に延びる水平部47とを有する。防振台41の突部43とボディ支持部44の水平部47との間のスペースには、ボディ30のフランジ部31が配置される。なお、このボディ支持部44は、防振台41に固定せずに基盤1(図3参照)上に直接立ち上げてもよい。
【0022】
ボディ支持部44の水平部47の上面には、上空気バネ51Aの下端が固定されている。この上空気バネ51Aの上端には、平板52が設けられている。一方、防振台41の突部43上面とボディ30のフランジ部31下面との間には、下空気バネ51Bが介装されている。ボディ30のフランジ部31と、ボディ支持部44の水平部47には、同一垂直線上に貫通孔31a、47aがそれぞれ形成されている。これらの貫通孔31a、47a内には、連結棒57が挿通されている。
【0023】
この連結棒57の上下端部には、例えばボールジョイントのような回転節点55A、55Bが設けられている。連結棒57上端側の回転節点55Aは、上空気バネ51A内を通って平板52に接続されている。一方、連結棒57下端側の回転節点55Bは、ボディ30のフランジ部31下面側に接続されている。連結棒57により、上空気バネ51A上面の平板52とボディ30のフランジ部31とが回転節点55A、55Bを介して連結される。
【0024】
上下の空気バネ51A、51Bには、空気供給管の分岐管59A、59Bがそれぞれ接続されている。各分岐管59A、59Bの先側(上流側)は1本化されて空気源61に繋がっており、中途にはサーボ弁60が組み込まれている。このサーボ弁60は、図示せぬ制御装置に接続されており、空気源61から平面内3箇所の各空気バネ51A、51Bに供給される空気量をコントロールする。なお、各空気バネ51A、51Bへの空気圧供給系統は、独立でも共通でもよい。
【0025】
このような除振支持装置によれば、ボディ30が上下の空気バネ51A、51Bの合力により支持されるので、各空気バネ51A、51Bの容量を極端に大きくすることなく、ボディ30を平衡状態に支持できる。また、各空気バネ51A、51Bの容量を大きくせずに済むため、空気圧供給に対する応答性の速さも期待できる。
【0026】
さらに、上空気バネ51A上面の平板52とボディ30のフランジ部31とは回転節点55A、55Bを介して連結されており、上下空気バネ51A、51Bが同一力線上に配置されているので、ボディ30にかかるモーメントを低減できる。また、空気バネ51A、51Bを平面内に3組配置することに伴う、ボディ30の力学的な不静定も低減できる。
【0027】
なお、本実施の形態に係る露光装置に付随する他の構成要素、例えば、ボディの除振のためのアクチュエータや、ボディの変位を検出する変位センサ等は、本出願人と同一出願人による特開平11−150062号公報の図1に開示されているものと同様のものを用いることができる。また、本実施の形態に係る除振方式は、アクティブ方式であってもパッシブ方式であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除振支持装置を適用した露光装置の鏡筒(ボディ)の機械構造例を模式的に示す図である。
【図2】図1の露光装置の除振支持装置を詳細に示す断面拡大図である。
【図3】露光装置の機械構造例を模式的に示す図である。(A)は一体型(ウェハステージ・レチクルステージ非分離型)の構造例を示す図であり、(B)は分離型の構造例を示す図である。
【図4】従来の露光装置のボディの除振支持装置を模式的に示す図である。(A)は標準型の図であり、(B)は大型化・高重量化型の図である。
【符号の説明】
30 露光装置の鏡筒(ボディ) 31 フランジ部
41 防振台 43 突部
44 ボディ支持部
45 鉛直部 47 水平部
51A、51B 空気バネ(除振素子) 52 平板
55A、55B 回転節点 57 連結棒
59A、59B 分岐管
60 サーボ弁 61 空気源
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密機械等のボディを除振支持する装置、及び、そのような装置を備える露光装置に関する。特には、ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3及び図4を参照しつつ、露光装置を例に採って従来の技術を説明する。
まず、図3を参照しつつ、露光装置の典型的な機械構造例について説明する。
図3は、露光装置の機械構造例を模式的に示す図である。(A)は一体型(ウェハステージ・レチクルステージ非分離型)の構造例を示す図であり、(B)は分離型の構造例を示す図である。
図3(A)に示す露光装置の鏡筒(一体型ボディ)11は、上部11A、中間部11B、下部11Cが一体成形されているものである。ボディ中間部11Bは、ボディ上部11Aやボディ下部11Cよりも外側に張り出している。
【0003】
この一体型ボディ11は、基盤1上に立ち上げられた防振台13上に搭載されて支持されている。一体型ボディ11のボディ中間部11B下面と防振台13上面との間には、空気バネ等の弾性素子15が介装されている。この空気バネ15は、図において2つのみ描かれているが、実際には平面内の3箇所に分散配置されている。各空気バネ15は、一体型ボディ11全体を弾性支持して平衡状態を保つ役割を果たす。なお、弾性素子15は空気バネに限定されない。
