JP2005038470A - 駆動信号生成方法、光源駆動装置及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】情報記録の記録品質を維持しつつ、装置の小型化、低コスト化を可能とする駆動信号生成方法を提供する。
【解決手段】光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、データに対応した書き込み信号から生成される複数の変調信号(Mod0〜2)は所定の符号化規則に従って、前記複数の変調信号より少ない信号数の符号化変調信号(S0,S1)に符号化され(第1工程)、符号化された符号化変調信号は所定の伝送路により伝送された後に、前記複数の変調信号に復号される(第2工程)。この場合に、複数の変調信号は符号化されることにより、複数の変調信号より少ない信号数の符号化変調信号として所定の伝送路により伝送されるため、該伝送路の小型化が可能となる。
【選択図】 図3
【解決手段】光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、データに対応した書き込み信号から生成される複数の変調信号(Mod0〜2)は所定の符号化規則に従って、前記複数の変調信号より少ない信号数の符号化変調信号(S0,S1)に符号化され(第1工程)、符号化された符号化変調信号は所定の伝送路により伝送された後に、前記複数の変調信号に復号される(第2工程)。この場合に、複数の変調信号は符号化されることにより、複数の変調信号より少ない信号数の符号化変調信号として所定の伝送路により伝送されるため、該伝送路の小型化が可能となる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動信号生成方法、光源駆動装置及び光ディスク装置に係り、更に詳しくは、レーザ光を発光する光源の駆動信号を生成する駆動信号生成方法、レーザ光を発光する光源を駆動する光源駆動装置、及び該光源駆動装置を備える光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル技術の進歩、及びデータ圧縮技術の向上に伴い、音楽、映画、写真及びコンピュータソフトなどの情報(以下「コンテンツ」ともいう)を記録するための情報記録媒体としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、光ディスクを情報の記録及び再生を含むアクセスの対象媒体とする光ディスク装置が普及するようになった。
【0003】
光ディスク装置は、光ディスクのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光の微小スポットを形成することにより情報の記録及び消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そこで、光ディスク装置には、光ディスクの記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置が搭載されている。
【0004】
光ピックアップ装置は通常、駆動信号に応じた発光パワーでレーザ光を出射する光源、変調信号に基づいて駆動信号を生成し、光源を駆動する光源駆動部、光源から出射されるレーザ光を光ディスクの記録面に導くとともに、記録面で反射されたレーザ光を所定の受光位置まで導く光学系、及びその受光位置に配置された光検出器などを備えている。
【0005】
光ディスクでは、互いに反射率の異なるマーク領域及びスペース領域のそれぞれの長さとそれらの組み合わせとによって情報が記録される。そこで、光ディスクに情報を記録する際には所定位置にマーク領域及びスペース領域がそれぞれ形成されるようにレーザ光の発光パワーが制御される。
【0006】
記録面に有機色素を含むCD−R(CD−recordable)、DVD−R(DVD−recordable)及びDVD+R(DVD+recordable)などの追記型の光ディスクでは、マーク領域を形成するときには発光パワーを大きくして色素を加熱及び溶解し、そこに接しているディスク基板部分を変質・変形させている。一方、スペース領域を形成するときにはディスク基板が変質・変形しないように発光パワーを再生時と同程度に小さくしている。これにより、マーク領域ではスペース領域よりも反射率が低くなる。このような発光パワーの制御方式は、単パルス記録方式とも呼ばれている。
【0007】
また、記録面に特殊合金を含むCD−RW(CD−rewritable)、DVD−RW(DVD−rewritable)、及びDVD+RW(DVD+rewritable)などの書き換え可能な光ディスクでは、マーク領域を形成する時には、特殊合金を第1の温度に加熱したのち急冷し、アモルファス(非晶質)状態にしている。一方、スペース領域を形成する時には、特殊合金を第2の温度(<第1の温度)に加熱したのち徐冷し、結晶状態にしている。これにより、マーク領域ではスペース領域よりも反射率が低くなる。このような特殊合金の温度制御はレーザ光の発光パワーを制御することによって行なわれる。なお、蓄熱の影響を除去するために、マーク領域を形成するときの発光パワーを複数のパルスに分割(マルチパルス化)することが行なわれている。このような発光パワーの制御方式はマルチパルス記録方式とも呼ばれている。マルチパルス化された発光パワーの最大値はライトパワー、最小値はボトムパワーとも呼ばれている。また、スペース領域を形成するときの発光パワーはイレーズパワー(ライトパワー>イレーズパワー>ボトムパワー)とも呼ばれている。
【0008】
例えばノート型のパーソナルコンピュータに内蔵される光ディスク装置では、光ディスクの出し入れに伴って光ピックアップ装置が移動することや、レイアウト上の制約などにより、光ピックアップ装置と信号処理用の回路基板との間の信号ケーブルの長さが例えばデスクトップ型のパソコンに内蔵される光ディスク装置の場合に比べて長くなる場合がある。信号ケーブルが長くなると、例えば信号処理用の回路基板から光源駆動部に出力される変調信号に波形の歪、信号間の遅延差(スキュー)など(以下、便宜上、総称して「信号劣化」ともいう)が生じ、駆動信号に悪影響を及ぼすおそれがあった。そこで、変調信号の信号劣化を補正する装置が種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−283249号公報
【特許文献2】
特開平11−219524号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パソコンなどの情報機器の小型化、低価格化が進み、それに伴って光ディスク装置に対しても、小型化、低コスト化の要求が高まっている。しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されている装置では、記録品質を維持しつつ、装置の小型化、低コスト化を実現することは困難であった。
【0011】
また、最近では発振波長が約405nmの半導体レーザ(青色レーザ)を用いた光ディスク装置の開発が精力的に行なわれている。この光ディスク装置では、CDや従来のDVDにも対応する必要があるため、さらなる小型化への要求が予想される。
【0012】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化、低コスト化を可能とする駆動信号生成方法及び光源駆動装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、前記光源を駆動する光源駆動装置において、前記データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号に基づいて前記光源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成方法であって、前記複数の変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化することにより、前記複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号を生成し、所定の伝送路に出力する第1工程と;前記伝送路を介した前記符号化変調信号を前記複数の変調信号に復号する第2工程と;前記復号された複数の変調信号に基づいて前記駆動信号を生成する第3工程と;を含む駆動信号生成方法である。
【0015】
これによれば、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、該データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号は所定の符号化規則にしたがって符号化され、複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号が生成される。ここで生成された符号化変調信号は所定の伝送路に出力される(第1工程)。そして、伝送路を介した符号化変調信号は複数の変調信号に復号され(第2工程)、この復号された複数の変調信号に基づいて光源の駆動信号が生成される(第3工程)。従って、回路構成を複雑化することなく、伝送路における信号線の本数を従来よりも減らすことが可能となり、その結果として光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、前記データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、前記複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号を生成する符号化信号生成手段と;前記符号化変調信号を前記複数の変調信号に復号する復号手段と;前記符号化信号生成手段で生成された前記符号化変調信号を前記復号手段に伝送するための信号伝送媒体と;前記復号された前記変調信号に基づいて前記光源の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と;を備える光源駆動装置である。
【0017】
これによれば、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、該データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号は、符号化信号生成手段により所定の符号化規則にしたがって符号化され、複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号となる。この符号化変調信号は信号伝送媒体を介して復号手段に供給され、復号手段により複数の変調信号に復号される。そして、この復号された複数の変調信号に基づいて駆動信号生成手段により光源の駆動信号が生成される。従って、回路構成を複雑化することなく、信号伝送媒体における信号線の本数を従来よりも減らすことが可能となり、その結果として光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0018】
この場合において、請求項3に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号の信号遅延を補正する遅延補正手段を更に備えることとすることができる。
【0019】
この場合において、請求項4に記載の光源駆動装置の如く、前記遅延補正手段は、前記符号化信号生成手段で符号化される前の前記複数の変調信号の少なくとも1つの変調信号の位相を前記信号遅延に応じて調整することにより、前記信号遅延を補正することとすることができる。
【0020】
上記請求項3に記載の光源駆動装置において、請求項5に記載の光源駆動装置の如く、前記遅延補正手段は、前記符号化変調信号の位相を前記信号遅延に応じて調整することにより、前記信号遅延を補正することとすることができる。
【0021】
上記請求項3〜5に記載の各光源駆動装置において、請求項6に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号の信号遅延を検出する信号遅延検出手段を更に備えることとすることができる。
【0022】
この場合において、請求項7に記載の光源駆動装置の如く、前記信号遅延検出手段は、前記復号手段で復号された前記複数の変調信号のパルス形状に基づいて前記信号遅延を検出することとすることができる。
【0023】
上記請求項6に記載の光源駆動装置において、請求項8に記載の光源駆動装置の如く、前記信号遅延検出手段は、前記光源から発光されたレーザ光の光量に関する情報を含むモニタ信号に基づいて前記信号遅延を検出することとすることができる。
【0024】
上記請求項2〜8に記載の各光源駆動装置において、請求項9に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号のパルス幅変動を補正するパルス幅変動補正手段を更に備えることとすることができる。
【0025】
この場合において、請求項10に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動補正手段は、前記符号化信号生成手段で符号化される前の前記複数の変調信号の少なくとも1つの変調信号のパルス幅を前記パルス幅変動に応じて調整することにより、前記パルス幅変動を補正することとすることができる。
【0026】
上記請求項9に記載の光源駆動装置において、請求項11に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動補正手段は、前記符号化変調信号のパルス幅を前記パルス幅変動に応じて調整することにより、前記パルス幅変動を補正することとすることができる。
【0027】
上記請求項9〜11に記載の各光源駆動装置において、請求項12に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号のパルス幅変動を検出するパルス幅変動検出手段を更に備えることとすることができる。
【0028】
この場合において、請求項13に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動検出手段は、前記復号手段で復号された前記複数の変調信号のパルス幅に基づいて前記パルス幅変動を検出することとすることができる。
【0029】
上記請求項12に記載の光源駆動装置において、請求項14に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動検出手段は、前記光源から発光されたレーザ光の光量に関す情報を含むモニタ信号に基づいて前記パルス幅変動を検出することとすることができる。
【0030】
請求項15に記載の発明は、光ディスクに対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう光ディスク装置であって、光源と;前記光源から射出される光束を前記光ディスクの記録面に集光するとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光装置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;前記光源を駆動する請求項2〜14いずれか一項に記載の光源駆動装置と;前記光源駆動装置を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0031】
これによれば、請求項2〜14のいずれか一項に記載の光源駆動装置を備えているために、結果として大型化及び高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行うことが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0033】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、変調信号生成回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40、及びRAM41などを備えている。なお、図1における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、光ディスク装置20は、DVD系の規格に準拠した情報記録媒体に対応可能であるものとする。
【0034】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0035】
前記再生信号処理回路28は、図2に示されるように、I/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、及びデコーダ28eなどから構成されている。
【0036】
I/Vアンプ28aは、光ピックアップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。サーボ信号検出回路28bは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてサーボ信号(フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号など)を検出する。
【0037】
ウォブル信号検出回路28cは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてウォブル信号を検出する。RF信号検出回路28dは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてRF信号を検出する。
【0038】
デコーダ28eは、ウォブル信号検出回路28cで検出されたウォブル信号から、アドレス情報、回転同期信号及び記録クロック信号などを抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、回転同期信号はサーボコントローラ33に出力され、記録クロック信号はエンコーダ25に出力される。また、デコーダ28eは、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号に対して復号処理及び誤り検出処理等を行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。
【0039】
図1に戻り、前記サーボコントローラ33は、サーボ信号検出回路28bからのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するためのフォーカス制御信号を生成する。また、サーボコントローラ33は、サーボ信号検出回路28bからのトラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するためのトラッキング制御信号を生成する。さらに、サーボコントローラ33は、デコーダ28eからの回転同期信号に基づいて回転速度のずれを補正するための回転制御信号を生成する。ここで生成された各制御信号は、モータドライバ27に出力される。
【0040】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からのフォーカス制御信号、トラッキング制御信号及びCPU40の指示に基づいて、後述する光ピックアップ装置23の駆動系を駆動する。すなわち、サーボ信号検出回路28b、サーボコントローラ33及びモータドライバ27によってトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの回転制御信号に基づいてスピンドルモータ22を駆動する。
【0041】
前記バッファRAM34は、光ディスクに記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスクから再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納されるバッファ領域と、各種プログラム変数などが格納される変数領域とを有している。
【0042】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理する。そして、バッファ領域に蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU40に通知する。
【0043】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34のバッファ領域に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、所定のデータ変調処理及びエラー訂正コードの付加処理などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号は前記記録クロック信号とともに変調信号生成回路24に出力される。
【0044】
前記変調信号生成回路24は、CPU40及びエンコーダ25からの各種信号に基づいて、光ディスク15に照射されるレーザ光の発光パワーを制御するための符号化変調信号を生成し、信号伝送媒体としてのフレキシブルケーブルFCを介して光ピックアップ装置23に出力する。
【0045】
この変調信号生成回路24は、図3に示されるように、制御部240、クロック信号生成部241、ランレングス検出部242、波形生成部243、RAM244、タイミング信号生成部245、符号化信号生成手段としての変調信号生成・符号化部246、遅延調整部247、遅延制御部248、テスト波形生成部249、及びRAM250などを備えている。なお、図3における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0046】
制御部240は、CPU40及びエンコーダ25からの各種信号を解析し、その内容に応じて上記各部を制御する。
【0047】
クロック信号生成部241は、一例として図4に示されるように、M分周器231a、位相比較器231b、ループフィルタ231c、VCO(Voltaga Controlled Oscillator)231d、N分周器231e、及びN/M分周器231fなどを有している。M分周器231aは、記録クロック信号WckをM(例えばM=2あるいはM=4)分周する。これによりノイズを低減することができる。位相比較器231bは、M分周器231aから出力される信号の位相とN分周器231eから出力される信号の位相とを比較し、その比較結果を出力する。ループフィルタ231cは、位相比較器231bの出力信号に含まれるノイズ、すなわち高周波成分を除去する。VCO231dは、ループフィルタ231cの出力信号に応じて、所定量ずつ互いに位相の異なるm個のクロックを生成する。一例として図5には、m=8の場合にVCO231dで生成される8個のクロック(CLK0〜CLK7)が示されている。ここで生成された各クロックは変調信号生成・符号化部246に出力される。VCO231dで生成されたm個のクロックのうち特定のクロックPCK(例えばCLK0)はN分周器231eに出力される。なお、このVCO231dは例えばリングオシレータを含む回路で容易に実現することができる。N分周器231eは、VCO231dからのクロックPCK(ここではCLK0)をN分周し、位相比較器231bに出力する。すなわち、記録クロック信号Wckに対するクロックPCKの逓倍数nはN/Mとなる。N/M分周器231fは、VCO231dからのクロックPCKをN/M分周し、記録チャネルクロックCLKを生成する。ここで生成された記録チャネルクロックCLKは前記各部に供給される。
【0048】
図3に戻り、ランレングス検出部242は、書き込み信号Wdata及び記録チャネルクロックCLKに基づいて、マーク領域の長さ(以下「マーク長」ともいう)及びスペース領域の長さ(以下「スペース長」ともいう)を検出する。ここでは、一例としてマーク長に関する情報を含む信号Slen0、該マーク領域の直前のスペース長に関する情報を含む信号Slen1、及び該マーク領域の直後のスペース長に関する情報を含む信号Slen2が、検出結果として波形生成部243に出力される。また、ランレングス検出部242は、検出に要する時間及びランレングス検出部242での信号遅延を考慮して、書き込み信号Wdataを所定時間遅延させ、書き込み信号dWdataとしてタイミング信号生成部245及び変調信号生成・符号化部246に出力する。
【0049】
タイミング信号生成部245は、信号dWdataに基づいてマーク領域及びスペース領域のタイミング信号Sshを生成する。ここで生成されたタイミング信号Sshは、光ピックアップ装置23に出力される。
【0050】
RAM244には、光ディスクの種類毎に、マーク長、直前のスペース長、及び直後のスペース長に応じた最適な記録ストラテジ情報が格納されている。具体的には、先頭の加熱パルスの遅延時間、先頭の加熱パルス(先頭加熱パルス)のパルス幅、中間の加熱パルス(中間加熱パルス)のパルス幅、最終の加熱パルス(最終加熱パルス)のパルス幅、中間の冷却パルス(中間冷却パルス)のパルス幅、最終の中間冷却パルス(最終中間冷却パルス)のパルス幅、最終の冷却パルス(最終冷却パルス)のパルス幅、中間加熱パルスのパルス数などが格納されている。
【0051】
波形生成部243は、ランレングス検出部242からの各信号(Slen0,Slen1,Slen2)に応じて、RAM244に格納されている記録ストラテジ情報を参照し、最適なパルス形状に関する情報を含む波形情報信号を生成する。ここでは、一例として図6に示されるように、書き込み信号Wdataにおけるマーク領域Mに対応する発光パワーが、4つの加熱パルス(HP1,HP2,HP3,HP4)と4つの冷却パルス(CP1,CP2,CP3,CP4)とから構成されるようにマルチパルス化されるものとする。Tssは最初の加熱パルスHP1の遅延時間である。Tspは先頭加熱パルスである加熱パルスHP1のパルス幅、Tmpは中間加熱パルスである加熱パルスHP2及び加熱パルスHP3のパルス幅、Tlpは最終加熱パルスである加熱パルスHP4のパルス幅である。Tmsは中間冷却パルスである冷却パルスCP1及び冷却パルスCP2のパルス幅、Tlsは最終中間冷却パルスである冷却パルスCP3のパルス幅、Tesは最終冷却パルスである冷却パルスCP4のパルス幅である。ここで生成された波形情報信号は変調信号生成・符号化部246に出力される。
【0052】
図3に戻り、変調信号生成・符号化部246は、クロック信号生成部241からの所定量ずつ互いに位相の異なるm個のクロック(ここでは、CLK0〜CLK7)、ランレングス検出部242にて遅延された書き込み信号dWdata、及び波形生成部243からの波形情報信号に基づいて、符号化変調信号S0及びS1を生成する。ここでは、一例として図6に示されるように、符号化変調信号S0は、書き込み信号dWdataが0(ローレベル)から1(ハイレベル)に変化した後、時間Tss+Tspが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tmsが経過すると0から1に変化し、さらに時間Tmpが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tmsが経過すると0から1に変化し、さらに時間Tmpが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tlsが経過すると0から1に変化し、さらに時間Tlpが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tesが経過すると0から1に変化している。符号化変調信号S1は、書き込み信号dWdataが0から1に変化した後、時間Tssが経過すると0から1に変化し、さらに時間Temp−Tssが経過すると1から0に変化している。ここで生成された各符号化変調信号は、それぞれ遅延調整部247に出力される。なお、ここでは、Tempは(Tss+Tsp+2・Tms+2・Tmp+Tls+Tlp+Tes)である。
【0053】
変調信号生成・符号化部246における各符号化変調信号の設定分解能は、記録チャネルクロックCLKの1/(m・n)に相当する時間である。なお、mは前記クロック信号生成部241において生成される互いに位相が異なるクロックの数であり、nは記録クロック信号Wckに対するクロックPCKの前記逓倍数である。
【0054】
遅延制御部248は、CPU40からの遅延情報取得要求に応じて、遅延調整部247から出力された符号化変調信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23における遅延情報を取得し、RAM250に格納する。また、遅延制御部248は、記録に際して、RAM250に格納されている遅延情報に基づいて、変調信号生成・符号化部246から出力される符号化変調信号S0を調整するための遅延設定信号Dly0、及び符号化変調信号S1を調整するための遅延設定信号Dly1を生成する。ここで生成された各遅延設定信号は、それぞれ遅延調整部247に出力される。
【0055】
遅延調整部247は、各遅延設定信号に応じて各符号化変調信号を調整する。この遅延調整部247は、一例として図7に示されるように、符号化変調信号S0を調整する遅延調整回路K0と、符号化変調信号S1を調整する遅延調整回路K1などを備えている。
【0056】
遅延調整回路K0は、符号化変調信号S0を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D01〜D0n)と、遅延制御部248からの遅延設定信号Dly0に基づいて、符号化変調信号S0及び各遅延回路の出力信号(S01〜S0n)のうちのいずれかを選択するセレクタSEL1とを含んでいる。セレクタSEL1の出力信号dS0は光ピックアップ装置23に出力される。図8(A)には、一例としてn=7の場合が示されている。この場合には、遅延設定信号Dly0は3つの信号(L00,L01,L02)で構成されることとなる。そして、(L00=0,L01=0,L02=0)のときは符号化変調信号S0が選択され、(L00=0,L01=0,L02=1)のときは遅延回路D01の出力信号S01が選択され、(L00=0,L01=1,L02=0)のときは遅延回路D02の出力信号S02が選択され、(L00=1,L01=0,L02=0)のときは遅延回路D03の出力信号S03が選択され、(L00=0,L01=1,L02=1)のときは遅延回路D04の出力信号S04が選択され、(L00=1,L01=0,L02=1)のときは遅延回路D05の出力信号S05が選択され、(L00=1,L01=1,L02=0)のときは遅延回路D06の出力信号S06が選択され、(L00=1,L01=1,L02=1)のときは遅延回路D07の出力信号S07が選択される。
【0057】
遅延調整回路K1は、符号化変調信号S1を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D11〜D1n)と、遅延制御部248からの遅延設定信号Dly1に基づいて、符号化変調信号S1及び各遅延回路の出力信号(S11〜S1n)のうちのいずれかを選択するセレクタSEL2とを含んでいる。セレクタSEL2の出力信号dS1は光ピックアップ装置23に出力される。図8(B)には、一例としてn=7の場合が示されている。この場合には、遅延設定信号Dly1は3つの信号(L10,L11,L12)で構成されることとなる。そして、(L10=0,L11=0,L12=0)のときは符号化変調信号S1が選択され、(L10=0,L11=0,L12=1)のときは遅延回路D11の出力信号S11が選択され、(L10=0,L11=1,L12=0)のときは遅延回路D12の出力信号S12が選択され、(L10=1,L11=0,L12=0)のときは遅延回路D13の出力信号S13が選択され、(L10=0,L11=1,L12=1)のときは遅延回路D14の出力信号S14が選択され、(L10=1,L11=0,L12=1)のときは遅延回路D15の出力信号S15が選択され、(L10=1,L11=1,L12=0)のときは遅延回路D16の出力信号S16が選択され、(L10=1,L11=1,L12=1)のときは遅延回路D17の出力信号S17が選択される。
【0058】
なお、上記各遅延回路はそれぞれほぼ同等の信号遅延特性を有している。また、以下では、1つの遅延回路での遅延時間を1ステップともいう。
【0059】
テスト波形生成部249は、CPU40からの遅延情報取得要求に応じて、所定のテスト用波形情報信号を生成する。ここで生成されたテスト用波形情報信号は、変調信号生成・符号化部246に出力される。
【0060】
図1に戻り、前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、一例としてATAPI(AT Attachment Packet Interface)の規格に準拠している。
【0061】
前記フラッシュメモリ39は、プログラム領域及びデータ領域を含んで構成されている。このフラッシュメモリ39は不揮発性メモリであり、電源供給が停止されても格納されている内容は保持される。
【0062】
フラッシュメモリ39のプログラム領域には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。
【0063】
フラッシュメモリ39のデータ領域には、記録条件、及び光ピックアップ装置23のシーク動作に関する情報(以下「シーク情報」ともいう)などが格納されている。
【0064】
前記CPU40は、フラッシュメモリ39のプログラム領域に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34の変数領域に格納する。
【0065】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について説明する。
【0066】
光ピックアップ装置23は、一例として図9に示されるように、LD駆動回路LDD、光源ユニット51、コリメートレンズ52、ビームスプリッタ54、対物レンズ60、2つの検出レンズ(58,72)、2つの受光器(59,73)、反射ミラー71、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))などを備えている。
【0067】
光源ユニット51は、波長が660nmのレーザ光を発光する光源としての半導体レーザLDを含んで構成されている。なお、本実施形態では、光源ユニット51から出射されるレーザ光の光束(以下、「光束」と略述する)の最大強度出射方向を+X方向とする。
【0068】
コリメートレンズ52は、光源ユニット51の+X側に配置され、光源ユニット51から出射された光束を略平行光とする。
【0069】
反射ミラー71は、コリメートレンズ52の近傍に配置され、光源ユニット51から出射された光束の一部をモニタ用光束として−Z方向に反射する。
【0070】
ビームスプリッタ54は、コリメートレンズ52の+X側に配置され、コリメートレンズ52からの光束をそのまま透過させ、光ディスク15で反射した光束(戻り光束)を−Z方向に分岐する。
【0071】
対物レンズ60は、ビームスプリッタ54の+X側に配置され、ビームスプリッタ54を透過した光束を光ディスク15の記録面に集光する。
【0072】
検出レンズ58は、ビームスプリッタ54の−Z側に配置され、ビームスプリッタ54で−Z方向に分岐された戻り光束を光検出器としての受光器59の受光面に集光する。受光器59は、通常の光ディスク装置と同様に、ウォブル信号情報、再生データ情報、フォーカスエラー情報及びトラックエラー情報などを含む信号を出力する複数の受光素子を含んで構成されている。各受光素子はそれぞれ光電変換により受光量に応じた電流信号を生成し再生信号処理回路28に出力する。
【0073】
検出レンズ72は、反射ミラー71の−Z側に配置され、反射ミラー71で−Z方向に反射されたモニタ用光束を受光器73の受光面に集光する。受光器73としては通常の受光素子が用いられる。受光器73は、光電変換により受光量に応じた電流信号を生成し、パワーモニタ信号としてLD駆動回路LDDに出力する。
【0074】
LD駆動回路LDDは、図10に示されるように、制御部260、照射レベル設定部262、復号手段としての復号部263、信号遅延検出手段としての遅延検出部264、LD制御部265、駆動信号生成手段としての変調部266、加算部267、増幅部268、及び切り替えスイッチSWなどを備えている。なお、図10における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0075】
制御部260は、CPU40、変調信号生成回路24及び受光器73からの各種信号を解析し、その内容に応じて上記各部を制御する。
【0076】
照射レベル設定部262は、CPU40の指示に基づいて、ボトムパワーPb、リードパワーPr、イレーズパワーPe及びライトパワーPwを設定し、一例として図11に示されるように、半導体レーザLDのI−L特性における閾値電流Ith及び微分量子効率(微分効率)に基づいて、ボトムパワーPbで発光するための駆動電流Ib、リードパワーPrで発光するための駆動電流Ir、イレーズパワーPeで発光するための駆動電流Ie、及びライトパワーPwで発光するための駆動電流Iwを求める。そして、駆動電流Irと駆動電流Ibとの差に対応するパワー信号P0Data、駆動電流Ieと駆動電流Ibとの差に対応するパワー信号P1Data、及び駆動電流Iwと駆動電流Ibとの差に対応するパワー信号P2Dataをそれぞれ出力する。すなわち、P0DataはリードパワーPrとボトムパワーPbとの差に対応するパワー信号であり、P1DataはイレーズパワーPeとボトムパワーPbとの差に対応するパワー信号であり、P2DataはライトパワーPwとボトムパワーPbとの差に対応するパワー信号である。
【0077】
復号部263は、前記信号dS0及びdS1に基づいて、3つの変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)をそれぞれ復号する。ここでは、図12に示されるように、(dS0=0,dS1=0)のときは(Mod0=1,Mod1=0,Mod2=0)とし、(dS0=1,dS1=0)のときは(Mod0=0,Mod1=1,Mod2=0)とし、(dS0=1,dS1=1)のときは(Mod0=0,Mod1=0,Mod2=1)とし、(dS0=0,dS1=1)のときは(Mod0=0,Mod1=0,Mod2=0)とする。ここで復号された各変調信号は変調部266にそれぞれ出力される。
【0078】
LD制御部265は、前記タイミング信号生成部245で生成されたタイミング信号Sshに同期して、受光器73からのパワーモニタ信号Pmonをサンプル/ホールドし、バイアス信号Ibias、及び後述する駆動信号Idrvのスケール(最大振幅)を規定するスケール信号Isclを生成する。ここでは、前記駆動電流Ibに対応する信号がバイアス信号Ibiasに設定される。ここで生成されたバイアス信号Ibiasは加算部267に出力され、スケール信号Isclは変調部266に出力される。また、LD制御部265は、例えば温度変動などに起因して半導体レーザのI−L特性における閾値電流Ith及び微分量子効率が変化すると、閾値電流Ithの変化に対応してバイアス信号Ibiasを調整するとともに、微分量子効率の変化に対応してスケール信号Isclを調整する。
【0079】
変調部266は、図13に示されるように、3つのD/A変換器(266a,266b,266c)、3つのオンオフスイッチ(SW0,SW1,SW2)、及び電流加算器266dなどを備えている。
【0080】
各D/A変換器は一例として8ビットD/A変換器であり、それぞれLD制御部265からのスケール信号Isclにより規定されたスケールで、照射レベル設定部262からの各パワー信号を電流信号に変換する。この場合には、D/A変換器266aは次の(1a)式に基づいてパワー信号P0Dataを電流信号I0に変換し、D/A変換器266bは次の(1b)式に基づいてパワー信号P1Dataを電流信号I1に変換し、D/A変換器266cは次の(1c)式に基づいてパワー信号P2Dataを電流信号I2に変換する。
【0081】
I0=(P0Data/255)×Iscl ……(1a)
I1=(P1Data/255)×Iscl ……(1b)
I2=(P2Data/255)×Iscl ……(1c)
【0082】
オンオフスイッチSW0は、D/A変換器266aの出力段に配置され、復号部263からの変調信号Mod0に同期して、電流信号I0の電流加算器266dへの出力をオン/オフする。すなわち、電流信号I0はオンオフスイッチSW0がオン状態のときにのみ電流加算器266dに出力される。ここでは一例として、オンオフスイッチSW0は、変調信号Mod0が1(ハイレベル)のときにオン状態となり、0(ローレベル)のときにオフ状態となるように設定されているものとする。
【0083】
オンオフスイッチSW1は、D/A変換器266bの出力段に配置され、復号部263からの変調信号Mod1に同期して、電流信号I1の電流加算器266dへの出力をオン/オフする。すなわち、電流信号I1はオンオフスイッチSW1がオン状態のときにのみ電流加算器266dに出力される。ここでは一例として、オンオフスイッチSW1は、変調信号Mod1が1のときにオン状態となり、0のときにオフ状態となるように設定されているものとする。
【0084】
オンオフスイッチSW2は、D/A変換器266cの出力段に配置され、復号部263からの変調信号Mod2に同期して、電流信号I2の電流加算器266dへの出力をオン/オフする。すなわち、電流信号I2はオンオフスイッチSW2がオン状態のときにのみ電流加算器266dに出力される。ここでは一例として、オンオフスイッチSW2は、変調信号Mod2が1のときにオン状態となり、0のときにオフ状態となるように設定されているものとする。
【0085】
電流加算器266dは、各オンオフスイッチの出力信号をそれぞれ加算し、加算結果をLD変調電流信号Imodとして出力する。すなわち、例えば各オンオフスイッチがいずれもオフ状態であれば、Imod=0となり、オンオフスイッチSW0のみがオン状態であれば、Imod=I0となる。また、例えばオンオフスイッチSW1のみがオン状態であれば、Imod=I1となり、オンオフスイッチSW2のみがオン状態であれば、Imod=I2となる。
【0086】
図10に戻り、加算部267は、変調部266からのLD変調電流信号ImodとLD制御部265からのバイアス信号Ibiasとを加算する。すなわち、加算部267からは(Imod+Ibias)が出力される。
【0087】
増幅部268は、加算部267の出力信号Idを所定のゲインで増幅する。
【0088】
遅延検出部264は、復号部263に入力される信号dS0とdS1の遅延差を検出し、その検出結果を遅延検出信号Sdly0,Sdly1として遅延制御部248に出力する。
【0089】
この遅延検出部264は、一例として図14に示されるように、位相比較回路c1、平滑回路c2、及び比較回路c3などを備えている。
【0090】
位相比較回路c1は、信号dS0の位相とdS1の位相とを比較し、その比較結果を出力する。この位相比較回路c1は、2つの信号(Sdiff0,Sdiff1)を出力する。ここでは、一例として図15に示されるように、信号dS1の位相がdS0の位相よりも遅れている場合には、信号dS0と信号dS1の排他的論理和に対応するパルス信号が信号Sdiff0として出力され、一例として図16に示されるように、信号dS0の位相がdS1の位相よりも遅れている場合には、信号dS0と信号dS1の論理積に対応するパルス信号が信号Sdiff1として出力されるように設定されている。
【0091】
図14に戻り、平滑回路c2は、位相比較回路c1の出力信号を平滑化する。ここでは、平滑回路c2は2つの信号(Vdiff0,Vdiff1)を出力する。信号Vdiff0は信号Sdiff0の平滑結果であり、信号Vdiff1は信号Sdiff1の平滑結果である。
【0092】
比較回路c3は、平滑回路c2の出力信号Vdiff0及びVdiff1をそれぞれ予め設定されている基準信号Vrefと比較し、その比較結果をそれぞれ遅延検出信号Sdly0及びSdly1として遅延制御部248に出力する。ここでは、信号dS0とdS1との間に遅延差がない場合には、Sdly0=0及びSdly1=0となり、信号dS1がdS0よりも遅れている場合(以下「+遅延」ともいう)にはSdly0=1及びSdly1=0となり、信号dS0がdS1よりも遅れている場合(以下「−遅延」ともいう)にはSdly0=0及びSdly1=1となるように基準信号Vrefが設定されている。
【0093】
ここで、制御部240がCPU40からの遅延情報取得要求を受信したときの制御部240における処理動作について図17を用いて説明する。図17のフローチャートは、制御部240によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、CPU40からの遅延情報取得要求を受信すると、遅延情報取得処理がスタートする。なお、記録クロック信号Wckは通常の記録時と同様に出力されているものとする。
【0094】
最初のステップ401では、各パワー信号(P0Data,P1Data,P2Data)がそれぞれ0となるように、制御部260に指示する。この指示は制御部260を介して照射レベル設定部262に通知され、各パワー信号は0となる。これにより、半導体レーザの異常発光を防止し、半導体レーザを破壊や劣化から保護することができる。
【0095】
次のステップ403では、遅延調整部247での調整量が0となるように遅延制御部248に指示する。これにより、遅延制御部248は、各遅延検出信号に関係なく、符号化変調信号S0の調整量が0に対応する遅延設定信号Dly0、及び符号化変調信号S1の調整量が0に対応する遅延設定信号Dly1を遅延調整部247に出力する。
【0096】
次のステップ405では、符号化変調信号S0の遅延カウンタC0、及び符号化変調信号S1の遅延カウンタC1をそれぞれ0クリアする。
【0097】
次のステップ407では、テスト波形生成部249にテスト用波形情報信号の生成を指示する。これにより、テスト波形生成部249から変調信号生成・符号化部246にテスト用波形情報信号が出力される。そして、変調信号生成・符号化部246にて、テスト用波形情報信号に応じた符号化変調信号S0及びS1が生成され、遅延調整部247に出力される。遅延調整部247では、この符号化変調信号S0及びS1は調整されることなく、光ピックアップ装置23に出力される。すなわち、dS0=S0、dS1=S1である。なお、遅延差の検出精度を向上させるために、一例として図18に示されるように、符号化変調信号S0及びS1が同一周波数であり、かつ位相差が約(π/2)となるようなテスト用波形情報信号が好ましい。図18に示される各符号化変調信号はそれぞれデューティが50%であるが、これに限定されるものではない。
【0098】
これにより、遅延調整部247から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23における遅延差が遅延検出部264にて検出され、遅延検出信号Sdly0及びSdly1として遅延検出部264から出力される。
【0099】
次のステップ409では、遅延検出部264から出力された各遅延検出信号を遅延制御部248を介して取得する。
【0100】
次のステップ411では、取得した遅延検出信号Sdly0及びSdly1がいずれも0であるか否かを判断する。遅延検出信号Sdly0又はSdly1が0でなければここでの判断は否定され、ステップ413に移行する。
【0101】
このステップ413では、遅延検出信号Sdly0が1であるか否かを判断する。遅延検出信号Sdly0が1であればここでの判断は肯定され、ステップ415に移行する。
【0102】
このステップ415では、遅延カウンタC0の値を+1する。
【0103】
次のステップ417では、遅延調整部247での符号化変調信号S0に対する調整量がC0ステップ分となるように遅延制御部248に指示する。これにより、符号化変調信号S0の調整量をC0ステップ分に設定する遅延設定信号Dly0が遅延制御部248から遅延調整部247に出力される。そして、符号化変調信号S0はC0ステップ分だけ遅延して遅延調整部247から光ピックアップ装置23に出力される。なお、符号化変調信号S1はそのままである。そして、前記ステップ409に戻る。
【0104】
一方、上記ステップ413において、遅延検出信号Sdly0が1でなければ、ステップ413での判断は否定され、ステップ419に移行する。
【0105】
このステップ419では、遅延カウンタC1の値を+1する。
【0106】
次のステップ421では、遅延調整部247での符号化変調信号S1に対する調整量がC1ステップ分となるように遅延制御部248に指示する。これにより、符号化変調信号S1の調整量をC1ステップ分に設定する遅延設定信号Dly1が遅延制御部248から遅延調整部247に出力される。そして、符号化変調信号S1はC1ステップ分だけ遅延して遅延調整部247から光ピックアップ装置23に出力される。なお、符号化変調信号S0はそのままである。そして、前記ステップ409に戻る。
【0107】
取得した遅延検出信号Sdly0及びSdly1がいずれも0となると、上記ステップ411での判断は肯定され、ステップ423に移行する。
【0108】
このステップ423では、遅延カウンタC0及び遅延カウンタC1の値を含む遅延情報を、光ピックアップ装置23の現在のシーク位置情報とともにRAM250に格納する。そして、遅延情報取得処理を終了する。
【0109】
次に、上記のように構成されるLD駆動回路LDDの記録時における作用を図19及び図20を用いて説明する。ここでは、前述したように、発光パワーが4つの加熱パルス(HP1,HP2,HP3,HP4)と4つの冷却パルス(CP1,CP2,CP3,CP4)とから構成されるマーク領域Mについて説明する(図6参照)。
【0110】
1.書き込み信号dWdataが0から1に変化した後、時間Tssが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0111】
2.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tspが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0112】
3.変調信号Mod2が0に変更されてから時間Tmsが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0113】
4.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tmpが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0114】
5.変調信号Mod2が0に変更されてから時間Tmsが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0115】
6.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tmpが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0116】
7.変調信号Mod2が0に変更されてから時間Tlsが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0117】
8.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tlpが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0118】
9.書き込み信号dWdataが1から0に変化すると、信号dS0=1、dS1=0となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=1、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I1+Ibias)となり、発光パワーはPeとなる。
【0119】
これにより光ディスク15の記録面には、一例として図20に示されるように、先頭の加熱パルスHP1によって形成された領域R1、2番目の加熱パルスHP2によって形成された領域R2、3番目の加熱パルスHP3によって形成された領域R3、及び最後の加熱パルスHP4によって形成された領域R4が連続し、1つのマーク領域となる。
【0120】
《記録処理》
次に、ホストからの記録要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図21を用いて簡単に説明する。図21のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、ホストから記録要求コマンドを受信すると、図21のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、記録処理がスタートする。
【0121】
最初のステップ501では、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから記録要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、ホストから受信したデータ(記録用データ)のバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
【0122】
次のステップ503では、光ディスク15の回転が所定の線速度に達していることを確認すると、サーボコントローラ33に対してサーボオンを設定する。これにより、前述の如くトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は記録処理が終了するまで随時行われる。
【0123】
次のステップ505では、記録速度に基づいてOPC(Optimum Power Control)を行い、最適な記録パワーを取得する。すなわち、記録パワーを段階的に変化させつつ、PCA(Power Calibration Area)と呼ばれる試し書き領域に所定のデータを試し書きした後、それらのデータを順次再生し、例えばRF信号から検出されたアシンメトリの値が予め実験等で求めた目標値とほぼ一致する場合を最も高い記録品質であると判断し、そのときの記録パワーを最適な記録パワーとする。
【0124】
次のステップ507では、再生信号処理回路28からの前記アドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。
【0125】
次のステップ509では、現在のアドレスと記録要求コマンドから抽出した目標アドレスとの差分(アドレス差)を算出する。
【0126】
次のステップ511では、アドレス差に基づいてシークが必要であるか否かを判断する。ここでは、前記シーク情報の一つとしてフラッシュメモリ39に格納されている閾値を参照し、アドレス差が閾値を越えていれば、ここでの判断は肯定され、ステップ513に移行する。
【0127】
このステップ513では、アドレス差に応じたシークモータの制御信号をモータドライバ27に出力する。これにより、シークモータが駆動し、シーク動作が行なわれる。そして、前記ステップ507に戻る。
【0128】
一方、前記ステップ511において、アドレス差が閾値を越えていなければ、ここでの判断は否定され、ステップ515に移行する。
【0129】
このステップ515では、前述した遅延情報取得要求を制御部240に出力する。これにより、現在のシーク位置における信号dS0及びdS1の遅延情報が求められる。そして、信号dS0及びdS1の遅延差を補正するための遅延設定信号が遅延制御部248から遅延調整部247に出力され、復号部263における信号dS0及びdS1の遅延差がほぼ0となる。
【0130】
次のステップ517では、現在のアドレスが目標アドレスと一致しているか否かを判断する。現在のアドレスが目標アドレスと一致していなければ、ここでの判断は否定され、ステップ519に移行する。
【0131】
このステップ519では、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。そして、前記ステップ517に戻る。
【0132】
以下、前記ステップ517での判断が肯定されるまで、ステップ517→519の処理を繰り返し行なう。
【0133】
現在のアドレスが目標アドレスと一致すれば、前記ステップ517での判断は肯定され、ステップ521に移行する。
【0134】