【0004】
ボディ上部11Aの上端には、照明光学系鏡筒21が取り付けられている。この照明光学系鏡筒21の内部には、エネルギ線源等(図示されず)が配置されている。ボディ上部11Aの内部において、照明光学系鏡筒21の下方には、レチクルステージ装置23が配置されている。このレチクルステージ装置23の下方において、ボディ中間部11Bには、投影光学系鏡筒25が取り付けられている。この投影光学系鏡筒25の内部には、レンズあるいはミラー等(図示されず)が配置されている。この投影光学系鏡筒25の下方において、ボディ11の下部11Cには、ウェハステージ装置27が配置されている。
【0005】
一方、図3(B)に示す露光装置の鏡筒11′は、上部11A′、中間部11B′、下部11C′を備えているが、前述の一体型ボディ11とは異なり、ボディ上部11A′とボディ中間部11B′とは一体であるが、ボディ下部11C′は分離した構成となっている。分離したボディ下部11C′は、基盤1上に複数の空気バネ等の弾性素子16を介して載置されている。その他の防振台13や空気バネ15、両鏡筒21、25、両ステージ装置23、27の構成は、前述の図3(A)と同様である。
【0006】
次に、図4を参照しつつ、露光装置の除振支持装置について説明する。
図4は、従来の露光装置のボディの除振支持装置を模式的に示す図である。(A)は標準型の図であり、(B)は大型化・高重量化型の図である。
図4(A)には、標準的な形・重量のボディ100が描かれている。このボディ100の内部には、露光装置のステージ装置や光学鏡筒等の精密機械が内蔵されている。ボディ100の側面には、外側に張り出したフランジ部(ボディ中間部)101が形成されている。
【0007】
このボディ100は、空気バネ等の弾性素子103を介して、防振台105に支持されている。防振台105は、ボディ100のフランジ部101を支える支持点となる突部106を備えている。防振台105において、突部106の内側には凹部107が形成されている。ボディ100のフランジ部101よりも下側は、防振台105の凹部107内側に配置されている。
【0008】
なお、図4(A)において、防振台105の突部106と空気バネ103は2つのみ描かれているが、これらは平面内の3箇所に分散配置されている。したがって、ボディ100は、防振台105上に空気バネ103を介して3点支持されている。各空気バネ103は、ボディ100を弾性支持して、ボディ100の平衡状態を保つ役割を果たす。
【0009】
図4(A)と比較して、ボディが大型化・高重量化されたものが図4(B)である。この図4(B)に示すボディ110は、本体及びフランジ部111の幅が前述のボディ100よりも大きくなっており、且つ、重量も増えている。この場合は、当然のことながら、ボディ110を支持する空気バネ113や防振台115の荷重負担も大きくなる。
【0010】
図4(B)の防振台115は、ボディ110の大型化に対応して、突部116や凹部117が幅広に形成されている。さらに、ボディ110を弾性支持する空気バネ113は、前述の空気バネ103に比べて単体有効面積を大きくする、あるいは、内圧を大きくする(一例で5〜6kgf/cm2増)こと等により、ボディ110の大型化・高重量化に対応させている。
【0011】
【特許文献1】
(関連する自社出願等)
特開平09−236150号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の露光装置においては、径大ウェハ対応や光学系の大型化に対応するため、ステージ装置や光学系鏡筒等を内蔵するボディの大型化が顕著になっている。つまり、図4(A)の標準的なボディ100に比べて、図4(B)の大型化・高重量化されたボディ110が増えつつある。これに対し、前述の通り、例えば弾性素子103が空気バネであれば、その単体有効面積を大きくしたり、内圧を大きくしたりすること等でのみ、ボディ110の大型化・高重量化に対応させようとすると、工場内ユーティリティの対応や制御技術面で、実機への適用が困難であった。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置を提供することを目的とする。
さらに、そのような装置を備える露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明の除振支持装置は、除振支持対象物のボディを複数の支持点を介して支持する防振台と、 前記各支持点における前記ボディの上下それぞれに配置された除振素子と、を具備し、 前記除振素子の合力で前記ボディを支えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ボディが上下除振素子(空気バネやアクチュエータ等)の合力により支持される。つまり、従来の2倍の台数の除振素子を装備できる。そのため、各除振素子を極端に大型化することなく、大型化・高重量化されたボディを平衡状態に支持できる。例えば、各除振素子が空気バネの場合は、容量を大きくしたりせずに済むので、各除振素子の応答性の速さも期待できる。