このステップ521では、エンコーダ25に書き込みを許可する。これにより、記録用データは、エンコーダ25、変調信号生成回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に書き込まれる。記録用データがすべて書き込まれると、所定の終了処理を行った後、記録処理を終了する。
【0135】
《再生処理》
さらに、ホストから再生要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図22を用いて説明する。図22のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、ホストから再生要求コマンドを受信すると、図22のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、再生処理がスタートする。
【0136】
最初のステップ701では、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0137】
次のステップ703では、光ディスク15の回転が所定の線速度に達していることを確認すると、サーボコントローラ33に対してサーボオンを設定する。これにより、前述の如くトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は再生処理が終了するまで随時行われる。
【0138】
次のステップ705では、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。
【0139】
次のステップ707では、現在のアドレスと再生要求コマンドから抽出した目標アドレスとの差分(アドレス差)を算出する。
【0140】
次のステップ709では、前記ステップ511と同様にして、シークが必要であるか否かを判断する。シークが必要であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ711に移行する。
【0141】
このステップ711では、アドレス差に応じたシークモータの制御信号をモータドライバ27に出力する。そして、前記ステップ705に戻る。
【0142】
一方、前記ステップ709において、シークが必要でなければ、ステップ709での判断は否定され、ステップ713に移行する。
【0143】
このステップ713では、現在のアドレスが目標アドレスと一致しているか否かを判断する。現在のアドレスが目標アドレスと一致していなければ、ここでの判断は否定され、ステップ715に移行する。
【0144】
このステップ715では、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。そして、前記ステップ713に戻る。
【0145】
以下、前記ステップ713での判断が肯定されるまで、ステップ713→715の処理を繰り返し行なう。
【0146】
現在のアドレスが目標アドレスと一致すれば、前記ステップ713での判断は肯定され、ステップ717に移行する。
【0147】
このステップ717では、再生信号処理回路28に読み取りを指示する。これにより、再生信号処理回路28にて再生データが取得され、バッファRAM34に格納される。この再生データはセクタ単位でバッファマネージャ37及びインターフェース38を介してホストに転送される。そして、ホストから指定されたデータの再生がすべて終了すると、所定の終了処理を行った後、再生処理を終了する。
【0148】
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る光ディスク装置では、CPU40と該CPU40にて実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、CPU40によるプログラムに従う上記処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
【0149】
また、変調信号生成回路24とフレキシブルケーブルFCとLD駆動回路LDDとによって本発明に係る光源駆動装置が構成されている。また、遅延調整部247と遅延制御部248とによって遅延補正手段が構成されている。
【0150】
そして、変調信号生成・符号化部246の処理動作によって本発明に係る駆動信号生成方法の第1工程が実施され、復号部263の処理動作によって第2工程が実施され、変調部266の処理動作によって第3工程が実施されている。
【0151】
以上説明したように、本第1の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによると、変調信号生成・符号化部246にて変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、復号部263にて符号化変調信号を変調信号に復号している。これにより、変調信号生成回路24からLD駆動回路LDDに供給される信号の数が減少し、フレキシブルケーブルFCの小型化を促進することができる。また、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDをそれぞれ集積回路化した場合にはピン数をそれぞれ低減することができ、各集積回路の低コスト化及び小型化を図ることができる。従って、結果として、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行なうことができる。
【0152】
また、変調信号生成回路24から出力される信号dS0及びdS1は、符号化変調信号S0及びS1に対して、変調信号生成回路24とLD駆動回路LDDとの間の伝送路での信号遅延差を相殺するような調整がすでになされている信号であるため、LD駆動回路LDDでは精度良く半導体レーザを駆動することができる。
【0153】
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置23によると、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによって、半導体レーザを精度良く駆動することができるため、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行なうことが可能となる。
【0154】
なお、上記第1の実施形態の遅延検出部264において、図23に示されるように、前述した比較回路c3に代えて、信号Vdiff0及びVdiff1をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換回路c4を用いても良い。これにより、検出時間を短縮することが可能となる。また、このA/D変換回路c4を変調信号生成回路24側に配置しても良い。なお、この場合には、制御部240は遅延情報取得処理の際に、前記ステップ409に先立って、A/D変換回路c4の各出力信号から、信号dS0とdS1との間の遅延差に関する情報を取得する処理が必要となる。
【0155】
また、上記第1の実施形態において、図24に示されるように、前述した遅延検出部264に代えて、復号部263から出力される変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)に基づいて遅延検出を行なう遅延検出部264’を用いても良い。ここで、遅延検出部264’の作用について図25〜図27を用いて説明する。なお、信号dS0及びdS1は互いに同一周波数であり、かつ遅延調整部247から出力されるときの信号dS0とdS1との位相差が90°であるものとする。
【0156】
一例として図25に示されるように、遅延検出部264’における信号dS0とdS1との位相差が90°のまま、すなわち遅延差が0であれば、変調信号Mod0のパルス幅W0、変調信号Mod1のパルス幅W1、及び変調信号Mod2のパルス幅W2は、互いに等しくなる。
【0157】
また、一例として図26に示されるように、遅延検出部264’における信号dS0とdS1との位相差が(90°+δ1)、すなわち+遅延があり、その遅延差がδ1であれば、変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod2のパルス幅W2とは互いに等しいが、変調信号Mod1のパルス幅W1よりも小さくなる。すなわち、W0=W2<W1となる。
【0158】
さらに、一例として図27に示されるように、遅延検出部264’における信号dS0とdS1との位相差が(90°−δ2)、すなわち−遅延があり、その遅延差がδ2であれば、変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod2のパルス幅W2とは互いに等しいが、変調信号Mod1のパルス幅W1よりも大きくなる。すなわち、W0=W2>W1となる。
【0159】
そこで、遅延検出部264’を一例として図28(A)及び図28(B)に示されるように、2つの平滑回路(c5,c6)、及び比較回路c7を含んで構成することができる。図28(A)に示される遅延検出部264’では、平滑回路c5は変調信号Mod0を平滑化し、平滑回路c6は変調信号Mod1を平滑化する。比較回路c7は平滑回路c5の出力信号Vdc0及び平滑回路c6の出力信号Vdc1をそれぞれ基準電圧Vref(図29参照)と比較し、その比較結果をそれぞれ遅延検出信号Sdly0及びSdly1として出力する。ここでは、上記第1の実施形態と同様に、信号dS0とdS1との間に遅延差がない場合には、Sdly0=0及びSdly1=0となり、+遅延の場合には、Sdly0=1及びSdly1=0となり、−遅延の場合には、Sdly0=0及びSdly1=1となるように基準信号Vrefが設定されている。
【0160】
また、図28(B)に示される遅延検出部264’では、平滑回路c5は変調信号Mod2を平滑化し、平滑回路c6は変調信号Mod1を平滑化する。比較回路c7は平滑回路c5の出力信号Vdc2及び平滑回路c6の出力信号Vdc1をそれぞれ基準電圧Vrefと比較し、その比較結果をそれぞれ遅延検出信号Sdly0及びSdly1として出力する。変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod2のパルス幅W2とは互いに等しいため、図28(A)に示される遅延検出部264’から出力される各遅延検出信号と、図28(B)に示される遅延検出部264’から出力される各遅延検出信号とは同じである。
【0161】
また、この場合に、遅延検出部264’は、一例として図30に示されるように、いわゆるチャージポンプCP、及び比較回路c8を含んで構成しても良い。このチャージポンプCPは3つのオンオフスイッチ(SWc1,SWc2,SWc3)、抵抗R及びコンデンサCなどを含んでいる。オンオフスイッチSWc1がオン状態になるとコンデンサCは充電され、オンオフスイッチSWc2がオン状態になるとコンデンサCは放電される。オンオフスイッチSWc3はリセットスイッチである。比較回路c8はチャージポンプCPの出力信号と基準電圧Vstdとを比較し、その比較結果を遅延検出信号Sdly0及びSdly1として出力する。オンオフスイッチSWc1は変調信号Mod1が0のときにオフ状態となり、1のときオン状態となるように設定されている。オンオフスイッチSWc2は変調信号Mod1が0のときにオフ状態となり、1のときにオン状態となるように設定されている。そこで、変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod1のパルス幅W1とが等しい場合にはチャージポンプCPの出力信号は基準電圧Vstdと等しくなる。また、パルス幅W0がパルス幅W1よりも小さい場合にはチャージポンプCPの出力信号は基準電圧Vstdよりも大きくなる。さらに、パルス幅W0がパルス幅W1よりも大きい場合にはチャージポンプCPの出力信号は基準電圧Vstdよりも小さくなる。これにより、比較回路c8は、信号dS0とdS1との間に遅延差がない場合には遅延検出信号Sdly0=0及びSdly1=0を出力し、+遅延の場合には遅延検出信号Sdly0=1及びSdly1=0を出力し、−遅延の場合には遅延検出信号Sdly0=0及びSdly1=1を出力する。
【0162】
また、上記第1の実施形態において、図31に示されるように、遅延制御部248で生成された遅延設定信号Dly0,Dly1を波形生成部243’に出力し、波形生成部243’において、各遅延設定信号に応じて波形情報信号を補正しても良い。この場合には、遅延調整部247は不要となる。波形生成部243’は、一例として図32に示されるように、+遅延の場合には、その遅延量d0に応じてTss及びTspを補正し、それぞれTss’(=Tss−d0)及びTsp’(=Tsp+d0)とする。これにより、変調信号生成・符号化部246で生成される符号化変調信号S1は、すでに遅延調整がなされた信号となる。すなわち、符号化変調信号S0及びS1は、上記第1の実施形態における遅延調整部247の出力信号dS0及びdS1とそれぞれ等しくなる。また、波形生成部243’は、一例として図33に示されるように、−遅延の場合には、その遅延量d1に応じてTspを補正し、Tsp’(=Tsp−d1)とする。これにより、変調信号生成・符号化部246で生成される符号化変調信号S0は、すでに遅延調整がなされた信号となる。すなわち、符号化変調信号S0及びS1は、上記第1の実施形態における遅延調整部247の出力信号dS0及びdS1とそれぞれ等しくなる。この場合には、波形生成部243’と遅延制御部248とによって遅延補正手段が構成されることとなる。
【0163】
なお、上記第1の実施形態では、遅延差に応じて符号化変調信号S0又はS1を調整する場合について説明したが、これに限らず、符号化変調信号S0及びS1の両方を調整しても良い。
【0164】
また、上記第1の実施形態では、遅延差に応じて符号化変調信号S0又はS1を遅らせることにより遅延差を調整する場合について説明したが、これに限らず、遅延差に応じて符号化変調信号S0又はS1を進ませることにより遅延差を調整しても良い。
【0165】
また、上記第1の実施形態では、記録の際に遅延情報取得処理を行なう場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、記録の際に、CPU40はそのときのシーク位置に対応する遅延情報がRAM250に格納されている場合には、該遅延情報に基づいて遅延設定信号を生成するように遅延制御部248に指示しても良い。さらに、例えば光ディスク装置の調整工程などにおいて、予め設定されたピックアップ装置23のシーク位置毎に遅延情報取得処理を行ない、得られた遅延情報をシーク位置に対応付けてフラッシュメモリ39のデータ領域に格納しておき、光ディスク装置に電源が投入されたときに、RAM250に転送しても良い。なお、工場出荷後に遅延情報取得処理を行なわないことが明確な場合には、例えば工場出荷時に遅延検出部264を外してもよい。
【0166】
また、上記第1の実施形態において、遅延検出部264に代えて、モニタ信号Pmonに基づいて遅延差を検出しても良い。
【0167】
また、上記第1の実施形態において、遅延検出結果をシリアルデータとして光ピックアップ装置23から変調信号生成回路24に供給しても良い。
【0168】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図34〜図40に基づいて説明する。
【0169】
この第2の実施形態は、図34に示されるように、前述した遅延調整部247に代えてパルス幅調整部251を用い、前述した遅延制御部248に代えてパルス幅制御部252を用い、図35に示されるように、前述した遅延検出部264に代えてパルス幅検出部271を用いる点に特徴を有する。その他の構成は、前述した第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0170】
パルス幅制御部252は、CPU40からのパルス幅情報取得要求に応じて、パルス幅調整部251から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23におけるパルス幅情報を取得し、RAM250に格納する。また、パルス幅制御部252は、記録に際して、RAM250に格納されているパルス幅情報に基づいて、変調信号生成・符号化部246から出力される符号化変調信号S0を調整するためのパルス幅設定信号Pls0、及び符号化変調信号S1を調整するためのパルス幅設定信号Pls1を生成する。ここで生成された各パルス幅設定信号は、それぞれパルス幅調整部251に出力される。
【0171】
パルス幅調整部251は、各パルス幅設定信号に応じて各符号化変調信号を調整する。このパルス幅調整部251は、一例として図36に示されるように、符号化変調信号S0のパルス幅を調整するパルス幅調整回路P0、及び符号化変調信号S1のパルス幅を調整するパルス幅調整回路P1などを備えている。
【0172】
パルス幅調整回路P0は、符号化変調信号S0を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D01〜D0n)と、符号化変調信号S0及び各遅延回路の出力信号(S01〜S0n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls0にて指定された2つの信号の論理和信号を生成する論理和生成回路L0aと、符号化変調信号S0及び各遅延回路の出力信号(S01〜S0n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls0にて指定された2つの信号の論理積信号を生成する論理積生成回路L0bなどを含んでいる。なお、論理和生成回路L0a及び論理積生成回路L0bは一方が選択されるようになっている。図37には、一例として信号S0とS01の論理積信号、及び信号S01とS02の論理和信号が示されている。
【0173】
パルス幅調整回路P1は、符号化変調信号S1を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D11〜D1n)と、符号化変調信号S1及び各遅延回路の出力信号(S11〜S1n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls1にて指定された2つの信号の論理和信号を生成する論理和生成回路L1aと、符号化変調信号S1及び各遅延回路の出力信号(S11〜S1n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls1にて指定された2つの信号の論理積信号を生成する論理積生成回路L1bなどを含んでいる。なお、論理和生成回路L1a及び論理積生成回路L1bは一方が選択されるようになっている。
【0174】
なお、各遅延回路はそれぞれ入力信号を1ステップだけ遅延させて出力する特性を有している。
【0175】
パルス幅検出部271は、図38に示されるように、信号dS0のパルス幅を検出するパルス幅検出回路M0、及び信号dS1のパルス幅を検出するパルス幅検出回路M1などを備えている。
【0176】
パルス幅検出回路M0は、信号dS0を所定のレベルでスライスし二値化する二値化回路271a0、該二値化回路271a0の出力信号を平滑化する平滑回路271b0、及び該平滑回路271b0の出力信号をA/D変換し、パルス幅検出信号Spls0として出力するA/D変換器271c0を含んでいる。このパルス幅検出信号Spls0はパルス幅制御部252に出力される。そこで、一例として図39に示されるように、信号dS0をスライスレベルSLで二値化したときに、信号dS0のなまりなどに起因して、二値化回路271a0の出力信号Sm0のパルス幅Wmが、予定パルス幅Wmsよりも大きくなると、平滑回路271b0の出力信号Sm1は、信号dS0になまりがないときに比べて大きくなる。なお、図39には、信号dS0になまりがないときの信号波形が点線で示されている。
【0177】
パルス幅検出回路M1は、信号dS1を所定のレベルでスライスし二値化する二値化回路271a1、該二値化回路271a1の出力信号を平滑化する平滑回路271b1、及び該平滑回路271b1の出力信号をA/D変換し、パルス幅検出信号Spls1として出力するA/D変換器271c1を含んでいる。このパルス幅検出信号Spls1はパルス幅制御部252に出力される。
【0178】
パルス幅制御部252は、光ピックアップ装置23からの各パルス幅検出信号に基づいて、符号化変調信号S0のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls0及び符号化変調信号S1のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls1をそれぞれ生成する。ここで生成された各パルス幅設定信号は、それぞれパルス幅調整部251に出力される。
【0179】
ここで、制御部240がCPU40からのパルス幅情報取得要求を受信したときの制御部240における処理動作について図40を用いて説明する。図40のフローチャートは、制御部240によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、CPU40からのパルス幅情報取得要求を受信すると、パルス幅情報取得処理がスタートする。なお、記録クロック信号Wckは通常の記録時と同様に出力されているものとする。このパルス幅情報取得要求は、例えば、記録の際に、シーク動作が完了したときにCPU40から出力される。
【0180】
最初のステップ801では、各パワー信号(P0Data,P1Data,P2Data)がそれぞれ0となるように、制御部260に指示する。この指示は、制御部260を介して照射レベル設定部262に通知され、各パワー信号は0となる。これにより、半導体レーザの異常発光を防止し、半導体レーザを破壊や劣化から保護することができる。
【0181】
次のステップ803では、パルス幅調整部251での符号化変調信号S0及びS1に対するパルス幅調整量が0となるようにパルス幅制御部252に指示する。これにより、パルス幅制御部252は、パルス幅検出信号Spls0,Spls1に関係なく、符号化変調信号S0のパルス幅調整量を0に設定するパルス幅設定信号Pls0、及び符号化変調信号S1のパルス幅調整量を0に設定するパルス幅設定信号Pls1をパルス幅調整部251にそれぞれ出力する。
【0182】
次のステップ805では、符号化変調信号S0のパルス幅調整カウンタC0、符号化変調信号S1のパルス幅調整カウンタC1を0クリアする。
【0183】
次のステップ807では、テスト波形生成部249にテスト用波形情報信号の生成を指示する。これにより、テスト波形生成部249から変調信号生成・符号化部246にテスト用波形情報信号が出力される。そして、変調信号生成・符号化部246にて、テスト用波形情報信号に応じた符号化変調信号S0及びS1が生成され、パルス幅調整部251に出力される。パルス幅調整部251では、この符号化変調信号S0及びS1は調整されることなく、光ピックアップ装置23に出力される。すなわち、dS0=S0、dS1=S1である。
【0184】
これにより、パルス幅調整部251から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23におけるパルス幅がそれぞれパルス幅検出部271にて検出され、パルス幅検出信号Spls0及びSpls1としてパルス幅検出部271から出力される。
【0185】
次のステップ809では、パルス幅検出部271で検出されたパルス幅検出信号Spls0をパルス幅制御部252を介して取得する。
【0186】
次のステップ811では、取得したパルス幅検出信号Spls0と予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp0との差ΔP0を求める。なお、予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp0は予め取得され、RAM250に格納されている。
【0187】
次のステップ813では、ΔP0の絶対値が予め設定されている許容値Wp0以下であるか否かを判断する。ΔP0の絶対値が許容値Wp0を超えていればここでの判断は否定され、ステップ815に移行する。
【0188】
このステップ815では、パルス幅調整カウンタC0の値を+1する。
【0189】
次のステップ817では、ΔP0が0未満であるか否かを判断する。ΔP0が0未満であればここでの判断は肯定され、ステップ819に移行する。
【0190】
このステップ819では、パルス幅調整カウンタC0の値を参照し、符号化変調信号S0のパルス幅がC0ステップ分だけ拡大するようにパルス幅設定信号Pls0を設定する。これにより、符号化変調信号S0はパルス幅調整部251にてパルス幅がC0ステップ分だけ拡大されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ809に戻る。
【0191】
一方、上記ステップ817において、ΔP0が0以上であれば、ステップ817での判断は否定され、ステップ821に移行する。
【0192】
このステップ821では、パルス幅調整カウンタC0の値を参照し、符号化変調信号S0のパルス幅がC0ステップ分だけ縮小するようにパルス幅設定信号Pls0を設定する。これにより、符号化変調信号S0はパルス幅調整部251にてパルス幅がC0ステップ分だけ縮小されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ809に戻る。
【0193】
ΔP0の絶対値が許容値Wp0以下となると、上記ステップ813での判断は肯定され、ステップ831に移行する。
【0194】
このステップ831では、パルス幅検出部271で検出されたパルス幅検出信号Spls1をパルス幅制御部252を介して取得する。
【0195】
次のステップ833では、取得したパルス幅検出信号Spls1と予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp1との差ΔP1を求める。なお、予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp1は予め取得され、RAM250に格納されている。
【0196】
次のステップ835では、ΔP1の絶対値が予め設定されている許容値Wp1以下であるか否かを判断する。ΔP1の絶対値が許容値Wp1を超えていればここでの判断は否定され、ステップ837に移行する。
【0197】
このステップ837では、パルス幅調整カウンタC1の値を+1する。
【0198】
次のステップ839では、ΔP1が0未満であるか否かを判断する。ΔP1が0未満であればここでの判断は肯定され、ステップ841に移行する。
【0199】
このステップ841では、パルス幅調整カウンタC1の値を参照し、符号化変調信号S1のパルス幅がC1ステップ分だけ拡大するようにパルス幅設定信号Pls1を設定する。これにより、符号化変調信号S1はパルス幅調整部251にてパルス幅がC1ステップ分だけ拡大されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ831に戻る。
【0200】
一方、上記ステップ839において、ΔP1が0以上であれば、ステップ839での判断は否定され、ステップ843に移行する。
【0201】
このステップ843では、パルス幅調整カウンタC1の値を参照し、符号化変調信号S1のパルス幅がC1ステップ分だけ縮小するようにパルス幅設定信号Pls1を設定する。これにより、符号化変調信号S1はパルス幅調整部251にてパルス幅がC1ステップ分だけ縮小されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ831に戻る。
【0202】
ΔP1の絶対値が許容値Wp1以下となると、上記ステップ835での判断は肯定され、ステップ851に移行する。
【0203】
このステップ851では、パルス幅調整カウンタC0及びC1の値を含むパルス幅情報を、光ピックアップ装置23の現在のシーク位置情報とともにRAM250に格納する。そして、パルス幅情報取得処理を終了する。
【0204】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る光ディスク装置では、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様に、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。そして、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様にして記録及び再生処理が行われる。
【0205】
また、第1の実施形態と同様に、変調信号生成回路24とフレキシブルケーブルFCとLD駆動回路LDDとによって本発明に係る光源駆動装置が構成されている。またパルス幅調整部251とパルス幅制御部252とによってパルス幅変動補正手段が構成されている。
【0206】
そして第1の実施形態と同様に、変調信号生成・符号化部246の処理動作によって本発明に係る駆動信号生成方法の第1工程が実施され、復号部263の処理動作によって第2工程が実施され、変調部266の処理動作によって第3工程が実施されている。
【0207】
以上説明したように、本第2の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによると、変調信号生成・符号化部246にて変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、復号部263にて符号化変調信号を変調信号に復号している。これにより、第1の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDと同様な効果を得ることができる。
【0208】
また、変調信号生成回路24から出力される信号dS0及びdS1は、符号化変調信号S0及びS1に対して、フレキシブルケーブルFCでのパルス幅変動を相殺するような調整がすでになされている信号であるため、LD駆動回路LDDでは精度良く半導体レーザを駆動することができる。
【0209】
また、本第2の実施形態に係る光ディスク装置によると、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによって、半導体レーザを精度良く駆動することができるため、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な効果を得ることができる。
【0210】
なお、上記第2の実施形態では、パルス幅情報取得処理において、ΔP0の絶対値の許容値とΔP1の絶対値の許容値とが異なる場合について説明したが、これに限らず、ΔP0の絶対値の許容値とΔP1の絶対値の許容値とが同じであっても良い。
【0211】
また、上記第2の実施形態のパルス幅検出部271において、図41に示されるように、前述したA/D変換器271c0及びA/D変換器271c1に代えて、それぞれ比較回路271d0及び比較回路271d1を用いても良い。比較回路271d0は平滑回路271b0の出力信号と基準信号Vref0とを比較し、その比較結果をパルス幅検出信号Spls0a及びSpls0bとして出力する。ここでは、信号dS0のパルス幅が予定パルス幅と同じ場合にはSpls0a=0及びSpls0b=0が出力され、信号dS0のパルス幅が予定パルス幅よりも長い場合にはSpls0a=1及びSpls0b=0が出力され、信号dS0のパルス幅が予定パルス幅よりも短い場合にはSpls0a=0及びSpls0b=1が出力されるように設定されている。比較回路271d1は平滑回路271b1の出力信号と基準信号Vref1とを比較し、その比較結果をパルス幅検出信号Spls1a及びSpls1bとして出力する。ここでは、信号dS1のパルス幅が予定パルス幅と同じ場合にはSpls1a=0及びSpls1b=0が出力され、信号dS1のパルス幅が予定パルス幅よりも長い場合にはSpls1a=1及びSpls1b=0が出力され、信号dS1のパルス幅が予定パルス幅よりも短い場合にはSpls1a=0及びSpls1b=1が出力されるように設定されている。
【0212】
この場合には、上記パルス幅情報取得処理における制御部240の処理を一部簡略化することができる。
【0213】
また、上記第2の実施形態において、図42に示されるように、前述したパルス幅検出部271に代えて、復号部263から出力される変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)に基づいてパルス幅検出を行なうパルス幅検出部271’を用いても良い。例えば図43に示されるように、信号dS0のパルス幅がd0だけ長くなると、それに対応して変調信号Mod2のパルス幅がd0だけ長くなる。また、例えば図44に示されるように、信号dS1のパルス幅がd1だけ長くなると、それに対応して変調信号Mod0のパルス幅がd1だけ短くなる。なお、図43及び図44では、信号dS0及びdS1は互いに同一周波数であり、かつパルス幅調整部251から出力されるときの信号dS0とdS1との位相差が(π/2)である場合について示されている。
【0214】
また、上記第2の実施形態において、図45に示されるように、パルス幅制御部252で生成されたパルス幅設定信号Pls0,Pls1を波形生成部243”に出力し、波形生成部243”において、各パルス幅設定信号に応じて波形情報信号を補正しても良い。例えば、パルス幅設定信号Pls0に応じて符号化変調信号S0のパルス幅をd0だけ縮小する場合には、波形生成部243”は、前記Tsp、Tmp、及びTlpからd0を減算するとともに、前記Tms、Tls、及びTesにd0を加算した波形情報信号を生成する。また、パルス幅設定信号Pls1に応じて符号化変調信号S1のパルス幅をd1だけ縮小する場合には、波形生成部243”は、前記Tssにd1を加算するとともに、前記Tspからd1を減算した波形情報信号を生成する。この場合には、変調信号生成・符号化部246からは、パルス幅が調整された符号化変調信号S0及びS1が出力されることとなる。すなわち、符号化変調信号S0及びS1は、上記第2の実施形態におけるパルス幅調整部251の出力信号dS0及びdS1とそれぞれ等しくなる。従って、パルス幅調整部251は不要となる。この場合には、波形生成部243”とパルス幅制御部252とによってパルス幅変動補正手段が構成されることとなる。
【0215】
また、上記第2の実施形態において、図46に示されるように、前述したパルス幅検出部271に代えて、モニタ信号Pmonに基づいてパルス幅検出を行なうパルス幅検出部271”を用いても良い。このパルス幅検出部271”は、モニタ信号Pmonに含まれる高周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)271g、該LPF271gの出力信号をA/D変換し、パルス幅検出信号Splsとして出力するA/D変換器271hなどを有している。例えば、パワー信号P0Data=0、及びP0Data=0に設定するとともに、パワー信号P2Dataに所定の値を設定し、そのときの変調信号Mod2のパルス幅を検出することにより、信号dS0のパルス幅を知ることができる。
【0216】
また、上記第2の実施形態では、記録の際にパルス幅情報取得処理を行なう場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、記録の際に、CPU40はそのときのシーク位置に対応するパルス幅情報がRAM250に格納されている場合には、該パルス幅情報に基づいてパルス幅情報設定信号を生成するようにパルス幅情報制御部252に指示しても良い。さらに、例えば光ディスク装置の調整工程などにおいて、予め設定されたピックアップ装置23のシーク位置毎にパルス幅情報取得処理を行ない、得られたパルス幅情報をシーク位置に対応付けてフラッシュメモリ39のデータ領域に格納しておき、光ディスク装置に電源が投入されたときに、RAM250に転送しても良い。なお、工場出荷後にパルス幅情報取得処理を行なわないことが明確な場合には、例えば工場出荷時にパルス幅検出部271を外しても良い。
【0217】
また、上記第2の実施形態において、パルス幅の検出結果をシリアルデータとして光ピックアップ装置23から変調信号生成回路24に供給しても良い。
【0218】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態を図47及び図48に基づいて説明する。
【0219】
この第3の実施形態は、図47に示されるように、前述した第1の実施形態における遅延制御部248に代えてパルス幅・遅延制御部253を用い、波形生成部243に代えて前述した波形生成部243”を用い、図48に示されるように、前述した第1の実施形態における遅延検出部264に代えてパルス幅・遅延差検出部273を用いる点に特徴を有する。その他の構成は、前述した第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0220】
パルス幅・遅延制御部253は、CPU40からのパルス幅・遅延情報取得要求に応じて、パルス幅・遅延差検出部273から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23におけるパルス幅情報及び遅延情報を取得し、RAM250に格納する。なお、遅延情報は第1の実施形態と同様にして取得することができ、パルス幅情報は第2の実施形態と同様にして取得することができる。このパルス幅・遅延情報取得要求は、例えば、記録の際に、シーク動作が完了したときにCPU40から出力される。
【0221】
また、パルス幅・遅延制御部253は、記録に際して、RAM250に格納されているパルス幅情報に基づいて、符号化変調信号S0のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls0及び符号化変調信号S1のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls1をそれぞれ生成する。ここで生成された各パルス幅設定信号は、それぞれ波形生成部243”に出力される。
【0222】
さらに、パルス幅・遅延制御部253は、記録に際して、RAM250に格納されている遅延情報に基づいて、符号化変調信号S0を調整するための遅延設定信号Dly0、及び符号化変調信号S1を調整するための遅延設定信号Dly1を生成する。ここで生成された各遅延設定信号は、それぞれ遅延調整部247に出力される。
【0223】
波形生成部243”は、前述したように各パルス幅設定信号に応じて波形情報信号を補正する。これにより、変調信号生成・符号化部246からは、パルス幅が調整された符号化変調信号S0及びS1が出力されることとなる。
【0224】
遅延調整部247は、前述したように各遅延設定信号に応じて各符号化変調信号を調整する。これにより、遅延調整部247からは、遅延差及びパルス幅が調整された信号dS0及びdS1が出力される。
【0225】
パルス幅・遅延差検出部273は、復号部263から出力される変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)を入力信号とし、前述したように、変調信号Mod1のパルス幅に基づいて遅延検出信号Sdly0及びSdly1を生成するとともに、変調信号Mod2のパルス幅に基づいてパルス幅検出信号Spls0を生成し、さらに変調信号Mod0のパルス幅に基づいてパルス幅検出信号Spls1を生成する。ここで生成された各検出信号はそれぞれパルス幅・遅延制御部253に出力される。
【0226】
以上の説明から明らかなように、本第3の実施形態に係る光ディスク装置では、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様に、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。そして、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様にして記録及び再生処理が行われる。
【0227】
また、第1の実施形態と同様に、変調信号生成回路24とフレキシブルケーブルFCとLD駆動回路LDDとによって本発明に係る光源駆動装置が構成されている。
【0228】
そして、第1の実施形態と同様に、変調信号生成・符号化部246の処理動作によって本発明に係る駆動信号生成方法の第1工程が実施され,復号部263の処理動作によって第2工程が実施され、変調部266の処理動作によって第3工程が実施されている。
【0229】
以上説明したように、本第3の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによると、変調信号生成・符号化部246にて変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、復号部263にて符号化変調信号を変調信号に復号している。これにより、第1の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDと同様な効果を得ることができる。
【0230】
また、変調信号生成回路24から出力される信号dS0及びdS1は、符号化変調信号S0及びS1に対して、フレキシブルケーブルFCでのパルス幅変動及び遅延差をそれぞれ相殺するような調整がすでになされている信号であるため、LD駆動回路LDDでは精度良く半導体レーザを駆動することができる。
【0231】
また、本第3の実施形態に係る光ディスク装置によると、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによって、半導体レーザを精度良く駆動することができるため、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な効果を得ることができる。
【0232】
なお、上記第3の実施形態において、図49に示されるように、前述した遅延調整部247に代えてパルス幅・遅延調整部255を用いても良い。この場合には、前述した波形生成部243”に代えて第1の実施形態と同様な波形生成部243を用いても良い。パルス幅・遅延調整部255は、一例として図50に示されるように、前記パルス幅調整部251とほぼ同様な構成とすることができる。例えばS01andS02の論理積信号を1ステップ分だけ遅らせるには、該S01andS02に代えてS02andS03の論理積信号を選択すれば良い。
【0233】
また、上記第3の実施形態では、復号部263から出力される変調信号に基づいて各遅延検出信号を生成する場合について説明したが、これに限らず、前述したように復号部263に入力される信号dS0及びdS1に基づいて各遅延検出信号を生成しても良い。
【0234】
また、上記第3の実施形態では、復号部263から出力される変調信号に基づいて各パルス幅検出信号を生成する場合について説明したが、これに限らず、前述したように復号部263に入力される信号dS0及びdS1に基づいて各パルス幅検出信号を生成しても良い。
【0235】
また、上記第3の実施形態において、遅延検出結果及びパルス幅の検出結果をシリアルデータとして光ピックアップ装置23から変調信号生成回路24に供給しても良い。
【0236】
そこで、伝送路による信号の遅延差が大きい場合には上記第1の実施形態が採用され、伝送路による信号のパルス幅変動が大きい場合には上記第2の実施形態が採用され、伝送路による信号の遅延差及びパルス幅変動が大きい場合には上記第3の実施形態が採用される。
【0237】
また、上記各実施形態では、LD制御部265において駆動電流Ibに対応する信号がバイアス信号Ibiasに設定される場合について説明したが、これに限らず、例えば閾値電流Ithに対応する信号をバイアス信号Ibiasに設定しても良い。但し、この場合には駆動電流Ibと閾値電流Ithとの差に対応する信号を、例えば加算器267で加算する必要がある。
【0238】
また、上記各実施形態では、変調部266を構成している各D/A変換器が8ビットD/A変換器である場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。但しビット数に応じて上記(1a)式〜(1c)式を修正する必要がある。
【0239】
また、上記各実施形態では、信号伝送媒体としてフレキシブルケーブルが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0240】
また、上記各実施形態では、記録時のパワー制御値が3種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、4種類以上であっても良い。この場合には、信号伝送媒体の小型化の効果が顕著となる。
【0241】
また、上記各実施形態では、光源として波長が660nmの光束を発光する半導体レーザLDを用いる場合について説明したが、これに限られるものはなく、例えば波長が約405nmの光束を発光する光源又は波長が約780nmの光束を発光する光源が用いられても良い。
【0242】
また、上記各実施形態において、モニタ用光束を受光するための受光器を光源ユニット内に配置しても良い。
【0243】
また、上記各実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。すなわち、光ディスク装置が互いに異なる規格に準拠した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク装置であっても良い。
【0244】
また、上記各実施形態では、インターフェースがATAPIの規格に準拠する場合について説明したが、これに限らず、例えばATA(AT Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)、USB(Universal Serial Bus)1.0、USB2.0、IEEE1394、IEEE802.3、シリアルATA及びシリアルATAPIのうちのいずれかの規格に準拠しても良い。
【0245】
また、上記各実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち、少なくとも記録が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0246】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る駆動信号生成方法及び光源駆動装置によれば、光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化、低コスト化が可能となるという効果がある。
【0247】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、大型化、高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における再生信号処理回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1における変調信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図3におけるクロック信号生成部の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図3におけるクロック信号生成部にて生成されるクロック信号を説明するための波形図である。
【図6】図3における波形生成部で生成される波形情報信号を説明するための図である。
【図7】図3における遅延調整部の構成を説明するためのブロック図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、それぞれ遅延調整部の作用を説明するための図である。
【図9】図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。
【図10】図9におけるLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】図10の照射レベル設定部から出力されるパワー信号を説明するための図である。
【図12】図10における復号部の作用を説明するための図である。
【図13】図10における変調部を説明するための図である。
【図14】図10における遅延検出部を説明するための図である。
【図15】図14の遅延検出部の作用(その1)を説明するための図である。
【図16】図14の遅延検出部の作用(その2)を説明するための図である。
【図17】図10における制御部がCPUからの遅延情報取得要求を受信したときの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】遅延情報取得処理のときに変調信号生成・符号化部246から出力される符号化変調信号説明するためのタイミングチャートである。
【図19】記録時におけるLD駆動回路の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図20】発光パワーのパルス形状と形成されるマーク領域との関係を説明するための図である。
【図21】ホストからの記録要求に応じて行なわれる光ディスク装置における記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】ホストからの再生要求に応じて行なわれる光ディスク装置における再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】図10における遅延検出部の他の構成例を説明するための図である。
【図24】復号部から出力される変調信号に基づいて遅延検出を行なう場合のLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図25】図24における遅延検出部の作用(その1)を説明するためのタイミングチャートである。
【図26】図24における遅延検出部の作用(その2)を説明するためのタイミングチャートである。
【図27】図24における遅延検出部の作用(その3)を説明するためのタイミングチャートである。
【図28】図28(A)及び図28(B)は、それぞれ図24における遅延検出部の構成を説明するためのブロック図である。
【図29】図28の遅延検出部の作用を説明するための図である。
【図30】図24における遅延検出部の他の構成例を説明するための図である。
【図31】波形生成部で遅延調整を行なう場合の変調信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図32】図31における波形生成部の作用(その1)を説明するためのタイミングチャートである。
【図33】図31における波形生成部の作用(その2)を説明するためのタイミングチャートである。
【図34】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置における変調信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図35】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置におけるLD駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図36】図34におけるパルス幅調整部の構成を説明するためのブロック図である。
【図37】図36のパルス幅調整部の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図38】図37におけるパルス幅検出部の構成を説明するためのブロック図である。
【図39】図38のパルス幅検出部の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図40】図34における制御部がCPUからのパルス幅情報取得要求を受信したときの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図41】図35におけるパルス幅検出部の他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図42】復号部から出力される変調信号に基づいてパルス幅検出を行なう場合のLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図43】図42におけるパルス幅検出部の作用(その1)を説明するためのタイミングチャートである。
【図44】図42におけるパルス幅検出部の作用(その2)を説明するためのタイミングチャートである。
【図45】波形生成部でパルス幅調整を行なう場合の変調信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図46】パワーモニタ信号に基づいてパルス幅検出を行なう場合のLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図47】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置における変調信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図48】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置におけるLD駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図49】図47における変調信号生成回路の他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図50】図49におけるパルス幅・遅延調整部の構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、24…変調信号生成回路(光源駆動装置の一部)、40…CPU(処理装置)、59…受光器(光検出器)、243’…波形生成部(遅延補正手段の一部)、243”…波形生成部(パルス幅変動補正手段の一部)、246…変調信号生成・符号化部(符号化信号生成手段)、247…遅延調整部(遅延補正手段の一部)、248…遅延制御部(遅延補正手段の一部)、251…パルス幅調整部(パルス幅変動補正手段の一部)、252…パルス幅制御部(パルス幅変動補正手段の一部)、263…復号部(復号手段)、264,264’…遅延検出部(信号遅延検出手段)、266…変調部(駆動信号生成手段)、271,271’,271”…パルス幅検出部(パルス幅変動検出手段)、FC…フレキシブルケーブル(信号伝送媒体)、LD…半導体レーザ(光源)、LDD…LD駆動回路(光源駆動装置の一部)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動信号生成方法、光源駆動装置及び光ディスク装置に係り、更に詳しくは、レーザ光を発光する光源の駆動信号を生成する駆動信号生成方法、レーザ光を発光する光源を駆動する光源駆動装置、及び該光源駆動装置を備える光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル技術の進歩、及びデータ圧縮技術の向上に伴い、音楽、映画、写真及びコンピュータソフトなどの情報(以下「コンテンツ」ともいう)を記録するための情報記録媒体としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、光ディスクを情報の記録及び再生を含むアクセスの対象媒体とする光ディスク装置が普及するようになった。
【0003】
光ディスク装置は、光ディスクのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光の微小スポットを形成することにより情報の記録及び消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そこで、光ディスク装置には、光ディスクの記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置が搭載されている。
【0004】
光ピックアップ装置は通常、駆動信号に応じた発光パワーでレーザ光を出射する光源、変調信号に基づいて駆動信号を生成し、光源を駆動する光源駆動部、光源から出射されるレーザ光を光ディスクの記録面に導くとともに、記録面で反射されたレーザ光を所定の受光位置まで導く光学系、及びその受光位置に配置された光検出器などを備えている。
【0005】
光ディスクでは、互いに反射率の異なるマーク領域及びスペース領域のそれぞれの長さとそれらの組み合わせとによって情報が記録される。そこで、光ディスクに情報を記録する際には所定位置にマーク領域及びスペース領域がそれぞれ形成されるようにレーザ光の発光パワーが制御される。