【0016】
本発明の除振支持装置においては、前記各支持点における上下それぞれの除振素子の力線が同一垂直線上にあるものとすることができる。
この場合、ボディにかかるモーメントを低減できるので、一層正確にボディを平衡支持できる。
【0017】
本発明の除振支持装置においては、前記除振素子と前記ボディとが回転節点を介して接続されているものとすることができる。
この場合、回転節点によって、除振素子を3組配置した場合のボディの力学的な不静定を低減できる。
【0018】
本発明の露光装置は、感応基板にエネルギ線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするためのステージ装置や光学鏡筒等を支えるボディを備え、 該ボディが、前記請求項1〜3いずれか1項記載の除振支持装置に支えられていることを特徴とする。
なお、前記エネルギ線は特に限定されず、光、紫外線、X線(軟X線、EUV等)、電子線、イオンビーム等である。また、露光の方式は特に限定されず、縮小投影露光や等倍近接転写、描画等であってよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態では、露光装置の鏡筒を例に採って説明する。この除振支持装置は、前述した図3(A)の一体型ボディ11あるいは図3(B)の分離型ボディ11′のいずれにも適用することができるが、以下の説明では、図3(A)の一体型ボディ11に適用した場合について説明する。また、除振素子は空気バネを例とする。
【0020】
図1は、本発明に係る除振支持装置を適用した露光装置の鏡筒(ボディ)の機械構造例を模式的に示す図である。除振素子は空気バネを例とする。
図2は、図1の露光装置の除振支持装置を詳細に示す断面拡大図である。
図1及び図2に示す露光装置の鏡筒(ボディ)30は、図3(A)を用いて前述した一体型ボディと同様の構成を有する。このボディ30の側面には、外側に張り出したフランジ部(ボディ中間部に相当する)31が形成されている。ボディ30は、防振台41上に搭載されて支持されている。ボディ30のフランジ部31の上下と防振台41の突部43との間の平面内3箇所には、それぞれ空気バネ51A、51Bが介装されている。これら上下の空気バネ51A、51Bは、同一垂直線上に配置されている。
【0021】
図2に詳細に示すように、防振台41の突部43上からは、鉤状のボディ支持部44が立ち上がっている。このボディ支持部44は、防振台41側面に固定されて突部43上方に延びる鉛直部45と、この鉛直部45上端からボディ内側に向けて水平に延びる水平部47とを有する。防振台41の突部43とボディ支持部44の水平部47との間のスペースには、ボディ30のフランジ部31が配置される。なお、このボディ支持部44は、防振台41に固定せずに基盤1(図3参照)上に直接立ち上げてもよい。
【0022】
ボディ支持部44の水平部47の上面には、上空気バネ51Aの下端が固定されている。この上空気バネ51Aの上端には、平板52が設けられている。一方、防振台41の突部43上面とボディ30のフランジ部31下面との間には、下空気バネ51Bが介装されている。ボディ30のフランジ部31と、ボディ支持部44の水平部47には、同一垂直線上に貫通孔31a、47aがそれぞれ形成されている。これらの貫通孔31a、47a内には、連結棒57が挿通されている。
【0023】
この連結棒57の上下端部には、例えばボールジョイントのような回転節点55A、55Bが設けられている。連結棒57上端側の回転節点55Aは、上空気バネ51A内を通って平板52に接続されている。一方、連結棒57下端側の回転節点55Bは、ボディ30のフランジ部31下面側に接続されている。連結棒57により、上空気バネ51A上面の平板52とボディ30のフランジ部31とが回転節点55A、55Bを介して連結される。
【0024】
上下の空気バネ51A、51Bには、空気供給管の分岐管59A、59Bがそれぞれ接続されている。各分岐管59A、59Bの先側(上流側)は1本化されて空気源61に繋がっており、中途にはサーボ弁60が組み込まれている。このサーボ弁60は、図示せぬ制御装置に接続されており、空気源61から平面内3箇所の各空気バネ51A、51Bに供給される空気量をコントロールする。なお、各空気バネ51A、51Bへの空気圧供給系統は、独立でも共通でもよい。
【0025】
このような除振支持装置によれば、ボディ30が上下の空気バネ51A、51Bの合力により支持されるので、各空気バネ51A、51Bの容量を極端に大きくすることなく、ボディ30を平衡状態に支持できる。また、各空気バネ51A、51Bの容量を大きくせずに済むため、空気圧供給に対する応答性の速さも期待できる。
【0026】
さらに、上空気バネ51A上面の平板52とボディ30のフランジ部31とは回転節点55A、55Bを介して連結されており、上下空気バネ51A、51Bが同一力線上に配置されているので、ボディ30にかかるモーメントを低減できる。また、空気バネ51A、51Bを平面内に3組配置することに伴う、ボディ30の力学的な不静定も低減できる。