【0006】
記録面に有機色素を含むCD−R(CD−recordable)、DVD−R(DVD−recordable)及びDVD+R(DVD+recordable)などの追記型の光ディスクでは、マーク領域を形成するときには発光パワーを大きくして色素を加熱及び溶解し、そこに接しているディスク基板部分を変質・変形させている。一方、スペース領域を形成するときにはディスク基板が変質・変形しないように発光パワーを再生時と同程度に小さくしている。これにより、マーク領域ではスペース領域よりも反射率が低くなる。このような発光パワーの制御方式は、単パルス記録方式とも呼ばれている。
【0007】
また、記録面に特殊合金を含むCD−RW(CD−rewritable)、DVD−RW(DVD−rewritable)、及びDVD+RW(DVD+rewritable)などの書き換え可能な光ディスクでは、マーク領域を形成する時には、特殊合金を第1の温度に加熱したのち急冷し、アモルファス(非晶質)状態にしている。一方、スペース領域を形成する時には、特殊合金を第2の温度(<第1の温度)に加熱したのち徐冷し、結晶状態にしている。これにより、マーク領域ではスペース領域よりも反射率が低くなる。このような特殊合金の温度制御はレーザ光の発光パワーを制御することによって行なわれる。なお、蓄熱の影響を除去するために、マーク領域を形成するときの発光パワーを複数のパルスに分割(マルチパルス化)することが行なわれている。このような発光パワーの制御方式はマルチパルス記録方式とも呼ばれている。マルチパルス化された発光パワーの最大値はライトパワー、最小値はボトムパワーとも呼ばれている。また、スペース領域を形成するときの発光パワーはイレーズパワー(ライトパワー>イレーズパワー>ボトムパワー)とも呼ばれている。
【0008】
例えばノート型のパーソナルコンピュータに内蔵される光ディスク装置では、光ディスクの出し入れに伴って光ピックアップ装置が移動することや、レイアウト上の制約などにより、光ピックアップ装置と信号処理用の回路基板との間の信号ケーブルの長さが例えばデスクトップ型のパソコンに内蔵される光ディスク装置の場合に比べて長くなる場合がある。信号ケーブルが長くなると、例えば信号処理用の回路基板から光源駆動部に出力される変調信号に波形の歪、信号間の遅延差(スキュー)など(以下、便宜上、総称して「信号劣化」ともいう)が生じ、駆動信号に悪影響を及ぼすおそれがあった。そこで、変調信号の信号劣化を補正する装置が種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−283249号公報
【特許文献2】
特開平11−219524号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パソコンなどの情報機器の小型化、低価格化が進み、それに伴って光ディスク装置に対しても、小型化、低コスト化の要求が高まっている。しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されている装置では、記録品質を維持しつつ、装置の小型化、低コスト化を実現することは困難であった。
【0011】
また、最近では発振波長が約405nmの半導体レーザ(青色レーザ)を用いた光ディスク装置の開発が精力的に行なわれている。この光ディスク装置では、CDや従来のDVDにも対応する必要があるため、さらなる小型化への要求が予想される。
【0012】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化、低コスト化を可能とする駆動信号生成方法及び光源駆動装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、前記光源を駆動する光源駆動装置において、前記データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号に基づいて前記光源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成方法であって、前記複数の変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化することにより、前記複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号を生成し、所定の伝送路に出力する第1工程と;前記伝送路を介した前記符号化変調信号を前記複数の変調信号に復号する第2工程と;前記復号された複数の変調信号に基づいて前記駆動信号を生成する第3工程と;を含む駆動信号生成方法である。
【0015】
これによれば、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、該データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号は所定の符号化規則にしたがって符号化され、複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号が生成される。ここで生成された符号化変調信号は所定の伝送路に出力される(第1工程)。そして、伝送路を介した符号化変調信号は複数の変調信号に復号され(第2工程)、この復号された複数の変調信号に基づいて光源の駆動信号が生成される(第3工程)。従って、回路構成を複雑化することなく、伝送路における信号線の本数を従来よりも減らすことが可能となり、その結果として光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、前記データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、前記複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号を生成する符号化信号生成手段と;前記符号化変調信号を前記複数の変調信号に復号する復号手段と;前記符号化信号生成手段で生成された前記符号化変調信号を前記復号手段に伝送するための信号伝送媒体と;前記復号された前記変調信号に基づいて前記光源の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と;を備える光源駆動装置である。
【0017】
これによれば、光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、該データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号は、符号化信号生成手段により所定の符号化規則にしたがって符号化され、複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号となる。この符号化変調信号は信号伝送媒体を介して復号手段に供給され、復号手段により複数の変調信号に復号される。そして、この復号された複数の変調信号に基づいて駆動信号生成手段により光源の駆動信号が生成される。従って、回路構成を複雑化することなく、信号伝送媒体における信号線の本数を従来よりも減らすことが可能となり、その結果として光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0018】
この場合において、請求項3に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号の信号遅延を補正する遅延補正手段を更に備えることとすることができる。
【0019】
この場合において、請求項4に記載の光源駆動装置の如く、前記遅延補正手段は、前記符号化信号生成手段で符号化される前の前記複数の変調信号の少なくとも1つの変調信号の位相を前記信号遅延に応じて調整することにより、前記信号遅延を補正することとすることができる。
【0020】
上記請求項3に記載の光源駆動装置において、請求項5に記載の光源駆動装置の如く、前記遅延補正手段は、前記符号化変調信号の位相を前記信号遅延に応じて調整することにより、前記信号遅延を補正することとすることができる。
【0021】
上記請求項3〜5に記載の各光源駆動装置において、請求項6に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号の信号遅延を検出する信号遅延検出手段を更に備えることとすることができる。
【0022】
この場合において、請求項7に記載の光源駆動装置の如く、前記信号遅延検出手段は、前記復号手段で復号された前記複数の変調信号のパルス形状に基づいて前記信号遅延を検出することとすることができる。
【0023】
上記請求項6に記載の光源駆動装置において、請求項8に記載の光源駆動装置の如く、前記信号遅延検出手段は、前記光源から発光されたレーザ光の光量に関する情報を含むモニタ信号に基づいて前記信号遅延を検出することとすることができる。
【0024】
上記請求項2〜8に記載の各光源駆動装置において、請求項9に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号のパルス幅変動を補正するパルス幅変動補正手段を更に備えることとすることができる。
【0025】
この場合において、請求項10に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動補正手段は、前記符号化信号生成手段で符号化される前の前記複数の変調信号の少なくとも1つの変調信号のパルス幅を前記パルス幅変動に応じて調整することにより、前記パルス幅変動を補正することとすることができる。
【0026】
上記請求項9に記載の光源駆動装置において、請求項11に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動補正手段は、前記符号化変調信号のパルス幅を前記パルス幅変動に応じて調整することにより、前記パルス幅変動を補正することとすることができる。
【0027】
上記請求項9〜11に記載の各光源駆動装置において、請求項12に記載の光源駆動装置の如く、前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号のパルス幅変動を検出するパルス幅変動検出手段を更に備えることとすることができる。
【0028】
この場合において、請求項13に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動検出手段は、前記復号手段で復号された前記複数の変調信号のパルス幅に基づいて前記パルス幅変動を検出することとすることができる。
【0029】
上記請求項12に記載の光源駆動装置において、請求項14に記載の光源駆動装置の如く、前記パルス幅変動検出手段は、前記光源から発光されたレーザ光の光量に関す情報を含むモニタ信号に基づいて前記パルス幅変動を検出することとすることができる。
【0030】
請求項15に記載の発明は、光ディスクに対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう光ディスク装置であって、光源と;前記光源から射出される光束を前記光ディスクの記録面に集光するとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光装置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;前記光源を駆動する請求項2〜14いずれか一項に記載の光源駆動装置と;前記光源駆動装置を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0031】
これによれば、請求項2〜14のいずれか一項に記載の光源駆動装置を備えているために、結果として大型化及び高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行うことが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0033】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、変調信号生成回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40、及びRAM41などを備えている。なお、図1における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、光ディスク装置20は、DVD系の規格に準拠した情報記録媒体に対応可能であるものとする。
【0034】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0035】
前記再生信号処理回路28は、図2に示されるように、I/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、及びデコーダ28eなどから構成されている。
【0036】
I/Vアンプ28aは、光ピックアップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。サーボ信号検出回路28bは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてサーボ信号(フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号など)を検出する。
【0037】
ウォブル信号検出回路28cは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてウォブル信号を検出する。RF信号検出回路28dは、I/Vアンプ28aの出力信号に基づいてRF信号を検出する。
【0038】
デコーダ28eは、ウォブル信号検出回路28cで検出されたウォブル信号から、アドレス情報、回転同期信号及び記録クロック信号などを抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、回転同期信号はサーボコントローラ33に出力され、記録クロック信号はエンコーダ25に出力される。また、デコーダ28eは、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号に対して復号処理及び誤り検出処理等を行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。
【0039】
図1に戻り、前記サーボコントローラ33は、サーボ信号検出回路28bからのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するためのフォーカス制御信号を生成する。また、サーボコントローラ33は、サーボ信号検出回路28bからのトラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するためのトラッキング制御信号を生成する。さらに、サーボコントローラ33は、デコーダ28eからの回転同期信号に基づいて回転速度のずれを補正するための回転制御信号を生成する。ここで生成された各制御信号は、モータドライバ27に出力される。
【0040】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からのフォーカス制御信号、トラッキング制御信号及びCPU40の指示に基づいて、後述する光ピックアップ装置23の駆動系を駆動する。すなわち、サーボ信号検出回路28b、サーボコントローラ33及びモータドライバ27によってトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの回転制御信号に基づいてスピンドルモータ22を駆動する。
【0041】
前記バッファRAM34は、光ディスクに記録するデータ(記録用データ)、及び光ディスクから再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納されるバッファ領域と、各種プログラム変数などが格納される変数領域とを有している。
【0042】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理する。そして、バッファ領域に蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU40に通知する。
【0043】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34のバッファ領域に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、所定のデータ変調処理及びエラー訂正コードの付加処理などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号は前記記録クロック信号とともに変調信号生成回路24に出力される。
【0044】
前記変調信号生成回路24は、CPU40及びエンコーダ25からの各種信号に基づいて、光ディスク15に照射されるレーザ光の発光パワーを制御するための符号化変調信号を生成し、信号伝送媒体としてのフレキシブルケーブルFCを介して光ピックアップ装置23に出力する。
【0045】
この変調信号生成回路24は、図3に示されるように、制御部240、クロック信号生成部241、ランレングス検出部242、波形生成部243、RAM244、タイミング信号生成部245、符号化信号生成手段としての変調信号生成・符号化部246、遅延調整部247、遅延制御部248、テスト波形生成部249、及びRAM250などを備えている。なお、図3における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0046】
制御部240は、CPU40及びエンコーダ25からの各種信号を解析し、その内容に応じて上記各部を制御する。
【0047】
クロック信号生成部241は、一例として図4に示されるように、M分周器231a、位相比較器231b、ループフィルタ231c、VCO(Voltaga Controlled Oscillator)231d、N分周器231e、及びN/M分周器231fなどを有している。M分周器231aは、記録クロック信号WckをM(例えばM=2あるいはM=4)分周する。これによりノイズを低減することができる。位相比較器231bは、M分周器231aから出力される信号の位相とN分周器231eから出力される信号の位相とを比較し、その比較結果を出力する。ループフィルタ231cは、位相比較器231bの出力信号に含まれるノイズ、すなわち高周波成分を除去する。VCO231dは、ループフィルタ231cの出力信号に応じて、所定量ずつ互いに位相の異なるm個のクロックを生成する。一例として図5には、m=8の場合にVCO231dで生成される8個のクロック(CLK0〜CLK7)が示されている。ここで生成された各クロックは変調信号生成・符号化部246に出力される。VCO231dで生成されたm個のクロックのうち特定のクロックPCK(例えばCLK0)はN分周器231eに出力される。なお、このVCO231dは例えばリングオシレータを含む回路で容易に実現することができる。N分周器231eは、VCO231dからのクロックPCK(ここではCLK0)をN分周し、位相比較器231bに出力する。すなわち、記録クロック信号Wckに対するクロックPCKの逓倍数nはN/Mとなる。N/M分周器231fは、VCO231dからのクロックPCKをN/M分周し、記録チャネルクロックCLKを生成する。ここで生成された記録チャネルクロックCLKは前記各部に供給される。
【0048】
図3に戻り、ランレングス検出部242は、書き込み信号Wdata及び記録チャネルクロックCLKに基づいて、マーク領域の長さ(以下「マーク長」ともいう)及びスペース領域の長さ(以下「スペース長」ともいう)を検出する。ここでは、一例としてマーク長に関する情報を含む信号Slen0、該マーク領域の直前のスペース長に関する情報を含む信号Slen1、及び該マーク領域の直後のスペース長に関する情報を含む信号Slen2が、検出結果として波形生成部243に出力される。また、ランレングス検出部242は、検出に要する時間及びランレングス検出部242での信号遅延を考慮して、書き込み信号Wdataを所定時間遅延させ、書き込み信号dWdataとしてタイミング信号生成部245及び変調信号生成・符号化部246に出力する。
【0049】
タイミング信号生成部245は、信号dWdataに基づいてマーク領域及びスペース領域のタイミング信号Sshを生成する。ここで生成されたタイミング信号Sshは、光ピックアップ装置23に出力される。
【0050】
RAM244には、光ディスクの種類毎に、マーク長、直前のスペース長、及び直後のスペース長に応じた最適な記録ストラテジ情報が格納されている。具体的には、先頭の加熱パルスの遅延時間、先頭の加熱パルス(先頭加熱パルス)のパルス幅、中間の加熱パルス(中間加熱パルス)のパルス幅、最終の加熱パルス(最終加熱パルス)のパルス幅、中間の冷却パルス(中間冷却パルス)のパルス幅、最終の中間冷却パルス(最終中間冷却パルス)のパルス幅、最終の冷却パルス(最終冷却パルス)のパルス幅、中間加熱パルスのパルス数などが格納されている。
【0051】
波形生成部243は、ランレングス検出部242からの各信号(Slen0,Slen1,Slen2)に応じて、RAM244に格納されている記録ストラテジ情報を参照し、最適なパルス形状に関する情報を含む波形情報信号を生成する。ここでは、一例として図6に示されるように、書き込み信号Wdataにおけるマーク領域Mに対応する発光パワーが、4つの加熱パルス(HP1,HP2,HP3,HP4)と4つの冷却パルス(CP1,CP2,CP3,CP4)とから構成されるようにマルチパルス化されるものとする。Tssは最初の加熱パルスHP1の遅延時間である。Tspは先頭加熱パルスである加熱パルスHP1のパルス幅、Tmpは中間加熱パルスである加熱パルスHP2及び加熱パルスHP3のパルス幅、Tlpは最終加熱パルスである加熱パルスHP4のパルス幅である。Tmsは中間冷却パルスである冷却パルスCP1及び冷却パルスCP2のパルス幅、Tlsは最終中間冷却パルスである冷却パルスCP3のパルス幅、Tesは最終冷却パルスである冷却パルスCP4のパルス幅である。ここで生成された波形情報信号は変調信号生成・符号化部246に出力される。
【0052】
図3に戻り、変調信号生成・符号化部246は、クロック信号生成部241からの所定量ずつ互いに位相の異なるm個のクロック(ここでは、CLK0〜CLK7)、ランレングス検出部242にて遅延された書き込み信号dWdata、及び波形生成部243からの波形情報信号に基づいて、符号化変調信号S0及びS1を生成する。ここでは、一例として図6に示されるように、符号化変調信号S0は、書き込み信号dWdataが0(ローレベル)から1(ハイレベル)に変化した後、時間Tss+Tspが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tmsが経過すると0から1に変化し、さらに時間Tmpが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tmsが経過すると0から1に変化し、さらに時間Tmpが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tlsが経過すると0から1に変化し、さらに時間Tlpが経過すると1から0に変化し、さらに時間Tesが経過すると0から1に変化している。符号化変調信号S1は、書き込み信号dWdataが0から1に変化した後、時間Tssが経過すると0から1に変化し、さらに時間Temp−Tssが経過すると1から0に変化している。ここで生成された各符号化変調信号は、それぞれ遅延調整部247に出力される。なお、ここでは、Tempは(Tss+Tsp+2・Tms+2・Tmp+Tls+Tlp+Tes)である。
【0053】
変調信号生成・符号化部246における各符号化変調信号の設定分解能は、記録チャネルクロックCLKの1/(m・n)に相当する時間である。なお、mは前記クロック信号生成部241において生成される互いに位相が異なるクロックの数であり、nは記録クロック信号Wckに対するクロックPCKの前記逓倍数である。
【0054】
遅延制御部248は、CPU40からの遅延情報取得要求に応じて、遅延調整部247から出力された符号化変調信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23における遅延情報を取得し、RAM250に格納する。また、遅延制御部248は、記録に際して、RAM250に格納されている遅延情報に基づいて、変調信号生成・符号化部246から出力される符号化変調信号S0を調整するための遅延設定信号Dly0、及び符号化変調信号S1を調整するための遅延設定信号Dly1を生成する。ここで生成された各遅延設定信号は、それぞれ遅延調整部247に出力される。
【0055】
遅延調整部247は、各遅延設定信号に応じて各符号化変調信号を調整する。この遅延調整部247は、一例として図7に示されるように、符号化変調信号S0を調整する遅延調整回路K0と、符号化変調信号S1を調整する遅延調整回路K1などを備えている。
【0056】
遅延調整回路K0は、符号化変調信号S0を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D01〜D0n)と、遅延制御部248からの遅延設定信号Dly0に基づいて、符号化変調信号S0及び各遅延回路の出力信号(S01〜S0n)のうちのいずれかを選択するセレクタSEL1とを含んでいる。セレクタSEL1の出力信号dS0は光ピックアップ装置23に出力される。図8(A)には、一例としてn=7の場合が示されている。この場合には、遅延設定信号Dly0は3つの信号(L00,L01,L02)で構成されることとなる。そして、(L00=0,L01=0,L02=0)のときは符号化変調信号S0が選択され、(L00=0,L01=0,L02=1)のときは遅延回路D01の出力信号S01が選択され、(L00=0,L01=1,L02=0)のときは遅延回路D02の出力信号S02が選択され、(L00=1,L01=0,L02=0)のときは遅延回路D03の出力信号S03が選択され、(L00=0,L01=1,L02=1)のときは遅延回路D04の出力信号S04が選択され、(L00=1,L01=0,L02=1)のときは遅延回路D05の出力信号S05が選択され、(L00=1,L01=1,L02=0)のときは遅延回路D06の出力信号S06が選択され、(L00=1,L01=1,L02=1)のときは遅延回路D07の出力信号S07が選択される。
【0057】
遅延調整回路K1は、符号化変調信号S1を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D11〜D1n)と、遅延制御部248からの遅延設定信号Dly1に基づいて、符号化変調信号S1及び各遅延回路の出力信号(S11〜S1n)のうちのいずれかを選択するセレクタSEL2とを含んでいる。セレクタSEL2の出力信号dS1は光ピックアップ装置23に出力される。図8(B)には、一例としてn=7の場合が示されている。この場合には、遅延設定信号Dly1は3つの信号(L10,L11,L12)で構成されることとなる。そして、(L10=0,L11=0,L12=0)のときは符号化変調信号S1が選択され、(L10=0,L11=0,L12=1)のときは遅延回路D11の出力信号S11が選択され、(L10=0,L11=1,L12=0)のときは遅延回路D12の出力信号S12が選択され、(L10=1,L11=0,L12=0)のときは遅延回路D13の出力信号S13が選択され、(L10=0,L11=1,L12=1)のときは遅延回路D14の出力信号S14が選択され、(L10=1,L11=0,L12=1)のときは遅延回路D15の出力信号S15が選択され、(L10=1,L11=1,L12=0)のときは遅延回路D16の出力信号S16が選択され、(L10=1,L11=1,L12=1)のときは遅延回路D17の出力信号S17が選択される。
【0058】
なお、上記各遅延回路はそれぞれほぼ同等の信号遅延特性を有している。また、以下では、1つの遅延回路での遅延時間を1ステップともいう。
【0059】
テスト波形生成部249は、CPU40からの遅延情報取得要求に応じて、所定のテスト用波形情報信号を生成する。ここで生成されたテスト用波形情報信号は、変調信号生成・符号化部246に出力される。
【0060】
図1に戻り、前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、一例としてATAPI(AT Attachment Packet Interface)の規格に準拠している。
【0061】
前記フラッシュメモリ39は、プログラム領域及びデータ領域を含んで構成されている。このフラッシュメモリ39は不揮発性メモリであり、電源供給が停止されても格納されている内容は保持される。
【0062】
フラッシュメモリ39のプログラム領域には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。
【0063】
フラッシュメモリ39のデータ領域には、記録条件、及び光ピックアップ装置23のシーク動作に関する情報(以下「シーク情報」ともいう)などが格納されている。
【0064】
前記CPU40は、フラッシュメモリ39のプログラム領域に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34の変数領域に格納する。
【0065】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について説明する。
【0066】
光ピックアップ装置23は、一例として図9に示されるように、LD駆動回路LDD、光源ユニット51、コリメートレンズ52、ビームスプリッタ54、対物レンズ60、2つの検出レンズ(58,72)、2つの受光器(59,73)、反射ミラー71、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))などを備えている。
【0067】
光源ユニット51は、波長が660nmのレーザ光を発光する光源としての半導体レーザLDを含んで構成されている。なお、本実施形態では、光源ユニット51から出射されるレーザ光の光束(以下、「光束」と略述する)の最大強度出射方向を+X方向とする。
【0068】
コリメートレンズ52は、光源ユニット51の+X側に配置され、光源ユニット51から出射された光束を略平行光とする。
【0069】
反射ミラー71は、コリメートレンズ52の近傍に配置され、光源ユニット51から出射された光束の一部をモニタ用光束として−Z方向に反射する。
【0070】
ビームスプリッタ54は、コリメートレンズ52の+X側に配置され、コリメートレンズ52からの光束をそのまま透過させ、光ディスク15で反射した光束(戻り光束)を−Z方向に分岐する。
【0071】
対物レンズ60は、ビームスプリッタ54の+X側に配置され、ビームスプリッタ54を透過した光束を光ディスク15の記録面に集光する。
【0072】
検出レンズ58は、ビームスプリッタ54の−Z側に配置され、ビームスプリッタ54で−Z方向に分岐された戻り光束を光検出器としての受光器59の受光面に集光する。受光器59は、通常の光ディスク装置と同様に、ウォブル信号情報、再生データ情報、フォーカスエラー情報及びトラックエラー情報などを含む信号を出力する複数の受光素子を含んで構成されている。各受光素子はそれぞれ光電変換により受光量に応じた電流信号を生成し再生信号処理回路28に出力する。
【0073】
検出レンズ72は、反射ミラー71の−Z側に配置され、反射ミラー71で−Z方向に反射されたモニタ用光束を受光器73の受光面に集光する。受光器73としては通常の受光素子が用いられる。受光器73は、光電変換により受光量に応じた電流信号を生成し、パワーモニタ信号としてLD駆動回路LDDに出力する。
【0074】
LD駆動回路LDDは、図10に示されるように、制御部260、照射レベル設定部262、復号手段としての復号部263、信号遅延検出手段としての遅延検出部264、LD制御部265、駆動信号生成手段としての変調部266、加算部267、増幅部268、及び切り替えスイッチSWなどを備えている。なお、図10における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0075】
制御部260は、CPU40、変調信号生成回路24及び受光器73からの各種信号を解析し、その内容に応じて上記各部を制御する。
【0076】
照射レベル設定部262は、CPU40の指示に基づいて、ボトムパワーPb、リードパワーPr、イレーズパワーPe及びライトパワーPwを設定し、一例として図11に示されるように、半導体レーザLDのI−L特性における閾値電流Ith及び微分量子効率(微分効率)に基づいて、ボトムパワーPbで発光するための駆動電流Ib、リードパワーPrで発光するための駆動電流Ir、イレーズパワーPeで発光するための駆動電流Ie、及びライトパワーPwで発光するための駆動電流Iwを求める。そして、駆動電流Irと駆動電流Ibとの差に対応するパワー信号P0Data、駆動電流Ieと駆動電流Ibとの差に対応するパワー信号P1Data、及び駆動電流Iwと駆動電流Ibとの差に対応するパワー信号P2Dataをそれぞれ出力する。すなわち、P0DataはリードパワーPrとボトムパワーPbとの差に対応するパワー信号であり、P1DataはイレーズパワーPeとボトムパワーPbとの差に対応するパワー信号であり、P2DataはライトパワーPwとボトムパワーPbとの差に対応するパワー信号である。
【0077】
復号部263は、前記信号dS0及びdS1に基づいて、3つの変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)をそれぞれ復号する。ここでは、図12に示されるように、(dS0=0,dS1=0)のときは(Mod0=1,Mod1=0,Mod2=0)とし、(dS0=1,dS1=0)のときは(Mod0=0,Mod1=1,Mod2=0)とし、(dS0=1,dS1=1)のときは(Mod0=0,Mod1=0,Mod2=1)とし、(dS0=0,dS1=1)のときは(Mod0=0,Mod1=0,Mod2=0)とする。ここで復号された各変調信号は変調部266にそれぞれ出力される。
【0078】
LD制御部265は、前記タイミング信号生成部245で生成されたタイミング信号Sshに同期して、受光器73からのパワーモニタ信号Pmonをサンプル/ホールドし、バイアス信号Ibias、及び後述する駆動信号Idrvのスケール(最大振幅)を規定するスケール信号Isclを生成する。ここでは、前記駆動電流Ibに対応する信号がバイアス信号Ibiasに設定される。ここで生成されたバイアス信号Ibiasは加算部267に出力され、スケール信号Isclは変調部266に出力される。また、LD制御部265は、例えば温度変動などに起因して半導体レーザのI−L特性における閾値電流Ith及び微分量子効率が変化すると、閾値電流Ithの変化に対応してバイアス信号Ibiasを調整するとともに、微分量子効率の変化に対応してスケール信号Isclを調整する。
【0079】
変調部266は、図13に示されるように、3つのD/A変換器(266a,266b,266c)、3つのオンオフスイッチ(SW0,SW1,SW2)、及び電流加算器266dなどを備えている。
【0080】
各D/A変換器は一例として8ビットD/A変換器であり、それぞれLD制御部265からのスケール信号Isclにより規定されたスケールで、照射レベル設定部262からの各パワー信号を電流信号に変換する。この場合には、D/A変換器266aは次の(1a)式に基づいてパワー信号P0Dataを電流信号I0に変換し、D/A変換器266bは次の(1b)式に基づいてパワー信号P1Dataを電流信号I1に変換し、D/A変換器266cは次の(1c)式に基づいてパワー信号P2Dataを電流信号I2に変換する。
【0081】
I0=(P0Data/255)×Iscl ……(1a)
I1=(P1Data/255)×Iscl ……(1b)
I2=(P2Data/255)×Iscl ……(1c)
【0082】
オンオフスイッチSW0は、D/A変換器266aの出力段に配置され、復号部263からの変調信号Mod0に同期して、電流信号I0の電流加算器266dへの出力をオン/オフする。すなわち、電流信号I0はオンオフスイッチSW0がオン状態のときにのみ電流加算器266dに出力される。ここでは一例として、オンオフスイッチSW0は、変調信号Mod0が1(ハイレベル)のときにオン状態となり、0(ローレベル)のときにオフ状態となるように設定されているものとする。
【0083】
オンオフスイッチSW1は、D/A変換器266bの出力段に配置され、復号部263からの変調信号Mod1に同期して、電流信号I1の電流加算器266dへの出力をオン/オフする。すなわち、電流信号I1はオンオフスイッチSW1がオン状態のときにのみ電流加算器266dに出力される。ここでは一例として、オンオフスイッチSW1は、変調信号Mod1が1のときにオン状態となり、0のときにオフ状態となるように設定されているものとする。
【0084】
オンオフスイッチSW2は、D/A変換器266cの出力段に配置され、復号部263からの変調信号Mod2に同期して、電流信号I2の電流加算器266dへの出力をオン/オフする。すなわち、電流信号I2はオンオフスイッチSW2がオン状態のときにのみ電流加算器266dに出力される。ここでは一例として、オンオフスイッチSW2は、変調信号Mod2が1のときにオン状態となり、0のときにオフ状態となるように設定されているものとする。
【0085】
電流加算器266dは、各オンオフスイッチの出力信号をそれぞれ加算し、加算結果をLD変調電流信号Imodとして出力する。すなわち、例えば各オンオフスイッチがいずれもオフ状態であれば、Imod=0となり、オンオフスイッチSW0のみがオン状態であれば、Imod=I0となる。また、例えばオンオフスイッチSW1のみがオン状態であれば、Imod=I1となり、オンオフスイッチSW2のみがオン状態であれば、Imod=I2となる。
【0086】
図10に戻り、加算部267は、変調部266からのLD変調電流信号ImodとLD制御部265からのバイアス信号Ibiasとを加算する。すなわち、加算部267からは(Imod+Ibias)が出力される。
【0087】
増幅部268は、加算部267の出力信号Idを所定のゲインで増幅する。
【0088】
遅延検出部264は、復号部263に入力される信号dS0とdS1の遅延差を検出し、その検出結果を遅延検出信号Sdly0,Sdly1として遅延制御部248に出力する。
【0089】
この遅延検出部264は、一例として図14に示されるように、位相比較回路c1、平滑回路c2、及び比較回路c3などを備えている。
【0090】
位相比較回路c1は、信号dS0の位相とdS1の位相とを比較し、その比較結果を出力する。この位相比較回路c1は、2つの信号(Sdiff0,Sdiff1)を出力する。ここでは、一例として図15に示されるように、信号dS1の位相がdS0の位相よりも遅れている場合には、信号dS0と信号dS1の排他的論理和に対応するパルス信号が信号Sdiff0として出力され、一例として図16に示されるように、信号dS0の位相がdS1の位相よりも遅れている場合には、信号dS0と信号dS1の論理積に対応するパルス信号が信号Sdiff1として出力されるように設定されている。
【0091】
図14に戻り、平滑回路c2は、位相比較回路c1の出力信号を平滑化する。ここでは、平滑回路c2は2つの信号(Vdiff0,Vdiff1)を出力する。信号Vdiff0は信号Sdiff0の平滑結果であり、信号Vdiff1は信号Sdiff1の平滑結果である。
【0092】
比較回路c3は、平滑回路c2の出力信号Vdiff0及びVdiff1をそれぞれ予め設定されている基準信号Vrefと比較し、その比較結果をそれぞれ遅延検出信号Sdly0及びSdly1として遅延制御部248に出力する。ここでは、信号dS0とdS1との間に遅延差がない場合には、Sdly0=0及びSdly1=0となり、信号dS1がdS0よりも遅れている場合(以下「+遅延」ともいう)にはSdly0=1及びSdly1=0となり、信号dS0がdS1よりも遅れている場合(以下「−遅延」ともいう)にはSdly0=0及びSdly1=1となるように基準信号Vrefが設定されている。
【0093】
ここで、制御部240がCPU40からの遅延情報取得要求を受信したときの制御部240における処理動作について図17を用いて説明する。図17のフローチャートは、制御部240によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、CPU40からの遅延情報取得要求を受信すると、遅延情報取得処理がスタートする。なお、記録クロック信号Wckは通常の記録時と同様に出力されているものとする。
【0094】
最初のステップ401では、各パワー信号(P0Data,P1Data,P2Data)がそれぞれ0となるように、制御部260に指示する。この指示は制御部260を介して照射レベル設定部262に通知され、各パワー信号は0となる。これにより、半導体レーザの異常発光を防止し、半導体レーザを破壊や劣化から保護することができる。
【0095】
次のステップ403では、遅延調整部247での調整量が0となるように遅延制御部248に指示する。これにより、遅延制御部248は、各遅延検出信号に関係なく、符号化変調信号S0の調整量が0に対応する遅延設定信号Dly0、及び符号化変調信号S1の調整量が0に対応する遅延設定信号Dly1を遅延調整部247に出力する。
【0096】
次のステップ405では、符号化変調信号S0の遅延カウンタC0、及び符号化変調信号S1の遅延カウンタC1をそれぞれ0クリアする。
【0097】
次のステップ407では、テスト波形生成部249にテスト用波形情報信号の生成を指示する。これにより、テスト波形生成部249から変調信号生成・符号化部246にテスト用波形情報信号が出力される。そして、変調信号生成・符号化部246にて、テスト用波形情報信号に応じた符号化変調信号S0及びS1が生成され、遅延調整部247に出力される。遅延調整部247では、この符号化変調信号S0及びS1は調整されることなく、光ピックアップ装置23に出力される。すなわち、dS0=S0、dS1=S1である。なお、遅延差の検出精度を向上させるために、一例として図18に示されるように、符号化変調信号S0及びS1が同一周波数であり、かつ位相差が約(π/2)となるようなテスト用波形情報信号が好ましい。図18に示される各符号化変調信号はそれぞれデューティが50%であるが、これに限定されるものではない。
【0098】
これにより、遅延調整部247から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23における遅延差が遅延検出部264にて検出され、遅延検出信号Sdly0及びSdly1として遅延検出部264から出力される。
【0099】
次のステップ409では、遅延検出部264から出力された各遅延検出信号を遅延制御部248を介して取得する。
【0100】
次のステップ411では、取得した遅延検出信号Sdly0及びSdly1がいずれも0であるか否かを判断する。遅延検出信号Sdly0又はSdly1が0でなければここでの判断は否定され、ステップ413に移行する。
【0101】
このステップ413では、遅延検出信号Sdly0が1であるか否かを判断する。遅延検出信号Sdly0が1であればここでの判断は肯定され、ステップ415に移行する。
【0102】
このステップ415では、遅延カウンタC0の値を+1する。
【0103】
次のステップ417では、遅延調整部247での符号化変調信号S0に対する調整量がC0ステップ分となるように遅延制御部248に指示する。これにより、符号化変調信号S0の調整量をC0ステップ分に設定する遅延設定信号Dly0が遅延制御部248から遅延調整部247に出力される。そして、符号化変調信号S0はC0ステップ分だけ遅延して遅延調整部247から光ピックアップ装置23に出力される。なお、符号化変調信号S1はそのままである。そして、前記ステップ409に戻る。
【0104】
一方、上記ステップ413において、遅延検出信号Sdly0が1でなければ、ステップ413での判断は否定され、ステップ419に移行する。
【0105】
このステップ419では、遅延カウンタC1の値を+1する。
【0106】
次のステップ421では、遅延調整部247での符号化変調信号S1に対する調整量がC1ステップ分となるように遅延制御部248に指示する。これにより、符号化変調信号S1の調整量をC1ステップ分に設定する遅延設定信号Dly1が遅延制御部248から遅延調整部247に出力される。そして、符号化変調信号S1はC1ステップ分だけ遅延して遅延調整部247から光ピックアップ装置23に出力される。なお、符号化変調信号S0はそのままである。そして、前記ステップ409に戻る。
【0107】
取得した遅延検出信号Sdly0及びSdly1がいずれも0となると、上記ステップ411での判断は肯定され、ステップ423に移行する。
【0108】
このステップ423では、遅延カウンタC0及び遅延カウンタC1の値を含む遅延情報を、光ピックアップ装置23の現在のシーク位置情報とともにRAM250に格納する。そして、遅延情報取得処理を終了する。
【0109】
次に、上記のように構成されるLD駆動回路LDDの記録時における作用を図19及び図20を用いて説明する。ここでは、前述したように、発光パワーが4つの加熱パルス(HP1,HP2,HP3,HP4)と4つの冷却パルス(CP1,CP2,CP3,CP4)とから構成されるマーク領域Mについて説明する(図6参照)。
【0110】
1.書き込み信号dWdataが0から1に変化した後、時間Tssが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0111】
2.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tspが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0112】
3.変調信号Mod2が0に変更されてから時間Tmsが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0113】
4.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tmpが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0114】
5.変調信号Mod2が0に変更されてから時間Tmsが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0115】
6.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tmpが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0116】
7.変調信号Mod2が0に変更されてから時間Tlsが経過すると、信号dS0=1、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=1となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I2+Ibias)となり、発光パワーはPwとなる。
【0117】
8.変調信号Mod2が1に変更されてから時間Tlpが経過すると、信号dS0=0、dS1=1となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=0、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号IdはIbiasとなり、発光パワーはPbとなる。
【0118】
9.書き込み信号dWdataが1から0に変化すると、信号dS0=1、dS1=0となるため、復号部263から出力される各変調信号は、Mod0=0、Mod1=1、Mod2=0となる。これにより、加算部267の出力信号Idは(I1+Ibias)となり、発光パワーはPeとなる。
【0119】
これにより光ディスク15の記録面には、一例として図20に示されるように、先頭の加熱パルスHP1によって形成された領域R1、2番目の加熱パルスHP2によって形成された領域R2、3番目の加熱パルスHP3によって形成された領域R3、及び最後の加熱パルスHP4によって形成された領域R4が連続し、1つのマーク領域となる。
【0120】
《記録処理》
次に、ホストからの記録要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図21を用いて簡単に説明する。図21のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、ホストから記録要求コマンドを受信すると、図21のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、記録処理がスタートする。
【0121】
最初のステップ501では、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから記録要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、ホストから受信したデータ(記録用データ)のバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
【0122】
次のステップ503では、光ディスク15の回転が所定の線速度に達していることを確認すると、サーボコントローラ33に対してサーボオンを設定する。これにより、前述の如くトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は記録処理が終了するまで随時行われる。
【0123】
次のステップ505では、記録速度に基づいてOPC(Optimum Power Control)を行い、最適な記録パワーを取得する。すなわち、記録パワーを段階的に変化させつつ、PCA(Power Calibration Area)と呼ばれる試し書き領域に所定のデータを試し書きした後、それらのデータを順次再生し、例えばRF信号から検出されたアシンメトリの値が予め実験等で求めた目標値とほぼ一致する場合を最も高い記録品質であると判断し、そのときの記録パワーを最適な記録パワーとする。
【0124】
次のステップ507では、再生信号処理回路28からの前記アドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。
【0125】
次のステップ509では、現在のアドレスと記録要求コマンドから抽出した目標アドレスとの差分(アドレス差)を算出する。
【0126】
次のステップ511では、アドレス差に基づいてシークが必要であるか否かを判断する。ここでは、前記シーク情報の一つとしてフラッシュメモリ39に格納されている閾値を参照し、アドレス差が閾値を越えていれば、ここでの判断は肯定され、ステップ513に移行する。
【0127】
このステップ513では、アドレス差に応じたシークモータの制御信号をモータドライバ27に出力する。これにより、シークモータが駆動し、シーク動作が行なわれる。そして、前記ステップ507に戻る。
【0128】
一方、前記ステップ511において、アドレス差が閾値を越えていなければ、ここでの判断は否定され、ステップ515に移行する。
【0129】
このステップ515では、前述した遅延情報取得要求を制御部240に出力する。これにより、現在のシーク位置における信号dS0及びdS1の遅延情報が求められる。そして、信号dS0及びdS1の遅延差を補正するための遅延設定信号が遅延制御部248から遅延調整部247に出力され、復号部263における信号dS0及びdS1の遅延差がほぼ0となる。
【0130】
次のステップ517では、現在のアドレスが目標アドレスと一致しているか否かを判断する。現在のアドレスが目標アドレスと一致していなければ、ここでの判断は否定され、ステップ519に移行する。
【0131】
このステップ519では、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。そして、前記ステップ517に戻る。
【0132】
以下、前記ステップ517での判断が肯定されるまで、ステップ517→519の処理を繰り返し行なう。
【0133】
現在のアドレスが目標アドレスと一致すれば、前記ステップ517での判断は肯定され、ステップ521に移行する。
【0134】
このステップ521では、エンコーダ25に書き込みを許可する。これにより、記録用データは、エンコーダ25、変調信号生成回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に書き込まれる。記録用データがすべて書き込まれると、所定の終了処理を行った後、記録処理を終了する。
【0135】
《再生処理》
さらに、ホストから再生要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図22を用いて説明する。図22のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、ホストから再生要求コマンドを受信すると、図22のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、再生処理がスタートする。
【0136】
最初のステップ701では、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0137】
次のステップ703では、光ディスク15の回転が所定の線速度に達していることを確認すると、サーボコントローラ33に対してサーボオンを設定する。これにより、前述の如くトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は再生処理が終了するまで随時行われる。
【0138】
次のステップ705では、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。
【0139】
次のステップ707では、現在のアドレスと再生要求コマンドから抽出した目標アドレスとの差分(アドレス差)を算出する。
【0140】
次のステップ709では、前記ステップ511と同様にして、シークが必要であるか否かを判断する。シークが必要であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ711に移行する。
【0141】
このステップ711では、アドレス差に応じたシークモータの制御信号をモータドライバ27に出力する。そして、前記ステップ705に戻る。
【0142】
一方、前記ステップ709において、シークが必要でなければ、ステップ709での判断は否定され、ステップ713に移行する。
【0143】
このステップ713では、現在のアドレスが目標アドレスと一致しているか否かを判断する。現在のアドレスが目標アドレスと一致していなければ、ここでの判断は否定され、ステップ715に移行する。
【0144】
このステップ715では、再生信号処理回路28からのアドレス情報に基づいて現在のアドレスを取得する。そして、前記ステップ713に戻る。
【0145】
以下、前記ステップ713での判断が肯定されるまで、ステップ713→715の処理を繰り返し行なう。
【0146】
現在のアドレスが目標アドレスと一致すれば、前記ステップ713での判断は肯定され、ステップ717に移行する。
【0147】
このステップ717では、再生信号処理回路28に読み取りを指示する。これにより、再生信号処理回路28にて再生データが取得され、バッファRAM34に格納される。この再生データはセクタ単位でバッファマネージャ37及びインターフェース38を介してホストに転送される。そして、ホストから指定されたデータの再生がすべて終了すると、所定の終了処理を行った後、再生処理を終了する。
【0148】
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る光ディスク装置では、CPU40と該CPU40にて実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、CPU40によるプログラムに従う上記処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