【0027】
なお、本実施の形態に係る露光装置に付随する他の構成要素、例えば、ボディの除振のためのアクチュエータや、ボディの変位を検出する変位センサ等は、本出願人と同一出願人による特開平11−150062号公報の図1に開示されているものと同様のものを用いることができる。また、本実施の形態に係る除振方式は、アクティブ方式であってもパッシブ方式であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ボディの大型化・高重量化に容易に対応できる、あるいは、ボディの平衡状態維持の制御性を向上できる等の利点を有する除振支持装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除振支持装置を適用した露光装置の鏡筒(ボディ)の機械構造例を模式的に示す図である。
【図2】図1の露光装置の除振支持装置を詳細に示す断面拡大図である。
【図3】露光装置の機械構造例を模式的に示す図である。(A)は一体型(ウェハステージ・レチクルステージ非分離型)の構造例を示す図であり、(B)は分離型の構造例を示す図である。
【図4】従来の露光装置のボディの除振支持装置を模式的に示す図である。(A)は標準型の図であり、(B)は大型化・高重量化型の図である。
【符号の説明】
30 露光装置の鏡筒(ボディ) 31 フランジ部
41 防振台 43 突部
44 ボディ支持部
45 鉛直部 47 水平部
51A、51B 空気バネ(除振素子) 52 平板
55A、55B 回転節点 57 連結棒
59A、59B 分岐管
60 サーボ弁 61 空気源
Claims (4)
- 除振支持対象物のボディを複数の支持点を介して支持する防振台と、
前記各支持点における前記ボディの上下それぞれに配置された除振素子と、
を具備し、
前記除振素子の合力で前記ボディを支えることを特徴とする除振支持装置。 - 前記各支持点における上下それぞれの除振素子の力線が同一垂直線上にあることを特徴とする請求項1記載の除振支持装置。
- 前記除振素子と前記ボディとが回転節点を介して接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の除振支持装置。
- 感応基板にエネルギ線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、
前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするためのステージ装置や光学鏡筒等を支えるボディを備え、
該ボディが、前記請求項1〜3いずれか1項記載の除振支持装置に支えられていることを特徴とする露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197835A JP2005038926A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 除振支持装置及び露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197835A JP2005038926A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 除振支持装置及び露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005038926A true JP2005038926A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=34207839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003197835A Pending JP2005038926A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 除振支持装置及び露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005038926A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103820978A (zh) * | 2014-03-18 | 2014-05-28 | 湖州润源丝织有限公司 | 一种平衡式织物脱水结构 |
-
2003
- 2003-07-16 JP JP2003197835A patent/JP2005038926A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103820978A (zh) * | 2014-03-18 | 2014-05-28 | 湖州润源丝织有限公司 | 一种平衡式织物脱水结构 |
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