【0149】
また、変調信号生成回路24とフレキシブルケーブルFCとLD駆動回路LDDとによって本発明に係る光源駆動装置が構成されている。また、遅延調整部247と遅延制御部248とによって遅延補正手段が構成されている。
【0150】
そして、変調信号生成・符号化部246の処理動作によって本発明に係る駆動信号生成方法の第1工程が実施され、復号部263の処理動作によって第2工程が実施され、変調部266の処理動作によって第3工程が実施されている。
【0151】
以上説明したように、本第1の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによると、変調信号生成・符号化部246にて変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、復号部263にて符号化変調信号を変調信号に復号している。これにより、変調信号生成回路24からLD駆動回路LDDに供給される信号の数が減少し、フレキシブルケーブルFCの小型化を促進することができる。また、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDをそれぞれ集積回路化した場合にはピン数をそれぞれ低減することができ、各集積回路の低コスト化及び小型化を図ることができる。従って、結果として、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行なうことができる。
【0152】
また、変調信号生成回路24から出力される信号dS0及びdS1は、符号化変調信号S0及びS1に対して、変調信号生成回路24とLD駆動回路LDDとの間の伝送路での信号遅延差を相殺するような調整がすでになされている信号であるため、LD駆動回路LDDでは精度良く半導体レーザを駆動することができる。
【0153】
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置23によると、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによって、半導体レーザを精度良く駆動することができるため、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行なうことが可能となる。
【0154】
なお、上記第1の実施形態の遅延検出部264において、図23に示されるように、前述した比較回路c3に代えて、信号Vdiff0及びVdiff1をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換回路c4を用いても良い。これにより、検出時間を短縮することが可能となる。また、このA/D変換回路c4を変調信号生成回路24側に配置しても良い。なお、この場合には、制御部240は遅延情報取得処理の際に、前記ステップ409に先立って、A/D変換回路c4の各出力信号から、信号dS0とdS1との間の遅延差に関する情報を取得する処理が必要となる。
【0155】
また、上記第1の実施形態において、図24に示されるように、前述した遅延検出部264に代えて、復号部263から出力される変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)に基づいて遅延検出を行なう遅延検出部264’を用いても良い。ここで、遅延検出部264’の作用について図25〜図27を用いて説明する。なお、信号dS0及びdS1は互いに同一周波数であり、かつ遅延調整部247から出力されるときの信号dS0とdS1との位相差が90°であるものとする。
【0156】
一例として図25に示されるように、遅延検出部264’における信号dS0とdS1との位相差が90°のまま、すなわち遅延差が0であれば、変調信号Mod0のパルス幅W0、変調信号Mod1のパルス幅W1、及び変調信号Mod2のパルス幅W2は、互いに等しくなる。
【0157】
また、一例として図26に示されるように、遅延検出部264’における信号dS0とdS1との位相差が(90°+δ1)、すなわち+遅延があり、その遅延差がδ1であれば、変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod2のパルス幅W2とは互いに等しいが、変調信号Mod1のパルス幅W1よりも小さくなる。すなわち、W0=W2<W1となる。
【0158】
さらに、一例として図27に示されるように、遅延検出部264’における信号dS0とdS1との位相差が(90°−δ2)、すなわち−遅延があり、その遅延差がδ2であれば、変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod2のパルス幅W2とは互いに等しいが、変調信号Mod1のパルス幅W1よりも大きくなる。すなわち、W0=W2>W1となる。
【0159】
そこで、遅延検出部264’を一例として図28(A)及び図28(B)に示されるように、2つの平滑回路(c5,c6)、及び比較回路c7を含んで構成することができる。図28(A)に示される遅延検出部264’では、平滑回路c5は変調信号Mod0を平滑化し、平滑回路c6は変調信号Mod1を平滑化する。比較回路c7は平滑回路c5の出力信号Vdc0及び平滑回路c6の出力信号Vdc1をそれぞれ基準電圧Vref(図29参照)と比較し、その比較結果をそれぞれ遅延検出信号Sdly0及びSdly1として出力する。ここでは、上記第1の実施形態と同様に、信号dS0とdS1との間に遅延差がない場合には、Sdly0=0及びSdly1=0となり、+遅延の場合には、Sdly0=1及びSdly1=0となり、−遅延の場合には、Sdly0=0及びSdly1=1となるように基準信号Vrefが設定されている。
【0160】
また、図28(B)に示される遅延検出部264’では、平滑回路c5は変調信号Mod2を平滑化し、平滑回路c6は変調信号Mod1を平滑化する。比較回路c7は平滑回路c5の出力信号Vdc2及び平滑回路c6の出力信号Vdc1をそれぞれ基準電圧Vrefと比較し、その比較結果をそれぞれ遅延検出信号Sdly0及びSdly1として出力する。変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod2のパルス幅W2とは互いに等しいため、図28(A)に示される遅延検出部264’から出力される各遅延検出信号と、図28(B)に示される遅延検出部264’から出力される各遅延検出信号とは同じである。
【0161】
また、この場合に、遅延検出部264’は、一例として図30に示されるように、いわゆるチャージポンプCP、及び比較回路c8を含んで構成しても良い。このチャージポンプCPは3つのオンオフスイッチ(SWc1,SWc2,SWc3)、抵抗R及びコンデンサCなどを含んでいる。オンオフスイッチSWc1がオン状態になるとコンデンサCは充電され、オンオフスイッチSWc2がオン状態になるとコンデンサCは放電される。オンオフスイッチSWc3はリセットスイッチである。比較回路c8はチャージポンプCPの出力信号と基準電圧Vstdとを比較し、その比較結果を遅延検出信号Sdly0及びSdly1として出力する。オンオフスイッチSWc1は変調信号Mod1が0のときにオフ状態となり、1のときオン状態となるように設定されている。オンオフスイッチSWc2は変調信号Mod1が0のときにオフ状態となり、1のときにオン状態となるように設定されている。そこで、変調信号Mod0のパルス幅W0と変調信号Mod1のパルス幅W1とが等しい場合にはチャージポンプCPの出力信号は基準電圧Vstdと等しくなる。また、パルス幅W0がパルス幅W1よりも小さい場合にはチャージポンプCPの出力信号は基準電圧Vstdよりも大きくなる。さらに、パルス幅W0がパルス幅W1よりも大きい場合にはチャージポンプCPの出力信号は基準電圧Vstdよりも小さくなる。これにより、比較回路c8は、信号dS0とdS1との間に遅延差がない場合には遅延検出信号Sdly0=0及びSdly1=0を出力し、+遅延の場合には遅延検出信号Sdly0=1及びSdly1=0を出力し、−遅延の場合には遅延検出信号Sdly0=0及びSdly1=1を出力する。
【0162】
また、上記第1の実施形態において、図31に示されるように、遅延制御部248で生成された遅延設定信号Dly0,Dly1を波形生成部243’に出力し、波形生成部243’において、各遅延設定信号に応じて波形情報信号を補正しても良い。この場合には、遅延調整部247は不要となる。波形生成部243’は、一例として図32に示されるように、+遅延の場合には、その遅延量d0に応じてTss及びTspを補正し、それぞれTss’(=Tss−d0)及びTsp’(=Tsp+d0)とする。これにより、変調信号生成・符号化部246で生成される符号化変調信号S1は、すでに遅延調整がなされた信号となる。すなわち、符号化変調信号S0及びS1は、上記第1の実施形態における遅延調整部247の出力信号dS0及びdS1とそれぞれ等しくなる。また、波形生成部243’は、一例として図33に示されるように、−遅延の場合には、その遅延量d1に応じてTspを補正し、Tsp’(=Tsp−d1)とする。これにより、変調信号生成・符号化部246で生成される符号化変調信号S0は、すでに遅延調整がなされた信号となる。すなわち、符号化変調信号S0及びS1は、上記第1の実施形態における遅延調整部247の出力信号dS0及びdS1とそれぞれ等しくなる。この場合には、波形生成部243’と遅延制御部248とによって遅延補正手段が構成されることとなる。
【0163】
なお、上記第1の実施形態では、遅延差に応じて符号化変調信号S0又はS1を調整する場合について説明したが、これに限らず、符号化変調信号S0及びS1の両方を調整しても良い。
【0164】
また、上記第1の実施形態では、遅延差に応じて符号化変調信号S0又はS1を遅らせることにより遅延差を調整する場合について説明したが、これに限らず、遅延差に応じて符号化変調信号S0又はS1を進ませることにより遅延差を調整しても良い。
【0165】
また、上記第1の実施形態では、記録の際に遅延情報取得処理を行なう場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、記録の際に、CPU40はそのときのシーク位置に対応する遅延情報がRAM250に格納されている場合には、該遅延情報に基づいて遅延設定信号を生成するように遅延制御部248に指示しても良い。さらに、例えば光ディスク装置の調整工程などにおいて、予め設定されたピックアップ装置23のシーク位置毎に遅延情報取得処理を行ない、得られた遅延情報をシーク位置に対応付けてフラッシュメモリ39のデータ領域に格納しておき、光ディスク装置に電源が投入されたときに、RAM250に転送しても良い。なお、工場出荷後に遅延情報取得処理を行なわないことが明確な場合には、例えば工場出荷時に遅延検出部264を外してもよい。
【0166】
また、上記第1の実施形態において、遅延検出部264に代えて、モニタ信号Pmonに基づいて遅延差を検出しても良い。
【0167】
また、上記第1の実施形態において、遅延検出結果をシリアルデータとして光ピックアップ装置23から変調信号生成回路24に供給しても良い。
【0168】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図34〜図40に基づいて説明する。
【0169】
この第2の実施形態は、図34に示されるように、前述した遅延調整部247に代えてパルス幅調整部251を用い、前述した遅延制御部248に代えてパルス幅制御部252を用い、図35に示されるように、前述した遅延検出部264に代えてパルス幅検出部271を用いる点に特徴を有する。その他の構成は、前述した第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0170】
パルス幅制御部252は、CPU40からのパルス幅情報取得要求に応じて、パルス幅調整部251から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23におけるパルス幅情報を取得し、RAM250に格納する。また、パルス幅制御部252は、記録に際して、RAM250に格納されているパルス幅情報に基づいて、変調信号生成・符号化部246から出力される符号化変調信号S0を調整するためのパルス幅設定信号Pls0、及び符号化変調信号S1を調整するためのパルス幅設定信号Pls1を生成する。ここで生成された各パルス幅設定信号は、それぞれパルス幅調整部251に出力される。
【0171】
パルス幅調整部251は、各パルス幅設定信号に応じて各符号化変調信号を調整する。このパルス幅調整部251は、一例として図36に示されるように、符号化変調信号S0のパルス幅を調整するパルス幅調整回路P0、及び符号化変調信号S1のパルス幅を調整するパルス幅調整回路P1などを備えている。
【0172】
パルス幅調整回路P0は、符号化変調信号S0を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D01〜D0n)と、符号化変調信号S0及び各遅延回路の出力信号(S01〜S0n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls0にて指定された2つの信号の論理和信号を生成する論理和生成回路L0aと、符号化変調信号S0及び各遅延回路の出力信号(S01〜S0n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls0にて指定された2つの信号の論理積信号を生成する論理積生成回路L0bなどを含んでいる。なお、論理和生成回路L0a及び論理積生成回路L0bは一方が選択されるようになっている。図37には、一例として信号S0とS01の論理積信号、及び信号S01とS02の論理和信号が示されている。
【0173】
パルス幅調整回路P1は、符号化変調信号S1を順次遅延させるために直列に配置されたn段の遅延回路(D11〜D1n)と、符号化変調信号S1及び各遅延回路の出力信号(S11〜S1n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls1にて指定された2つの信号の論理和信号を生成する論理和生成回路L1aと、符号化変調信号S1及び各遅延回路の出力信号(S11〜S1n)のうち、パルス幅制御部252からのパルス幅設定信号Pls1にて指定された2つの信号の論理積信号を生成する論理積生成回路L1bなどを含んでいる。なお、論理和生成回路L1a及び論理積生成回路L1bは一方が選択されるようになっている。
【0174】
なお、各遅延回路はそれぞれ入力信号を1ステップだけ遅延させて出力する特性を有している。
【0175】
パルス幅検出部271は、図38に示されるように、信号dS0のパルス幅を検出するパルス幅検出回路M0、及び信号dS1のパルス幅を検出するパルス幅検出回路M1などを備えている。
【0176】
パルス幅検出回路M0は、信号dS0を所定のレベルでスライスし二値化する二値化回路271a0、該二値化回路271a0の出力信号を平滑化する平滑回路271b0、及び該平滑回路271b0の出力信号をA/D変換し、パルス幅検出信号Spls0として出力するA/D変換器271c0を含んでいる。このパルス幅検出信号Spls0はパルス幅制御部252に出力される。そこで、一例として図39に示されるように、信号dS0をスライスレベルSLで二値化したときに、信号dS0のなまりなどに起因して、二値化回路271a0の出力信号Sm0のパルス幅Wmが、予定パルス幅Wmsよりも大きくなると、平滑回路271b0の出力信号Sm1は、信号dS0になまりがないときに比べて大きくなる。なお、図39には、信号dS0になまりがないときの信号波形が点線で示されている。
【0177】
パルス幅検出回路M1は、信号dS1を所定のレベルでスライスし二値化する二値化回路271a1、該二値化回路271a1の出力信号を平滑化する平滑回路271b1、及び該平滑回路271b1の出力信号をA/D変換し、パルス幅検出信号Spls1として出力するA/D変換器271c1を含んでいる。このパルス幅検出信号Spls1はパルス幅制御部252に出力される。
【0178】
パルス幅制御部252は、光ピックアップ装置23からの各パルス幅検出信号に基づいて、符号化変調信号S0のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls0及び符号化変調信号S1のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls1をそれぞれ生成する。ここで生成された各パルス幅設定信号は、それぞれパルス幅調整部251に出力される。
【0179】
ここで、制御部240がCPU40からのパルス幅情報取得要求を受信したときの制御部240における処理動作について図40を用いて説明する。図40のフローチャートは、制御部240によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応し、CPU40からのパルス幅情報取得要求を受信すると、パルス幅情報取得処理がスタートする。なお、記録クロック信号Wckは通常の記録時と同様に出力されているものとする。このパルス幅情報取得要求は、例えば、記録の際に、シーク動作が完了したときにCPU40から出力される。
【0180】
最初のステップ801では、各パワー信号(P0Data,P1Data,P2Data)がそれぞれ0となるように、制御部260に指示する。この指示は、制御部260を介して照射レベル設定部262に通知され、各パワー信号は0となる。これにより、半導体レーザの異常発光を防止し、半導体レーザを破壊や劣化から保護することができる。
【0181】
次のステップ803では、パルス幅調整部251での符号化変調信号S0及びS1に対するパルス幅調整量が0となるようにパルス幅制御部252に指示する。これにより、パルス幅制御部252は、パルス幅検出信号Spls0,Spls1に関係なく、符号化変調信号S0のパルス幅調整量を0に設定するパルス幅設定信号Pls0、及び符号化変調信号S1のパルス幅調整量を0に設定するパルス幅設定信号Pls1をパルス幅調整部251にそれぞれ出力する。
【0182】
次のステップ805では、符号化変調信号S0のパルス幅調整カウンタC0、符号化変調信号S1のパルス幅調整カウンタC1を0クリアする。
【0183】
次のステップ807では、テスト波形生成部249にテスト用波形情報信号の生成を指示する。これにより、テスト波形生成部249から変調信号生成・符号化部246にテスト用波形情報信号が出力される。そして、変調信号生成・符号化部246にて、テスト用波形情報信号に応じた符号化変調信号S0及びS1が生成され、パルス幅調整部251に出力される。パルス幅調整部251では、この符号化変調信号S0及びS1は調整されることなく、光ピックアップ装置23に出力される。すなわち、dS0=S0、dS1=S1である。
【0184】
これにより、パルス幅調整部251から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23におけるパルス幅がそれぞれパルス幅検出部271にて検出され、パルス幅検出信号Spls0及びSpls1としてパルス幅検出部271から出力される。
【0185】
次のステップ809では、パルス幅検出部271で検出されたパルス幅検出信号Spls0をパルス幅制御部252を介して取得する。
【0186】
次のステップ811では、取得したパルス幅検出信号Spls0と予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp0との差ΔP0を求める。なお、予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp0は予め取得され、RAM250に格納されている。
【0187】
次のステップ813では、ΔP0の絶対値が予め設定されている許容値Wp0以下であるか否かを判断する。ΔP0の絶対値が許容値Wp0を超えていればここでの判断は否定され、ステップ815に移行する。
【0188】
このステップ815では、パルス幅調整カウンタC0の値を+1する。
【0189】
次のステップ817では、ΔP0が0未満であるか否かを判断する。ΔP0が0未満であればここでの判断は肯定され、ステップ819に移行する。
【0190】
このステップ819では、パルス幅調整カウンタC0の値を参照し、符号化変調信号S0のパルス幅がC0ステップ分だけ拡大するようにパルス幅設定信号Pls0を設定する。これにより、符号化変調信号S0はパルス幅調整部251にてパルス幅がC0ステップ分だけ拡大されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ809に戻る。
【0191】
一方、上記ステップ817において、ΔP0が0以上であれば、ステップ817での判断は否定され、ステップ821に移行する。
【0192】
このステップ821では、パルス幅調整カウンタC0の値を参照し、符号化変調信号S0のパルス幅がC0ステップ分だけ縮小するようにパルス幅設定信号Pls0を設定する。これにより、符号化変調信号S0はパルス幅調整部251にてパルス幅がC0ステップ分だけ縮小されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ809に戻る。
【0193】
ΔP0の絶対値が許容値Wp0以下となると、上記ステップ813での判断は肯定され、ステップ831に移行する。
【0194】
このステップ831では、パルス幅検出部271で検出されたパルス幅検出信号Spls1をパルス幅制御部252を介して取得する。
【0195】
次のステップ833では、取得したパルス幅検出信号Spls1と予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp1との差ΔP1を求める。なお、予定パルス幅に対応したパルス幅検出信号Sp1は予め取得され、RAM250に格納されている。
【0196】
次のステップ835では、ΔP1の絶対値が予め設定されている許容値Wp1以下であるか否かを判断する。ΔP1の絶対値が許容値Wp1を超えていればここでの判断は否定され、ステップ837に移行する。
【0197】
このステップ837では、パルス幅調整カウンタC1の値を+1する。
【0198】
次のステップ839では、ΔP1が0未満であるか否かを判断する。ΔP1が0未満であればここでの判断は肯定され、ステップ841に移行する。
【0199】
このステップ841では、パルス幅調整カウンタC1の値を参照し、符号化変調信号S1のパルス幅がC1ステップ分だけ拡大するようにパルス幅設定信号Pls1を設定する。これにより、符号化変調信号S1はパルス幅調整部251にてパルス幅がC1ステップ分だけ拡大されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ831に戻る。
【0200】
一方、上記ステップ839において、ΔP1が0以上であれば、ステップ839での判断は否定され、ステップ843に移行する。
【0201】
このステップ843では、パルス幅調整カウンタC1の値を参照し、符号化変調信号S1のパルス幅がC1ステップ分だけ縮小するようにパルス幅設定信号Pls1を設定する。これにより、符号化変調信号S1はパルス幅調整部251にてパルス幅がC1ステップ分だけ縮小されて光ピックアップ装置23に出力される。そして、前記ステップ831に戻る。
【0202】
ΔP1の絶対値が許容値Wp1以下となると、上記ステップ835での判断は肯定され、ステップ851に移行する。
【0203】
このステップ851では、パルス幅調整カウンタC0及びC1の値を含むパルス幅情報を、光ピックアップ装置23の現在のシーク位置情報とともにRAM250に格納する。そして、パルス幅情報取得処理を終了する。
【0204】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る光ディスク装置では、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様に、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。そして、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様にして記録及び再生処理が行われる。
【0205】
また、第1の実施形態と同様に、変調信号生成回路24とフレキシブルケーブルFCとLD駆動回路LDDとによって本発明に係る光源駆動装置が構成されている。またパルス幅調整部251とパルス幅制御部252とによってパルス幅変動補正手段が構成されている。
【0206】
そして第1の実施形態と同様に、変調信号生成・符号化部246の処理動作によって本発明に係る駆動信号生成方法の第1工程が実施され、復号部263の処理動作によって第2工程が実施され、変調部266の処理動作によって第3工程が実施されている。
【0207】
以上説明したように、本第2の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによると、変調信号生成・符号化部246にて変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、復号部263にて符号化変調信号を変調信号に復号している。これにより、第1の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDと同様な効果を得ることができる。
【0208】
また、変調信号生成回路24から出力される信号dS0及びdS1は、符号化変調信号S0及びS1に対して、フレキシブルケーブルFCでのパルス幅変動を相殺するような調整がすでになされている信号であるため、LD駆動回路LDDでは精度良く半導体レーザを駆動することができる。
【0209】
また、本第2の実施形態に係る光ディスク装置によると、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによって、半導体レーザを精度良く駆動することができるため、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な効果を得ることができる。
【0210】
なお、上記第2の実施形態では、パルス幅情報取得処理において、ΔP0の絶対値の許容値とΔP1の絶対値の許容値とが異なる場合について説明したが、これに限らず、ΔP0の絶対値の許容値とΔP1の絶対値の許容値とが同じであっても良い。
【0211】
また、上記第2の実施形態のパルス幅検出部271において、図41に示されるように、前述したA/D変換器271c0及びA/D変換器271c1に代えて、それぞれ比較回路271d0及び比較回路271d1を用いても良い。比較回路271d0は平滑回路271b0の出力信号と基準信号Vref0とを比較し、その比較結果をパルス幅検出信号Spls0a及びSpls0bとして出力する。ここでは、信号dS0のパルス幅が予定パルス幅と同じ場合にはSpls0a=0及びSpls0b=0が出力され、信号dS0のパルス幅が予定パルス幅よりも長い場合にはSpls0a=1及びSpls0b=0が出力され、信号dS0のパルス幅が予定パルス幅よりも短い場合にはSpls0a=0及びSpls0b=1が出力されるように設定されている。比較回路271d1は平滑回路271b1の出力信号と基準信号Vref1とを比較し、その比較結果をパルス幅検出信号Spls1a及びSpls1bとして出力する。ここでは、信号dS1のパルス幅が予定パルス幅と同じ場合にはSpls1a=0及びSpls1b=0が出力され、信号dS1のパルス幅が予定パルス幅よりも長い場合にはSpls1a=1及びSpls1b=0が出力され、信号dS1のパルス幅が予定パルス幅よりも短い場合にはSpls1a=0及びSpls1b=1が出力されるように設定されている。
【0212】
この場合には、上記パルス幅情報取得処理における制御部240の処理を一部簡略化することができる。
【0213】
また、上記第2の実施形態において、図42に示されるように、前述したパルス幅検出部271に代えて、復号部263から出力される変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)に基づいてパルス幅検出を行なうパルス幅検出部271’を用いても良い。例えば図43に示されるように、信号dS0のパルス幅がd0だけ長くなると、それに対応して変調信号Mod2のパルス幅がd0だけ長くなる。また、例えば図44に示されるように、信号dS1のパルス幅がd1だけ長くなると、それに対応して変調信号Mod0のパルス幅がd1だけ短くなる。なお、図43及び図44では、信号dS0及びdS1は互いに同一周波数であり、かつパルス幅調整部251から出力されるときの信号dS0とdS1との位相差が(π/2)である場合について示されている。
【0214】
また、上記第2の実施形態において、図45に示されるように、パルス幅制御部252で生成されたパルス幅設定信号Pls0,Pls1を波形生成部243”に出力し、波形生成部243”において、各パルス幅設定信号に応じて波形情報信号を補正しても良い。例えば、パルス幅設定信号Pls0に応じて符号化変調信号S0のパルス幅をd0だけ縮小する場合には、波形生成部243”は、前記Tsp、Tmp、及びTlpからd0を減算するとともに、前記Tms、Tls、及びTesにd0を加算した波形情報信号を生成する。また、パルス幅設定信号Pls1に応じて符号化変調信号S1のパルス幅をd1だけ縮小する場合には、波形生成部243”は、前記Tssにd1を加算するとともに、前記Tspからd1を減算した波形情報信号を生成する。この場合には、変調信号生成・符号化部246からは、パルス幅が調整された符号化変調信号S0及びS1が出力されることとなる。すなわち、符号化変調信号S0及びS1は、上記第2の実施形態におけるパルス幅調整部251の出力信号dS0及びdS1とそれぞれ等しくなる。従って、パルス幅調整部251は不要となる。この場合には、波形生成部243”とパルス幅制御部252とによってパルス幅変動補正手段が構成されることとなる。
【0215】
また、上記第2の実施形態において、図46に示されるように、前述したパルス幅検出部271に代えて、モニタ信号Pmonに基づいてパルス幅検出を行なうパルス幅検出部271”を用いても良い。このパルス幅検出部271”は、モニタ信号Pmonに含まれる高周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)271g、該LPF271gの出力信号をA/D変換し、パルス幅検出信号Splsとして出力するA/D変換器271hなどを有している。例えば、パワー信号P0Data=0、及びP0Data=0に設定するとともに、パワー信号P2Dataに所定の値を設定し、そのときの変調信号Mod2のパルス幅を検出することにより、信号dS0のパルス幅を知ることができる。
【0216】
また、上記第2の実施形態では、記録の際にパルス幅情報取得処理を行なう場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、記録の際に、CPU40はそのときのシーク位置に対応するパルス幅情報がRAM250に格納されている場合には、該パルス幅情報に基づいてパルス幅情報設定信号を生成するようにパルス幅情報制御部252に指示しても良い。さらに、例えば光ディスク装置の調整工程などにおいて、予め設定されたピックアップ装置23のシーク位置毎にパルス幅情報取得処理を行ない、得られたパルス幅情報をシーク位置に対応付けてフラッシュメモリ39のデータ領域に格納しておき、光ディスク装置に電源が投入されたときに、RAM250に転送しても良い。なお、工場出荷後にパルス幅情報取得処理を行なわないことが明確な場合には、例えば工場出荷時にパルス幅検出部271を外しても良い。
【0217】
また、上記第2の実施形態において、パルス幅の検出結果をシリアルデータとして光ピックアップ装置23から変調信号生成回路24に供給しても良い。
【0218】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態を図47及び図48に基づいて説明する。
【0219】
この第3の実施形態は、図47に示されるように、前述した第1の実施形態における遅延制御部248に代えてパルス幅・遅延制御部253を用い、波形生成部243に代えて前述した波形生成部243”を用い、図48に示されるように、前述した第1の実施形態における遅延検出部264に代えてパルス幅・遅延差検出部273を用いる点に特徴を有する。その他の構成は、前述した第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0220】
パルス幅・遅延制御部253は、CPU40からのパルス幅・遅延情報取得要求に応じて、パルス幅・遅延差検出部273から出力された信号dS0及びdS1の光ピックアップ装置23におけるパルス幅情報及び遅延情報を取得し、RAM250に格納する。なお、遅延情報は第1の実施形態と同様にして取得することができ、パルス幅情報は第2の実施形態と同様にして取得することができる。このパルス幅・遅延情報取得要求は、例えば、記録の際に、シーク動作が完了したときにCPU40から出力される。
【0221】
また、パルス幅・遅延制御部253は、記録に際して、RAM250に格納されているパルス幅情報に基づいて、符号化変調信号S0のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls0及び符号化変調信号S1のパルス幅を調整するためのパルス幅設定信号Pls1をそれぞれ生成する。ここで生成された各パルス幅設定信号は、それぞれ波形生成部243”に出力される。
【0222】
さらに、パルス幅・遅延制御部253は、記録に際して、RAM250に格納されている遅延情報に基づいて、符号化変調信号S0を調整するための遅延設定信号Dly0、及び符号化変調信号S1を調整するための遅延設定信号Dly1を生成する。ここで生成された各遅延設定信号は、それぞれ遅延調整部247に出力される。
【0223】
波形生成部243”は、前述したように各パルス幅設定信号に応じて波形情報信号を補正する。これにより、変調信号生成・符号化部246からは、パルス幅が調整された符号化変調信号S0及びS1が出力されることとなる。
【0224】
遅延調整部247は、前述したように各遅延設定信号に応じて各符号化変調信号を調整する。これにより、遅延調整部247からは、遅延差及びパルス幅が調整された信号dS0及びdS1が出力される。
【0225】
パルス幅・遅延差検出部273は、復号部263から出力される変調信号(Mod0,Mod1,Mod2)を入力信号とし、前述したように、変調信号Mod1のパルス幅に基づいて遅延検出信号Sdly0及びSdly1を生成するとともに、変調信号Mod2のパルス幅に基づいてパルス幅検出信号Spls0を生成し、さらに変調信号Mod0のパルス幅に基づいてパルス幅検出信号Spls1を生成する。ここで生成された各検出信号はそれぞれパルス幅・遅延制御部253に出力される。
【0226】
以上の説明から明らかなように、本第3の実施形態に係る光ディスク装置では、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様に、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。そして、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様にして記録及び再生処理が行われる。
【0227】
また、第1の実施形態と同様に、変調信号生成回路24とフレキシブルケーブルFCとLD駆動回路LDDとによって本発明に係る光源駆動装置が構成されている。
【0228】
そして、第1の実施形態と同様に、変調信号生成・符号化部246の処理動作によって本発明に係る駆動信号生成方法の第1工程が実施され,復号部263の処理動作によって第2工程が実施され、変調部266の処理動作によって第3工程が実施されている。
【0229】
以上説明したように、本第3の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによると、変調信号生成・符号化部246にて変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、復号部263にて符号化変調信号を変調信号に復号している。これにより、第1の実施形態に係る変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDと同様な効果を得ることができる。
【0230】
また、変調信号生成回路24から出力される信号dS0及びdS1は、符号化変調信号S0及びS1に対して、フレキシブルケーブルFCでのパルス幅変動及び遅延差をそれぞれ相殺するような調整がすでになされている信号であるため、LD駆動回路LDDでは精度良く半導体レーザを駆動することができる。
【0231】
また、本第3の実施形態に係る光ディスク装置によると、変調信号生成回路24及びLD駆動回路LDDによって、半導体レーザを精度良く駆動することができるため、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な効果を得ることができる。
【0232】
なお、上記第3の実施形態において、図49に示されるように、前述した遅延調整部247に代えてパルス幅・遅延調整部255を用いても良い。この場合には、前述した波形生成部243”に代えて第1の実施形態と同様な波形生成部243を用いても良い。パルス幅・遅延調整部255は、一例として図50に示されるように、前記パルス幅調整部251とほぼ同様な構成とすることができる。例えばS01andS02の論理積信号を1ステップ分だけ遅らせるには、該S01andS02に代えてS02andS03の論理積信号を選択すれば良い。
【0233】
また、上記第3の実施形態では、復号部263から出力される変調信号に基づいて各遅延検出信号を生成する場合について説明したが、これに限らず、前述したように復号部263に入力される信号dS0及びdS1に基づいて各遅延検出信号を生成しても良い。
【0234】
また、上記第3の実施形態では、復号部263から出力される変調信号に基づいて各パルス幅検出信号を生成する場合について説明したが、これに限らず、前述したように復号部263に入力される信号dS0及びdS1に基づいて各パルス幅検出信号を生成しても良い。
【0235】
また、上記第3の実施形態において、遅延検出結果及びパルス幅の検出結果をシリアルデータとして光ピックアップ装置23から変調信号生成回路24に供給しても良い。
【0236】
そこで、伝送路による信号の遅延差が大きい場合には上記第1の実施形態が採用され、伝送路による信号のパルス幅変動が大きい場合には上記第2の実施形態が採用され、伝送路による信号の遅延差及びパルス幅変動が大きい場合には上記第3の実施形態が採用される。
【0237】
また、上記各実施形態では、LD制御部265において駆動電流Ibに対応する信号がバイアス信号Ibiasに設定される場合について説明したが、これに限らず、例えば閾値電流Ithに対応する信号をバイアス信号Ibiasに設定しても良い。但し、この場合には駆動電流Ibと閾値電流Ithとの差に対応する信号を、例えば加算器267で加算する必要がある。
【0238】
また、上記各実施形態では、変調部266を構成している各D/A変換器が8ビットD/A変換器である場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。但しビット数に応じて上記(1a)式〜(1c)式を修正する必要がある。
【0239】
また、上記各実施形態では、信号伝送媒体としてフレキシブルケーブルが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0240】
また、上記各実施形態では、記録時のパワー制御値が3種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、4種類以上であっても良い。この場合には、信号伝送媒体の小型化の効果が顕著となる。
【0241】
また、上記各実施形態では、光源として波長が660nmの光束を発光する半導体レーザLDを用いる場合について説明したが、これに限られるものはなく、例えば波長が約405nmの光束を発光する光源又は波長が約780nmの光束を発光する光源が用いられても良い。
【0242】
また、上記各実施形態において、モニタ用光束を受光するための受光器を光源ユニット内に配置しても良い。
【0243】
また、上記各実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。すなわち、光ディスク装置が互いに異なる規格に準拠した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク装置であっても良い。
【0244】
また、上記各実施形態では、インターフェースがATAPIの規格に準拠する場合について説明したが、これに限らず、例えばATA(AT Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)、USB(Universal Serial Bus)1.0、USB2.0、IEEE1394、IEEE802.3、シリアルATA及びシリアルATAPIのうちのいずれかの規格に準拠しても良い。
【0245】
また、上記各実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち、少なくとも記録が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0246】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る駆動信号生成方法及び光源駆動装置によれば、光ディスクに対する情報記録の記録品質を維持しつつ、小型化、低コスト化が可能となるという効果がある。
【0247】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、大型化、高コスト化を招くことなく、光ディスクに対して記録品質に優れた記録を行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における再生信号処理回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1における変調信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図3におけるクロック信号生成部の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図3におけるクロック信号生成部にて生成されるクロック信号を説明するための波形図である。
【図6】図3における波形生成部で生成される波形情報信号を説明するための図である。
【図7】図3における遅延調整部の構成を説明するためのブロック図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、それぞれ遅延調整部の作用を説明するための図である。
【図9】図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。
【図10】図9におけるLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】図10の照射レベル設定部から出力されるパワー信号を説明するための図である。
【図12】図10における復号部の作用を説明するための図である。
【図13】図10における変調部を説明するための図である。
【図14】図10における遅延検出部を説明するための図である。
【図15】図14の遅延検出部の作用(その1)を説明するための図である。
【図16】図14の遅延検出部の作用(その2)を説明するための図である。
【図17】図10における制御部がCPUからの遅延情報取得要求を受信したときの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】遅延情報取得処理のときに変調信号生成・符号化部246から出力される符号化変調信号説明するためのタイミングチャートである。
【図19】記録時におけるLD駆動回路の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図20】発光パワーのパルス形状と形成されるマーク領域との関係を説明するための図である。
【図21】ホストからの記録要求に応じて行なわれる光ディスク装置における記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】ホストからの再生要求に応じて行なわれる光ディスク装置における再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】図10における遅延検出部の他の構成例を説明するための図である。
【図24】復号部から出力される変調信号に基づいて遅延検出を行なう場合のLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図25】図24における遅延検出部の作用(その1)を説明するためのタイミングチャートである。
【図26】図24における遅延検出部の作用(その2)を説明するためのタイミングチャートである。
【図27】図24における遅延検出部の作用(その3)を説明するためのタイミングチャートである。
【図28】図28(A)及び図28(B)は、それぞれ図24における遅延検出部の構成を説明するためのブロック図である。
【図29】図28の遅延検出部の作用を説明するための図である。
【図30】図24における遅延検出部の他の構成例を説明するための図である。
【図31】波形生成部で遅延調整を行なう場合の変調信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図32】図31における波形生成部の作用(その1)を説明するためのタイミングチャートである。
【図33】図31における波形生成部の作用(その2)を説明するためのタイミングチャートである。
【図34】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置における変調信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図35】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置におけるLD駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図36】図34におけるパルス幅調整部の構成を説明するためのブロック図である。
【図37】図36のパルス幅調整部の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図38】図37におけるパルス幅検出部の構成を説明するためのブロック図である。
【図39】図38のパルス幅検出部の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図40】図34における制御部がCPUからのパルス幅情報取得要求を受信したときの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図41】図35におけるパルス幅検出部の他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図42】復号部から出力される変調信号に基づいてパルス幅検出を行なう場合のLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図43】図42におけるパルス幅検出部の作用(その1)を説明するためのタイミングチャートである。
【図44】図42におけるパルス幅検出部の作用(その2)を説明するためのタイミングチャートである。
【図45】波形生成部でパルス幅調整を行なう場合の変調信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図46】パワーモニタ信号に基づいてパルス幅検出を行なう場合のLD駆動回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図47】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置における変調信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図48】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置におけるLD駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図49】図47における変調信号生成回路の他の構成例を説明するためのブロック図である。
【図50】図49におけるパルス幅・遅延調整部の構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、24…変調信号生成回路(光源駆動装置の一部)、40…CPU(処理装置)、59…受光器(光検出器)、243’…波形生成部(遅延補正手段の一部)、243”…波形生成部(パルス幅変動補正手段の一部)、246…変調信号生成・符号化部(符号化信号生成手段)、247…遅延調整部(遅延補正手段の一部)、248…遅延制御部(遅延補正手段の一部)、251…パルス幅調整部(パルス幅変動補正手段の一部)、252…パルス幅制御部(パルス幅変動補正手段の一部)、263…復号部(復号手段)、264,264’…遅延検出部(信号遅延検出手段)、266…変調部(駆動信号生成手段)、271,271’,271”…パルス幅検出部(パルス幅変動検出手段)、FC…フレキシブルケーブル(信号伝送媒体)、LD…半導体レーザ(光源)、LDD…LD駆動回路(光源駆動装置の一部)。
Claims (15)
- 光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、前記光源を駆動する光源駆動装置において、前記データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号に基づいて前記光源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成方法であって、
前記複数の変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化することにより、前記複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号を生成し、所定の伝送路に出力する第1工程と;
前記伝送路を介した前記符号化変調信号を前記複数の変調信号に復号する第2工程と;
前記復号された複数の変調信号に基づいて前記駆動信号を生成する第3工程と;を含む駆動信号生成方法。 - 光源からパルス発光されるレーザ光を用いて光ディスクにデータを記録する際に、前記データに対応した書き込み信号から生成された複数の変調信号を所定の符号化規則にしたがって符号化し、前記複数の変調信号の信号数よりも少ない信号数の符号化変調信号を生成する符号化信号生成手段と;
前記符号化変調信号を前記複数の変調信号に復号する復号手段と;
前記符号化信号生成手段で生成された前記符号化変調信号を前記復号手段に伝送するための信号伝送媒体と;
前記復号された前記変調信号に基づいて前記光源の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と;を備える光源駆動装置。 - 前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号の信号遅延を補正する遅延補正手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の光源駆動装置。
- 前記遅延補正手段は、前記符号化信号生成手段で符号化される前の前記複数の変調信号の少なくとも1つの変調信号の位相を前記信号遅延に応じて調整することにより、前記信号遅延を補正することを特徴とする請求項3に記載の光源駆動装置。
- 前記遅延補正手段は、前記符号化変調信号の位相を前記信号遅延に応じて調整することにより、前記信号遅延を補正することを特徴とする請求項3に記載の光源駆動装置。
- 前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号の信号遅延を検出する信号遅延検出手段を更に備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
- 前記信号遅延検出手段は、前記復号手段で復号された前記複数の変調信号のパルス形状に基づいて前記信号遅延を検出することを特徴とする請求項6に記載の光源駆動装置。
- 前記信号遅延検出手段は、前記光源から発光されたレーザ光の光量に関する情報を含むモニタ信号に基づいて前記信号遅延を検出することを特徴とする請求項6に記載の光源駆動装置。
- 前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号のパルス幅変動を補正するパルス幅変動補正手段を更に備えることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
- 前記パルス幅変動補正手段は、前記符号化信号生成手段で符号化される前の前記複数の変調信号の少なくとも1つの変調信号のパルス幅を前記パルス幅変動に応じて調整することにより、前記パルス幅変動を補正することを特徴とする請求項9に記載の光源駆動装置。
- 前記パルス幅変動補正手段は、前記符号化変調信号のパルス幅を前記パルス幅変動に応じて調整することにより、前記パルス幅変動を補正することを特徴とする請求項9に記載の光源駆動装置。
- 前記信号伝送媒体にて生じる前記符号化変調信号のパルス幅変動を検出するパルス幅変動検出手段を更に備えることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
- 前記パルス幅変動検出手段は、前記復号手段で復号された前記複数の変調信号のパルス幅に基づいて前記パルス幅変動を検出することを特徴とする請求項12に記載の光源駆動装置。
- 前記パルス幅変動検出手段は、前記光源から発光されたレーザ光の光量に関す情報を含むモニタ信号に基づいて前記パルス幅変動を検出することを特徴とする請求項12に記載の光源駆動装置。
- 光ディスクに対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう光ディスク装置であって、
光源と;
前記光源から射出される光束を前記光ディスクの記録面に集光するとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光装置に導く光学系と;
前記受光位置に配置された光検出器と;
前記光源を駆動する請求項2〜14のいずれか一項に記載の光源駆動装置と;
前記光源駆動装置を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197882A JP2005038470A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 駆動信号生成方法、光源駆動装置及び光ディスク装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7911911B2 (en) | 2008-03-31 | 2011-03-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical disk device and control method |
US10713284B2 (en) | 2016-07-06 | 2020-07-14 | Sap Se | Platform-based data segregation |
-
2003
- 2003-07-16 JP JP2003197882A patent/JP2005038470A/ja active Pending
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